平成16年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○議長(小川 武君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十四番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 さきに先輩・同僚議員から、今回私が質問をさせていただきます市町村合併並びに防災対策等につきましては若干重複する箇所もあろうかと思いますが、何とぞ御了承のほどよろしくお願いを申し上げます。
 まず初めに、和歌山県下の市町村合併の現状と県の合併に対する取り組みについてお伺いをいたします。
 平成五年六月に「地方分権の推進に関する決議」に始まった「平成の大合併」と言われる今回の合併も、いよいよ実行の段階に入り、住民に身近な市町村は、住民のニーズに応じた行政サービスを提供する上で中心的役割の担い手になるよう期待されております。こうした市町村が広域化、複雑・多様化する行政ニーズ、特に市町村単独では解決のできない環境問題等に的確に対応していくためには、広域行政に向けた一層の取り組みによりその体制整備を図ることが急務になっていると思われます。
 さらに、昨年「片山プラン」と言われる、いわゆる市町村合併促進プランというのが作成され、一点目は、個別地域に対する重点的な取り組みの展開として、総務省としての積極的な取り組み、また都道府県としての積極的な取り組みへの要請、二点目は積極的な広報の展開等、そして三点目は市町村合併を推進するための法的対応、四点目は市町村合併の手続の迅速化など、推進に向けた施策が公布されました。
 こういった状況の中、去る十一月十日に先輩・同僚議員とともに第四回都道府県議会議員研究交流大会に参加をさせていただきました。第一部は慶応義塾大学の小林良彰教授の基調講演があり、引き続き分科会が開かれました。私は第三分科会の「市町村合併の進展と都道府県のあり方」に出席をさせていただきました。進行役は中央大学の佐々木信夫教授で、報告者に広島県議と北海道議が壇上で現在の進捗状況等の報告がなされました。特に、合併が進んでいる広島県では、平成十二年度、合併パターン作成時では八十六の市町村がございましたが、平成十五年四月一日現在においては七十九市町村であります。そして明年、平成十七年三月三十一日見込みで、村がなくなり、合併後の市町数は二十九にまでなるとの報告があり、一瞬会場にどよめきの声が上がったことも事実でございました。私自身、この報告をお聞きしたとき、広島県では大変進んでいるのだと感心をいたしました。
 一方、本県は、当局の御努力にもかかわらず、合併の進捗状況は依然不透明なところも多いように思います。また、人口減少に加え、高齢化率も全国平均よりも高く第十五位で、今後の諸問題も多く山積しているのが現状であります。しかしながら、現在、県下において合併に対する住民の意思もさまざまで、住民投票により是非を問うといったところもあれば、議会と首長との意見相違があり、なかなか進まない地域もあるのが現実であります。
 私自身、今回の市町村合併については推進すべきとの立場であります。意見を求められれば、その都度、合併の必要性を述べさせていただき、理解と協力を訴えております。しかし、合併特例法期限が明年、平成十七年三月三十一日に迫っております。紀北、紀中、紀南といった本県独特の県民性の違いや、また文化、産業の違いもあり、それぞれの地域に応じた施策の実行が必然的になってきます。本県のあるべき将来像をかんがみれば、市町村の合併を積極的に推し進めることにより住民にとっての広域的観点に立った個性豊かな町づくりと施策の展開が可能となります。
 以上のことから、市町村合併に対する知事の御所見をお伺いいたします。
 また、総務部長には、合併論議に際しどういったアドバイスをなされてこられたのか、また今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、防災対策についてお伺いをいたします。
 本年度の当初予算に計上されております本県の橋梁に対する耐震対策事業がございますが、県都和歌山市には一級河川の紀の川があり、橋梁の延長が長いため、地域住民の皆様より、特に北島橋や六十谷橋について、耐震については大丈夫か、また補強は大丈夫かといった心配の声が多々ございます。
 皆様も御承知のとおり、北島橋の供用は昭和十三年からでありまして、和歌山市の人口約三十八万余人のうち約十七万人が紀の川右岸で住んでおります。私もそのうちの一人でありますが、安心で安全な生活活動を提供できる環境づくりの一環として、橋梁の耐震対策及び橋梁の補強対策の観点から、今後の和歌山県下の橋梁耐震対策計画並びに和歌山市内の紀の川流域にかかる橋梁の耐震対策並びに補強について、県土整備部長にお伺いをいたします。
