平成16年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(小川 武君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議案第百二号から議案第百二十一号まで、並びに知事専決報告報第十三号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 十一番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
 一般質問も前半が過ぎ、三連休があり、後半戦のトップバッターを議長のお許しを得て一般質問させていただくことに感謝申し上げて、私なりの質問をさせていただきたいと思います。
 その前に木村知事、二期目県政運営を目指され知事に立候補され、県民の圧倒的な支持のもとに再選されました。まずは、心からお喜び申し上げます。と同時に、社会情勢不安な時代、とりわけ厳しい財政難の真っただ中、荒海に立ち向かって航海していかなければならない和歌山丸の船長としてのお役目、大変御苦労さまでございます。県政運営の一期をお務めいただき、県民が県に対して、知事に対して限りなくある不平、不満、要望、願望のあることを実感されたことでありましょうし、さらに二期目知事選に臨まれた際、県内をほぼ二巡され、それぞれの地域で県民からの厳しい御意見を肌で感じられたとおっしゃいました。また、三万人余りの県民とも握手したとも申されました。その一人一人が県の将来に期待する思いを知事に県政運営を託し、県民の思いをかなえていただきたいという熱い願いを持って、知事、あなたの手を握ったんです。知事、その皆様方の力強く、ぬくもりのある手の感触をいつまでも忘れないでください。私も県議会人の一人として県議会と県勢発展のため、ともに切磋琢磨しながら頑張りたいと思います。頑張れ、木村良樹知事。
 今回の質問をさしていただくに当たり、きょうお見えの貴志川町長、議長、あるいは貴志川線存続に向けての貴志川線の未来を「つくる」会の濱口会長以下沿線住民のたくさんがお見えの中で、本質問は南海電鉄存続問題について一本にして質問をさせていただきたいと思います。
 本問題につきましては、平成十五年十二月定例議会の一般質問でも述べさせていただきましたが、確認の意味をも含めて再度沿革から少し触れさせていただきたいと思います。
 大正三年、和歌山駅──現在の紀和駅──と和歌山市の東部、山東の間を鉄道免許がおりまして山東軽便鉄道が設立、その後、いろんな変遷を経ながら昭和六年、東和歌山駅─貴志駅間を運行する和歌山鉄道、通称和鉄が誕生し、さらに昭和三十六年三月から南海電気鉄道の事業拡張に伴い合併され、南海電気鉄道株式会社南海貴志川線となって営業十四・三キロ、十四の駅を持つ鉄道として現在に至っているものであります。
 私の記憶している限りにおいても、あの戦後の混乱期には、関西方面から食糧の買い出しのための生命線として大変重要な交通機関でありました。高度成長期には、和歌山市の東部開発、貴志川町の住宅開発、とりわけ県営長山団地開発は、南海貴志川線があったからこそでき得た開発でありました。貴志川町には今もなお貴志川線があるからこそ他所からたくさんの方々が転入され、町人口が増加して活気のある町として発展しております。また那賀郡内、岩出町を除く五町の合併協議会も順調に進み、十七年度中には人口七万一千人のバランスのとれた新しい市が誕生いたします。和歌山市からの玄関口として大変重要な位置にあります。
 そんな中、前々から貴志川線の存続が大変困難である旨の話はいろいろお伺いしておりましたが、ことし八月十日、いよいよ南海電気鉄道から正式に貴志川線鉄道事業からの撤退について和歌山県、和歌山市、貴志川町に対して表明されました。最終決断されるまでの間、鉄道事業の持つ公共性からも南海さんとしてもぎりぎりの経営努力をしてきていただいたと思いますが、モータリゼーションの進展、道路網の整備、少子化等の影響もあり、また長引く不況で不動産賃貸や住宅開発事業での苦戦などが続き、タクシー事業や観光バス等の不採算事業からの撤退を実施してこられたとお伺いしておりますが、事ここに至って弓折れ矢尽きたとのことであります。
