平成16年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(花田健吉議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十七番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行わせていただきます。
 その前に、ことしも余すところ二十日余りとなりました。ことし一年を振り返りますと、異常気象による過去最多の台風の到来や新潟中越地震で多くの方が被災され、また全国各地でさまざまな災害がもたらされた、忘れることのできない年となってしまいました。風水害や地震によってお亡くなりになられた全国各地の犠牲者の皆様や御家族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、農林水産物や家屋に甚大な被害に遭われた皆様にも心からお見舞いを申し上げます。
 大自然の恐るべき破壊力の前に私たち人類がいかに無力で非力な存在であるかを思い知らされ、地震や風水害に対し、政治、行政において今後どう対応すればいいのか、深く考えさせられた一年でもありました。科学技術万能のおごりはもろくも崩れ去り、私たち一人一人がいかに大自然の脅威を自覚し、認識し、時にはそれを受け入れていかなくてはならないかを問われたのではないかと思うとき、改めて県民の皆様から負託された責務の重さに身の引き締まる思いであります。木村県政におかれましても、こうした災害に対しより強い県土の建設に一層の御尽力を心からお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。
 さて、御承知のとおり、我が和歌山県は太平洋に突き出した日本最大の半島に位置し、南北に長い県土を有しております。その県土を紀の川や熊野川のような大河が流れ、また、各郡市を幾つもの河川が太平洋に向かって流れ出ております。そういった地形上、昔の人はそれぞれの川の流れに乗って往来し、また、木材や生活物資等を運搬する輸送手段として河川は重要な役割を兼ねておりました。そういった長い歴史から、それぞれの郡市において河川の河口に地方都市が発展してまいりました。しかし、高度経済成長に伴い自動車が急速に普及し、それとともに各郡市の道路整備の必要性に迫られ、急ピッチで改修されましたが、どうしても河川に沿った国道や県道の改修が優先され、比較すると南北を縦断する路線の整備がややおくれがちであることは一目瞭然であります。
 我が県は、長い間、南北最大の大動脈で第一県土軸と位置づけております国道四十二号線一本に頼ってまいりました。昨年、ようやく高速道路がみなべまで南伸しましたが、これまた海岸線よりやや内陸部の山間を縫って通過しております。人や物の流れの容量からすれば海岸線を走るのは当然のことではありますが、近年、木村知事の警鐘により大変注目されております南海大地震の備えという観点から、我が県は県東部の第二県土軸の整備、完成を急がなくてはなりません。
 第一県土軸は、穏やかな気象条件のときは風光明媚で大パノラマを楽しんでいただけ、その地形を縫うように南北に走る国道四十二号線沿いの海岸線は、太平洋の荒波がつくり出す大自然の造形に観光客の皆様も一瞬息をのむほど美しくすばらしい観光資源を結ぶ観光道路でもありますが、もちろん農林水産業や商工業の基幹道路でもあります。
 しかし、私たちは、いま一度我がふるさとの地理的条件を考え、来るべき地震による津波の防災対策の検討、研究を怠ってはなりません。そして、大地震が起こったとき一番大事な震災直後の救急車、消防車などの緊急車両が通行できる道路や緊急物資の搬入のための大型トラックの輸送道路の整備、さらに、その後、被災地の復旧、復興に必要な道路網を今から位置づけをし、そしてその路線の改修を計画的に行っていかねばならないのではないでしょうか。
 昭和五十七年八月三日、集中豪雨により印南町切目地区と南部町岩代間で、大動脈である国道四十二号線と当時国鉄の線路が陥没、四日間全面通行どめになり、紀南地域が陸の孤島となったことを御記憶の方もおられると思います。そのときは仮設道路を緊急設置し、普通車は間もなく通行可能となりましたが、しばらくの間、大型バスは仮設道路の手前で乗り継ぎ、国鉄も乗り継ぎ運転を行っていたように思います。当時、私も他府県に住んでおりましたので詳しく記憶しておりませんが、大型貨物などの一般輸送はどのルートを通ったのか。多分龍神ルートを通ったのではと考えるとき、当時の我が県の交通体系の危うさ、もろさを図らずも露呈してしまった災害でありました。
