平成17年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(原 日出夫議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 質問について、第一点目の政府の食料・農業・農村基本計画と和歌山県農業政策の方向について御質問したいと思います。
 ことし平成十七年三月に閣議決定された今回の食料・農業・農村基本計画の特徴は、食の安全と食糧自給率向上と将来への食糧安全保障を展望した中で日本の農業・農村をどうするのか、具体的には品目横断的政策への移行、つまり個々の品目別から担い手の経営全体に着目した直接支払い制度の導入、担い手育成と農地制度の改革、環境保全と資源保全政策という日本の農政改革の主な三課題を提起されています。
 和歌山県の農業・農村の現状から今後の方向を展望して新基本計画をどうとらえるのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 次に私は、新基本計画の三つの課題のうち二つに絞って、和歌山県農業・農村の実情から見て、これを県としてどう受けとめ、どう対応していくのか、お尋ねしたいと思います。
 まず、本題に入る前に、和歌山県の農家の現状をまず理解してみたい。和歌山県の販売農家数のうち、専業農家三五%、農業を主とする兼業農家一七%、兼業が主な農家四八%、農業産出額は果樹五八%、野菜一五%、一戸当たりの耕地面積は一町以下は六六%を占めている中山間農業であることを踏まえて、第一点は新基本計画の提起する担い手育成と農地制度の改革についてお尋ねします。
 農用地利用改善事業をより拡大して地域での集落営農の組織化、法人化を図り、担い手に対し農地を面的なまとまりのある形で利用集積する、また、小規模農家や兼業農家の土地を担い手へ貸し付けたり、集落の営農組織へ吸収していく方向が打ち出されています。この方向は、和歌山県の農業は、ほとんどが先ほど述べた中山間営農であり、一農家当たりの耕地面積は一町以下が六六%を占める実情から見るなら、基本的にこの考え方は本県農業になじまないと考えるが、どうでしょうか。
 国の考え方に対し、県としても作物品目による適正規模を明確にし、例えば梅を考えれば、家族での営農はせいぜい一町から二町が限度です。地域の営農の特性をまとめ上げ、国に提言していく必要があると考えるが、どうでしょうか。
 また、国の担い手育成という考え方は、大規模化と安定農業、つまり農業で生活できる年収を得るための方向を打ち出していますが、農業人口の減少と高齢化、耕作放棄農地を含め、小規模兼業農家であっても就農人口をふやし、担い手を育成していく方向をむしろ示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、新基本計画は農地の効率的利用のための新規参入の促進ということで、農業生産法人以外の株式会社等の法人についてもリース方式による農業への参入を可能とするため、今までの特区制を打ち払って全国的に展開するとあります。
 私は農業に参画することに問題があると思いませんし、大いに賛成ですが、第一点の担い手育成という名のもとに小規模農家、兼業農家が吸収されていかないか。この株式会社参入も、どこでどのようにして認めながら地域営農とうまく融合していくための方向を見出すのか。小規模農家が吸収されていかないか、どこで歯どめをかけられるのか、どうでしょうか。農林水産部長にお伺いします。
 次に、経営安定対策での品目横断政策と品目別政策の見直しについてですが、今までは品目別に講じられていた経営安定対策を見直し、新基本計画は麦、大豆等について品目別でなく集落営農組織、専業的農業経営者に直接支払いを導入して経営安定を図っていく方針を示し、小規模農家、兼業農家は営農組織に入って実質は吸収されていかないと、その保障の対象にならない方向が示されました。
 県農業は果樹、野菜が中心で品目別政策の対象ですが、これを見直すとあります。どう見直されるのでしょうか。ミカン、梅、カキ、桃、野菜等の経営安定のための具体的方針が示されていない中、県として国に対し経営安定のための対応方針を持ち得ているのか、農林水産部長の見解をお聞きしたい。
 次に、新基本計画を踏まえて、県として農業・農村振興計画の策定を提案したいと思います。
 振興計画を作成していく上で、私は現場の農業経営や実情を踏まえ、次の点を考慮しながら農業振興計画の策定に考慮されたいということで問題提起したいと思います。
 一つは、県農業経営は単作経営が主力を占めています。もし災害や病害虫や他の要因で被害を受けると、たちまち経営が破綻してしまう状況にあります。今後の農業経営として、複合的営農や地域複合経営への考え方に立って労働力の分散と土地生産の向上をしていく、つまり年間にばらつかせた営農経営を安定させていくことが大切ではないでしょうか。ミカンだけ、梅だけとか、そういう部分だけでなくて、複合的営農が農家の経営を保障していくのではないかということを日ごろから感じていますが、そのこと。
