平成18年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議案第百十一号から議案第百三十七号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第七号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 十七番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 おはようございます。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、早速、一般質問に移らせていただきます。
 最初に、先般、東京都港区の公営団地において高校生がエレベーターの誤作動により死亡するという痛ましい事故が起こりました。製造した海外のエレベーター会社やメンテナンス会社の対応を見ていますと、被害者の御家族にとって怒り心頭ではないかと思いますが、亡くなられた少年に心から御冥福をお祈りいたします。
 また、このエレベーター事故が公営団地で起こったことも大きな衝撃を受けました。このエレベーター会社の製品は日本のメーカーのものより二割程度安かったそうですが、公共の建物の安全性はだれが保障するのでしょうか。公共事業で最も大切なことは、住民に安全を確保することではないでしょうか。(「速過ぎるよ。ゆっくりしゃべって」と呼ぶ者あり)はい。ちょっと長いもんで。
 構造計算の偽造事件のときも過当競争による低価格の問題について取りざたされましたが、価格競争と安全性の問題について、さらに企業のモラルについて、今回の事件で再び考えさせられました。安い受注金額であっても、それを裏づける技術力と社員の工夫と努力により立派に完成される建設業者がほとんどですから、単純に低価格と安全性を比較することはできませんが、その安全性と品質保証に一抹の不安を感じるのは私だけではないと思います。
 公共事業の安全性を裏づける品質の確保について、当局においては今後ともぜひ適切な対応をしていただきたいと思います。
 このたび事故を起こしたエレベーター会社の県内でのエレベーター設置状況を当局は把握しておられると思いますが、事故を起こしたエレベーターの公共建築物やその他の一般建築物の設置状況と安全性について、県土整備部長にお尋ねいたします。
 次に、このたび木村知事は和歌山県地球温暖化対策地域推進計画をまとめられました。その冒頭で、「環境と経済が両立した持続可能な社会の構築を目指す」とあり、事業者、県民、行政ごとの地球温暖化防止に対して役割を明確にされ、温室効果ガスについて削減を目指すと決意を述べられております。
 まさしく今世紀は環境の世紀であり、我が県も世界遺産に登録された紀伊山地の霊場と参詣道や串本町がラムサール条約に採択される等、和歌山県の自然が改めて国内外から注目を浴びました。私も県民の一人として大変誇らしく思いますが、また反面、その環境を守り後世に引き継いでいくことの責任の大きさに身の引き締まる思いであります。
 しかし、私たちは、山あり海あり川ありとすばらしい環境の中で暮らしていますが、昨今、身近な環境に心を配りますと、海岸はいそ枯れが目立ち、里山や経営林は手入れ不足で荒廃が進み、川も生活排水で汚染され続けています。
 今回の知事の提言のとおり、地球の温暖化は大きな地球規模の環境問題でありますが、関連して、身近な私たちの生活に必要不可欠な水が循環する過程で環境が汚染されていることにも思いをいたさなくてはなりません。海から空に、空から陸に、陸から川を伝って海に戻るという循環の中で水質が損なわれるのです。小川や河川に家庭からの未処理の生活排水が流され、魚やその他動植物にも影響を与えているのではないかと大変憂慮されております。
 我が県が全国的に比較して最もおくれているこうした水質汚染対策にも早急に対応するため、一刻も早いインフラ整備を進めていただくことを当局に切にお願いしたいと思います。
 また、昨年十二月議会において、紀の国森づくり税等を創設することにより広く県民の皆様にもふるさとの環境に対して関心を持っていただき、さらに御理解と御協力を賜るべく提案していただいていますが、来年四月実施に向かって、皆さんそれぞれのお立場で啓発や御説明に御尽力をいただいていることと存じます。
 もう既に隣の奈良県では、同趣旨の森林環境に関する新たな課税森林環境税をことし四月一日から導入されました。課税対象や徴収金額の設定についてはほぼ和歌山県と同じで、個人県民税と法人県民税から成り、森林環境保全基金を創設して森林環境の保全を目的とした事業を実施していくとのことであります。
 御承知のとおり、奈良県は大和川水系、淀川水系、紀の川水系、新宮川水系、北山川水系から成り、その人口分布は大和川、淀川水系で百三十四万六千人、実に九三%の人口を抱えております。一方、紀の川、新宮川、北山川水系の擁する森林面積は二十一万六千ヘクタールで、県土の七六%を占めております。奈良県の環境税は、主に和歌山県の水源地に当たる三水系の森林環境保全に充当されると言っても過言ではありません。奈良県のお取り組みに対し、心から敬意を表したいと思います。
 森林の持つ恵みは、その多様な公的機能にあり、県土の保全や水源涵養機能や保健休養機能、自然環境の保全機能、地球温暖化防止機能等があり、私たちの生活と深くかかわっております。