 国道四十二号線は国の直轄道路ですので国にお任せするとして、第二県土軸は県が責任を持って整備しなくてはならないということは言うまでもありません。もちろん現在に至るまで、海岸線を走る国道四十二号線を第一県土軸、内陸山間部を走るルートを第二県土軸と明確に位置づけをし、仮谷、西口両県知事や木村知事を初め県当局、また多くの先輩県議や国会議員の皆様の御尽力により、県内の東部地域を縦断する路線が着々と確実に整備されてまいりました。
 新宮から本宮を経由し、西牟婁郡、日高郡を縦断し、有田郡、海南、そして和歌山市へと結んでいく第二県土軸は必要不可欠の路線であり、その重要性は今さら申し上げるまでもありません。平成十一年、熊野博に合わせて整備された国道三百十一号線を経て、西牟婁郡中辺路町栗栖川から日高郡龍神村柳瀬間の県道百九十八号線を整備し、中でも平成五年、二千三百メートル余の県道としては最長の水上栃谷トンネルの完成により、こんなに中辺路町と龍神村が近かったのかと当時感動いたしました。
 それをさかのぼること四年前、平成元年には既に椿山ダムが完成し、関連のつけかえ道路も整備されておりました。そのダム湖畔を眺めながら国道四百二十四号線を日高川沿いに下ると、これまた最大の難所であり地域住民の悲願でもありました日高郡と有田郡を結ぶ宇井峠の下を千八百九十二メートルで結んだ白馬トンネルが平成六年に完成するに至り、ようやく第二県土軸の姿が私たち住民にも見えてまいりました。
 まさに着々と第二県土軸は進捗してまいりました。現在、当局の御尽力により金屋町修理川工区が急ピッチで改修されており、美山村の浅間─滝頭間に未改修区間が残っておりますが、当初の目的に向かって順調に進んでいると感じている次第であります。これもひとえに関係各位の長年にわたる御尽力のたまものと、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。私たち県南東部に住まいする者にとって、このルートは生活の道であり、和歌山市に向かうための必要かつ最重要道路であります。
 ところが、ここまで進めてまいりました第二県土軸が、どうしたことか金屋町から吉備インターチェンジに乗って和歌山市へつなぐことに位置づけをされてしまいました。歴代知事や当局がその時々の政治判断による幾つかの大英断を経て大変な時間と予算を使って現在に至っている第二県土軸のルートが、金屋町まで来ていかにも安易な方法で高速道路につなげてしまったのは、当時のいろいろな状況で仕方がなかったことかもしれません。しかし、私は第二県土軸はあくまでも県土の中央部を貫き、国道四十二号線と高速道路と並行し北上するものだと考えております。
 再度申し上げますが、新宮─東牟婁─西牟婁郡─日高─有田─海南─和歌山市までの第二県土軸のルートは、必ずしも現在の位置づけのルートがベストであるとは思いません。金屋町のある地域の住民の方々の中には、貴志川へと抜ける国道四百二十四号線の早期改修を望んでおられる方もおられるとお聞きいたしております。もちろん、この路線の改修も必要であると思います。しかし、それは国道四百二十四号線の整備促進であり、第二県土軸と一線を画して無用な混乱を避けなくてはなりません。金屋町内で綱引きをさせるのではなく、地理的条件や県都和歌山市へ向かう県南部に住まいする住民の目的から考えても、既に当局において主要県道と位置づけをされております県道十八号・海南金屋線が第二県土軸の北へ通ずるルートであると私は確信をいたしておりますが、いかがでしょうか。
 しかし、残念ながら、県道の中でも主要路線と位置づけられておりますこの路線の改修は大変おくれております。県当局は、今年度も幾カ所かで改修工事も行っているとお聞きいたしておりますが、さらに御認識を深めていただき、この路線の抜本的改修に御尽力をお願いいたします。
