平成16年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(藤井健太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十三番藤井健太郎君。
  〔藤井健太郎君、登壇〕(拍手)
○藤井健太郎君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず、地方分権と三位一体の改革についてであります。
 これまで三位一体の改革については毎議会のように取り上げさしていただきましたが、ようやく十八年度までの全体像が決定をされ、新年度予算にも反映されることになりました。私なりによく見てみますと、十七・十八年度で国庫補助負担金を二兆八千三百八十億円も廃止・縮減するとしていますが、肝心の国からの税源移譲額はその約六割の一兆七千七百億円に値切られており、残りはメニューの廃止や補助金にかわる交付金化するとされています。十六年度分の六千五百六十億円を乗せてようやく税源移譲額が二兆四千百六十億円になるというものです。十七年度、十八年度での国庫補助負担金の削減に見合う税源移譲になっていないと言わざるを得ません。
 国庫補助負担金の廃止・縮減の内容としては、焦点となった義務教育費は二年間で八千五百億円を削減、十七年度分はその半分の四千二百五十億円を削減するとなっていますが、肝心の削減の中身については来年秋の中央教育審議会にゆだねられるとのことです。そして、国民健康保険に新たに都道府県負担を導入し七千億円を削減、生活保護費負担金と児童扶養手当の負担率見直しを対象にして、これも来年秋に結論を得るなどとなっています。地方税、地方交付税などの地方の一般財源の総額は確保するとしていますが、既に地方交付税の算出の根拠となる地方財政計画は引き続いて合理化・抑制することが明らかにされています。
 今回示された全体像を見る限り、地方分権の理念も明らかにされず、しかも地方側が求めていない国民健康保険負担金を削減に加え、生活保護、児童扶養手当など国が国民に対して責任を負うべき社会保障分野の負担金削減を進めようといたしております。このことは地方財政への負担転嫁でしかなく、地方自治体の財政運営を一層困難に追い込むことは明らかです。果たして地方分権の名に値する改革と言えるのかどうか、新年度予算にはどのように影響するのか、今後どのような展開となっていくのか、直接県民生活にもかかわってくる重要な問題でもあります。
 そこで、知事並びに総務部長にお尋ねをいたします。
 今回、国が示した三位一体の改革の全体像について、知事の率直な評価と何が問題点であると考えているのか、お聞きしたいと思うんです。
 朝日新聞の十二月四日付の報道でこの問題について大半の知事が不満や批判を表明し、十一人が落第点をつけています。その中の一人が木村知事ということになっているわけですが、「合格とは言いがたい」「国の財政再建を最優先させる財務省の作戦にはまってしまった」、こういうコメントが報道されておりました。一方、開会日には「半歩踏み出したもので評価できる部分もある」と部分評価され、「しかしながら」と続いて批判を展開されております。今回の全体像に対する地方自治体側での受けとめ方は、全くの落第とする知事や合格点に近い評価をする知事などさまざまのようで、知事の思いがそれぞれの都道府県での県民への説明の仕方、予算編成に対する基本姿勢にも影響するのではないかと思います。
 木村知事は何をもって評価に値すると言われ、何を批判されているのか。今回の国が示した全体像は何だったのか。今後どのような方向に向かっていくのか。地方分権の理念について、既に地方分権推進委員会、本格的な議論がされて十年にもなろうかとしているわけですが、国と地方との間でどのように整理をされてきているのか、知事の所見をお尋ねいたします。
 二つ目に、地方分権と三位一体の改革ということで今回の全体像が示されたわけですが、一体県民にとってどういうことになるのか、ますますわからなくなってまいりました。県が目指そうとしている地方分権の姿はどういうものなのか、きちんとした県民への説明が必要であります。
 県の広報紙「県民の友」十二月号を見てみますと、このたび県が策定した財政改革プログラムが掲載をされておりました。このままでは十七年度から二十年度の四年間で一千五十億円の財源不足が見込まれると財政の厳しさが強調され、県民の理解と協力を求めています。地方分権のための三位一体の改革によって県財政が破綻するのでは、これはもう本末転倒と言わなければなりません。県が目指そうとしている分権型社会というのはどういうものなのか、そこでの県民の暮らしはどうなるのか、県民向けにだれでもがわかるような広報がされていないようにも見受けられます。
 この質問に合わせたかのように、一昨日、県から私の家に資料が──皆さんの家にも送られたと思うんですが──今月七日に地方分権に関するホームページを開設したというペーパーが入っておりました。県民向けの地方分権パンフレットなどを作成して──財政の厳しさが「県民の友」で強調されているわけですが、一体県がどのような方向でこの地方分権を進めようとしているのか、こういった丁寧な説明、パンフレットなど作成して県民へのきちんとした説明をすべきだと思いますが、この点についても知事の見解をお尋ねいたします。
