平成18年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

  午前十時一分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第百十五号、議案第百十七号及び議案第百十九号は、いずれも職員に関する条例案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 次に、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第一、ただいま報告の議案第百三十七号を議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず当局の説明を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま上程されました議案について、御説明を申し上げます。
 今回追加提案いたしました議案第百三十七号は、県議会議員和歌山市選挙区の欠員が二名となったことに伴い、公職選挙法の規定により執行される補欠選挙の臨時啓発及び執行に要する経費について一般会計予算の補正をお願いするものでございます。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(吉井和視君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第二、議案第百十一号から議案第百三十六号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第七号まで、及び追加提出議案議案第百三十七号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 三番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただき、各会派の御理解もいただき、今議会、トップバッターとして質問に立たせていただきますことを大変光栄に思っております。最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、公共広告機構というCMが大好きであります。皆さんも御存じだと思いますが、現在やっているのは「命は大切だ。命を大切に。そんなこと何千何万回言われるより『あなたが大切だ』 誰かがそう言ってくれたらそれだけで生きていける」というCMであります。以前には「大人を逃げるな。」とやっていましたし、また、「子供を抱き締めよう」というキャンペーンもやっていました。ほんの数秒間に現在の日本のあり方を問いただす、すばらしいCMだと思っていますし、世相を反映したタイムリーなCMで、いつも考えさせられます。
 近ごろ、車で走っていますと、自転車の前かごに地域のパトロールをうたったプラカードをつけている人たちが多くなっています。また、六月の初めには、教育長を初めとして、たくさんの教育委員会の職員さんが朝早くから通学路に立ち、児童の通学を見守ったようで、大人がしっかりしないとこの国は大変なことになってしまうと危惧している者の一人であります。未来を担う子供たちの安全・安心が問われています。
 質問に入ります。
 まず最初に、政府が進めている交付税改革についてお尋ねをいたします。
 現在、骨太の方針二〇〇六の取りまとめに向け、歳出・歳入一体改革について議論がされているところでありますが、地方財政改革、とりわけ地方交付税改革をめぐって国と地方が激しく対立しているところであります。
 経済財政諮問会議などにおいて、地方のプライマリーバランスが黒字であることなどを理由に、地方交付税を削減するため、一つ、今後五年間、地方交付税総額を現在の水準以下に抑えるべきであるという提案、二つ目、国税から地方交付税への配分割合、いわゆる法定率を引き下げる提案、それから三番目、人口、面積を基本に配分する新型交付税導入の提案がなされております。
 地方の歳出は、社会保障、教育、治安など、国が法令等によりその実施を義務づけたり国の施策や予算と関連の深い経費が大部分を占める現状にあって、地方の歳出削減のためには国の義務づけの廃止も不可欠であるにもかかわらず、このような「まず削減ありき」の一方的な交付税削減の提案は、地方の実情を全く考慮しない極めて問題のある提案であります。また、職員定数の大幅な削減など、地方のこれまでの歳出削減努力を無視するような国の赤字のツケ回しは、断じて受け入れられないものであります。
