平成15年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後三時二分再開
○副議長(吉井和視君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十一番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 午後からの質問も三人目になり、緊張感も限界に来ている中、議長の適切なお取り計らいをいただきました。心から感謝を申し上げます。気分を新たにして、私なりに一般質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、今は亡き故大原議員をしのんで、私の思いの一端を申し述べさせていただきたいと思います。
 本十二月議会の冒頭におきまして、無所属クラブの浅井議員から同僚議員としての心のこもったご丁重な追悼演説をいただきました。奥様を初めご家族の皆様も傍聴席から、浅井議員の一言一言に深い思いを受け取ったことでありましょう。
 私も、昭和六十三年、貴志川町議会議員として彼と同時に当選させていただいて以来、同期の議員として三期十二年間、席を同じくし、また今回、県議会議員として那賀郡の代表として県政の場でともに働かせていただくべく、終生のよき友でありましたし、またライバルでもありました。ゆえに、本来、同じ会派でありますならば当然私がその役目を果たさなければならなかったことであります。改めて浅井議員に心からお礼申し上げますとともに、先ほど来もまた山下議員もお触れいただきましたが、その場をおつくりいただいた議長初め各議員に対し、心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、本題に入らせていただきたいと思います。
 三位一体改革に関してでありますが、私の思いを述べ、後ほど知事のご所見を承りたいと存じます。
 近い将来の人口減少社会の到来や少子高齢化社会の急速な進展、低経済成長社会の到来といった社会環境の変化に加え、個人の価値観や住民ニーズの多様性が増す中、中央集権型行政システムの制度疲労が顕在化し、自己決定と自己責任の原則を徹底する地方分権改革が求められてまいりました。このため、国においては平成十二年度、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律──いわゆる地方分権一括推進法であります──が施行され、また本年六月には、閣議決定された経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三、いわゆる骨太方針において、国庫補助負担金の廃止縮減、地方交付税の見直し、国から地方への税源移譲を含む三位一体改革の行程を示し、二〇〇六年までの改革と展望の期間中に国庫補助金についてはおおむね四兆円程度を目途に廃止し縮減を行うとともに、基幹税の充実を基本に税源移譲を行うこととしております。また、経済財政諮問会議では平成十六年度は一兆円の補助金廃止縮減を目指すこととし、税源移譲も行うとの小泉首相の指示が出されたところであります。
 これに対し、全国知事会を初め木村知事が参加されている改革派知事連合などが、改革を地方にとって実効のあるものとするため、さまざまな具体的な提案をしていることに対しては、大変意義のあることでありますし、大いに期待しているところであります。しかしながら、これまで提案されたものは削減規模や財源配分のあり方を中心に議論されており、一般国民、住民にはわかりにくいものになっているのではないでしょうか。特に国庫補助金の見直しについては、国と地方の財源争いではなく地域の実情に応じたきめ細かい行政サービスの提供につながるものであることを住民にわかりやすくPRしていただきたいものだと思います。
 こういった観点から、今回は、三位一体改革の三つの課題のうち比較的議論が深まってきていると思われます補助金の見直しについて質問をしてまいります。
 私はかねてから、補助金行政は当然のことながら全国画一の基準で実施されていることから、地域や現場の事情に合わない問題点が随所に多く生じていると思っております。例を挙げますと、これは知事も主張されていることでありますが、国の補助金を受けて道路整備を行う場合には、当然道路構造令による規格に合致させる必要があるため、比較的交通量の少ない山間部に、また集落の少ない山間部に、三メーターもの広い歩道つきの道路ができてしまうことになります。また、山間部を切り開いた歩道つきの道路の歩道には街路樹が植えられているようなことはよく目にする光景でありますが、これらのむだを省き、それらの財源でもっと延長を延ばす方が住民の要望に即した施策と言えます。
