平成17年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(前川勝久議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 九番前川勝久君。
  〔前川勝久君、登壇〕(拍手)
○前川勝久君 議長のお許しを得ましたので、一般質問を続行いたします。
 今回は、今般の県立高等学校再編整備計画の中でも、特に私の地元である南紀高校及び同周参見分校について質問をいたします。
 県教育委員会は、昨年八月に県立高等学校再編整備計画案を公表いたしました。以来、広く県民からパブリックコメントを募り、また、県議会においても本会議及び文教委員会で白熱した議論が行われました。その内容は、計画案は余りにも地域の要望とかけ離れている、余りにも唐突であり拙速である、地域はもとより県議会としても寝耳に水である等々の問題を幅広く指摘され、今日まで八カ月余り、再度検討作業を進めてきたところでございます。その結果が、五月十七日に県教委が最終決定した再編整備計画第一期実施プログラムでございます。
 ちょっと本論から離れますけども、ほとんどの皆さんは一緒だと思うんですけども、教育内容あるいは教育制度といった問題はもともと素人には非常にわかりにくい、私自身もそういう先入観がございます。したがって、具体的な問題になると切り口がわからずに腰が引けてしまうというように、極めて難しい問題であるということは私自身も重々認識をしてございます。その上で、今回はこの再編整備計画が単に純粋に教育上の問題だけでなく、県立学校として当該地域に及ぼす社会的影響が極めて大きいと思いますので、再編整備計画の中の南紀高校及び南紀高校周参見分校について教育長の見解を伺います。
 去る五月十三日に開催されました文教委員会において、教育長は昨年の当初案の発表から今日までの経緯を次のように説明しております。「昨年八月に計画案を発表して以来、広く県民から意見をお聞きするために、大成高校、南紀高校、同周参見分校、古座高校の四地域に地域・学校協議会を設置し、再編対象高校や地域において延べ六十回以上の協議会や説明会を実施してきました。そうした場における学校や地域の方々からのさまざまな御意見を参考にしながら、教育委員会事務局として再編整備計画のあり方について、慎重かつ柔軟性を持って種々検討作業を進めてまいりました。このたびの最終案は、こうした地域・学校協議会や県議会なかんずく文教委員会でいただいた御意見等を踏まえるとともに、平成十七年度入試における入学者数の状況等をも参考資料にして案を作成した」と述べています。また、同委員会における答弁でも、「昨年の当初案発表以来、議会での質問、地元関係者には説明や協議を行っていると認識している。完全とは言えないが、十分説明したつもりである」と述べております。
 つまり、何回も協議会や説明会を実施して十分説明し、さまざまな意見を踏まえて作成したベストの計画であるとのことでございます。しかし、地元や現場の意見を聞いてみますと、今言ったような県教委の説明を額面どおり受け取ることができないのでございます。
 そこで、個々に以下の点について所見を伺います。
 全日制看護科を熊野高校に移設することについてでございます。
 このことについては、南紀高校関係者はもとより、地元もこぞって、今なぜ熊野高校へ移設なのか、県教委の言う看護医療の発達にあわせて施設整備等を充実させてきたが、南紀高校のキャンパスはかつての田辺高校の定時制のキャンパスであり、非常に手狭であり、これ以上充実・発展は困難である、五年間の一貫教育という教育課程でより発展した形で充実を求めるためには現在のキャンパスでは限界がある、看護教育には高度な医療に対する知識・技術に加えて人間性が要求される、大きな学校で切磋琢磨をしながら多様な生徒との交流も図りながら十分な教育環境のもとで学ばすことがさらなる発展につながる、単なる現状維持、延長線上だけで考えるのでは再編整備という基本的な考え方の中では合わないと思っている等の説明は、到底説得力ある明確な理由とはなっていないのであります。
