平成15年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(玉置公良議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十八番玉置公良君。
  〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○玉置公良君 おはようございます。
 きょうは世界遺産の関係で、来年の登録を間近に控えて、それに期待するそれぞれの立場から傍聴に来ていただいております。世界遺産を活用してのビジネスチャンスとしてとらえたいという民間企業の方、また地元でふるさとおこしをしたいという青年の方、さらには観光を通じて世界遺産を活用して観光の発展に寄与したいという観光関係の方、それぞれの立場できょうは傍聴に見えております。どうか、期待の持てるようなご答弁をよろしくお願いを申し上げまして、ただいまから質問に入りたいと思います。
 それでは、九月議会に続いて世界遺産登録に関して、「和歌山方式で世界遺産登録と活用へ」と、こういったテーマで一般質問を行ってまいりたいと思います。
 いよいよ来年、高野・熊野が世界遺産登録されようとしています。登録作業については、三県のリーダー役として知事並びに教育長が先頭になって、そして職員の皆さん方が一生懸命取り組まれて、そのことに対しまして私からも敬意を表する次第でございます。そして、どうかこの世界遺産登録がすばらしい活用ができるような形になりますようにお願いをしたいと思うのであります。
 そこで、知事のさきの議会における私に対する答弁で、「世界遺産への登録は、観光立県を掲げる和歌山県にとって千載一遇のチャンス。NPO、地域住民、観光団体、地元市町村と連携をとりながら、皆さんの関心が盛り上がる仕組みを考えていきたい」と述べられました。しかし、我々の周辺を見ると、登録される地域の自治体同士の横のコミュニケーションがまだまだ少ないように感じますが、いかがでしょうか。
 県行政も、企画部に窓口を置くことを決めていただき動き出しましたが、まだまだゆったりと構えているというのが正直な感想です。私も多少慌てて、関係者と会って、今何が必要なのか、そのことを九月議会終了後、再度検討してまいりました。十月には県議会の福祉環境委員会で青森県の世界遺産白神山地を訪れ、調査を行いました。十一月十一日より三日間、高野・熊野の世界遺産登録地域の十二自治体全部を回り、意向調査を行いました。
 さらに二十日には、先走ったことをと言われるかもしれませんが、私どもが主催をして白浜で、世界遺産登録に関する市町村の担当者により、いわゆる市町村サミットを開催しました。そのときに出てきたのが、一番目は県に対する要望、二番目が市町村独自に考え出した企画の発表、三番目がNPOなど民間に期待する有意義な事業、この三つについてのそれぞれの注文がありました。具体的に申し上げますと、主なものは、熊野古道を保全するための基本計画を策定すること、それから旅行客に安心して目標まで歩いてもらえる外国語も入れた標識を統一すること、そして観光に関する情報を把握する窓口など総合的な施設の整備、それに日本語の語り部、外国語の語り部、私はあえて通訳と言いますがその育成、私も世界遺産の多いイタリアに行ったときトイレが少なく不便だったことが印象に残っていますが、その旅行者に対するサービスとしてぜひとも必要なトイレの整備・保全、また最寄りの駅からの交通の便や歩いた後の戻りの便など交通網の整備、官民一体となった推進体制づくり、それに自治体が出さなければならない緊急な登録までの準備にかかる財政の負担や広域連携の必要性などが問題として提起をされ、総体的に県の動きが遅いことが指摘をされました。これらの問題についてかなり深刻な自治体もあるし、問題によってはまだどうしていいのかわからない、いらいらする自治体もありました。私も、前回の質問のときも申し上げましたが、やはり県民に対するパブリシティーが残念ながらまだまだ低いということがすべての準備のおくれにつながっていると思います。また世界遺産登録された場合、ほとんどの自治体が、いろんな環境整備をするときに予算をどのようにすればよいのか、いろいろと戸惑っているところがありました。一番多かったのが、標識の問題をどうするのか、通訳をどうするのかなどであります。
 九月にイタリアへ世界遺産の調査に行ったときに、イタリアの旅行好きの人たちから「日本は怖い」と言われました。なぜならば、自分たちの母国語で理解できる標識が少ないからだそうです。これは重要な指摘であります。それに対して、残念ながら何も手を打てていないのが現状ではないでしょうか。
 七月には、新生わかやま県議団で三重県へ世界遺産の調査に行きました。そこで感じた三重県は、和歌山県に比べると大変進んでいます。一例を申し上げれば、登録までの準備及び登録後の活用を含めた取り組みが明示されたアクションプログラムを既につくり上げていました。これでありますけれども、この作成に当たっては、行政だけではなく、熊野古道にかかわりのあるすべての人が自発的に実行するため産学官民が一体となってまとめたと言われています。さらに、旅行者にとって欠かせない標識など、ロゴマークを三重方式でつくるというほどの凝りようです。また、すぐに必要な語り部についての情報を統一する窓口が開かれています。ガイド、パンフレットなどは外国の観光客に対応できるよう、十五年度は英語、十六年度は韓国、中国語などをつくる予定になっています。また情報センター機能として、地域センターと二十億円をかけてつくる熊野古道センター設置など、官民協働の会議を立ち上げて連絡調整機能をつくっています。