 全国的にも、多くの森林を擁する地域のこうした動きはさらに加速し、改めて森林環境保全に対して和歌山県も積極的に取り組んでいかなければならないと強く認識をいたしました。
 大変重要でかつ大きなテーマである環境問題でありますが、知事が述べられたように、行政は行政の分野において諸問題にお取り組みいただくと同時に、私たちも一人一人が生活の中で身の回りの環境保全に対し意識を向上させ、取り組まなければと思う次第であります。
 こうした中、このたび日高川町の笹朝一町長さんに会長をお引き受けいただき、日高川の環境を守る会が発足され、先般、その趣旨に御賛同される皆さんが県庁を訪れ、木村知事は不在でしたが、小佐田副知事を初め幹部の皆さんを訪問され、日高川の環境保全について強く要望をお願い申し上げました。
 特に問題となっているのは、どこのダムでも抱える共通の問題であると思いますが、ダムにより上流と下流の流れが阻害され、さまざまな影響が出てきたことであります。
 椿山ダムは、御承知のとおり、昭和二十八年七月二十八日に起こった大水害を目の当たりにし、二度とその惨劇を繰り返さないため、巨費を投じ、地元美山村民の協力により建設に至ったものであります。ダムが完成するまでは、少し大きな台風が来ると道路にまで水がはんらんし田畑も浸水する等、私たちの生活に多大の被害を及ぼしました。昭和六十三年三月に完成してからはその水量の調整によりほとんど大きな被害にも遭わず安心して暮らしていけることに、完成に至るまでの県当局や関係各位の御労苦に心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 かく言う私は旧美山村出身で、中学校を卒業するまではこの母なる川、日高川にはぐくまれ、成長してまいりました。私たち子供は、夏になれば朝から夕方まで川に入り水泳や魚とりなどに熱中し、時のたつのも忘れて遊び、自然から多くのことを学んだものでありました。しかし、昨今の日高川の環境について、いろいろな方から厳しい御意見を伺う機会が多くなりました。
 私も、ダム建設以前の日高川をよく知る者の一人として、ダムの必要性、重要性は認めるものの、その環境保全についてもう少し改善できないものかと常々思いをめぐらせてまいりました。ダムが川の流れをせきとめることにより、ダム上流では土砂が堆積し、ダム下流においては砂や石が補給されずに流出し、ダム直下の川底は二メートル近く低くなり、川本来の浄化作用も衰え、生態系に大きな影響を与えているということであります。この状況を解決することは大変難しいことは承知の上で何か改善策はないのだろうかと、いつも川沿いを通るたびに思います。
 昔、日高川は関西屈指のアユの友釣りのメッカであり、五月にもなりますと、橋の上から見ると勢いよく遡上する若アユの姿に私たち地域に住む住民は心を躍らせたものであります。現在も天然アユは遡上してくるのですが、ダムがあるため、日高川河口に近い若野堰でくみ上げ、椿山ダムの上流に再度放流しております。もちろん、日高川漁業組合の養殖アユも放流しており、一見昔と変わらないように見えますが、近年、原因はよくわかりませんが、冷水病という病気にかかるアユがふえ、大変危機的状況が続いております。
 原因はともかくとして、生態系保全の観点からも、ダム上流と下流をつなぐバイパスが必要ではないかとの意見も拝聴いたします。全国にも、このような生態系を守るために魚道の設置等積極的に取り組んでいる自治体もあるとお伺いいたしております。
 以上のことを踏まえて、幾つか御質問します。
 十二月議会で議決された、来年四月から導入される紀の国森づくり税についてでありますが、実施するに当たり、この一年間を県民への周知期間であると理解いたしております。私も新聞紙上等をおかりして、その必要性や重要性を御坊・日高の皆さんに御理解賜るべく、二度お訴えをしてまいりました。
 そこで、総務部長にお伺いします。
 新年度に変わり、当局におかれまして県民への紀の国森づくり税の広報や啓発活動等に御尽力いただいていることと思いますが、その方法や現在の状況をお尋ねいたします。
 県土整備部長にお尋ねをいたします。
 私たちの身近な生活排水の処理について、現況とその対応をお聞かせください。
 農林水産部長にお尋ねをいたします。
 日高川の生態系を取り戻すために、河川のバイパスとも言える魚道の建設について、その必要性と可能性についてお考えをお聞かせください。
 来年は和歌山県も紀の国森づくり税を実施しますし、また知事の所信表明にも環境問題に対し強い意欲を示されておられますので、こうした諸問題にも積極的にお取り組みをいただきたいと思います。それぞれの地域で抱える環境問題は多種多様であると思いますが、日高川を母なる川として、その優しさに抱かれ、ともに生きてきた流域住民の願いを重く受けとめていただき、ふるさとの川が一日も早く、少しでも環境が回復されることを願いつつ、次の質問に移らせていただきます。
 本年四月から導入されました障害者自立支援法が施行されるに当たって、三点に絞ってお尋ねをいたします。
 私は、昨年からたびたび、この法律を運用するに当たって、自立支援法の趣旨は諸般の現状をかんがみますと理解できますが、当局に対し、運用後の利用者やそれぞれの施設の生の声に対して注意を払っていただきたいと申し上げてまいりました。
