平成15年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時二分開議
○議長(尾崎要二君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百四十九号及び議案第百五十七号から議案第百七十九号まで、並びに報第八号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(尾崎要二君) 日程第一、議案第百四十九号及び議案第百五十七号から議案第百七十九号まで、並びに知事専決処分報告報第八号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 三十七番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 皆さん、おはようございます。
 質問に入らせていただきます前に、先月末、イラク復興支援に奔走中の日本の外交官、奥克彦大使、井ノ上正盛一等書記官のお二人がテロの凶弾に倒れ、とうとい命を落とされました。このお二人は極めて優秀な外交官であり、我が国の国際貢献に欠くべからざる存在であり、日本及び日本人の誉れであると言っても過言ではないのであります。まさに余人をもってかえがたい人材を失ったことに痛惜の念を禁じ得ません。心からご冥福をお祈り申し上げます。とともに、断じて残虐非道なテロを許してはならないと思うものであります。
 なお、十二月三日、尾崎要二議長は本県議会を代表して外務省に赴き、お二人の外交官の冥福を祈って記帳されたと伺っておりますことをあわせて申し上げておきたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず初めに、関西国際空港に関する諸課題についてお尋ねをいたします。
 去る十一月十九日から二十二日の四日間、関西国際空港エアポートプロモーション派遣団の一員として中国を訪問させていただきました。このエアポートプロモーションというのは、関西の各自治体と経済界のリーダーがみずから先頭に立ち、関西国際空港株式会社と連携して世界各国のエアライン、政府観光局等に対し直接要請を行うことで関西国際空港への新規乗り入れ、増便を働きかけ、その需要喚起、利用促進を目指そうという活動でございます。昨年から始まりましたけれども、本年は、和歌山県を初め大阪府、兵庫県、大阪市、大阪商工会議所、関西経済団体連合会などがアメリカ、フランス、イタリア、ロシア、フィンランド、タイ、ベトナム、マレーシア、中国、韓国など十二カ国、十二航空会社、政府関係機関を訪問、我々はその一環として中国政府及び山東省政府、山東航空株式会社などを訪れたものであります。中山次郎副知事を団長としまして、本県議会からは、門三佐博日中友好議連会長、和田正人同副会長、浦口高典関西国際空港対策特別副委員長、それに木下善之、前川勝久、浅井修一郎、花田健吉の諸氏と私、岸田俊規総合交通政策課長を初め当局の皆さん、それに関西国際空港株式会社の平野忠邦副社長など、十六名のメンバーでありました。関西国際空港対策特別委員長のゆえをもって、参加された先輩・同僚議員の皆さんのご了解のもと、代表してエアポートプロモーション活動の報告を申し上げるものでございます。
 十一月十九日、午前八時に関西国際空港に集合した私たちは、直ちに結団出発式を行い、午前十時発、全日空一五九便で一路北京へ向かいました。午後一時過ぎ、現地時間午後零時過ぎでございますが、北京の首都国際空港に到着をいたしました。ただ、この首都国際空港から済南空港へ向かう国内線が現地時間で午後四時五十五分までありませんため、私たちは約五時間、空港内で待機することとなり、済南空港到着が午後五時四十五分、投宿先のホテル着が午後七時前ということになりました。まさにこの日は一日、移動に時間を要した結果となったのであります。それこそ、関西国際空港と済南空港の間に直行便があれば、約六時間、時間を短縮できるわけでありまして、ただでさえ今回は慌ただしい日程であり、貴重な時間を有効に利用できたのにと身をもって実感した次第であります。また、今回は済南から関西国際空港へ直行便の乗り入れ実現を働きかけるために我々はやってきたんだという決意を新たにしたところでございます。
 翌日、私たちは午前八時にホテルを出発いたしまして、まず済南空港を視察いたしました。折から同空港は新ターミナルビルを建設中であり、その建設現場へも足を運びました。
 続いて、午前十時には山東航空株式会社を訪問、意見交換を行うとともに、機体整備工場も見学をいたしました。
