平成18年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○副議長(大沢広太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十二番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので、早速、質問に入らせていただきたいと思います。
 ワールドカップがたけなわであります。対オーストラリア戦は残念でした。日曜日の対クロアチア戦は引き分け。私も、海南市民体育館の会場で、市民の皆さんと御一緒に応援させていただきました。会場では応援用のサッカーユニホームを売っておりまして、二千五百円出して買ってまいりました。(現物を示す)県議会はクールビズでございますので、これでいこうかと思ったんですが、それでは余りはしゃぎ過ぎで、皆さんのひんしゅくを買ってはいけないので、見せるだけにしておきたいと思います。あすは対ブラジル戦。最後まで希望を捨てないで応援したいと思いますが、朝の四時というのは大変きつうございます。
 さて、御存じのように、日本代表チームには海南市出身の二十四歳の最年少、駒野友一選手が選ばれ、特に第一戦では最初から最後まで頑張りました。駒野選手を生んだ海南市では、一昨年まで、お正月には少年サッカーの大会が開催されていました。南は串本から北は大阪の高槻市あたりまで、少年サッカーのチームが、施設が整っているわけでもない海南市に集いました。それは、海南市が少年サッカーが大変盛んな場所だったからであります。
 海南市の少年サッカーの起こりは、一九七一年の黒潮国体にさかのぼります。国民体育大会というものは、スポーツの振興に大きな意義もありますが、開催県の優勝が当たり前で、大きな財政負担を強いられ、儀式的にも盛り上げなくてはならないというゆがみが指摘され、最近は是正への動きも起こっているわけであります。
 ところで、一九七一年の黒潮国体を前にして小中学校の体育の教員は大変苦悩していたと中山豊前県議がよく言います。それは、マスゲームで開会式を盛り上げることを義務づけられていたからです。体育の時間は、毎時間マスゲームの練習ばっかり。子供たちにとって楽しい体育の時間が苦痛になっていました。
 そんな中で、子供たちに本当のスポーツの楽しみを味わわせてやりたいとスポーツ関係者に呼びかけて始まったのが、海南の小学生を中心にした地域のサッカーだったのです。中山前県議がまだ日方小学校の教員だったころのことです。駒野選手、そしてその先輩でJリーグ・ジュビロ磐田で活躍した森下選手も、大野小学校、海南第三中学校の出身です。さらに若い、セレッソ大阪の酒本選手は御坊市の出身ですが、やはり海南第三中学校に学びました。大きな底辺があってこそ、こうした選手たちが育ったのだろうと思います。少年サッカー大会に激励に来ていただいたこともありました。
 この少年サッカーの歴史に思いを寄せながら、教育長に質問いたします。
 第一は、二巡目和歌山国体ということが言われていますが、この国体を和歌山県のスポーツ振興に本当に役に立つものにしていただきたい。黒潮国体の反省や全国的な国体の見直しを踏まえて、どういうことをお考えでしょうか。
 第二番目は、サッカー青年たちの願いにこたえる問題です。芝生のサッカー場でサッカーをしたいという声が寄せられます。使用料の問題もあります。さらに、安い料金で使えるフットサル場が欲しいと。学校の体育館などを使ってやっていますが、少し狭いと思います。さらに、ささやかな願いは、学校開放で使う中学校のグラウンドの夜間照明が、野球やソフトボールの内野だけを照明して、サッカーのもう一つのゴールは大変暗いという場合もあります。国体に向けて立派な施設の整備や選手強化とともに、仕事が終わってからスポーツを楽しむ青年たちのスポーツ要求にこたえる底の広いスポーツ条件整備についてのお考えを、今回はサッカーを中心にしてお聞かせいただきたいと思います。
 第二の柱は、道路問題であります。
 五月一日の朝日新聞のトップ記事で「和歌山県、都市計画道全面見直し」と報道されました。こうした方向は、二月議会での当局の提案でも「都市計画道路の幅員見直し」という言い方でされておりまして、私も予算特別委員会でさらにお伺いしたところでございます。
 この都市計画道路の見直しの問題を振り返ってみますと、私は二〇〇四年の十二月議会で、必要な道路を早くという立場から、海南市内で工事が進んでいる日方大野中藤白線というのは必要以上にデラックスな道路ではないかと申し上げました。それは、知事が地域の実情に合った一・五車線道路ということを提唱されたことを評価しながら、実情に合った道路という考えをさらに広げて考えてはどうかという提言でございました。