 二つ目は、新基本計画に示されている優良農地づくりをする上での、農産物を栽培する上での優良農地をつくる考え方。今までの、山を切り、腐葉土のよい土を谷に埋めてしまい、がらんがらんの農地をつくり、水ためも防風林もなく、宅地造成と同じ手法での農地づくりからの転換が必要です。よい土を確保し、水ためをつくり、自然林を残し、防風・防霜・防潮林をつくる農地づくりへの転換を目指すべきではないか。
 三つ目は、農業は土づくりからの原点に戻り、化学肥料から有機肥料への計画的移行を意識的に進めることが大切です。土と水、そして海への流れという、私たちは、環境保全を意識した農業経営を行政がきちんと押さえた活動が求められています。県下をブロック別にして、県内で発生する有機性資源を一〇〇%回収、有機堆肥にして、農家、市町村、民間経営者と協力してプロジェクトを組み、推し進める具体的方針を持つ必要があるのではないか。
 最後に、女性の農業参画は年々増加しています。女性の農業で働く環境づくりは、農政の柱になっていません。例えば農地づくりの中にトイレの設置すら組み入れられていない状況、真剣に対応すべきであります。こういったことを私は提起しながら、政府の新基本計画を踏まえて、県としての農業・農村振興計画の策定を求めますが、農林水産部長の見解をお尋ねいたします。
 次に、商標法改正に伴い、地域ブランド品をどう保護育成していくのか。
 県内の地域ブランド商標の現状と、今後、地域のブランドを育成していくためにどう取り組まれていくのでしょうか。ミカン、梅、トマト、野菜、水産物、ユズ、ジャバラ、加工品等、地域おこし、特産品づくりで、県下では数多くの特色ある地場産品、地域ブランド化に積極的に取り組まれている状況の中で、地域ブランド商標として育成していく必要があると考えます。今回、商標法改正に伴い、地域ブランドとして登録することが一定緩和されたこともあって、地名プラス商品名の育成と確立が急がれます。
 そこで、県として、商標法改正に伴う県内の地域ブランド商品をどう保護育成していくのか、既に商標登録されている実情を把握されているのか、農林水産部長にお伺いいたします。
 次に、三点目ですけど、木質系バイオマスの利用と普及についてです。
 日本は、京都議定書によって二〇〇八年から二〇一二年で温室効果ガスを一九九〇年の排出量から六%削減することを約束しました。しかも、六%の三分の二を森林吸収量三・九%に頼らなければなりません。
 和歌山県は全国のリーダーとして、緑の雇用事業、企業の森づくり、国産木材の利用の促進等、国に対しても県の事業として大きな役割を果たしています。
 私は今回は、木質バイオマスの、とりわけ公共施設や一般家庭に普及できるペレットストーブやチップボイラーについて問題提起したいと考えます。これは、地球温暖化防止対策に市民がみずから実践を通して協力していく運動でもあります。
 もう一つは、人工林で発生する森林バイオマスや果樹王国和歌山であるミカン・梅・カキ・桃の剪定枝を地域のエネルギー資源として位置づけ、各公共施設や家庭用の熱エネルギーとして利用・普及することを和歌山県の緑の雇用のもう一つの運動の柱としていくことを提案したいと考えます。
 例えば、龍神のチップボイラーの経験を少し事例に挙げますと、田辺市龍神村の季楽里龍神に関して十六年度の決算を見ますと、チップを森林組合から仕入れるのが四百二十万円。それに対して、例えば百七十四キロリットルを消費しているんですが、ところが、もしこれを灯油代に換算しますと、以前はリッター五十円で八百七十万円という決算になっていますが、今回調べますと六十四円に灯油が十四円上がっていますので、そうしますと一千二百万円ということですから、本来の三分の一の四百二十万円で実は運営コストが済んでいるという、今の時代に即したやっぱり状況にあるんではないかと。もちろん初期の投資額は大きいですけれども、これが今の時代、これからの原油高騰の中で非常に役割を果たしているのではないかなというふうに感じました。
 そういう中で、太陽光発電もそうですけど、エネルギー庁が最初普及させるために補助をして、ずうっと広がって、ことしからですか、補助金がもうゼロになっていくという形でやります。京セラなんか、それを普及させるために補助額を会社で見ようという形で出されましたけど、やっぱりこのチップボイラーなりペレットストーブを普及させるためには一定の県なり市町村の協力体制の中でモデル地区をつくってやっていくと必ず私は普及していくというふうに思うんですが、中山間地域における公共施設や家庭用熱需要に対して、いわゆる森林バイオマス、果樹剪定枝が化石燃料の代替として考える時代ですし、和歌山県として自然に恵まれた、いわゆる世界遺産指定県として県民のライフスタイルとして普及させていくことが和歌山県の大きなイメージアップにつながると考えますが、知事の見解をお聞きしたいと思います。