 海南市の重根の田津原地区では普通車の対向もままならない箇所が続き、記憶に新しい先般の海南市冷水で起こった木材運搬車の横転事故の際、国道四十二号線が全面通行どめになったときなどは大変な混雑であったと、地元の人からお聞きをいたしました。私も、ことしの五月三日、家族でポルトヨーロッパに行った帰り、高速道路も国道四十二号線も物すごい混雑でしたので県道海南金屋線を通ったのですが、高速道路が海南インターチェンジ付近で混雑したため吉備インターチェンジでおり金屋町を経由して逆方向から北上してくる車の洪水に立ち往生し、峠を越えるのに二時間以上を要しました。裏を返せば、それほど重要な、だれもが認知したルートであります。予想されます南海大地震の際も、きっとこのルートは、生活の道はもとより県南部の命の道として災害時の緊急救援物資の運搬等に役立ってくれるであろうと確信をいたします。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 県道海南金屋線を第二県土軸の和歌山へ通ずるルートであると新たに御認識をいただきたいと思いますが、いかがですか。紀南の住民の声をお酌み取りいただきまして、早期改修に御尽力をお願い申し上げる次第であります。
 また、県土整備部長にお伺いします。
 御承知のとおり、県道の海南市重根─金屋町六川間は大変急勾配の峠越えのルートであります。技術的に現在の道路を拡幅、改修するには困難な箇所もあると考えます。そこで、ぜひ金屋町から海南市に通じるトンネルの建設を強く御検討いただきたいと考えますが、いかがですか。私たち和歌山県の南東部に住む者が和歌山市へ行く唯一の道であると御認識をいただき、そこに住まいする者の熱意をお伝えして、重ねて早期改修をお願い申し上げ、次の質問に移ります。
 冒頭にも述べましたように、ことしは我が国にとって、台風が観測史上最多の上陸と、大変ありがたくない記録を残した年になってしまいました。我が和歌山県にとっても、台風六号と台風二十三号が特に甚大な被害をもたらしました。台風六号についてはさきの九月議会において農産物の被害を中心に質問させていただきましたが、このたびも台風二十三号の高潮対策と農産物の塩害について、当局の御見解を賜りたいと思います。
 まず、高潮対策についてお伺いをいたします。
 私は、この質問は昨年の台風十号のときにも取り上げさせていただきました。そのときは、煙樹ケ浜の高潮対策と切目川の河川改修についてお伺いをし、当局の前向きな姿勢と、さらにその後の迅速な対応に感謝をいたしておりました。しかし、今回の台風二十三号は超大型で勢力も強く、長時間暴風圏内にさらされ、満潮時と重なるなど最悪の条件の中、強風による高潮の被害が県内各地の漁港、港湾、海浜の防潮堤や防波堤に被害をもたらしましたのは御承知のとおりであります。そこで、今回はお許しをいただき、地元日高郡の海岸線の被害に対して当局の御見解をお伺いしたいと思います。
 日高郡では、その高波にさらわれ、帰らぬ人となられた方もいらっしゃいます。心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。この方はふだんから海を熟知されている渡船業をされている方とお聞きし、いかに今回の台風が我々の予想をはるかに超えるものであったのかがうかがい知れると同時に、台風の怖さを再認識いたしたところでございます。
 また、今回の台風は、とうとい人命とともに、見るも無残な傷跡を私たちのふるさとの海岸線に残していきました。由良町の名勝白崎海岸の町営施設に甚大な被害を与え、衣奈においても大変な被害でありました。煙樹ケ浜の本ノ脇地区においては、護岸の防潮堤やテトラポットが流され、海岸沿いの店舗等にも波が押し寄せ、運ばれてきた石などによりガラスが割られ、大変な被害に遭われました。後片づけをする若い店主の後ろ姿にかける言葉も見つからないほど、店の中に砂や石やコンクリートのかけらなどが散乱しておりました。地元の方に聞くと、今回の台風でさらに砂浜がやせ随分海が近づいたと申されておりますし、この先とても不安だと申され、ぜひ安心して暮らせるようにとお訴えになられておりました。
 別に意図したわけではありませんが、たまたま台風の来る二日前に、県土整備部港湾局に、煙樹ケ浜の高潮対策並びに津波対策について、地元美浜町の入江町長や議長、日高郡選出の県議、地元関係者の皆さんと県当局に陳情にお伺いし、そのときも「今度の台風は心配やな」と話していたやさきの出来事でした。その心配事が的中し、何としても毎年やってくる台風による高潮の被害に対して、煙樹ケ浜の海岸線にお住まいの皆様が安心して暮らせるよう、解決策を見出していただきたいと強く思うものであります。
