平成16年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(小原 泰議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十九番小原 泰君。
  〔小原 泰君、登壇〕(拍手)
○小原 泰君 議長のお許しをいただきました。一般質問も私が最後となり、今定例会のトリを務めるよう御配慮いただきました先輩方に感謝申し上げ、通告に従いまして質問に入らせていただきます。
 知事、二期目の当選おめでとうございます。知事は、先般の選挙に際し、「私の政策宣言」いわゆるマニフェストの選挙戦に臨まれました。その中の県政の三つの理念の中に「県民主役の県政」があります。「県民の想いをかなえる、県民が主役の県政を実現する」というものです。また、今定例会の冒頭の知事就任あいさつでは、「今回の選挙で県内をほぼ二巡し、それぞれの地域で多くの県民と対話を重ねてきた。その中で、県民と県政の間の距離や厳しい意見もあることを改めて肌で感じた。そこで、県政をより身近に感じていただくために、普通の人の感覚で、県民のニーズに合致した県民の思いをかなえる県政を進めていくことが不可欠であると痛感した」と選挙期間中感じたことを述べ、「地域で頑張っている人を中心に地方が元気にならないと元気を取り戻すことはないという思いを強くした」と言われておりました。
 私は知事に、「一隅を照らす」という言葉を胸に秘め、二期目の県政に臨んでいただきたいと思います。この言葉は、知事と同じ旧自治省の出身であり、多くの県民に親しまれ、いまだにその名を語り継がれる本県を代表する名知事の一人であった故大橋正雄氏が座右の銘として好んだ言葉であります。比叡山に天台宗を開いた最澄の言葉であります。
 この言葉には、自分自身が置かれたその場所、立場で精いっぱい努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ何物にもかえがたい国の宝であるという意味で、自分のためばかりでなく、人の幸せを求め、人の心の痛みがわかる人、人の喜びが素直に喜べる人、人に対して優しい思いやりが持てる心豊かな人こそが国の宝であるといった意味が含まれています。
 私にとって、「一隅を照らす」という言葉には二つの思いがあります。一つは、片隅にあっても光り輝く存在であるということ。和歌山という全国の中でも小さな県でありながら常に光り輝く県でありたい、また知事には県のトップとして光り輝く知事であっていただきたい、そういう思いであります。
 もう一つは、片隅にも政治の光をということであります。今、県内の町村は合併問題で悩み苦しんでいます。合併がうまく進んでいる町村においても、将来的に中心部だけが栄え、片隅の地域というのは経済的にも政治的にも取り残されるのではないかという不安がいっぱいであります。また、合併がうまく進んでいない町村においてはより以上の不安と苦しみを抱えながら、財政状況厳しい中、小さな行政の運営に当たっていかなければなりません。そういった片隅の地域に対しても県として政治的、財政的に暖かい光を当てていただきたい、そういう思いであります。効率性や効果性だけを言うのではなく、片隅にあっても和歌山県土であり、和歌山県民が住んでいるんだという認識を持って、片隅の地域にも政治の光をお願いするところであります。
 「一隅を照らす」、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 続いて、教育関係についてお尋ねいたします。
 今定例会は、八月二十六日に発表された県立高等学校再編整備について多くの方が質問を行いました。その中で私は、古座高校と串本高校の統合に絞ってお聞きしたいと思います。
 古座高校は、創立八十七年の歴史と伝統があり、各界各層で活躍する幾多の人材を輩出し、当地域の教育ニーズにこたえるとともに大きな成果を積み重ねてきました。また、近年においては連携型中高一貫教育や単位制の導入など、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開するとともに、不登校や中途退学をなくすきめ細やかな指導を行うなど、地域からも信頼されている学校であることは地域のだれもが認めるところであります。
 しかしながら、県立高等学校再編整備案では、古座高校は平成十九年度から串本高校に統合されることになります。これに驚いた地元では、古座高校育友会と同窓会を中心に地域と連携する中で九月七日に決起集会を開催し、古座高校を存続させる会を結成させ、存続に向け立ち上がりました。本日は、その会の方々が、古座高校の存続を求める二万人以上の署名を携えて傍聴にお見えでございます。
