平成16年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(新島 雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 きょうの一般質問も、私が最後であります。いましばらく御辛抱いただき、おつき合いをいただきたいと思います。
 先月、十一月の十六日から十八日まで防災等対策特別委員会におきまして、釧路、帯広方面へ視察に行ってまいりました。昨年の十勝沖地震のその後の対応などを勉強してまいったのでありますが、それからこの三週間という間に、十勝沖を震源とする二度の震度五強という地震がありました。新潟のこともありまして本当に人ごとではない、東南海・南海地震に対する備えの大切さを再度認識いたしております。そしてまた、当局におかれましても準備を進めていただいておりますが、県民が安心で安全に暮らせる町づくりを望んでおります。
 また先日、我が自民党県議団の時局講演会におきましては、元内閣官房参与の中山恭子さんにお越しをいただきまして、「拉致問題にかかわって」と題して御講演をいただきました。会場は、六百席の会場でありましたが、すぐに満席になりまして、本当に人があふれ、千人を超す方がお越しになっていただきました。中山さんは講演の最後に、「どうか地方の皆さんも、拉致問題が全面解決するまで応援をしてください」、そのように訴えておられました。昨日、曽我ひとみさんが夫のジェンキンスさんと二人の子供とともにふるさと佐渡へ、家族一緒に渡ることができました。どうか、拉致問題につきましても皆さん方の御支援を重ねてお願いをいたします。
 議長のお許しをいただきましたので、質問に入らせていただきます。
 まず、最初であります。四十七──この数字は都道府県の数をあらわしています。四十七位。ちなみに、和歌山の下水道普及率は四十六位です。十六年度の「一〇〇の指標から見た和歌山」で探してみました。四十七位が何であるか、一生懸命探しましたら一つだけ出てきました。一商店当たりの卸売販売の年間販売額が四十七位。これ一つだけでありまして、ほかにありません。
 ところが、和歌山県はことしの国体において、初めての屈辱的な最下位になりました。いや、なってしまいました。厳しい数字を突きつけられたと私は感じています。勝負事には順位がつきものであります。一位があれば、予選で敗れる者もおります。優勝チームがあれば、敗れ去ったチームがあるのであります。だれもが一位だけを目指しているわけではないのですが、やる限りは勝ちたいと思っているのが事実であるでしょう。ゴルフにおいても。
 今回の結果は、大変残念に思う反面、冷静に考えてみると本当のスタートラインに立ったのではないか、そう考えることができます。これ以上、下がらないのです。後はないのです。ただ、上を見れば切りがない。
 そこで、思い切った方策がとれるということであります。今までの枠組みを打ち壊し、組織を見直すよいチャンスだと私は考えます。野球の世界には、古くからこんな言葉があります。「チャンスの後にピンチあり。ピンチの後にチャンスあり」。今回の屈辱を糧にして冷静に反省をし調査研究することで、必ず次につながるものと考えますし、つながらなければ和歌山のスポーツも県勢も衰退の一途をたどるでしょう。そうなっては困ります。スポーツを愛する者の一人として断じて許されないことと考えますし、現在の時代背景や教育的立場から考えても、スポーツ振興は大きな柱と考えています。
 ことし行われたアテネオリンピックでは、日本国民が夜中の放送にもかかわらず日本人選手の活躍に一喜一憂し、センターポールに上がる国旗を見て涙する場面も多くありました。スポーツとは、そういうものなんです。和歌山の現状を今、再度見詰め直したいと思います。
 第一に、施設の面であります。五十メートルの室内プールはありません。馬術競技をする競技場もありません。ナイター設備のある野球場もありません。グラウンドホッケーをする公式競技場もありません。(「射撃場もないよ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。ほかにも多くの競技があります。
 聞くところによると、県議会においても、この議場においても何人もの議員が登壇をして、紀三井寺球場にナイター施設つけよらようという質問をしていました。ところが、そのできない理由の一つに、近隣する自治会や地元同意がとれない、そういう答弁でありましたが、最近、この地元同意はどうもとれそうだというんですが、球場が余りにも古いかなと思ってしまうのでありますが、ただ今度は予算がないということにもかかわってくるのかなという動きがありますが、これはこれでよいことだなと思っております。