 また、ことしは本県にとっても日本国じゅうにおいても、台風による風水害による被害が多く発生いたしました。特に台風二十三号による田辺市の目良団地での被害は大変なものでありました。私の友人から当日の状況についてお聞きいたしましたところ、当日は高潮が防波堤を越してきて海水が一気に地域一帯に流入し、結果、目良団地内一帯が一瞬にして冠水し、自家用車が浮くような状態になった、直ちに約四百人に避難勧告が出され、近くの小学校や田辺のかんぽの宿に住民たちは一時避難をされ、一時はどうなるのかという不安感でいっぱいであったとのことでございました。
 もともと本県は、海と山とに挟まれ、海岸に沿った状態での都市形成で発展し、今日まで至っておりますが、こういった海岸沿いの住民の安全対策について、関係機関との協議も必要でありますが、今後どういった方策で安全確保をなされるのか、県土整備部長にお伺いをいたします。
 続いて、和歌山市に七瀬川という天井河川がございまして、以前、大雨の際に北野という地域付近で河川が決壊し、多くの住民が避難をいたしました。その後、県当局から改修計画を地元住民の皆様へ知らされておりますが、現在の進捗状況について県土整備部長にお伺いをいたします。
 また、引き続き、通学路に指定されております鳴滝川の下流部分にかかっている水道橋も、皆様も御存じのとおり、朝夕の通勤・通学時には車や単車の往来も多く大変危険な場所で、以前より安全対策の必要性を指摘されております。私が市会議員当時にPTAの関係者の方々から強い要望を受け、当時の建設省和歌山工事事務所へ橋のつけかえの陳情に行かしていただきました。以上のことから、学童の交通安全確保と交通緩和の観点から早期に橋のつけかえを望みます。今後の見通しを県土整備部長にお伺いをいたしたいと思います。
 次に、軽度発達障害児の支援の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 まず初めに、昨日、昼休み時間に大塔村にあります障害者施設の方と、そして三川小学校の全校生徒による演奏会を見させていただきました。先輩議員の御配慮をいただきまして、皆さんとともどもに県庁前で、しばらくの間でしたけれども、参加をさせていただきました。ソロで歌われた青年も、また演奏を必死になってされている方々や、また小学校の生徒の皆さんも一生懸命それに参加しているという姿を見て、私は大変感動いたしました。これからもこういった活動に対してできる限りの協力をやっていきたいなと、そういう所感をまず述べさせていただき、また皆さんにお礼の気持ちを表しまして質問に入りたいと思います。
 長年我が公明党が提唱し、超党派の議員連盟で推し進めてまいりました自閉症や学習障害(いわゆるLD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などへの支援を定めた発達障害者支援法がさきの臨時国会において成立し、二〇〇五年四月一日施行されます。発達障害者は人口の約五%以上とされる頻度の高い障害とされておりますが、発見がおくれ、不登校や引きこもりなどの二次障害を引き起こすケースも多いとされております。現在、知的障害を伴わない場合は障害と認定されないため、現在までは必要な支援がおくれてきたのが事実であります。
 今回の法案は、発達障害の定義を自閉症や学習障害などの脳機能障害であり症状が低年齢で発現するものと初めて明記され、国及び地方自治体に早期発見と早期支援が行われるよう必要な施策の実施を定めています。具体的な支援策としては、専門的な相談や助言、また発達障害者支援センターを都道府県に置くことができると規定されております。これにより、現在全国に十九カ所しかない自閉症・発達障害支援センターの設置促進が大きく進むことに大いに期待をしている一人であります。そして、発達障害への支援策として重要な早期発見に関しては、一歳六カ月児健診と三歳児健診、また就学時の各健診で発達障害の早期発見に十分留意しなければならないとした上で、保護者に対し相談、助言などを行うよう市町村にも求められております。また、保育、教育、就労、地域生活など、成長段階に応じてきめ細かな対策が行われるよう適切な配慮や支援体制の整備を定めたほか、障害による権利侵害が起きないよう支援も明記されております。さらに、周囲の理解が二次障害を防ぐための第一歩になることから、国民に対して発達障害者の社会参加に協力するよう努力義務も設けられております。