 実を言うと、本会議でこういう発言をするのは、私としては相当勇気の要ることでした。というのは、こんなお話を聞いたことがあります。「皆さん、木村知事の一・五車線道路という提唱には賛意を示してくださるんだけれども、自分の地域の道路という各論になると、一・五車線じゃだめだ、二車線にしてくれ、こういうふうに言ってこられる」というお話を聞いたことがあるわけです。
 私は、地元の側から、「この道路はぜいたく道路なんではないか」、こういう提言をしたわけですから、「雑賀は海南市の利益を何と考えているのか」というおしかりの声があるのではないかという気持ちもありました。ところが、写真を見せながら私の提言を地元で報告いたしましたが、地元の自治会長の役員さんなども「あんたの言うとおりだ」と言っていただいたわけであります。
 その次に、二〇〇五年の二月議会で、前の議会での提言をさらに一般化して、一九八〇年代につくられた都市計画道路の見直しという提言をしたのであります。
 このたびの新聞報道、そして木村知事の新聞報道に見るコメントから、ことしの二月議会以後、相当突っ込んだ検討が進んだのではないかと推察いたします。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 都市計画道路見直しについての基本的な考え方をこの議会の場でもお聞かせいただきたいと思います。
 次に、阪井バイパスについてであります。
 私は、この問題を取り上げるとき一貫した立場は、阪井バイパスというのは海南市の動脈とも言うべき道路である、一日も早く実現してほしいという立場であります。県が道路計画を決めてそのまま住民に押しつけるような印象になってはいけないと申し上げてきました。また、阪井バイパスの盛り土などの工法について意見があるから測量もさせないという住民の御意見もあったわけですが、入り口で押し合いをするのでなくて測量した上でいろいろな工法を提示してもらおうではないかと、行政と住民の仲介もさせていただいたわけです。私は、出発点でいろいろな案を出し合って柔軟に考えた方が完成が早くなるのではないかと考えています。
 県土整備部長にお伺いいたします。
 まだこれからいろいろな案を出し合って協議するわけですが、最初から一番大きな問題になっておりました盛り土の問題など、住民の意見をどの程度受け入れて検討がなされているのか、現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 第三の大きな柱は、地域活性化にかかわった問題です。
 海南市という町は大変落ちついた町だと思っています。先日、中学校の統合問題で教育委員会が主催した説明会があったのですが、そこでお一人のお母さんがおっしゃいました。「私は、他の地域から変わってきて、初めは子供を私学にやろうと思ったこともあったのですが、今の地域の中学校を見ていると、ばっちり──「ばっちり」と言いましたね──安心して子供を任せられます。この中学校をそのまま残してほしい」という御意見でした。
 海南市の教育長さんは、学校統合を進めるという立場で会場におられたのですが、「地域の学校をそんなに信頼していただいて本当にありがとうございます」とおっしゃられました。もちろん、今の御時世ですから海南市でも何が起こるかわかりませんが、一生懸命子供と学校を守って、孟母三遷の教えではありませんが、「安心して子育てをしたければ海南市にいらっしゃい」と子育て中の御家族に呼びかけたらどうかなど、半分本気で申し上げているところでございます。また、JR海南駅、高速道路のインターが市役所や中心市街地に大変近い。さらに、海があり、山がある。この海南市のいいところを見つけて活性化を目指していきたいと思うわけです。
 しかし、現実には、海南市で人口がふえない。子供が減っていく。そこで、さきの議会の予算特別委員会では、百億円の企業誘致よりも内発型、地域のいいところを見つけ出して支援していくことが大切だと申し上げました。北野上・孟子で県が実施された休耕田利用などのワークショップを評価し、しかし、本年度の支援予算が六十万円ではいかにもささやかではないかと申し上げたところです。こうした延長線上で、きょうは少しお話ししたいと思います。
 地域活性化の取り組みは、美里のチューリップ園、海老谷の棚田トラストなどいろいろありますが、きょうは海南市別所に憩いと有機農業と陶芸文化の里をつくろうという夢について紹介し、出された要望への支援策について質問いたします。
