平成17年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(新島 雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(吉井和視君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から監査の結果報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第一、議案第二百四号から議案第二百三十二号まで、並びに知事専決処分報告報第十四号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 三番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきました。質問を始めたいと思います。
 今議会トップバッターとして質問に立たせていただきます。不十分な点もあろうかと思いますが、温かい目で見ていただきまして、また、終わりましたら御批判や御意見をいただければありがたいな、そのように思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 先月、私は家内と二人で久しぶりに映画を見に行ってきました。福井晴敏さん原作の「亡国のイージス」という映画であります。本を読んだ方もおられると思いますし、映画を見た方もいらっしゃると思いますが、この映画は海上自衛隊の護衛艦を舞台としたもので、日本の防衛に関する内容が含まれていて、国家というものを意識させられる映画でありました。
 主人公の自衛官は、銃で撃たれても撃ち返さず、殴ることだけの専守防衛に徹して、絶対にそれを越えないで戦おうとするのですが、どうしても越えて戦わなければならなくなるのです。内容そのものは、思想的には右にも左にも傾いてはいませんし、普遍的な日本人像を描いています。戦争は、放棄しても、反対しても、なくなっていないのが現実であります。
 この映画は、現代社会に対して問題提起はしているものの、答えを出すものではありませんでしたが、大変骨太の仕上がりを見せています。映画を見た多くの人が私たちの国・日本を自分自身に問いかけ、考えさせる映画であるように感じました。
 そして、八月の厳しい暑さの中で総選挙が行われました。日本の方向を占う選挙であったと考えます。結果は皆さん御存じのとおりですが、まず最初の質問として、今回の衆議院選挙について、和歌山県のリーダーとして国政に望むことなど要望も交え、知事はこの選挙をどう思い、どう考えておられたか、お答え願います。
 三位一体改革についてお尋ねをいたします。
 今回の総選挙では、郵政民営化が最大の争点となりました。郵政民営化は、官から民へという小泉構造改革の重要なテーマでありますが、私たち地方行政、地方自治にかかわる者としては、もう一つのテーマである地方分権、すなわち三位一体改革を柱とした国から地方への分権改革が大変気になるところであります。
 去る七月二十日、全国知事会など地方六団体は、昨年政府・与党が合意した三兆円の税源移譲を目指し、残りの六千億円の税源移譲に結びつく一兆円の国庫補助金削減案を提出し、着実な実施を強く要望いたしました。しかし、平成十八年度予算の概算要求の内容を見ますと、この削減案が反映されていないように思います。各省庁においては、依然として国の権限や省庁の利益を残し、交付金化をよしとする立場をとっているように感じます。
 今回の選挙の結果を踏まえ、政府・与党は「改革を進める」と明言しています。この言葉の中には、地方が真の自立を目指し、独自の判断で地域の実情に合った事業を実施するという地方分権改革も大いに含まれているものと私は信じています。今後、政府・与党合意を実施し、地方に光と活力を与えるべく三位一体改革に邁進することを私は強く望んでいますし、これまでの議論を風化させることなく、真に地方分権につながる三位一体改革の推進について、国にどのように働きかけていくのか、知事の今後の取り組みや決意をお聞かせ願います。
 次に、これからの地方行政、県のあり方、道州制の展望についてお聞きをいたします。
 今回の選挙において我が自由民主党が示したマニフェストには、「道州制導入の検討を促進する」と明記されております。また、政府においても、首相の諮問機関である地方制度調査会において道州制の議論が進んでいると聞いています。全国知事会においても、道州制を含む広域自治体のあり方に関する諸問題について協議し、適切な対策を推進するため道州制特別委員会が設置され、木村知事が委員長に就任されています。
