平成17年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(山下直也議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第一、ただいま報告の議案第二百三十三号を議題といたします。
 議案はお手元に配付いたしておりますので、まず当局の説明を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま上程されました議案第二百三十三号について、御説明を申し上げます。
 本議案は、石綿の粉じんの飛散等を防止し、県民の健康の保護及び生活環境の保全に資するため、一刻も早い対応を図る必要があることから、和歌山県公害防止条例について所要の改正をお願いするものでございます。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願いを申し上げます。
○議長(吉井和視君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第二、議案第二百四号から議案第二百三十三号まで、並びに知事専決処分報告報第十四号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 四番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 皆さん、おはようございます。
 ただいま吉井議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 今回、六月議会に引き続きまして、観光について、これ一点に絞り質問をさせていただくことになりました。十五分ほどで私の質問は終わりますので、何とぞ御清聴のほどよろしくお願いを申し上げます。
 知事は、さきの六月議会におきまして、私の質問中、和歌山大学の観光系学部の設置の問題について、非常に意義があること、文部科学省の方も難しいことを言っているようでありますが、地道に努力をして常に声を上げ続けているところに栄光が来る、実現に向けて県もこれを目指したいとの答弁をいただいたわけでございます。
 これから四項目にわたりまして、質問、また提言をさせていただくわけでありますけれども、これすべて観光につながるものでございまして、幾つかの部にわたり、それぞれ知事並びに担当部長に答弁をいただくわけでありますが、時あたかも、観光立県和歌山の創造に向け、またその確立に向け、その実現に向け、走り出したのではないかと期待をするところであります。また、財政改革が叫ばれる中、観光は重要な収入源の一つと考え、歳入をふやせるチャンスが目の前にあるのではという考え方を基本として質問をいたすものであります。
 県は、世界遺産登録後、観光に対し、守りの姿勢でいくのか、またそれとも攻めの姿勢で取り組まれるのか、何とぞ誠意のある御答弁をお願いいたしたく存じます。
 それでは、質問に入ります。
 去る七月六日、七日と大沢副議長、前芝議員、そして私の三名にて、徳島県上勝町並びに香川県高松市に行ってまいりました。目的は、一つ目、上勝町における葉っぱ産業「いろどり」という会社の視察でございます。二つ目、香川県におけるフィルムコミッションの設置等についての調査でありました。
 ちょうど九月十九日、我々視察に行って、それから後のことでございますけれども、新聞報道に「「つまもの」不老の彩り 平均年齢六十八歳農家 全国の七割出荷」、これがこのときの新聞記事でございますけれども、見出しのもとにこのことが大きく取り上げられております。
 徳島県上勝町、徳島空港から車で約一時間、人口二千二百人余り、四国の中でも人口が少ない町の一つでありまして、四割以上が高齢者、町の一年間の予算約三十億円、土地の九割が山、当時からこの山と高齢化が町の最大の課題であったそうであります。この町で、町長が代表者となり、第三セクターである株式会社いろどりを平成十一年四月に立ち上げました。
 上勝町は、昔から林業と建設業とミカンといった産業で成り立っておる町でありまして、町民からは「うちの町はだめだ」と嘆く声ばかり、愚痴の繰り返し。そんな状況の中、いろどりの実質的経営者であり、実はこのシステムの構築者でございますけれども、この会社の専務取締役を務められております横石さんという方とお会いしたわけでございますけれども、その横石さんは、初めは軽トラックを一台購入して徳島市まで上勝町の農産物の行商に行き、以来十六年間、今日までこつこつとその実績をつくってこられたそうであります。
