平成16年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(藤井健太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十三番藤井健太郎君。
  〔藤井健太郎君、登壇〕(拍手)
○藤井健太郎君 本議場に議席をいただいて、早くも一年が過ぎました。この間、県内各地を訪問させていただく機会が幾たびかありましたが、県内には豊かな自然が残されていて、農林水産業を初め、決して大きい規模ではありませんが、各地でそれぞれの地域に見合った産業が根づいております。県民のなりわいとして、また地域の雇用の場として県民の暮らしを支えております。自分たちの町に誇りを持って一生懸命頑張っている姿も見ることができました。汗を流して頑張っている県民の皆さんを応援する県政であってほしい、そういう思いを強く持つこととなった一年でもございました。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず、国民保護法制と有事関連の法案についてでございます。
 昨年の六月議会で、憲法前文に定める平和のもとで生活を送る権利、平和的生存権についての知事の所見と今後想定される国民保護法制への対応についてお尋ねをいたしました。知事は、日本の恒久平和を願う気持ちは立派なものと思う、そして国民保護法制の必要性を認める立場から戦場になった沖縄の例を引き、保護法制の中に県民が守られるような、そういう内容となるように発言をしていきたいと答弁をされました。
 保護法制の要旨が明らかになった十二月議会でも、私、この問題についてお尋ねをいたしました。その内容というのは、日本国内の戦争被害を想定した私権の制限を含む戦時体制づくりと言えるものではないか、地方自治体が県民の生命や財産を守るという使命を優先して果たすことができるのかとお尋ねをいたしました。
 イラク戦争では、御承知のように日本人も含め多くの罪のない非戦闘員が犠牲になっています。とりわけ生まれてくる場所を選べない、政治にかかわることのできない子供が犠牲になっていることは痛ましい限りでもあります。国民保護法案には、大規模なテロも武力攻撃事態同様に対処するようになっております。昨年十一月の国会では、日本が国際テロ組織の標的になる理由として、標的とされるような米軍基地などの関連施設があり、米軍の行動に対して積極的な支持を明確にしていることなど、国家公安委員長の答弁がされています。日本は米軍のイラク攻撃にいち早く支持表明を行い、武装した自衛隊が米軍の後方支援、人道支援ということでイラクに派遣されているところでもあります。
 今、国会では、国民の生命、身体、財産の保護、国民生活、国民経済への影響を最小限にする措置と、自衛隊と米軍の行動が円滑かつ効果的に実施されるための措置を定めようとする有事対処法案が審議をされており、新ガイドラインに基づく日米共同作戦の一層の具体化が進められようといたしております。そのこと自体がテロや非正規の武力攻撃を受ける可能性を増していくものになりはしないか、危惧されるところでもあります。日本がテロや武力攻撃を受けるようなそういう事態をみずからつくり出さない、また武力による国際紛争の解決を許さない、そういう環境づくりを国際社会で果たしていくことが憲法九条を持つ日本の役割だと信ずるところでもあります。
 そこで、いよいよ具体化されてきたこれらの法案が、自治体と県民にどのような役割を持たせようとするのか、知事のこの問題に臨む姿勢と今後の方向について、自治体が県民の安全の確保、命や財産の保護を全うしていくためにも憲法九条の立場で奮闘すべきではないか、そういう思いから知事にお尋ねをいたします。
 一つは、国民保護法制を含む今回の有事関連法案での地方自治体の役割がはっきりしてきたと思うんですが、その役割は何なのか、自衛隊や米軍とのかかわりはどうなるのか。
 二つ目に、国際紛争の武力解決を認めない憲法九条との関係は。違反することはないのか。公務員には憲法擁護の義務があるわけですが、どのように考えておられるのか。
 三つ目に、国民保護法制で住民の命と安全はどのようにして守られるのか。軍事優先になることはないのか。
 四つ目に、県が管理をする空港、港湾の非軍事平和利用についての見解はどうか。昭和六十三年五月十日、県は、白浜空港で自衛隊機がタッチ・アンド・ゴー、離着陸訓練を行っていたわけですが、この問題について今後自衛隊機の軍事訓練は認めないという運用基準をまとめた経緯がありますが、そのことは今でも変わらないのでしょうか。
 五つ目に、海外で軍事展開をする米軍と自衛隊の共同作戦体制づくりとその推進というのは、結局は国民の生命、身体、財産の保護とは両立し得ないものと思います。平和憲法のもと、日本への武力攻撃事態が起きることを前提にしてあれこれ法律をつくることではなく、そういう事態を起こさせない道を選ぶこと、そのために尽力することではないでしょうか。知事の見解はいかがでしょうか。そのためにも、和歌山県として平和行政を確立し、県施設の平和利用を強く求めるものです。
 以上五点について、知事から一括しての答弁をお願いいたします。
 次に、社会保障構造改革についてお尋ねをいたします。