 このようなことから、今月七日、全国知事会など地方六団体は、地方税の充実強化、地方交付税の地方共有税化などを求め、内閣に意見を提出いたしましたが、本県議会としても、今議会の開会日に「地方交付税の改革に対する意見書」を全会一致で採択し、国に強く申し入れることとしているところであります。
 私は、二年前の地方交付税が大幅に削減された地財ショックのような事態が今後も繰り返されれば、本県や本県市町村のように地方交付税に大きく依存している自治体は、行政改革に懸命に取り組んでいるにもかかわらず、たちまち窮地に立たされ、県民サービスにも重大な支障が生じるのではないかと非常に心配をしています。本県のように税源が乏しく財政力の弱い地域が将来にわたって安心して財政運営ができるような地方交付税改革を望むものであります。知事の所見を伺います。
 次に、行政改革についてお尋ねをいたします。
 去る五月二十六日、国会において、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律、いわゆる行政改革推進法が成立いたしました。これは、国及び地方公共団体が、その基本理念等にのっとり行政改革を推進する責務を有することを明確にしたものであります。
 さらに、自由民主党においては、中川政調会長が座長を務める歳出改革に関するプロジェクトチームにおいて、去る六月十五日、地方公務員の定数純減で一・二兆円削減する方針を固めるなど、地方公務員の人件費の抑制が喫緊の課題であるとされているところであります。
 本県においては、ことし三月に行財政改革推進プランを策定し、行財政改革を積極的に推進することとしています。特に職員定数の削減については、マイナス一〇・六%という全国最大の削減率を目標に掲げ、その実現のため、事業の仕分けといった従来にない新しい手法を取り入れることとしています。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 行政改革に関する知事の決意は、また事業の仕分けという新しい手法をなぜ導入されたのか、それにより何を期待しているのか、御答弁を願います。
 次の質問は、前回も質問をいたしましたし、私自身、重要課題の一つとして取り組んでいる危機管理、防災に関しての質問です。
 まず最初に、先月二十七日に発生したジャワ島中部地震により被害に遭われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。この地震は、阪神・淡路大震災と同様の直下型地震で、地下の浅いところで発生したことと簡素なれんがづくりの家屋が多くあったことなどにより、被害を大きくしたと言われております。
 和歌山市内において大きな揺れを感じる回数が近ごろ多くなり、先月十五日午前一時四十二分、震度四を観測する地震が発生し、大地震の前ぶれではと不安な日々を過ごしている方も多いと考えます。県と和歌山地方気象台により、一連の地震は東南海・南海地震には直接関係がないという見解が発表され、私自身も少しは安心をしたところであります。
 そんな中、私は地域の人たちと神戸の震災記念館を訪れる機会を得ました。何度も訪れている場所ですが、「天災は忘れたころにやってくる」という言葉がありますように、天災を防ぐことはできませんので、時々心と体にインプットしていかないと忘れてしまい、いざというときに慌ててしまって何もできなかったということが起こります。そういう意味でも大変勉強になったと考えておりますし、地域の人たちも、二度目、三度目という方もいらっしゃいましたが、勉強になったと言っていました。
 先日も、県の発表によると、東海・東南海・南海地震が同時発生した場合の県内の被害想定では、最大で五千人の死者が出るとの報告であり、避難者数も二十四万人に上り、これまでの想定と比べ、死者で二・五倍、避難者は四倍にもなるとの予測であります。そんな数字が出ると、現実のものとして県民は大変不安になると考えますが、今回の被害想定結果を受けての知事の所感と今後の県の取り組みについてお答えをいただきたいと思います。
 次の質問です。
 ミカンの生産量が二年連続で日本一になりました。これは大変喜ばしいことであります。そこで、和歌山の果物について質問をいたします。