 私は、以前からこの症状でお困りの御家族に接するにつけ、何とか支援の方策がないかと思案をしているときに、今夏、さきの九月議会にて皆様方の御協力を得まして意見書を採択していただきました脳脊髄液減少症、いわゆるブラッドパッチ療法について皆さん方に大変お世話になりまして採択をしていただきました。このブラッドパッチ療法の意見交換会が大阪で行われました。そこに私も参加をさせていただき、各地よりドクターや、また他府県の議員も参加しての意見交換が濶達に行われました。
 席上、兵庫のドクターより、来る十二月十二日にこのブラッドパッチ療法について、新潟においては医療関係者による講演会が予定されておりますと。日曜日でありますけれども、また和歌山県におかれましても医療関係者の方にぜひとも御参加をしていただければ幸いか、こういうことのお話もございましたので、添えてお話をさせていただきます。
 その意見交換会の中でLD、ADHDの話題になり、十一月六日に千葉県は市川市にてNPO法人・空の色はそらいろの主催する講演会への参加要請があり、先日、出席をさせていただきました。初めに堂本県知事及び清水教育長のメッセージが紹介され、本年四月に特別支援教育課を設置し、現在積極的に取り組みをされ、特別支援教育の整備体制に全力で現在取り組んでいる旨の報告もございました。また、あいさつに立った国会議員の話の中で平成十七年度の予算に八億四千万円の見通しがついたとの話もあり、全国的な広がりに期待したところであります。講演会の内容は、発達障害者を抱える家族に対する理解と支援について、そして個人差のあること、さらに周囲の無理解による他者からのいじめや虐待など二次障害について、正しくこの病気を理解することの重要性が述べられていました。
 私は、この二次障害については本当に防いでいかなければならない、またそうでなければ余りにも不幸であるとも思いました。ADHDが適切にケアされないと、子供たちが自信や自尊心をなくし、その結果、うつ状態、不登校、引きこもり、家庭内暴力などを引き起こす場合があり、これらが二次障害と言われます。
 講演に立たれた久子・カニングハムさんは、三十八年間、アメリカはニューヨークで在住され、コミュニケーションセラピストとして子供たちの発達相談の活動をされ、現在、九州は太宰府市の第一福祉大学教授と長崎純心大学客員教授として活躍をされておられます。今回の講演での内容は、こういった症状に対する社会的認知と行政の対応の立ちおくれを指摘され、啓発活動の重要性を訴えられておりました。
 したがいまして、今臨時国会において法律が成立し、いよいよ全国各地で本格的な発達障害者を社会で応援をしていく体制づくりと、また発達障害の無理解をなくす第一歩がスタートできると期待を寄せるものであります。
 以上のことから、自閉症・発達障害支援センターの進捗状況及び乳幼児における定期健診時での対応、並びに保護者へのペアレントトレーニング等の体制づくりや医療機関における精神科、小児科等、保健所といった関係機関との現状と今後の方策について福祉保健部長にお伺いいたします。
 また、学校現場での現状と今後の対応についても教育長にお伺いをいたします。
 最後に、学校教育における総合的な学習についてお伺いをいたします。
 平成十年に、児童生徒がみずから学び、みずから考える力などの生きる力の育成を掲げた新学習指導要領が告示され、教育内容の厳選や総合的学習の時間の新設がされました。その後、平成十四年度より完全週五日制が導入され、大幅なカリキュラムの削減を骨子とする新学習指導要領が完全実施され、今日に至っています。
 昨年、文科省において学習指導要領の一部改正等が行われ、「初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について」を踏まえ、確かな学力を育成し生きる力をはぐくむという新学習指導要領のさらなる定着を進め、そのねらいの一層の実現を図るために平成十五年十二月二十六日付で小学校、中学校、高等学校並びに盲学校、聾学校及び養護学校の学習指導要領等の一部が改正され、現在に至っております。
 改正された中でも、総合的な学習の時間については、特に生きる力の育成を目指し、これまでの教科を超えた学習などができることであります。また、総合的な学習時間の一層の充実については、各教科、道徳及び特別活動で身につけた知識や技能等を相互に関連づけ、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにすることを加えることを規定されております。