 海南市別所というのは、県道海南金屋線の途中にあります。かつては巽小学校別所分校がありましたが、今は休校です。その山の中に三十年前にやってきて、自分で山小屋を建てて農業を始めた方がいらっしゃいます。そのことが本になっています。これは「住まいnet関西」という住宅関係の本。それには、この家の紹介が九ページにわたって載っております。(資料を示す)こちらは和歌山のローカルなもののようですが、「シニアの歩き方」というこの中にも、緑とともに暮らすということで、四ページにわたってこちらの方の話が載っているわけでございます。(資料を示す)山小屋から始まって、母屋をつくり、レストランをつくり、テニスコートをつくり、そして結婚式もできる教会のチャペルまでつくってしまった。はりや柱は古い電柱などを使っています。
 海南金屋線からかなりわき道に入り、人家もないところです。道路が細くてがたがたなので、初めて来た方は怖い思いをする。その場所にあるピザレストランには、土・日曜日しか開きませんが、和歌山や大阪からお客さんがやってきます。地元で有機農業でつくった野菜を使っているというのが一つの売りです。ここに来ると、せわしい日常から離れて、まるで時間がとまったようで、ぼうっとしていられる、こういうふうに皆さんおっしゃいます。
 私が先日行ってみると、赤ちゃんを連れた若夫婦が来ていて、レストランの御主人がピザを焼く合間に赤ちゃんをあやしています。この若夫婦と話をしてみると、「ここで結婚式を挙げたんです」と言われます。「結婚前にここに遊びに来ました。レストランの御主人の哲学に共鳴して和歌山に住みたくなったのです。緑の雇用というのを知って、今、有田川町清水に住んで林業に従事しています」、こういうお話です。
 この山中の別の峰で陶芸の里を開いている方は、レストランの御主人の弟さんです。どちらも定着して夢を持っています。この地域を文化と有機農業の里にしたい、休校になった別所分校に農産物や陶芸の作品を並べる、少し下の方にあった温泉宿を再開できないだろうか──三十年も住みついて、ピザレストランに遠方のお客さんが来るところまで頑張っている方の夢は半端なものではありません。この夢に、海南のまちづくり研究会、和歌山大学の先生などかかわってプロジェクトを立ち上げようという話もあります。こうした夢を実現するために私も力になりたいと思いました。
 知事にお伺いいたします。こうした夢のある地域活性化についてどういう感想をお持ちでしょうか。
 さらに、私はその方にお伺いしました。「和歌山県でもこういう取り組みの支援としてイベントへの補助金などというものがありますが、もっと系統的な助成をするとしたらどんなことを望まれますか」。その方は言われます。「この地域には休耕田も多いのです。それを利用したい方に使ってもらうために行政が仲立ちをしてくれたらどうでしょう。土地所有者も、行政なら安心して貸すでしょうから」というお話です。別に何町歩も借り上げる必要はないのです。差し当たり三反でもいい。
 先日、海南市下津町での海南市が開いた市政懇談会でも、廃園になったミカン園を都会の農業をやりたい方に仲立ちする窓口ができないかという要望がありました。
 農林水産部長にお伺いいたします。休耕田の活用のために行政が仲立ちをするという提案についてどう受けとめられるでしょうか。
 次は、住宅問題です。
 人口がふえない、子供が減っていく海南市と申しましたが、人口減を食いとめるためには雇用と住宅が必要です。県営住宅に入りたいと相談をよく受けるんですが、「宝くじのつもりで申し込んでくださいよ」と、書類をいただいてきてお届けするほかはありません。お聞きしてみると、海南駅前の県営住宅の競争率は三十倍だと言います。県営住宅だけではありません。新しい市営住宅はもちろんのこと、海南市では相当古くなっている改良住宅でも競争率は十数倍です。
 公営住宅を建設するのは大変ですが、しっかりしたアパートで空き部屋の多いものが結構目立ちます。社員寮だったものもあります。私は海南市に対して、こういうものを市で借り上げて公営住宅として利用してはどうかと提案しています。アパート経営者との共存を図れるように、所得の高い方からは一般アパート並みにいただいたらいいでしょう。所得の低い方や子育て中の方は優遇したらいいでしょう。県営住宅をふやせれば一番いいのですが、民間のアパート、マンションの借り上げで住宅を提供するということについていかがでしょうか。県土整備部長にお伺いいたします。
 この項の最後は、町づくりであります。