 施行からまだ二カ月半しかたっておりませんが、私の存じ上げるある施設の方から、心配していたことが現実化してくるかもしれないとお聞きいたしました。それは、施設利用者に費用の一割を御負担いただくという制度にあると思いますが、思った以上に負担額が利用者の方にとっては重く感じられているということであり、四月分の請求に対し、こんなにたくさん負担しなければいけないのかと保護者の方から驚きと戸惑いのお問い合わせがあったそうです。まだ作業所を退所されるとこまではいっていないようですが、今後の状況次第ではその可能性もあると大変心配をされていました。
 国の財政事情や利用者の平等性、公平性、継続性という観点から考えますと自立支援法の趣旨もわかりますし、私たちも前向きに対応していかなくてはならないことは理解できます。しかし、現実にその一割負担が予想以上に重くのしかかり、食費や施設に通う交通費等を含めますと、それに収入が伴わないため、せっかく通い始めた授産施設に行くことをためらう利用者の方もいらっしゃるとお伺 いしました。
 当初から懸念されていたことではありますが、障害者の自立支援を行っていくという本来の目的を達成するためには、どうしても職業支援を同時に力強く進め、利用者の所得増を図らなくてはなりません。支援費制度によりせっかく社会と共存していくことに希望が膨らみ喜んで通所していたところが、一割負担に応じられない障害者の方は、以前のように自宅に引きこもり暮らしていかねばならないのかと不安を募らせています。保護者の方が経済的にも健康的にも問題のない御家庭であれば今までどおり通うことができますが、今後、保護者の高齢化等により通所できなくなる方も出てくるのではと心配をいたしております。
 もう一つ心配なことは、もし利用者が減ることになれば、先ほど述べた授産施設の経営についても大変心配になってまいります。障害者の方が各施設に通所されると、授産施設に対し支援費制度により支給される仕組みになっております。この支給額は、平均的な施設についての算定額になりますが、知的障害者通所授産施設で、定員三十名で利用者一人当たり十四万八千九百四十円支給され、施設には月額四百四十六万八千二百円が支給されます。同じく身体障害者通所授産施設は一人当たり十四万四千三百二十円で、定員二十名の施設だとすると二百八十八万六千四百円、精神障害者通所授産施設には一人当たり十三万三千八百五十円で、二十名の定員とすると二百六十七万七千円が支給されております。通所者が減るとその一人分が減額され、施設運営が大変厳しい状況になることは一目瞭然です。
 支援費制度が導入され、利用者がふえ、当然その方々を介護するための職員数もふえておりますし、施設等も充実させてまいりました。しかし、障害者自立支援法が施行され、利用者に一割負担と食費の負担を求めたため、利用者が通所できない状況も今後出てくるのではないかと懸念されます。そうすると、必然的に施設への支援費が減り、当初計画していた施設運営に大きな影響を与えるのではないかと考えます。
 通所授産施設としては、これ以上新たな負担を利用者の方に求めることはできませんから、職員のリストラによるサービスの低下や、また施設自体の統廃合により利便性が低下し、利用者がさらに減るという悪循環になり、ますます運営が立ち行かなくなることが心配されます。
 そこで、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 今述べたような事柄を県当局もある程度予想されていたと思います。まだ始まったばかりなので県内の現況を統計的に把握できていないと思いますが、実際そのような現場の声もありますので、今後そのような状況がより顕在化したときの対応についてお考えをお伺いいたしたいと思います。
 障害者の収入をふやすという観点から、木村知事を初め県すべての部局にお願いいたしたいと思いますが、手持ちの仕事の仕分け作業の際、授産施設等に発注できるような仕事がないのか、あればぜひ随意契約等の方法もお考えいただき、障害者の方の仕事場をふやしていただくようお願いを申し上げます。
 次に、療養介護及び重症心身障害児(者)のための医療型入所施設の費用負担について、大変矛盾した負担が特定の町だけに求められはしないかということについてお尋ねをいたします。
 私の住む日高郡には、美浜町に国立和歌山病院が、また由良町にはあかつき園がございます。この施設に入っておられる方で、医師の治療を受けておられる方がたくさんおられます。特に、国立和歌山病院には重度心身障害児(者)の方が百五十九名、入院治療を行っておられます。そして、このたびの自立支援法は、こうした方々の医療費についても一割の負担を求めております。
 この方々の治療費は、ことし十月以降、保険給付で七割、在住する国、県、町で障害児施設医療費、療養介護医療費として二割負担し、残り一割は原則利用者負担となりました。今までは、和歌山県は重度心身障害児(者)医療費補助金交付要綱を定め、低所得の方には住所地の市町村が負担すれば県も応分の負担をすることを定め保護してまいりましたので、低所得者の実質負担はありませんでした。
 しかし、このたびの自立支援法が運用されるに当たり、療養介護、重症心身障害児施設等の利用者の家庭において、生活保護家庭の負担はありませんが、上限額を低所得者Ⅰの家庭では一万五千円、低所得者Ⅱの家庭では二万四千六百円、一般家庭で同居されている方は四万二百円を御負担いただくということにそれぞれ設定されています。特に規定以上の収入のある一般家庭においては、福祉部分の利用者負担額が三万七千二百円と食費等の負担も加算されるので大きな負担になります。
