平成17年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十一番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 九月定例会一般質問の最終を務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 県議会の中には、議員連盟が幾つか結成されております。それぞれ県政の重要な施策を推進するため、県議会として時には県当局と力を合わせ、スクラムを組みながら、過去にも多くの成果を上げてまいりました。
 例えば、平成七年に農林水産振興議員連盟が発足しておりますが、その前より、自由民主党県議団においてはみかん振興議員連盟があり、平成三年の生果、同じく平成四年にはジュースのオレンジ自由化に際し全国のミカン生産府県に本県より呼びかけ、昭和六十三年には全国みかん生産府県議会議員対策協議会を発足させ、全国みかん生産府県知事会と協力しながら再編対策など大きな力を発揮し、生産現場の声を国政に反映させることに成功いたしました。
 発足当時より、全国みかん生産府県議会議員対策協議会の会長県として和歌山県がその先頭に立ってまいりました。私も発足当時よりその役員を務めさせていただき、平成十六年五月まで会長もさせていただきました。毎年年二回、東京で総会を開き、財務省を初め全国の国会議員の会であります果樹振興議員連盟とも協議を重ね、時には農林水産省と激論を交わしたり、またバックアップをしながら今日まで至っております。そのような縁で、本年の三月二十八日、二十九日には、本県の議員連盟の招きで農林水産省生産局果樹花き課長が直接、急峻な本県のミカン生産現場を視察していただくことになり、生産者との話し合いも持っていただきました。
 このように、県議会としても大きな問題を解決していくために議員連盟を発足させ、力を合わせて取り組んでいるのであります。
 そのような議員連盟でありますが、去る九月十五日には、すべての会派の御賛同を得て和歌山県議会スポーツ振興議員連盟が設立され、私が先輩・同僚議員の皆様方から会長に推挙されました。今後、本県の体育スポーツ振興に対して積極的に支援してまいりたいと考えております。
 高校時代には競泳選手として長崎国体、和歌山国体に出場し、最近では県水泳連盟会長として高知、静岡、昨年の埼玉、そしてことしの岡山国体へも応援に行かせていただいている立場も含め、国民体育大会を中心とした本県スポーツの競技力向上についてお尋ねいたします。
 アテネオリンピックでの日本選手の活躍に日本じゅうが興奮し、力いっぱい競技する選手の姿が我々に多くの勇気と感動を与えてくれたのは記憶に新しいところであります。スポーツは、明るく、活力に満ちた社会の形成や心身の健全な発達に欠かせないものであり、また全国大会等で優秀な成績をおさめることは県民に夢と感動を与え、一体感を醸成し、本県の活性化に大きく寄与するものであります。
 本県の高校生も、この八月、千葉で開催されたインターハイにおいて、自転車競技で和歌山北高校が総合優勝、フェンシング競技の女子団体で同じく和歌山北高校が優勝し、アーチェリー競技女子団体で和歌山高校が、これまた優勝しております。個人でも、水泳、テニス、柔道、体操、レスリング競技など、多くの選手が入賞を果たしています。また中学生では、同じく八月、三重県で開催された全国中学校体育大会において、体操競技男子団体で明洋中学校が第二位、ソフトテニス競技女子団体で学文路中学校が第三位、柔道競技で岩出第二中学校がベストエイト、個人でもソフトテニス、水泳、体操競技で入賞を果たしています。このように、本県の次代を担う中学生、高校生のジュニア選手は各大会において活躍を見せてくれています。
 しかしながら一方、本県のスポーツの現状を国体成績で見ると、先般も指摘がございましたが、昭和四十六年に開催された黒潮国体の総合成績一位をピークに右肩下がりの状況が続き、残念ながら昨年は総合四十七位と、全国最下位になっております。黒潮国体以降、昭和五十四年宮崎国体までは総合順位が十位以内、また十位前後でありましたが、最近では三十位後半から四十位台の成績に終始をしております。その原因としては、平成元年の二巡目の京都国体から得点制度が変更されたこと、平成十五年静岡国体から団体競技に多くする新得点制度が実施されたこと、指導者の高齢化、さらには昨今の財政状況による選手強化費の減少が考えられます。
