平成17年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(山下大輔議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時四分再開
○議長(小川 武君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十六番山下大輔君。
  〔山下大輔君、登壇〕(拍手)
○山下大輔君 皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。
 さて、質問に入る前に、最近感じたことを少しだけお話しさせていただきたいと思います。
 今議会のやりとりなどでもそうですが、やはり今の厳しい社会環境では明るい話が少なく、地域全体としても、ある面ではあきらめの気分が蔓延しているように思います。そこでは、夢、希望といったものが持ちづらい状況になっているようです。最近読んだ本の中で、作家の村上龍さんも「この国には何でもある。しかし、希望、夢だけがない」といったことを書かれていました。この国には何でもある、しかし夢がない──昨年トヨタ自動車の幹部の方にお目にかかったときに、そこでもたまたまですが、希望、夢といったことについてお話を伺い、強く印象に残りました。今この社会にあるあらゆるものは、昔だれかが夢見たものです、携帯電話、自動車なども今の私たちの生活に欠かせない便利なものですが、それらも昔だれかが夢に見てつくり出されたものです、夢を持つということは非常に大切なことで、夢、希望がなくては私たちの社会は前進しません、よくならない、ぜひ夢があふれる国にしてもらいたいというお話でした。
 今の時代、私たち大人自身がどれだけの夢、希望を持てているか。これは非常に大切なことだと思います。国づくりは人づくり、人づくりは今を生きる私たち大人の問題です。大人の背中を見て育つ子供たちのことを考えると、やはりこのままではいけないと思います。私自身もしっかりと夢、希望を持ち、そしてこの議会でも、先輩・同僚議員、また知事、当局の皆さんとともに夢、希望の持てる和歌山県づくりについて大いに議論していきたいと思っています。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので質問させていただきます。
 今議会では、夢の持てる和歌山県政の実現を目指して、次の四点について提案、質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つ目は新たな視点の職員研究グループの発足について、二つ目には行政のペイオフ対応と地域の金融環境の整備、三つ目として危機管理の問題、そして四つ目にリサイクルなど環境先進県に向けた取り組みについてです。それぞれに新年度を目前にして検討していただく大切な課題だと思いますので、きのうの山下直也先輩の熱弁にもありましたが、ぜひ当局の皆様には誠意ある御答弁と、あわせて何といっても実現に向けた御努力をお願いいたします。この議会から一緒にすばらしい和歌山県づくりを進めていきたいと思います。
 まずは、職員研究グループについて。
 現在、和歌山県には優秀な職員さんがたくさんいます。特に今、民間への派遣などを通じてその能力がさらに高まり、これまで木村知事が民間企業との交流に力を入れてこられたその取り組みも、ようやく実を結ぶときを迎えていると感じます。
 そんな中、最近読んだ「都道府県展望」という雑誌ですけれども、その昨年の九月号に、和歌山県の職員さんが書かれたレポートを見つけました。お手元に配付させていただいていますが、これは、現在マーケティング推進課で仕事をしている職員の方が書かれたものです。彼女は民間企業のリクルートに派遣され、そこで感じたことを素直にまとめられています。民間企業への派遣から多くのことを学んでこられたようで、私も直接お話を伺ったのですが、貴重な体験談を聞かせてもらいました。そこでは、民間と行政を冷静に比較する中でのすばらしい視点を持たれていて、なるほどと思う指摘がたくさんありました。民間での経験は非常に有益で、これは県庁にとって大きな財産になるものと思います。
 今、県では、多くの人を民間企業に派遣しています。戻ってこられた皆さんは、その経験を生かして県庁内で活躍されています。しかし、戻ってきて、それを職場の仕事で生かすだけでなく、また個人レベルの提案、発表といったものだけに終わらせずに、もっとその知恵、経験、知識を広く活用してもらいたいと思います。これは、民間企業などでも使われるナレッジマネージの手法の一つとして民間に派遣された人たちでワーキンググループをつくり、県庁の改革・改善プランといったものを検討してもらう。民間を経験し、県庁に戻った中で、そこではさまざまな気づきがあります。その発想、アイデアをばらばらに活用するのではなく、グループで討議し、きちんと整理して今後の県行政に体系的に取り入れていくといった取り組みを提案します。そこからはいろいろおもしろいアイデアが出てくると思いますが、検討に当たって一つ重要なポイントがあります。それは、できるだけ制約、制限を設けずに議論してもらうということです。自由な発想により検討を進めてもらうことで多くの成果が上がるものと期待します。民間企業で得たその知識、経験、また感性、感覚をうまく引き出して県庁の改善運動につなげる取り組み、民間に派遣された人たちを対象としたワーキンググループの設置について、これは総務部長からお答えをいただきたいと思います。
 続きまして、行政のペイオフ対応と、あわせて地域の金融環境について。