 再編整備計画案の内容は、十九年度に古座高校としての募集を停止し、在校生は串本高校へ移ることとなっています。その結果、十七年、十八年度に入学する生徒は、一・二年生のときは古座高校で学び、二・三年生時は串本高校へ通うことになります。また、統合後の学校の枠組みにはこれまで古座高校が行ってきた中高一貫教育や単位制のシステムは組み込まれていません。これでは、中高一貫教育の中で古座高校に入学した生徒はどうなるのでしょうか。また、入学を目指していた中学生はどうなるのでしょうか。このような状況では、残された平成十七年、十八年度の二年間は学習意欲や目的意識のある生徒が入学を希望せず、実質的には来年度からの入学希望者はなくなると思います。そして、十八年度の古座高校は三年生だけの学校となるのではないかと懸念するところであります。
 古座高校の廃校は、古座川地域の生徒にとっては遠距離通学や下宿生活を強いられ、生徒への負担がふえることばかりでなく、保護者にとっても通学費等の教育費がかさむこととなり、山村地域での生活を圧迫することとなります。また、高校の廃校は、教育面ばかりでなく、あらゆる面において古座・古座川地域に大きな影響を与えることは必至であります。
 本年三月二十六日、第四期きのくに教育協議会により報告された「和歌山県立高等学校における今後の教育改革の在り方について」の中に「県立高等学校の再編整備にあたっての考え方」の項目があります。そこには、「小規模校であっても、生徒や地域のニーズに対応した学校づくりができると判断される場合は、別途検討を行うものとする。 なお、生徒減に伴う再編整備とは別に、各校が培ってきた伝統や教育力、設置学科の特徴を十分に生かしながら、総合学科や中高一貫教育等の導入によって、学校の特色化を図っていくことができる場合には、教育の質的向上という観点から、検討を行うことが望ましい」と書かれています。
 この報告を踏まえてのことと思いますが、県教育委員会では九月八日に、大成高校美里分校、有田中央高校清水分校、日高高校中津分校、南部高校龍神分校の四つの分校において、例年の定員割れを補充する形で生徒を全国募集すると発表いたしました。私は、前の質問で知事に「片隅の地域にも政治の光を」とお願いしたとおり、過疎・山村地域に住む議員として、古座高校の存続を望む一人として教育長にお尋ねいたします。
 古座・古座川地域の大自然の中にある古座高校を地域の特色を生かした三十人の学級編成による中等教育学校にし、県外枠を導入するなど、全国に先駆けた教育モデル校に再構築してでも存続させるべきであると考えますが、教育長の御見解をお伺いいたします。
 次に、小規模校での義務教育の充実についてであります。
 和歌山県には、多くの小規模な小中学校があります。私も、小中学校時代を本宮町の小さな学校で過ごしました。今は過疎化、高齢化とともに少子化も進み、児童数、生徒数も減少を続けており、先生の数も減っています。私の中学校時代でも、小規模な学校であるがゆえに、幾つかの科目では専門の教科の先生がいなくて別の教科の先生に教えてもらったことを記憶しています。英語の専門の先生がいなくて別の教科の先生だったり、特に美術、音楽などの副教科についてはほとんどが別の教科の先生に教わったように記憶しています。
 現在のように生徒数、学級数が減り、先生が減った小規模校なら、私の中学時代よりさらに専門の教科以外の先生に教わることが多くなっているのではないかと思いますが、どうでしょうか。専門の教科の先生が教えてくれる授業と、そうでない先生の授業とではかなりの差が出るのではないでしょうか。一概に専門の先生かどうかではなく先生個々の資質によるところが多いのかもしれませんが、専門以外の先生の授業は単調でおもしろくない、興味がわかない、授業がわからないなどといった現役中学生の声を耳にしたことがあります。
 また、中学校で専門の先生がそろっていない小規模校で教育を受ける子供たちの保護者は、専門の先生がそろった学校で教育を受ける子供たちに比べ教育条件で不利な状況となっているのではないかと常に不安を感じています。もちろん、学校の規模だけで教育条件のすべてを言うわけではありません。比較的小規模校の多い熊野地域は、七月には世界遺産に登録され、世界に誇れる地域になりました。ふるさとを誇りにできることがまた一つふえたと大変な喜びでありますし、このふるさとに育つ子供たちは幸せであると思います。
 しかし、保護者や地域にとっては、自然環境には恵まれていても、小規模校での教育に対する不安や新しい教育情報、文化に触れる機会の少なさなど、地理的に不利な条件の中で子供たちの個性や能力が十分に育っていくのか不安に感じていることも事実であります。今、教育は地方分権や規制緩和の流れの中で地方の特色を生かした教育の推進が求められていますが、私は国を支える子供たちの教育の基礎を築く義務教育の充実は最も重要であると考えます。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。
 専門の先生がそろっていない小規模校の子供たちに専門の先生がそろった学校の子供たちと同等の義務教育を受けさせたいと考えることから、可能な限り専門の先生の授業が受けられるよう、学校の枠にとらわれず、ある一定の地域において専門の先生が授業を受け持つような仕組みができないものかと考えますが、小規模校における義務教育の充実について見解をお聞かせください。