 分権型社会においては、市町村の行財政能力を高め、質の高い行政サービスを住民に最も身近な市町村が責任を持って提供することが基本であります。そのために合併が行われ、和歌山県においては市町村数が全国平均と同程度の四割減少し、三十となりますが、これからも合併が進むものと予想されます。
 市町村合併が進むと、県が担ってきた市町村間の調整、市町村の補完といった役割が薄れていくものと考えます。市町村が分権型社会に対応すべく、みずから血を流し取り組んでいることに対し、県が今のままでよいのかと考えてしまいます。国と地方の役割を見直し、国には国家としての最小限の役割を重点化して、現在国が行っている多くの役割を地方へ移管するとともに、真に分権型の社会を構築することや自立性の高い圏域を形成するためにも県のあり方を見直す時期に来ていると考えます。実際に、都道府県の区域を拡大し、道州制を検討、導入すべきという意見や機運が高まっています。私は、三位一体改革を初めとする地方分権改革が目指しているこの国の姿とこれからの県の姿を県民に示すことが必要だと考えます。
 そこで、分権型社会における国と地方の役割、県が果たす役割、道州制に対する基本的見解、今後の道州制の展望について、知事の御所見を伺います。
 続きまして、指定管理者制度についてお尋ねをいたします。
 さきの六月定例会において、県の公の施設について、指定管理者制度の導入に向けた関係条例改正が行われました。次は十二月定例会での指定管理者の決定、十八年四月からの制度移行となっていきます。県民も、単に管理者がかわるというだけでなく、サービスや料金がどのようになるのかという関心を持っています。
 現在、指定管理者候補者の選定作業が進められていると思いますが、その選定状況について、特に公募を原則とするとした結果、どれだけの施設を公募することになったのか、公募施設における選定評価の具体的な基準、手法はどのようなものなのか、公平性や透明性の確保についてはどうされたのかなど、総務部長の答弁を求めます。
 また、福祉施設については、さきの六月定例会において先輩議員の質問に対して、入所者の安心が最も大事であり、非公募という選択も考えていくとの答弁がありましたが、その結論はどうなったのか、福祉保健部長の答弁を求めます。
 次の質問です。私も積極的に取り組んでおります危機管理、防災に関しての質問であります。
 昨年より、国内外を含め、大きな災害が立て続けに発生しています。とうとい命や貴重な財産が奪われ、とてつもない被害となっていますが、その災害は私たちに新たな課題や教訓を残しています。
 まず、昨年の十二月二十六日に発生したスマトラ沖地震では、被災者百二十万人、死者及び行方不明者三十万人、被害総額七十八億ドルを超えると見込まれております。日本を初め欧米など海外からの観光客も多数犠牲となりました。海溝型巨大地震であり、津波は遠くアフリカ大陸まで到達し、大きな被害をもたらしましたが、いまだその全容は明らかでないと言われております。
 津波に関する知識の欠如や津波早期警戒態勢の不備により人的被害が拡大したと言われており、和歌山県においても、引き続き津波に対する意識の向上を図っていくことが重要と認識を新たにしました。
 また、ことし八月末のハリケーン「カトリーナ」は、ルイジアナ州ニューオーリンズを中心に数千人規模の犠牲者が出ると予想され、いまだ自宅に帰れず避難したままの人や、生存者の捜索や遺体の収容作業が現在も続いています。いずれも近年にない大規模な災害となっていますし、またハリケーンが接近しているようでもあります。
 国内では、昨年の十月二十三日に新潟中越地震、ことしの三月二十日に福岡県西方沖地震が発生、いずれも大きな被害が出ています。それ以外にも、阪神・淡路大震災以降、各地で地震が多発し、西日本は地震の活動期に入ったという学説まであります。
 私は、ことしの七月、新潟県を訪れ、新潟市と長岡市へお邪魔をいたしました。その折、和歌山へもお越しいただきました元山古志村の長島村長さんにお会いをし、お話を聞く機会がありました。長島さんは、先日の衆議院選挙で当選をし、現在は代議士になられました。その方に、議会中のお忙しい中、時間をつくっていただき、当時のことや復旧に当たられたことをお話しいただきました。中でも、覚えている言葉は「地震は防げない」ということであります。災害に対する備えや初動態勢の大切さを力説されていました。
 新潟中越地震では、死者四十六名、負傷者四千八百一人、住宅全半壊は一万五千五百棟の被害が発生し、避難者数は最大で十万三千百七十八人に及び、土石流四件、地すべり百三十一件、がけ崩れ九十件が発生し、道路の寸断などにより山間部の集落が長期にわたり孤立しました。また、孤立時の情報通信手段の確保や救助、避難のあり方など、中山間地域の地震被害における特有の課題も指摘されました。