 まちづくり三法でありますが、午前中に山下議員から詳しく突っ込んだ質問がありました。海南でも商店街の空洞化が進んでまいりまして、このまちづくり三法が出た機会に商店街の活性化ができないかという気持ちを持っています。商店街を訪問してみると、「今からだと遅いよ」と、あきらめ顔でおっしゃる方もいらっしゃいます。まちづくり三法改正をきっかけにして県としてどのような商店街活性化の支援を考えておられるのか。さらにつけ加えてお話しいただけることがありましたら、商工労働部長にお伺いいたします。
 第四の柱として、農薬ポジティブリストについてお伺いいたします。
 一昨日、原議員からも質問がありましたが、多少質問の観点の違いもありますので、私からも質問させていただきます。
 食品への農薬の残留基準が改正されました。農薬の区分が細分化され、登録農薬以外の農薬が飛散し、残留基準を超した場合には農産物が売れなくなるということのようです。国民の健康のために、一般的に言って農薬の規制は必要なことはよくわかります。そして、この規制は、農林水産省という農政レベルで出されたものでなくて、厚生労働省という国民の健康を守る行政から出されたもののようです。しかし、農家の皆さんからは心配の声が寄せられています。紀美野町の農業を営む方は、「紀ノ川農協の組合員なので、そちらから連絡があって那賀の振興局の説明会に行ってきたんだが、その日になって無線で連絡も入れていたようですが、農家の方に徹底したんだろうか」、こんなふうにおっしゃっていました。
 農家の皆さんが心配している問題について、農林水産部長にお伺いいたします。
 第一は、この規制が法制化されたのは三年前であって、周知徹底のために三年間の猶予期間があったようですが、そして、ことしの五月から実施されたんだそうです。中古電気製品販売を規制する法律の場合もそうだったのですが、法律がつくられ、猶予期間が切れて、いよいよ実効を持つときになって問題になる。農家にとって大変になる問題について、行政として周知徹底する措置をどういうふうにとってこられたのでしょうか。
 第二は、この規制によって農家の負担は確実に大きくなります。いろいろと気を使わなくてはならないばかりではない。農薬を噴布するのに余り霧状にならないように穴を大きくする、農薬が飛散しないようにネットを張るなどが必要だと言われています。温州ミカンと雑柑を混植しているところでは、どちらかを切るともお聞きしました。こうした措置についての補助金というものは考えられないのでしょうか。
 第三に、これに関連した問題として、少品種作物への農薬について、農薬会社がなかなか許可をとらないために農家が困っているという問題が前からありましたが、この問題について、その後の進展についてお伺いいたしたいと思います。
 最後、第五の柱は、震災対策のため池調査であります。
 私は、一年前の六月議会でため池の防災問題について取り上げました。その際、私たちの地元の要望を受けて、調査対象に入っていなかった海南市鳥居の慶権寺池なども含めて調査が始まったことは評価し、今回のため池調査は画期的なものであろうと思います。ぜひとも成功させて地域住民が安心して暮らせるようにしていただきたいと申し上げて、調査の規模や計画などについてお伺いいたしました。
 一年たって第一次調査が終わり、必要な池については第二次調査が進んでいるとお聞きしています。私は、その推移を見ながら、一年前に申し上げた画期的な調査ということを改めて感じています。
 と申しますのは、海南・海草地方で調査された四十六のため池のうち、五つの池が第二次調査に回されました。第二次調査に回された池はどういう池だったのか。ここに、地域防災計画による警戒を要するため池のリストがございます。和歌山県下のため池数は五千六百十九、そのうち警戒を要するため池は二百九十七と書かれています。市町村が水防計画で警戒を要すると位置づけているため池のリストです。警戒度によって、中を見ますと、A、B、Cのランクがついています。このたびのため池調査の対象リストは四百二十ですから、市町村が指定した二百九十七をかなり大きく上回って県では調査されたわけです。
 ところで、私は、海南・海草の第二次調査に回されたため池は市町村のリストではこれまでどういう評価になっていたんだろうかと、こういうふうにして探してみました。何と、紀美野町の一つの池を除いて、市町村のリストには載っていないわけです。今回のため池調査は、従来のリストでは警戒されていなかった池も取り上げたという点で、私は、画期的な意義があったと改めて評価するわけでございます。
 そこで、農林水産部長にお伺いいたします。