 この春、ペイオフが全面解禁となります。これまでは預金などの払い戻しを政府が全額保証していたものを一定額までとする措置、いわゆるペイオフがこの四月からいよいよ全面実施される予定となっていますが、その対応とあわせて、これからの地域の金融環境について当局の考え方をお伺いしたいと思います。この問題については、さきに先輩議員である江上柳助議員も質問されていますので、私自身は視点を変え、何点かに絞って質問をさせていただきたいと思います。
 さて、現在ペイオフへの対応ということで、日本全国の自治体でさまざまな動きが出ています。また、地域の金融機関、地方銀行などでもペイオフ解禁をにらんで預金が全額保護される決済用預金を相次いで導入するなど、こちらも対応に追われています。さて、そこで和歌山県の対応ですが、県自身の問題についてはさきに質問がありましたので、私は、特に各市町村への対応に絞って、少し心配するところがありますので質問させていただきたいと思います。
 そもそも地方自治法では公金の安全な運用を義務づけていますが、これまで全国ではペイオフへの対応において問題を指摘されるケースがありました。一例として千葉県のある町では、三年前のペイオフ部分解禁時にさまざまな対策を講じる中で公金を外貨預金で運用して、為替差損を発生させたケースがあります。こういったこともあって、今回、千葉県では市町村への指導を徹底しているそうです。昨年末に県内市町村の対応状況を調査したのに続き、この二月にももう一度準備状況を確認し、公金をリスクにさらさないための万全の備えをとるというふうに指示しているということです。
 このような他県の状況もある中で、現状、和歌山県として県下の市町村の実態についてどのように把握されているのか。また今、公金の扱いについては、公金を守る、公金を運用するといったことで、それぞれの市町村においては迷いもあるかもしれません。そこでは県として一貫した方針を示すことも必要ではないかと考えますが、あわせて県から指示している内容などがあればお聞かせいただきたいと思います。これは総務部長に御答弁をお願いいたします。
 続いて、和歌山県の金融環境について。
 現在、今回のペイオフなども含め、我が国の金融環境は大きな変動期に入っています。四月以降も昨年末に打ち出した金融改革プログラムが具体化される状況にあり、金融庁はことしを「金融政策転換の年」と位置づけています。不良債権処理の最優先路線から金融活力の強化に力点を移すということで、伊藤達也金融相は、官主導ではなく民の力で国際的評価も高い金融システムをつくるとしています。しかし、大手行においても、不良債権は減りつつも、公的資金なしで収益を高められる銀行は限られるとされる中、まして一周おくれと言われる地方の金融機関では、その将来の見通しは非常に不透明、厳しいと言わざるを得ない状況です。
 そんな中、和歌山県では、地域の金融環境を構成する主要な柱となっていた紀陽銀行と和歌山銀行が、昨年十一月に経営統合に向けた交渉をスタートさせています。経営体質を強化し、今後の金融激変の時代を乗り切ろうというものですが、現時点で正式にアナウンスされているのは、この三月の期末をめどとして結論を出すということだけです。この経営統合問題は、地域の将来の金融環境を考えても非常に影響の大きい問題だと思います。現状のまだまだ厳しい状態にある和歌山の地域経済において、今回の経営統合、その取り組みいかんでは地域経済に大きなダメージを与えかねない問題です。
 ただ、県として、これはあくまで民間事業者の問題であり、特別に立ち入ることではないということは当然のこととして、しかし、県政運営の中で地域経済に一定の責任を持たなければならない和歌山県として、関係ないものとは言えない状況です。よって、県としては、単に事の推移を眺めているだけではなく、今置かれている地域経済の状況と金融環境が変わることによる影響などその実態を把握することに努め、あわせて今後予測される事態を想定して万全の備えをしておくことが必要だと考えます。
 そこで、幾つかを質問させていただきますが、まず、そもそもこの紀陽銀行と和歌山銀行の経営統合をどのように評価しているのか。また、これまでの経営統合に向けた取り組み状況をどのように把握されていますか。あわせて、この経営統合が地域経済に及ぼす影響についてどのように分析されているのか。また、経営統合後の問題として、県内の中小事業者の間では、これまでの事業資金が確保されるかなど、かなり心配する向きもあるようです。特に、経営統合を申し入れた和歌山銀行さんとつながりの深かった事業者の方からは、今後もこれまでどおりの融資が滞りなく進められるのかなど、さまざまな不安の声を聞く状況となっていますが、これらについて県としてどういった見通しを持っているのか。あわせて商工労働部長にお尋ねいたします。
 さて、次に和歌山県の危機管理に関する問題として、まず国民保護法制と自衛官の活用について。
 昨年六月、国会で武力攻撃事態対処法が成立しました。この法律は、皆様も御存じのとおり、我が国が武力攻撃等を受けたときの対処に関する基本理念、国・地方公共団体の責務などを定めた基本法であり、この法律の枠組みの下で国民保護法が整備されています。
 そこで、防災の問題とあわせて、国民保護法にかかわる内容で幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 まず、一つ目として、国民保護計画について。