 民間企業である以上、その苦しみはよく理解できますし、今日までよく頑張っていただいたことに心から感謝と敬意を表したいと思います。南海さんも苦渋の選択をされ、経営継続断念の意思がかたい以上、やむを得ないこととは思いますものの、後に残されました二百万人に及ぶ利用者が路頭に迷うことになります。今までは、ともすれば空気のように当然あるべしと思っていて、鉄道経営について余りにも無関心だった沿線の利用者や地方自治体──和歌山県、和歌山市、貴志川町その他関連町においても大いに責任があったことと思います。
 平成十五年十二月六日に県も参画していただいて和歌山市、貴志川町とで立ち上げていただいた南海貴志川線対策協議会は、今までの間四回の協議が開催され、沿線住民二十五万六千人分もの署名を集められ、南海電鉄に陳情、また県知事及び国土交通省に支援の要望を実施されてきたとお伺いしておりますが、前にも申したように、八月十日に南海電鉄が撤退を表明された後は、南海さんで存続を前提として取り組んできていただいた対策協議会としてはなすすべがないのが現状でありましょう。
 南海さん撤退表明後、貴志川線存続に向けて、和歌山市、貴志川町はもちろんのこと、沿線住民が地域の足、生活の足の路線として貴志川線の未来を「つくる」会を結成され、鉄道路線を残すために立ち上がっていただきました。その会が中心となって、NHKでも「難問解決 ご近所の底力」という人気番組にも取り上げていただき、去る九月二日、NHK総合テレビで夜九時十五分から九時五十八分までの四十三分間もの間放映され、大変大きな反響を呼びました。
 また、九月七日には貴志川線存続に向けてのシンポジウムが貴志川町で開催されました。国土交通省からは鉄道局担当の大臣官房審議官大口清一氏、都市鉄道課長渡邊一洋氏、近畿運輸局長谷口克己氏、近畿運輸局鉄道部長小野隆夫氏、近畿運輸局和歌山運輸支局長太田啓三氏、同総務企画課長河崎輝昭氏など、日ごろは本当に余り親しくお目にかかれない方々でありますが、幸い、地元和歌山出身の国会議員の皆さん方のお口添えをいただき、台風十八号の警報の出ている中にもかかわらず沿線住民の皆さん方が会場立錐の余地もないほど集まられ、予定時間を一時間余りも延長される中、熱心にシンポジウムの成り行きを見守っていらっしゃいました。当然、南海電鉄側からも、常務取締役・鉄道営業本部長兜秀昭氏、統括部長亘信二氏、統括部課長桝元政明氏がお見えになっておられました。大口官房審議官の「鉄道事業の「今」を考える」という演題の講演の後、和歌山大学経済学部助教授辻元勝久氏のコーディネートによるシンポジウムの中で、全国各地で採算のとれない鉄道の廃線が相次いではいるが、国として地方鉄道への各種補助の拡大のため来年度も予算要求に努めている、また貴志川線問題については特に近畿運輸局内にプロジェクトをつくって研究している、またその用意があるなどの力強いコメントがありました。この会の様子は、県においては野添企画部長、中岡総合交通政策課長もお見えいただいておりましたし、また市内の県議会議員数名もお見えいただいておりましたので、その様子はよく御理解いただけたことと思います。
 以下、私なりの質問に対し、県知事並びに県担当部長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 まず、知事が今九月定例議会の冒頭、県政二期目に当たり就任のごあいさつの中にもありました、「地球環境保全に貢献する全国トップクラスの環境先進県を目指す」とおっしゃっておりますが、具体的にどういうことをイメージされて申されたのですか。
 同じく就任ごあいさつの中にもある「市町村との連携」との発言の中で、「地域を自分たちの手で少しでもよくしていこうという取り組みと協働し」とあります。「市町村と連携しながら積極的に応援していく」と述べられておりますが、どんな思いで述べられたのでしょうか。私はまさに、環境先進県を目指すためには環境に優しく、公共交通機関の整備は避けて通ることのできない問題であり、その中にあって南海貴志川線存続についても地域の皆様方とともに解決していきましょうという思いを込めて申されたことと推察いたしますが、いかがですか。
 今、二十一世紀社会では、地球規模で叫ばれているエネルギー問題、温暖化防止のためのCO2排出削減問題、自然環境保全問題、高齢化社会問題等、難問が山積している中、省エネルギー、低公害車の普及促進や、交通弱者と言われている高齢者やあるいは自動車を利用できない方々への対応のため自動車交通への過度な依存を改め、環境に優しい公共交通機関への転換が今後大変重要な問題になってこようと思われている中、知事の先を読んだ力強いメッセージ、貴志川線存続問題で大変苦しんでいる私どもを含め、沿線住民の皆様方がその知事のお話を聞き漏らすはずがありません。公共交通機関への今後の積極的な取り組み、とりわけ貴志川線の存続に対する知事の力強い御所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、企画部長にお伺いいたします。