 昼食の後、山東省政府を表敬訪問、直ちに省政府及び山東省外事弁公室、経済貿易委員会、旅遊局、科学技術庁の幹部、それに山東航空株式会社、済南航空株式会社のトップとの実務協議に入りました。孫守璞副省長の歓迎あいさつの後、中山副知事、門会長、私、平野副社長の順でそれぞれの立場から返礼あいさつを行った後、協議に移りました。
 冒頭の歓迎あいさつの中で孫副省長は、「山東航空の航路開設の要望に来ていただいたことは両省県の発展にとってまことによいことであり、皆さんの訪問に感謝している。山東省から日本への観光ビザの発給も間もなく解禁されるので、観光・経済面での進展に大いに役立つと思う」との発言があり、また「本省と和歌山県は明年が友好提携二十周年であり、次の三つの点でさらに交流を強化していきたい」として、一、済南─関西国際空港間の直行便の開設、二、観光面での相互交流の促進、三、製造業面の交流の強化を一一〇%の力で進めていくとの並々ならぬ決意表明がありました。
 また、李徳明旅遊局長は、「山東省は観光を重視している。GNPの五・七%に当たる年間六百十億元──日本円で一兆百六十六億円になりますが──の収入がある。今後、双方向で、一、山東省、日本、韓国で金の三角形──ゴールデン三角形──を形成する。二、山東省は孔子のふるさとであり、修学旅行に最適。農業資源も豊富なことから観光客の誘致に力を入れていく。三、中日間で観光交流のチームづくりを進めるの三点を重視して取り組んでいく」旨の決意が示されました。また李局長は、「山東省は九千万人の人口を抱えており、潜在能力は高い。ビザが解禁されれば、最初の訪問地は和歌山へと考えている」との話もありました。
 一方、李俊海山東航空書記は、「我々は保有機材を現在の二十七機から五十機に、旅客数を現在の二百四十万人から六百万人へとふやす予定である。将来、国際線の運航が認められれば、日本、シンガポール、ロシアを予定しているが、中でも日本を一番重視しているので、一日も早い開設のために両省県の支援をぜひともいただきたい」と協調しておられました。
 これに対して我々和歌山県側から、関西国際空港の利便性の高さ、新規乗り入れの際の着陸料の減免、和歌山県の観光資源が豊富であることなどをアピールした上で、山東航空の関西国際空港への新規路線開設に山東省政府を初めとする関係各方面の強力なご支援をお願いしたいと要請を行ったところであります。
 約一時間三十分に及ぶ実務協議は、終始和やかなムードの中にも極めて実り多い話し合いとなり、関西国際空港への山東航空の新規乗り入れの実現に向けて双方が全力を挙げて取り組むことをかたく誓い合ったのであります。
 この後、山東省のトップである張高麗山東省書記を表敬訪問の後、山東省政府主催歓迎レセプションに臨み、約三時間近くにわたって対話の花が咲きました。
 三日目は、午前四時三十分ごろに起床いたしまして、慌ただしく朝食をとった後、午前六時にホテルを出発、済南空港八時発の国内便で一路北京へと向かいました。北京到着後、午前中は世界遺産である天檀公園などの史跡を見学、昼食の後、午後、中国民用航空総局を表敬訪問、直ちに日中間航空協議の中国側代表者である王栄華国際合作司長との対談に臨みました。
 席上、中山副知事から「関西全体が山東航空を初め中国からの便の関西空港への乗り入れを希望している。山東省とは二十年以上のおつき合いであり、また山東省は日本への観光ビザ発給解禁の有力な省でもある。山東省とも協力して新規就航に力を入れていくので、ぜひとも認可をお願いしたい」との申し入れを行いました。
 王司長は、「前回の日中航空協議で増加した便は関西国際空港に集中しており、今後とも増加していくと思う」と前置きした上で、「山東航空の指定に当たっては、和歌山県と山東省との間で長年築き上げてこられた友好関係を大いに考慮する。皆さんが来る前に山東航空の副総裁とも話をした。市場ニーズの分析が必要であるが、新規就航は交流推進に役立つと思うし、和歌山県の後押しは大きな力になる」と、心強い答弁をいただいたところであります。このほか、さまざまな点に話題が及び、約一時間の話し合いは実りのあるものとなりました。
 この後、中山副知事と私は皆さんと別れて、イトーヨーカ堂の合弁企業である華堂商場を訪問いたしました。このことについては後の項目の中で申し上げたいと思います。
 なお、余談ですが、北京市は現在二〇〇八年のオリンピックの開催に向けて急ピッチでインフラ整備を行っております。つい最近も環状高速道路が一つ供用開始されたにもかかわらず、爆発的なマイカーの増加で朝夕は大変な交通渋滞でありました。一行と別れて華堂商場を訪ね、一時間以上にわたって意見交換と売り場見学をした中山副知事と私たちはこのラッシュに巻き込まれてしまいまして、六時半に設定されていた夕食会場に小一時間もおくれて到着する羽目になってしまったのであります。