 国民保護法の整備後、県は、国が策定する国民の保護に関する基本方針に基づいて国民の保護に関する計画を策定することとされています。このいわゆる国民保護計画について、現在の県の作業としては平成十八年三月をめどとして完成するように作業を進められているようですが、現在の取り組み状況はどのようになっているでしょうか。また、来年度の予定についてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
 また、この国民保護計画では、あくまで武力攻撃事態、大規模テロを想定した対策となるわけですが、しかし現状においては、そう日常的に大きな不安となっているものではありません。そこでは、この計画をより有効に活用するために、特に和歌山などでは自然災害対策にも応用、連携できるものとして作成し、幅広い事態に対応できる体制を考えるべきだと考えますが、危機管理監のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、自衛官の専門性を生かした取り組みについて。
 私は、危機管理の専門家、いわゆるエキスパートとして自衛隊OBの採用や自衛隊職員との人事交流が非常に大切だと考えます。現在、他の自治体では、退職自衛官などを含め、防災関係部局への配置が進められている状況があります。平成十五年度には長崎県や鹿児島県など十一団体、平成十六年度からは神奈川県、京都府、福井県などを初めとして十二団体で体制が整えられていて、現在一都二十二府県、二十五名の配置がされているようです。国民保護法の成立、国民保護計画の策定など、都道府県の使命と責任がより一層大きくなっている現状では、自衛官やOBを危機管理のエキスパートとして防災担当課に配置し、危機に臨んでのさまざまなノウハウを日々の業務を通じて県の職員が学習していくことは非常に有益だと考えます。
 今、多数の都道府県が危機管理に係る組織の見直しとあわせて自衛官などの専門家を採用することに積極的に取り組んでいますが、和歌山県としての対応について、知事に現在の対応状況とあわせて今後の可能性について御所見を賜りたいと思います。
 続いて和歌山県の防災計画について、その中で特に今回は議会・議員の位置づけについてお聞きしたいと思います。
 昨年の新潟県中越地震では、大きな被害が出る中、議会・議員の対応についてもさまざまな課題が明らかになっているようです。私の友人で新潟県議である大渕健さんに当時の状況を伺ったのですが、震災時、特に災害が起こってすぐのころは、議会の対応、議員の役割ということで非常に混乱した状況があったようです。そこでは、議員として何ができるのか、議会・議員としてどういった役割を担っているのかということについて、これは住民の方からも数多く御指摘をいただいたそうです。事前の準備段階で、知事、行政にはそれぞれ明確な役割分担がされています。しかし、議会・議員の場合はその役割が明確でなく、いざ災害が起こると情報の入手すらもままならない状況に置かれ、これには非常に困惑したと大渕さんは話されていました。単に情報をとるだけでも、それぞれの議員が個別に対策本部や各担当課に連絡を入れ、行政側としても混乱したようです。大渕さんとさまざまな意見交換をする中で、事前の準備として、災害時における議会・議員の役割の明確化が非常に重要だと強く感じました。
 先日参加した勉強会でも、たまたま同じような話を行政学の権威者である千葉大学の大森彌教授が指摘されていました。「地方自治は議会と知事、それぞれに県民から直接選挙で選ばれるいわゆる二元代表制により運営されているわけだが、災害時には議会・議員の顔が見えない。例えば防災対策本部、防災会議などが設置されたときには、少なくとも議会の代表者も会議に出て災害の状況を把握し、どういった対策を進めるのかといったことについて一緒に考える必要がある。しかし実際には、その位置づけ、役割分担についてほとんどの自治体で明確にはされていない。当然これは議会・議員間での議論も必要であり、活発な論議を期待するが、しかし体制の整備については議会・議員側で一方的に検討できるものではなく、あくまで防災計画を策定するその責任を負っている行政に問題意識を持ってもらわなくてはいけない。しかし残念ながら現状では、防災計画上、改めて議会・議員の位置づけを検討する必要があるという認識を持っている自治体はほとんどない」と指摘されていました。
 実際、和歌山県で緊急時にどういった体制がとられるのか。これは和歌山県地域防災計画にその内容が示されているのですが、その中身を改めて確認してみると、確かに議会・議員のことにはほとんど触れられていない現実があります。
 そこで質問ですが、災害時における議会を含めた体制の再整備についてどのような認識を持たれているのか。また、今後の対応としてどのようにお考えになられているのか。これも危機管理監から御答弁をいただきたいと思います。
 最後の質問となりますが、二十一世紀和歌山の時代を切り開くための環境先進県に向けた取り組みについて。
 最初に紹介した県の職員さんのレポートでも、やはりビジョンの大切さが強調されています。ビジョンを掲げ、そこから戦略をつくり、そしてそれを組織内で共有して目標の達成に向かう、これこそが大切なことだと思います。和歌山県でも、知事はさきの選挙で「私の政策宣言」を発表され、いわゆるマニフェストによりビジョンを描かれているわけですが、和歌山ではあくまで、山を切り開き、海を埋め立て、ビルを建て、大都会を目指すということでは決してなく、和歌山の地域資源、恵まれた自然環境という特徴を伸ばして、和歌山らしさを洗練させていく中で地域の魅力を膨らませていくことが将来への望まれる取り組みだと思います。