 政府の経済財政諮問会議が「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」、骨太の方針第四弾を決め、閣議決定をいたしました。政府の予算編成の基本方針となるものですが、その中に、社会保障制度全般について一体的な見直しを開始をする、今年度中に中期的な観点からの社会保障給付費の目標などの課題について論点整理を行い、今年度内をめどに結論を得るとされています。社会保障給付費の抑制を掲げているわけですが、憲法二十五条で定めている国や自治体の社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上及び増進に努めるという公的責任のあり方も問われてくることになると思います。
 平成十五年度の内閣府の国民生活に関する基礎調査では、勤労者世帯の一世帯当たりの平均所得が六年連続減少し、生活が苦しいと意識している世帯が五三・九%、過去最多になったと報道されておりました。日常生活での悩みや不安を感じている世帯は六七・二%、悩みや不安の内容は、老後の生活設計、自分の健康、今後の収入が上位になっていて、いずれも率が上がってきています。勤労所得や年金などの国民所得が減少を続ける中で、医療、介護などの社会保険料や利用時の自己負担が増大し、社会保障に対する国民の負担はふえ続けています。さらに負担の増大を求めると、こういうことになってくると、県民の暮らしにどのような影響を及ぼすのでしょうか。県民の福祉や健康を保持する使命を持つ県として、どのような対応をしていくのか、知事並びに関係部長にお尋ねをいたします。
 まず、知事にお尋ねをいたします。
 政府の社会保障構造改革についての基本的な考え方、それへの対応、県民の暮らしへの影響について、どのように考えておられるのか。
 今回の年金改正についての評価についてもお尋ねをいたします。保険料引き上げと給付額の削減が今後十四年間連続して行われることとなりました。今回の改正は国民年金保険料納入率八〇%への引き上げ、出生率の引き上げも前提にしていますが、現在の保険料金額でも六〇%の納入率でしかありません。県民生活から見ても年金制度の空洞化や無年金者の解決につながるのかどうか、心配をするところです。国民皆年金制度の維持、充実へとつながるものになるのでしょうか、知事の見解をお尋ねしたいと思います。
 第三次の和歌山県障害者計画、紀の国障害者プラン二〇〇四が今年度から十年間を計画期間として策定され、前期五年間について数値目標が設定をされました。社会福祉分野においても構造改革が進められているもとで、障害者福祉についての公的責任のあり方を初め、基本的な考え方、また計画の数値目標を達成するための財源確保をどのようにして進めていくのか、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 障害者プランの中で、精神障害者の社会的入院の解消が言われ、数値目標を示して入院から在宅への環境づくりが提案されています。どのように進めるのか、これも福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 最近地域を訪問させていただいて、精神障害の子供を持つ御家庭の親御さんからの相談がふえております。その多くが、親が健康な間は何とか頑張れるが、親が高齢で動けない状態になったり死亡した後が大変不安だということが共通して語られます。
 せんだって、高校生のときに発症し、二十歳以前から二十数年統合失調症で通院治療を受けている人の相談がありました。両親は既に他界し、七十歳を超えたおばさんが同居して生活をともにしていました。高校を卒業しても、働きに行っても人間関係がつくれず、仕事にならない、収入もなく、今後のことが不安で夜も寝られない日があるということでした。二十歳前に治療を受けていることが確認できましたので、とりあえず障害基礎年金の請求から始めることにしました。おばさん亡き後一人で生活できなければ、施設か入院ということになってしまいます。本人は今の家で生活をしていきたいという希望を持っています。障害を持つ人が在宅で適切な治療を継続し、地域社会の中でサポートを受けながら生活できる環境づくりが必要だと思います。
 そこで、幾つか提案をしてみたいと思います。
 現在、少人数で共同生活をするグループホームへの運営補助制度が行われておりますが、このグループホームを立ち上げるときへの支援体制がないように思います。ゼロからの出発になるわけですが、立ち上げ時の応援する施策が必要ではないでしょうか。精神障害者の高齢期に対応する入所施設、入院生活ではなくて、生活施設としてのそういう施設が必要ではないか、障害者に対応できる施設づくりが必要ではないでしょうか。
 精神保健福祉法三十二条の申請をすれば通院医療費の自己負担分が医療費の五%に軽減をされています。さらに自己負担分への助成を進めれば、障害年金での生活など、所得の低い人の受診の機会を広げることや通院治療の継続を促すためにも有効な方法だと思います。既に県内の二十八市町村が単独助成に踏み切っています。福祉医療費の一環として、県で半額補助が持てないものでしょうか。
 以上の三点は福祉保健部長に見解をお尋ねいたします。
 次の二点は、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 公営住宅への入居条件の緩和をしてはどうでしょうか。現在、五十歳以上の高齢者、身体障害者手帳の一級から四級を持つ人については単身入居の申請ができるということです。同じ障害でも一人での生活が可能な軽度の知的障害、精神障害のある人でも、単身での入居申請は認められていません。見直しが必要なのではないでしょうか。公営住宅は高齢者、障害者など、住宅に困窮する社会的弱者への積極的な供給という役割も担っているはずであります。