 また、それぞれの補助金には使途が決められているものですから、A道路に対する補助金はB道路へ流用するにも国の承認が必要でありますし、ましてや道路費から河川への事業費流用などもってのほかであります。また福祉関連でも、保育所の標準定員は過疎地域を除くと六十人以上であり、屋外遊戯場の設置も原則義務づけられていますので、女性が働きやすい環境をつくるため、例えば会社と同じビル内やあるいは中心市街地に保育所の設置を希望しても、定員規模や設置面での規制のため、なかなか整備できません。
 このように、現在の補助金制度では国民、住民の立場から見れば利便性や効率性の面でいろいろ歯がゆい問題があります。まことに失礼ながら、これまでは県においても、また県職員においても、市町村や住民からのこういった点に関する問題提起に対して、どうせ国が決めたことで地方の主張が通るはずがないと半ばあきらめて前向きに対応してこられなかったのではありませんか。県当局にあっては、今回国に向かって発しているそれらの思いを県内五十市町村の思いとして、地域の実情に合った事業実施に向けてお取り組みをいただきたいと思います。
 補助金制度は、国の権限の中枢をなす問題であり、その改革は各省庁の権益が絡んで大変難しい展開が予想されるところでありますが、時代は全国画一的基準から地方の個性、地方の自主性へと移りつつあり、住民の意思の反映、効率性などの観点から改革を推進していかなければなりません。いつかはだれかがこの難局に立ち向かわなければならないこの大変厳しいときに果敢に挑戦する小泉首相を全面的に支援するものでありますし、また同時に、地方の声として率先して補助金の廃止と税源移譲を主張されている木村知事の姿勢に対して大いに期待しつつ、現在国で論議されている補助金制度改革についての知事のご所見を、また県内五十市町村に対する知事の思いをあわせてお伺いいたしたいと思います。
 次に、市町村合併のことについてであります。
 市町村合併の問題に関しては、この本会議場において、平成十三年九月議会以来、多数の議員がそれぞれの地域、未来のビジョンを描きながら、また和歌山県の将来を憂えることのない次の世代に託せる和歌山建設の夢を描きながら、熱い思いをこの壇上から提言、提案等をされてこられました。ここに資料、四十二件に及ぶ町村合併の問題のQアンドAがありますが、訴えてこられました。
 私は、それらの各議員皆様方の発言内容なり県当局の答弁を各定例会会議録から読ませていただきました。私も市町村合併は、当然、真の地方の時代構築のためには避けて済ませる問題であるとは思っていません。私たちの生活環境も、昭和の大合併以来、大きく変化してまいりました。日常の行動範囲も、道が整備され、車社会の中、広範囲になりました。また、各町にあっては住民のニーズにこたえるため各町長らが議員さん初め懸命の努力をされておりますが、その結果、その町その町には、例えば大きな文化会館や図書館などに象徴されるような施設ができてきております。それらの施設は完成したその日から維持経費がかかり、町財政に大きく影響しております。今後ますます厳しさが増すであろう町財政、多様化する住民ニーズにこたえていくためにも、一回り大きな、しかも財政基盤のしっかりした行政を、スリム化した行政を、また足腰のしっかりした地域をつくっていかなければなりません。
 合併特例法の適用期限が目前に差し迫った今のこの時点になり、私なりにその思いを述べ、知事の合併にかける熱い思いをお伺いしたいと思います。
 県当局は、平成十三年十二月、まず三地区を重点支援地域として指定されました。その後、平成十五年、この十一月までに指定市町村は四十五市町村にまでなっているようであります。県が指定する場合には、それぞれの首長から意見を聞き、要請があった地域なり取り組みの熟度が高まっている地域を指定されたはずであります。また、県当局は、知事を本部長に市町村合併支援本部を設置し、合併推進のために必要な予算措置までして万全であったはずであります。
 しかし、現実は必ずしも思惑どおりに事が進んでおりません。私は那賀郡出身の議員として、この際、ほかの地域の実情はよくわかりませんので、那賀郡のことに限って申し述べさせていただきたいと思います。
 那賀郡六町は、現在までには国保那賀病院、消防、し尿処理等を広域組合で運営し、大変仲よく対処してきてくださいました。また、介護保険関係でも事務事業を一元化して、広域で現在もなお処理をしていただいております。そんな那賀郡民の合い言葉として「那賀郡は一つ」として定着しているほどの期待を持って見守っている中、県も早々、重点支援地域に指定されました。途中の経緯は省略させていただきますが、結果は県当局も既にご存じのとおり、ばらばら状態であります。