 今回の知事の所信表明でも、「環境」といった言葉が特にたくさん使われていました。自然、環境といったものをキーワードとして、さらに知事の言われる都市との交流といった連携をより一層深めることができれば和歌山の価値は大きく増加し、この二十一世紀にこそ和歌山の時代になると私自身強く信じ、夢に描くものです。
 さて、そこで今回は、自然、また環境というキーワードでくくられる幾つかの具体的な提案をさせていただきたいと思います。
 「環境問題への対処法については、我々はその方法を知っている。問題はそれをやるかどうかだ」と、現在の環境経済学者の第一人者であるレスター・ブラウン氏は言います。問題は、現状を正確にとらえ、分析し、そして実行すること。「日本の炭素排出量の削減は難しいのではないか」と、ある雑誌のインタビューで質問を受けて、レスター・ブラウン氏は次のように話しています。場所は東京のホテルオークラで行われたインタビューです。「まず、この部屋の照明を見てください。ここの明かりはほとんど白熱灯ですね。つまりエネルギー消費の高いオールドファッションな電球です。これほど環境に配慮した先進的なホテルであっても、電球はトーマス・エジソンの時代の非効率なものを平気で使っています。日本が炭素を本気で削減するのであれば、例えば日本じゅうの白熱灯をすべて電気消費量の少ない小型の蛍光灯に変えてみたら、それだけでも幾つもの火力発電所を閉鎖することができます。世界規模で電球を蛍光灯に変えれば、数百基という火力発電所を閉鎖できるのです。炭素を削減するということ自体は、それほど大変なことではありません。我々はその方法を知っています。しかし、問題はそれを実行するかどうかです」と話されていました。
 今、各都道府県においても、議論するだけでなく、その実行力が試されています。和歌山でも知事が明確に「環境先進県を目指す」としてさまざまな取り組みを進めようとしていますが、今後はその実行力を証明しなければいけない段階に入っています。
 さて、最近の社会状況としても、和歌山県が真の環境先進県となることへの期待はさらに大きなものとなっているように感じます。先日、京都議定書が難産の末に発効されました。アメリカなどが脱退するなど、まだまだ課題は多いですが、しかし、これは地球温暖化防止、地球環境を守るという新たな時代の幕あけであり、人類の大きなチャレンジが始まる確かな一歩だと思います。
 京都議定書では、温室効果ガスを二〇一二年までに先進国で少なくとも一九九〇年比五%削減するよう義務づけていて、各国は排出枠を売買する京都メカニズムなども利用しながら削減目標の達成に向け努力することになります。早速EUでは、ことし初めから域内でCO2 排出量を取引する市場をスタートさせています。日本は、当初六%の削減義務を負っていましたが、二〇〇三年の速報値では逆に八%増となっていて、目標達成にはトータルで一四%の削減が必要となり、非常に困難な挑戦となっています。しかし、小泉首相は「日本は世界の先頭に立って温暖化対策を進める」と表明し、政府を挙げて削減義務の実現に取り組もうとしています。
 日本も、ここまで一九九八年に温暖化対策推進法を制定し、積極的に温室効果ガスの削減に取り組んできています。この法律では、各自治体にも温室効果ガスを削減する実行計画をつくることを義務づけていますが、しかし、先日公表された毎日新聞の調べでは、二〇〇四年度までの削減目標を具体的に設定しているのは四十七都道府県のうち二十五都道府県に限られていて、その中でも既に排出削減の実行計画を達成しているのは山梨県、さらに達成できそうだとしているのは東京都、三重県、徳島県、福岡県、そして和歌山県です。ぎりぎり達成できるかもしれないとしているのは秋田県、福島県、長崎県で、目標達成があるのはわずか九都県にとどまる状況です。他の十六道府県は〇三年度実績から見て達成はほぼ不可能だということで、温暖化対策を率先する都道府県ですら目標達成が困難な状況、その実行力が疑われる状況になっています。
 和歌山県は、医大の移転を契機に一気に省エネ化が進んだという特殊事情もありますが、しかし、環境改善の取り組みについてしっかりと結果を出していることは紛れもない事実です。今後はさらに真の環境先進県を目指した取り組みを続け、他の都道府県を引っ張るリーダーとしての役割が望まれています。
 そこで、幾つか質問をさせていただきます。
 まず、今回の京都議定書の発効に先立ち、国では、京都議定書の国内担保法である地球温暖化対策の推進に関する法律について、その一部を平成十四年に改正しています。そこでは、温暖化防止対策に地域全体で取り組む行動計画として、地域推進計画の策定、あわせて地域の組織整備として温暖化防止活動推進センターの設置、また人材に係る整備として温暖化防止活動推進委員の育成などが義務づけられ、今後は、県庁内の取り組みに限らず、地域住民、民間の企業に対してより広範に協力してもらう体制づくりが急がれる状況です。
 そこで、法律改正に伴う対応として、現在の県の取り組み状況について、担当部長からその評価をお伺いしたいと思います。現時点では、まだまだ足りない点、うまくいっている事例、また今後改善していくべきポイントなどいろいろとあるかと思いますが、率直にお感じになられているところをお聞かせ願いたいと思います。
 また、今回県では、京都議定書が発効した日に合わせて、県の職員が家庭などで省エネルギー活動に率先して取り組むエコライフ宣言を発表しています。これはなかなか上手に情報発信を行い、マスコミなどでも取り上げられていましたが、今回の発表では「今後さらに活動を加速させる」としています。