 三点目に、今回の三位一体の改革が新年度予算にどう影響してくるのかという問題です。今回の改革の詳細までが完全に明らかにはなっていない段階で断定できないこともありますが、少なくとも地方六団体が改革の前提として求めていた国庫補助負担金の廃止・縮小に見合う財源は確保されることになるのか、地方交付税の和歌山県にとっての必要額が確保されることになるのか。地方交付税については、国、地方で双方が理解を得られる、そういう表現がされておりますが、国の思いと地方の思い、これは全く逆のようにも思うわけです。
 そういうふうに地方交付税が確保されないとしたら、財政改革プログラムよりさらなる歳出削減が必要になってくるのか。問題は、そのしわ寄せが住民サービスの引き下げや受益者負担など住民負担の増大に振り向けられるとしたら、これは困った話になります。新年度予算編成を前にして大いに危惧をされるところですが、この際、財政当局の見解をお尋ねしておきたいと思います。総務部長の答弁を求めます。
 次に、複合自然災害への備えと安心の町づくりについてお尋ねをいたします。
 来年は阪神・淡路大震災の十周年の年でもあります。各方面からの研究も進み膨大な教訓情報資料集というものが作成されているなど、災害に強い町づくりを目指す数多くの研究成果、教訓が示されてきています。県としても精力的に研究を進められ、積極的に対策を進めていただきたいと思います。
 十周年を前にして、ことしは全国的に台風上陸が相次いだことや新潟、福井、兵庫などでの集中豪雨、紀伊半島沖や新潟中部、北海道東部地震など、日本列島を覆う災害が多発し、多くの人命や財産が奪われ、市民生活や地域経済が破壊をされました。災害救助法の適用は延べ二十一件、百四十九市町村にも及ぶということです。今、被災地の皆さんは、多くの悲しみを胸に秘めながらも、お互いに助け合い、暮らしの再建、地域の復興に全力を挙げておられます。その奮闘を後押しする国、自治体の支援が本当に急がれているところでもあります。
 阪神・淡路大震災の経験も踏まえ、ことし多発した風水害や震災からも多くの教訓が導き出せます。十一月の台風二十三号では、本県も農林水産業や港湾施設などに多大の被害がありました。今議会で災害復旧の予算が計上されているところでありますが、被災者支援と速やかな復旧を要望するものであります。
 兵庫県豊岡市では、円山川左岸堤防が延長約五十メートルにわたって決壊、右岸堤防も破堤、周辺地域に甚大な被害をもたらしました。計画高水位を越す集中的な豪雨に耐えられなかった、こういうことですが、計画高水位プラス五十センチの暫定堤防が以前から危険性が指摘されていたわけですが、軟弱地盤であることや予算面などの理由で整備がされてこなかった、こういうことも伝えられております。この災害以降、県は国の指導に基づき県内河川を目視による危険箇所の調査を行い対策を進めていると聞き及んでいますが、万全の対策を強く求めておきたいと思います。
 自然災害が多発する中で気になった問題の一つに、集中豪雨や地震などといった複合的な要因で二次災害を増幅させるのではないかという問題です。阪神・淡路の震災では、花崗岩に覆われたあのかたい六甲山系で七百五十カ所の土砂崩れが発生、その後の集中豪雨で新たに八百七十カ所の土砂崩れがあったということです。地震で地盤が揺すられ崩れやすくなったところが集中豪雨により崩れたと言われています。地盤の性質によって二次災害の起こり方も変わってくるということで、神戸では震災以降、詳細な地盤のデータベースを作成し、地盤の特徴を明らかにした情報提供を行っているということです。新潟中越地震でも、地すべりの原因として地盤の性質と豪雨の後の地震動の関係に着目がされています。
 本県では、ことしの三月、東南海・南海地震を想定して短期、中期、長期に実施すべき対策をまとめた地震防災対策アクションプログラムが策定をされております。プログラムの確実な実施と全国の被災状況からの教訓を学び、事業の優先順位や新たな事業を加えるなど見直しを進めていくことも求められていると思います。被災者支援のあり方も、被害想定とあわせて事前に準備をしておくことが二次、三次の被害を防ぎ、市民生活の早期安定と産業の早期復旧につながることも重要な教訓となっています。また、介護を要する高齢者、重度の障害者、障害児、乳児など、援護を必要とする被災者への対応マニュアルも長期の課題にせず早急に策定することも今回の災害での重要な教訓であります。
 そこで、知事並びに関係部長にお尋ねをいたします。
 一つは、アクションプログラム二年目になるわけですが、二年目に向けての基本的な考え方、位置づけをどうしていくのか、新年度予算に向けての基本的な考え方や全国的な被災の教訓を踏まえての見直しなどについて、知事にお尋ねをしたいと思います。
 二つ目に、地震対策だけでなく、集中豪雨などとの複合的な自然災害を予期しての被害想定づくりが必要ではないでしょうか。特に和歌山は平野部が河川の河口に広がり、軟弱地盤の地域が多く、河川の勾配も急峻となっています。断層の存在も数多く知られています。和歌山の地質、地形、地盤の調査、過去に池や川があったところ、盛り土地域など詳細な地盤の特徴を明らかにしておくことによって将来起こり得る災害を予測することができます。地盤調査の取り組みはどのようになっているのか、またどのように活用されていこうとするのか、危機管理監にお尋ねをいたします。
 三つ目に、県の被災者支援制度の内容はどうなっているのか、お尋ねいたします。
 ことし四月に被災者生活再建支援法が改正をされ、生活再建支援金として百万円限度であったものが三百万円に引き上げられました。住宅の解体撤去や整地費、生活必需品の購入費に充てられるということですが、住宅本体に対する支援がなく不十分さが指摘をされています。アクションプログラムには迅速確実な県民生活の再建復興の推進がうたわれていますが、自治体独自の生活再建施策についても検討が必要ではないでしょうか。