 次に、木質バイオマス、とりわけペレットストーブとチップボイラー等を利用・普及されていく上での課題や問題点はどこにあるのでしょうか、またどうすればそれら問題点をクリアできるのか、農林水産部長にお尋ねします。
 最後に、水質保全と浄化槽維持管理について質問します。
 浄化槽の普及による水質保全を県下的に進められている中で、浄化槽法第十一条検査の受検率は、和歌山県は一一・一%と低く、全国平均一六・五%を下回っています。受検率の低い原因はどこにあるのでしょうか。浄化槽設置者への啓発を含めて、改善するための県の指導はどうでしょうか。今度は国においては浄化槽法の改正に伴い罰則規定が設けられたと聞いているが、罰則規定にのみ寄りかかっていては受検率向上はできないのではないか。
 そこで、私は、受検率の低い要因の一つは、七条及び十一条検査の料金設定が高いのではないか。七条検査は一万五千円、十一条検査は毎年八千円の料金設定は、これは知事の認可で県が決定しています。この料金決定について、何を尺度で決めているのでしょうか。私、調べてみますと、全国的に見ても和歌山県は非常に高い料金設定であり、料金の見直しをすべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。私は、料金の見直しによりさらに低くするならば受検率が向上されると思うし、より検査手数料がふえればふえるほど料金設定の手数料を引き下げることになるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 次に、浄化槽の水質検査については、本県は浄化槽法第七条及び第十一条に基づく水質検査を社団法人和歌山県水質保全センターが行っています。水質保全センターに七条及び十一条検査を一括集中する体制に弊害はないのか。一つは、紀北と紀南に分散することで効率性が生まれ、十一条検査への啓発と普及を初め効率性が生まれることによって料金がさらに下げられる体制ができるのではないか。
 私は、こういった意味では、県水質保全センターの組織の見直しや、新たに紀南地方への検査機関の設置を含め、検査機関のあり方について検討することを提起しますが、県土整備部長にその見解をお聞きしたいと思います。
 以上で、第一回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、農業の新食料・農業・農村基本計画と和歌山県の農業の関係ということでございます。
 この新食料・農業・農村基本計画は、今日の非常に難しい農業の状況というものを反映して、攻めの農政と申しましょうか、米作を中心とした食糧自給率の向上でありますとか、品目横断的な政策を新たにとっていくというふうなことが中心になり、そしてまた、あわせて減ってきている担い手の育成を図っていくというふうなことだろうと思っております。
 食糧自給率の問題でありますとか品目横断的政策については、和歌山県というのはやっぱり果樹とか花卉とかいうふうなのが中心の農業で、そしてまた農地が非常に小さくて限られているというふうな状況があって、この新しい基本計画がそのまま和歌山県にぴったり妥当するものであるというふうには考えておりません。
 ただ、担い手の育成というふうなことは非常に大事でして、やはり和歌山県の一つの大きな柱は第一次産業であると、そしてまたその中心は農業であるというふうにも考えておりますので、何とか新たな担い手を、夢を持てる農業という形で和歌山県に入ってくるなり、そしてまた地元の人も元気を出してやれるような仕組みを考えていきたいと思っております。
 そういう中で、例えばミカンが昨年日本一になったという機会をとらえて大いにブランド化をしていくこととか、そしてまた桃とかカキとか梅とかいうふうなものについて、そのよさというものをさらに徹底的にアピールしていくような仕組み、そして販路を県の方でも考えていくような仕組みというふうなことで和歌山県の農業の振興を図っていきたいというふうに思っておりますし、そしてまた外からの人の導入ということにつきましても、先ほどもありましたように、農業をやってみようプログラムというのをやっておりまして、これでやはり参入してくる人もだんだんとふえてきております。
 こういうことをどんどんやっていって、農業というのはやはりやりがいのある仕事なんだというふうな形の意識というものを和歌山県からだんだん発信していけるようにしていかないと、これはまあ食糧自給率ということにはじかには関係しないかもしれませんけども、やはり先ほどの「もったいない」という話にもあったように、日本全体が「もったいない」というふうな気持ちを持つようになってくれば、やはり地産地消的な発想というふうなものがもっと出てくるだろう。そういう中で、地域の農業というものをやはり育てていかなければならないというふうな意識が国民、県民の間にも出てくることだろうというふうに考えておりますので、こういう面を地域振興という観点とあわせて図っていきたいと思っております。