 公営住宅のグループホーム事業への適用が公営住宅法四十五条で規定をされています。地域での生活を支援していくためにも、公営住宅がその役割を果たしていくことは意義のあることだと思います。本県でも積極的に運用してみてはどうでしょうか。
 次に、地方自治と市町村合併問題について、お尋ねをいたします。 骨太の方針第四弾では、三位一体の改革については取り組む期間とされた平成十八年度までの全体像をことしの秋に明らかにし、年内に決定をする、三兆円程度の国庫補助負担金改革の工程表、税源移譲の内容と交付税改革の方向を盛り込むとなっています。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 三位一体の改革と地方財源の確保をどうするのか、大きな山場を迎えました。国庫補助負担金の削減、地方税財源の移譲については自治体の意見を聞いてとなっているようですが、地方自治体の一般財源である地方交付税の問題については、自治体と相談しながらとはなっていないようであります。今年度、国は地方交付税を三位一体の改革と言いながら一方的に削減をいたしました。地方交付税は、地方自治体固有の財源として全国の自治体の行政サービスの水準を平準化することと、そのための税などの自主財源を補う一般財源としての財源保障機能とがあります。今年度当初予算で、交付税の振りかえ措置でもある臨時財政対策債を含め、前年度当初比二百八十六億円の減額予算を組むこととなりました。これは県単独の普通建設事業費の三百七億円、警察費の二百九十四億円にも匹敵する財源がなくなったということです。人件費や事務事業費など百六十二億円のカットを行いましたが、今年度末起債残高見込みは一般会計で六千九百二十三億円と過去最高、基金残高見込みは五百八十四億円、ここ十年間では最低の額となっており、財政は一層厳しさを増しています。
 知事は、国への提案、要望の中で、地方交付税について明確な要望をしていないように見受けられるわけです。財源調整、財源保障の両機能を堅持し、充実を図ることはもちろんですが、地方交付税の総額については平成十六年度、今年度の大幅な削減前の水準を確保するよう措置することときちんと言うべきではなかったでしょうか、知事の存念をお聞かせ願いたいと思います。
 住民自治と市町村合併についてです。
 合併特例法の一部改正が行われました。法期限の事実上の延長となり、平成十七年、来年三月末までに議会の議決を得て都道府県知事に合併を申請すれば現行法の特例を適用する、ただし平成十八年、再来年三月末に新市町村がスタートすることとなっています。同時に、市町村の合併の特例等に関する法律、新合併特例法、これがあわせて成立をいたしました。内容は、地方交付税の算定の特例期間を段階的に短縮をしていく、合併特例債は廃止をし、地方債については特別の配慮をするという規定になっています。平成二十二年三月末までの時限立法となっていますが、また県が合併推進の構想を定め、合併協議会設置の勧告や協議会調整のあっせん、調停などができるとなっています。これまでも行ってまいりましたが、改めて法定化されたものと理解をするものですが、ただ知事の権限を行使いたしますと、勧告を受けた市町村長は議会に付議をしなければなりません。そして議会が否決した場合、住民投票の仕組みや合併協議会への勧告、調停ができる規定が新たに定められたわけです。これまで市町村合併についての県の対応や市町村での協議会設置と調整事項、この協議の状況などを見聞きする中で、ここにおいて幾つか気になる問題がありますのでお尋ねをしたいと思います。
 私は、合併するしないにかかわらず、住民自治の発揮が重要な問題ではないかと思います。これまでそれぞれの地域で一村一品運動とか町づくりや町おこし運動など、その地域の歴史、伝統、文化、産業など、特色を生かした町づくりが独自に努力を重ねて進められてきたわけです。郷土への愛着も、もちろんあります。合併によってこういった努力がどうなるのか。地域産業の振興や住民福祉を向上させていきたいという住民の願い、生活要求から出発して、住民のコンセンサスがつくり上げられていくという、こういう経過をたどる、そういう合併であるということ、そういう住民自治の力が発揮されたと言える合併であることが望ましいと考えるところです。
 合併すれば財政面からの優遇制度が利用でき、財政的に有利になると言われていますが、これは未来永劫というわけではありません。かつて一般財源なしで事業費の一〇〇%まで起債が認められ、元利償還の七五%まで後年度交付税措置がされるという起債事業がありました。これに依存を強めた自治体は、今大変な財政状況の危機に陥っております。起債の優遇措置については、今現在、国の方で地方交付税総額の圧縮が進められているもとで、将来の財政見通しのもとに検討すべき問題でもあります。合併後の住民サービス、福祉水準、使用料、国保料などの直接住民生活にかかわる調整課題を住民参加で議論を尽くすことが重要ではないでしょうか。
 県の合併問題に対するスタンスは、合併重点支援地域の指定を行い、合併推進体制の強化、合併する市町村への補助制度の拡充を行い、合併促進に向けた取り組みを積極的かつ総合的に支援し、合併特例法の法期限内までの合併を目指すというものです。しかし、県が定めた合併重点支援地域の枠組みも、当初から見れば随分と崩れてきておりますし、現在市町村ではそれぞれの自治体の協議の結果を踏まえ、住民の意向を今改めて探ろうという、そういう動きもここに来て活発化してきております。