 まず、九月七日、貴志川町で開催されました貴志川線存続に向けてのシンポジウムを傍聴されたときの率直なご感想をお聞かせいただきたいと思います。会場の熱気、存続を願う沿線住民の生の声を肌で感じ取っていただけたことと思いますが、いかがでしょうか。
 また、平成十四年三月に発表されています和歌山県総合交通ビジョンの中で、先ほど申し上げましたとおり、いろんな難問が列記されています。とりわけ公共交通機関の整備が緊急かつ大変重要な問題であると明記されておりますが、今後、和歌山県として公共交通機関に対してどのように積極的な対応をしていくのか、その中でも今問題になっている貴志川線問題について、その存続に向け、どのように取り組んでいっていただけるものかお伺いして、まず第一回目の私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(小川 武君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 今、御質問の中にありましたように、私の就任あいさつにおきまして、「環境先進県を目指す」との基本方針を明らかにいたしました。地球環境保全の視点から大量かつ効率的な輸送機能を有する鉄道などの公共交通機関は、環境に負荷の少ない、環境に優しい交通機関であると認識しております。
 貴志川線の問題につきましても、このような視点も踏まえ、地元の熱意ある取り組みの中で、地域との協働や市町村との連携に努めながら積極的に応援をしてまいりたいと考えております。
 南海貴志川線は今もなお減少し続けているとはいえ、昨年度で百九十八万五千人の乗降客があり、地域にとって通勤・通学等の利用の多い生活に密着した路線であると認識をいたしております。
 現在、地元市町、国、南海電鉄とも協議を進めているところでございますが、県としては今後地元の意向を十分に踏まえながら、地域住民の生活交通確保のため、できる限りの努力をしてまいりたいと考えております。
○議長(小川 武君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 九月七日のシンポジウムのまず感想でございますけども、当日は台風十八号の接近によりまして朝から暴風警報が出されておりました。シンポジウムの開始時刻には大荒れの状況でございました。加えて、当日は火曜日という平日のこともありまして、私自身も参加者の状況はどうかなあという感じを持っておりました。ところが、五百人収容の会場はいっぱいでございまして、始まったころには立っておられる方もございました。シンポジウムが始まりまして、パネラーの方々の発言の中で鉄道存続につながるようなお話に対しては大きな拍手が起こりまして、出席者の皆さんの鉄道存続にかける熱い思いといったものが、先ほど議員のお話にもございましたけども、本当に肌で感じることができました。
 ただ一方、昨年の貴志川町、それから和歌山市、県、またそれぞれの議会、また関係の皆さんで構成した対策協議会の利用促進の推進、それからまた二十五万人を超える署名にもかかわらず、今年度に入っても依然として利用客が減り続けております。今年度に入りまして四月から八月までに約二万四千人、月平均しまして四千八百人が前年度に比べて減少しているという厳然たる事実があります。
 そういったことで、ある意味では私自身もこの会場の熱気とこの客観的な数字とを比べた場合に複雑な思いに駆られました。したがって、やっぱり何よりも地域住民の方々のマイレール意識というか、自分たちの鉄道だという意識と、あるいは具体的な行動が必要ではないかというふうに感じました。これが私の率直な感想でございます。
 次に、今後の公共交通機関、特に南海貴志川線の問題についてどう対応していくかについてでございますけども、平成十四年三月に策定いたしました和歌山県総合交通ビジョンでは、その基本方針を交通環境のユニバーサルデザイン化、環境負荷軽減の推進、ITの活用といたしております。