 逆に、熊野高校移設によって、かえって生徒の通学の便が格段に悪くなります。JR田辺駅に比べて特急電車が停車せず電車の便数が半減するJR朝来駅を最寄り駅とする熊野高校では、県下一円から通学する生徒の便の確保が極めて困難であり、このことがまた学習時間や実習時間に大きな影響を与えます。また、利便性の上からも、医療学習に必要な医師、講師の確保が困難になることも予想されます。いずれにいたしましても、生徒や保護者に対して負担や不安ばかりを増加させる結論ではございませんか。
 南紀高校の育友会長は、看護科がなくなってしまうおそれすら抱いていると危惧をしております。移設に反対し、街頭で署名活動までした生徒の気持ち、また、午前六時台と七時台の二本しかない電車で通学しなければならない生徒の不便は理解してもらえなかったのでございます。
 過日の文教委員会での答弁でも、「今述べたようなさまざまな問題があるのは十分承知している。それを解決すべく、施設・設備面を初め最善の努力を、とりわけ学校関係者と話し合いを続けてきたところである」と述べています。
 思うに、県教委のこうした手法は、どうも順序が逆ではないのか。まず移設ありきで、その他のことは後で考えるというのでは、特に生徒や父兄の不安を払拭することはできないのでございます。例えば、今行われている県立の水産関係の試験研究機関の再編整備であれば、まず立地規模等を確定して、それに合わせて人事や施設・設備等を考えることは可能でございます。
 しかし、学校は生徒あってのものであります。金ぴかの校舎をつくり、最新の設備を導入しようとも、主人公である生徒、それを取り巻く教職員等の学校関係者の利便性が確保され、彼らが心底から学校を愛し、前向きで真摯な取り組みをし、地域に誇りを持てるものでなければ存立し得ないのでございます。たかが通学の便ぐらいと軽んじることは、大きな過ちでございます。ましてや南紀高校の看護科は県内唯一の五年制の看護師養成学科であることから、遠くは和歌山市を初め、広範な地域から通学しているのであります。
 過日の文教委員会においての質疑でも現場の考えとの乖離を指摘する意見が多く出されているのに、新聞報道によりますと、十七日の教育委員会は賛成一色、移設に異論を唱える委員は一人もいなかったとの報道でございました。
 さらに看護科を移設される熊野高校を考えると、平成十六年度からそれまでの普通科、園芸科、林業科を廃止し、総合学科に統合したのでございます。総合学科は、普通科目と専門科目を幅広く開設し、生徒一人一人が自分の興味、関心に応じた学習時間割をつくることにより就職や進学といった個々の目標に沿って主体的に学ぶことができる学科であると説明をされております。
 熊野高校への総合学科設置は、当時、学校関係者はもとより、育友会、地域挙げての要望で実現したものでありますので、これについてどうこう言うつもりは毛頭ございませんが、私個人としては、かつては「県庁農林部は三重農林と熊林でもっている」とまで言われた伝統のある熊野の林業科の名前が消えることに一抹の寂しさを禁じ得なかったのでございます。しかし、林業科の名前は消えましたが、総合学科には林業系列として残されているので、百歩譲って、これからは熊野と言えば総合学科、総合学科と言えば熊野と言われるように、みんなで頑張って新しい伝統を築いていけばいいと自分なりに納得をしたわけでございます。しかし、今度の移設計画で、総合学科と並立して看護学科を設置するのであれば、何ゆえに熊林のブランドを捨ててまで総合学科を設置したのか、じくじたる思いをするのでございます。
 いずれにいたしましても、看護学科の熊野高校移設は、地元では関係者の大方が望んでいないのでございます。県下唯一の五年制看護師養成学科の維持、高度化する医療技術に対応できる施設・設備等の教育環境の一層の整備を大義名分に、県教委サイドに立って進める計画であると思わざるを得ないのでございます。
 私は、恐らく県教委は、後に述べる昼間定時制の設置との関連で、まず南紀高校本校に昼間定時制の設置ありきで出発したために、この昼間定時制と昼間看護科の併設は、校舎施設等の狭隘さ、不備はもちろん、生徒指導上多くの困難な問題を抱えることになるとの判断から、しからばこの際、昼間看護科を先ほど述べた大義名分のもとに熊野高校に移設しようとのことになったのではと個人的に推測をしております。