 県が進めていることは住民自治に基づく自主的合併の促進と言えるのかどうか。最終的には合併は市町村議会での議決で決まるわけですが、地域の住民の自治意識を高め、意思を問うという過程、そういうプロセスと手続は欠かすことができない課題だと考えます。合併特例法の期限内の合併が先にあって、税、国保料、使用料・手数料など五年間の経過措置があるからといって調整課題は先送りし、とにかく合併をという進め方があるとするならば、それは合併後の町づくりにとっても決してよい結果をもたらすことにはならないと思います。
 そこで、知事並びに関係部長にお尋ねをいたします。
 知事は合併特例新法、これをどのように評価をされているのか。そして新法に定められた知事権限の行使について、どう考えておられるのでしょうか。共同通信社による都道府県知事へのアンケート調査では、全国では六割に当たる二十八人がこの権限を「行使をしない」「なるべく行使をしない」と回答いたしておりますが、知事の見解はいかがなものでしょうか。
 住民自治の発揮と特例法の期限内の合併を目指すということについて、どのように考えておられるのか。知事は機会あるごとに県民自治、県民参加の県政を唱えられております。この市町村合併についても、県民自治、県民参加の発揮が必要ではないでしょうか。合併特例法の期限内にこだわる理由、これはどういう点にあるのでしょうか。以上、知事からお答えを願います。
 総務部長にお尋ねをいたします。
 市町村合併のための事業費、これは全体でどのぐらいになるかということです。合併による新たな財政需要がどのぐらい生まれると想定をされているのか。これは市町村段階での話ですが、住民基本台帳、税や財政などの新たなコンピューターシステム、こういったソフト面での整備も必要になってきますし、公共施設や道路整備などハード面を含め、県内での総事業費、どの程度と想定をされているのか、総務部長から答弁を願います。
 合併特例債の元利償還に対して、交付税措置がされます。交付税の算定がえも行われます。従来の市町村の交付税を、合併しても従来と同じ市町村の金額を合算して交付税措置する、また合併特例債は、事業に対する九五%起債が認められ、あと事業によっては五〇%、六〇%、七〇%という後年度、高い交付税措置がされるということですが、国では今、交付税総額の抑制を進めるという方向で話が進んでいます。どこまでこの合併特例債や交付税の算定がえ、当てにできるものとなるのでしょうか。交付税財源の保障を県がすることができるのでしょうか。新合併特例法は合併特例債を廃止をすると言っています。算定がえ特例の期間も短縮をすると言っています。そのことを見ても、交付税の先行き、決して楽観することはできないと思うわけですが、総務部長の答弁を求めます。
 最後に、紀の川大堰関連の事業についてお尋ねをいたします。
 紀の川大堰は、既存の新六箇井堰を改築し、治水、利水、流量の維持を目的に昭和六十二年に建設事業に着手、平成十五年三月に本体工事が完成、同年六月から暫定運用が開始をされました。関連事業として、JR阪和線紀の川橋梁かけかえ、新六箇井堰の撤去、利水容量と毎秒一万二千トンの流量確保のための河床掘削を進めていくということ。JR阪和線の紀の川橋梁は根入れが浅く、河床掘削により転倒の危険性があるため、河床掘削に先立ち橋梁のかけかえ工事をするというように聞いています。
 紀の川大堰は百五十年に一度の確率の出水に対応することとし、毎秒一万二千トンの水を安定的に流下させる可動堰として河床の掘削により毎秒〇・二九トンの新規利水容量が生まれ、既に県と大阪府との間に分水協定が交わされております。こういった関連事業が動き出そうとしているわけですが、国の直轄事業でもありますので、当然県の負担金もついてまいります。関連事業の一つとして、県と和歌山市による河川敷を公園として整備をする紀の川リバーサイドグリーンベルト計画も策定されています。
 二月議会の予算委員会の議論で、私は国の直轄事業への負担金のあり方について、国に無批判についていくのではなくて、大滝ダム事業費の変更問題にも見られるように、事業のあり方や事業費の問題、県民生活への影響など、県としても県民に説明できるような対応が必要と申し上げてきました。
 そこで、関係部長にお尋ねをいたします。
 紀の川大堰関連の今後の事業計画と事業費はどうなっているのか。また、県の負担額は。これまでの全体の事業費と県負担の総額、幾らになると見込まれているのか。
 当初、新六箇井堰撤去に伴う紀の川の河床の掘削により排出される土砂の量、約五百万立米とも言われていましたが、排出量の計画と今後の処分方法は決まっているのか。
 紀の川リバーサイドグリーンベルト計画はどうしていくのか。
 また、関連事業による地元への影響、河川の自然環境保全上の影響はどのようなものがあると考えられているのか。左岸では大堰完成による水位の上昇で既に地下水への影響が出ており、和歌山工事事務所が対策を進めているところでもあります。関連事業での影響調査と対応はどのようにされようとしているのか。県からどのような申し入れをしていくのか。
 以上四点について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 この問題の最後に、紀の川分水の今後の見通しと県の対応について企画部長にお尋ねをし、第一問を終わります。
○議長(尾崎要二君) ただいまの藤井健太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 国民保護法関連の五点を一括して答弁をいたします。