 そこで、障害者と他の家族が世帯を分離して本人の収入を障害者年金のみとすると低所得者ⅠもしくはⅡに分類され、低額に抑えることができるので、世帯分離の方法がとられることが予想されます。また、世帯分離をするとき、現在の病院に実質住んでいるのですから、美浜町に住所を移してこられる方も多いのではないでしょうか。現在、美浜町内の方は二名ですが、他の府県や県内の各市町村から住所を美浜町に移してこられると、その方々の医療費も負担することになり、財政的に大変心配されているのであります。
 資料によりますと、国立和歌山病院には美浜町以外の御坊・日高郡の方は十一名、その他の県内の方が五十九名、大阪府からは六十一名、京都府から三名、兵庫県から五名、奈良県から十四名、その他一名となっております。この制度はことしの十月から運用されますが、現在入院されている方々全員美浜町に転入されると仮定して年間の医療費負担額を算定いたしますと、少なく見積もっても約一千五百万円以上になるとのことであります。ことしの一般会計予算が約三十億しか組めない小さな町に一千五百万円以上の負担を、制度とはいえ、拠出できるでしょうか。また、厳しい予算の中、この医療費を町財政から負担することについて議会の承諾や町民の理解が果たして得られるのか、難しいと思います。
 和歌山県も、他の府県から美浜町に転入されると同額の負担が必要となりますが、県当局は他府県の施設に県内の方もお預かりいただいているのですから、一概に出費の部分だけを強調するわけにはいかないということはわかります。
 当然、我が県の各市町村から他の府県の医療施設や療養施設がある市町村に住所を移される方もおられると思いますが、相手先の自治体で同様の混乱が起こります。
 先ほど述べた県の要綱では市町村の負担をまず求めておりますので、道義的にはないと思いますが、一町だけの負担が余りにも重くなれば負担を拒否する自治体も最悪考えられ、そうすると全額利用者の負担となり、一番立場の弱い障害者やその御家族に高額な負担が向けられはしないかと心を痛めております。
 もう一点、障害者のショートステイ制度についてお伺いいたします。
 現在、各施設で行っているショートステイは、四時間未満、四時間以上八時間未満、八時間以上のコースが設定され、国、県、市町村に補助していただき、利用者も応分の負担をし、行われてきました。それぞれの家庭の事情で必要な時間預かっていただけるので大変利便性が高く、好評でした。
 しかし、このたびの改正で十月から従来のサービスと位置づけが異なり、今後はタイムケアという新しい制度により各自治体が施設に依頼するという方法で引き継がれるということをお聞きいたしました。保護者の方から、それぞれの自治体によって対応が異なるのではないか、果たして今までのようなサービスが提供していただけるのだろうかと不安の声が上がっています。
 以上のことを踏まえ、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 もし世帯分離により美浜町に転入してこられる方が多い場合、負担額も大きくなりますが、どのような対応をお考えでしょうか。そして、町は住所の転入を拒否することはできませんが、応分の医療費の負担を拒否した場合、障害者や御家族が負担することになるのでしょうか。道義的にも大変問題があると思いますが、いたし方なくそうした状況になった場合、県の要綱に定められた他の障害者との支援格差が生まれてきます。一町の問題だからと思わないで、十月に向かっての当局の対応をお聞かせください。
 もう一点、ショートステイのあり方について、利用されている皆さんの立場に立って、今まで同様のサービスが提供できるかをお答えいただきたいと思います。
 続きまして、動植物性残渣、いわゆる本県においては梅加工の過程でできる残渣の海洋投棄についてお伺いをいたします。
 一九七二年、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約をロンドンにおいて採択されました。海洋投棄による海洋の汚染防止を目的とする条約であり、我が国は一九七三年に署名し、一九八〇年十一月に国内において発効いたしました。しかし、このロンドン条約による廃棄物管理は十分でないとの認識から、一九九六年に、新たな議定書をもとに廃棄物の管理の仕組みが再構築されることになりました。九六年の議定書は、海洋投棄及び洋上焼却は原則禁止とし、海洋投棄を検討できるものを限定列挙する方式を採用するとともに、海洋投棄する場合には、その影響の検討等に基づいて許可を発給することを義務づけています。さらに、九九年以降、ロンドン条約の報告を行った締約国の中で、我が国は産業廃棄物では投棄量、投棄品目数ともに世界最大となっています。
 そんな背景の中で、梅加工の過程で出る残渣の海洋投入の規定がさらに厳格になり、来年の四月以降、今までのように無期限に許可を発給することができなくなるとお伺いをいたしました。
 条約自体は、地球環境をよくするために世界の国々が決めたことでありますし、今の地球環境の保全の観点からも当然のことと受けとめております。しかし、現実にどのように対応していいのか、実施期間が来年の四月からと対応する期間が短いこともあって、大変戸惑われています。
 梅を漬ける過程で発生する不要となった梅の種や不良梅等の残渣は、平成十六年には約一万六千トンがあり、そのうち浄化槽設置により約一万二千トンを自社処理され、残り約四千トンの残渣が海洋投入されていると県当局は調査結果をまとめています。