 国内では、景気が回復基調にあり、求人の増加など、明るい話題もあります。しかし、地方にとってはまだまだ厳しいのが現実であります。特に、本県の主要産業である農業分野では、長期の価格低迷が続いているのが現状であります。
 その一方で、安全な品物、高品質な品物、こだわりの品物・商品、健康によい食べ物などが消費者の心をつかみ、ヒットをしています。また、食育や地産地消などの運動も始まっております。産地で栽培されている県産の魅力ある果物をもっとうまく全国に発信していくことが地域の活性化に必要ではないかと考え、和歌山の象徴でもあるミカンの振興策についてお尋ねいたします。
 和歌山は、ミカン、梅、カキ、桃など多くの果物が生産され、全国的にも有数の果樹立県であり、季節ごとに絶えずPRできることが果樹王国としての層の厚さではないかと思います。私も和歌山の果物を県外の友人に送ったりしていますが、大変評判がよいものであります。もっとうまく全国へ発信できないかと常々思っていますし、産地の活性化につながるものと考えています。
 日本一の梅に関しても、六月六日を梅の日とする提案がされ、知事を先頭に総理官邸への表敬訪問や梅の記念式典など、消費拡大のPRイベントなどが開催されました。大変よいことだと思いますし、重要なことだと考えます。
 先日、北海道を訪れたときに、夕張メロンと同じような、夕張メロンでない安いメロンが売っていました。聞いてみると、夕張メロンは生産者の中で非常に厳しい基準をつくり、徹底した栽培管理に取り組み、基準に合わないものは夕張メロンというブランドが使えないということであります。関アジ、関サバも同じであります。そんなブランドに和歌山ミカンがなれないか。それには、生産量日本一に加えて品質面でも日本一になることが有名ブランド和歌山ミカン育成にとって大きな課題であると感じております。
 今後は、ミカンの消費が年々減少している中ですが、日本一のブランド産地を目指す上で首都圏で高い評価を得ることが必要であり、主産地の愛媛県などに価格面でも負けない品質の強化と地域ブランドの活用なども視野に入れながら、和歌山ブランドの確立が必要と考えます。県として和歌山ブランドの育成と積極的なPRについてどう取り組まれるのか、農林水産部長にお伺いいたします。
 続いて、カジノについて質問をいたします。今日まで、カジノについて四名の先輩・同僚議員が質問をされております。
 ことしの二月、自由民主党では、カジノ・エンターテイメント検討小委員会が立ち上がりました。そして、つい最近、カジノ合法化に向けた基本方針を取りまとめたようであります。和歌山県は、早くからカジノについての研究会に参画し、検討を重ねておりますが、今回の基本方針について知事の感想をお尋ねいたします。
 カジノは、観光資源として、また、税収や雇用の面からも期待されていますし、地域の活性化に必要と感じている自治体も多いと考えます。その反面、反対論があるのも事実であります。青少年の健全育成や犯罪がふえるのではないかなど、問題点も指摘されております。設置される場合、地域住民のコンセンサスが得られない場合は、当然設置もできなくなります。しかし、観光産業に従事する方や旅行業界の方たちはカジノに熱い期待を寄せているのも事実であります。これから先、紆余曲折もあると思いますが、今後の可能性や和歌山が思い描くカジノについて、知事のお考えをお答えください。
 次は、六十谷駅のバリアフリー化に関する質問であります。
 バリアフリーとは、高齢者の方や身体に障害を持たれた方が障害を持たない人と同じように社会参加ができるよう、だれでも、どこでも、自由に、使いやすくといった考え方が基本になっているようであります。高齢者や障害者の方はもとより、妊産婦の方はもちろんのこと、すべての方が公共交通機関を利用するため、平成十二年に高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆる交通バリアフリー法が策定をされております。
 この法律の基本方針では、国の目標として平成二十二年までに、一日当たりの乗降客が五千人以上の駅については段差の解消などのバリアフリー化を実施すると定められております。大勢の人が利用する公共交通機関の駅については早急にバリアフリー化を進める必要があると考えますし、国の支援策も講じられていると聞いております。
 そこで、六十谷駅についてお尋ねをいたします。