 和歌山県においては災害時の唯一の情報入手手段である携帯ラジオの電波が届かない地域もあり、今後の改善を強く要望しますし、被災者が地震によるストレスから避難先の車中で亡くなるという新たな課題が発生しています。
 本県からも、災害備蓄品とあわせ、県民の皆様や市町村から寄せられた緊急物資を送るとともに、医師や保健師も派遣されました。この医師や保健師につきましては、先方からも大変喜ばれたと聞いております。
 東南海・南海地震が発生した場合、本県においても孤立する集落が多数発生することが国において発表されており、孤立化対策は津波対策とともに今後の課題であると考えますし、地震だけでなく、台風による風水害に対しても対応が求められております。
 そこで、四点の事柄について、危機管理監の見解をお聞きします。
 まず一点目です。昨年度、和歌山、三重、徳島、高知の四県が共同で実施した地震・津波県民意識調査によると、地震への関心は高いが、耐震診断や防災訓練への参加などの備えは静岡県に比べ四県とも低い状況にあると聞いています。今後、地震への備えも含め、いかに地震・津波に対する県民の意識を高めていくか、取り組みについてお聞かせください。
 二点目、東南海・南海地震においては、道路などに大きな被害が出ることが予想されます。山間部における救助、避難や情報通信手段の確保などの課題についての取り組みをお聞かせください。
 三点目、十七年度「防災白書」によると、新潟中越地震では、阪神大震災の教訓を生かし、自衛隊が迅速に派遣されたという報告がされています。災害時、自衛隊との連携は非常に重要であります。自衛隊との連携強化について見解を伺います。
 四点目、昨年の台風や豪雨災害でも、死者、行方不明者のうち高齢者や障害者などの災害時要援護者の割合は六一%以上を占めていることがわかっています。本県は高齢化率が近畿で一番高く、特に紀南地方ではさらに高くなっています。本県の津波対策を考えた場合、県南部での津波到達時間を考えると、災害時要援護者への支援対策が必要と考えます。取り組みについて伺います。
 次の質問も危機管理の分野になるかと思います。アスベスト問題です。現在、全国的な社会問題となっているアスベストについてお尋ねをいたします。
 本年七月以降、アスベスト関連製品を製造していた事業所の従業員や周辺住民の中で、中皮腫や肺がんなどアスベストが原因と見られる疾病死が多数発生していることが全国で報告されています。これまでアスベストについては、労働安全衛生法や大気汚染防止法などの改正強化により従来の規制や届け出が規定され、一定の飛散防止の措置は講じられてきました。アスベストを原因とする疾病は、発症までの期間が十数年と長く、将来にわたり患者の発生が予想される極めて深刻な問題です。
 我が国では、一九七〇年ごろから九〇年ごろにかけて、年間三十万トンという大量のアスベストを輸入し、大部分が建材に使用されたと言われております。今後、使用されたアスベストが、建築物の建てかえなどによる解体が増加することが予想され、粉じんの飛散防止徹底が急務となっております。
 国においては、去る七月二十九日、アスベスト問題に関する関係閣僚会議において、飛散を防止するための措置の徹底を図るため、大気汚染への飛散防止措置の対象となる解体、補修作業の規模要件などを撤廃するなどの措置が確認されたところでありますが、県としてもしっかりとした取り組みを行っていかねばならないと考えます。
 そこで、知事並びに環境生活部長に次の三点を伺います。
 アスベスト問題に対する県としてのこれまでの対応と、条例も含めての今後の取り組みについて。県有施設におけるアスベストの調査状況と今後の対応について。今後の問題については国はどう対応し、県から国に対しての要望はどうなっているのか。
 また、教育長には、県内教育機関、特に学校においてのアスベストの調査結果と今後の対応についてお尋ねいたします。
 最後の質問でございますが、その前に、昨日この原稿を書いておりますと、大阪の小学校二年生の女の子が学校の遊具で遊んでいて指を切断したというニュースが入ってきました。大変痛ましい事故であったと思っています。大阪の教育委員会では早速に危険な遊具がないか調査に乗り出して、危険なものには使用禁止ということの措置をとったと聞いております。和歌山県内でも十分考えられる事故でありますので、素早い対応をお願いしたいと思っています。
 スポーツの秋であります。国体の夏季大会が終わりました。終わりましたので、成績の中間発表といいますか、秋季大会への取り組みについての質問をいたします。
 私は、昨年の十二月、この場において国体の成績について質問をいたしました。ことしは去年より下がることはありません。昨年の結果をばねに和歌山県の競技スポーツがどんな思いでことしの国体を迎えたのか、また強化に対してどのような戦略、戦術で臨んだのか、大変気がかりであります。