 また、切目川河口の高潮の被害も大きく、国道四十二号線沿いの防潮堤の間にある仕事場や倉庫などの壁が波によって壊されました。この地域は地形上大変特異な地形であり、現地には防潮堤やテトラポットを設置し対策を講じていただいておりますが、地元の方のお話によると、「テトラポットの設置箇所をもっと考慮できないのか。台風が来たときに見ていると、防潮堤のわきに置いてあるテトラポットに当たって海水が上がってくるように思う。海岸から離れた場所に設置してもらった方がより効果的ではないのか」と申されておりました。隣接する漁港の被害も含めて調査し、切目川を含む切目海岸の整備をお願いいたします。
 そして、いつか来る南海大地震の津波に対しても対策が必要であります。もちろん、津波となりますとその規模や質も異なりますが、この際あわせて、先ほど申し上げた煙樹ケ浜と切目海岸について、今後の整備改修について、県土整備部長の御見解をお尋ねいたします。
 また、切目川河口の高潮で川が逆流するために起こる農作物に対する塩害は今さら申し上げるまでもありませんが、今回の台風二十三号は海水を含んだ潮風が農産物にも大きな被害をもたらしました。この塩害は県下全域にわたるのですが、日高郡においても沿岸地域の花や野菜などの農作物の被害は甚大であります。ある農家の方は、年末に出荷予定だった菊の花がほぼ全滅したとお聞きいたしております。ことしだけのことではないので、台風時、沿岸地域の農作物に及ぼす塩害に対して有効な防護方法はないのでしょうか。
 そこで、農林水産部長にお伺いをいたします。
 県当局は、この塩害に対し、今後どのように指導し対応していかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。台風の去った後すぐに水をかけて洗うということは当然のことでありますが、それでも葉が枯れたり品質が極端に劣化するということであれば、それ以外に何らかの解決方法はないのでしょうか。ぜひ農林水産部で研究をしていただき、またそういう方法があれば、その施設に対し指導するだけでなく、支援の対応も含めて御検討いただきたいと思います。
 昨今、海岸に設置されている消波ブロックに当たった波が台風による強風に巻き上げられているのではないかとの指摘もあります。いずれにしても、塩害に苦しむ農家の声をお酌み取りいただき、当局の前向きな対応を強くお願い申し上げます。
 続きまして、これも昨年初めての一般質問のときに取り上げました高野龍神スカイラインの冬季通行について質問をさせていただきたいと思います。
 昨年の九月議会では、冬季観光資源としてスポットを当て、幻想的な冬の景観を観光資源として生かせないのか、知事の御英断で無料化するのだから、それに伴い、スカイラインが冬季でも凍結問題を克服し通行可能な道路にならないのかということに対して御答弁をいただきました。その後、当スカイラインを取り巻く状況が一変し、無料化したことにより交通量は一気にふえました。昨年末からことしの冬も大変心配したのですが、大きな混乱や事故はなかったと県警本部からことしの四月にお伺いをいたしました。
 また二月には、県当局と龍神村の村議会議長や村議会議員の方、また役場の観光課長にも御同行いただき、鳥取県の大山国立公園の中にある道路の融雪施設も視察しました。すばらしい施設でありましたが、費用の面から少し我が高野龍神スカイラインには荷が重いなと思いました。しかし、ことしの七月に念願の世界遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録をされ、高野龍神スカイラインも想像をはるかに超える交通量となっており、そうも言っておれない状況になってきたのではないでしょうか。
 世界遺産効果のすごさに驚くと同時に、ことしの冬はどうなるのだろうかと、いささか心配をいたしております。それは二つのことで心配をしておりまして、その一つは、何も知らずにお越しいただいた県外のお客様に、通行時チェーン走行でないと通れないとわかり、旅行日程を大幅に変更していただかなくてはならないなど御迷惑をおかけしないかということであります。もう一点は、スカイラインの積雪状況をだれがどのように把握して知らせるのかということであります。このことは、人の命にかかわることなので真剣にお取り組みをいただきたいと思います。