 また、被災した中小企業に対して、融資だけではなく直接補助を含めた総合的な支援対策も必要ではないでしょうか。既に兵庫、福井などでは災害後、施策化が進められているところです。被災者支援制度の確立が県民生活や産業の再建復旧にとっても早道になると思われますが、いかがでしょうか。福祉保健部長と商工労働部長にそれぞれお尋ねをいたします。
 この問題の最後に、高齢者、重度障害者など要援護者の救助、避難施設での生活支援、生活再建などで対応できる準備は考えられているのでしょうか。新潟中越地震の場合でも、視覚障害のある人が家の中から一歩も動けずにただひたすら救援が来るのを待っていたということや、聴覚障害の人が避難所で声が聞こえずに十分な生活──苦労をしたというようなことも聞いております。
 アクションプログラムでは一般的な避難所のあり方は短期に策定となっていますが、要援護者の保護体制は長期の課題ともなっています。災害時要援護者の把握と避難誘導も長期の課題となっています。避難施設でのサポート体制などの問題もあります。介護を要する高齢者、重度障害を持った皆さんとその家族の皆さんの不安にこたえられるのでしょうか、福祉保健部長よりお答えを願います。
 また、この問題で地域の実情や援護を必要とする世帯を一番よく把握しているのは民生委員さんを初め地域の皆さんです。今、私の住む地域でも自主防災のための組織づくりに向けて自治会役員の皆さんとも相談を重ねているところですが、これがなかなか苦労をいたしております。目の届く範囲での組織づくりや日常的な取り組みについてどうすればいいのか、地域任せにせずリーダーづくりを含めて行政からの働きかけも強めていただきたいと思います。この点は要望にとどめておきたいと思います。
 次に、雇用問題についてお尋ねをいたします。
 総務省が発表した労働力調査によりますと、十月の完全失業者数は三百十一万人で、一年前に比べ三十二万人の減少となっています。完全失業者の減少は十七カ月連続となっていますが、三百万人台という失業者は十年前の約二倍で、依然として高水準にあることは変わりがありません。また、雇用者に占める非正規社員の割合は対前年比で増加傾向にあり、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員など非正規社員の雇用者全体に占める割合は三一・五%にも及び、実に雇用者の三割が不安定雇用となっています。全国平均の有効求人倍率は〇・八八倍、和歌山は〇・七二倍、前月よりも改善したものの、近畿では奈良より少し上回っているという状況で、雇用の確保に向けた取り組みが重要な課題であります。
 和歌山市内の大手の染色会社の倒産で五十歳代前半の男性が職を失い、失業保険が切れても就職口が見つからないという相談や、また、派遣労働者としてIT関連の職場に勤める二十八歳の独身男性から、同じ職場で同じ仕事をしている常勤の社員から比べると収入が半分しかなく、将来のことを考えると転職すべきかどうか、正規社員の就職口があるのならという悩みも聞かされました。若年労働者が安定した雇用につけるかどうかは本人の生活設計のみではなく、少子化が進む社会の中では社会問題でもあります。
 雇用問題の根本的な解決は、政府による長時間労働やサービス残業の規制、正規雇用を奨励する労働政策に求められているわけですが、また同時に自治体の直接雇用、企業誘致や産業振興、教育・福祉、建設事業を初め官公需など、自治体の政策によって新たな雇用を生み出し、県民所得の向上と安定に資することも重要なことであります。今般、期間と目標を定めた雇用創出計画が策定されたことは、雇用創出に向けた自治体の姿勢のあらわれとして評価できます。
 そこで、知事並びに商工労働部長にお尋ねをいたします。
 今年度当初予算で雇用を生み出す産業対策、雇用のセーフティーネット、就職への環境づくりの三つの柱として九十九億円の雇用景気対策が求められていました。この予算をベースにして今後四年間の新規の雇用創出を推計してこのプログラムが策定されているようでありますが、今年度は前年度比で十一億三千万円ほど上回る予算を組んだということですが、新年度の雇用景気対策の取り組み、その方向に向けて知事の考え方についてお尋ねをしておきたいと思います。
 二つ目に、雇用創出プログラム「わかやまジョブ・クリエイション」についてお尋ねをします。
 これを見たところ、県の今年度予算と事業により新たな企業の立ち上げ、企業誘致、介護保険施設などの福祉事業の広がりなど新規の事業所の開設を中心に推計されているようですが、机上のプランに終わらせないためにどうするのか、進行管理とそのための組織、とりわけ産業界との連携のあり方など具体的にどのように進めていくのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。
 三つ目に、雇用のセーフティーネット対策と位置づけて十三年度から国の緊急地域雇用創出特別交付金事業に取り組んでまいりました。新年度でもこの事業の継続を求めてきましたが、今年度末をもって廃止されるということです。雇用のつなぎ効果を期待しても短期雇用だということですが、緑の雇用事業を初めとする各種の担い手育成事業、不法投棄対策や学校での非常勤講師の配置や就職アドバイザーなど、適時必要な人的配置を要するタイムリーな事業を担ってきたと思います。どのように評価をされているのか、継続が必要な事業も当然あると思われますが、今後の方針をどのようにお持ちなのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。