 まず、武力攻撃事態等における自治体の役割についてでございますが、地方公共団体は住民の生命、身体及び財産を保護する本来的責務を負っております。したがって、有事の際においても住民生活に及ぼす影響が最小となるように対処し、住民の避難、救援などの措置を円滑に実施することが地方自治体の役割となると考えております。
 なお、武力攻撃事態等に自衛隊及び米軍の行動について一定の協力が求められることも場合によっては予想されますが、県としましては、武力攻撃から住民の生命、身体及び財産を保護するという立場から、状況に応じ適切に対処することになるというふうに考えております。
 次に憲法九条とのかかわりでございますが、憲法九条は我が国が主権国家として持つ固有の自衛権までも否定する趣旨のものではなく、自衛のための必要最小限度の実力を行使することは認められているところでございます。したがいまして、我が国に対する急迫不正の侵害があった場合、排除手段として適当な方法が他にない場合は必要最小限度の実力行使はやむを得ないものと理解しております。
 次に県民の安全確保についてでございますが、国民保護法案においては、住民の生命と安全を守るため、前もって国、県、市町村及び公共機関が連携して住民の保護の施策を適切に実施するための計画を作成するとともに計画に基づく避難等の訓練を行うこととなっており、武力攻撃事態等における公共施設の利用に際しましても、住民の保護のための措置との調整が十分に尽くされるものと考えております。
 次に平常時における空港、港湾の平和的利用ですが、昭和六十三年に定めた内規により、自衛隊による防衛訓練のための利用につきましては認めてきておりませんが、災害時の人員、物資の輸送等の平和的利用につきましては従来どおり認めてまいります。
 最後に、平和行政については、昨年六月議会においても平和への取り組み姿勢ということでお答えいたしましたが、恒久平和は国民の願いであるとともに人類全体の願いでもございます。私としても、日ごろの県政を進める上において、絶えず平和で安全な暮らしができることを念頭に置いて取り組んでいるところでございますが、万一の場合に備えて国民保護法制等の法整備も重要なことであると、このように考えております。
 次に社会保障構造改革についての御質問でございますが、近年、少子・高齢化の進展、経済基調の変化、財政状況の深刻化等を背景に、国におきまして社会保障制度全体の一体的なあり方の見直しが検討されているところでございます。社会保障構造改革の方向としましては、給付と負担のバランスを図りながら安定した持続可能性のあるものにしていくこと、利用者の視点に立った効率的で安心かつ質の高い医療福祉サービスの提供を実現していくこと、さらに社会保障制度を支えていくための次世代をはぐくむ施策などが示されているところでございます。
 社会保障制度は、人の出生から死亡までの生涯にわたって発生し得る病気やけが、障害、育児、失業、所得喪失等の社会的支援が必要と考えられる危険に対するセーフティーネットでございます。県民一人一人が生きていく上で欠くことのできない重要な社会保障制度の再構築については、今後とも関心を払いながら、必要に応じ国に働きかけをしてまいりたいと思っております。
 次に、今回の年金改正についての御質問でございます。今回の制度改正については、年金の給付水準と保険料負担の見直しを行うとともに基礎年金、国庫負担割合を引き上げる内容となっておりますが、年金制度につきましても社会保障制度の中でも国民の老後生活に欠くことのできない重要な柱であると考えており、先ほども申し上げましたように給付と負担のバランスが図られ、持続性のある制度となることが必要ではないかと考えております。こうしたことから、今回の制度改正は改正として、現役世代の年金制度に対する信頼を確保する抜本的な改革が行われるよう、引き続き検討することを望んでいるところでございます。
 次に、昨年の三位一体の改革における地方交付税とその振りかえ財源である臨時財政対策債が全国ベースで対前年度比マイナス一二%とされ、地方財政に大きな影響を与えました。一方、先ごろ発表された骨太の方針にある三位一体の改革では、三兆円の税源移譲が明記される一方で、地方交付税については抑制基調とされております。
 地方交付税の重要性については私も十分理解をしており、必要な一般財源の総額を確保するため、「平成十六年度の大幅な削減以前の水準を確保する」という表現も国に対する有効なアピールでございますが、今回の「国の施策並びに予算に関する提案・要望」においては同様の意味で、地方の財政需要及び収入の見積もりに当たっては地方の実情を十分踏まえ、的確にこれを行い、それに応じた財源保障を確実に措置するという要望をいたしております。
 さらに、今後地方公共団体の毎年度の予算編成に支障が生じないよう、地方財政見通し、三位一体の改革の具体的内容など、できる限り早い段階で明らかにし、地方の意見を反映させる機会を設けることなども含め、地方財源の確保について要望を行っているところでございます。
 次に、市町村合併についてお答えをいたします。
 合併新法においては、合併推進に係る勧告を含め、県の役割が強化されております。広域行政を担う県としては、現行特例法での合併の状況を勘案した上で、住民福祉の維持向上や地域全体の発展を考えながら新たな県の役割も踏まえ、市町村と一緒に合併推進の方策について真剣に考えていかなければならないと考えております。