 昨年も、チェーン規制表示が出ているにもかかわらず、スカイラインに入り、あわや遭難しそうになった奈良県の方がいたとのお話もお聞きいたしました。スリップし、雪の道に突っ込み、立ち往生し、たまたま携帯電話の通じるところが近くだったので、龍神村役場に電話連絡をし、助けてもらったとお聞きしました。もし、連絡がつかなかったら、夕方だったそうですが、スカイラインは夜間、マイナス六度まで気温が下がるので、大変危険な状況になっていただろうと話しておられました。ことしは気象庁の発表では暖冬ではないかと言われておりますが、下界は暖冬で暖かく感じるかもしれませんが、標高千三百メートル地帯を走る道路ですので、かえって認識の薄い方が夜間、そんなに冷え込んでいないから大丈夫だろうとスカイラインに入りはしないかを心配しております。
 そこで、まず県土整備部長に、高野龍神スカイラインを取り巻く現状の変化に伴い、冬季道路凍結問題に対し道路管理者としてどのような対策をお考えなのかをお伺いいたしたいと思います。また、今後この問題に対しどのように対処していかれるのかもあわせてお伺いをいたします。
 融雪については全国各地のいろいろな施設や方法があると思いますが、部長から見て当スカイラインに使えるものがないのか。例えば、小規模水力発電なども電源開発で比較的安価で実用化していると聞き及んでおりますが、このような発電施設を利用して得た電力で融雪できないのか。いろいろ思いつくままに申し上げますが、専門家のお立場でぜひ御検討いただき、さらによい方法があれば研究していただき、少しでも解決の糸口を見つけていただきたいと切に要望しておきたいと思います。海外からの、特に南の国のお客様があのすばらしい雪景色や樹氷などを見ると、きっと感動し、また和歌山にお越しいただけると確信しておりますし、お帰りになってからPRしていただけると思います。
 次に交通安全対策について、警察本部長にお伺いをいたします。
 昨年からことしの冬季の交通安全対策について万全の策を講じていただき、小さな交通事故が幾つか発生した程度で事なきを得たと伺いましたが、交通量が大幅にふえていることし、当スカイラインの交通安全対策について再度お考えをお聞かせ願いたいと思います。
 最後に、知事にぜひことしの冬の高野スカイラインを御視察いただければと思います。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの花田健吉君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 和歌山から新宮を結ぶルートとして、海岸部を通る近畿自動車道紀勢線や国道四十二号線に加えて内陸部を縦貫する道路を整備することは、世界遺産登録された内陸部の地域振興や東南海・南海地震時の代替路線確保の観点からも非常に重要であると、このように考えております。そのため、現在、海南湯浅道路吉備インターチェンジから金屋町を経由し、国道四百二十四号等内陸部の道路を通り新宮へ至るルートの整備を重点的に促進をしているところでございます。
 金屋から海南間につきましては、防災上の観点、路線の位置づけ、整備のあり方をさらに検討することが必要であると、このように考えております。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) まず、第二県土軸の関係でございます。
 金屋から海南間につきましては、議員御指摘のとおり、長峰山脈を通る急勾配の峠越えルートであり、時間短縮効果、冬季の凍結問題等を考慮すると一般的にはトンネル計画が妥当であり、今後、地質調査や投資効果等のさらなる検討を行ってまいります。
 次に、台風二十三号による高潮被害についてでございます。
 二十三号により高潮被害が発生した煙樹ケ浜につきましては、被災護岸の早期復旧に努めるとともに、背後の土地利用状況を勘案しながら、美浜町を初め地元と連携を図りつつ、必要な区間について防潮壁の新設やかさ上げなどを検討してまいります。
 次に、切目漁港海岸につきましては、管理者である印南町が平成十七年度から防潮堤のかさ上げ工事を予定しているところであり、また、今般の台風による災害については復旧事業として消波ブロックの補充を申請しております。県といたしましては、これらの対応について助言を行うなど、町との連携を密に図りながら高潮被害の防止に努めてまいります。