 現に、昨年、熊野高校に総合学科をとの議論の中でも、近い将来南紀高校の看護科を移設するというような話は一度もなかったわけであります。したがって、何回も協議会を開いて説明してきたとの話でありますが、最初から地域の声に謙虚に耳を傾ける余地が余りなかったのではないのかとさえ思うわけでございます。
 次に、南紀高校本校に十八年度から昼間定時制課程を開設することについては、紀南地方に昼間定時制をというのは地域はもとより関係者の長年の願望であり、率直に歓迎するものでございます。しかし、なぜ南紀高校本校に設置するのかについて、先ほど述べた看護科の熊野移設と無関係ではないと考えるゆえに、釈然としないのであります。
 御承知のとおり、定時制課程については、今日では、かつて言われた経済的理由によりやむなく昼間働かざるを得ない多数の勤労青少年に高等学校教育を受ける機会を持ち得るようにするとの認識から、そのありさまが大分変わってきているのであります。すなわち整備計画にもうたわれているとおり、勤労青少年に限らず、みずからの学習スタイルに合わせ学びたい者、不登校経験のある者、中途退学者、リカレント教育を求める者等、多様な生徒を受け入れる受け皿としての役割が大きくなってきているのであります。したがって、こうした社会の変化に対応する昼間定時制の必要性については異論のないところでございます。
 昼間定時制の果たすべき役割をこのように認識しますと、県教委も認めている、非常に狭隘で施設設備も不十分、しかも全日制の田辺高校と同一のキャンパスである南紀高校本校に設置するのが本当に適正なのか。この件については地元の要望も大変大きいと聞いておりますだけに、自問自答するのでございます。
 さらに、南紀高校周参見分校の取り扱いでございます。今回の計画では、十八、十九年度は生徒募集を行うが、両年度にわたって定員三十人の二〇%、六人の条項を満たさなければ募集を停止することになっています。
 周参見分校は、地元自治体や地域住民の絶大な支援があり、五十一年の歴史と伝統のある学校です。少人数とはいえ、勤労青少年のほか、全日制高校からの進路変更者、不登校生徒、中途退学者、高校教育を希望する一般社会人等、毎年多様な生徒を受け入れ、小規模校の特色を生かして生徒一人一人にきめ細かい指導を行い、立派に卒業させて社会に送り出すなど、実に多くの教育効果を上げております。平成十五年九月、念願の独立校舎を確保いたしました。それに伴い、地元関係者の尽力と協力によって分校専用の通学路や駐車場が整備されました。
 今回の整備計画では、定時制の方向、なかんずく昼間定時制について、先ほど申し上げましたとおり、多様な生徒を受け入れる柔軟なシステムを取り入れると提言されていますが、これは周参見分校のこれまでの実践と実績そのものでございます。
 また、JR朝来駅から串本駅までの約八十キロ間に県立高校が一校も存在しないことから、県立高校の適正配置の上からも、たとえ小規模校であっても周参見分校の存在は必要であると考えます。さらに、周参見の場合は、御坊市から新宮市までの生徒の通学が可能となります。
 このような諸条件を考えると、周参見分校を夜間定時制のまま二年間存続させて様子を見るという消極策ではなくて、むしろ実践経験と実績を有する夜間定時制を昼間定時制に移行させて存続させる、またその方が二〇%条項のクリアがより容易になる、まさに前向きな積極策であると考えるわけでございます。
 逆に、整備計画どおり南紀高校本校に昼間定時制を設置し、周参見分校は夜間定時制のままだと、さきに述べた定時制そのものの中身の変更と相まって、周参見分校の存続は不可能と断言できます。現に、周参見分校の在校生一年から三年生のすべてが、昼間定時制ができればそちらに移りたいとの希望を持っていると聞いてございます。周参見分校にとって今必要なことは、廃止を前提とした再編整備ではなく、さまざまな思いを抱えて入学・転入してくる生徒たちを受け入れる分校の存在そのものであります。
 南紀高校及び周参見分校に係る今回の整備計画についてるる申し上げましたが、昨年八月の当初案から八カ月の議論、検討の集大成ではありますが、一部で存続への望みは残されたものの、総じて結論が先送りされるなど、地元の不安を全面的に解消するに至らない結論となったと言わざるを得ないのでございます。
 そこで、今まで申し述べました南紀高校、同周参見分校の抱える諸条件を前提に、もし私が計画担当作成者なら、次のような構想を考えます。