 第一に、今回のため池調査の全県的な進行状況、第一次調査の結果及び第二次調査の進行状況についてお答えください。
 第二に、市町村のこれまでの水防計画での把握とのギャップということを私は申し上げたんですが、こういうことも含めてどう受けとめておられるのか。今後、調査対象から外れた池についても、地域から調査を求める声があれば調査も必要だと思いますが、そういう点でのお考えもお聞かせいただきたいと思います。
 以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(大沢広太郎君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、都市計画道路の見直しの件でございますが、都市計画道路については、社会情勢がどんどん変わる中で、一度決めたらそれでずっとやるというふうなことが日本全国ずっと行われてたわけですけども、そういうことになると、なかなか住民の人が望んでいるようなスピード、形でできない例もあるというふうなことで、これは全国で初めてのことなんですけども、部内で一年前から十分検討して、未着手の全路線を対象に見直しをするということで、これに着手したところでございます。
 現在、和歌山の市域で全路線についてカルテを作成して検討中ということで、既に、田辺市内の環状線、それから和歌山市の六十谷手平線で見直しを行ったということでございます。必要な道路が、こういうふうな公共事業、非常に財源的に厳しい中で、やはり十分やっていかないといかんということの中で、この適切な見直しということは必要なものだということで進めているわけでございます。
 次に、海南の「富夢想野」、今、本を拝見しましたけども、すばらしい内容というふうなことで、私も一度、今度また車を運転して行ってみたいなというふうに思いますけれども、いずれにせよ、この和歌山のすばらしい自然の中で、それを生かして、そしてそういうふうな和歌山へ住みながらいろんな形で人を呼んでくるような活動をしてくれる人、こういう活動を県としては、直接にではなくてもいろんな形で支援をしていきたいと思うし、また、こういうふうな活動ができるだけ和歌山の中で広がるように思っています。
 後で部長の方からも答弁があると思いますけども、休耕田の仲立ちというようなことは非常に大事なことなんで、もう既に取り組んで進めているわけで、これ、もう二年ぐらい前から一番中心だということでやってるんですが、なかなか所有者の人とか何かとの関係で思ったように進まないところがあるんですけども、これからも都市との交流とかいろんなことを団塊の世代対策など進めていく上で、このことは非常に重要なことだというふうに思っているので一生懸命やっていこうと、このように思っております。
○副議長(大沢広太郎君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 阪井バイパス及び民間住宅借り上げについてお尋ねがありました。
 国道三百七十号阪井バイパスにつきましては、現在、地形測量を完了し、今後、中心線測量、縦横断測量を実施した後、道路詳細設計を予定しております。その中で、特に住民意見の多い有原地区盛り土区間の平面交差化につきましては、測量結果を踏まえ、交差する生活道路の利便性や高盛り土による周辺家屋への影響、経済性等の観点から検討してまいります。
 今後とも早期整備に向け、引き続き住民の方々や海南市と十分協議をしながら事業進捗に努めてまいります。
 次に、民間賃貸住宅の借り上げについてでございますが、公共団体が民間賃貸住宅を借り上げて公営住宅として供給できる制度がございます。公営住宅と同様にバリアフリーなどの整備基準や入居基準等がありますが、一定の条件のもと、改造費等の一部についての補助や家賃補助が国からの地域住宅交付金の対象となっております。海南市においてこの制度を利用される場合は地域住宅計画の策定が必要となりますので、このような観点から、必要に応じ市と協議をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(大沢広太郎君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) まず、休耕田の活用についてでございますが、昨年九月の農地関連三法の改正によりまして遊休農地所有者に対する市町村の指導などが強化されたところであり、遊休化が懸念される農地を耕作希望者や担い手に誘導していく、つなげていくというコーディネーターとしての市町村や地域リーダーの果たす役割はますます重要であると考えてございます。