 なお、本日の私の一般質問に対して、貴志川町長初め三役、議長、議員の皆様が傍聴にお見えになる予定でありましたが、たまたま本日は桃山町から合併しようじゃないかという申し出がありまして、それに対して貴志川町でどうするかという協議をするために皆さんがお見えになっておりません。
 何のために、どんな思いを持って那賀郡を重点地域に指定されたのですか、そのときのお気持ちを再度お尋ねしたいと思います。
 それから、和歌山県の発展は紀北の発展なくしてない、関空に一番近い地域、関西圏の玄関口であることを自負しているこの那賀郡を、県当局としては将来どういうビジョンを持って今後リードをしていこうと思っておられるのですか。
 法期限ぎりぎりの今もなお、各町長が、郡民も、多少の困難は覚悟の上でも小異を捨てて大同につき、お互いの立場を理解、尊重しながら新しい地域づくりに取り組もうと必死の思いで悩んでおられます。当然、県当局においても合併推進室の職員の皆様方も大変頑張っていただいておりますが、知事ご自身のこの地域に対する熱い思いをお持ちいただいているのであれば、ぜひ心のこもった一声をかけていただけませんか。私自身、各町長さんとの話の中で、その苦悩、動揺している様子を手にとって感じております。知事のご所見をお伺いしたいと思います。
 次に、南海貴志川線の存続問題についてであります。
 南海貴志川線の沿革について、少し触れさせていただきたいと思います。
 大正二年、和歌山駅──現「紀和駅」と言うんですが──と山東というところの鉄道免許がおりまして、大正三年六月、山東軽便鉄道が設立され、その後いろんな変遷を繰り返しながら、昭和六年四月、和歌山電気軌道という──通称「和鉄」と言ったんですが──会社になり、さらにはまた、昭和三十六年三月、南海電気鉄道に合併され、現在に至っているものであります。
 その間、戦後のあの混乱期には、生活の生命線として大変重要な交通機関でありました。遠くは関西方面から貴志川方面への食料の買い出しに人があふれたものであります。また、高度成長期には、和歌山市の東部開発、貴志川町を含むベッドタウン開発には欠かすことのできない重要な交通機関としての役割を果たしてまいってくれました。現在は、道路整備が進み、またモータリゼーションの時代の真っただ中、少子高齢化が進む中にあってその輸送人員が減少し、この最近十年間を見ても、ピーク時の二百七十四万人からすれば昨年度十四年度では百九十九万二千人まで減少しているそうであります。
 ことし十月、南海電鉄から和歌山県と和歌山市、貴志川町に対して、厳しい経営状況についての報告があったそうであります。経営改善のため、ワンマン運転や、あるいはあらゆる省力化を実施してきましたが、利用者激減のため年々巨額の欠損が生じているとのことであります。
 民間企業である以上、その苦しみはよく理解できます。しかしながら、現在もなお二百万人近い利用者がいることも事実であります。沿線には、公的機関も、また学校もたくさんあります。つまり、一般客七十三万人、通勤定期客約七十万人、通学定期客五十七万人、最悪の場合、路頭に迷うことになっては大変なことになります。幾ら国の規制緩和があり企業サイドで届け出一つで処理ができるとはいえ、このまま見過ごしてしまうわけにはまいりません。
 お話を承りますれば、早速、過日のこの十二月六日に関係の和歌山市と貴志川町、それに和歌山県との三者で対策協議会を立ち上げていただいたとお聞きしておりますが、そこで県当局にお尋ねをいたしたいと思います。南海貴志川線問題に対する基本的な認識と対応方法について知事に、また対策協議会の内容について企画部長にご答弁をお願い申し上げます。
 最後に、紀州サンリゾートライン構想の完成に向けての取り組みについてお尋ねしたいと思います。
 紀州サンリゾート構想といいますのは、和歌山県長期総合計画で一九九八年二月に発行されました「わかやま二一世紀計画」に明記されているように──皆さん方は地域のことはよくわからないとは思いますが、一般国道三百七十号線の美里町大角地区から津川地区を通り北へ、県道高野口野上線の美里町東野地区を通過して野上町国木原を通り、県道垣内貴志川線の桃山町銚子ノ口──紀の国カントリーの入り口なんですが──で交差して、さらに北へ上がって桃山町最上地区というところを通り神田地区へ、そして県道かつらぎ桃山線を経由して国道四百二十四号線へ至る大変大きな構想路線であったと伺っております。
 その間、幾つもの事業区間でいろんな事業主体で精力的にお取り組みをいただいたことに対しては県当局に対しても敬意を表するものでありますが、その事業のうちふるさと農道整備事業は、平成十四年度でその目的が達成されないまま凍結されることになってしまいました。まことに痛恨のきわみであります。その結果、今年度発注予定の上ノ城トンネル工事が平成十八年度完成予定で工事が行われようとしておりますが、この工事を含め各工事の事業費は大変な巨額を投入しても、所期の目的を達成するには至らないのではないでしょうか。つまり、桃山町銚子ノ口から桃山町最上地区に至るふるさと農道整備計画そのものが凍結されてしまったからであります。