 山の中でかすみを食っては生きてはいけない、自分のやっていることが楽しくないと決して続けてはやっていけない、そのように考えたそうであります。また、地域の一部の人間だけでできるものではだめ、町全体がよくなるものは何かないか、丸二年間考えていたときに、大阪の料理屋さんで隣の席の若い女性が食事をしていたときのことでございまして、食材よりも、今言っておりますつまもの、すなわち料理に添えられた季節の風情を盛り上げるもみじの葉やハギの花のことを盛んに褒める話が聞こえてきたそうであります。横石さんは、これを聞いて「これだ」というふうに思ったそうでございます。何かその女性のお客さんが会話している中で、食材のことよりも、「この葉っぱ、きれいやね」とか、それから「こんなふうにしたらこのお料理がおいしく思うよね」なんていう話がどんどん聞こえてきたそうなんですね。必要なときに、必要な人に、必要なものを持っていけばお金になるということであるわけです。現在、葉っぱものだけで約二億五千万の売り上げを上げております。どこにでもあるものがお金になったわけであります。
 きょうも、ちょっとその視察に行ったときの資料を持ってきたんですけれども、例えばアジサイ、それからレンコン、ハスイモ、ビワの葉、ヤマブドウ、たくさんあるわけなんですけれども、こういう葉っぱが実はどんどんお金に変わっていくという、うらやましい話でありました。
 横石さんは──ちょっとこの根拠がわからないんですが──「人の悪口は二十三倍広がって、いい話は六倍しか広がらない。暗い話は地域の活力を低下させるけれども、明るい話は次から次へつないでいって、みんなの喜ぶ顔をいい流れにすることが大切」というふうに話されておりました。
 また、「この町民の意識改革をするのに随分と時間がかかった」ともおっしゃっておられました。すなわち、「田舎はいつも負け組という意識を持っている。人を批判することは日常茶飯事。女性の出番が少ない環境。これからこういうものから脱却をしなければならない。成功するまで随分苦労もしたし、時間もかかりましたよ」というふうに笑顔で話をされておられました。その努力のかいがあって、結果、町全体で、寝たきり老人と言ったらちょっと語弊があるかもわからないですが、体の調子が悪くて寝たままのお年寄りの方がたった二名しかおらないと。町一番の稼ぎ頭のおばあちゃんで月七十万円の売り上げがあるとのこと、びっくりしましたですね。老人たちは、こぞって葉っぱを求めて山を歩きます。そのおかげで元気で健康になって、医療費が減ったと。個人所得がふえ、町の税収は上がり、まさに一石三鳥の結果となったそうであります。この葉っぱ、「吉兆」を筆頭に全国の一流料亭に出荷されておりまして、今やおばあちゃんたちの生きがいとなっているそうでございます。
 実は、もう一つこの上勝町には付加価値がございまして、ごみの分別三十五種類、二〇二〇年までにごみ排出ゼロの町を目指すとのことであります。今も町から出るごみの八割をリサイクルしており、ごみ処理に税金投入という考え方を見直してほしいという、そういう町長さんの考えに沿って頑張っているそうであり、そのごみの排出がゼロの町の葉っぱであるということで、余計に一つその付加価値がついておるわけなんですよね。
 町の規模は小さくとも、大変うらやましい限りでございました。実際に、私と大沢副議長、そして前芝議員が視察で訪ねましたときにも、その後に、実はもう観光バスで次の視察が入ってきております。なかなか視察に行くにしましても、予約をとってから来てくださいということで、大変な人気なんですね。でも、それはよく考えますと、実はもうそのこと自体観光になっているわけなんですよね。そういうことを強く感じた次第でございます。
 葉っぱビジネスは、観光はもとより生きがい対策、すなわち福祉事業と位置づけ、景気低迷の中、今でも需要を伸ばしている上勝町、大きなお金をかけなくても知恵と努力で勝負はできると、私はそのように感じた次第でございます。
 視察の最後に、横石専務さんから一言、「世界遺産に登録された和歌山さんも葉っぱビジネスをやったらどうですか。次は海版、海のこういう形での「いろどり」を考えてみてはどうですか」と、そのようなこともおっしゃいました。私はそのとおりだと思いました。以前からこのことを考えていたからであります。本県において、実はヒロメという海藻の話を聞いたことがあったからであります。