 県におきましても、遊休農地対策といたしまして農地の集積や環境保全を図る遊休農地解消事業を実施してございますとともに、今年度からの新たな取り組みになりますが、就農支援センターや県農業公社が中心となって新規就農希望者に対する農地の紹介や貸し付けを行っているところでございます。
 先ほど知事の答弁にもございましたけれども、こういった農地の貸し付けといったことを進めていくことは、団塊世代対策、あるいは和歌山の田舎暮らし施策を進める上で非常に大切な要素の一つと考えているところでございますので、今後とも市町村、農業委員会と連携を図りながら、また中山間直接支払制度の活用による取り組みなどを通じまして農地の有効活用に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、農薬のポジティブリストについてでございますが、この制度につきましては、本年五月二十九日より改正食品衛生法が施行され、食品に残留する農薬等の残留基準が強化されたものでございます。
 本制度の周知につきましては、平成十六年度より農業協同組合や農薬販売業者等への啓発を実施し、平成十七年十一月の残留基準値の告示後は、ドリフト(飛散)防止対策に関する研修会の開催、またパンフレットの配布等によりましてさらなる周知徹底に努めているところでございます。さらに、本年四月には、生産者からの相談に応じるための窓口を各振興局、それから各JAに設置をするとともに、各地域の病害虫防除対策協議会が中心となりまして、農薬の適正使用を初め、隣接園地への飛散防止、ドリフト対策等について生産農家への指導啓発に努めているところでございます。
 次に、議員お尋ねのケースに当てはまるような補助金というものは現在ございませんが、混植園を全面的に優良品種へ改植する場合には、かんきつ園地転換特別対策事業といった既存の補助事業の適用が可能というふうに考えてもございますので、振興局に具体的に御相談いただければと思ってございます。
 また、マイナー作物、いわゆる生産量の少ない地域特産農産物の農薬登録についてでございますけれども、現在、経過措置期間中でございます百二十九件につきまして、本年七月までにおおむね八割が登録される見込みでございます。残りにつきましては、平成十八年度中にすべてが登録される見込みでございます。
 今後、県といたしましては、このポジティブリスト制度に対応し、複数の作物で使用できる汎用性のある農薬の登録拡大について、国に対し要望してまいりたいと思ってございます。
 続きまして、ため池調査についてでございますが、平成十六年度に作成いたしましたため池耐震診断ガイドラインに基づき、四百二十カ所のため池につきまして平成十七年十月に一次診断を完了いたしました。この診断結果に基づきまして、四十五カ所のため池につきまして二次診断を実施しているところでございます。既に十カ所の二次診断を終えてございまして、残り三十五カ所につきましては平成十九年度までに完了したいと考えてございます。
 また、この二次診断結果につきましては、その都度、関係市町や水利組合に情報提供いたしまして、対応策も含め、協議・調整を行っているところでございます。
 次に、水防計画との違いについてでございますが、今回のため池調査につきましては、地域防災計画において警戒を要するため池に指定された二百九十七カ所、それに加えまして東南海・南海地震の発生時において下流域に甚大な影響が懸念される大規模なため池、こういったものも対象に加えたところでございます。
 そういったこともございますので、当面この三十五カ所のため池の二次診断を最優先で取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(大沢広太郎君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) まちづくり三法についての御質問にお答えします。
 地域の商店街の活性化は、基本的には町づくりの一環として市町村が担うべきものであると考えますが、県としましても、新たに基本計画を策定して中心市街地の活性化に取り組む市町村に対しては、計画策定や国の制度の活用など、積極的に支援をしてまいります。また、法に定める基本計画を策定しないまでも、商店街活性化に取り組む地域の創意工夫を凝らした事業に対して引き続き支援を行ってまいります。
○副議長(大沢広太郎君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツの振興に係る二点についてお答えいたします。