 なお、津波対策につきましては、県全体で行っている津波被害想定結果をもとに、関係市町と連携を図り、ソフトとハードの総合的な組み合わせにより安全性の向上が図られるよう検討してまいります。
 次に、高野龍神スカイラインの冬季対策でございますが、高野龍神スカイラインは昨年十月に無料化し、本年七月には高野・熊野が世界遺産に登録され、観光道路としてますます重要な道路になってきたと認識しております。昨年来この路線は、特に冬季の期間である十二月十五日から翌年三月二十五日まで、安全性の確保が困難なことから無料化以前と同様に夜間通行どめにし、日中の通行については早朝に巡回をし、融雪剤の散布や積雪時は除雪作業等を行うなど、安全対策に努めております。さらに、安全対策として立て看板の設置やインターネット、メディア等の活用による事前規制の周知の強化をこの冬より実施いたします。さらに、タイムリーな積雪状況や緊急な通行どめ情報等を提供できるシステムについても検討してまいります。
 今後とも、公安委員会を初め関係機関と連携を図りながら、交通のさらなる安全確保に努めてまいります。
○議長(小川 武君) 農林水産部長阪口裕之君。
  〔阪口裕之君、登壇〕
○農林水産部長(阪口裕之君) 農作物の塩害対策についてでございますが、本年、本県に多くの台風が襲来しましたが、特に台風二十三号は、強風による被害とともに降雨量が少なかったことから、日高地方の海岸部を中心に農作物への塩害が発生してございます。塩害の軽減対策としては、付着した塩分を速やかに水で洗い流す必要があり、従来からスプリンクラー等による散水を指導してきたところでございますが、散水むらや散水時期のおくれ等により十分な効果が得られなかった事例もあったと聞いてございます。
 今後、農協や試験研究機関等と連携を図りながら、より効果的な方法を検討してまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 警察本部長宮内 勝君。
  〔宮内 勝君、登壇〕
○警察本部長(宮内 勝君) 高野龍神スカイラインの交通安全対策についてお答えいたします。
 本道路における昨年の十二月から本年二月までの人身事故は二件、傷者二名で、事故により亡くなった方はございません。今後、交通量がふえることも予想されますので、積雪、凍結のため通行に危険が生じるおそれがあると認められる場合には、道路管理者との緊密な連携のもと、パトロールの強化、タイヤチェーン装着の指導を図るなど、交通の安全確保に努めてまいります。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十七番花田健吉君。
○花田健吉君 質問ではありません。要望です。
 一つ、塩害に対して、農林水産部長も水をかける以外の方法はないと。私もそう思いますが、技術は日進月歩でございますので、和歌山発のこの塩害対策の何かいい方法、アイデアがあれば、ぜひ御研究いただきたいと思います。
 それと、海南のこのトンネルの問題ですけれども、私、もう約二十年前に、二階代議士の秘書で、海南地域というか有田郡市を担当させていただきました。地域住民の非常に熱心な要望が当時からございました。もうあれから二十年たっております。その間に、ずっとみなべから、先ほど申し上げました西牟婁を通過し、そして白馬トンネルを抜けてきた。あそこでまさか、県当局はもうお疲れになったと私は思いませんけども、私はこの海南─金屋ルートが、多分あそこを越えて和歌山市へ行くルートだろうと、第二軸だろうと、だれしもあの当時は位置づけておったような気がします。それがいつの間にか、疲れたとは言いませんけれども、すっと高速道路へ流してしまって、もうこれでおしまいみたいな形になっているのが僕は現状だと思います。
 そこで、再度このトンネルの早期着工と完成に向かって、県土整備部長、またもちろん知事でございますが、よろしくお願いを申し上げまして、要望とさせていただきます。
○議長(小川 武君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で花田健吉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十七分散会

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