 次は、県下一斉学力診断テストであります。
 先日、九月十二日の新聞記事に、河村文部科学大臣が義務教育のあり方を大きく転換する改革案「河村プラン」が掲載されていました。その柱の一つに義務教育九年間の到達目標の明確化を掲げ、この実現のため、教える基準とされてきた学習指導要領を子供の学習の到達目標へと変える方向が示されています。私も、義務教育の到達目標を設定し、それに到達しているか否かを子供や保護者に対して説明する必要があると考えます。
 教える基準から到達目標になることで責任ある教育が必要となり、安易に専門教科以外の先生による授業ができなくなるのではないでしょうか。また、子供一人一人の学力の定着状況を示しておけば、小規模校などでの教育の格差に対する保護者の不安は少しは解消できるのではないでしょうか。そういう意味から考えますと、昨年十一月に本県教育委員会が県下一斉に約六万三千人の児童生徒を対象にして実施した学力診断テストはまことに的を射た施策であり、基礎・基本の定着状況を継続的に見る上においても重要であると考えます。
 改めて、教育長に質問いたします。
 学力診断テストの結果では八地方における学力の差異は見られなかったと言われますが、小規模校と大規模校での差異は見られなかったのでしょうか。また、その結果を分析し、各学校ではどのような学力向上の取り組みがなされているのでしょうか。取り組みがなされているとすれば、その改善結果がわかるようにするには継続した学力診断テストの実施が必要であると考えますが、御見解をお聞かせください。
 次に、熊野地域の世界遺産登録を契機とした南紀白浜空港の利用促進についてお尋ねいたします。
 今回、紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産として登録されましたことは、まことに喜ばしいことであります。この登録は、人類共通の財産を後世に伝えていく義務を負うとともに、できるだけ多くの人々にできるだけ長くこの豊かな自然や歴史を体感していただくことができるような仕組みをつくっていくことが行政を含めた私たちの使命として課せられたものだと感じているところであります。
 こうした観点から高野・熊野地域を見てみますと、世界遺産登録の効果は絶大であり、登録後、多くのテレビや新聞などで取り上げられた結果、本年七月、八月の二カ月間の高野町、九度山町、本宮町、中辺路町、那智勝浦町の世界遺産関連五町への観光入り込み客は、宿泊客、日帰り客を含めて百一万人に上り、昨年の八十万人に比べて二十一万人も増加しております。平安時代末期以降、多くの人々が熊野もうでという聖地巡礼に取りつかれたように、現代人が全国から新たないやしを求めて今後ますます熊野古道を初めとする熊野地域を訪れることが予想されます。
 かつての熊野もうででは京都から往復約一カ月もの日数がかかったと言われておりますが、交通手段が発達した今日、道路や交通機関を整備することにより、できるだけ短時間で来ていただき、一時間でも長く熊野地域の歴史や豊かな自然を味わって帰っていただけるようにすることが必要であります。このことが、世界遺産登録を一過性のブームで終わらせず、リピーターの確保につながっていくものと考えます。
 熊野地域への交通手段としては鉄道や船、航空機などありますが、所要時間からすれば航空機の優位性は明らかであります。例えば、東京から白浜までは、新幹線などを利用すると約五時間余りかかりますが、飛行機を利用すれば一時間で着くことができます。南紀白浜空港の果たす役割は今まで以上に重要になってくるものと考えられます。観光を初め地元振興を図るためには、豊富な路線や便利なダイヤを持つ利便性の高い空港が必要であると考えます。
 しかし、現在の南紀白浜空港の状況を見てみますと、一日二、三便の東京便しか就航しておらず、しかも昨年度の搭乗率が五四・五%、今年度七月までの搭乗率が五一・四%と、決して高いものとは言えない状況であります。
 そこで、これまでの首都圏からの白浜空港の利用促進策としてどのような対策をとられてきたのか、また世界遺産登録を契機として今後どのようにして利用促進を図っていくものか、県土整備部長にお伺いいたします。
 また、国内外からの集客を考えれば、東京以外の地域からの豊富な就航も必要であると考えます。福岡、札幌などの国内はもちろんのこと、国外からの就航も含め航空会社に働きかけてはいかがでしょうか。あわせてお尋ねいたします。