 本県が平成二十七年の開催に向けて準備に取りかかっております二巡目国体は、簡素化、効率化という新しい国体運営の方向性を踏まえ、全国初の和歌山モデルと位置づけ、近畿ブロックでの広域開催を含め、質の高い特色ある大会を目指すこととしております。
 また、国体の開催を一過性に終わらせることなく、これを大きな起爆剤として、終了後も県民スポーツの普及、競技者及び指導者の育成、施設の有効活用、組織体制の充実など、スポーツ振興の確立とスポーツ文化の形成に取り組んでまいりたいと考えております。
 次にサッカーの施設につきましては、学校や地域の体育・スポーツ施設をより一層幅広く有機的に活用できるようにするとともに、市町村や地域住民の協力を得ながら共同利用の方向を進めるなど、地域コミュニティーの向上に役立つものにしていくことが重要であると考えております。
 現在、県内の芝生のグラウンドは、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場、上富田町のスポーツセンター球技場など七つの市と町で八面、フットサル場は、和歌山市のウェルサンピア和歌山フットサルコートなど八面が活用されております。また、本年四月には、県体育協会が日高町にサッカーやフットサル、ホッケーなど多くの種目が低料金で利用できる県内初となる人工芝の多目的スポーツグラウンドを新たに整備し、地域住民の方々に幅広く活用していただいているところであります。
 サッカーを初めとするスポーツの振興は、県民の生きがいや潤いのある生活、活力ある地域づくりに大きな意義を有するものであります。今後とも、より充実したスポーツ活動の場を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。
○副議長(大沢広太郎君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十二番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 御答弁ありがとうございました。それぞれ私の質問に対して前向きにお答えいただいたと思います。少し要望や感想を申し上げたいと思います。
 まず、都市計画道路の見直しの問題であります。
 知事から基本的な考え方が示されました。私は、効率的な道路計画という点での工夫はまだまだ出てくるだろうと思っています。検討は始まったばかりだと思っているわけです。その場合、上から、つまり県の側から見直しを言うだけじゃなくて、地域からも見直しの提案をどんどん出していくべきだろうと思っています。
 一回目の質問で私は、一・五車線道路には賛成だが自分の地域の道路は立派にしてほしいと言う人がいるという話と、私が海南市の都市計画道路はぜいたく道路ではないかとこわごわ提案した話をいたしました。地域や市町村がとにかく立派な道路をつくってほしい、自分のところに少しでも多くの予算を引っ張ってきたいというのではだめだと思っています。市町村としても、本当に必要な道路はどんな道路なのかをよく検討する。そして、道路規模を縮小してでも早くやってほしいという場合には──どうしても、道路規模を縮小してと言うと、何か、道路要らんのか、消極的なんかと、こういうふうに県に思われないかという、そういう心配を市町村は持つわけですが、そうでなくて、道路規模を縮小してでも早くやってほしいというのは、これは積極的要望ですから、県や国としては積極的にそれに応じる。まあ、国の補助金制度や道路構造令はそういうことがしにくい仕組みになっているんでしょうが、しかし、今それを変えていかなくてはならないように思っています。やる気になれば弾力的運用はできると思いますので。
 ですから、この都市計画道路見直しの質問は、どの道路をどうするかというだけじゃなくて、このことを提案した知事の道路についての哲学というか、そういうものを大いに語っていただいて、そして市町村の側からもそういうことを考えていこうじゃないかと、こういうことを申し上げたかったわけでございます。
 阪井バイパスにつきましては、盛り土の問題では柔軟な対応がなされるように検討されているようです。ここ一年ぐらいじっくり検討して、本当に必要な道路は何かがまとまったら早急に進めていただきたいと思います。それでも、これだけの立ち退きを伴うバイパスは、どんなにしても時間がかかります。