 そこで、三重県と和歌山県が一番違うと思うことは、三重県では語り部、ガイドの窓口を一本化しているのに和歌山県ではてんでんばらばらになっていることです。そのことは、三重県ですと、統一された窓口に電話すれば紹介をしてくれると、そういう便利さ、道の標識と一緒で、どこどこへ行けばどうなるということが旅行者へのサービスの第一歩であると私は思います。
 和歌山県が統一されていなくおくれています語り部ですが、先般、中辺路町で研修会がありました。これは、今後どのようなスケジュールが予定をされているのでしょうか。また、何人、何カ国語のしゃべれる語り部、ガイドを養成しようとしているのでしょうか。また、統一された窓口をつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 もう一つお聞きしますが、実は私の地元の中学校でカナダから来ています外国人教師から、きょうもその友達も見えておりますけれども、私に対して、「来年で契約が切れるが、世界遺産登録地の熊野古道に残り、生活が保障されれば通訳のガイドの仕事をしたい」と相談が入っています。一から探すとなることを考えれば、費用もその間の準備も膨大にかかって、どこの自治体でも敬遠するでしょう。そうした意味においても、このような人たちを受け入れられる支援を県は率先して考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。商工労働部長にお伺いをしたいと思います。
 それからもう一つ。現在世界で唯一の道の遺産として登録されているスペイン・ガリシア州サンティアゴへの道と本県の熊野古道とは姉妹道提携を結んでおりますが、先月も尾崎議長以下訪問していただき、ご尽力いただいたところですが、この世界遺産登録を機会にスペインとの友好交流を深め、ガリシア州との姉妹交流を有意義に活用して、スペインはもちろんのこと、ヨーロッパへ高野・熊野を中心とした和歌山県のよさをPRしていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。知事公室長にお伺いをしたいと思います。
 さて、話は変わりますが、登録の取り組みは三重、奈良、和歌山の三県が足並みをそろえて取り組んできましたが、世界遺産活用のための取り組みについては、なぜ三重県と和歌山県には差があるのでしょうか。三重県は、地元に行政と住民が入った東紀州地域活性化事業推進協議会というのがあり、世界遺産指定や活用に向けての取り組みがされています。これによって語り部の相談窓口や料金体系などの統一化やイベントなどが積極的に行われています。我が和歌山県にも、三重と同じような組織、南紀熊野二十一協議会ができていましたが、世界遺産登録を待たずして、今春解散をしました。どんな事情があったのか。そのいきさつを明らかにして、これを復活させることによって登録に対する県の意気込みが出てくるのではないでしょうか。企画部長にお伺いをしたいと思います。
 市町村サミットでは、NPOに対する期待の事業として、古道パトロール隊やガイドなど数多くの要望が出されました。理想とするNPOとはどういうものがあったらよいのか、お考えをお聞かせください。企画部長の答弁をお願いいたします。
 この十二月十三日には、NPOや民間の方々に集まっていただいて、世界遺産登録後の活用のあり方について意見交換をしようと準備を進めています。そのときに参考までに知事の考え方を披露することによってNPOの人たちのするべきことが見えてくれば、数多くのNPOの自主参加がふえてくると思います。知事、いかがでしょうか。
 既に、我が国のすべての県でNPOを育成し、発展させようとすることが知事の大事な仕事になりつつあります。NPOを発展させることによって、全県民がこの世界遺産についてつながりを持った形ができると思います。県としてはどういう支援ができるのか、環境生活部長にお伺いをしたいと思います。そして、県民総出の世界遺産登録への前向きな姿勢やそのモデル県というのをこの和歌山からつくり出そうではありませんか。
 さて、世界遺産に登録されるまでの事業や登録後の活用の仕方は、和歌山県が今抱えている環境問題など、深刻な状況を変えることにもつながります。その一つが、地球温暖化防止や緑の雇用事業であります。その地球温暖化防止についてでありますが、私たちのNPOの仲間が地球温暖化防止の家庭での省エネマニュアルづくりに懸命に取り組んでおります。これも、知事以下県の担当者の深い理解と協力があってこそできたものとお礼を申し上げます。来年三月には完成すると聞いておりますが、環境省のマニュアルよりもわかりやすく、我が和歌山県の実情を踏まえた、だれにでもすぐ取り組める、簡単でかつ効果のあるマニュアルです。それから見ても、県行政の姿勢一つでNPO活動の強弱に影響するのです。非常に身近で具体的な例を私は見聞しているだけに、NPOに対する理解と支援をお願いしたいのです。