 先般、そのような現状に危機感を持ち、高校野球、東京六大学野球で活躍をされ、その後、新宮高校野球部の監督としてチームを甲子園に導き、小原議員のような優秀な選手を育てた先輩の下川議員、全日本空手道連盟剛柔会会長で剣道・空手道連盟の会長をされている同僚の宇治田県議とともに、文部科学省競技スポーツ課の坂元企画官にお会いするため上京してまいりました。そして、昨年のアテネオリンピックでのメダル倍増の要因を伺いましたが、ニッポン復活プロジェクトとして新たに整備された国立スポーツ科学センターにおけるスポーツ医学・科学の研究成果を活用した科学的なトレーニングの実施や競技団体に対する強化費の増額など、人、物、金を集中して執行したと聞いてまいりました。
 このような中、本県の体育スポーツ施設、中でもプールに関しては、中高校生が年間を通じてトレーニングをできる室内プールはなく、県内の有望な選手がよりよい練習環境を求めて他府県に流出する事例も見受けられます。このような状況を踏まえ、本県においても競技力の向上を目指した有効な取り組みが必要であると考えますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 また、国体は少年種別だけではなく成年種別もあり、企業や大学が少ない本県において、成年の部の強化については厳しい面もあります。それゆえに、まず県内の中学校、高校の競技力のレベルを早急に向上させるべきと考えます。
 その先頭に立つのが県教育委員会でありますが、昨年の国体最下位という現状の認識と、それをどのように立て直していこうとするのか、その対応に疑問な点も見受けられるのであります。今日の厳しい状況を踏まえ、それに対応する和歌山県スポーツ復活のための基本計画など強化策について、教育長にお聞きしたいと思います。
 また高校野球では、野球王国和歌山と言われるように、箕島高校や智辯学園和歌山高校の全国優勝、分校として甲子園出場で話題を集めた日高中津分校など、長きにわたり全国トップレベルの競技力を維持しております。これは、指導者の力によるところが大きいと考えます。高い専門技術を有する情熱を持った教員を適正配置することにより、競技力も大幅に向上すると考えます。教員配置にはさまざまな事情を考慮する必要があることは承知をしておりますが、スポーツの専門技術を持った情熱ある教員が当該部活動のない学校に配置されたり専門外の部活を担当したりしている現状は極力避ける必要があります。本県の競技力向上を図る上でも、県教委、体育協会、競技団体と十分な話し合いを持つことやスポーツを指導する教員の適正な配置をすべきであると考えますが、教育長にお答えいただきたいと思います。
 続きまして、ドクターヘリについてお尋ねいたします。
 平成十五年一月に近畿で初めて、国公立病院としては全国で初めて導入されて以来、出動件数は平成十四年度三十五件、十五年度二百六十五件、十六年度三百三十八件、十七年度もこの八月末までに百七十件と年々着実に増加を続けており、多数の重篤患者の命を救ってまいりました。和歌山県のように地形が南北に長くて山間地が多く、かつ三次救急医療機関が県北端の和歌山市にしかないという現状において、救急専門医と看護師が搭乗した空飛ぶ救命室が現場にやってきてくれるわけでありますから、一刻を争う患者御本人、御家族にとっては何よりも頼もしく思われることが想像にかたくないところであります。私ごとでありますが、先般、私の妻の父親も事故でドクターヘリのお世話になり、あと少し時間がかかっていれば危うかったところを救っていただきました。
 さて、このように県民から頼りにされているドクターヘリでありますが、現在の運航時間は午前九時から午後五時、夏場の五月から八月については午前九時から午後六時までであり、恐らくこの時間帯以外の時間でドクターヘリが出動できれば救われたであろう、あるいは後遺症を残さず健康回復できたであろう事例も、また多数あるのではないかと思われます。
 和歌山県立医科大学の研究によれば、夜間ドクターヘリの適応症例は年間六百八十六人ということであります。平成十六年度の三百三十八件という昼間の件数に比べ、夜間には約二倍の需要があるということであり、二十四時間運航を実施する価値は十分あると考えます。