 次に、市町村合併は言うまでもなく住民への説明を十分に行うとともに市町村間の協議を十分尽くすことが必要であり、各市町村においてもこの点に配慮しつつ進めているものと認識をしております。その上で、実際にいつ合併するかについては国からのさまざまな支援措置がある法期限内に行うことがより大きな合併効果が上げられるためベターであると、このように考えているところでございます。
○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長嶋田正巳君。
  〔嶋田正巳君、登壇〕
○福祉保健部長(嶋田正巳君) 障害者福祉についてお答えをいたします。
 まず、県の障害者福祉についての基本的考え方でございますが、障害のある人もない人も、社会の一員として互いに人権を尊重し合い、ともに和歌山に住んでよかったと実感できる共生社会を実現するため自立生活支援などに重点を置いて取り組んでまいります。このため、福祉・保健・医療はもとより、教育・労働など各分野の連携により総合的に施策を推進してまいります。
 次に、紀の国障害者プランの実現に向けた財源確保についてでございますが、その財源の確保が不可欠でございます。県といたしましても他府県とも連携し、なお一層障害者福祉の財源の安定的確保を国へ働きかけてまいるなど、財源確保に最大限努力してまいりたいと考えております。
 次に、精神障害者の社会的入院の解消についてでございます。
 症状が安定し、必ずしも入院治療の必要はないが、地域における受け皿がないなどのため入院を余儀なくされている状態、いわゆる社会的入院の解消を図るため、紀の国障害者プランに数値目標を掲げ、受け皿となる精神障害者社会復帰施設やグループホームの整備を進めることとしております。
 また、本年度から精神障害者退院促進支援事業を実施し、入院中の方に精神障害者社会復帰施設や小規模作業所等において生活訓練等を受けていただき、退院及び社会的自立を促進し、社会的入院の解消を図ることとしております。
 次に、グループホーム立ち上げを支援する施策についてでございますが、県におきましては、地域における理解の促進を含め、グループホームの立ち上げに関するさまざまな相談に応じるとともに、グループホームの運営に必要な経費の補助を行っております。
 次に高齢期の精神障害者に対応する入所施設につきましては、高齢化により介助が必要な精神障害者の方を対象とする精神障害者福祉ホームB型の整備を進めることとしております。平成十六年度から和歌山市内で一カ所を整備する予定になっております。
 通院医療費公費負担につきましては、通常の自己負担分のうち二五%を県と国で二分の一ずつ負担し、残り五%は自己負担になっております。他の医療費助成においても自己負担の制度が導入されているところであり、精神障害者の通院医療費に対する県単独の五%上乗せ補助につきましては非常に難しいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 精神障害者の社会的入院の解消の関係でございます。
 県営住宅への入居についてでございますが、公営住宅法におきまして、県営住宅への入居者は原則として現に同居し、または同居しようとする親族がいることが必要となっているところでございますが、五十歳以上の高齢者、身体障害者等につきましては、同法施行令により単身入居できることとなってございます。精神障害者につきましては、同施行令において単身入居できる者として規定されていないところでございますが、精神障害者の自立支援の観点から、関係部局と連携しながら将来の研究課題といたしたいと考えてございます。
 また、グループホームについてでございますが、障害者の地域における自立支援の観点から、平成十四年四月に社会福祉法人等による県営住宅の使用等に関する要綱を制定したところでございます。これまでも、短期間ではございますが、社会福祉法人によるグループホームの入居の実績がございます。今後も社会福祉法人等によるグループホームの利用につきましては、県営住宅の需給状況等に応じ、可能な限り利用の促進を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、紀の川大堰関連事業についてでございます。
 まず、今後の事業計画、県の負担額についてですが、本体工事は既に完成しており、関連事業を含めた全体事業の完了予定年度は平成二十一年度となっております。今後の主な事業は、JR阪和線橋梁かけかえ、新六箇井堰撤去、河道掘削及び低水護岸整備となっております。この紀の川大堰事業の全体事業費は千百十億円であり、平成十六年度以降の残事業費は約三百五億円となっております。
 県の負担額は、平成十五年度までで約九十六億二千万円であり、平成十六年度以降の負担額は、本年度の負担率で計算いたしますと約二十七億三千万円となる見込みでございます。
 次に河床掘削による土砂量と処分方法についてですが、掘削土量は全体で約五百万立方メートルであり、現在までに約八十万立方メートルの掘削が行われていると聞いていますが、今後の予定量については、近年の状況変化等を踏まえ、現在精査中であると聞いております。掘削土は、河川砂利としてコンクリート用骨材に利用されており、今後とも骨材として有効活用できるよう措置していくと聞いております。
 次に紀の川リバーサイドグリーンベルト計画でございますが、これにつきましては、財政状況、県民のニーズを見ながらその整備のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。