 それから、木質バイオマスの利用ということですけども、これは実は岩手県でペレットストーブを一生懸命やっていまして、私も見学に、もう何年も前に行きました。和歌山の場合は、はっきり言って暖かいところなので、なかなかペレットストーブが県下一帯に普及するというふうにはいかないと思いますけれども、しかしながら、今お話にありました龍神村の──旧龍神村ですね──国民宿舎のチップボイラー、私も開所式のときに行って見ましたけれども、これがこの原油の高騰の中でそんなに大変ないい成果を上げているというふうなことは今お話を聞いて知ったんですけども、こういうふうな面は非常に大事だと思いますし、こういうふうなデータをあわせて発信することによって県内でこの木質バイオマスを利用できるようなものをもっとふやしていくというふうな努力を進めていきたいと、このように思っております。
○議長(小川 武君) 農林水産部長西岡俊雄君。
  〔西岡俊雄君、登壇〕
○農林水産部長(西岡俊雄君) 担い手育成と農地制度の改革についてでございますが、集落営農の組織化・法人化につきましては、稲作など土地利用型農業地域においては有効な施策と考えますが、本県のように平地農業地域が少なく中山間地域が大半を占める立地条件のもとで果樹、野菜、花卉等の集約型農業を主とする地域では、なじみにくいと申しますか、ぴたりと当てはまらないものと考えてございます。
 次に、担い手育成につきましては、効率的かつ安定的な農業経営の育成を図る上で農地の利用集積は重要と考えておりまして、県におきましても、認定農業者制度の推進を通じ、規模拡大を志向する農家の経営改善に資するよう支援を行うなど、担い手の育成に努めているところでございます。
 一方、兼業農家や小規模農家等における農業生産活動は、地域の優良農地を保全し、産地形成や農村機能の維持を図る上において重要な役割を担っているところと認識してございます。
 また、株式会社等の農業参入につきましては、今回の法改正で一部規制の緩和が行われたところでございまして、地域農業における担い手の状況を踏まえながら、市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、農業安定対策における品目横断的政策と品目別政策の見直しについてでございますが、国は新たな農業安定対策として、稲、麦などの土地利用型営農については品目横断的政策を、果樹、野菜等の集約的な作目については品目別政策を導入する方針を示しているところでございます。
 このような中で、平成十三年度から取り組んでいるミカンの経営安定対策におきまして、需給調整や出荷基準、品質基準の徹底など、一定の効果はございましたが、担い手農家の育成につながりにくいといった課題もあらわれてまいっております。
 こうしたことから、将来を見据えた農家の経営安定を図るためには、生産対策に重点を置いて競争力のある果樹産地の育成に取り組むことが何より重要であると認識しているところでございます。このため、全国みかん生産府県知事会議等を通じまして、産地の実態に即した施策の具体化に向けて、国に対して強く働きかけているところでございます。
 また、県といたしましては、国の制度との連携を図りつつ、高品質果実の低コスト生産を基本としながらオリジナル品種の育成や優良系統への改植、小規模な基盤整備など、産地体制の強化を積極的に推進することにより農家経営の安定に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、振興計画の策定についてでございます。
 議員から問題提起をいただきました農業経営の安定化、優良農地づくり、環境保全型農業を推進する上での土づくり、また女性の視点に立った農作業の環境づくりなど、いずれも重要なことと認識してございます。
 御提起いただいた内容を踏まえながら、生産者の方々を初めとした幅広い意見を伺い、環境と調和し、和歌山の特色を生かした収益性の高い農業を展開できるよう、今後の本県農業の指針を定めてまいりたいと考えてございます。
 続きまして、商標法改正に伴う地域ブランドの育成についてでございますが、地域ブランドを育成・支援していくことは非常に重要なことと考えてございます。
 御質問ありましたとおり、このたびの商標法改正によりまして、今後ますます地域ブランド化が進むものと考えてございます。本県において既に地域ブランドとして確立しているものも含めまして、首都圏等を中心に展開しているソフトアンテナショップ事業などを通じて市場の拡大を進めるとともに、より一層の品質向上を図りながら全国津々浦々にまで知名度を得るよう、関係部局と連携してまいりたいと考えてございます。
 また、「南高梅」あるいは「まるどりみかん」といった既に商標登録が済んでいるものもございますけれども、これまで登録ができなかったといいますか、難しかった地域産品も含めまして商標登録に積極的に取り組んでいくよう、農協等関係団体に働きかけ、地域ブランドの確立に努めてまいりたいと思ってございます。
 最後に、木質系バイオマスの利用と普及についてでございますけれども、ペレットストーブやチップボイラーなどの普及を図る上で、設置費用や故障時のメンテナンス、それから原料の安定的な供給体制といったことが課題かなというふうに考えてございます。