 そこで、今後の対応としてどのような取り組みを行われようとしているのか、その具体策について御説明をいただきたいと思います。
 また、今議会で提案されている和歌山県世界遺産条例について。
 これは、県として、地域文化とともに環境を守っていく姿勢が明確にされるものとなっています。自然環境を守る、地球環境を守っていくことが大きな社会問題となっている今の時代には大きな意義のあるものだと思います。今後は、この世界遺産条例を単なる理念条例の制定といったことだけに終わらせることなく、県庁内すべての部署、すべての事業について、その精神が行き渡るような取り組みを進め、その実効性を高めていくことが期待されます。
 そこで知事に、この世界遺産条例の制定を契機として、どのような取り組みに力を入れていかれるのか。特に自然環境を守っていく、活用していくといったことに関しては、知事自身が強い思い入れを持たれているように伺っていますが、今後特に力を入れていこうとされているものについてお考えをお示しいただければと思います。
 あわせて、今後行政として、この条例制定を受けて特に環境を守るといった観点で進めようとする具体的な取り組みについて、現状で考えられているところを企画部長から御説明をいただきたいと思います。
 続いて、和歌山県が環境先進県を目指す中で、その重要な取り組みと位置づけられるリサイクルについてお伺いいたします。
 現在、県ではリサイクルへの取り組みとして、リサイクル製品の認定事業、リサイクル製品活用モデル展示事業などを行い、またリサイクル製品利用推進要綱、グリーン購入推進方針などを策定し、その普及啓発に当たってきています。しかし、その取り組み内容についてはまだまだ改善の余地があり、もう一歩踏み込んだ県の対応が必要とされていると私は考えます。
 そこで、今回はリサイクルの取り組みを加速させる二つの具体的な提案をさせていただきたいと思います。
 先日、三重県にお邪魔し、三重県での取り組みを勉強させていただいてきたのですが、三重県はさすがに全国の手本となるリサイクル先進県、真の環境先進県であり、多くのことを学ばせていただきました。三重県では、平成十三年三月、全国初の条例として三重県リサイクル製品利用推進条例を制定し、リサイクル製品の認定とともにリサイクル製品の優先的な使用を県庁組織全体で徹底して進めています。あわせて、市町村への技術的助言や情報提供なども積極的に行い、三重地域全体としてリサイクルの循環が高いレベルで行える状況をつくっていこうとしています。やはり一日の長、早くから取り組まれているだけあって、和歌山と比較する中では数多く参考になるところがありました。三重県にお邪魔して特に感じたことは、リサイクル製品の利用促進について、「進めろ、進めろ」というかけ声だけでなく、具体的な仕組みづくり、仕掛けが大切だということです。
 そこで、一つ目の提案ですが、三重では公共工事を発注する段階でチェックシートをつくっています。お手元にお配りさせていただいているものですが、これは三重県から参考にいただいてきたもので、リサイクル製品使用の検討を行うチェックリストの総括表となっています。この総括表にあわせて、実はこのほかにも細部にわたる確認を行う附属の表があるのですが、それはすべてお配りできていないのですけれども、三重県の取り組みでは、当該工事に使用可能なリサイクル認定製品があるかどうかのチェックをまずさせると。これについて、まだ細かい表がたくさんついています。次の二段階目で、そのリサイクル製品があったとして、当該工事で使えるかどうかということに関しても判断を行わせる。それで、これらにより県として行われるすべての工事についてリサイクル製品の利用を担当者が必ず確認する仕組みをつくっています。このチェックリストを入れておくことで大幅にリサイクル製品の使用頻度が上がると、三重県の担当者の方は話されていました。
 まず一つ目に、このチェックリストの導入を提案いたしますが、これについて県土整備部長から御答弁をお願いいたします。
 次に、二つ目の提案ですが、事業者のランクづけ、入札資格審査制度からリサイクル促進の取り組みについて。
 現在、県工事の発注に際しては、入札資格審査制度があります。これには、客観的審査項目として国の経営事項審査結果、また主観的審査項目としてはISOの取得状況や受注工事の成績など細かく評価されるものとなっていますが、その中にリサイクル製品の使用状況を評価の対象として入れることを提案します。具体的には、現状ある工事成績採点表の中に社会性を見る評価ポイントがあり、そこには地域への貢献をチェックする欄があります。この中にリサイクル製品の優先使用という基準を設けるというものです。企業にとっては、入札資格のランクを上げるために技術者の確保などさまざまな面で努力をされているわけですが、その中にリサイクル製品の使用に努力したことをしっかりと評価してあげ、そこからリサイクル製品を使用するインセンティブを与えていければと期待するものです。
 またあわせて、工事成績採点表の中で、社会性、地域への貢献度といったものの比重をもう少し重くすることはできないかといったことも検討していただければと思うのですが、これもあわせて県土整備部長から御答弁をお願いしたいと思います。