 もしこのままであるとすれば、県道垣内貴志川線にはすぐ近くに対向もできないような──愛宕橋といいますが──狭隘な橋や、あるいは狭隘な箇所がたくさんあって、ちょうど蛇が真ん中でカエルをのんだごとくになった状態に終わってしまいます。県当局は今後の展望としてどう取り組もうと思っているのか、県土整備部長のご見解をお伺いして、一般質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま、私に対して三つのご質問がありました。
 三位一体の改革に対する考え方は、山田議員と私はもうほとんど一致するというふうな中身だと思います。ただ、この三位一体の改革というのは、実は自治体の方も血を流すというふうなこともありますし、それから、今ご質問の中で非常に具体的な例を挙げてご説明いただきましたけども、そういうことについて必ずしも住民の理解が進んでいるわけではないと。そういうふうな中で、やはりこの時期やらなかったらもう分権型の社会ができないだろうというふうな、ある意味では悲壮な感覚のもとにやっているわけでございます。
 ただ、この三位一体の改革が、もし国の方、財務省であるとか各種事業官庁が考えているような方向で換骨奪胎して進むようなことがあれば、和歌山県とか、そして和歌山県下の市町村のようなところは非常に財政力も弱いので大変悪い影響を受ける可能性もあるわけです。
 そういうふうな中で、私は補助金はやめにして税源を地方へ、それもたばこ税じゃなくて大事な税源を地方へ移譲するということはこれは当然のことなんだけども、ただやっぱり一気にすべて税金で処理するということになると、地方の県であるとか市町村というのはこれはもうやっていけないことになるんで、そこのところの財源調整、今は地方交付税で行っているわけですけども、これについてやはり十分な配慮をしていかなければならない。
 そしてまた、東京都とか、そういうところだけがもう全部総取りになるというふうな形になっては、これはやはりうまい方向へ行くわけではないので、やはり地方の方として、そういうふうな財源の調整的な機能についてもやっぱりこれから物を言っていかないと大変なことになるというふうな感じでおりますので、また議員各位とも相談しながらいろんな形で意見を言っていきたい、このように思っています。
 それから、合併の問題でございます。
 つい二日前……(「南部町」と呼ぶ者あり)南部町と南部川村が協定を締結いたしました。これはこれで非常にうれしいことで、これを一つの大きなきっかけとして和歌山県の市町村合併というものも私は弾みがつくことを期待しているんですけども、そういうふうな中で、実はもういろんなところで、ある意味では不協和音というふうなのが生じてきているのも、これもまた偽りのない事実でございます。
 そういうふうな中で、この那賀郡についてどういうふうに考えるかということでしたけども、私はこの那賀郡というのは、今後の和歌山県を考えていく上で、唯一とは言いませんけども、唯一に近いような非常に発展性のある地域であろうと思っております。だから、そういう中では、必ずしもほかの地域のように合併しなければ生きていけないから合併するんだというふうな感じの話だけじゃなくて、この地域については合併することによってより大きな本当の意味での機能を果たすような地域になるんじゃないかというふうな期待もあって、見守っているわけです。
 今のところ、必ずしも当初の希望のとおりなっているわけではないことはもう質問の中にあったとおりでございますけども、県の方としては今後とも一番いい方向を求めて、これは県が強制するような話ではございませんので、いろんな形でアドバイスをしていい方向へ持っていけるように努力をしていきたいと思います。
 いずれにせよ、合併今回しなくても、また二十七次の地制調の答申にもありますように、やっぱりある程度これから合併していこうということが国の大きな方向になってきていることは間違いありませんので、そういうときにはやはりできるだけ積極的に、一番地域がよくなるような方向で自主的にやっていくということが一番僕はいいんじゃないかなという気持ちを基本的には持っていると、こういうことでございます。
 それから、貴志川線の問題です。