 これらの課題につきましては、今後さらに先進県における取り組み状況や技術情報などの収集に努めるとともに、各地域での勉強会、産学官の研究会などへも参加するなど、幅広く利用の可能性を検討する中で地域の特性に合った取り組みを推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 水質保全と浄化槽維持管理についてでございます。
 浄化槽設置者に対しまして、これまでも浄化槽維持管理の重要性の啓発に努めてまいりましたが、今後ともあらゆる機会をとらえ、水質検査等の必要性について啓発を行ってまいります。
 次に、浄化槽法第七条検査、十一条検査の料金が高いとの御指摘でございますが、全国的に見ても比較的高い状況でありますので、そのコスト構造の分析など、料金について検討してまいります。
 また同時に、本県の地理的条件などを踏まえ、より効率的で機動的な検査のあり方について検討してまいります。
 いずれにいたしましても、関係する多くの皆様の御理解、御協力をいただきながら、郷土和歌山の川や海の水質向上に向け、今後とも努力してまいります。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 要望ですけども、和歌山県の農業・農村振興計画については和歌山県の特徴ある実態の中での新たな十年後を目指した──国も十年、そして五年を節目にして見直していくというふうに出されておりますが、県もぜひ特徴ある、いわば新基本計画の基本は踏まえながらも和歌山県の特性ある振興計画をぜひ策定していただきたいと、こう思っております。
 それから、木質系バイオマスの利用と普及についてですが、いろいろ難しいとか、私もいろんな先生の講演も聞いたり資料も見せていただいて、実質、全国的にも、もうチップボイラーも、それからペレットストーブも右肩上がりで普及が伸びております。そういう意味では、和歌山県でせっかく知事があれだけ森と緑の雇用という二つの面で非常に脚光を浴びているんですから、実質的な面での環境づくりというか、世界遺産に訪れてきたときに、そこの民宿なり旅館がホールにペレットストーブがあるとか、それからちょっとした休憩所へ行けばそのペレットストーブがあって、何かこう憩いの場であったり、心が安らぐという一つの大きな側面もあると思うんですね、効果が。そういうことで、そのことがまた市民やみんなの中に、木質バイオマスによって地球温暖化防止に一人一人が貢献しているという部分にも、僕は市民運動としてつながっていくと思うんで。もちろん我々も、そういう意味では積極的に市民運動として活動していかなきゃならんと思うんですが、やっぱり進めるための基本である、少し県と市町村での補助をしてモデルケースをつくっていくことが、先ほども言いました太陽光発電のようにずうっと面的に広がっていくんじゃないかと、こう思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、今の水質保全と浄化槽維持管理についてですが、実質的に料金そのものの体系を見直すということでぜひよろしくお願いしたいと思います。
 これは、体質的には我々ちょっと──これ要望というんか、問題を指摘していかなあかんのですけど、七条と十一条検査はもちろんありますけれども、我々浄化槽設置者は、このほかに保守点検料及び清掃料金が加算されているわけですね。公共下水の場合は公的負担ということでなっているんですが、我々、浄化槽の場合は、そういうふうに検査料並びに汚泥の清掃、くみ取りについても負担しています。公共料金との違いがありますけども。そこで公共下水との違いはありますが。そういう意味では、そういったことの負担割が非常に高い中で、この七条、十一条の検査料の見直しによって一一%がもっと引き上げられていくと思いますんで、その点、ぜひ努力していただきたい。
 もう一つは、私、分散化せえという一つの場合に、この水質保全センターの社団法人の組織そのものに一回メス入れてほしいと思う。というのは、悪いという意味ではなくて、もう少しこう──例えば社団法人浄化そう協会、それと社団法人清掃協会というか、お互いに関係あるところだけ二団体しか入ってないと。こういうことで料金決定なり運営がされていくことは少し異質かなと。他の社団法人と比べたら。もっと数多く入れて、そしてきちっとチェック機能もあってと、そういうのが本来なんですけど、この二団体しか入っていない。この水質保全センターそのものの社団法人としてのあり方についても少し県の方で助言をしていくなり、もう少し民主的に運営できるなり、機構を見直していただけたらありがたいと思います。
 以上で終わります。
○議長(小川 武君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十四分休憩
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