 次に地元への影響、河川敷の環境保全についてですが、国土交通省では周辺地域への影響調査及び河川環境調査を実施しながら事業を進めているところであり、議員御指摘の地下水への影響対策としては鋼矢板の打設による対策工を実施する予定であると聞いております。今後とも周辺地域への影響にも十分配慮した治水・利水、環境保全のバランスのとれた事業が進められていくものと認識しており、本県としても必要な調整を行ってまいります。
○議長(尾崎要二君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 市町村合併についてお答えをいたします。
 合併に係る事業費につきましては、合併の規模や合併前後に行う事業などによりまして市町村ごとにさまざまな相違が出てまいります。合併により必ず必要となる事業としましては、電算システムの統合が挙げられます。統合経費はケース・バイ・ケースですが、目安としては旧一市町村当たり約一億円程度と承知しており、県としましては昨年度から補助金により支援をしているところでございます。また新庁舎の建設につきましては、県内の合併協議においては既存の庁舎を利用する例が多いと承知しております。その他少額ではありますが、さまざまな経費が必要となってくると思われますが、交付税措置や国の補助金等の必要な財源措置がされております。
 また、合併に伴うハード事業につきましても、事業規模や内容は市町村ごとにさまざまですが、合併特例債等の必要な財源措置がされているところでございます。
 次に、合併特例債につきましては発行期間が合併後十年間であり、償還期間が十年から二十年にわたります。したがいまして、交付税措置が必要な元利償還は平成十七年度より二十年から三十年かけて行われることとなり、交付税総額の規模を考えた場合、単年度当たりの負担はそれほど大きくはないと試算しております。また、国の方でも全国での特例債発行総額等を推計した上で制度設計を行っておりますので、財源は確実に措置されるものと考えております。
 また、合併算定がえにつきましては、現行の旧市町村単位での算定を当分継続する特例でありますため、毎年度の交付税算定において確実に措置されるものでございます。
○議長(尾崎要二君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 大阪府への分水につきましては、昭和六十二年の協定において合意されたものであり、当初毎秒約三トン予定されていたものが、その後の大阪府の水道計画の変更により、現在、毎秒一・六トンにされております。必要となる水源確保につきましては、今後、国等と話し合いを進めてまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十三番藤井健太郎君。
○藤井健太郎君 時間も追ってきましたので、知事に三点ばかり再度お尋ねをして、あと幾つか要望をしておきたいと思うんですが。
 一つは新合併特例法で、新たに県の知事の権限ということが法定化されたわけですが、それの行使についての意思について知事に問うたわけですね。知事は、新たな県の役割を踏まえ、今後市町村と真剣に相談をしていきたいという趣旨の答弁をされたと思うんですが、これは、私が聞いた新合併特例法での知事の権限を行使をするということも含めてのお考えなのか、その辺が少し明らかになりませんでしたので、その点をはっきりと聞かせていただきたいと思うんです。
 もう一つは、私は、住民自治というのが大変大事だよと。合併するしないにかかわらず、自分たちの町の将来のあり方をやはり自分たちで決めていく、そのことが後々合併した後の町づくりにも生きてくるだろうと思うんです。
 今、合併特例法の期限が迫っております。その期限内での合併と住民自治がどう発揮をされたのかというとこが私は非常に大事な問題だと思うんですね。知事は、十分な説明と十分な論議が必要と考えるという話がありまして、それで特例法期限内の合併がベターであるよというお答えだったと思うんです。確かに財源的な措置というのはそういう点があるでしょうが、しかしそれが住民合意とか、住民自治を無視をしたというんか、住民不在の形で進められていくということは、私は問題じゃないかと思うんです。その点について、知事は特例法期限内の合併を推進するという立場だと思うんですが、住民合意、住民のコンセンサスということについてどう考えておられるのかということを二点目、お尋ねしたいと思うんですね。
 三点目に、合併特例債とか交付税の算定がえ措置とか、総務部長は財源措置は確実にされると。それはしかし、交付税の算定の方法が基準財政需要額に積み足しをするということで、実際の金額として交付税総額が確実に入ってくるかどうかというのは、これはだれも言えないと思うんですよね。今、全体として国の交付税総額を圧縮をしていくと。実際に和歌山県でも市町村でも交付税額を減らされてきているわけですから、それがこれによって交付税がぼんとふえるということは一体だれが言えるのかというのはね。だからこそ交付税総額をきちんと確保してくれということを言っているわけでしょう。されるんだったら別にそれほど特段言う必要はないわけで。だから、そういう問題もあるんだということと。したがって、合併をしなく、自立を選んだ自治体でも、合併をしてやっていく自治体についてもきちんと地方税財源の確保はどうしても目配りしていかなくてはいけないと。
 今、合併を推進するために行政需要がある──いろんな特例債とか県の補助制度というのもあるわけで、じゃあ自立を選んでいった自治体に対するそういう地方税財源の拡充を進めるという、そういう援助もやはり県としては大事なスタンスではないかと思うんですが、そこのところを知事はどう考えておられるのかという、この三点お聞かせ願いたいと思うんです。