 この総合的な学習時間のねらいは、知恵を教え込むのではなく、みずから学び、みずから考える力の育成、また、学び方や調べ方を身につけるといった、みずから課題を設けて行う学習や将来の生き方を考える学習であります。また、特色が国が一律に内容を示さないで学校そのものが創意工夫して行えるという点であります。本県においてもいろいろな総合的な学習が実施されておりますが、特に私自身が注目した事例を御紹介させていただきたいと思います。
 平成十二年に開館した和歌山県動物愛護センターでは、動物と人とのかかわりを通じ命の大切さを学習する目的で、実際に動物に触れさせ、心音を聞いたり、動物の習性や能力、動物由来の感染症、また働く動物に関することなど、多岐にわたり学習することができます。これらの事業を通じて動物について正しい知識を深め、適正飼養や動物愛護精神を普及していくことにより、人と動物が共生する潤いのある社会創出に取り組んでおります。
 この施設では、平成十四年度から「わうくらす」(Wakayama Animal Welfare CLASSの略)で総合的な学習の時間を利用し、順序立てて複数回にわたり継続的に行う動物愛護教室があります。ここに、実際に行われた学習結果のアンケート調査がございますので、一部御紹介したいと思います。
 アンケートの回収率は、児童におきましては一〇〇%で、保護者では九五%であります。児童からは、「最も印象に残っていること」の設問については、「犬との体験」、次に「盲導犬」、さらに「ズーノーシス」がありました。次に、「初めて知ったこと」の設問については、「ズーノーシス」、次に「犬との正しい接し方、扱い方」、さらには「捨て犬の現状」などがありました。「これから動物に対してどのように接していきたいか」という設問に対しては、「きちんと世話をして最後まで飼う」、次に「正しい接し方をする」、さらに「動物の気持ちを考えて接する」などがありました。次に、「わうくらす」で感じたことに対する設問には、「今までにない授業であった」、また特に「命の大切さを感じた」などが多くありました。また、保護者の感想は、「動物を飼うには根気と責任を持つことが大切だと学んだ」、また「動物に興味を持つようになった」、さらに「飼っている動物の世話を進んで行うようにもなった」などの回答がありました。
 ここで、保護者の方の感想文なんですが、ちょっと読ませていただきますので。「動物愛護センターの方と共に総合学習をしていくという事を子供の断片的な話を聞いてはいたものの、実際、参観日に授業内容を見て、自分の思っていた事とは大きく違っていたことを認識させられました。動物を通じて学ぶいろいろな事。終生飼養や繁殖制限に関しては、人間にも通ずるところもあり、親として子供を育てていく上で、考えさせられる思いがしました。命の大切さを動物を通じて学び、それは全ての命あるものに対して同じだということ、慈しむことを感じてくれているようでした。特に犬は、近寄る事も苦手だったにもかかわらず、しっかりと抱くこともでき、夏休みにも犬のお世話をするためにと、自から進んで愛護センターに出かけて行き、とても楽しんで帰って来ました。お世話は楽しいばかりではなかったであろうに……。楽しめたということで成長かなーと思っております。ありがとうございました。」という保護者の方の感想文でありまして、子供さんの文は「わうクラスについて」ということで、「私は、わうクラスの学習して、犬のいろんなことがわかりました。例えば、盲導犬を見せてもらったことです。私は、初めて盲導犬を見て、かしこい犬だなと思いました。それに、盲導犬は仕事中にさわってはいけないということを知りました。他にも、子犬の心ぞうの音を聞いて、速いなあと思いました。みんなで犬のさんぽした時には、犬のさんぽができてよかったし、たのしかったです。わうクラスで、いろんな学習をして、動物をかうに責任をもたなくてはいけない、「生命の大切さ」をしりました。これからは、動物を大切にしていきたいと思っています。動物のことがよくわかってよかったです。」というふうな、これはそのままお借りしてきた感想文でございますが。
 という、今の感想を述べさせていただきましたが、以上、総合学習の一環として動物愛護教室、現実に今現在行われております「わうくらす」で学んだ多くのことから、児童や保護者にとって動物との体験は本当に印象深いものがあったんだろうなというふうに感じられます。その体験の中で得た正しい知識により、相手の気持ちを考える、また思いやりのある心がはぐくまれ、生き物もまた自分と同じ命であること、また命の大切さを感じることができ得たとも感じました。
 しかしながら、県下の参加校は平成十四年で一校、平成十五年度で二校、そして今年度で三校といった現状であります。現在、学校や社会、とりわけ子供たちを取り巻くいろいろな悲惨な事件は後を絶えません。将来、今の子供たちが社会活動の中心者であることは言うまでもありません。したがいまして、今後、県教委として「わうくらす」の周知徹底も含めた総合的な学習について教育長にお伺いをいたします。