 若年雇用者の現状と今後の方針についてであります。
 若年者雇用の問題は、若年者自身の問題のみにするのではなく、重大な社会問題との認識が必要だと思いますが、その点をどのように考えているのか。これまでの若年者雇用の問題についての取り組みはどうであったのか。どのような成果があったと考えているのか。ジョブカフェを初め各取り組みの利用者へのアンケート調査など、フォロー追跡もしていくと議会で答弁をされていましたが、どのようになっているのか。雇用創出のプログラムにおいては、計画期間の十六年度から十九年度までの四年間で若年者の失業率一二・三%を九・五%以下にすると目標が設定をされておりますが、今後の取り組みの方針をどのように持っているのか、商工労働部長からあわせて答弁を願います。
 最後に、貴志川線の存続についてお尋ねをいたします。
 先月の二十九日、国土交通省近畿運輸局が鉄道事業法に基づく南海電鉄の貴志川線廃止届に関する公衆の利便の確保についての意見聴取を行いました。県、和歌山市、貴志川町と沿線住民団体二団体が利便の確保についての意見を述べましたが、いずれも鉄道存続を望み、鉄道の繰り上げ廃止を求める意見はありませんでした。あとは鉄道存続に向けての決断を下すこと、関係者がどういう役割分担を果たしていくのか、鉄道として存続させ得る需要をどう掘り起こしていくのかという問題の解決と見通しを持つことであろうかと思われます。しかも、期限が切られている問題でもあります。
 ところで、全国自治体善政競争──善悪の「善」と政治の「政」と書いてあるので、いい政治を評価する競争だろうというふうに思うわけですが、一回目は本県も緑の雇用事業が表彰を受けました。今回は、高野・熊野の世界遺産の価値を伝え保全に取り組む高校生の取り組みが表彰をされております。
 実は、この表彰の中に福井県の京福電鉄廃止後に第三セクターとして県と沿線自治体でえちぜん鉄道を立ち上げ運行を再開した事業が、地域共生型サービス企業として、鉄道の利便性や安全性を高め鉄道に対する地域住民の支持を得ているとして表彰されています。国土交通省運輸局のベストプラクティス集、鉄道を元気にする三十四の取り組み集の中でも紹介されていますが、えちぜん鉄道は一時廃線になっていた鉄道を第三セクター方式で再出発するに当たり、県が運行再開に必要な工事費及び今後十年間の設備投資費について負担をする、大規模改良についても県が助成をしたということです。再開にこぎつけた理由として、県が第三セクター化による鉄道線の存続に向けて主体的に働きかけ、それを受けた沿線市町村が財政面も含め積極的に関与を行ったことなど、関係自治体の支援の歩調が合わせられたことだと、このように紹介をされておりました。貴志川線も県の主体的な働きかけと沿線市町村の協調で地域住民の信頼と支持を得て存続されることを願って、質問をしたいと思います。
 一つは、国、県、和歌山市、貴志川町、南海電鉄との間で五者協議が行われてきている、このように聞きますが、その協議の状況、今後のスケジュールをどう考えているのか。鉄道存続の意思表明、経営主体の決定、予算化などのプロセスが今後求められてくるわけですが、来年九月末までに間に合うのでしょうか。来年十月以降、交通手段の空白期間をつくることは許されない問題であります。
 二点目に、新年度予算に向けてどういう考えを持っているのか。この際、鉄道インフラ部分を県で引き受ける考えはないのか。十四年四月、国土交通省鉄道局長の行政運営上の検討会として地方鉄道問題に関する検討会が発足をし、翌十五年三月に報告書が取りまとめられています。その中で、今後の地方鉄道のあり方として、地方鉄道は地域の基礎的な社会的インフラであり地域が一丸となって支えるという視点が極めて重要という考え方が打ち出され、鉄道事業者自身が自立的な経営を目指すという観点と地方鉄道を維持していくためには公的負担が不可欠とする観点を両立していくことが必要である、このようにしています。地方自治体が鉄道を維持・整備することにかかわっては、保有と運行の分離、基金の積み増し、増資、固定資産税の減免、設備投資の事業者負担分の負担、鉄道維持費補助、欠損補助などさまざまな形態が考えられるとしています。鉄道資産を長期に安定的に保有し運行の安全性を確保するという点からも、道路と同じように社会的インフラという観点から見ても鉄道資産を自治体が保有する意味はあると思われます。
 実際に青森県は、東北新幹線が並行することによってJRが在来線を手放しました。その路線、延長約二十六キロ、駅数が七、輸送人員年間約八十四万人という中小の鉄道の部類に入ると思うんですが、ここは青森県が鉄道資産を保有し、青い森鉄道として沿線自治体と第三セクターを設立して現在鉄道事業を行っております。青森県は、鉄道事業者が赤字にならぬよう線路使用料を減免して収支の均衡を保っているということです。
 三つ目に、鉄道存続と同時に鉄道を生かした町づくり計画の策定や駅周辺の整備など、貴志川線の利便性を高める計画づくりも必要ではないかということです。貴志川線問題を鉄道の維持・整備という観点だけではなく、町づくりや地域づくりの観点から地方鉄道の輸送需要に結びつく施策を講じることが必要でもあります。これは市町村が主体になる問題だと思うわけですが、和歌山市内を走る貴志川線やJR和歌山線、駐輪場が整備をされておらない、周辺の住宅地と駅とが有機的に結びついていないという問題も市民の方からも多く指摘をされているところです。鉄道を生かした町づくりの課題について県としての見解をお尋ねいたしまして、以上、三つの点をまとめて、恐縮でありますが企画部長から御答弁をひとつよろしくお願いを申し上げます。