 今まで原則禁止でしたが、梅の調味残渣は天然に由来する有機物質に該当すると判断されて海洋投入の許可を認めていただき、業者に委託し、行ってまいりました。これらの残渣は、発生量の多くが有効利用され、また一部陸上処分されており、海洋投入を中止するに当たっての技術的な障害はないと認識されていましたが、残渣を発生する者の数が比較的多く、その多くが個人農家や零細企業であることから、体制を整備し、海洋投入の中止に向けて今後取り組んでいくことが必要であると報告されています。
 そこで、和歌山県の主要産業である梅の加工の過程で出る残渣の処理の規定について、また国から指導並びに今後の数値目標も示されていると思いますが、現在置かれている状況を環境生活部長にお尋ねをいたします。
 また、ロンドン条約に批准しているのですから、その場限りの対応や、まして脱退などは当然考えられませんが、今後、当局は国からの指導に対し、関係者にどのように説明し理解を求め、支援していくのでしょうか。
 私は、処理プラントをつくり、残渣を固形化し陸上処分する方法が理想的ではないかと考えますが、中小零細企業、さらに農家にとっては大変な金額の負担が予測され、今後の見通しも立たないのではないかと考えます。
 そこで、残渣の処分方法について、機械処理プラントの開発等、既に当局において研究が進められているとお聞きいたしておりますが、現在の状況について商工労働部長にお伺いをいたします。
 また、解決の方法や施策が具体化した場合、助成金や補助金、低金利の制度資金等で支援していくべきだと考えますが、農家等に対しての対応については農林水産部長に、企業に対しては商工労働部長にお伺いいたします。
 次に、企業誘致についてお尋ねをいたします。
 本年度予算において、木村知事は一件につき上限百億円の奨励金制度を打ち出し、企業誘致を積極的に進めたいと申されました。若者の働く場が少なく、活力に乏しい我が県にとってはインパクトのあるすばらしい決断であったと高く評価するものであります。たくさんの広告料を使ってもこれほどのインパクトは与えられません。
 私の地域の御坊第二企業団地も完成から随分長い年月がたちますが、高速道路の完成がバブルの崩壊後となり、和歌山精器一社の誘致しかできていません。
 政府によりますと、ことし我が国の経済もようやく踊り場を脱し、緩やかな景気回復に向かいつつあると発表されています。しかし、我が県の景気回復は、いつも飛行機の後輪に例えられるように、上がるときは最後に、下がるときは最初にという表現のとおり、まだその兆しは弱く感じられます。ただ、確実に日本全体の景気は回復基調にあるのですから、現在あいている企業団地に他府県から企業を誘致すべく迅速な今回の知事の御判断は時宜を得たものと重ねて評価するものです。
 そこで、この機会に知事に御提案したいことが一つあります。
 企業誘致には、工場の誘致と本社の誘致があります。一般に私たちは、企業誘致と申しますと、たくさんの人を雇用してくれる工場の誘致を思い浮かべます。比較的大きな用地を必要とする工場は、地方の土地が安く、労働単価も都会に比べて安い等の理由から、どうしても大工場の進出を考えてしまいます。今回の百億円の進出企業の条件も、規模や雇用人数によって制限していますが、拝見いたしますと工場の誘致に力点を置いており、本社機能を有した本社の誘致については情報通信産業の立地のみの項目が設けられています。
 今の時代、和歌山県の子供たちも、多くは県内、県外を問わず大学に進学いたします。もちろん、自分の才能を信じ、限りない可能性を求め、都会で暮らしている我が県出身の多くの方にもエールを送るものであります。しかし、大学を卒業してふるさとに帰ってきたくても、ふるさとに自分の専門知識や能力を生かせる就職先がないという若者の声もよく耳にします。
 大学生を一人都会の大学に進学させると、学費はもちろんですが、住居費や食費等を含めますと月額十万以上の仕送りになるのではないでしょうか。ある調査によりますと、地方で子供を産み育て、大学まで出すと一人当たり二千万円ぐらいの投資になると聞いたことがあります。田舎で両親は子供の将来のため懸命に働き頑張っておられますが、卒業してふるさとに帰っても働くところがないというのが悲しい現実であります。そして、都会では多くの地方出身者を雇用し、企業は大きな繁栄を見ています。地方交付税との比較もありますが、個人が望めば所得税の一割ぐらいは出身地を含む特定の地域に納付できる選択税制などがあってもいいのにと思います。
 少し脱線しましたが、これまでの我が県の企業誘致は比較的工場誘致が主で、それはそれで地域の若者の働く場所の確保ということでは有意義であり、大変ありがたいのですが、本社機能を有した企業の誘致が少なかったように思います。
 設備投資や雇用規模は少し小さいかもしれませんが、本社機能を備えた企業に対しても、今回の奨励金制度等、積極的な誘致にお取り組みをいただきたいと願います。
 一時期、日本の法人税が高過ぎるという理由で本社を海外に移す企業もあり、国内企業の空洞化も叫ばれたことがあります。和歌山県は人情味豊かで、温暖な気候や大自然に恵まれています。高速道路もまだまだ延伸しなくてはなりませんが、順次促進されております。また、関西空港にも近く、白浜空港もジェット化され、重要港湾の整備も進み、インターネットの発達や光ファイバーの敷設も、地域によって格差はありますが利用できる体制が整い、さらに住宅土地価格等も安価で、都会に比べて犯罪からの抑止力といった面でもまだまだ地域には結束力があり、安全で安心して暮らせる和歌山のような地方にこそ本社機能を置く魅力があるのではと考えます。