 さて、四日間にわたる文字どおり駆け足の中国訪問でありましたが、種々ご報告申し上げましたとおり、今回のエアポートプロモーション活動は内容のある実り豊かなものとなったと実感しております。四日間、ゆっくりとお土産を吟味する時間もないほど強行軍の日程ではございましたが、和歌山県と山東省のさらなる友好提携の促進と関西国際空港への山東航空の新規乗り入れの実現という大きなお土産を持ち帰れたと確信しております。参加された皆さん、いかがでございましょうか。(拍手)──ありがとうございます。
 そこで、今回、団長としてご苦労いただきました中山副知事から、山東航空の関西国際空港への新規乗り入れ実現を含め、このエアポートプロモーション派遣団の成果報告をしていただきたいと思います。
 二点目、明年は皆さんご承知のとおり、和歌山県と山東省との友好提携二十周年に当たります。直行便の実現というチャンスでもあり、どのようにこの友好提携二十周年の記念事業を進めていかれるおつもりであるのか、あわせて副知事からご答弁をいただきたいと思います。
 第三点、本年夏に県企画部関西国際空港対策室が行った関西国際空港利用者アンケート調査に関連してお尋ねをいたします。
 この調査は、県内の関西国際空港利用者の動向と意見を把握するため、本年七月二十八日から八月三日にかけて一週間、毎日七時間、JR和歌山駅東口の空港リムジンバス乗り場で実施されました。既に本年九月定例会の初日に開かれた関西国際空港対策特別委員会の席上報告され、また一般にも既に公表されておりますのでご承知の方もあろうかと存じますが、何点かポイントとなるところを披露したいと思います。
 関西空港を利用する頻度について聞いた質問では、年二、三回というのが一番多くて、あとは続いて年四回から六回、月一回となっております。また、航空機を利用する目的について、出張が五九・五%、観光が二八・八%、半分以上、約六割が仕事で使っているという結果が出ております。目的地につきましては、国内線が八八・四、海外が一〇・三。国内線を利用する人たちのうち、羽田便が七六・六%で最も多く、続いて福岡便、札幌便、那覇便となっております。すなわち、四人のうち三人が羽田便を利用しているという結果であります。
 そして、この国内線を利用する際不便を感じることがあるかという質問に対しましては、不便が多い一五・八%、時々不便を感じるが三〇・四%、四六%の人が不便を感じていると答えております。約半数であります。これを羽田便を利用する人に限定しますと、不便を感じているという人が五一%に上りまして、半分以上であるということが明らかに出ております。
 その不便を感じている内容については、便数が少ないであるとか、時間帯が悪いというのが多数を占めておりまして、羽田便に対する不満を感じている人が多いということがこの調査で結果としてあらわれているように思います。
 そこで、私いつも申し上げているところでございますけれども、そもそも関西国際空港は、伊丹空港の深刻な騒音問題を背景として、世界の趨勢となっている二十四時間運用可能な真の意味での国際空港たるべく、さまざまな紆余曲折を経て泉州沖五キロメートルの海上に埋め立て方式で約一兆五千億円もの巨費を投じて、関西の総意として、国のまた方針として建設されたという経緯があることは皆さんご承知のとおりであります。
 和歌山県としても、オール関西という観点から、関西国際空港を支援していくため約五十一億円もの出資をし、さらに現在行われております二期事業分も含めますと百五十億円になんなんとする巨費を負担することとなっているのであります。これは、国土交通省、大阪府、財務省、大阪市に次ぐ第五位の株主として資金においても大きくかかわりを持っていることになるのであります。
 関西国際空港が開港したことにより、アクセスが極端に悪かった伊丹空港と比べまして、本県からのアクセスは格段によくなり、平均で一時間以上、場合によっては約二時間も短縮された形になっております。このため、国内線利用率において関西各府県の中でも圧倒的にこの和歌山県の関西国際空港利用率が高くなっておりまして、県民の海外出国率も関西国際空港の開港前と比較して大幅に増加しているのであります。まさに関西国際空港は和歌山県のための空港と言っても過言ではないわけであります。