 当局も御存じだと思いますが、六十谷駅は、通勤、買い物と生活交通の拠点として、また、開智中学・高校、市和商などの通学の拠点にもなり、一日八千人もの方々が利用しています。そんな駅でありながらホームとホームの間にある跨線橋には階段しかなく、高齢者や障害者の利用は大変困難な状況であります。特に車いすなどは、その都度、駅員さんに車いすごと運んでいただいていると聞いております。いつ事故が起こっても不思議でない状況であります。駅構内のトイレも入り口が階段になっており、不便で仕方がないという声も寄せられております。一日も早いバリアフリー化を望むものです。
 先月、地域住民の方々が、JR西日本支社を初め、県、市に対してバリアフリー化について要望されたと聞いております。高齢者や障害者の方の移動に関して、利便性や安全性の確保とともに、地域の方々の要望も考え、六十谷駅のバリアフリー化が急がれると考えますが、企画部長に、県内の鉄道の状況も含め、今後の取り組みについて答弁をお願いいたします。
 次の質問であります。
 私は、この質問をするに当たり、随分悩みました。まず、事実関係の裏づけがとれていない。それから、私には捜査権がない。万一間違っていたらという心配もありましたが、状況を見、人の話を聞く中で、質問しないでほうっておくことはできないと考え、質問をすることに決めました。
 和歌山県は、これまでにも数社の企業誘致に成功し、和歌山の活性化に努めています。そんな誘致企業の中で、雇用奨励金を目当てとした企業があるのではないかと聞いています。企業が和歌山へ進出すると、県と進出協定を結び、県内の雇用に貢献する、それに対して県、市町村の優遇措置が適用され、その一つとして県からは奨励金が出るという契約であります。
 先日、ある人から相談を受けました。内容は、県が企業誘致した会社にパートとして勤めているが、電話一本で解雇を言い渡され、それも自己退職としてやめてほしいということであります。理由を聞いても、最初の話になかった、成績が悪いとか業績不振であるとかで、一方的に電話も切られたと言っておりました。
 その方は、同じ状況に置かれた方たちと労働基準局を訪ね、相談もし、ハローワークにも行ったと聞きます。おのおのの場所で契約内容を精査してみると、法的にはぎりぎりのところで契約が交わされていて、素人には難しく、大変不利になっています。解雇の電話があった後は、週一回だけ勤務をしてほしい、一カ月後には退職ということであります。その反面、雇用奨励金の基準日前になると、職員採用の募集が頻繁に出るということであります。当然、募集が終わり、基準日が過ぎると職員は解雇されている模様であります。
 和歌山県へは進出から二年たち、新たに愛媛県でも六月から業務が開始されたと聞いています。何かそこには、三年間の奨励金だけを目的に和歌山へ進出したのではないかとうがった見方をしてしまいますが、担当の商工労働部長はどのように実態を把握しているのか、こうしたことが事実であれば雇用奨励金を減額・返還させるべきではないか、今後の対応はどう考えているのか、まずお尋ねいたします。
 こうした問題のある企業を誘致することには、多くの首をかしげる部分があると考えます。そもそも、企業誘致の目的は安定した雇用の創出であり、その意味からも今回の件に関しては問題が多く、雇用奨励金などのインセンティブについては正社員としての雇用に限定すべきと考えますが、いかがですか。商工労働部長の答弁を求めます。
 最後の質問であります。この質問は何度もしておりますので、もうええやろという方も議場にはおられるかもしれませんが、これを最後にこの質問はやめたいと思いますので、御辛抱をお願いし、答弁を知事に求めたいと思います。
 和歌山北インターについてであります。
 和歌山市議会でも質問がありましたが、今後この問題については大変早急な対応が必要と感じておりますので、強い期待と早期着手をお願いしたいと考えています。内容については、申すまでもなく、知事もよく理解をしていただいておりますし、必要なことは必要なときに対応していくことだと考えます。知事には北インターチェンジに対する考えと今後の取り組みについて前向きに答弁をお願いし、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの御質問の交付税改革の問題でございます。