 話は世界遺産そのものに戻りますが、この十一月に世界遺産の合掌集落であります岐阜県の白川郷と富山県の五箇山菅沼集落の二つを調査をしてきましたが、観光客の人気が違うのであります。それについては、車が乗り入れられている白川郷より車の入らない菅沼集落の方に人気があることを肌で感じてきました。少なくとも世界遺産周辺は車の乗り入れ禁止を徹底すること等、宗教性の高い高野・熊野の世界遺産を排ガス、騒音から守り、それから先は自分の足で歩く、ゆったりとした気持ちで見てもらえる場所づくりをすること、つまり自動車社会からの決別をすることによってそれが一つのこの地域の特色となり、世界に宣伝されるということを考えたらどうでしょうか。それが一つの人気の場所になるかもしれませんし、和歌山県の顔になるだろうと思います。
 現在は、便利でなく、時間をかけて回ることが売り物になる時代であることをよく考えるべきだと私は思います。そういう価値観の転換、そういうものを世界遺産の売り物にすることが旅行客をふやすことになるのではないでしょうか。またさらに、登録地域における環境政策についても、住民の意識啓発も含め、より積極的に進めるべきではないでしょうか。関係部長の答弁をお願いしたいと思います。
 もう一つ、十一月に、知事の実績であります緑の雇用事業で中辺路町に都会から来ている人たちと話し合いを持ちました。この人たちは和歌山を気に入り、できれば定住したいと考えています。しかし彼らは、この緑の雇用事業の契約が切れたら仕事がないのではと、将来を大変心配しています。一方、中辺路町では、世界遺産の景観にふさわしい高原や近野集落の棚田の荒廃が大きな課題となっております。緑の雇用事業で都市から来ている人たちの中には、こうした遊休地を利用して農業をやりつつ地域に定住したいと考えている人も多いのであります。緑の雇用事業は一定の期限がありますが、世界遺産にかかわる仕事は永久に続きます。世界遺産に関してのこうした仕事雇用の実現についてぜひ支援をしていただき、彼らを優先的に働けるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。農林水産部長にお伺いをしたいと思います。
 このようなことに県が積極的に支援をしていくことで、三重県のようなアクションプログラムに負けない、和歌山独自の、例えば雇用促進ということを中心に絞ったプランを考えてみたらどうでしょうか。
 また、こんなことも知事、考えてみてはどうでしょうか。私は、来年の登録の日を県民全体で記憶してもらうために、世界遺産を使い、後世の県民に継承していく上で、この登録日を和歌山県の一つの環境のシンボルの日にしてみたらどうかと思います。知事も、そのあたりは同様なはずだと思います。
 そこで、知事に要望があります。知事にはその姿勢を、平成十六年度の予算編成の中で強力に中身について努力をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。私がこの十二月議会で質問をするのも、今が平成十六年度当初予算編成のタイムリミットだと思い、質問をしているのであります。
 そこで、私としては登録に関するさまざまな不明なところがありますので、幾つかの質問をいたします。
 例えば、来年の登録記念事業として、三重、奈良、和歌山の三県の統一した事業を行うようですが、その内容はどんなものなのでしょうか。そして、その費用の分担はどうなっていますか。企画部長にお伺いします。
 一説によると、その支払いの割合もさることながら、関係市町村に対してその費用を分担させるということですが、本当でしょうか。もっと相談をして県から格段の支援の努力をすること、これこそ県が支援をする対策として最高に県民から喜ばれる投資であると思いますが、いかがでしょうか。この環境関係の投資というものは、必ず元金はもとよりその利子が返ってくると思います。県が世界遺産登録元年として率先して先行投資をすることが大事だと思います。
 今、私が強調したことは、次のことを聞いていただければと思います。それでは具体例を申し上げます。
 十月に調査に行った白神山地の千八百人の小さな西目屋村では、登録される前は約三万人の観光客が、今では五十万人を超える観光客でにぎわっています。しかも、雪が多いため半年間だけの数字であります。そのことによって新しい産業や雇用ができ、物産販売施設や宿泊施設を経営する公社では、役場の職員数六十人を上回る百人近い雇用を実現しています。そして、その公社でつくった観光関連施設では、平成十四年度実績では年間四億三千万円の売り上げを出しています。地元の担当者も村民も、世界遺産に感謝をし、地元に誇りを持つようになったと言われておりました。
 また、細かい数字をあえて申し上げますと、世界遺産の屋久島や白川郷も現地調査をしました。私なりに調べたところを申し上げますと、立地条件は違いますが、日本の白川郷は平成七年に登録されて六三%の観光客の増加となっています。屋久島では、平成五年に登録されて三六%の増加となっています。この二つの観光客の増加率は、平均すれば約四五%の増であります。少しオーバーですが、我が和歌山県全体の観光客数に当てはめると、平成十四年の実績は、日帰り客は二千四百七十万一千六人、宿泊客は五百四十七万七千三百一人、この数字に四五%を掛けると、県内に落とすお金は三千六百五十六億一千四百五十四万四千二百九十円となり、登録される前よりも千百三十五億円の増となります。そして、県税として上がる税収は約三十七億円の額になります。平成十五年度の県予算は、一般会計当初予算で五千八百二十九億円であります。三十七億円という額はばかにならないお金であると思います。