 また、五十メートルの室内プールでありますが、約二十年前に私は富山を訪れたときに、既に富山にはありました。
 せんだって、馬術関係の人とお話をする機会がありました。馬術競技の近畿大会があるそうであります。これは、近畿六県が持ち回りで開催をしているようであります。和歌山の担当になった、ところが開催する場所がない、和歌山県主催の大阪会場でやる。何かおかしいなと思いながら、それしか方法がないんですということをおっしゃっておられました。
 首をかしげたくなることが大変多いのが現実であります。今までどんな強化策を考え、どんな施策を打ってきたのか、考えさせることが大変多くあります。
 次に、国体での成績であります。
 黒潮国体で総合優勝を果たしてから、その余力を食いつぶしながら、徐々に徐々に成績は下降線をたどってまいりました。近年では、二十九位、四十一位、四十三位と来て四十七位です。あえて最下位とは申しません。開催した和歌山国体の折には、やはり選手を集め、指導者も集め、強化を全面に打ち出して天皇杯、皇后杯をとったわけでありますが、その後、この強化選手が年々年を重ねていく、指導者も重ねていく、そういう現状の中で成績も落ちてきた。そこへもってきて、今度は不況の影響であります。企業スポーツが衰退をして影響したと私は分析をいたします。ならば今こそ、和歌山のスポーツ振興を真剣に考えるときが来たと思いますし、やらねばならないと使命感に燃えてほしいのであります。和歌山のスポーツ界においては、落ち込んでいる暇などないはずであります。
 そこで、幾つかを質問したいと思います。
 まず、知事。
 知事は、県の体育協会の会長をなさっておられます。会長として今回の国体の成績に対してどう感じておられるか。また、和歌山県のスポーツに関してどうお考えになっておられるのか、お聞きをいたします。どこかの知事は国体に関して、「開催県だからといって天皇杯、皇后杯をどうしてもとらなければならないというものではない」、そんな発言もありましたが、木村知事はどういう考えを持っているのか、お答えをいただきたいと思います。
 また、知事なりに最下位になった原因をどうとらまえておられるのか、スポーツは知事の中においてどの程度の部分を占めているのか、今後の和歌山県のスポーツに関してどのような展望を持っているのか、お答えをいただきたいと思います。
 同じく、教育長にも質問をいたします。
 和歌山県の競技スポーツに関係する強化費は、全国的に見てどの程度でありますか。和歌山県のスポーツ施設は全国レベルにおいてどの程度のものなのであるか。また、今回の国体では種目による得点が従来より変更になり、和歌山にとっては不利に働いたと聞いておりますが、どのように変更されたのか。また、得点制度はこれからも続いていくのか。和歌山県の指導者のレベルはどの程度と考えているか。体育指導員の採用が途切れている現在、採用のめどはあるのか。そして最後に、来年の国体に向けての秘策があればお答えをいただきたい。
 次に、道路網についてであります。
 道路は、人や物の移動や輸送に欠かせない基本的な社会基盤の一つであります。しかしながら、道路整備が交通事情に対応できていないのが現状であります。外に開かれた和歌山実現のため、交流ネットワークの創造として、高速道路、国道、県道、府県間道路や都市計画道路の整備が必要と考えます。
 そこで、和歌山市内の道路事情を考えてみたいと思います。
 国道が二十四号、二十六号、四十二号と三本通っていますが、そのいずれもが汀丁交差点で交わっております。これは、都市機能が中心部に集中しているため、和歌山市内の道路体系は中心部に向かって車が流入し、分散する構造になっています。この体系ではどうしても停滞が発生するのであります。流れをよくするためにバイパス整備が必要となってきます。
 十月に、西脇山口線の市小路、平井周辺がバイパスとして開通をいたしました。このことにより、紀の川大橋、北島橋、紀の国大橋が東西の道でつながってきました。私は前回の質問でも言いましたが、紀の国大橋ができたことによって紀の川大橋や北島橋が大いに緩和されたと考えていました。事実、実感としてもありました。しかし、最近の車の流れを見ていると、現実はそうでもないのかなと思うことがあります。
 西脇山口線が開通をして、和歌山市の北西からの流入車両はどのような流れになっているのか。また、紀の国大橋、北島橋、紀の川大橋の三本の橋に関しての交通の流れはどのようになっているのか。工事に対する結果並びに状況をお答えください。