 交付税については、来年度の交付税制度等をめぐって今大変な状況になっております。一つは、総額を確保する問題でございます。この問題については、今、歳入・歳出一体改革というふうな中で、これ、入りというんですけども、要するに国の方から、一般会計から特別会計へ入れる交付税のいろんなもとの税金の法定率というふうなものを下げようというふうな話があります。これはもうゆゆしき問題であって、和歌山県では、本当にそういうことを下げることが可能なのかどうかということについて、全国に先駆けて、粗い試算ですけども、発表をいたしました。したところ、下げるどころか上げなければならないというふうな結論を得たところでございます。
 この問題については、財界であるとか霞が関の一部に、地方はむだをしていて、やっぱりこの交付税はどんどん締めれば締めるほどいけるんだというふうな誤った考え方があるわけですが、これはもうちょっと行き着くところまで来てるもんですから、この問題についてはこれから強く抗議をし、そしてまたそういうことにならないような対応を求めていかなければならないと思っております。
 それから、もう一つは配分の仕方の問題です。配分の仕方については、三位一体の改革の中で、交付税の算定の仕方は少しややこし過ぎると。なかなかアマチュアの人にわからない。わからない中でいろいろ理解できないというようなことが起こっているのではないかと。これを簡素化しようというふうなことがありました。このこと自体は、これは正しいことだろうと思います。ただ、その中で、面積と人口を基準にして需要額を算定していこうというふうな非常に乱暴な話が出ましたので、これについても和歌山県は、人口と面積で計算したらどうなるか、これも非常に粗い計算なんですが、警鐘を与えるために全国に先駆けて発表しまして非常に注目を集めました。実際そういうこともあって、この面積と人口で算定する割合は全体のとりあえずは交付税の中の一割程度、そしてまた、それについても単純に人口と面積ということじゃなくて、いろいろな補正をかけて現状を維持していくような形にするというところまで現在来ているわけです。
 ただ、この問題は、下手をすると交付税総額の減少ということに容易に結びついてくる可能性──頭の中ではきっちり分けてあっても可能性があるので、この問題についても、これから十分、地方の県がもうやっていけないようになるようなこと、県とか市町村がやっていけないことにならないような形での運動を起こしていきたいと思います。近々議会とも一緒になって、そういうふうな集会というのを、これまあ全国で余り例がないんですけども、開いていこうというふうに考えているところでございます。
 それから、事業の仕分け、どうしてこういうことをするのかというふうな話です。
 今まで県も、御存じのように、何年にもわたってピンポイントで、この事業については必要であるとかないとか、金額的にはこうあるべきだとかいうようなことで大いに改革を進めてまいりました。しかしながら、今申し上げましたように、非常にこの地方財政への攻撃というふうなのが厳しくなってきて、そういう中でやはりもう一段の行政改革を進める必要があるということは、これはやむを得ないことだろうと思いますので、そういう中で、やはりすべての事業を本当に必要かどうかという視点に立って見直していくというふうな仕分け方式ということが必要だろうというふうに考えました。
 千六百ほどある事業をすべて、それぞれが、本当に行政がやるべきなのか、民間でもやれるのか、それともやめてしまってもいいのかというふうなことも含めて、そしてまた金額的にもどうかということも含めて、これは大変な作業ですけれども、見直しをしていきたいと、このように考えているところでございます。
 次に、東南海・南海地震についての被害想定ですが、これは、東海地震、東南海地震、南海地震、このすべてが同時発生したというふうな場合を、最悪の場合を想定して、精緻な検討を行って、今度被害想定を行ったところでございます。非常に厳しい結果が出ておりますので、これに基づいて地域防災計画の見直しを行うとともに、アクションプログラムをさらに前向きに推進をしていきたい、このように思っております。
 次に、カジノについての問題でございます。
 カジノについては、先般、自民党の観光特委が、数年内の導入ということを目指して、将来的には全国で十カ所、当面二、三カ所でカジノを開く、そしてそういうときには、暴力団の排除であるとか、マネーロンダリングのようなことが行われないようにするとか、そういうふうなことの対策をとってやるというふうな基本方針を発表いたしました。