 これはもう寝耳に水のことで、私も非常な危機感を持っているわけでございます。確かに二百七十万から百九十九万まで利用者が減ったとはいえ、わずか百九十九万とは言えないわけです。二百万の人、和歌山県には百七万しか人間がいないわけですから、二百万人の人が利用しているということは、これは大変なことだろうと思います。しかも、その利用している人が、沿線の高等学校へ通っている生徒であるとか、それから電車の定時性に頼って和歌山市内であるとか大阪の方へ働きに行っている人と、こういう人が乗っているということなので、これがバスにすぐに変わるというふうなわけにもいかないというふうな大きな問題がありますので、質問の中にもありましたように、町と和歌山市と一緒になって協議会を設けて今対応策を練っているところでございますけれども、南海電車の方にも、規制緩和の中でもうやめればいいんだという手続になっているわけですから、協議会の方としてもやはり何か積極的な対応策というふうなものを打ち出していかないと、何となくわあわあ言っているというふうなことではやっぱりいけないだろうと思いますので、県としても積極的な対応を図っていきたいと、このように思っております。
○副議長(吉井和視君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 南海貴志川線の存続問題についてでございますが、議員お話しのとおり、県も参画しまして南海貴志川線対策協議会をこの十二月六日に設立したところでございます。この協議会は、南海貴志川線の存続と利用促進を図ることを目的に、和歌山市長を会長に、貴志川町長を副会長に、さらに両市町の議会議長、関係自治会の長、そして県を構成団体として組織してございます。
 協議会の事業としましては、利用実態等の把握と具体的な利用促進事業の展開、並行して鉄道路線の存続方策の検討などが行われることとなっておりまして、県としましてもこれらについて、本協議会の中で積極的に対応を行ってまいります。
○副議長(吉井和視君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 紀州サンリゾートライン構想の完成への取り組みについてでございます。
 この構想につきましては、美里町井堰から桃山町銚子ノ口の間が農道事業によって整備済みであり、現在、美里町津川から美里町井堰間について県代行事業及び町道事業で整備を進めているところであり、美里町から桃山町にかけての必要な区間の連絡強化が図られるものと考えております。
 残る桃山町銚子ノ口から北川の区間につきましては、厳しい財政状況の中、道路の新設は困難であると考えております。したがいまして、国道四百二十四号など北方向の連絡は、県道垣内貴志川線などを有効に活用することが現実的だと考えております。そのため、県道垣内貴志川線につきまして、交通需要の動向等を勘案しながら、特に交通の支障となる区間から線形改良や狭隘区間の拡幅などを進めてまいりたいと考えております。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十一番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 知事を初め、関係部長のご答弁をいただきました。
 私なりに、お答えをいただきながら再度、要望になるかもしれませんが、お話を申し上げたいと思います。
 知事は、三位一体改革に対して大変、きのうも向井嘉久藏議員のお話の中にもありましたように、活躍は新聞やテレビや、あるいは各マスコミで折に触れて報道していただいています。これは、和歌山県に木村ありと、あるいはまた同時に、和歌山県という県名も大変売り込んでいただきましたので、変な話ですが、これをコマーシャル料にすると、それこそ莫大な金額になるんではないかなと思います。そういう意味で、今後ともの木村知事のご活躍をご祈念申し上げます。
 そういうことで、せっかく知事が表に向かって県益のために一生懸命熱い思いを発していただいているんですから、例えば、市町村合併のことにしても、いろいろ外に対して述べる熱い思いを県内五十市町村に対してもさらに力強いご指導と適切なご助言を賜りたいと思います。
 そこで、一つ知事に、改革知事として国で働いていただけないかなという問題があります。例えば、今、町村合併の話が出ました。残念ながら今、那賀郡六町は一つということにはなっておりません。岩出町が単独で十八年四月に単独市制をすると言っているし、粉河町、那賀町についても法定協議会を立ち上げられました。先ほど申し上げましたように、桃山町からの申し入れに対して、きょうは貴志川町で町長初め町議会の皆様と前向きに検討されて、法定協議会立ち上げに対しての正式な回答があると思うんです。そうしますと、残るは打田町。打田町も、漏れ承りますと、十二日に大変重要な発表があるということですから、よくわかりませんが、仮に大同合併する前段の合併であるときに、今問題になっておりますのは、人口の基準が国勢調査を基準にしなさいということになっているんですよね。