 次に、前回も質問をいたしました北インターの整備であります。
 紀の川北部の東西幹線道路である西脇山口線が開通をされ、今度は阪和自動車道への紀の川北部での接続ということになります。直川、府中のあたりまでの道路改良も早めなければなりませんが、ここでは、高速道路への乗りおりはほとんどが大阪方面の車両と考えられます。ということは、片側だけのハーフインターでもよいのではないかと考えますし、素人なりに考えてもそんなに難しい工事ではないと思っています。インターチェンジができる可能性をお答えください。
 そして、今のインターチェンジだけでは、東南海・南海地震のときや一般道路の橋梁が破損した場合など万が一の場合不十分と考えますし、現在のインターチェンジ周辺の混雑を考えると、渋滞緩和策の一つとして必ず役に立つインターチェンジになると思いますが、いかがですか。
 そして次に、現在のインターチェンジ周辺の状況であります。
 岩出から四車線の国道二十四号を和歌山市内へ入ってくるとき、紀州大橋の手前で車線が二車線に狭められております。紀州大橋が二車線なので、そこへ入る車の量を調整しているのだと思いますが、それにしても、四車線にするための車道がもう何年もそのままになっております。四車線から二車線に狭められている道の混雑を考えると、早く四車線で走らせてほしいと思うものであります。紀州大橋は、いつ四車線化ができ上がるのですか。国土交通省の事業でありますが、和歌山県内のことですので県においても把握していると考えます。工事の進捗状況など、御説明をいただきたいと思います。
 最後の質問項目であります。雇用問題、中小企業の振興についてであります。
 私たちの住む和歌山は、不況にあえいで随分と年月がたっています。地域産業の基盤をなす中小企業にとっては、厳しくもつらい経営が続いています。そんな中での紀陽銀行と和歌山銀行の統合などは、県内中小零細企業にとっては、足腰の弱いところは切り捨てられるのではないか、資金調達が今までと同じようにいくのか、また行員にとってはリストラの問題など不安を抱えるものと考えますし、一般顧客からは、銀行が遠くなる、集金に来てくれないなど不便を強いられることにもなると思いますが、知事は今回の統合予定についてどう考えておられるのか、所見を伺います。
 私は、今回の統合問題では、今政府において議論がされている郵政民営化問題と同じ不安が出てくるのではないかと考えています。過疎地における銀行の支店を縮小し、新規取引先が切り捨てられる可能性が大きくなるなど、心配をしています。汗を流し、知恵を出してまじめに頑張っている中小零細企業がやむなく廃業、倒産とならないよう、県においては、今回の統合については経済の論理や単なる経営上の統合合併ととらえることなく、弱者に光を当て、利便性をも視野に入れた県民の要望を銀行に対してお願いしていただきたいと思っています。
 戦後の日本経済を支えてきたのは、中小企業であります。これからの経済の発展を支えるのも中小企業と考えています。
 先日、和歌山県内では八番目となる太洋工業がジャスダック市場への株式上場を果たしました。大変うれしいニュースと喜んでおりますが、まだまだ中小企業を取り巻く環境は厳しいものがあります。大都市での景気動向とは大いに異なるところがあります。県においては雇用創出プログラム「わかやまジョブ・クリエイション」を策定し、企業誘致や産業振興施策、高齢者福祉など県が主体的に取り組む事業として考え方や内容を明らかにしたところですが、失業者問題や経営改善など、景気回復にはまだまだ時間がかかると考えています。何としても中小企業に元気になってもらい、和歌山の経済が力強く回復することを期待していますし、それにより雇用に関する問題も好転していくものと考えます。
 この中小企業こそが経済雇用の主役であり、和歌山県経済のバックボーンであるということは言うまでもありません。ベンチャービジネスの発想や成長を助け、地域社会に貢献する企業を育てることは行政の使命と考えますが、県として中小企業の振興にどのように取り組まれていくのか、お伺いしたいと思います。
 また、雇用問題に関連して、地域経済の振興を願い、中小企業の発展を望み、雇用がたくさん生まれることを期待し、わかやまジョブ・クリエイションについて質問をいたします。