 以上で、第一問を終わります。
○議長(小川 武君) ただいまの藤井健太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、三位一体の改革についての御質問ですが、三位一体の改革について私の評価というふうなのが新聞に載ってたんですけども、基本的には、分権推進法という法律ができて、国の事務で地方が行っていた事務が地方の事務ということになって、かなり自主性が高まったわけです。だけど、お金については相変わらず自分のところのお金じゃなくて国からの補助金に頼ってやっているということで、これを自分のお金でやるようにすればもっともっと自主性が高まって、それからむだもなくなり、いろいろないい行政が出てくるだろうと。そういう形で、その補助金になっている税源を国から地方へ移しましょうというふうなことが一つ。
 それから、財源を調整する、そしてまた保障する制度として交付税というのがあるんだけども、これも長い間ちょっと制度疲労を起こしてきている面があるからあわせて検討しましょうと。そして、それも地方分権を進める方向で検討しましょうというのが本来の三位一体の理念だったわけだけども、今回の結論というのは、一つには税源の移譲がなされることになったということではある意味では画期的なことであるんだけども、その視点が、そういうふうな地方の自主性を高めていこうとか、もっともっと地方が自主的な考え方でやっていけるようにしようとか、そういうふうな理念が考えられずに、基本的にはその補助金を振りかえて渡す部分というのが、もうほとんど地方の自主性が高まるような部分じゃないというようなことで数字合わせがなされたと。それから、その他交付金化をするとか、零細補助金について整理するとか言われているけども、それも具体的な姿が今の段階では見えてきていないというふうなことで、非常に不満の残るものであったというふうな評価をしているわけです。
 そして、このことは、こんな知事の中でもそれだけいろいろ評価が分かれるぐらい中身がややこしいというか、はっきりしない。はっきりしないところにぼんやりと処理されてしまったというところがあるので、ましてや県民の人にはなかなかわかりにくい話だし、関心のわかない話であるということもこれまた事実なんで。
 ただ、そうはいっても、そのことで手をこまねいていることは許されないということで、県としてはこの間、ホームページをつくりまして、今それでやってますし、それから先般のテレビの番組でもその三位一体の改革をやっているわけですが、そういうふうな、なかなかわかりにくいことでもやっぱりできるだけ理解を求めていくというふうな努力はしていかないといかんと思っています。
 また、その三位一体の改革が来年度の予算にどういうふうに影響するのかということについては、再三この議場でもお答えしているように、その中身が国の予算編成というふうなことの中でまだはっきりしない面が非常にあるんで、今わかっているような条件を考え合わせながら予算の編成作業を行っているというふうなことです。
 次に、アクションプログラムについてお答えをいたします。
 このプログラムは、本年の三月に作成し、各種事業に取り組んでいるところですが、今後もこれらの施策を着実に実施していきたいというふうに思っています。新年度の予算編成でもソフト・ハード両面の施策にこのプログラムを反映させて計画を推進しているところでございまして、なお、このプログラムは固定されたものではなくて、地震などによる新たな課題が生じた場合には追加や見直し等も行っていくということで適切に対処していこうというふうに考えているところです。
 それから、雇用問題についてですが、先般、平成十六年度から十九年度までの期間において一万五千人の雇用創出を掲げた雇用創出プログラム「わかやまジョブ・クリエイション」というのを策定いたしました。新年度予算においては景気・雇用情勢の一層の改善を図るため、産業の振興と雇用の確保ということを県政の柱の一つとして取り組んで、このプログラムに基づいて新産業、新事業の創出や企業誘致、観光産業の振興、さらには緑の雇用や高齢者福祉などの福祉サービスの充実などとともに産業人材の育成確保や若年者等の就業支援を進め、雇用創出効果に重点を置いた総合的な事業展開を推進していきたいというふうに思っています。
○議長(小川 武君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 三位一体改革の影響についてお答えを申し上げます。
 現在の国での検討状況を踏まえますと、来年度には十一月二十六日に政府・与党が合意しました三位一体改革の全体像に盛り込まれました国庫補助負担金の廃止・縮減等の一部が実施されまして、税源移譲の対象となる国庫補助負担金につきましては、来年度は所得譲与税や税源移譲予定特例交付金による措置がなされる見込みでございますが、その詳細はまだ明らかになっておりません。
 また、これらとあわせて来年度の地方交付税を含めた地方財政対策についても国の方で検討が行われているところでありますが、地方交付税のさらなる削減を求める動きもありまして、見通しは予断を許さない状況であると考えております。