 また、県動物愛護センターの現状と今後の取り組みを環境生活部長にお伺いいたしまして、私の第一問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 県下の市町村合併についての御質問でございます。
 ただいま御質問にありましたように、広島県は非常に進んでいるわけでございます。ただ、和歌山県も、先ほどの答弁でも申し上げましたように、もともと五十あった市町村が二十七、八ぐらいになるということで、全国的に見れば非常に、頑張っているという言い方がいいのかどうかわかりませんけども、それぞれの関係の団体は苦労していいところまで持ってきているというふうな感じもあります。
 そしてまた、合併することによって、この厳しい財政状況の中で行財政基盤が強化されて、今までできなかったような思い切った施策も可能になるというふうなことで、非常にプラスの面も考えられますので、県としては、残された合併特例法の三カ月の間、また合併に向けて頑張っていくところについていろいろな形で支援をしていきたいと、このように思っております。
○議長(小川 武君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 市町村合併についてお答えを申し上げます。
 合併の推進につきましては、県といたしましても、市町村合併支援本部を中心に全庁を挙げて最大限の努力を行ってきたと考えております。具体的には、合併の必要性をさまざまな場面でPRすることによる機運の醸成から始まりまして、合併協議に対する職員の派遣や各種財政支援などを行うほか、協議が難航したような場合には各市町村間の調整もさまざまな方法で行ってまいりました。具体的な方法といたしましては、その時々の情勢に応じて、私自身も含め本庁の幹部や振興局の幹部、担当課長などが各種機会をとらえ、さまざまな方法で合併の推進の働きかけや調整を行ってまいりました。その際には、住民の福祉の維持・向上や地域全体の発展という合併の大局を見据えた議論が大変重要であるということを訴えてまいりました。
 今後とも、県といたしましては、法期限内での大きな合併効果を踏まえまして、住民の福祉維持・向上と地域全体の発展のために、期限内の合併をぎりぎりの最後まであきらめずに引き続き市町村と一緒になって合併推進に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 防災対策について四点、お答え申し上げます。
 県下の橋梁耐震対策についてでございます。
 東南海・南海地震等の巨大地震が発生した直後には、救援復旧物資などを確実に、また速やかに運搬できるよう緊急輸送道路を早急に確保する必要があり、その耐震性能の向上が重要であります。
 現在、県内には緊急輸送道路にかかる十五メートル以上の橋梁は四百二十五橋ありますが、そのうち昭和五十五年以前の古い設計基準でつくられた橋で主に県土の骨格となる第一次緊急輸送道路にかかり特に対応が必要な百十五橋について、今年度から十年間で重点的に耐震化対策を行う計画であります。
 その計画の中で、和歌山市内や紀の川にかかる橋梁は四橋含まれております。今年度は、特定重要港湾である和歌山下津港と阪和自動車道を結ぶ和歌山港線の港橋、紀の川にかかる国道四百八十号の大門口大橋、国道四百二十四号の竹房橋を初め、県下で十二橋の耐震化対策を行っております。特に昭和十三年に架設された北島橋については、長命化対策として橋脚の補修や塗装の塗りかえ、路面の補修を行うとともに、落橋防止装置の整備などを本年度から三年間で完了する予定です。
 次に、堤防や海岸沿いの安全対策についてでございます。
 まず、御指摘の田辺海岸の被災箇所につきましては、護岸の前に消波工を新設する工法により、国の災害査定を経て早期復旧に努めてまいります。また、海岸の安全対策につきましては、緊急性の高い箇所から堤防のかさ上げや離岸堤の設置など、海岸保全施設の整備を進めております。これらの事業を鋭意進めるとともに、今後とも、海岸背後の土地利用状況や過去の災害履歴等を考慮して、事業効果の高い箇所から計画的に施設整備を進め、安全性の確保を図ってまいります。
 次に、七瀬川の改修状況についてでございます。