 環境先進県と口で言うのは簡単ですが、真に環境先進県となるのは非常に難しいものだと思います。しかし、和歌山はそもそも自然保護運動、環境運動が比較的活発に行われてきた地域であり、近くの歴史を見ても、和歌山からは南方熊楠という世界的な偉人も輩出しています。熊楠は、今から百年も前にエコロジーの観点を持って、時には過激な行動も起こしました。近年になって自然保護運動の先駆者としてその行動力が評価されるものとなっていますが、森を守る、自然を守る、環境を守るといったその精神は今の時代にこそ受け継がれるべきものであり、将来にわたって和歌山を支える一つの大切な価値観であり、これからの時代に全国、世界に向けて発信されるべき和歌山のメッセージだと思います。
 高野・熊野の世界遺産登録、世界遺産条例の制定などもよいきっかけです。今こそ、上辺だけのものではなく、改めて県政運営の基本に「環境を守る」といった大きな理念を打ち立て、今後他の自治体を真にリードする環境先進県和歌山を目指した真剣な取り組みを進めていただくことを大いに期待して、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの山下大輔君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、危機管理との関係で、自衛官の人、または自衛官のOBの人を県に採用してはどうかと、しかも幾つかの県ではもう既にそういう取り組みを進めているということでございますが、東南海・南海地震が来た場合に一番大変な被害を受けるというふうにされている和歌山県では、この間のスマトラ沖の地震の津波を見てもわかるように大変なことになる。こういうふうなときに、やはり組織立って活動できる自衛隊との連携ということは非常に大切な要素であると私は考えております。
 これまでにも自衛隊との関係強化は非常に図っておりまして、自衛隊の方では、和歌山県を特に優先して応援に来ますよという話にはなっているんだけれども、何か起こったときに本当にうまくつないでいくためには、そういうふうなOBの人──現職がいいんだけど、現職が難しければOBの人の派遣をやっぱり求めるべきだろうということを去年考えまして、ことしの四月から自衛官のOBの方、もう人選も終わっているようですけども、和歌山県に採用するというふうな形にしました。国民保護法制との関係もありますし、いろんなことで交流によって和歌山県の危機管理能力が高まるものというふうに大いに期待をしているところでございます。
 次に世界遺産条例にかける思いということでございますが、高野・熊野が去年世界遺産になって、ことしは二年目ということになるわけですけども、この高野・熊野というのは、歴史のある神社、仏閣と、それから自然というものが混然一体をなした紀伊半島の全体を覆う特異な世界遺産だろうと思っております。
 一方で、御案内のように京都議定書が発効して、CO2 の削減ということが国、企業、そしてまた個人の責務となってくるというふうな時代になってきたときに、この森林から成る世界遺産というふうなものを環境面でもう一度アピールすることができるのではないかというふうな問題が一つあります。それからもう一つは、急激に日本の国は高齢化が進んでいるわけですけども、そういう中で、近々団塊の世代の方々がリタイアして、そういう方々が、グリーンツーリズムと言いますけども、いやしを求めるような形でこういうふうなところへ来るという傾向も高まるものだろうというふうに思っております。
 そういう時期をとらえて、この世界遺産登録がだんだんと下火になっていくようなことにさせないために、ことし世界遺産条例を日本で初めて制定することにしました。これは、特別の義務とか、そういうふうなものを課するものじゃないんですけれども、和歌山県がいかにこの世界遺産というものを環境保全とかそういう観点から大事にしていくかということを全国、そしてまた世界に宣言するものとして、私は非常に意義のあるものだというふうに思っております。この世界遺産条例を核として、例えば企業の森の活動によっていろんな企業とか組合が和歌山に森を持っていくような活動とか、緑の雇用等で都会からたくさんの人が入ってきて働くとか、それから熊野健康村構想で熊野の森の中でいやしを得るような仕組みを多面的につくっていくとか、そういうふうなことをどんどん進めていけば、この和歌山県の持つ特性を生かした県づくりができるのではないかと、このように思っております。
○議長(小川 武君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 民間での経験を行政に生かす取り組みについてお答えをいたします。
 本県では、民間企業における経営感覚や斬新な考え方、経済活動状況などを身をもって経験させるために、研修として職員を派遣いたしております。民間企業などに派遣された職員につきましては、研修先と密接な関係のある部署への配置はもちろんのこと、帰庁後の意見発表会の開催ですとか、庁内コンピューターネットワークの掲示板サロン・ド・ナレッジへの体験談の掲載など、派遣の成果を組織全体の財産とすべく取り組んでいるところでございます。
 本県の職員派遣は、民間企業以外にも国や他の自治体、大学など多方面にわたっておりまして、それぞれに県庁組織内では得がたい貴重な経験をしておりますので、議員御提言のワーキンググループも含め、これら職員の意見を提言として幅広く取りまとめ、施策に反映できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 次に市町村のペイオフ対策の関係でございますが、県内の各市町村のペイオフ対策につきましては、総務省の通知や研究内容をもとに、県より助言や実態調査などを行っております。各市町村においては、金融機関への預金債権と借入金などの債務との相殺や決済用預金の増額による対策を中心としておりまして、約四割の団体において対策が完了している一方で、約三割の団体においていまだ課題を残しているところでございます。県としては、合併により市町村構成や制度が変更される機会もとらえまして、県・市町村連携会議も活用しつつ、市町村に早急に対策を講じるようアドバイスをしてまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 地域の金融環境の三点についてお答え申し上げます。