 これらの内容が詳細に固まっていない現段階では来年度の本県予算への影響についてお示しすることは困難な状況でありますが、いずれにいたしましても、国での検討状況を注意深く見守りながら、今年度のように一方的で大幅な地方交付税の削減がなされることのないよう、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保するという方針が確実に実行されて行政サービスに影響を与えることのないように、引き続き地方側から訴えていくことが重要であると考えております。
○議長(小川 武君) 危機管理監白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○危機管理監(白原勝文君) 地震と集中豪雨などとの複合的な災害への対応と地震調査への取り組みについてお答えいたします。
 災害については常に最悪のケースを想定し対応を考えることも必要でございますが、技術的な面など課題も多くあります。しかしながら、地震による揺れの被害、土砂災害については地質条件が大きく影響すると言われているため、現在、県内の地盤データ等について収集を行っているところであります。こうした検討結果をもとに今後の防災対策に活用してまいりたいと考えます。
○議長(小川 武君) 福祉保健部長嶋田正巳君。
  〔嶋田正巳君、登壇〕
○福祉保健部長(嶋田正巳君) まず被災者支援制度についてでございますが、災害救助法や被災者生活再建支援法などによる支援制度がございまして、被災者生活再建支援法につきましては、本年四月の改正によりまして、家財道具等の生活必需品だけの給付制度であったものが家屋の解体・撤去及び整地に係る給付などを含む居住安定支援制度が付加され、給付の上限が三百万円に引き上げられたところでございます。しかしながら、議員御指摘のように、住宅本体の建築・改修等が支給対象となっておらず不十分なことから、制度の充実について全国知事会を通じ国に対し強く要望を行っているところでございます。
 県といたしましては、今回の台風や地震で被害を受けた兵庫県や新潟県などが独自の支援策等を設けたところであり、これらを視野に入れながら本県での支援施策について整理・検討に努め、大規模災害への備えとしてまいりたいと考えております。
 次に、要援護者の救助、生活支援についてでございますが、平成十二年三月に和歌山県障害者・高齢者・難病患者防災マニュアルを策定いたしまして、要援護者のおられる施設に対しては安全確保を最優先に、避難場所の確保や避難方法等について施設の実情に応じた具体的なマニュアルづくりを機会あるごとに指導しているところでございます。また、市町村に対しては、要援護者対策として必要な情報や適切な防災行動を迅速にとることができるような体制整備を図るよう働きかけているところでございます。
 支援のあり方につきましては、要援護者それぞれに個別の対応が必要となることから、今回の台風や地震に際し明らかになった課題を十分踏まえながら、さらにさまざまな観点から総合的に検討するため、現在、障害者・高齢者等への防災情報伝達と避難のあり方や避難所のあり方について、庁内ワーキングを通じて検討を行っておりまして、議員御提言の地域リーダーの育成なども含めまして十七年度末をめどに対策をまとめてまいりたいと考えております。これらの取り組みを通じまして要援護者のセーフティーネットの実現を図り、県民の皆様の安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) まず、被災者支援制度についてお答え申し上げます。
 甚大な被害が発生した場合には、県制度融資に常設しております災害復旧対策資金を迅速に活用することにより復旧資金の調達を支援するとともに、県制度融資借入金の返済猶予など、被災した中小企業の資金調達を適切に支援してまいりたいと考えてございます。
 また、被災した中小企業に対する総合的な支援策につきましては、他府県での取り組み状況を調査するなど、今後さらに研究してまいりたいと考えてございます。
 次に、雇用問題の三点についてお答え申し上げます。
 まず雇用創出プログラムは、全庁的組織である景気・雇用対策本部を活用して作成したところです。今後、雇用実績と予算を毎年度明らかにしていくとともに、産業界の連携等を含め、県民の方々の意見を聞きながらさらに新たな事業も検討し、全庁を挙げて雇用創出目標の達成に取り組んでまいります。
 次に、平成十三年度に創設されました緊急雇用創出特別交付金事業につきましては、昨年度末までに三千五百三十四人の雇用が図られ、今年度も千三百人以上の新規雇用が見込めるなど、厳しい雇用失業情勢の中で雇用のセーフティーネットとしてさまざまな分野で大きな役割を果たしてきたものと考えております。緊急雇用基金事業につきましては今年度が最終年度とされておりますが、これまでの基金事業の中で特に継続が必要なものにつきましては、各部局において工夫を凝らした形での事業実施が現在検討されているところでございます。
 また、国においては、景気が緩やかに回復基調にあることから、これまでの全国一律の支援から雇用機会が少ない市町村等の主体的な取り組みを支援する新たな方策が計画されております。県としましても、今後こうした動向を見きわめ、和歌山労働局を初め関係機関とも十分連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 最後に、若年者の雇用問題についてお答え申し上げます。