 次に、時間的に早く着けるだけでなく、できるだけ安く訪れることができるようにすることも必要であります。旅行代理店の話によりますと、今後は観光の広域化、多様化が進み、熊野地域と高野地域とのパッケージツアーの需要がふえるであろうとのことであります。そうなると、南紀白浜空港を利用して和歌山に入り、熊野地域から高野山を観光し、関西国際空港を利用して帰る観光客、またその逆のルートというのも考えられます。通常、往復運賃割引というのは同一空港間での適用が原則でありますから、南紀白浜空港から入り、関西国際空港から帰れば往復運賃割引の適用はありません。しかし、両空港を利用した場合でも往復運賃割引が適用されれば、首都圏からの誘客を図る意味でも大変なアドバンテージになると思います。
 石川県には能登空港と小松空港という二つの空港があります。本年二月、大沢委員長のもと半島振興過疎対策特別委員会で石川県を訪れたとき、この二つの空港を利用した場合でも往復割引が適用される「能登ワイドリピート二」という制度があることを勉強し、空港の利便性を図ることに努めているという説明を受けました。このような制度を南紀白浜空港と関西国際空港にも適用することによって、航空運賃が安くなり、利便性が図られ、南紀白浜空港の活性化につながるのではないでしょうか。県民の目線に立った行政の推進を日ごろから言われている知事にとって、こういったことこそがまさに利用する者の立場に立った行政の推進であり、すぐにでも検討を始められることと思いますが、県土整備部長の見解をお聞かせ願います。
 最後に、今まで申し上げましたように、世界遺産登録によるインパクトを最大限に活用し、地域振興を図っていくためには、南紀白浜空港と関西国際空港の両空港の連携を密にし、利用促進を図っていくことが重要であると考えます。しかし、県におけるそれぞれの空港の担当窓口は今、県土整備部と企画部とに分かれています。今後は担当窓口を一元化し、航空行政を進めていく必要があるのではないでしょうか。これは私の要望であり、特に答弁を求めませんが、組織の見直しを検討される際にはぜひ御検討いただければと思います。
 以上で、一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの小原泰君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま「一隅を照らす」という言葉がありましたけども、いろいろな意味があるんだろうと思うんですが、私のこの言葉の理解としては、目立たないけれども、社会にとって非常に大事なところのことを一生懸命やってる人を大事にしていくということが国の基であるというふうなことだろうと、ずっと理解をしてまいりました。
 そういうことから言えば、今、日本の国、みんなが東京とかそういうふうな都市へ行って住むような形になってきた中で、地方にとどまって、そしてその地域の伝統を守り、そして文化を守っている人たち、大変困難はあるけども守っている人たち、そしてまた、そういうところへIターンであるとかUターンで帰ってきて新天地を求めようとする人たち、こういう人たちがある意味では僕は一隅を照らす人ではないかというふうにも思うわけで、この言葉は今風に言えばひとつ地方分権の理念にも通じることではないかというふうなことも思うわけでございます。
 そういうふうな中で、今いろいろなことの中でそういう人たちの住む町村が非常に厳しい状況の中に置かれていると。県としては、こういう町村を指導するというふうな立場ではなく、やっぱり一緒になって悩み苦しむという立場に立ってやっていかなければならないというふうなことを思っておりますので、私は──本当はすぐにやらないといかんのかもしれませんけども、今、この三位一体の改革であるとか、いろんなことの中で弱小の市町村というふうなものが波間に翻弄されている。今まで以上にそういうことでは心の支えを必要とするような──お金の支えはなかなか出せないわけだけども──時期になってきているというふうなことを思いますので、県の組織でも、地方課そしてまたその後身としての市町村課が今あるわけですけども、こういうふうなところの役割を改めて見直し、そしてまた振興局の中の町村との相談ということの役割も改めて見直して、こういうところを充実していって、一隅を照らしている町村が苦しまないように、またそこで住んでいる一隅を照らしている人たちが大変悩んだりしないようなことをできるだけ心がけていきたいと、このように思っております。
○議長(小川 武君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 南紀白浜空港の利用促進につきましては、これまで県及び地元関係者で組織する南紀白浜空港利用促進実行委員会を中心として首都圏での各種イベント等を利用したPR活動に取り組んでまいりました。これらの活動に加え、今般の世界遺産登録を契機とし、ほんまもん体験等の体験型観光や熊野古道などを組み合わせた修学旅行の誘致を行うとともに、わかやま喜集館や航空機内用雑誌、ビデオを活用し、豊かな自然、歴史など本県の魅力について情報発信を積極的に行い、新たな空港利用客の発掘に努めてまいります。