 屋久島の鹿児島県では、当初、啓発事業や戦略プロジェクト事業に五億四千万円の先行投資を行いました。三重県では、登録を中心に行っています教育委員会や観光部局を除いた企画部の世界遺産関係だけで、平成十五年度は約五千五百万円、平成十六年度は約一億五千万円を予定しており、また平成十八年四月完成予定の熊野古道センターは別枠で二十億円が予定をされています。我が和歌山県は、教育委員会や観光部局を除いた事業の予算は、ここ二、三年を見ますと、ほとんどありません。登録関係の教育委員会予算を参考に申し上げますと、平成十二年から平成十五年度の合計で一億二千六百六十一万八千円です。むしろ県の方が率先をして投資をすることが大事であると思います。なぜならば、永久にお客を呼ぶための財産になると私は思います。したがって、いろんなところに先行投資をしてほしいのであります。来年度からは予算編成について世界遺産にウエートを置いてほしいのであります。それに対しては、県民はもちろんのこと、周りで反対、非難する人はいないと思います。
 私たちの日本の世界遺産に登録されているのは今現在で十一カ所ありますが、この和歌山が観光立県日本の先駆けとなるよう率先して、お金の面でも、組織の面でも、人材の面でも、先頭に立ってもらいたいのであります。市町村サミットの中でも、語り部養成、非常に細かな表示、外国人でも満足するトイレなど、切実な要望が出てきました。
 例えば、標識を五つの国の文字で書いたら、一基十五万円かかるそうであります。世界遺産に登録される熊野古道沿線には標識を必要とする箇所がたくさんあり、多額な費用もかかると思います。また、観光客が楽しみにしています熊野古道案内板つきスタンプ台をつくれば、一基二十万円かかると言われています。例えば中辺路町では、十二基要るので約二百四十万円必要であります。これらは登録自治体だけに負担を強いるのではなくて、県全体の観光収入に反映されることからも、県が率先をして支出をしてもいいのではないでしょうか。世界遺産を後世に引き渡すためにも環境ということに力を入れて対処することが登録に対する県の意気込みだと思いますが、いかがでしょうか。
 簡易トイレについては、これは永久的に使わなくてはならないものであります。自治体では財政の厳しいところは県が予備費のところから貸し出すという英断も必要なのではないでしょうか。これらも含めて、県が先行投資をしていくことを考えていくべきだと思います。
 世界遺産の市町村に対するお金はむだ金ではない、必ず県に還元されるのであります。県全体に流れる血のように動き回って、そこに利益をもたらすお金だと思います。そして、県民が生き生きと世界遺産に関心と大切にする気持ち、誇りが広がると思います。つまり、善循環というものが広がると思います。なおかつ、このことが永久に続く財源になるのであります。それが知事としての世界遺産に対するポリシーにもなります。つまり、あの県は何が売り物なのかといったときに、世界遺産だけではなくて、必要なものにはお金をつぎ込んでそれを復元するという思想がこの県にはある、これによって観光客も安心して和歌山を訪れると私は思います。こういう考え方に対していかがでしょうか。企画部長にお伺いをしたいと思います。
 それからもう一つですが、三重県の場合は北川前知事がいろんなところに顔を出し、パブリシティーをされていたと聞きます。この回数が多いことによって県民は世界遺産というものが自分たちの身近になったと聞きます。それに対して和歌山県民の関心はまだまだ薄いのであります。今からでもいろんなところに顔を出してほしいのであります。これは提案ですが、知事自身も歩かれていると思いますが、世界遺産のところを全部歩いてもらいたい。そして、知事が歩くときには県の担当者も歩き、それを実行してほしいのであります。歩くことによって県民に対する大きな説得力になると私は思います。歩くことによって、世界遺産について県民の意識、登録されることによる誇りが県民の間にわいてくればしめたものであります。そして、知事ご自身の目と肌で見ていただきたいのであります。直接観光客のつもりで回ってもらいたい。どういうことをすれば外国の人たちが心地よい旅ができるのか、それなりに体験することによってどこに何をすればよいのか、市町村からの提案に即決断ができると思います。さらに、知事がこれだけ熱心だということで、県民に大変な影響力があるでしょう。あらゆる機会にパブリシティーをするということは、県民のためだけではなく、外国あるいは隣国に対する世界遺産登録の存在感になると私は思います。
 小泉総理が外国客を呼ぶためにテレビCMに出ることが報道されておりました。総理でさえ観光のために出るのですから、木村知事も負けないで頑張ってほしいと思います。いかがでしょうか。
 最後の一つになりましたが、来年の登録されるときの県独自のセレモニーについてであります。