 フリーターやニートの増加、高い失業率や離職率など、若者を取り巻く雇用状況は非常に深刻であり、県としましては、こうした状況が続けば国際的な競争力の低下や社会不安の増大、また一層の晩婚化や少子化等も招きかねない重要な社会問題であると認識しております。このため、県ではジョブカフェ・わかやまの開設や各種就職セミナーの実施、企業合同面談会の積極的な開催などに取り組んでおります。また、こうした施策の実施に際してはアンケート調査を実施するなど、利用者のニーズの把握に努めているところです。成果としましては、昨年度の面談会での採用内定者が三百八十三名、ジョブカフェにおいては、抽出的な調査の結果、おおむね六割程度の方が就職につながってございます。
 今後は、若年層からのキャリア教育やインターンシップの充実、ジョブカフェやこれと連携した職業訓練機能の強化等により、国や教育界、経済界と連携を図りながら、雇用創出プログラムに掲げた数値の実現に向け、より一層重点的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 企画部長高嶋洋子君。
  〔高嶋洋子君、登壇〕
○企画部長(高嶋洋子君) 南海貴志川線の鉄道存続についてでございます。
 まず、協議の現状と今後のプログラムについてでございますが、南海電鉄撤退後の鉄道存続に向けた方策を具体的に検討するため、和歌山市、貴志川町、国土交通省近畿運輸局、南海電鉄と、それに県の五者により協議を重ねてまいりました。その内容は、人員の配置を含めた経営の形態、運営費用の精査、維持補修に係るコストの低減を図ることにより平成十五年度営業損益の約五億円の赤字をおおむね二億円程度に半減させることができる見通しとなっております。
 今後、これらの検討内容等を踏まえまして、まず沿線自治体であります和歌山市、貴志川町が主体的に具体的な方策を判断されるものというふうになります。県としましては、地域にとって重要な路線であると認識しておりますので、空白期間をつくらないよう、和歌山市、貴志川町の意向や取り組み状況を十分見きわめ、市町に対して協力をしてまいりたいと考えております。
 次に、新年度予算への取り組みについてでございますが、先ほど申し上げましたように、今後、沿線自治体であります和歌山市、貴志川町が主体的に具体的な方策を判断されることになりますので、県としましては、この両市町の意向や取り組み状況を十分見きわめ、市町に対し協力してまいりたいと考えております。
 議員御質問の鉄道インフラ部分の県の引き受けについてでございますが、全国的に見ますと鉄道を存続した類似路線の状況は県が鉄道資産を保有している例はなく、沿線市町村もしくは第三セクターが鉄道用地等を保有し、県が市町村や第三セクターに財政支援をしていると、そういうふうな状況でございます。
 先ほどお話がございました青森県の青い森鉄道につきましては、東北新幹線開業時に並行する在来線についてはJRから経営が分離されることを前提にしまして、当時の運輸省と青森──これ、岩手県にもまたがっておりますけれども──岩手県の両県が了解の上に青森県がその鉄道敷地を保有するというふうなもので引き受けたものと聞いております。貴志川線の場合は民営鉄道で、その民営鉄道が乗客数の減少により鉄道経営から撤退するというケースでありますので、青森県の実例とは異なるものというふうに認識をしております。
 議員お話しの国土交通省鉄道局長の地方鉄道問題に関する検討会では、地方鉄道の存続の是非については当該地域において判断すべきであり、維持する場合にはその地域の主体的なかかわりがより求められるというふうに報告をされております。県としましては、この貴志川線の問題につきましては、地元自治体であります和歌山市、貴志川町が主体的に判断されることについてできる限りの協力をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、鉄道を生かした町づくりについてでございますけれども、沿線市町村が地域の交通機関として鉄道を育てていくためには、主要公共施設の配置、駅前広場や駐輪場などの整備、さらには土地利用計画の再検討などを含む町づくりや地域づくりを地域住民とともに積極的に進めていく必要があるというふうに考えております。県としましては、これら沿線市町村の主体的な取り組みに対しましてできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十三番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 再質問でありますが、知事に一点、お尋ねをしたいと思うんです。
 地方分権を進める手段として三位一体改革というものがあろうかと思うんですが、今回のその改革の中身、一体となって進められているというのが地方財政へのしわ寄せじゃないかなと、率直にそう思うわけなんですね。こういったことに対しては、地方分権が進んだという評価をされておりますが、厳しく抗議すべきものではないかと私は思うんです。抗議をするかしないかは別としまして、しかし、地方自治体としてはその上で予算を編成していかなくてはいけないわけですから、通常、十二月議会でありますと、国から地方財政方針が示されて、それに基づく具体的な編成作業はどうなるんだと、こういう質問ができるわけですが、今回は残念ながらできません。
 新年度予算──今年度についてもかなり多くの見直しが行われました。その中でも、障害者の福祉施設であるとか、さまざまな直接県民生活にかかわる市町村への補助、事業なんかが縮小され予算がカットされるという向きがありまして、新年度さらに一層厳しくなるんじゃないかということが予測をされます。