 七瀬川につきましては、紀の川合流点から鴨居川合流点までの千六百メートルの間について、平成六年度に事業着手し、現在、用地取得の促進を図っているところでございます。この河川につきましては、浸水被害の防止軽減はもとより、県の主要プロジェクトである高速道路整備の円滑な推進を支える事業としても重要であると認識しておりまして、関係機関とも調整を図りながら今後とも早期改修に努めてまいります。また、維持管理につきましては、治水上の支障等を勘案しながら、護岸の補修、定期的な除草や堆積土砂の掘削を行っているところであり、今後とも適正な維持管理に努めてまいります。
 次に、鳴滝川下流の水道橋つけかえについてでございます。
 水道橋付近につきましては、交通量が多い上、線形が悪く歩道がない区間もあるため交通の支障となっており、改良が必要であると認識しております。現在、国、県で進めている鳴滝川の改修事業にあわせて橋梁のかけかえを含む前後道路の改良を行う予定で国と道路の改良計画について調整を進めているところであり、早期整備に向けて努めてまいります。
○議長(小川 武君) 福祉保健部長嶋田正巳君。
  〔嶋田正巳君、登壇〕
○福祉保健部長(嶋田正巳君) 軽度発達障害児支援の現状と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 まず、自閉症・発達障害支援センターについてでございますが、この支援センターは、自閉症等の特有な発達障害を有する方々に対する支援を総合的に行う拠点となるため、現在、関係団体や有識者の方々と本県における発達障害者に対する支援のあり方とセンター設置に関して種々意見交換を行っているところでございまして、できるだけ早期に設置してまいりたいと考えております。
 次に、関係機関との連携と今後の方策についてでございますが、県では、乳幼児の定期健診等の対応として親子の健康づくり支援マニュアルを策定し、乳幼児における発達障害の早期発見や早期療育等に対応できるように努めてございます。また保健所では、未熟児等への訪問指導や発達障害の疑いのある乳幼児に対する相談や診断を医師、臨床心理士などの専門職により行っております。市町村におきましても、子供の発達について保護者が理解するよう、また具体的な接し方を学べるよう、親子教室などを開催しているところでございます。
 今後もさらに医療機関、児童相談所等、関係機関と連携を密にしながら、乳幼児の発達を促進し、家族支援ができるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 総合的な学習に関連いたしまして、県動物愛護センターの現状と今後の取り組みについてでございますが、同センターは、人と動物が共生する潤いのある社会の実現を目指し、動物愛護精神の高揚と動物の適正な飼養に関する事業を展開できる拠点施設として、平成十二年四月の開館以来多くの方々に御利用いただき、年間来館者数は二十万人を超えております。
 現在、動物との触れ合い、愛護教室、犬のしつけ方教室、わうフェスタ等の動物愛護啓発事業を実施しており、その一環として、野上町及び貴志川町の小学校三校で総合的な学習の時間において、動物愛護に関する授業を通して児童が命の大切さを感じ、他人への思いやりの気持ちをはぐくみ、動物の適正飼育について理解し実践することを目的とした「わうくらす」を実施し、一定の成果を得られております。
 今後、この事業を拡大するため、引き続き講師及びボランティア育成のための講習会を開催するなど、人材の育成確保を図るとともに、県教育委員会と連携しながら「わうくらす」の推進に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(小川 武君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) まず、学校教育における軽度発達障害児への支援についてお答えします。
 現在、小・中学校などの通常の学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等、軽度発達障害のある児童生徒への教育的支援が喫緊の課題となっております。そのため、教育委員会では、昨年度から特別支援教育コーディネーターや巡回相談員を小・中学校に派遣するなど、具体的な支援のあり方について実践・研究を進めております。本年四月には、和歌山ビッグ愛に開設した教育相談室において、障害のある子供たちを対象とした専門的な相談活動を新たにスタートさせております。また、盲・聾・養護学校では、教材等の提供や教育相談の実施などを通して小・中学校などでの取り組みをより適切に支援できるよう努めております。
 議員御指摘の不登校につながるなどの憂慮すべき事態を招かないためにも、軽度発達障害児に対する教職員の正しい認識と適切な対応は極めて大切であります。このため、管理職を初め教職員に対する研修を幅広く実施するほか、大学教員による講演会等を開催しているところであります。