 わかやまジョブ・クリエイションでは、平成十六年から十九年度までの四年間で一万五千人の雇用を創出するとしているのには、大いに期待しております。雇用創出目標の達成に向け、産業振興による雇用創出、行政による多様な雇用機会の創出、雇用のミスマッチの解消による就職支援の三つを掲げ、施策を展開していくとしていますが、このプログラムの概要や特色、目標達成に向けての今後の考え方を伺いたいと思います。このプログラムは何分装飾が多く、簡単に理解しがたい言葉もありますので、商工労働部長よりわかりやすく説明を求めます。
 以上が、私の第一回目の質問であります。御清聴をいただきましてありがとうございます。終わります。
○議長(小川 武君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの国体の成績について、私も実は新聞を見たとき、非常にショックを受けました。一番になるのもなかなか難しいけれども、びりになるというのもなかなか難しい。そしてまた、このびりになるというふうなことは、やっぱり県民の士気に非常にかかわることだというふうな気持ちを、私は正直言って持ったところでございます。
 集団競技の得点がことしからたくさん配されるようになったとか、それから県のインターハイで活躍して期待していた選手が奮わなかったとか、いろいろ個別には事情があると思いますけれども、しかしながらやはり全体的に四十番台をこのところ低迷しているというふうなことは、これは間違いないことなので、やはり私はこの時代、スポーツの振興ということは非常に大事なことだと思っているので、何とかこの状況を打開したいというふうに思っております。
 そういう中で、つい先般開かれた近畿知事会議でも、和歌山県もいよいよ国体の二巡目に立候補すると。その中で、これはまあいずれまた議会にお諮りするわけですけども、御存じのように、今非常に財政的にも厳しい中でやっていくということで難しいので、広域開催で皆さんの御協力をいただけないかというふうなことを諮りましたところ、来ていたすべての知事の人が協力するよというふうなことになりました。こういうふうな二巡目国体へのエントリーというふうなことをまずきっかけにして、これから大きく和歌山県のスポーツというふうなものがまた振興していくような努力をしていきたい。
 例えば、ナイター設備がない野球場というのは、日本でも和歌山だけというふうな話もあります。これも、日本で一つだけというのはなかなか難しい。やはりそういうことは胸を張って言えるようなことでもないんで、別にトップテンに入ろうとは思っていませんけれども、そういうふうなちょっとよそと変わったような状況になっているようなことについては思い切り見直していきたいと、このように思っています。
 そしてまた、天皇杯、皇后杯をとるかということについては、私は東京都なんかが出てくるときに、和歌山県が無理をして天皇杯をとるというふうなことはちょっとやっぱり不自然なことがあると思うんだけど、ただそのこととベストを尽くして一番可能な限りいい成績をとるということはまた別のことなんで、そういうふうな方向で力を尽くして、そしてまた和歌山県の青少年がスポーツで大いに力を、勇気を持てるようなことをしていきたい。時間のかかることですのですぐに結果が出るというわけにはいかないと思いますけども、そんな方向でスポーツ振興に取り組んでいきたいと、このように思っています。
 それからもう一つ、紀陽銀行と和歌山銀行の合併を進めるための協議を始めるということです。
 これにつきましては、都市銀行の再編が一段落し、不良債権の処理が山を越えたというふうな中で、今度は地銀、そしてまた第二地銀の統合、統廃合ということがペイオフを控えて問題になるというふうに言われております。今回のこともそういうことの一環の中に入っているんだろうというふうに推測はしておりますけれども、しかしながら今御質問の中にありましたように、そのことでまず一つは、銀行に働いている人の職場が狭まってくるような可能性もあると。それからまた、その銀行から融資を受けている中小企業というふうなところが苦境に立たされる可能性もなくはないということでございますので、私どもとしてはそういうことにならないように関係金融機関にも強く申し入れ、それからまたその他の商工施策の中においても、これはまた後に部長が話すると思いますけれども、いろいろな対策をとっていきたいと、このように思っております。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 道路網について、三点お答え申し上げます。
 まず、西脇山口線開通による交通の流れについてでございますが、今回の西脇山口線供用により和歌山市北部の東西ネットワークが強化されたため、紀の川を渡る三本の橋の交通が分散され、和歌山市北西部から市中心部へ向かう三つのルートが有効に機能し、渋滞緩和に大きな役割を果たしていると考えております。