 岡山国体夏季大会は、九月九日から十三日まで開催をされました。本県選手団の成績を新聞で見たところ、フェンシング競技で優勝をしております。カヌー競技のほかにも多数の入賞者がありまして、和歌山県選手団が大変活躍していると聞いております。十月には秋季大会が開催されます。どうか、この夏の勢いをつなげて最下位からの脱出に全力を尽くすとともに、私ども先日発足をしたスポーツ振興議員連盟の四十一名の会員全員が期待を込めて見守っていることを忘れず頑張ってほしいものです。
 そこで最後に、教育長より秋季大会へ向けて大いなる決意を聞かせていただきたいと思います。
 また、これは要望ですが、来年、大阪府主催のインターハイが開催されますが、和歌山においてセーリング競技と相撲競技が行われると聞いております。この開催においては、十分な人的配置と予算措置をしていただき、すばらしい大会になるよう要望いたします。
 最後に、国民体育大会秋季大会においての選手諸君の健闘を心から祈って、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(吉井和視君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、先日執行されました総選挙に対する所感ということでございますが、これだけ与野党とも改革ということを標榜して行われた選挙というのも余り記憶にないんですけども、その結果は、御案内のように小泉総理が大変な支持を得るというふうな形で終わったわけでございます。
 これは、やはり、いろんなことを変えていくというふうなことを口で言うことは非常に簡単だけれども、小泉総理がこの何年間か体を張るような形で改革を進めてきたということを国民が心の中でやっぱり理解していたというふうなことが今回の結果にあらわれているのではないかというふうに思いますし、それから、この選挙、いろいろ話題があったもんですから、マスコミが多く取り上げたということの中から、今まで余り選挙に行かなかった層の方も、これはやっぱり投票しとかないと後の話題に加われないというふうなこともあったりして非常に高い投票率になり、そして小選挙区制という制度の問題から、その結果が大きく一方に出てくるというふうな形になったものだというふうに思っております。
 私といたしましては、小泉総理のこういう大変な時期にいろんなことを変えていかなければならないということで進められる国政というふうなものを支持しておりますし、そしてまた今後、今御質問にありました三位一体の改革、きょうの新聞を見ておりましても総理がこれを力いっぱい進めるということを言われておりますので、私どもも、つい先日も東京の方で関係の知事が集まって早急な対策──今は、御質問にありましたように、各省とも去年と同じような形で概算要求して何となくそのまま行きそうな感じで思っていたところが今回の選挙というふうなことで、局面が大きく変わりましたので、この機を逃さず的確に対応をしていきたいと思います。
 ただ、若干心配しておりますのは、このごろ新自由主義という言葉が非常に言われて、かなり強者が強く、弱者が弱くというふうな傾向が非常に強くなってきているということも、これはまた否めない事実だと思いますので、そういうふうな中で、和歌山県はどちらかというと地方の県ということになりますから、その弱者切り捨てというふうなことにならないような形での改革ということを我々としては小泉総理、そして自由民主党や公明党、与党ですけども、こういうとこへも働きかけていかなければならない、このように考えているところでございます。
 三位一体については、先ほど申しましたように、税源の六千億円の移譲と一兆円の補助金の廃止削減というふうなことで、もうリストを出しているわけでございます。そしてまた教育の問題、そして生活保護の補助率の問題等々、いろいろなハードルがあるわけですが、これは小泉総理の頭の中には相当もうよく入って、問題の所在というものはよく入っているというふうなことですので、なお一層、これは県だけじゃなくて、ほかの市町村なんかとも連携をとりながら分権改革が進んでいくように働きかけを強めていきたい、このように思っております。
 それから道州制の問題ですけども、この四十七都道府県というのは、明治二十三年に決まってから、ずうっと変わらずに来ているというふうなことです。
 そういうふうな中で、市町村の数は、今回なんか、例えば広島県でありますとか愛媛県でありますとか、こういうところは県内の市町村の数が三分の一になったというふうなところもあって、やっぱり今までどおりの都道府県制度では、これからどんどん市町村へ仕事を、おろしていくと言ったら言葉は悪いけど、そっちの方へ移譲していくというふうなことが進んでいく中で都道府県というものの役割というのがちょっと違ってくるんじゃないかというふうなことを皆さんが感じる中で、今、国の方では地方制度調査会、そしてまた自民党でも委員会ができていますし、それから全国知事会では私が委員長をしている特別委員会で検討がなされていると。