 テングサやハバノリ等の海藻の資源をうまく活用できないものだろうか。これらのことについて、今、本県の、特に申し上げました海藻の現状はどうなっているんだろうか。また、本県において、これらを上勝町の「いろどり」のように商品化したり、さまざまな取り組みをされておられるのかどうか。しているのなら、もう一工夫を、していないのであれば、早速一つの例として取り組まれてみてはいかがかということを農林水産部長にお尋ねをいたしたく存じます。
 次に、社団法人香川県観光協会内、香川フィルムコミッションについてであります。
 香川県議会開会中にもかかわらず、大変懇切丁寧なおもてなしをいただきました。香川県では、平成十三年四月より、社団法人香川県観光協会を事業主体として、県の知名度の向上を図り、観光客の集客力を強化するため、地元市町村及び関係団体の協力を得て、映画、テレビ、コマーシャルフィルム等のロケーション撮影の誘致、支援を行うための香川フィルムコミッション事業を開始いたしました。香川県を、国内はもとより、より効果的に世界へ情報発信をし、風景や食や資源を売っていくことが目的。改めてフィルムコミッションの重要性を認識したものであります。実際、私たちが視察をさせていただいたとき、007の映画のロケを、直島というところがあるんですけれども、そこでやっておりました。
 香川フィルムコミッションは、先ほども申し上げましたが、平成十三年四月一日設立、全国で六番目の立ち上げということでございまして、事務局長、課長、課長代理は県からの出向となっておりました。全国フィルムコミッション連絡協議会に加盟し、作品は拒まない、内容のチェックも一切しない、手数料等は一切取らず、また資金提供もしない、とにかく当該地域での撮影の便宜を一括して図るという徹底したものでありました。二〇〇一年に五件しかなかったロケが二〇〇三年に十八件、二〇〇四年には二十三件、二〇〇五年は今日まで既に二十一件を誘致、映画、テレビやコマーシャルフィルムのロケを誘致し続けております。
 当日御説明をいただきました観光協会の松岡専務様や県の観光交流局長の村井様より、「和歌山県は既に設立していると思っていた。今までフィルムコミッションがなかったのが不思議。あれだけ風光明媚な地であるのに、ぜひ一日でも早くつくる方がいいですよ」というふうな指摘がなされました。
 私は、過去数回にわたり、経済警察委員会や一般質問等におき、この提案をしてまいりました。なぜ進まないのでしょうか。これにかわる別のやり方があり、それでやっていけるということであれば私は納得するものでございますけれども、いかがでしょうか。
 ここに新聞記事がございます。九月十八日付の報道でございますけれども、皆さんもごらんになったかもわかりませんですね。「「心の風景」残る古里」「田辺の魅力 スクリーンに」「地元東陽中の木造校舎で」「田辺出身、太田隆文監督に地元支援」「映画「ストロベリーフィールズ」の撮影を開始」と大きく報じられておるものでございます。この映画は、同校だけではなくて、地元田辺の天神崎や屋敷町などの田辺の自然や文化が残る場所で撮影をされておりまして、地元高校生約四十名がエキストラで出演をいたし、来年四月にクランクアップ、来春、田辺で封切りをした後、全国各地で上映予定とのことであります。とてもいいことだと感じました。
 でも、制作費約三千万円のうち一千万円は地元実行委員会や個人に寄附の協力を呼びかけているとのことでございまして、御苦労な点も多々あるわけでございます。こういう点も、県が率先してフィルムコミッションを早く立ち上げ、こういうことに協力できればいいのになと、そう感じたわけでございます。フィルムコミッションに対する私の考え方は間違っているでしょうか。(「間違ってない」と呼ぶ者あり)──ありがとうございます。
 映画は一つの文化だと思います。例えば、皆さん方よく御承知の映画で「ローマの休日」というのがあると思いますが、それを見て、実際にローマへ行き「真実の口」に手を入れてみたいと思うことがあるように、映画等を通じその地方を知る、またもっと知ってみたいと思う人は多いと思います。映画等はその地方を映す鏡であり、文化であるのと同時に、効果的な観光宣伝の機能を持っているというふうに思います。当然、映画やテレビの撮影地になることによってその地域の知名度を向上させ、関連産業を通じて地元に及ぼす経済効果と雇用の創出に貢献し、地域の文化育成にもつながると思います。事実、私ども和歌山県におきましてNHKの朝の連続テレビ小説「ほんまもん」がその放映をされておったときも、そうであったと私は今も思います。観光立県和歌山県を目指すなら、何とぞこの提案を実現すべく御努力をいただきたく、よろしくお願いを申すものであります。