 具体的には、朝の通勤時間帯の梅原交差点から紀の川を渡ってJR和歌山駅に至るまでの所要時間は、もともと三十分程度要していたものでございますが、短縮時間で見ますと紀の国大橋経由で約九分、北島橋経由で約七分、紀の川大橋経由で約十二分と、それぞれ大幅に短縮が図られております。このような状況を踏まえ、今後とも西脇山口線など幹線道路の整備に取り組んでまいりたいと思います。
 次に和歌山北インターについてでありますが、新たにインターチェンジを設置するには町づくりに資することがその要件になっているため、和歌山市が取り組む町づくりを前提に、和歌山市内の広域的な交通体系の中で必要性、可能性などについて検討する必要があると考えております。
 一方、国では今後、高速自動車国道の有効利用を図るため、ETCを活用したコスト削減が可能なスマートインターチェンジ等の設置を推進するとしております。こういった状況のもと、議員御提案の趣旨も踏まえ、和歌山市と十分調整を図りながら、今後さらに積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に紀州大橋の四車線化の進捗状況でございますが、国道二十四号の和歌山バイパスにつきましては、紀州大橋を含む残る二・四キロの四車線化に向けた事業を国が進めており、昨年度末に紀州大橋の下り線の橋梁上部工工事に着手し、今年度も引き続き橋梁上部工工事を進め、平成十九年度に二・四キロの供用開始を行うと聞いております。今後とも、早期供用が図られるよう国へ強く働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 雇用問題、中小企業の振興についての二点についてお答え申し上げます。
 まず中小企業の振興策につきましては、最も重要な課題と認識し、本年三月に和歌山産業イノベーション構想を策定し、中小企業の総合的、一体的な支援を推進しているところでございます。そのため、商工労働部の組織を再編し、産業支援課を経済センターに設置するとともに、財団法人わかやま産業振興財団を設置することにより、経営、技術創業、販路開拓、金融などの支援をワンストップで迅速に対応できる体制を整えたところでございます。
 また、中小企業の金融面につきましては、県制度融資において借りかえ資金や無担保の資金調達支援である広域CLO融資制度の実施、小企業者枠の拡充等を行ってきたところでございます。さらに、地場産業の振興として産地組合が取り組む新技術、新商品の開発や販路開拓、中国を初めとする海外進出を支援するとともに、小売商業の創業を促進する等、商店街の活性化にも努めております。
 今後、銀行の統合の問題も踏まえ、これらの事業を一層充実発展させるとともに、新たな取り組みに挑戦する中小企業の支援体制を強化することにより、中小企業の振興に邁進してまいります。
 次に、雇用創出プログラム「わかやまジョブ・クリエイション」は、景気・雇用情勢のより一層の改善を図るため、四年間で延べ一万五千人の雇用創出を目指すものでございます。このため、プログラムでは雇用創出につながる県事業を体系別に位置づけ、積算することにより雇用創出目標を設定するとともに、さらに年度別と雇用の種類別にも雇用創出数を明らかにしているところでございます。
 具体的には、新産業、新事業の創出や企業誘致、観光産業の振興、さらには各種福祉サービスの充実などによる雇用創出で一万三千九百人、行政のアウトソーシングの推進などの行政による多様な雇用機会の創出で一千百人の雇用創出を目指すとともに、若年者対策など雇用のミスマッチの解消策もあわせて推進することとしています。
 さらに、雇用形態が多様化している現在、働く場を創出することが重要との考えから正社員、パート社員などの雇用形態の区分ではなく、雇用の種類別では、雇用期間が一年を超える常勤的な雇用と、おおむね六カ月から一年以内の短期的な雇用、さらに経済波及効果に基づく理論的な雇用の三つに区分したところでございます。
 また、このプログラムは現時点で実施あるいは検討中の事業で構成しているため、年度別では三年後、四年後の雇用創出目標は初年度や二年度に比べ少なくなっておりますが、今後、実績と予算を毎年度明らかにし、新たな事業もさらに検討しながら、目標達成に向け、雇用創出効果に重点を置いた総合的な事業展開を推進してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツの振興についてお答えします。