 一過性のセレモニーはもう必要ではないと私は思います。県民の皆さんがよく理解をし、世界遺産の意義を後世に伝えていくような行政の努力をしていただきたいと思います。例えば三重県では、熊野古道を題材にした児童劇の劇団をつくり、県内はもちろん全国の学校を回って全国発信を企画しています。予算は来年度から二カ年で実施合計二千四百万円が計上される予定で、三重県は将来を担う子供たちに焦点を当てています。
 我が和歌山県でも、小学校での世界遺産教育は大変大事であり、世界遺産地域を歩いてみる授業など積極的に取り組まれたいと思いますが、いかがでしょうか。教育長にお伺いをしたいと思います。
 また、県民に対してはテレビや「県民だより」の中で世界遺産シリーズを始めるべきだと思います。登録される意義や、この和歌山は世界遺産によってどう変わろうとするのか、そういったことを県民の意識を高めるためにも企画をすべきだと思いますが、知事、いかがでしょうか。
 以上申し上げてきましたが、県民の士気を高めるためにも、県民に自信を持たせるためにも、世界じゅうの観光客にすばらしいと言わせるためにも、知事が率先をして努力をしてほしいと思います。富士山が日本の顔ではなく、高野・熊野の太古からある大自然が本当の日本の顔だと示すためにも知事が先頭に立って、全県民がこの世界遺産を守っていこうではありませんか。このことを申し上げ、一般質問を終わりたいと思います。
 ご清聴、ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの玉置公良君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 本当に世界遺産に対するさまざまな貴重なご提言を私も自席でじっくりと聞かせていただきました。
 実は世界遺産につきましては、これ登録するということは和歌山県が決めれることじゃないんで、この登録事務については、先ほどから三重県がようやっているという話が出ましたけど、三重県がということじゃないけど、和歌山が八五%ぐらいやって、あとの一五%ぐらいを三重県と奈良県がやってきたというのが本当のところなんです。教育委員会を中心にもう職員が、はっきり言ってあと一年か二年ぐらいかかる予定だったのをぐっと縮めてここまで持ってきたんで、相当無理をして来ているということなんで、我々の関心は、そういうふうな中で最後までつつがなく指定が受けれるようになるかどうかということがもう私の一番の関心事であったわけで。この間も、尾崎議長を団長とする団に、もう本当にこれは実質的に僕もすがるように頼んだんです。何とかユネスコへ行って事務総長に会って最後のだめを押してきてほしいというふうな話をして、かなりいい方向へ来たというふうにあれしてるんで喜んでるんですけど。
 そういう中で、ちょっとなった場合の取り組みについて手薄だろうというご指摘があるのは、これは僕は否めないことだろうと思います。そしてまあそれでいいことだと思わないんですけども、文部科学省の方からも、あんまり早々と騒いだらあかんようになるから余り騒がないでくれというような、実はあれもあったというのも、これ本当のことなんです。
 そういうふうな中でいろいろ取り組みを進めてきたわけですけども、今議員が、自分たちの力で白浜でそういうふうなサミットを開いて皆の関心を大いに盛り上げていただいたこととか、本当に僕はこれは有意義なことだと思いますし、その中で保全の基本計画をつくろうとか、それから標識を統一していこうとか、それからいろいろな案内する人を日本語のみならず外国人の方にもお願いしてやっていこうと、本当にこういうのはもう基本的なことだろうと思います。
 それから、トイレです。私もよく歩くんですけども、トイレがないというふうなところが多くて──実は前に大雲取越えしたときに、これはトイレの話じゃないんですが、昔平安時代には海が見えたという名所だったところが木が茂っていて、これは困るということで早速言いましたところ、大阪の方の山持ちの人がそれに応じて木を切らせてくれて、それで今は海が見えるようになって非常にいい場所になっていると。先ほど言われた、私なんかがじかに歩いていろんな問題を見ていくのが必要だというのも、まさにそういうところに僕はあるんじゃないかというふうに思っています。
 いずれにせよ、こういうふうなことについては県だけが旗振りをしてもうまくいきません。先ほど、私自身も、せっかくこういうふうな高野・熊野が世界遺産の登録になったら、四国八十八カ所みたいにみんなが集印帳みたいなのを押して回れるような仕組みをつくれば、一気に行けないから何回も行こうというふうな感じになって非常にいいと思うんですけれども、実はこの間、私が自分でちょっと歩いたときに、熊野博のときにつくったスタンプを押すところを見てみたら、大分お金をかけてつくったはずなのに今ではもう風雨にさらされて、もうだれも維持する人がなくなっていると。相当お金をかけたはずですけども、そういうふうになる。やはりこれは、地元の人たちが自分たちのものとしてそういうものを守っていくというふうな姿勢がなかったら、よくなることはまずないと思います。今度の場合、世界遺産の登録は今までのところと違って、きのうもご答弁申し上げたように、単体を指定するんじゃなくて、もう紀伊半島のほとんどの部分というか非常に大きな部分ということになってきますので、そういう意味でも住民の人の理解とNPOの方なんかの大活躍というふうなことについては非常に大事だと思います。