 なお、ここに「和歌山県観光振興指針」というのがありまして、この中に、本県プロモーション戦略として、具体的な事業例といたし、「ロケ地プロモーション」と載ってございます。この和歌山県フィルムコミッション設立に向けての予算組みをなされるおつもりはあるのかどうか、商工労働部長に改めてお尋ねをいたすものでございます。
 続きまして、和歌山大学の観光系学部設置についてお尋ねをいたします。
 和歌山市内中心部におき、とりわけ中心市街地活性化の一助を担うため、ロイネットホテルが建ち、済生会病院が移設され、ぶらくり丁を中心として、新たに十月一日より旧大丸跡にディスカウントショップ「ドン・キホーテ」の出店が決まり、営業時間を午前十時から午前三時までの深夜営業を展開するとのことであり、多方面にて懸命に努力が続けられていることは認識をするものであります。
 今申し上げました和歌山市の中心市街地は、昨年、国の構造改革特区「和歌山元気まちおこし特区」に認定され、大型店の出店手続などが緩和され、ドン・キホーテは特区を生かした進出の第一号となったものであります。
 続いて和歌山市は、この中心地でにぎわいをつくり出す策の一つとして、路上で営業する京橋ウイークエンドカフェというものを九月十七日に開業させました。市堀川にかかる京橋上の広場でオープンカフェの店舗が設けられ、開放的な雰囲気の中、家族連れなどがくつろぐ姿が見られました。このカフェは、和歌山市、地元商店街、市民グループ、和歌山大学の学生などでつくられます和歌山まちなか観光交流促進協議会が、国土交通省が今年度実施しておりますオープンカフェ等地域主体の道活用に関する社会実験で実施されたものであり、軽食、アルコール類も用意するとのこと。この日、このカフェを訪れた海南から来られた御夫婦だそうでございますけれども、「料理もおいしく、ほっとする雰囲気があります。通り全体を歩いていて、楽しい場所になってくれればもっといいのに」というふうに話しておられたそうであります。
 私は、六月議会でも申し上げましたように、市堀川の遊歩道の利活用として、例えばジャズや音楽のできる場所の提供、フリーマーケット、また夜間は夜店などの場に提供いたし、これらを継続することによって面的な観光スポット、若者から高齢者まで触れ合いの場等々、にぎわいを取り戻す機会になればと訴えてまいったわけでございます。事実、これから京橋の下を流れる市堀川を活用したボート体験や写真展等、イベントも計画されていると聞きます。
 これは、私が行ってまいりましたテキサス州のサンアントニオ市の例を六月議会にて話させていただきましたが、まさにそのような形になっていくわけなんですね。ですから、この機会に、和歌山市とも、また地元自治会や関係団体と協議をして実現を進めていただきますよう、御努力をお願いいたしたく存じます。
 なお、和歌山大学経済学部足立助教授いわく、「イギリスでは、中心市街地と郊外型店舗が共存共栄し、中心部もうまく活用しており、オープンカフェなど居心地のいい場所を提供して、町でのんびり過ごす雰囲気をつくり、町の滞留性を高められれば」と述べられております。私はこのことを考えたときに、くどいようですけれども、さきの六月議会にて申し上げましたように、和歌山大学における観光系学部がこの地にできれば、なお一層付加価値のあるものになると考えます。
 また、九月十九日の新聞で、私立ではございますけれども、大阪明浄大学というのがあったんですが、名称を変更して二〇〇六年四月から「大阪観光大学」となるという掲載もなされております。したがって、私は、一日も早く和歌山大学の観光系学部の設置について御検討を進めていただけるよう切に望むものであります。このことについて、改めて県のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 また今回、このことに関連し、百万円の補正予算が組まれておりますが、この補正予算の内容についても、あわせて企画部長にお尋ねをいたすものであります。
 最後であります。ラムサール条約についてであります。
 これは環境生活部の所管でありますが、私は、実はこれも本県の観光対策につながるものと考えます。本県にとって重要な観光資源、すなわち海についてのことであるからであります。