 もちろん、運航時間の延長には、医師、看護師、操縦士、整備士、運航管理士の増員等人的要素、またヘリ機体の確保、夜間照明設備、一定の基準を満たした照明施設を幅員に余裕のある道路や学校のグラウンド、休耕田などに設置をして夜間でも利用可能な発着現場の確保など物的要素が必要であり、県財政も厳しさを増す中ではありますが、例えば、ドクターヘリの予測適応症例数が最も多い午前八時台に対応するため運航開始時間を一時間早めることから始めて、次の段階では操縦士の連続勤務が可能な午後八時まで、最終的には二十四時間体制の確立に向けて段階的に進めることは可能と考えます。運航時間延長と、そして二十四時間体制について知事の所見をお伺いいたします。
 続きまして、世界遺産と和歌山についてお尋ねいたします。
 県民挙げての長年の取り組みが実を結び、平成十六年七月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産として登録決定されました。登録に至るまでの多大な努力が報われた結果として、登録地一市十町では観光客が対前年比一二六・三%、特に熊野古道周辺の中辺路町、本宮町にあっては一九〇%、高野山周辺のかつらぎ、九度山、高野町にあっては一三〇%から一四〇%と、大幅な増加をいたしました。もちろん、この増加には、登録にあわせて東京や名古屋を初め全国各地で行われた県の大型観光キャンペーンなどのPR活動が大きな役割を果たしたわけでありますが、今後とも世界遺産高野・熊野と和歌山のPR、また訪れた方々の期待を裏切らないように、自然と一体となった霊場や参詣道を守っていく地道な努力が必要であります。
 その中で、私には、一点気になることがございます。それは、せっかく高野山が脚光を浴びるにもかかわらず、県都和歌山市を初め県内各地とのつながりがどうにも薄いのではないかなということであります。
 私が東京で学生時代を過ごした折、同級生に和歌山について知っていることを聞いたところ、当時、高校野球で甲子園を沸かせていた箕島高校という言葉が真っ先に返ってきました。その次に和歌山県で知っているのはと尋ねたところ、ほとんど知らないというような返事でありました。空海が開いた真言宗の高野山は和歌山にあるのだと私が言いますと、高野山は聞いて知っている、しかし奈良県にあるものだと思っていたと、逆に驚かれるような始末でありました。
 よく考えてみますと、和歌山に住む人にとって栃木、群馬、茨城といった東京周辺の県の位置や町の名前はよく知らないのと同じであります。無理からぬところもございます。高野山と並び称される比叡山延暦寺についても、京都府に位置すると思っている人が多いわけであります。実際は滋賀県大津市なのでありますが、その原因は、京都から比叡山に登る人が多いからでありましょう。
 さて、高野山を訪れる人々はどのようなルートをたどるのでありましょうか。古くは参詣道として高野街道がありますが、現在の参詣道は鉄道と車の利用が主であります。鉄道ルートでは、遠方から関空に到着した方々も含めて、大阪の難波から南海高野線を利用している。車ルートにつきましても、大阪から紀見峠を越えてくるのが一般的であり、県都和歌山市を経由することはほとんどないのが実情ではないかと思われます。これではまるで高野山は大阪からというのが定着してしまい、高野にやってきたとは思っても、和歌山を訪れたという記憶はほとんど残らないのであります。まことに残念であります。
 そこで、せっかく高野・熊野地方を訪れる人々に県都和歌山市周辺のよさを知っていただくため、既にJR和歌山線や国道三百七十号、四百八十号など、良質なアクセスを持つこの地域と高野山のつながりの強調がぜひとも必要であります。
 鉄道関係では、和歌山駅から橋本駅を経てJRと南海との相互乗り入れ、また和歌山市から高野山への直行バスの運行、道路関係では、阪和自動車道の海南東インターに「高野登山口インター」などの愛称の付与、県道海南高野線、同じく有田高野線──もとの名前でありますけれども、昇格しておりますので今は国道三百七十号、四百八十号という名前でありますけれども、──もとの路線名の復活など、高野山と一体性を高めるための方策を世界遺産登録という追い風が吹いているこの機会にぜひ考えるべきものと思いますが、鉄道関係等については企画部長、道路関係については県土整備部長の答弁を求めます。
 最後に、東南海・南海地震の津波対策についてお尋ねいたします。