 それから、雇用の場として緑の雇用とこの世界遺産を結びつけていくという視点も、非常に大事なことだと思います。
 今のお話の中で、世界遺産に登録されたあるところが、三万人の観光客が五十万人になったという話を聞いて、ああ、これはもっとやらないかんなと、非常に勇気百倍になったというようなこともあります。ただやっぱり、魅力があるからお客さんが来るんで、指定されたから来るというわけのものでもないと思いますので、この魅力づくりについて県として思い切り取り組んでいきたいと思いますし、私の基本的な感覚は、お金を使わずにできるだけ和歌山へお客さんが来てほしいということで始めたことなんですけども、余りけちっていても、使うところはやっぱり使っていかないといかんというふうなこともありますので、そのあたりも皆さんとよく協議しながら対応していきたいと、このように思っています。私自身も、パブリシティーでいろんなところへ行きます。
○議長(尾崎要二君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 世界遺産に関連しての語り部、ガイド育成、研修についてでございますが、高野・熊野世界遺産の登録は本県の観光にとっては千載一遇のチャンスととらまえておりまして、現在、大型観光キャンペーンあるいは観光基盤整備等の作業を進めているところでございます。
 議員ご指摘の熊野古道、高野山町石道を案内する語り部やガイドの養成につきましては、今年度は技術向上を目的とした研修を中辺路町と海南市で開催いたしましたが、今後ますます増加が予想される語り部の需要に応じていくために、新たに育成する講座を地元と協働して開催してまいりたいと考えております。
 また、外国人観光客に対応する通訳ボランティアの研修を実施するとともに、需要の動向をも見ながら外国人観光客に対する受け入れ体制の充実に向けて国や関係機関とも連携をしてまいりたいと考えております。
 今後も地元と協議しながら、語り部やガイドの窓口の一本化等も含め、来訪者の視点に立った受け入れ体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 知事公室長小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事公室長(小佐田昌計君) 姉妹道提携の有効活用についてでございますが、姉妹道提携しておるガリシア州とはいろんな形で交流を深めていきたいと考えております。
 姉妹交流を生かしたPR活動につきましては、現在、スペインのラジオ局に働きかけ、熊野古道を中心とした高野・熊野の魅力を近々紹介していただけるよう努力しているところでありまして、また世界遺産を題材にした両県州の子供たちによる絵画展を相互に開催する予定でございます。
 加えて、ヨーロッパに向けては、ことし七月にはフランスの自治体幹部を招聘し、高野・熊野地域を案内し、そのすばらしさを体験していただきました。
 また、高野・熊野の多面的な魅力を内外に伝えるため、オランダ、イタリアの写真家に、この秋、和歌山県のよさを撮影していただき、その写真展を来年フランスのリール、バレンシエンヌ、イタリアのジェノバの三都市で開催することとしてございます。さらに、自治体国際化協会パリ事務所、ロンドン事務所を通じてヨーロッパ各国へPRを働きかけてまいります。
 今後とも、姉妹道提携を通じた交流を一層深めてまいりたいと考えてございます。
○議長(尾崎要二君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 世界遺産の活用についての三項目のご質問にお答えいたします。
 初めに南紀熊野二十一協議会の解散についてでございますが、南紀熊野二十一協議会は、平成十一年に開催いたしました南紀熊野体験博の理念を継承することを目的に、当初から三年間に活動期間を限定して設置したもので、平成十四年度末をもって解散いたしました。この間の熊野古道ウオーク、ガイドボランティアの交流会や研修会の開催を初めとする協議会の活動によって熊野古道を広くアピールすることができたものと考えております。
 県としましては、協議会の取り組みが地域に引き継がれていくことを期待するものでございますが、世界遺産の保全・活用に向けた取り組みを進めるに当たっても、地元市町を初め民間団体等が連携した主体的な活動が大切なことから、今後の組織づくりなどについて検討を行ってまいります。
 次に世界遺産に関するNPOについてでございますが、今後、世界遺産を良好な状態で保全し、来訪者の方々に気持ちよく世界遺産を体験していただくためには、古道のパトロール、周辺環境の保全、また語り部などによる案内等についてNPOを初めとする民間団体の果たす役割は大変重要と考えておりまして、繰り返しにもなりますが、これらの方々と協働して取り組みを進めていくことが重要と考えております。
 次に、世界遺産地域での環境政策の展開とそれを特色にということにつきましては、現在、高野山の交通を考える協議会を設置しまして、世界遺産の地にふさわしい交通方策の一つとして高野山への自動車の乗り入れ規制についても検討を行っております。高野山には自動車の乗り入れを規制してでも守る価値のある歴史や静寂があり、こうした取り組みが実現されれば環境に配慮した世界遺産として大きな特色になるものと考えております。