 そこで、知事に、本社機能を備えた企業の誘致についてお考えをお聞かせください。
 さて、まだわずかな期間ではありますが、この百億円の奨励金制度はかなりインパクトの強いものでありますので、かなりの問い合わせ等があったと思いますが、どのような反応があり、どのような結果になったのか。それらを踏まえ、今後の対応について、答えられる範囲で結構ですので商工労働部長にお答えをいただきたいと思います。
 企業の誘致は二十一世紀の和歌山県にとって必要不可欠な重要な取り組みでありますから、その誘致活動により一層の御尽力を知事並びに県当局にお願いを申し上げ、第一問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの花田健吉君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの本社機能を備えた企業の誘致をということでございますが、和歌山県としては、工場ももちろん大事なんですけれども、本社が来てくれたら、これ、言うことがないというふうなことなんです。ただ、実際問題として、工場は来るけれども、なかなか本社は来ないというのが現実だろうと思います。だけど、初めからあきらめてしまうということじゃなくて、そういうふうなすばらしい環境とか、いろいろなインフラの整備も進んでいるわけだから、本社が来ませんかというふうな誘致ということも積極的に行っていく必要があると思います。
 それというのも、実は、和歌山県も有効求人倍率は景気の回復に伴ってよくなってきてるんですが、事務的な職業の有効求人倍率は〇・三五ということで高くないというふうなことで、生産関連であるとかサービスに比べると、この事務部門が非常に有効求人倍率が少ない。しかしながら、Uターンとかを希望している人はこの事務的な部門の希望が多いというふうなミスマッチもあるので、そういう点からも、何とかこういうふうな本社機能もしくは支社機能、そういうふうな事務的部門の誘致ということも進めていきたいと思いますし、また、そういうものが来るということになれば優遇措置等も工場に限らず考えていく必要があると、このように思っています。
○議長(吉井和視君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) エレベーターの安全性と生活排水処理対策についてお尋ねがありました。
 民間建築物等のエレベーターやエスカレーター、非常照明などの建築設備については、建築基準法に基づき定期検査の結果が報告されることとなっております。
 今回のエレベーター事故を受け、この定期報告をもとに、事故を起こしたシンドラー製のエレベーターを設置していると思われる民間建築物等に対して、六月六日に詳細な点検結果の報告を求めたところ、異常があるとの報告はありませんでした。その後、国土交通省からシンドラー製のエレベーターのリストを添付した調査の通知がなされ、シンドラー社前身の日本エレベーター工業製を含め、県内に十四台の存在が確認されております。
 現在、これらの所有者に対しては、さらに安全管理など注意喚起を行うとともに、緊急点検の実施及び結果の報告を求めているところであります。
 今後とも、公共建築物も含めて定期的に点検がなされるよう、施設管理者と連携し、安全性確保についてなお一層適切に対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、生活排水処理対策についてお答えをいたします。
 生活排水処理は、県民の快適で衛生的な生活環境を確保し、河川などの水環境を保全するために重要であると考えております。しかしながら、本県の現況につきましては、全県の汚水処理人口普及率が平成十七年度末現在で四〇・九%と全国に比べかなりおくれており、日高川流域においても約四二%とおくれている状況にあります。
 県では、和歌山県全県域汚水適正処理構想に基づき、平成二十年度末の汚水処理人口普及率五〇%を目標とし、今後とも市町村と連携を図りながら、下水道、農業集落排水、浄化槽など、地域の実情に応じた汚水処理施設の整備を効率的に進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 紀の国森づくり税に関するお尋ねがありました。
 紀の国森づくり税につきましては、県民の皆様の御理解と御協力を得ることが何よりも大切だと考えております。
 既に「県民の友」で県民から意見募集を行ったところであり、今後も県民へのアンケート調査や各地域での説明会を行い、使途などについて広く御意見をいただくこととしております。
 また、税の趣旨について幅広く理解が得られますよう、啓発用パンフレットの作成・配布、県のホームページなども活用し、積極的に周知・啓発を行ってまいります。
○議長(吉井和視君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 日高川水系の漁業振興についてお尋ねがございました。
 河川に生息する魚類などの中には、ダム、堰堤等の工作物の設置によりその遡上が妨げられ、また生息域が限定されるといったことから、放流事業の実施により資源の維持に努めているところでございます。