 まず、紀陽銀行、和歌山銀行の経営統合に向けた一連の動向についてでございますが、現在、両行においてさまざまな角度から検討に入っているところであり、その推移を注視しているところでございます。このため、県としましては、昨年十一月に発表された両行のコメントにおいて、地域金融基盤の安定化、金融サービスの向上、地域経済の発展への寄与など、国が進めている金融改革プログラムに合致した基本的視点を踏まえていることから、その検討する方向性は理解できるものと考えてございます。
 次に統合に向けた取り組み状況の把握についてでございますが、県から両行に中小企業への円滑な資金供給、従業員の雇用確保等について要請を行い、現況把握に努めているところであります。今後とも緊密な情報交換のもと、最新の情報収集を図ってまいります。
 次に地域経済に及ぼす影響、今後の見通しについてですが、今回の経営統合の検討は、県民、事業者、市場では比較的冷静に受けとめられているものと考えております。現在、両行は統合検討に入っているわけですが、このことにより金融機関の経営基盤の強化へとつながり、地域密着型の県民銀行としてさらなる展開がなされることにより地域経済の発展に貢献、寄与されることを大いに期待しているところであります。しかし一方で、議員お話しのように、県民、事業者にとっては金融機関の選択が限定されることになり、また中小・小規模企業への資金供給、従業員の雇用、県民の利便性などへの影響が懸念されることから、両行の動向を見ながら、地域金融機関との連携強化など適切な対応策を検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 危機管理監白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○危機管理監(白原勝文君) まず、国民保護法の関係でお答えいたします。
 計画策定の取り組み状況と来年度の予定についてでございますが、本県の国民保護計画につきましては、今月下旬に国から示される基本指針やモデル計画をもとに平成十七年度に策定いたします。このため、武力攻撃事態発生時に設置する対策本部組織等の定めとあわせ、計画案や重要事項を審議いただくための国民保護協議会の設置について定めるため、関係条例議案を本定例議会に提案いたしております。
 なお、現在は、協議会の委員構成の検討や事態発生時に大きな役割を担う輸送機関等の法人を指定地方公共機関に指定するための協議等を行っているところでございます。来年度は国民保護計画案を作成し、これを協議会で審議いただいた後、国と協議し、計画を定めるとともに、本議会に報告の上、公表する予定でございます。
 次に国民保護計画と自然災害対策との連携についてでございますが、国民保護計画での避難誘導や救援等の措置については、巨大災害発生時においても適用できるものであるため、地域防災計画における対策との連携を密にし、実効性のあるものとして策定する必要があると考えております。
 次に、和歌山県防災計画における議会・議員の位置づけについてでございますが、議員御指摘のように、災害対策基本法や都道府県地域防災計画では、議会・議員の役割等については明確な位置づけはされておりません。しかしながら、本県の地域防災計画では、災害対策本部の中に議会事務局職員で構成する議会部を設け、情報提供を行うほか、災害調査活動への支援なども行うこととなっております。
 議員御指摘の災害発生時の円滑な情報提供のあり方等につきましては、今後、議会事務局と協議し、検討してまいります。
 以上です。
○議長(小川 武君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 京都議定書発効を受けての県の温暖化対策についての対応でございますが、本県においては、独自の取り組みとして、森林県であるという本県の特性を生かし、他県と連携しながら緑の雇用を推進するとともに、企業の森などにより積極的に吸収源としての環境林整備に取り組んでいるところでございます。
 一方、排出抑制につきましては、京都議定書発効直前に約百六十の団体、個人から成る実行委員会が中心となって開催した和歌山環境フォーラムにおいて多数の県民の参加を得るとともに、今後の行政と県民との協働による温暖化対策への大きなステップになったものと考えております。
 来年度は、国において策定される京都議定書目標達成計画を踏まえ、地域推進計画を策定する予定でございますが、この計画で、県内の今後の排出量の推計をもとに、その削減のための具体的な施策を明らかにするとともに、各分野における対策や県民一人一人が取り組める施策、産業界へのアプローチなど実効性のある計画としてまいりたいと考えております。
 また、県民の温暖化対策推進の核となる県温暖化防止活動推進センターの指定や地域温暖化防止活動推進員の育成、地域の具体的な温暖化対策を推進する地域協議会の育成など、県民生活の身近なところで温暖化対策を行う体制を整備してまいりたいと考えております。さらに、環境学習を深めるため、新たに自然エネルギーシステムや環境分析装置など体験重視の機材を積載した環境学習車を配備し、学校やイベント会場などに派遣してまいりたいと考えております。