 そこで、国道三百七十号の現道のわきには空き家が並んでいるところもありまして、空き家を撤去すれば大型トラックも対向しやすくなる場所もあります。こんな提案をしますと、現道が通りやすくなると肝心のバイパスの熱が下がるんではないかというような言い方をされる方もおられるんですが、そんな駆け引きでなくて、市民が困っていることで大した予算も要らないという緊急の改善策であったら、どんどんやっていったらいいんではないかと思っています。その点もひとつ御検討を要望しておきたいと思います。
 それから、地域活性化の問題、別所の憩いと有機と陶芸の里という問題、知事の共感をいただきました。知事もぜひ行ってみようと言われましたけども、ピザを食べてぼんやりする時間をお持ちになられたらいいと思います。ただ、一人で大きな車で行くと、大変道が狭いので危ないですから、どなたかに案内していただいた方がいいと思います。
 活性化で農地や住宅の問題では、私も知らなかったいろいろな制度もあるんですね。制度がありながら、なかなかこれが活用されていない。私もそういう制度についてしっかり勉強もして、またどういう問題もあるのか、またどうやったら使われるようになるのかもこれから勉強していきたいと思っています。
 企業誘致を否定するわけではありませんが、企業誘致への優遇にも程度とバランスというものがあって、昨日からの議論なんか聞きましても、そういう御意見もたくさん出てきています。内発型発展を重視する問題では、これは皆さん共通の思いになっているんではないかというふうに、この議会でいろいろな討論を聞きながら思っているところでございます。
 ポジティブリストの問題では、もう特にいいんですが、ただ、説明を聞きまして、平成十六年に制度ができていると。ところが、その基準の数値が平成十七年の十一月、つまり半年前しか国が示していないと。だから、そこからこの説明に入ると、こうなるんですね。やはり、国がこの制度をつくって──これはいろんな福祉の制度なんかそうなんですけども、制度を変えたけども、その説明がさっぱりないという、こういう話で、よく県や市町村が困るという話がありますね。こういう話にもかかわっているのかなと思いながら話を聞かしていただきました。
 耐震対策、ため池問題ですが、この慶権寺池の第二次調査で対策が必要だと結論が出たことは、私は五月初めに担当課からお聞きしておりました。しかし、危険だという結論だけふれ回るのでは住民や水利組合の皆さんの不安をあおるだけになりますから、一定の方向が出るまでは私たちもニュースに載せるなどしませんでして、そういうふうに海南市長さんにも申し上げていたわけです。ですから、大座で申し上げるのはきょうが初めてです。海南市と水利組合の話し合いも始まって、水利組合に負担をかけない方向で海南市も努力するという、こういう態度も表明された中ですので、きょうは池の名前も申し上げたわけであります。
 この調査で私が評価するのは、行政が主体的な取り組みで警戒すべき課題を見つけ出したという点です。今、シンドラー社のエレベーターが大きな社会問題になっていますが、高校生が挟まれて亡くなるという痛ましい事故が起こった。それから、実はこれまでもたくさんの誤作動があったんだと聞かされる。痛ましい事故があって初めて問題が明らかになり、対策が始まるというパターンでありました。トラックのタイヤが外れるという欠陥車のリコールでも、何度も事故があって、人が亡くなって初めて欠陥が明らかになる。こういう例を私たちはたくさん見てきました。
 このたびのため池調査というものは、そういうことでなくて、地域の水防計画をリストアップしてたものを上回って調査をした。そして、対策が必要なため池を見つけ出したという点で私は評価をしたわけでございます。海草の振興局農地課の少ない人数で四十六も、それにもう一つ追加してお願いしましたから四十七のため池、和歌山市もそのエリアですから百近いため池を調査いただいたわけです。私が同行して回った池はそのたった一つだけですが、恐らく大変だっただろうと思います。御苦労さまと申し上げたいと思います。
 ただ一点だけ要望しておきますが、調査してみると、やっぱり対策が必要だという池が見つかったということがありましたから、今度の調査でも調査対象から漏れたけれども──もちろんその四千のため池、全部調査せよとは言いません。地域から、これはどうも心配なんで調査してくれという池があった場合には引き続いて調査もお願いしたいということを申し上げまして、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(大沢広太郎君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時五十四分散会

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