 議員御質問の椿山ダムへの魚道につきましては、内水面漁業振興の観点から、これまでの経過も踏まえつつ、関係部局と連携し研究してまいりたい、このように考えてございます。
 次に、梅の調味残渣の処分についてでございますが、これまで浄化施設の設置やリサイクルによる新たな商品開発など自主的な取り組みによりまして、海洋投入による処分量は以前に比べまして減少傾向にございます。現在、約四千トンとなっているところでございます。
 しかしながら、平成十九年四月より海洋投入処分は原則禁止となることから、梅加工業者においては、陸上処理への速やかな対応が求められてございます。
 こうした課題の解決のためには、地域の実情に応じた多様な展開や方策が考えられるところでございます。今後、こうした地域や業界の具体的な取り組みに向けて支援してまいりますとともに、バイオマス資源としての利活用が進展するよう、関係の市町や団体等に対しまして引き続き働きかけてまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 福祉保健部長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○福祉保健部長(小濱孝夫君) 障害者自立支援法の運用についての三点の御質問にお答えいたします。
 まず、障害者自立支援法施行後の動向についてでございますが、本年四月より、利用者負担については、所得に応じて軽減策を講じた上でサービス量に見合った負担及び食費等について実費負担をいただくことになってございます。
 利用者の負担がふえることにより利用抑制もあるとの議員の御指摘でございますけれども、障害者自立支援法が施行されて二カ月半であり、今後の利用状況を注視して対応してまいりたいと考えております。
 また、利用者の利用促進を図る意味からも授産施設等で支給される工賃の状況を改善すべきであると考えており、県では、経営コンサルタント等専門家の派遣を行い、施設経営の強化を図るとともに魅力ある製品づくりにつながるよう支援してまいります。このことが利用者の定着や経営基盤の安定につながるものと考えております。
 今後とも、利用者や施設の方々の御意見をお伺いし、障害福祉サービスが不当に抑制されるようなことがないように注意してまいります。
 次に、医療型入所施設の費用負担についてでございますけれども、本年十月から、福祉型、医療型にかかわらず、障害児施設のサービスにつきましては従来の措置制度にかわり障害者自立支援法に基づき実施されることになっております。
 議員御指摘のとおり、施設所在の市町村では、医療型入所施設の入所者に係る重度心身障害児(者)医療費の負担が大きくなることも考えられます。県といたしましては、こうした状況は十分認識しているところでございますけれども、この制度は市町村が実施主体であり、その改正についてすべての市町村の御理解と御協力が必要でありますので、他府県との整合性や県内の市町村の意向を調査した上で検討してまいりたいと考えております。
 次に、障害者の日帰りのショートステイ制度につきましては、これまで障害者やその保護者の方々に有効に利用されているところでございます。
 このサービスは、十月からは、これまでの個別給付サービスとしてではなく、市町村の必須事業であります地域生活支援事業の地域活動支援センター事業として、利用者の方に対して同様のサービスが提供されることになっております。
 県といたしましては、今後とも利用者の方が必要で適切なサービスが受けられるよう取り組むとともに、市町村に対して適切に指導してまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(吉井和視君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) 梅調味残渣の処分に係る御質問のうち、現在置かれている状況についてお答えを申し上げます。
 議員御質問のとおり、我が国では、これまで廃棄物の海洋投入処分につきましては、ロンドン条約の求めるところを国内法に盛り込み、適切な管理が行われてきたところでございます。
 しかしながら、世界的な海洋環境保全の認識の高まりを受け、九六年議定書が採択され、海洋投棄は原則禁止とされたところでございます。ただし、天然に由来する有機物質を初め、下水汚泥等の特定七品目につきましては海洋投棄を検討してもよい仕組みとなっております。
 このため、国におきましては、本議定書に基づき、平成十六年の五月にこの七品目の許可制度への移行を内容とする海洋汚染防止法の改正が行われ、来年、平成十九年四月から施行されることとなっております。したがいまして、梅の調味残渣につきましても、平成十九年四月一日以降、海洋投入処分をするためには環境大臣の許可が必要となります。
 また、本年十月から受け付け開始される海洋投入処分に係る許可申請に先立ちまして、排出事業者は、廃棄物の海洋投入処分量の削減を鋭意進めながら、全量陸上処理を五年以内で実現するための計画づくりを国から求められているところでございます。
 今後は、この実現化に向け、国ともより一層連絡を密にするとともに、関係部局と連携を図りながら排出事業者に対して適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 梅加工に係る調味残渣の問題につきましては、県工業技術センターにおいて戦略的研究開発プラン事業として、平成十六年度から今年度までの三年計画で調味残渣の処理システムを開発中であります。