 今後とも関係部局と連携するとともに、県民各層とのパートナーシップによる温暖化対策を推進してまいります。
 次に県職員のエコライフ宣言と今後の取り組みについてでございますが、県職員によるエコライフ宣言は、京都議定書発効を契機として省エネに取り組もうと、約一万人の県職員の協力を得て実施しているところでございます。これは、あらかじめ省エネ行動を宣言し、家庭などで実践するとともに、後日自己評価を行うことで今後の省エネ活動をさらに喚起しようとするものです。取りまとめたところ、今後新たに取り組もうとする内容は、平均四・一項目となってございます。今後はそれぞれの項目を点検し、取り組み内容の見直しを図るとともに、県民に対しては温暖化対策関係の研修や地球温暖化防止活動推進員の活動の中で普及啓発を行い、環境に配慮したライフスタイルの定着を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 世界遺産条例を受けての特に環境を守るという観点からの取り組みについてでございますが、議員御提言のとおり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を守り、かつ適切に活用を図り、良好な状態で将来の世代に引き継いでいくという条例の精神、基本理念を全庁的に浸透させ、実践に移していくことが肝要と考えております。
 新年度の世界遺産の保存と適切な活用に係る三十事業、約十億円の世界遺産関連施策の中には、森林環境の保全や自然エネルギーを生かした環境対策などがあります。世界遺産地域の環境の整備が関係部局でなされることとされております。あわせて、世界遺産の周辺環境も含めた一体的な保存の拠点として和歌山県世界遺産センターをこの四月に本宮町に開設することとしておりまして、世界遺産を取り巻く環境保全の必要な取り組みに当たってまいります。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) リサイクルを加速させる具体的な提案、二ついただきました。一つずつお答え申し上げます。
 チェックリストの導入についてでございますが、公共工事における和歌山県認定リサイクル製品の活用につきましては、認定された建設資材が大部分県産品となっており、県産品の活用促進として共通仕様書に優先使用を明記するとともに数値目標を設定して、建設部ごとにそのフォローアップを実施するなど優先利用に努めてきたところでございます。
 今後、認定リサイクル製品のなお一層の活用を図るためには、工事発注段階だけではなく、計画の段階から検討することが重要であると考えております。議員御提案のチェックリストの導入など、さらなる活用策を検討してまいります。
 それから、二つ目の御提案の方でございます。入札参加資格審査におきましては、工事成績など企業のさまざまな努力や成果、これを評価する項目を設けておりますが、今後受注者みずからの自主的なリサイクル製品の使用をさらに促すため、例えば工事成績の評定に当たりリサイクル製品や県産品の使用状況に関する項目を明確に加えるなどにより、入札参加資格審査における企業評価に反映できるよう検討してまいります。
 いずれにしても、リサイクル製品のさらなる活用に向け、今後ともさまざまな工夫をしてまいります。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十六番山下大輔君。
○山下大輔君 御答弁いただきました。ありがとうございました。簡潔に二点だけ要望を申したいと思います。
 まず、一点目の危機管理の問題。自衛官の採用に関して検討していただける、もう準備をしているということで御答弁いただけました。実はこの質問自体は私自身も昨年から準備していたもので、いろいろやりとりをやって、結果として今議会の提案になったんですけれども、これは自衛官のことだけじゃなくて、本当に専門性を持った人間を、やはり衆知を集めて防災の事前準備に当たるということが非常に大事だと思います。神戸の震災を含め、新潟の現地の方にも、両方行ってまいりました。確かに、事前の予測を超えたような状況というのはやはり起こると。それには準備にかける労力というのを、やってやり過ぎのことはないと思いますので、できる限りのことを取り組んでいただきたいと再度お願いしておきます。
 最後に環境先進県に向けた取り組みの部分ですけれども、これは企画部長もお話しいただいていたように、徹底して自然環境を守って、あわせて適正な活用を考えていくと。実はこれからの地域づくりで考えると、やはり選択と集中だと。和歌山というのは、もう単に工場誘致や大企業が来てくれるということだけじゃなくて、地域の資源を徹底して生かすことにより価値を高めていくということが和歌山の生き残りの一つの選択だと思います。この環境先進県に向けた取り組みもベースになると思うんですけれども、和歌山の特徴を生かした地域づくりというのをしっかりと今後とも続けていっていただきたいと思います。
 以上です。
○議長(小川 武君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山下大輔君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時一分散会

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