 ところが、関西国際空港を取り巻く状況は、現在決して予断を許さないものがあると言えます。国際線に関しましては、一時のSARSやイラク戦争の影響を克服して回復基調にありますが、事国内線に関しては、関西と伊丹の間で国内地方空港と結ぶ路線における格差がこの数年とみに顕著になってきているのであります。その格差の現状については本年六月定例会で申し上げたばかりでありますので、ここでは割愛をさせていただきますが、六月から半年でその格差はますます広がっていることを指摘しておきたいと思います。
 また、総トータルでこの伊丹、関西から日本全国の地方空港に飛んでいる便は全部で二百十二便ありますが、そのうち関西は五十七・五便、伊丹が百五十四・五便、すなわちパーセントで言いますと関西は二七・一二%、伊丹が七二・八八%ということで、約七三%が伊丹から飛んでいるという今の現状であります。国内線、国際線の乗り継ぎ利便性において成田空港を圧倒し、二十四時間運用可能な我が国で唯一と言ってもいい国際ハブ空港というべき関西国際空港の特性が大きく損なわれるという、今憂慮すべき事態、危機にあると言わざるを得ません。
 以上、るる申し上げました点を踏まえ、本来利便性の高い関西国際空港に対してほぼ半数の人が不便を感じていると答えていることについて、県としてはこの数値をどう判断し、今後どう対処していくおつもりでありますか、企画部長のご所見を承りたいと思います。
 第四点目、去る九月定例会の会期中に、私ども関西国際空港対策特別委員会として関西国際空港の二期埋め立て工事の現場を視察し、あわせて村山敦社長を初め関西国際空港株式会社の幹部の皆様と意見交換をしてまいりました。
 ところで、私はいつも出張のときは、また私的な旅行のときも極力航空便、それも関西空港を利用するように心がけておりますが、離着陸のときに飛行機の窓から眼下に広がります二期埋め立て工事現場を眺めていたときはそんなに大きなものとは感じておりませんでした。しかし、実際にこの足で埋め立て工事現場に立ってみますと、この埋め立て工事の現場がとてつもなく大きく広く、今さらながらこの事業がいかにスケールの大きなものであるかということを実感として肌で感じ取って帰ってまいりました。
 このときは九月十一日でありましたので、既に三カ月が経過しているところでもあり、現時点での二期工事の進捗状況はいかがでありましょうか。また、一部で当初予定されていた二〇〇七年の供用開始を危ぶむ声が聞こえてまいりますが、そのおそれはありやなしや、企画部長の答弁を求めるものであります。
 次に、和歌山県の優良産品(和歌山ブランド)の販路開拓についてお尋ねをいたします。
 初めてこの問題を取り上げて一年有半、初めは現ブランド推進局長が商工労働部付の担当参事として主に一人で取り組んでおられました。本年度はブランド推進局という組織を立ち上げていただき、職員も十九人の体制に強化していただきました。以来八カ月、和歌山産品フェアもイトーヨーカ堂を中心に十一回、売上総額も二億五千万円を超えたと聞き及んでおります。まずは順調な滑り出しと評価して差し支えないと思います。
 そこで、本年度のこれまでの成果について商工労働部長の答弁を求めるものであります。また、これまで取り組んでこられた中でさまざまな課題も浮き彫りになってきたと思いますが、この点もあわせてお答えをいただきたい。
 第二に、和歌山の優良産品の海外への販路開拓についてであります。
 特に東アジアの韓国、台湾、中国等が当面のターゲットとなっていくと思われます。将来の課題として、これらの国々に対してシェアを拡大していく道筋を開いていく必要があると私は思っております。
 前段で申し上げましたとおり、中国へのエアポートプロモーション派遣団の訪問三日目の夕刻、忙しい合間を縫って副知事と一緒にイトーヨーカ堂の北京店・華堂商場を訪問いたしました。営業本部長の佐野正之氏、食品部長の萩原忠孝氏の二人と約一時間にわたって意見交換をし、店内も見学させていただきました。佐野本部長らの出店以来の五年間の失敗談や苦労談を聞く一方で、中国市場の特質や消費動向、中国人民の好みなど、さまざまな質問もぶつけたのであります。結果、次のような幾つかの点が明らかになりました。
 まず、衣料品に関しましては、日本人とは全く色の好みが違う。派手な色は好まれないということが一つ。それから、関税によりまして日本からの輸出品は非常に価格が高くなる。中国に進出している日本企業が現地生産したものを仕入れて売っている。すなわち、結論として輸入品は全く売れないということであります。
 それから、食料品に関しますと、柑橘類はミバエの問題があって輸入禁止、それからしょうゆなどは大変価格が高くて日本からの進出企業の駐在員用にしか売れない。中国産野菜は豊富で、スイカなどは日本の種を導入して品質が非常によい。ちなみに、北京で消費される野菜や果物のほとんどはこの山東省で生産されているということであります。米価でありますが、日本の約十分の一。十キロ五百円ぐらいで売られております。最高級のコシヒカリでもキロ百四十三円。