 東南海・南海地震の発生確率は、今後三十年以内に五〇から六〇%、五十年以内に八〇%から九〇%と言われ、発生確率が年々高まってきており、また昨年九月には紀伊半島沖地震が発生するなど、県民はいやが応でも迫りくる大地震を意識せざるを得ない状況であります。
 自由民主党県議団では、このたび、地震対策などの県政の危機管理体制の確立に向け、調査研究や当局に対して提案、提言を行うことを目的に自由民主党県議団危機管理調査会を設立し、私が会長を務めさせていただくことになりましたが、東南海・南海地震対策についてまず考えなければいけないことは津波対策であります。
 昨年十二月の二十六日に発生したスマトラ沖地震は、日本で発生が懸念される東南海・南海地震と同じく海溝型巨大地震であり、震源地から遠く離れたアフリカ大陸にまで津波が押し寄せて甚大な被害をもたらしております。テレビを通じて津波にまさにのみ込まれようとしている人々を目の当たりにし、その恐ろしさに肝を冷やしましたが、その映像を見ておりまして、津波とは決して波ばかりではなく、港にある船舶や貯木などが濁流となって陸地を襲い、地上の構造物を破壊していくものであり、単に水がどこまで浸水するかといった問題でないということを改めて知ったところであります。波だけであれば難を逃れることができたのに、一緒に流されてきたものに衝突されたため被害に巻き込まれてしまったこともたくさんあったはずであります。
 本県では、昨年までの二カ年で、大阪府と共同で津波浸水域のシミュレーション調査を行っており、十二・五メートルメッシュというかなり細かい単位で、地形等も考慮に入れた上で津波の到達地点や高さ、到達時間、また浸水した場合の水深等が出されておりますが、これは、東海・東南海・南海地震が同時発生し、なおかつ海岸構造物がすべて機能しないという最悪の場合を想定しているそうであります。この結果は、インターネット公開、津波ハザードマップの作成といった県民への啓発や、より実際に即した対策研究に役立てていくものと思いますが、その一環として、海岸構造物の耐震性、海岸沿いにある民家の密集度合い、船舶や貯木等が陸上に与えるダメージ、昭和の南海地震の被害等を調査し、また体験者からの聞き取りなどによってできるだけ実態に即したシミュレーションを行い、危険性をランクづけして、同じ港の中でも特に危険な場所については長期停泊、係留船舶や貯木などを規制することがぜひとも必要であります。
 港湾振興の観点から言えば規制する場所は必要最小限にすることが望ましいと思いますので、慎重に対処することも大事でありますが、条例化を含めた対応について、県土整備部長の答弁を求めます。
 以上で、一回目の質問を終わります。
○議長(吉井和視君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) スポーツでいい成績をおさめるということが県民に元気を与えるということは、私もそのとおりだというふうに思います。そういうふうな中で、実は私も、去年の国体での四十七位というのには非常にショックを受けました。三十番台ぐらいならまあ仕方がないなというような感じだったんだけど、びりになるというのはなかなか大変なことです。
 それで、これはいかんということでいろいろ調べましたら、やはりちょっと強化対策等々についてこのところ低迷しているというところもあるというふうなことで、もう去年ぐらいから大々的に若手を中心に振興していこうというふうなことはしているんですけども、ただやみくもに今までと同じようなことをやっていても、これはなかなか効果が上がるというふうなものではありませんので、日本の国がこの間オリンピックですばらしい成績を上げたその原因というものがまた和歌山でも役に立つようなことがあると思いますので、そういうことを含めながら、ある意味では物心両面でといいますか、やっぱりもう何もなしで割と──選手強化費が、これも全国で最下位ぐらいのところまで来ているというようなこともありますので、なかなかトップにするようなことは和歌山県では難しいですが、やっぱりそこそこのところでその土台がちゃんとよくなっていくようにしたいと思います。
 私自身も、知事になって初めてことし岡山の国体へ行こうというふうに思っているんですが、これも四十七位になったということの危機感のあらわれですので、これは一朝一夕に成果が上がるというふうなものではないと思いますけれども、地道にいろいろ努力をしていきたいと、このように思っております。