 和歌山県は、観光県でもありますので、以前から全国の幾つかの都県と一緒になって、この問題、積極的な検討を進めております。部長も委員になって委員会へ行っておりますが、まあ法的な問題があってなかなか進まなかったんですが、今度の委員会の基本方針でかなり前向きに進んでいく可能性もあります。そういうときに、和歌山では、都市型のカジノでない地方型のカジノ、もちろん教育とか、その地域の問題には十分配意しながら積極的な対応をとっていきたいと、このように思っているところでございます。
 最後に、和歌山北インターの問題でございます。
 この問題については、新島議員が以前から質問をされていて、私も前回あたりから非常に前向きな答弁を行ってきたんでございますけれども、今回、いろいろこれは進めていこうということになってきました。そして、その背景といたしましては、和歌山の川の向こう、北部地域にはもう今十六万人の人が住んでいて、そしてこういうふうな割と簡易なインターチェンジをつくるということも技術面、コスト面で可能だというふうなことになってきております。そしてまた、あの地域で需要予測をすると一日三千台以上の需要が見込まれるということで、これはこういうふうなインターをつくる場合の基準を大きく超えるものになっているわけでございます。
 現在、詳細な接続位置について具体案を和歌山市に提示をし、調整を行っているところであり、あわせて国との事前協議にも着手をしております。このため、今後、早期に事業主体の決定、事業化、完成を目指していきたいと、このように思っております。
○議長(吉井和視君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 果樹王国の振興策についてでございますが、和歌山ミカンにつきましては、味一みかん、まるどりみかんといった個別ブランドの育成に加え、品質を重視した産地のレベルアップとあわせて、消費宣伝等PRの展開が重要であると考えてございます。このため、現在、マルチ栽培の推進を初め、ゆら早生、田口早生の産地化に取り組むとともに、光センサーによる選果体制の充実などに努めているところでございます。
 今後は、十二月出荷用の優良品種の選抜を進め、また、地理情報システムを活用した園地の整備とともに、果樹産地構造改革計画に基づいた高品質生産対策を進めてまいることとしてございます。
 次に、全国への情報発信についてでございますが、これまで、関係部局、関係者との連携のもと、市場や店頭での販売促進、またメディアを通じた消費宣伝、量販店でのフェアや商談会の開催を行うなど、県産ミカンのイメージの向上に努めてまいったところでございます。
 また、このたびの商標法の改正に伴い、現在、ミカンでは「有田みかん」、それから「しもつみかん」の申請が行われているところでございます。
 ミカン生産量連続日本一を契機にいたしまして、全国をリードする生産県として、さらなる和歌山ブランドの向上を目指し、生産者やJA等と一体となって首都圏における消費拡大に向けイベントを開催するなど、積極的にPRしてまいることとしてございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) JR六十谷駅のバリアフリー化についての御質問でございます。
 まず、県内の鉄道駅の状況についてでございますが、県内百二十三駅のうち一日当たりの乗降者数が五千人以上の駅は、JR和歌山駅を含め、現在九駅ございます。これまで、JR和歌山駅でありますとかJR紀伊駅など五つの駅につきましては国及び県の補助によりましてバリアフリー化が図られておりますが、残りのJR六十谷駅を初め四つの駅につきましては未整備でございます。
 議員御指摘の六十谷駅のバリアフリー化につきましては、国の助成を受けるためには、まず当該市町村において鉄道駅を中心としたバリアフリー化基本構想を作成する必要がございます。県といたしましては、議員御指摘の御質問の趣旨並びに地元自治会の要望等も踏まえまして、今後、地元和歌山市、JR等と連携を密にしながら、早期着工が図られるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(吉井和視君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) 雇用奨励金制度に関する議員御指摘の問題につきましては、ほかにも県民の皆様から幾つかの情報が寄せられておりまして、このため、本年五月に雇用実態に関する緊急調査を実施したところです。また、雇用奨励金の検査制度の見直しを行い、検査体制を拡充するとともに、現在、平成十七年度交付分を対象に再検査を実施しているところです。