 ラムサール条約とは、一九七一年、イランのラムサールという町で、水鳥と湿地に関する国際会議が開催され、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約というものが採択されました。この条約が、開催地の名前にちなみ「ラムサール条約」と一般に呼ばれるものであります。
 この条約による湿地の定義は幅広く、天然の湿地から人工の湿地まで含まれ、湿原だけでなく、川岸、海岸、干潟、水田もこの条約で言う湿地に含まれます。湿地には、魚、貝など多くの生物が集まっています。一方で、工業廃水や家庭排水などで汚染された水や土砂、ヘドロが流れ込み、湿地が開発の脅威にさらされているのであります。この条約は、容易に破壊されやすい重要な湿地を世界各国が保全することを目的とした条約なのであります。
 日本においては、北海道の釧路湿原、クッチャロ湖、ウトナイ湖等で、近畿では滋賀県の琵琶湖など、十三カ所が登録されております。本県におきまして、串本沿岸海域のサンゴ群落が登録されると聞いているところでありますけれども、私は、本県の大切な財産とも言えるこの海を守っていくということは、実は高野・熊野の世界遺産登録後、考え方によっては、ある種の第二の世界遺産とも言えるのではないか、それぐらい価値のあるものではないかと考えるわけでございます。したがって、これもまた本県にとって大切な観光振興であり、観光資源と考えます。このことにつきまして、ぜひ知事の御所見を賜りたいと思うわけでございます。
 以上、四項目につきまして、すべて観光という観点からお聞きをいたしてまいりました。知事初め担当部長の御答弁をよろしくお願いを申し上げ、私の第一問を終わりにさしていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの山下直也君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまのラムサール条約、これはもう私も大いに期待をしているところでございます。中身はなかなか難しくて、串本沿岸にオオナガレハナサンゴというのがあって、これが国内では最大規模、それで世界で見ても最北にあるということで非常に貴重なものだということで、ことしの十一月にウガンダで開かれる会議で登録をされるというふうなことでございます。
 先ほど、環境と観光の融合ということがございました。どちらも「カン」がつくので、本当にそういうふうな形で、県の中では担当部署は異なっておりますけども、これはもう一つになってやっていかないといかんと思います。
 昨年、和歌山県は高野・熊野が世界遺産に登録されて、おかげで観光客もふえたわけですけども、こういうのはもう第二弾、第三弾をつなげていく必要があるんで、このラムサール条約、観点は環境保全ということですし、またその環境保全ということを主眼にやっていかないといかんことはもちろんですけども、これを和歌山県の第二の世界遺産というふうな形で、いろんな形で生かしていく、そしてそのことを環境保全に結びつけていくということが大事だと思います。
 エコツーリズムの面でありますとか、各種イベントとか、これに関連していろんなことを行って観光和歌山ということの振興を図っていくつもりですし、またいいアイデアがあったら議会の方からもいろいろ教えていただいたら、そういうことに即していろいろやっていきたい、このように思っております。
○議長(吉井和視君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 徳島県の上勝町における葉っぱ産業を御視察されまして、本県において海藻など海の資源をうまく活用できないものかとの御質問についてお答えをいたします。
 まず、海藻の現状についてでございますが、海藻類は、ミネラルを多く含む良質な食材として、近年の健康ブームの中、大変注目されているところでございます。本県におきましては、ヒロメを初めヒジキ、テングサ、ワカメ等が豊富に水揚げされているところであり、とりわけヒロメにつきましては、養殖技術の普及にあわせ、本県特産品として販路開拓に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、本県沿岸域には、アントクメ、ハバノリ、トサカノリ、アカモクなどの有用な海藻類が数多く存在することから、これら未利用資源の掘り起こしや、食材として、また新鮮なつまものとしての利活用の研究を行い、その商品化を図ることにより漁業従事者の新たな収入源の確保や漁村地域の活性化につながる事業の展開について検討を行っているところでございます。