 知事の新年度予算編成に向けて、特にこういう厳しい時代の中でありますから、県民の暮らしや中小事業者の営業、こういったところにこういう三位一体改革のしわ寄せを及ぼさない、県民の暮らしを擁護する、とりわけ弱者の生活については守るという強い決意というんですか、そういう姿勢をちょっとお聞きしたいと思うんですね。その点をお尋ねしておきたいと思うんです。
 危機管理監にお尋ねをしますが、地盤調査は現在されているということであります。地盤の性質によって、現在の河川の堤防であるとかため池であるとか山林といったところが集中豪雨によって二次被害、三次被害、こういったところを事前に想定し得る、そのための地盤調査が必要であるということを申し上げたわけですが、それを活用していきたいというお話ですが、国の方からも河川の破堤、決壊、そういったことが起こった場合の洪水被害調査なんかもきちんとやりなさいという話もあろうかと思うんです。そういった具体的な被害想定づくりというものを考えられてその地盤調査というのをされているのかどうか、その辺の考え方、事業の進め方についてきちんとお答えをしていただきたいと思います。
 あと、景気・雇用対策、これは相手があることでして、県の思いだけではなかなか進まないといった面もあろうかと思いますが、行政としてぜひ粘り強いフォローをしていきながら、新たにこれは十六年度予算に基づく四年間のシミュレーションですから、十七年度予算においてもまた新たなシミュレーションができると思うんですね。そういったことも含めて対策を進めていっていただきたいと思います。これは要望しておきます。
 貴志川線の問題です。鉄道インフラの保有の問題を私質問しましたが、青い森鉄道についてはJR転換線みたいな性格だから経緯が違うよというお話でありました。しかし、県がこういう鉄道インフラを取得してその沿線の鉄道運行の維持をしていく姿勢というのは、私は立派なものだと思うんです。社会的インフラ、道路にしても高速道路にしても、それなりに県が負担をして県が保有をして進めるということもありますから。鉄道についても、公営企業というのが現にあるわけですよね。だから、県が何も資産を取得できないという問題ではない。
 しかし、そのあり方についてどうしていくのかというのは、それは第三セクターをつくって補助をしていくという方法もあるでしょう。しかし、要するに県がこの問題について主体的にどうかかわっていくのかということを私は問いたいわけです。和歌山市も貴志川町も残していきたいという意向はあって、それぞれかなり努力、工夫をしながら模索をされているわけですが、そういった結論を待って県がそれに対して協力をする、援助をするということではなくて、県としてもこういうメニューが考えられるよと、こういう用意はできるよというような切り結びをして初めて市町村とのキャッチボールができるんではないでしょうか。市や町で計画をつくって持ってきなさい、じゃ、これに対して県はここまでなら援助できますよということではなくて、県や市や町が歩調を合わせて進めていくという中には県の主体性の発揮ということも、やはり私は求められていると思うんですよね。そのことを申し上げたいわけなんです。
 この問題についてはまた委員会でも──当該の委員会ですから議論できますので、また委員会の議論に譲りたいと思うんですが、そういうことを申し上げまして、私の二問とします。知事と危機管理監に再度答弁をお願いいたしまして、私の第二問といたします。
○議長(小川 武君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 三位一体の改革が県に、そしてまた県下の市町村に及ぼす影響、非常に厳しいものがある可能性があるので、こういうことについては積極的にそういうことにならないような働きかけということを今後とも続けていかなければならないというふうに思っておりますし、そしてまた、行政の一番大事な仕事の一つは社会的に弱い立場にある人を守っていくということはもうこれは根本で、そういうふうなことを根底に置きながら、新年度予算においては厳しい財政状況の中でめり張りのついた予算編成を行っていくというふうなこと、そしてまたその三位一体の改革の影響も十分見きわめながら対応していくというふうな気持ちで予算編成をしていきたいと、このように思っております。
○議長(小川 武君) 危機管理監白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○危機管理監(白原勝文君) 複合的な災害への対応ということでございますけれども、いろんな要因がある中で、地震動による被害想定というのがまず必要ではないかなということで、現在その調査を行っているところでございます。
 また、それが出ますと、その後、いろんな河川なり道路というような要因を勘案する中でハザードマップ等を作成する必要があるんではないかと考えております。
 また、今回台風等が非常に多かった中で水害によるハザードマップというのが非常に大きな課題になっておりまして、これにつきましても各市町村等に作成を働きかけてまいりたいと考えておるところでございます。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──この際、申し上げます。発言時間は残り三十秒であります。再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 以上で、藤井健太郎君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十九分休憩
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