 国民的な理解ということは必ずしも高まっているわけではないので、一足飛びにということはなかなか難しいかもしれませんけども、しかしいずれにせよ、世の中はそうゆっくり何でも構えていられるような時代ではございませんので、この道州制の問題についてもその是非を含めて鋭意検討していきたいと思いますし、またその際、県議会等とも共闘していろいろなことを考えていきたいと、このように思っております。
 それから、最後にアスベストの問題です。
 これは非常に潜伏期間が長いということで大変大きな問題になっているわけで、県としても、この問題が起こってすぐに窓口を設け、さらには連絡会議を設置して種々の対策を講じているところでございます。
 このアスベストについては、もう既に既存の法律で一応の対応がなされる形にはなっているんですけども、実は昭和三十年代、四十年代の建物がそろそろ解体を迎えると。そうすると、そのときにつぶす中で、どおんとアスベストが飛び散るというふうなこと、こういうものを吸い込むということが今一番考えられる危険な状態というふうなことだと思います。
 そういう中で、今の法律では一定規模以下の建物の解体については届け出の必要がないというふうに規制の枠外になっておりますので、これは国の方でもそういうものを規制していこうというふうな動きがあるようですが、やはり地方の県民の健康を守る責任ということは第一義的には私は県に──市町村もそうですけども、自治体にあると思いますので、早急に条例の改正を行ってこれに対応していくということを現在検討しているところでございます。また、条例案等まとまりましたら議会の方へもお諮りして対応を図っていきたいと、このように考えています。
○議長(吉井和視君) 総務部長原 邦彰君。
  〔原 邦彰君、登壇〕
○総務部長(原 邦彰君) 指定管理者制度に関するお尋ねがございました。
 まず、選定状況でございますが、指定管理候補者の選定につきましては、四十一施設すべてについて順次作業を開始したところであり、福祉関係の十二施設を初め、施設の特性等を考慮、検討した結果、非公募とする施設を除き、二十五施設について公募することとしたところであります。
 これら公募施設につきましては、関心をお持ちいただいた方々への現地説明会はすべて終了し、現在、応募申請の受け付け、あるいは具体的に選定作業中という状況でございます。
 次に、選定の基準や公平性、透明性の確保についてでございますが、公募施設のすべてについて、それぞれの分野に応じ、外部の方を含めた選定委員会を設けることとしており、選定方法についても、利用者のサービスがどのように向上するのか、あるいは管理運営体制はしっかりと大丈夫なのか、経費節減はどうなのか等々、施設に応じた審査基準に基づいて点数評価を実施することとしており、非公募施設の選定経過も含め選定結果につきましては、順次、県のホームページ等を通じて具体的に公表することとしております。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 福祉保健部長嶋田正巳君。
  〔嶋田正巳君、登壇〕
○福祉保健部長(嶋田正巳君) 指定管理者制度での福祉施設の選定でございます。
 十二の県立福祉施設の指定管理候補者の選定につきましては、去る八月に指定管理者選定委員会を開催しまして、その意見を踏まえて検討しました結果、選定方法は非公募とするとともに、処遇水準の確保、利用者等の意見などを勘案し、現在管理している社会福祉法人等を指定管理候補者として選定いたしました。
 また、県が直接管理運営してございます有功ケ丘学園の指定管理者につきましても、同種施設の運営実績を有する和歌山県福祉事業団を指定管理候補者として選定をしたところでございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 危機管理監石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○危機管理監(石橋秀彦君) 危機管理、防災に関連しての四点についてお答え申し上げます。
 まず、地震・津波に対する県民意識についてでございますが、インド洋大津波では、津波に対する意識の欠如が人的な被害を拡大させたと言われております。津波に対する知識や啓発の大切さを世界の人々が改めて認識をしたところでございます。