 一方、自動車の乗り入れ規制の実現には、ハード整備など解決すべき課題があり、また地元住民の方々の生活や商店の営業等と密接に関連するために、地元としての考え方をまずまとめていただくことが必要と考えております。
 次に、世界遺産の予算についての二項目のご質問にお答えいたします。
 初めに三重県、奈良県との共同事業についてですが、国内外に紀伊山地の霊場と参詣道の魅力を発信するため、大阪で国際シンポジウム、また東京、名古屋、大阪三都市において紀伊山地の霊場と参詣道展の開催を予定しています。
 登録を機に実施するこれらの催しは、関係市町にとっても、みずからが有する資産や自然、文化財をPRする絶好の機会であることから、開催に当たっての応分のご負担をお願いしているところでございます。
 次に先行投資、登録自治体への支援についてでございますが、世界遺産を良好な状態で保全していくとともに来訪者がスムーズに世界遺産を体験するため、道標、案内板、トイレなど基本的なインフラの整備を進めることは大変重要なことだと認識いたしておりまして、またそのような取り組みによって来訪者も増加し、ひいては地域の振興につながっていくものと考えております。
 このような考えのもとに、関係部局において、市町が行う案内板、道標などの標識や沿道のトイレ、休憩施設などの整備を支援すべく整備計画として取りまとめ、国に対しても要望を行っているところでございまして、全庁的な連携のもと支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 世界遺産に関してのNPOに対する支援についてでございますが、NPOの持つアイデアとノウハウを活用してさまざまな事業を展開していただく企画提案事業やNPOの立ち上がりを支援する環境活動スタートアップ支援事業、及び振興局が実施しております地域・ひと・まちづくり事業等の支援メニューがございます。これらの事業にさらに工夫を加えまして対応してまいりたいと考えております。
 また、世界遺産登録を契機に、さまざまな分野で活動の盛り上がりが予想されます。さらに新しい取り組みも期待されるところであります。そうした活動に対しまして、庁内各部局の協力を得ながら支援の方策を検討してまいりたいと考えております。
 次に登録自治体の環境政策についてでございますが、環境保全や環境に対する啓発につきましては、大変重要なことと認識しております。世界遺産にふさわしい環境保全が図れるよう、関係市町村とも密接に連携しながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(尾崎要二君) 農林水産部長阪口裕之君。
  〔阪口裕之君、登壇〕
○農林水産部長(阪口裕之君) 世界遺産に関しての雇用の促進の実現と緑の雇用事業についてでございます。
 緑の雇用事業では、古道周辺での森林環境整備などの森林作業に従事しながら、また米、野菜などをつくりながら、また家畜を飼いながらといった、いわゆるながら所得での定住を進めているところでございます。
 過疎山村地域、いわゆる山里においては、小規模であっても農業へのかかわりは欠かせないものと考えております。議員ご提言のとおり、世界遺産登録をビジネスチャンスととらえて棚田などの遊休農地の活用などで地域での暮らしを支援してまいるとともに、景観の保全に結びつけてまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校における世界遺産についての学習についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、小学校で世界遺産を題材として授業などに取り入れることは大変大切であると考えております。
 このほど、三重県、奈良県と三県の共同プロジェクトといたしまして、紀伊半島の霊場と参詣道を紹介した学習のためのCD-ROMの教材を作成したところでございます。これを積極的に活用してまいりたいと考えています。
 このほか、白浜町の小学校では学校独自に、校外学習として「秋の文化遺産を訪ねる」をテーマに、牛馬童子から近露王子までの熊野古道を自分たちの足で歩くことにより和歌山の歴史について深く理解する活動などを行っております。各学校におきましても、和歌山の豊かな自然や歴史、文化など、地域から学ぶさまざまな活動を実施しているところであります。
 今後、世界遺産に関する学習を初めとして、和歌山県のすばらしさを実感できるような教育活動をより一層推進するよう努めてまいります。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十八番玉置公良君。
○玉置公良君 ご答弁、ありがとうございました。
 まず、知事の方からもご答弁いただきましたけども、私も登録に関しては、これ、和歌山県の世界遺産登録推進室、辻林室長を初め、本当に知事以下教育長一生懸命されておると、このことについては本当に感謝をしております。