 今回の国民体育大会の成績は、まことに残念な結果と言わざるを得ません。県選手団の活躍に期待し、応援していただいた県民に大変申しわけなく思っているところでございます。
 御質問の競技力向上のための選手強化費につきましては、全国水準から見て極めて厳しい状況にあります。また、本県のスポーツ施設は、人口当たりの設置数において、多目的運動広場や体育館などは全国平均を上回っていますが、陸上競技場や球技場などは平均を下回っております。また、それらの施設は、一部を除いて全体的に老朽化が進んでいる状況であります。
 国体において、昨年の第五十八回大会から新たに取り入れられた得点方式は、九人以上の団体種目の得点が従来よりもふえて高得点となり、本県の得意とする二人から四人の種目の得点が減じられ、結果として不利になってまいりました。今後この方式が続くと聞いております。
 指導者につきましては、日本を代表するようなすぐれた実績を上げた人たちが各競技において熱心に指導してくれておりますが、全般的に高齢となっているのが現状であります。
 体育指導員は現在採用しておりませんが、本年度から公立学校の保健体育科教員採用検査において一次検査の一部を免除するなどして、優秀な選手や指導者の確保に取り組んでいるところです。
 従前から学校教育の充実やスポーツの振興を重要な柱と位置づけ、その施策に取り組んでまいりましたが、中でも競技スポーツは礼節や精神力を体得させるとともに、見る者に感動を与えるなど極めて有意義な活動であることから、積極的に推進したところであります。
 このたびの結果を重く受けとめ、早急に競技力を高めるために、ジュニア選手を組織的、計画的に育成する一貫指導システムの整備充実や指導者の養成、確保等が最も重要であると考えております。関係機関、団体と連携し、一丸となり強化策に取り組む所存であります。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三番新島 雄君。
○新島 雄君 答弁をいただきましたが、道路に関してです、部長。
 北インターの件なんですが、私は、和歌山市内にインターチェンジが一つあることは必要条件だと思います。しかし、十分条件ではないと思っています。だから、交通体系なんかも考えないかんでしょうけれども、県民が何を望んでいるのか、どんな道が必要と感じているのかをよく見きわめてほしいんです。それを早くしてほしいんです。要望します。
 雇用問題なんですが、私の質問が悪かったかもわかりませんが、議場にいらっしゃる皆さんも、答弁がわかりにくいというような表現を、顔を見たらしていました。私もそうです。
 部長は現実として、雇用問題、中小企業、本当に苦労しているのわかっていると思うんですよ。それは、こんなんしました、あんなんしましたではないような気がするんでね、そこらもう一回洗い直してくれんかなって思うのが本音の部分です。表現が悪いかもしれませんけどね、本当に中小零細企業は血の汗を流していますよ。それで、働く場所探すのに本当にいろんなところへ頭下げて、必死になって探している人、ようさんいます。それがいい人材であるということもあります。だからもう一度、「頑張ろう和歌山」です。よろしくお願いします。
 最後、国体に関してなんですが、知事の答弁も教育長の答弁も、潔さがあったと私は評価をします。その潔さというのは何なのかと言えば、最下位を心からまず認めている。認めやな、これスタートせんですよね。それは僕は大いに評価をします。
 しかしこっから、落ち込んでやんとやらなしようないんですから──この議場の中にはスポーツに長年携わってきた人がたくさんいますし、スポーツを愛する人もたくさんいます。応援をずっとしているわけですから、県民と同じように和歌山県のスポーツが力強く復活することを我々も応援しますので、その心意気を十分感じ取っていただいて、もう今から次の国体に向けてスタートを切ってほしいし、そして二巡目国体に向けての中長期的な展望もきちっと立ててスタートを切ろうではありませんか。我々も一緒に頑張りますから、やりましょう。要望です。終わります。
○議長(小川 武君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新島雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十八分散会

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