 議員御指摘のとおり、昨年度四県が共同で実施した地震・津波県民意識調査でも、地震への関心は高いが、備えに対しては四県とも低い状況にありました。津波避難のタイミングについても、「大きな揺れですぐに避難する」が本県では二八%にとどまり、また「大津波が来る前に必ず海の水が大きく引く」といった誤った認識を持っている県民が八四%もありました。このため、県民の正しい防災意識を高めるため、地震・津波の啓発ビデオ作成や「出張!県政おはなし講座」による啓発活動などを行っているところです。
 また、広川町と共同して、「稲むらの火」や浜口梧陵の精神を基軸に地震・津波の恐ろしさや災害に対する備えを教育・啓発する拠点として最新の機器を備えた津波防災教育センターの整備を進めており、本議会に補正予算をお願いしているところでございます。完成後は、こうした設備も活用しながら県民の防災意識の高揚を図ってまいります。
 次に、山間部における救助、避難や情報通信手段の確保についてでございますが、さきの新潟県中越地震では、山間部の至るところで大規模な崩壊や地すべりなどにより孤立する集落が数多く発生し、住民同士で助け合うというコミュニティーの力が孤立集落の人々を救ったと言われております。
 本県におきましても、東南海・南海地震が発生した場合、山間部はもとより、沿岸部でも孤立する集落が多数発生すると想定されることから、地域の防災力を高めるため、本年度より紀の国防災人づくり塾を開講し、地域防災リーダーの育成を図るとともに、地域防災対策総合補助金を活用し、自助・共助のかなめとなる自主防災組織の支援なども行っているところでございます。
 また、通信手段の確保については、大災害時には通常の通信ルート以外にも独自の通信手段を持つことが大変重要になってまいります。このため、平成十九年秋完成予定の防災センターに整備する最新の防災情報システムでは、衛星系無線と専用線による県と市町村等の通信回線二重化、さらに移動系無線や衛星可搬局など、複数の手段を用意して災害時の通信確保に努めてまいります。他の設備についても、耐震性を考慮した災害時こそ十分機能が発揮できる設備となるよう努力をしてまいります。
 次に、自衛隊との連携強化についてでございますが、災害発生時における自衛隊との連携は、人命救助や応急対策等において必要不可欠であり、常に緊密化を図る必要があると考えています。このため、防災訓練を初め、あらゆる機会を通じ、迅速な派遣要請などを自衛隊や防災関係機関との連携等について、手順の確認や地理の習熟、意思疎通の強化等に努めているところであります。特に本年十月二十八日、二十九日の両日にわたって本県で行われる近畿府県合同防災訓練においても、図上、実働の両面から自衛隊との連携強化をも含めた訓練を予定をしてございます。
 また、本年四月より退職陸上自衛官一名を採用し、危機管理体制の強化に努めているところでございます。
 最後に災害時要援護者への支援対策についてでございますが、津波の到達時間が短い本県の地域特性から、災害時要援護者への支援対策は非常に重要であると考えております。
 県では、各地域ごとに災害時要援護者に対する支援者をあらかじめ複数定め、避難台帳化することなどを骨子とした和歌山県津波避難計画策定指針を策定し、沿岸市町に提示してございます。
 今後、本指針に基づき災害時要援護者の津波避難対策を検討することになりますが、本年度はモデルとして串本町で避難台帳づくりを進めていただいており、その成果を他の市町にも普及させていきたいと考えております。
 また、津波避難対策で得られた災害時要援護者対策のノウハウは他の災害にも応用できますので、今後、沿岸部以外の地域でも避難台帳づくり等の取り組みを推進していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 環境生活部長楠本 隆君。
  〔楠本 隆君、登壇〕
○環境生活部長(楠本 隆君) アスベスト問題につきまして、二点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、第一点の県有施設の調査についての御質問でございます。
 本年八月から五百十一の県有施設につきまして、施設管理者及び県の建築関係職員による調査を実施してまいったところでございます。その結果、県立学校を除く四百五十六施設のうち、アスベストの含有吹きつけが確認をされた施設が三施設ございます。このうち、県民文化会館の小ホール並びに県立体育館のロビー天井につきましては既に対策工事が完了しておりまして、残る紀伊風土記の丘資料館につきましては現在使用中止の措置をとっているところでございます。