 まず一点目の交通環境のユニバーサルデザイン化とは、高齢者や障害者にとって移動しやすい交通はすべての人にとっても移動しやすい交通であるという考え方に基づいた交通体系を進めるものであります。二点目の環境負荷軽減の推進とは、自動車交通への過度な依存を改めまして、徒歩、自転車、公共交通など環境に優しい多様な交通手段の確保を目指すものでございます。三点目のITの活用につきましては、急速に進展している情報通信技術の活用による安全性・利便性・快適性の高い交通サービスの提供であります。
 この中で、県の役割としましては、県全体の公共交通など交通サービスのあり方を考える中で、地域の交通計画を実現する市町村に対し、個々の施策が円滑に推進されるための支援等を行うこととしてございます。
 現在、南海貴志川線問題につきましては、県としましても、和歌山市、貴志川町とともに国、南海電鉄を交えて協議を重ねているところであり、これまで担当者会議や作業部会を四回開催してございますが、今後も引き続き協議を行うこととしてございます。この中では、具体的な駅員の配置体制を含めた運営形態の検討、運営費用を低減するための運行形態や運行本数の精査、維持・補修に係るコスト低減など、南海電鉄撤退後の鉄道存続に向けた検討を第一義として行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十一番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 本来なら自席で行わさせていただきます再質問なり要望なんですが、傍聴の皆さんもお見えでございますので、お許しをいただきたいと思います。
 知事、企画部長からの御所見をお伺いしました。さきのシンポジウムの中で和歌山大橋市長、中村貴志川町長のお話にもありましたように、南海電鉄が正式に撤退を表明されてまだ日も浅く、厳しさをきわめている和歌山市財政、貴志川町財政では、あしたからそれではどうするとかこうするといったような具体的な対策案を出せるような状態ではありませんし、その出せない状態である以上、和歌山県としても、大変御答弁には歯がゆい思いをするものの、現時点ではいたし方ないのかなあと認めざるを得ません。
 しかし知事、来年九月までの限られた時間しかありません。南海電鉄撤退後の貴志川線を存続させるための検討・協議の中心になっていただけるのは、和歌山県しかないのです。さきにも述べましたが、一つの市や一つの町の責任で対処し得る問題ではありません。私もその後、たくさんの方々から叱咤激励を受けましたし、また存続のためのいろんなアイデアもお伺いいたしました。
 その中で特に、南海電鉄からいただいております貴志川線収支報告書の中で、例えば平成十五年度実績にしても、営業収入つまり運賃収入は三億一千万余りしかありませんが、それに対して社員四十二名とお伺いしておりますが、総人件費用は四億七千万がかかっていると、そういうふうにおっしゃっていますし、いろんな営業経費が八億一千八百万も必要である、また営業外費用も平成十五年度単年度だけでもかかっておりますので、その単年度だけで五億四千四百万もの赤字が発生しているとなっておりますが、これとて余りにも人件費がかかり過ぎるんではないかとか、いろんな問題で納得できません。厳しい指摘もございます。また、年々利用者が減少している中で、それでは公務員の皆さん──和歌山市、和歌山県へお勤めになっているその他公務員もいらっしゃいますが、その公務員さんに優先的に使用するよう指摘せえと、そういうふうなお話もお伺いしております。でも、どの話もこの話も的を射た事柄ではありましょうが、批判や批評ばかりでは前に進みません。
 前にも述べましたNHKのテレビ番組の中で、沿線住民が議論の末、貴志川線の未来を「つくる」会──先ほど申しました濱口さんという方、この方は県職員のOBでありますし、現在は貴志川町で一番大きい長山団地の区長もされております。きょうもお見えですが──提案された三位一体鉄道の構想であります。一人は事業者、一人は公共団体、一人は沿線住民であります。事業者である南海電鉄としては南海電鉄としての継続は断念するが、新規鉄道会社をつくっていただければ、そこへの車両や変電所、路線敷、あらゆるその他ハード面はもとよりでありますが、経営面、ソフト面では最大限協力をすると言っていただいております。沿線の住民の方々もマイレール意識を持ち、貴志川線の未来を「つくる」会を中心に、さらにその組織を拡大するため頑張っていただいております。利用者増客のための知恵を出し合い、また駅舎周辺の除草や清掃、その他後方支援のできることだったら何でもボランティアで協力するともおっしゃっていただいております。運営継続のためなら出資をしてもいいと言ってくださっている方々もたくさんいらっしゃいます。さらにまた、沿線には南海OBの方々も大勢いらっしゃいます。運営費削減、特に人件費の削減のためだったら電車の運転や施設管理はパートでもいいと、積極的に協力を申し出ていただいている力強い支援もあります。