 まず、昼間看護科は、県内唯一の五年制看護師養成学科であり、できる限り広域の多くの生徒にその機会を提供すべきと考えて、利便性にまさる南紀高校本校に残して整備充実を図る。
 昼間定時制は、定時制そのものの中身の変容にかんがみ、この際思い切って周参見分校に設置する。これにより、紀南地方、御坊市から新宮市まで、ほとんどすべての地域から通学が可能となります。ちなみに、有田以北の生徒については、紀の川高校、青陵高校の昼間定時制に通学できるわけでございます。また、当地方八十キロの間に県立高校不在のアンバランスが解消します。また、不登校生等の受け皿としては、市街地より田舎の方が適すると考えます。
 夜間定時制は、就労・勤務場所が田辺周辺に集中することにかんがみ、南紀高校を本校に残すというものでございます。
 さて、県立学校は、純粋に教育の場であるだけでなく、紀南地域のような少子高齢化、過疎化に悩む地域にとってはあらゆる面で地域の中心であり、それゆえにその灯を消してはならないと、関係者はもとより、地域ぐるみで懸命の努力を続けているのであります。県立高校再編整備計画の必然性の名のもとに、地域の声に謙虚に耳を傾けることにちゅうちょしてはならないのでございます。
 そこで、教育長に伺います。
 まず第一に、熊野高校の普通科、園芸科、森林科学科を統合して十六年度から総合学科を設置するとの議論をしていた二年前の時点で、南紀高校の看護学科の熊野への移設の話があったのでございますか。
 第二に、看護科移設の主たる理由として、現キャンパスの狭隘性、施設整備の不十分性、人間性涵養のために大きな学校での切磋琢磨の必要性を正面に掲げていますが、県内唯一の五年制看護学科としての期待の高い中で、主人公である生徒の通学等の利便性の確保、父兄の負担、不安、今まで努力してきた関係者の意見がまとまっていないことについての見解。
 第三に、定時制概念の変容に対する見解と、例えば全日制に適応できなくなったが勉学への熱意はある、そういう生徒が全日制田辺高校と同一キャンパス、同じ敷地内にある南紀高校昼間定時制に通うことになるわけですけども、例えば全日制はきちっと制服を着て登校いたします。昼間定時制は、ゆとりのある教育の目的でフリーの服装で登校いたします。こういうことが、同じ敷地へ同じ通学路を通って通うことに何らおかしいとは思わんのかなと、率直に思います。そういうことについての見解をまずお聞きいたします。
 第四に、紀南に昼間定時制をというのは地域の総意でありますが、田辺市に立地する南紀高校本校では串本以南からの通学は不可能であるが、周参見分校なら御坊以南のどの地域からも通学が可能でございます。この点についての見解をお伺いいたします。
 第五に、周参見分校を昼間定時制に切りかえて二年間状況を見る、その結果、依然として二〇%条項をクリアできないときは思い切って周参見分校を廃止する、これだと地域関係者も納得いたしますし、財政負担の増加もないと考えます。こういう余地はないのか、これについての見解をお聞きいたします。
 第六に、私が先ほど述べました昼間看護科は南紀高校本校に、昼間の定時制は周参見分校へ、夜間定時制は南紀高校本校にという私案についての見解をお聞きいたします。
 最後に、南紀高校周参見分校生徒会が、過日県知事に寄せた文章がここにございます。これを一応紹介をさせていただきます。
 「知事様、いつも私たちが勉強できるようにお力添えをいただき、ありがとうございます。おかげさまで創立五十周年にして念願の独立校舎ができました。けれども、校舎ができて、これから勉強に頑張ろうと思っていたやさき、廃校になるというお話を聞き、私たちはショックを受けました。確かに、周参見分校は在校生二十名の小さな定時制高校です。でも、すばらしい優しさのあふれた学校なのです。学校には、本当にいろいろな仲間がいます。子育てを終わって高校卒業の資格を取ろうと働きながら学んでいる年配の人、父親を亡くして家計を助けるために全日制を退学して働きながら学んでいる人、他校でいじめられて毎朝吐き気がして登校できなくなったが転校してきてからは生き生きと勉強している生徒、みんな周参見分校で助けられた生徒ばかりです。生徒数が減り、統廃合は仕方のないことかもしれません。しかし、すさみや串本からは、田辺や新宮の定時制に通うことはできません。