 また、東京便以外の新規路線開拓につきましても、今後、国内外からの来訪者の増加が考えられることから、旅客需要を見きわめながら関係機関に働きかけてまいりたいと考えており、今後とも関係者が一体となって地理的優位性のある南紀白浜空港の特徴を十二分に発揮できるよう、その利用促進に向けて総合的に取り組んでまいります。
 次に、関西国際空港との連携につきましては、旅行代理店に対しまして南紀白浜空港と関西国際空港利用のパック商品の企画開発を働きかけているところであります。議員御提案の両空港を利用した往復割引運賃を初めとするより安価な運賃の適用につきましても、航空会社等関係機関に強く働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題、三点についてお答えいたします。
 最初に、県立古座高校と串本高校の統合案についてお答えします。
 古座高校は、議員御指摘のとおり、連携型中高一貫教育や単位制の取り組みを行い、特色ある教育実践を展開してまいりました。しかしながら、東牟婁地方の現在の生徒数は、約千五百人いた昭和五十年のピーク時の半数以下となり、古座・串本両校ではこのところ入学者が募集定員に満たない状況が続いております。
 このたびの統合案は、当地方の生徒が学習や部活動等において互いに切磋琢磨する中でみずからを高められるような教育環境の整備、生徒の興味、関心に応じた多様な教育内容を盛り込み、活力ある高校教育を展開していくために作成したものであります。
 現在、パブリックコメントを実施しているところであり、寄せられた御意見や関係の皆様方との協議を深める中で最終的な案を取りまとめていく予定としております。両校に関しても、それぞれの学校で培ってきた特色や連携型中高一貫教育等の実績あるいは伝統を生かしつつ、生徒にとって魅力のある学校になるよう留意してまいりたいと思っております。
 次に、義務教育における小規模校の教育の充実についてお答えいたします。
 議員のお話のように、和歌山県には小規模校が多く、特に中学校の場合、全校で三学級以下の学校が県内の中学校総数の中の約三分の一を占めております。学級数に基づいて教員を配置することから、教科によっては専門の教員が授業を担当できない状況にあり、こうした中学校の一部には非常勤講師を配置したり、近隣の学校の教員が他の学校と兼務をして授業を行っております。また、地理的な条件を克服するためコンピューターを活用し、遠隔地の学校間を結んだ授業や小規模校の特性を生かした指導を行っているところであり、今後さらにこれらの取り組みを充実させてまいります。
 最後に、昨年行いました学力診断テストの結果については、地方別に大きな差異は認められず、さらに小規模校においてもきめ細かな指導の成果が上がっていると判断できる結果が出ております。各学校ではこのテスト結果を分析し、指導方法の改善や教材の工夫などを行って課題の解決に向けた取り組みをそれぞれ独自に進めております。
 本年度も学力の定着状況や改善の成果を継続して把握するために、十月七日に第二回目の学力診断テストを実施いたします。そのうち小学校の五年生と中学校の二年生は岩手県、宮城県、福岡県と共通の問題を使用して行うことによって、より客観的に学習状況を把握し、学力の向上を目指した取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十九番小原 泰君。
○小原 泰君 「一隅を照らす」、知事のハートの中にいつまでも残る言葉であることを願うところであります。
 高校の再編の問題につきましては、二十四日の文教委員会において細かな論議がされるものと思いますが、これまでに寄せられました県民の声、地域住民の声が十分反映されますことを強く希望し、質問を終わります。
○議長(小川 武君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で小原泰君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件のうち、議案第百二十号平成十五年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百二十一号平成十五年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 次に日程第四、請願付託の件について御報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。九月二十四日及び二十七日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 御異議なしと認めます。よって、九月二十四日及び二十七日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、九月二十八日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十二分散会

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