 今後もこうした取り組みを発展させ、特別支援教育の一層の充実に努めてまいる所存であります。
 次に、学校教育における総合的な学習の時間についてお答えいたします。
 現在、児童生徒を取り巻くさまざまな社会情勢の中にあって、命の大切さや人と動物との共生などについて子供たちが学ぶことは意義のあることでございます。現在、総合的な学習の時間などで県動物愛護センターの事業を活用して人と動物との共生などについて学習している学校がありますが、こうしたことがより広く取り組まれていくよう期待をしております。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十四番角田秀樹君。
○角田秀樹君 知事並びに関係部長、また教育長からの御答弁をいただきました。ありがとうございます。要望と、何点か意見だけ述べさせていただきたいと思います。
 合併につきましては、県当局の御努力もありまして、進捗状況をお伺いさせていただきましたが、どうしても合併に至らないといったところも必然的に出てくると思われますけれども、最後まで残された期間、本当に──結果的にそういったところの地域については、住民のニーズに対する行政サービスの低下ということがやっぱり顕著にあらわれてくるというのが必然的と思いますので、最後まであらゆるチャンネルをもって推し進めていただきたいということを特に要望をしておきたいと思います。
 あと、防災対策におきましては、先ほど七瀬川の下流地域、現在計画に応じて用地買収云々という話がございましたが、その上流のところに居住されている、いわゆる以前決壊されたその付近の住民の方々が、降雨量が非常に多い時期、天井川でございますので、川の方が自分の家よりも高いんですから、本当に決壊ということを非常に心配をなさっておりますので、都度、修繕とかそういったものに──最終的に拡幅して矢板を打ち込んで川そのものをば強化するということではありますけれども、時間もかかりますので、その辺、十分心配りをしていただきながら今後進めていっていただきたいと思います。
 鳴滝川については、国とのいろんな、また和歌山市との関係もあろうかと思いますけれども、本当に非常に使いにくい橋でございますので、これもあわせて要望をしておきたいと思います。
 次に、自閉症、また発達障害の方々の支援というのが、今臨時国会で今回初めて法律ということできちっと裏づけをされました。これで一挙に進むという期待をするんですけれども、まず拠点づくりの支援センターというのがなければだめじゃないのかなというふうに思います。そのセンター設置に向けまして、できるものならば来年度からスタートできるような体制を組んでいただけば幸いかなと。そこを中心にしながら各関係団体との連携もとりながら、こういったLD、またADHDの方々に対して、今まで支援の手の差し伸べの、いわゆる根拠がないためになかなか手が入らないという、そういうところは今回かゆいところにも手が届くような状況になりましたので、ぜひとも早期に設置をしていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 最後に、総合学習の運用のことなんですが、県の動物愛護センター、私も寄せていただいたんですけども、あと別の子供さんの感想文があるんですが、年間やっぱり何千頭という犬とか猫があそこで処分されてるんですね。こういったところの部分も本来ならば解決をしていく一番手っ取り早い方法は、やっぱり育てる。ただかわいいから犬を飼いたい、またかわいいから猫を飼いたい、そういうんじゃなしに、実際にその命の大切さということを学ぶ中で、また人との接し方、こういったことも学んでいけるという本当にいい機関でございます。お聞きしましたら約五十億円でこの県の動物愛護センターというのをつくっていただいたと。このつくっていただいた、いわゆる皆さんの税金での活用を多岐にわたって、総合学習という中で位置づけていただいてもっと啓発活動にも教育委員会の方でお力をいただければ、新しい人間形成ができ上がってくるんではないかなというふうに思います。
 また、動物愛護センターにおかれましては、ホースセラピーというのもございますので、かなり時間もかかろうかと思いますが、今後発展的にできればそういうものの新設も視野に入れながら御検討していただければ幸いかと思います。
 以上、もう要望とまた意見ということで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。

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