 まあ誤解をされたら困りますけども、私は本当にそれは感謝しておるんです。ところが、三重県へ行っても、そしてほかのところを見ましても、やはり登録と並行しながら、その活用をどうしていくんか、その条件整備をどのようにしていくんかということを早くやっているところが、いろんな面で観光客を誘致しておるということを肌で感じてきましたし、そのことを言いたかったわけであります。
 文部科学省がどんなことを言いやるか、ちょっと私もわかりませんけども、ぜひとも並行してやっぱりやっていってほしいというのが私の願いです。まあ来年秋には県の大型観光キャンペーンもありますし、そこらの受け入れ体制も世界遺産をにらんでのことだと思いますし、よろしくお願いをしたいと思うんです。
 そこで、答弁を聞きながら私感じたのは、やっぱり受け入れの中で、とりわけ外国人観光客、この方々にどう安心して来てもらえるかという中で、この通訳の問題です。通訳は、先ほどちょっと抽象的な答弁いただきましたけども、高野山の方は、聞きますと、やっぱりきちっとした体制ができておると。ただ、法律上は、通訳ガイドというのは資格でありますから、資格を持ってなかったらお金をとれんと。先ほど、私、カナダ人の例を言いましたけども、あの方々が通訳をしながら、ガイドをしながら、お金がもらえて生活ができてここに住んで熊野古道を売っていきたいという願いから言えば、今の制度ではちょっと──この資格を取らなくてはならんと、こんな問題になってきます。ここらについては、小泉さんも一千万人日本へ来てもらうんだという一つのキャンペーンを張り出しましたから、国の法律改正もやっぱり早くやってほしい、規制緩和をしてほしいと思いますけども、それにも増して和歌山モデルというんですか、例えば「パトロール隊」という名称にしてそういった和歌山条例をつくって、英語でしゃべれる人、中国語をしゃべれる人がパトロール隊をしながら案内をしていくと。こういったものをNPOに委託をしていくとか、そんな何か制度が、和歌山方式ができんかひとつ研究をしていただきたいと。それを早急にお願いをしたいなと思います。
 それと、いろんな姉妹都市等があります。私が調べた限りでは、県内、さらには在外和歌山県人会、さらには県内の市町村の関係で、重複せん限り、私が間違いなかったら二十五ぐらいあるんです。二十五ぐらいの国々と姉妹交流やってます。ここの国々といろいろ人事交流をしながら、そういう、通訳ガイドだけやなしに、その人たちが中心になって世界へPRしていってもらうというようなこともお願いをしたいなと思います。
 さらに、聞きますと、語学指導等外国青年招致事業というのがあるんです。これ今、九十名あるらしいんですけども、先ほど申しました外国で、学校で外国語の活動の指導のできる方、これが八十五名。そして、国際交流員ということは地域で国際交流を深めていく方が五名と聞いております。県では今三名持ってると聞いております。先ほど申しましたような方々については、こういった国際交流員の枠をもうちょっと広げてもらって、その仕事の内容も広げてもらって、世界遺産に焦点をにらんだ、そういった採用等もお願いできんだろうかと要望しておきたいと思います。
 もう一つ、世界遺産教育でありますけども、具体的に和歌山県が取り組まれておりますことを聞きました。できれば毎日の、十五分間でもいいです、ホームルームでもいいですし、そういった世界遺産教育を義務化というんですか、そんなものにしていったらもっと広がっていくんではないかと思っております。
 私、屋久島へ行ってきましたときに一番感動したのは、屋久島の方々がこう説明してくれました。昔は集団就職で大体東京へ行っとったらしいんです。そしてそこで、東京で働いておったら「君はどっから来たんかえ」と言われたから、「屋久島」とよう言わなんだと。「鹿児島県から来ました」と。今は世界遺産になって、そしていろんなUターン、Iターン現象も起こって、胸を張って「屋久島出身です」と今言っておると。こんなことを言われましたけども、恐らくこの世界遺産がこの高野・熊野がなれば、そういった教育が進められれば、本当の学校の教科書ではなくって、もうしんからそういう誇りが持てる、感謝が持てる、そんな教育ができるんではないかと思いますんで、よろしくお願いいたします。
 最後に、きょうも、先ほど冒頭で申しましたように、この世界遺産を活用して、どういったいろんな町おこし、どういった観光おこし、ふるさとづくりしていけるんかということで来てもらっております。その中に、例えば大塔村というのは世界遺産登録地域ではございませんけども、この機会に大塔村の若い衆も頑張っていかなあかんということで、今、世界遺産のプロジェクトを立ち上げておられます。そして、できれば世界遺産登録の来年の六月、七月までに世界の国々の世界遺産地域の物産を全部あそこの大塔村の河原に集めて世界遺産のフリーマーケットをやりたいと、そういう一つの名所にしていきたいという町おこしも考えておられます。そういったいろんな活動を今後とも県の方で支えていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で玉置公良君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十八分休憩
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