 次にドクターヘリですが、これは、うれしい誤算といいますか、初めは、このドクターヘリをつくっても予定ほどの利用件数はないだろうというのが大方の見方だったわけです。ところが、毎年毎年、利用件数が予想を大幅に上回るというふうな状況になっている中で、当初から言っておりました二十四時間運航ということの重要性が僕はどんどん増してきていると思います。
 今、御質問の中にもありましたように、夜は病気にならない、昼病気になるというのは、病人の人は別にそれを選ぶわけじゃありませんので、むしろ夜の方がそういう危機の状況は大きいということはあろうかと思います。
 ただ、正直言いまして、ヘリコプターですので、夜、山の中を飛ぶということはなかなか技術的にも難しいし、そしてまた医師の人、それから運航の技術者の人なんかの対応というようなこともいろいろあって、今のところ研究段階で、実質的になかなか二十四時間というのに進んでないということはあって非常に歯がゆい思いをしているわけですが、ただ、今お話にありましたように、朝の九時からというのを例えば八時からにするとかいうふうなこと、それから夜六時までを七時までとか七時までを八時までにするというようなことは、これはやり方によっては対応可能であるというふうに考えますので、抜本的な二十四時間にする改革ということはあわせて検討しながら、そういうふうな少しずつ改善していくというふうな努力もこの制度の利用状況から見ると非常に大事なことだと思いますので前向きに対応していきたいと、このように思っております。
○議長(吉井和視君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 和歌山市を経由して高野山を結ぶ交通アクセスのうち、鉄道、バスについてお答えをいたします。
 まず、議員お話しのJR和歌山線と南海高野線の相互乗り入れにつきましては、相互乗り入れのための車両でありますとか保安設備の改良等多額の経費を要することや、鉄道事業者の経営方針にかかわる問題であることなど、多くの課題がございます。今後、議員御提案の趣旨を踏まえまして、長期的な課題ではありますが、関係機関と連携しながら研究をしてまいります。
 また、和歌山市─高野山間の直行バスの運行につきましては、現在、和歌山市内の主なホテル間をバスが巡回しまして、和歌山マリーナシティから野上町、美里町経由で高野山に至る乗り合いバスが季節運行されております。和歌山市内を起点とする高野山観光の貴重なアクセスであると考えております。
 県といたしましては、議員御提案のとおり、和歌山市及び海南・海草地域から高野山にかけましては歴史的にもつながりがあり、交通アクセスは重要であると認識をしております。関西国際空港から和歌山市経由の高野山方面へのバスツアーの企画を大手旅行会社に働きかけるなど、今後とも和歌山市と高野山を結ぶさまざまなルート開発に積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 県土整備部長宮地淳夫君。
  〔宮地淳夫君、登壇〕
○県土整備部長(宮地淳夫君) 高野山へのアクセスのうち、道路関係についてお答えをいたします。
 海南東インター等から高野山へのアクセスである国道三百七十号につきましては、現在、阪井バイパス、美里バイパス等の整備を進めているところであります。引き続き整備促進を図るとともに、来訪者の皆様を適切に誘導できるよう、案内標識の整備等に努めてまいります。
 なお、インター等の愛称名については、観光振興の観点も含め、関係市町と連携をし、道路整備の進捗を踏まえて検討していきたいと考えております。また、和歌山インター周辺で和歌山県の世界遺産をPRできるような案内等についても、関係部局とともに検討してまいります。
 次に、津波対策についてお答えをいたします。
 大規模な津波におきましては、倒壊家屋等が瓦れきとなって流出し被害が拡大することが懸念され、議員御指摘のとおり、港内船舶や港湾貨物につきましても同様のおそれがございます。このため、過去の被災状況、港湾利用や後背地の現況を正確に把握し、関係機関、地元等とも十分連携を図りながら船舶や港湾貨物の流出が周辺に与える影響につきまして調査し、港湾の利活用と整合のとれた津波対策につきまして検討を進めてまいります。