 利用者増客のための方策としては、例えばパーク・アンド・ライド方式という方法があります。これは、最寄りの駅までマイカーで行き、電車等の公共交通機関に乗りかえて目的地に向かう交通施策のことであります。この秋、世界遺産に登録された高野山の観光客のために日曜・祝日に限ってテスト実施されると、こういうこともお伺いしております。そういうことで、駅周辺の民有地などを借り上げて駐車場などを整備した後であれば、一般通勤客や公務員の皆さん方にも積極的に御利用いただけるようお願いすることもできるでしょう。そんな環境整備をする場合には、大手鉄道会社には得られませんけれども、地方鉄道の場合には国からの近代化補助などが受けられます。また、そのためにも近畿運輸局内にプロジェクトチームをつくってまでいただいて、今後のこの貴志川線の取り組みを注意深く見守っていただいております。
 残るは和歌山県の決断、知事、あなたの決断にかかっているのです。知事として大変毎日多忙をきわめていらっしゃるとは思いますが、それでもたまにはマイカーで粉河寺や打田町のめっけもん広場へお出かけになっているとおっしゃっていただいています。百聞は一見にしかず──ぜひ一度貴志川線に乗ってください。そして、利用実態を実感していただきたい。利用者の皆さんと触れ合っていただきたいと思います。沿線には、貴志川高校、あるいは新しくできた向陽中学、向陽高校、信愛女子短大やあらゆる学校施設、あるいは県警の交通センター、また伊太祁曽神社とか大池遊園とか平池自然公園とかなどのいやしのスペースがたくさん点在しております。さらに、行き交う利用客、市内の学校に通う学生、通勤客、高齢者、一般沿線住民は病院やあるいは買い物等に欠かすことのできない生活路線であることをきっと実感していただけるに違いありません。環境先進県を目指す改革派知事として将来に禍根を残すようなことがあってはなりません。ぜひ早急な御決断をくださるよう重ねてお願い申し上げます。
 私も県議会議員の一人として、貴志川線存続のため、身命を賭して臨んでまいる覚悟であります。また、ここにいらっしゃる寛容にして聡明な先見の明に富んだ議員各位に心から御理解と御協力をいただきたいと期待しながら、先ほどの知事の御答弁、あの範囲内でやむを得ないということであればいたし方ありませんが、もし御返事をいただけるようであればいただいて、なければ私の要望として切にお願い申し上げ、御清聴に感謝してこの質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(小川 武君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまも申し上げましたように、貴志川線の問題は非常に重要な問題と思っております。
 けさも新聞を読んでおりましたら、国土交通省の方で──まあ全国でこの地方線の問題は、はっきり言ってどうにもならないような状況になっているんですけれども、それに対する補助金を重点化して二割から三割に引き上げるというふうな話もありました。ただ、それをやるときには地域の総合的な協力というふうなことを重点に置いてやっていくというふうなことで、先ほど貴志川町とか和歌山市は財政が厳しいという話がありましたけども、和歌山県はそれ以上に厳しいというふうな状況の中で県全体を見ながら考えていかなければならないと。ただ、地元なんかの物すごい大きな取り組み、そしてまた負担、そういうふうなことの中で、これが一つの新しいコミュニティー鉄道の方式になるようなことがあれば県としても積極的に前向きに対応していきたい、このように考えております。
○議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(小川 武君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。

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