 現在、実際にみなべ町の梅加工場にパイロットプラントを設置して実証実験を行っているところであり、性能はもとより、コスト面でも実用可能なものとなるよう努力をしているところです。
 また、梅加工業者が調味残渣の処理施設を導入する場合の必要な経費につきましては、中小企業向け融資制度の中で、振興対策資金の環境枠や零細企業者の事業活動を支援する小企業応援資金等、利用可能な低利資金がございます。
 次に、企業誘致についてでございます。
 最高百億円の助成制度の反響でございますが、報道発表直後には三十件の問い合わせがあり、中でも企業から直接問い合わせがあったものは八件で、うち一社については現在交渉中でございます。
 また、本年度に入り首都圏向けに報道提供を行い、本県の誘致施策を発信しているところでございます。現在も問い合わせをいただいておりますが、直ちに企業訪問を実施するなど、スピードある対応を行っているところです。
 誘致活動におきましてもその効果は大きく、企業誘致を推進する県として広く認知されていて、スムーズな企業訪問等を可能にしてございます。特に、最高百億円を助成できるような大量雇用、大規模投資が想定される企業に対し、副知事による企業訪問を実施するなど、数社と接触をしているところです。
 今後、そうした企業の立地場所の選定に当たっては、立地候補地の一つとなり、最終的に立地につなげるよう、インフラ整備等、企業ニーズに対応しながら積極的な誘致活動を展開する所存でございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十七番花田健吉君。
○花田健吉君 質問ではありません。要望ですけども、平成十八年度──この間、ちょっと勉強部屋にこれ置いていただいたんで見ると、法人事業税がやはり県の収入の中で一番大きい額を占めております。県内に所在する法人の方が納めていただいている税金だと思うんですけども、この部分を多くすることと先ほど申し上げた大卒者の就職先を確保するということが、もちろん連動もしておりますので、ぜひこの百億円の助成の対象枠にも法人の、本社の誘致ということにも大きく門戸を開いていただきたいとお願いを申し上げます。
 それと、美浜町の件なんですけども、これは美浜町だけじゃなくて、和歌山県には何町か対象になる町があると思うんですが、確かにこれは市町村からの事業、それを県が応分の負担をするという制度にはなっておるので、なおさら心配をしているんです。特に美浜町は国立病院の重心患者が多いので、医療費というのはかなり莫大な──これ、今千五百万以上と言いましたけども、もしみんな来られると、住所を移されると三千万ぐらいの美浜町の自己負担になるというように町長さんも大変心配をされております。
 もうそれ、いや、じゃうちは大きいからそれを拒否するということは、もう基本的にはできません。道義的にもできませんので、それはもう最終そうなった場合、もういたし方ないと言ったら失礼ですけども、どないしてでもその三千万ぐらいの予算を立てて対応したいということは町長さんも申されておりましたけども、それにしても美浜町の方が二名しかないのに、だあっと皆住所を移してこられて美浜町が三千万の予算を計上しなくてはならないということは、これは大変な御負担になると思いますんで、その辺も県も、それは市町村の個別の対応だからと言うてそういう御返答でしたけども、もう少しそれぞれの──たくさんの、全部の町じゃないんで、少し話も聞いてあげていただきたいと。県もそれについて前向きな対応をしていただきたいとお願いをしたいと思います。
 あと、ダムの魚道についてですけども、これは県の皆さんから資料をいただいたんですけども、熊本県の球磨川水系の球磨川に荒瀬ダムというのがあるということで、ここには魚道を設置されて、重力コンクリート式で椿山ダムに景観は似てるんですけども、規模は、高さは二分の一ぐらいの高さだということで、ちょっと参考にはならないかもわかりませんが、そういう取り組んでいるダムも全国的にはかなりあるようにお聞きしてますんで、予算的にも大変厳しい折で難しいというのは大体僕もわかってるんですけども、まあ前向きにお考えをいただきたいと思います。
 ちょっと今、これ、僕読んでると、二〇一〇年にこのダムはもう撤去されるて書いてますね。もうダムの能力がなくなったということで、全国初めてで、二〇一〇年に水利権が失効するんで、もうこのダムは撤去すると書いてますけども、僕も撤去する前に今度一回見に行ってきたいなと、そのダムの魚道を見に行きたいなと思うんですけども、地元の漁業組合も多分これを視察に行ってこられたようにお聞きしました。
 椿山ダムというのはかなり大きなダムですんで、いろんな難しい問題があると思いますけども、ぜひこれもう、アユだけの話じゃなくて日高川の生態系の保全という観点からも調査に取り組んでいただきたいと思います。
 大体、以上です。すべて要望でございます。よろしくお願いします。
○議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で花田健吉君の質問が終了いたしました。

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