 それと、障害者福祉の問題で福祉保健部長から、私はグループホームへの立ち上げ時の補助、応援策が必要ではないかと聞いたんですが、立ち上げ時についての支援体制をどうするかということでのお話はなかったと思うんですね。現在は立ち上げてから運営する補助をやっているよということですが、立ち上げ時にどうするのよというとこでも、これもきちんと目配りをして、ぜひ今度の障害者プランの中でも何カ所にするということがあるわけですから──今、産業支援室の方でもゼロから始める事業を応援しようということで、いろんな施策をやっていると思うんですね。そういうことも含めて、これはぜひ検討していっていただきたい。
 それと、精神保健福祉法三十二条の申請で自己負担が五%になっているわけですが、非常に難しいという答弁でした。財政上難しいということだろうと思うんですが、しかし都道府県段階では、青森や熊本を初め、既に障害基礎年金の受給者を含めて九つの県が県単の助成に踏み切っているわけですね。ここは財政が豊かなのかといえば、決してそうではないと思うんです。どこも大変な思いをしながら、やはりこういう助成制度を少しでもふやしていこうという政策が必要だと。その政策をつくっていくためにその時々の何が必要なのかという、そしてその事業効果とか、政策の必要性というのは当然勘案されると思うんですが、今、障害者プランで言っている入院から在宅への移行という過程の中で、こういった外来治療費への自己負担分を助成するということも政策的には意味があることではないのかなと、そういうふうに思いますので、今、非常に困難だというお話がありましたが、そういうふうにぴしゃっと門を閉めるんではなくて、少しちょっとまあ考えてみようかなということで進めていただきたいということを切に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○議長(尾崎要二君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、第一点目の新しい法律で知事の権限を行使するかしないかということですけれども、これは法律ができ上がって、そしてまた今後の状況を見た上でするべきかすべきでないかということを私は判断していくということで、今の段階からしませんとか、絶対しますとかいうふうな性格のものではないということを申し上げたわけです。確かに、そういうふうなことの権限を行使することが地方分権ということから好ましくないという一定の考え方もある。これにも私は十分理解を示しますけども、だけどやはり大きな世の中の流れの中で、和歌山県下の市町村がどういうふうな形でなっていくのが一番いいのかということに責任を持っていることも確かなことです。そしてまた、国の法律でそういう制度がつくられたということがあるわけなんで、その状況がはっきりしないうちから、やりませんとか、やりますとかいうふうなことを言うのは、これは必ずしも責任のある態度ではないというふうに考えているということでございます。
 それからもう一つ、合併の期限が迫っていると。お金の問題で合併云々ということを考えるべきではないというのは、もうそれはおっしゃるとおりだと思います。お金のことで考えたらこれは本末転倒になるんで、主客転倒という形になる。それはもうおっしゃるとおりであると思いますけども、しかしながら、この手のことはいつまでもだらだらといろんなことをやっていてもなかなからちがあくものでないということも、これ、一つの現実なわけです。その中で、各市町村長の人とか議会の人とか、それから住民の人たち、いろいろ苦労しながら期限ということを一つの目安にして一生懸命努力を重ねてきているので、それに対して県はいろんな形で支援をしていっているというふうなことでございます。
 それから、この三番目の財源措置の問題、これは確かに非常に難しい問題です。交付税総額は、御案内のようにことしも減ったわけです。そして、そうした合併のことについて対応できるかというと、その分については確実に対応できるということを総務部長は申し上げたわけです。トータルは減っていっても、ここで合併したところの合併特例債についてこういうふうな交付税措置をするということは、これは国が約束したことだから、その部分は当然のことながら算定の中に入ってくることは、これは間違いありません。それまでやめてしまったら、これはうそをついたことになりますから。ただ、当然のことながら、あるところが確保されればあるところ──別にさほど約束していないようなところが圧縮されて、それが全国の自治体に薄まきになって影響を及ぼすということはこれは当然のことなので、それが最近は薄まきでなく、大きく影響を及ぼすようなことになっているから、そんなことにならないように交付税総額というものをドラスチックに減少させるというふうなことはやめてほしい、地方自治体が成り立ち行かないようになるのでということを強く要望していると、こういうことでございます。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──所定の時間六十分が過ぎておりますが、再々質問をされますか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾崎要二君) 以上で、藤井健太郎君の質問が終了いたしました。

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