私たちの地域は交通の便が悪く、周参見分校にしか通えないのです。私たちが今こうして学べるのも、今まで分校存続に力を注いでくださった多くの方々がいたからだとお聞きしています。今まで廃校の危機がたくさんありながら、その都度廃校にならないように努力してくださったとお聞きしています。もし今、周参見分校がなかったら、私たちはどうなっていたかわかりません。行き場がなく、自暴自棄になり、荒れ果てた青春を過ごしていたかもしれません。定時制高校は挫折した生徒にとって大きな自信や夢を与えてくれる場所なのです。私たちの分校に通う姿を見て、退学した人たちがもう一度高校へ行ってみたいという人が何人もいます。私たちがまじめに努力しようと思わせてくださったのは、地域の方々の温かい声援です。本当に感謝しています。どうか知事様、どんな生徒も優しく受け入れてくれる周参見分校を存続してくださいますよう、心からお願い申し上げます」という文章でございます。
 この文章にすべてが言い尽くされていると思いますが、周参見分校は過去幾多の廃校の危機に見舞われながらも今日まで存続させ、四百数十名の卒業生を世に送り出し、そのほとんどが地域に残って過疎化に悩む地域の中核として頑張っているという事実は、先ほど触れました熊野林業とともに県教委の長い歴史でも特筆すべき功績であると私は思います。それだけに、再編整備のゆえに、いとも簡単になぜそれを捨て去るのか。時代の変化に対応して姿、形は変わっても、それを前向きに発展させようとしないのか。今回この再編整備計画を検証してつくづく思った私の思いでございます。
 以上で終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの前川勝久君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 県立高校の再編整備計画についてお答えします。
 きのくに教育協議会の報告を土台にして、昨年八月に計画案を策定し、その後、パブリックコメントや地方別説明会を行うとともに、議員からもお話ありましたように、四つの地方で地域・学校協議会を設け、説明や協議を重ねてまいりました。こうした場における意見等を踏まえながら、慎重かつ柔軟に審議を重ね、去る五月十七日に県立高等学校再編整備計画並びに第一期実施プログラムを決定し、公表したところです。
 南紀高校看護科の移設につきましては、熊野高校に新たに実習棟を整備し、ゆとりのあるよりよい教育環境のもとで看護教育が展開できること、熊野高校総合学科の福祉系列とこの看護科がタイアップすることにより相乗的な発展が望めること、さらに、多くの生徒と触れ合い切磋琢磨することで看護師として求められる豊かな人間性や社会性を涵養できることなど、さまざまな点で大きな教育効果が期待されると考えております。
 また、議員御指摘の当初の案が生徒や学校関係者に少なからず不安を与えたことを考慮し、現時点での在校生は南紀高校で卒業することに変更いたしました。十八年度、十九年度の入学生についても、現在の在校生と一緒に学ぶ環境を大切にするため、一定期間南紀高校で学んだ後、平成二十年度に三つの学年が一括して移ることといたしております。
 紀南地方の昼間定時制の設置は、地域の長年の願いでありました。こうしたことや、各地域の中学校卒業生徒の状況、進路希望、多様な生徒の学習ニーズ等、多角的に検討を重ねた結果、このたび南紀高校本校に昼間定時制を設けることとしたところであります。
 なお、周参見分校につきましては、これまで分校の果たしてきた役割や関係者の御意見等を考慮して、平成十八年度、十九年度に生徒募集を行い、今後の志願者、特に地元志願者の動向や地域の取り組み等を見守ってまいります。
 今後は、全県的な視野に立って、地元、学校、関係機関とのさらなる連携を大切にしながら、より充実した教育環境を整え、生徒が生き生きと学べる魅力ある高等学校づくりを推進してまいります。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 以上で、前川勝久君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時二十六分散会

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