 また、台船等、港内に長期にわたり停泊している船舶につきましても、条例による規制も含め、津波被害低減の視点からも対策を検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツ振興についてお答えします。
 本県におきましては、競技スポーツの推進、生涯スポーツの振興など、四つの柱に基づく振興方策を本県長期総合計画の中に位置づけているところです。新たなスポーツ振興計画につきましては、和歌山県スポーツ振興審議会において現在鋭意検討していただいているところであり、本年度中を目途に策定が完成する予定であります。
 議員御指摘のとおり、早急に競技力を高めるために、特にジュニア選手を組織的、計画的に育成する一貫指導体制の早期実施や指導者の養成、確保等が最も重要であると考えております。
 昨年の国体最下位を脱するための特別強化策として、最重点・重点競技の指定と強化費の効果的な配分、競技に必要な器具、備品を購入するとともに、小中学生のトップジュニアを拠点施設に集め育成・強化を図るきのくにジュニアトレーニングセンター事業に取り組んでおります。
 次にスポーツ担当教員の配置については、各学校の教員定数や担当教科等との関係に留意しながら、ハイスクール強化指定校等を中心に、本県の競技力向上の視点に立って行ってきたところであります。今後、引き続き専門性を持った教員の力が十分に発揮できる配置となるよう、最大限努力をしてまいります。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十一番尾崎要二君。
○尾崎要二君 スポーツ振興で一点、要望を申し上げたいと思います。
 まず、試合で勝つことで多くを学び、そして負けることで、これもまた多くを学ぶことがスポーツであろうと思います。しかし、毎度負けておりますと負け癖がつくというのも余り褒められたようなものではないというわけであります。
 「天才肌の選手」という言葉がありますが、それはごく一部の選手であって、「努力にまさる天才はなし」という言葉のように、中学生、高校生、すべての人に大きな可能性があるわけであります。スポーツでも文化活動でも勉強でもそうでありますが、ひたむきに努力を重ねていけば、全力で頑張っていけば必ず道が開けるという、このことを子供たちに学んでいただきたいと思います。
 その可能性を引き出していく指導者の役割は、大変大きなものがあると思います。平日、授業が終わってから夜遅くまで熱心に指導をし、そして休みの日には、またこれ練習指導や水泳の大会、またいろいろ各競技の大会というように、大会へも一生懸命その手伝いとして、コーチとして出かけていくと。そのように、家族サービスも犠牲にしながら頑張っている指導者、教員に対して、もっと大きな理解と高い評価があってしかるべきであると、常々私もそれを考えております。
 今の現状はまだ不満だなという思いがあります。これからスポーツ振興のためにひとつ県を挙げて一生懸命取り組んでいただきたいということを要望申し上げて、質問を終わります。
○議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎要二君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件のうち、議案第二百三十一号平成十六年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第二百三十二号平成十六年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 次に日程第四、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。九月二十九日及び三十日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 御異議なしと認めます。よって、九月二十九日及び三十日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、十月三日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時三十三分散会

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