 また、この事業を始めるに当たりましては、地元の高齢漁業者の方々にもやりがいを持って喜んで参加していただけるような、まさに議員御提言の海版「いろどり」に当たるものを目指してまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 商工労働部長下  宏君。
  〔下  宏君、登壇〕
○商工労働部長(下  宏君) フィルムコミッションについての御質問にお答えをします。
 フィルムコミッションは、映画やテレビ番組のロケを通して本県の景観や文化、産物などを広く情報発信するため、観光客の誘致の有力な手段であるとともに、地域のすばらしさを再発見する機会にもなり、新たな地域おこしを図っていく有力な手段と認識をしてございます。
 議員のお話にもございましたが、現在、田辺市や白浜町、上富田町などの若者がフィルムコミッションを発足させるなど、地域で活発に活動されておりますが、県といたしましても、本年度中に県内のロケ地等の適地を調査・集約してまいります。
 また、議員御提言の組織の設立に向け、県内で既に取り組まれている団体との連携を深めるとともに、関心を持つ地元自治体や民間団体等へ働きかけるなど、準備を進めてまいります。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 和歌山大学の観光系学部設置についてでございますが、和歌山大学では、平成十九年四月の学部設置を目指しまして、現在、観光学部構想の具体化に取り組まれているところでございます。
 県といたしましては、観光系学部の設置を促進するために、去る八月十七日に、和歌山市、和歌山県商工会議所連合会、和歌山県観光連盟と連携いたしまして、和歌山大学観光系学部設置促進協議会を立ち上げたところでございます。
 協議会におきましては、文部科学省などへの要望活動のほか、設置に向けたPRなどに取り組んでいるところでございますが、平成十九年四月の設置を強力に後押しするため、今回の補正予算におきまして、機運の一層の盛り上がりのための公開講座の開催など、協議会活動の拡大・拡充のための経費を計上しているところでございます。
 県といたしましては、今後とも和歌山市など関係団体との連携を一層密にいたしまして、協議会への参加団体の拡大を図るとともに、観光系学部の実現に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四番山下直也君。
○山下直也君 ただいま、知事並びにそれぞれ担当部長から御答弁いただきました。
 実は、西岡農林水産部長も上勝町は行っていただいてあるんですよね。それはすごくうれしかったです。ああ、すぐ行っていただいたんやなと。これは本当に感謝するものでありまして、実際に見てきていただいたことと私が今回訴えたことと一緒だということは御理解いただけると思います。何とぞ、この先も海版「いろどり」の実現に向けて御努力をお願いするものでございます。これは要望です。
 そしてもう一つ、商工労働部長の答弁でございます。フィルムコミッション設立に向けて準備を進めていくという答弁をいただきました。これも大変うれしく思います。でも、ようやく一つ進んだかなと。できるならば、フィルムコミッションを一日でも早くやっていきますというふうに私は理解をしておるわけでございまして、どうかその期待を裏切ることのないように頑張っていただきたいというふうに思います。
 この問題、実は商工労働部長さんだけに僕は申し上げるつもりはないんですよね。前にも申し上げましたですけれども、商工労働部だけの問題としてとらえるのではなくて、実は、「いろどり」の例も申し上げましたですけれども、生きがい対策であったり、それから福祉事業であったり、いろんなことが関連してくるわけですよね。それが、六月議会のときに申し上げました、あのカリブ諸国の小学生用の教本の話であったわけでございまして、そういう認識に立って、福祉保健部、県土整備部、企画部、あらゆる面からこの観光に一緒になって、横のつながりを常に持っていただいて一緒になって観光立県和歌山を目指すんだというふうにこれからも頑張っていっていただきたい。そう進んでいただけることを要望にかえさしていただいて、私の第二問を終わります。
 ありがとうございます。
○議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山下直也君の質問が終了いたしました。

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