 それで、今たまたま、私の資料、ここにあるんですが、貴志川町と桃山町が仮に合併するとした場合には、十七年の四月に合併するんでありますが、十二年の、つまり五年も前のデータをもとに基準を決めているわけです。五年前になります平成十二年十月の国調には、二町を合わしますと二万九千百二十人しかありません。ところが、十五年のこの十月現在で一千名ふえてます。住民基本台帳には三万百九十六名があり、つまり三年のうちに一千名がふえました。その前向きに改革しようと思うこの町村合併に対して五年も前にさかのぼった古い資料を使うとは何事なというふうに、私は強く怒りを覚えるんです。
 だから、これだけ、例えば五万人の市の条件の人口が四万人になり、あるいは三万人になりということで、特例に次ぐ特例でいろんなことが変わりました。だから、裏を返せば、十七年の四月に市になっても、ひょっとしたら、前の資料では三万人達成されてても、市になった途端に人口が減っている場合、逆の場合もあり得るわけなんですよね。そういうことで、何にも元手が要りませんので、改革知事として一遍、東京の方へぜひ働きかけをいただけたらなと思います。そういうことで、ぜひ知事のご活躍を期待しておきたいと思います。
 それから、南海貴志川線の問題でありますが、これは本当に大変なことでありますし、またある意味では、この南海が厳しい財政状況に見舞われている一因にも、ひょっとしたら関空へのあのラピートの引き込み線が大変大きな負担になっていると言われております。
 きのうも、森議員が関空のことについてお話しになられました。当初は、あの公害・騒音対策で関空ができたら伊丹はやめると、そういうふうにして一本化するとおっしゃったはずであります。したがいまして、関空が利用客がふえるからということで、南海電鉄もあの一番値段の高いバブルの絶頂期にあの取り入れ線というんですか、あの線を買収しました。そういうことで大変大きい費用がかかっていますが、残念ながら、関空の二期工事も二〇〇七年にできるとかできないとかというような頼りない。その国策のあいまいさに翻弄された、本当にお気の毒、とばっちりを受けているのが南海電鉄そのものではないかな、そう思います。
 そういう面もある中で、ぜひ問題解決のためにこの協議会の構成団体の中にも、あるいは和歌山市、貴志川町だけではありません。私も乗って実感しました。海南市の一部、あるいは野上町、桃山町、それから各学校単位のPTA、それらの多くの方々にもご参画をいただいて、その輪を広げて今後ともお取り組みをいただけたらとお願い申し上げておきます。
 それから、紀州サンリゾート構想の話でありますが、残念ながら、県土整備部長は大変冷たいお話でありましたが、これもまあ厳しい財政では仕方がありませんが、その分、県道垣内貴志川線の改良を考えていくと、そういうふうにおっしゃっていただきましたが、あの紀州サンリゾートラインというすばらしい構想、全く真っすぐ北に向かって四百二十四号線に、しかも大阪に近いという理想的なあの計画をつくった理念をお忘れにならないように。地元の桃山町の皆さんやら、あるいは美里町の皆さんが大変期待しておりますので、今後とも何らかの形で実現に向けてお取り組みをいただけたらなと思います。
 これは要望にしておきますが、知事、先ほどの人口の云々のことについて、もしご感想があればご見解をお伺いして、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 今の人口の話は、議員がご質問になるの、本当にいいところだと思います。二万九千人でどんどんふえていく地域においては三万人を超えて市になりたいと、市になるということによって合併していこうというふうなやっぱり機運が高まるということは僕は大いにあることだと思います。
 ただ、その国調の人口と住基の人口の扱いということはなかなか難しい問題がありまして、これ今私、法制度みたいなやつを手元に持っているわけではありませんので、だけどそのおっしゃることの意味は非常によくわかるんで、よく調べて、しかるべき場所で、やっぱりこういう意見があるよと。それで、そういうことを認めなかったらまたそれが合併の阻害要因になるんだというふうなことは総務省の方にも言っていきたいと思います。
 それから、合併の──今、総務部長と話してたら、期限が一年延びるんで、それとの絡みでまたその国調人口の扱いもちょっと違ってくる可能性もあるんで、いずれにせよ前向きに対応していきたい。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(吉井和視君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後三時四十七分散会

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