 また、アスベスト含有の可能性があって現在分析中の施設、これが四十七施設ございまして、そのうち飛散の可能性があるため現在使用中止の措置をとっている施設が二十七施設ございます。飛散の可能性がない施設が二十施設でございます。残りの四百六施設につきましては、アスベストの使用はないと確認をしているところでございます。
 今後の対応でございますが、現在分析調査を実施している施設のうちアスベストの含有が認められた施設につきましては、今後、対策工事を実施してまいる予定でございます。
 次の、アスベスト問題に絡みまして、国はどうこれまで対応し、県から国に対してどのような要望をしているかという御質問でございます。
 国におきましては、去る七月の二十九日と八月の二十六日に、アスベスト問題に関する関係閣僚による会合が行われております。その中で、政府としての過去の対応については、関係省庁間での一定の情報提供、情報交換等が行われてはおりましたが、旧労働省並びに旧環境庁を中心に実施されたさまざまな調査・研究の成果等が政府全体として共有され、関係省庁の十分な連携が図られていたかということにつきましては、必ずしも十分であったとは言えず、反省の余地があるというふうに結論づけられているところでございます。
 このことを踏まえまして、現在、各省庁が緊密に連携をいたしましてスピード感を持って対策を実施していくとともに、国民に対する情報提供に努めていくといたしまして、実態の把握あるいは大気汚染防止法における飛散防止の徹底など、さまざまな検討が現在行われているところでございます。
 県からの要望といたしましては、本年七月の十四日、全国知事会を通じまして、専門的な相談支援体制の構築でありますとか、医療費補助等の必要な措置、飛散防止等に係るいわゆる監視体制の一層の強化、あるいは関連事業所の情報開示等について緊急要望を行ったところでございます。
 以上でございます。
○議長(吉井和視君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校施設のアスベスト等吹きつけ使用状況については、七月末に取りまとめた県独自の一次調査に加え、現在、文部科学省から依頼のあった全国一斉調査を実施しているところです。一次調査では、小学校十三校、中学校三校、高等学校六校においてアスベスト含有のおそれがある吹きつけ材の使用が確認されました。
 県立学校においては、念のため当該箇所への立ち入りを禁止し、直ちに専門業者に成分分析を依頼いたしました。そのうち、現時点で三校四カ所の分析結果が出ており、これらすべてにアスベストが含まれていないことが判明しております。
 また、小学校につきましても該当市町村に同様の措置を講ずるよう指導し、小学校一校でアスベストの含有を確認しましたので、適切な処置がとられるまでの間、使用禁止にしております。
 現在行っている文部科学省調査では、八月に県立学校五十四校、千三百二十九棟を対象に建築関係職員による現場での確認作業を行い、このうち三十四校七十一カ所について成分分析の依頼を行ったところです。これらの箇所は、すべて飛散の可能性はなく、大半は品名等から判断してアスベスト含有のおそれがない吹きつけ材料でありましたが、より生徒の安全性を確保するために成分分析を行っております。
 依頼した件数のうち、現在、十八校二十八カ所についてその報告があり、そのうち二校でアスベスト含有が判明したため、立入禁止を継続するとともに速やかに除去する等、適切な措置を講じてまいります。
 幼稚園、小学校、中学校につきましても現在調査中であり、今後とも児童生徒の安全確保のため万全の対応を行うとともに、アスベスト対策工事に係る国庫補助制度の確立について、全国都道府県教育委員会連合会と連携しながら国に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、第六十回国民体育大会についてでありますが、議員御承知のとおり、本県選手団は夏季大会において各競技で目覚ましく健闘し、フェンシング競技で成年男子、少年女子の二種別で二年連続優勝、水泳競技でも五名が入賞を果たすなど、良好な成績をおさめることができました。昨年の夏季大会時の男女総合成績は三十八位でしたが、今大会は二十九位と、秋季大会に向け大いに期待をしているところであります。
 夏季大会の好調を維持しながら選手並びにチームがよい成績を得られるよう、教育委員会としましても、県体育協会及び各競技団体と一丸となって本県選手団をバックアップしていく所存でございます。
○議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉井和視君) 以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。

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