 次に、奨励金の返還につきましては、業務量の減少等によりパートタイマーの解雇等を行った結果、前年度に一年以上の雇用見込みであるとして交付額の算定対象となったパートタイマーの雇用期間が一年に満たなかったというような事態が生じることがあります。その場合に、交付確定額がマイナスになれば、当然、要綱の規定に基づき、既に交付した奨励金の減額分を返還請求することになります。また、現在進めている再検査において不適切な案件が見つかった場合にも、法令に基づき、返還請求等の厳正な措置を講ずる所存でございます。
 最後に、議員御指摘の一部の業種について、パートタイマーを雇用奨励金の交付対象とする制度につきましては、正社員比率の高い企業誘致の推進やパートタイマーなど非正社員の正社員化を促進するために、さきに申し上げました実態調査などをもとに見直しを行い、雇用奨励金の交付対象を正社員に限定するとした要綱改正を既に行ったところであります。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 七番目の企業誘致の関係のことで少し皆さんに知っていただきたいと思って再質問に立たせていただきました。
 ここに、相談に来た方から、相談する上で興奮して間違ったことを言ってはいけない、また、言いたいことを全部伝えたいのでちょっと書いてきましたという手紙のような、箇条書きになったものも含めて、四名の方がお見えでありましたが、その二名の方から御了解を得て預からしていただきました。ちょっとだけそれを読ませていただきたいと思います。
 「五月十九日に部長に呼ばれて、六月十九日でやめてくださいと一方的に言われた。それなのに、自己退社で解雇ではないと会社側は言い切っている。不審に思い、五月二十五日、十名ぐらいで労働基準監督署とハローワークに相談に行きました。県から助成金をしてもらっているので、みんなを解雇すると助成金がもらえなくなり、返金をさせられるかわからないので、会社側は一方的に自主退社と言い切っていると言われました。だから、県庁の企業立地課などへ行って、私たちの大切な税金を悪質な企業に助成金を出すのはもってのほかですので調べてください」。「五月十七日、四国の愛媛県の過疎地に会社を立ち上げ、愛媛県でもまた助成金をもらおうとしています。去年の十一月、十二月ごろから新入パート社員を募集して、パソコンがなく席もないのに八十人ぐらい──確かな人数ではありません──入社させ、解雇をして助成金をもらっているようである」。一人の方はこういうことを書いておられます。
 もう一人の方。「誘致企業のため──ちょっと固有名詞を出しにくいもんで、えらい済みません──県の助成金を三年間受けており、最後の年に当たることしの一月から三月の間に求人で職員を大募集して新人を多数雇い、本年度の助成金をもらうと、新人の人から次々と首を切り、一年以上勤めている私たちにも、数字が上がっていないという一方的な理由で、五月十九日に部長から、一カ月後の六月十九日付で退職してくださいと言われました。また、五月中もシフトで出勤をかなり減らされ、六月中にはたった三日間の出勤を命じられました。そして、愛媛でも事業をするため、和歌山から機械等を運び、向こうでも助成金をもらい、和歌山と同じ事業をするようです。言葉は大変悪いですが、これは県民の税金を悪用している助成金詐欺ではないでしょうか」と書かれています。
 大変、ここでしゃべったらいかん、ちょっと言葉もあったかもしれません。不確かな部分が多くて問題のあることかもしれませんが、この人たちは、自分がやめさされたことを怒っているのではなく、自分を助けてほしいとかという要望では決してなかったわけであります。この人たちの希望は、和歌山の私たちの税金が悪用されているんじゃないかということに大変怒りを覚えた、そして、これが今度は愛媛県でも同じようなことが起こるんではないか、それを未然に防ぎたいとおっしゃって私のところへ来てくれました。個人のことではなく、地域や制度に問題があるかもしれませんが、今後このようなことのないように十分注意をして十分な捜査をしてほしいな、そのようなことを要望して再質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新島雄君の質問が終了いたしました。

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