 それから、化粧品に関して言いますと、資生堂製品を資生堂というブランド名で売っても売れなかったのに、中国名ブランドに変えると売れ出したと。この店の周辺に住んでいる顧客の月収は平均千二百元。約二万円でありますが、この層が手の出せる価格に設定しなければ売れない。ところが、必要とあれば結構値の張るもの、例えば月収の五分の一、二〇%ぐらいのものでもぽんと買っていくという、そういうことを言っておられました。また、考えられないほどの超高級層、高所得者層があるということも事実であります。以上のようなことが、かいつまんで申し上げるとわかりました。
 巷間言われておりますごとく、中国は人治主義の国で、人が治める主義の国であり、何事も人脈でございまして、人で決まる国であります。流通業界でも人脈が殊のほか重視されていることは論をまたないのであります。意見交換の中で期せずして一致したのですが、政府等の幹部や一部の成功した人たち、それに日本を初めとする海外商社マンなどをターゲットとして高級品専門店で超一流品を扱えば商売になるということが感触として得られたように思います。
 そもそも、東アジアの国々は、歴史的にも文化的にも長い交流を重ねてきた結果、共通する部分が非常に多く、食文化の面でも同じことが言えます。特に日本と韓国は、庶民の食文化という点で全く似通っていると申し上げても過言ではありません。味つけの仕方こそ少し違いますが、食材という点ではほとんど同じであると言えるのではないでしょうか。
 例えば、納豆。あの糸を引く納豆でありますが、関西以西では余り食卓に頻繁に乗るというものではありませんけれども──ちなみに私は大好きですが──関東以北では毎日のように口にするもので、いわゆるポピュラーな庶民の食べ物であります。あの納豆が、非常に変わった食べ物でありますので、日本独特のものと私は長く信じ込んでおりました。ところが、韓国にもこの納豆が庶民の食べ物として存在するのであります。
 もう一つ例を挙げたいと思います。皆さん、ホヤという海の食材、ご存じでしょうか。関西の人は余り知りませんが、別名、形から「海のパイナップル」と言われておりますけれども、この独特のまことに強烈な海のにおいのする食べ物。東日本、特に東北、北海道ではもうホテル、旅館なんかに泊まりますと必ずおかずの一品に出てくるぐらい普通によく食卓に上る食べ物であります。このホヤがまた、韓国では庶民の間で普通に口にされているのであります。
 こういう一例を挙げましたけれども、事ほどさように、東アジアはいろんな意味で共通する部分、通じ合うところが大いにあるということであります。将来、和歌山の優良産品を売り込める土壌はあると私は思うのであります。商品の選別や販売方法、ルートなど、今後まだまだ研究の余地は残されてはおりますが、将来の課題としてぜひとも考えていっていただきたい。このことについて、木村知事のお考えを承りたいと存じます。
 三点目、和歌山の優良産品の発掘と品質向上の取り組みについてであります。
 本年行われました和歌山産品フェアにおいて出品された主な品目を見てまいりますと、梅干し、ミカン、カキ、干物、和歌山ラーメン、漬物、みそ、ゴマ豆腐、ジュース、菓子類などでありますが、もっと県内を歩いて発掘していけば、これ以外の商品となる優良産品はまだまだ存在すると私は思います。この点、今後どう取り組んでいくおつもりでありますのか、商工労働部長のお考えを聞かせていただきたい。
 四点目に移ります。
 本年度から、ブランド推進局の職員のうちから二人がイトーヨーカ堂へ研修派遣されておりますが、この二人の若者は派遣されて八カ月、ブランド推進局の幹部が久しぶりに会いますと、明らかに成長して最近目つきまでが生き生きと変わってきた、そういう印象を受けたという報告を聞きました。私は、県職員の研修に関して民間企業への派遣が一番であると、大いに民間へ行かすべきだということを申し上げてまいりました。派遣職員の目の輝きが見違えるほど変わったという報告を耳にし、私は我が意を得たりと快哉を叫んだのであります。このことも含め、和歌山の優良産品の販路開拓について今後さらにどう拡大し、どう取り組んでいくおつもりであるのか、木村知事のお考えをぜひとも聞かせていただきたいと思います。
 最後に、NPOとの連携についてお尋ねをいたします。
 平成十年十二月、特定非営利活動促進法が施行されて今月でちょうど五周年となりました。同法の施行によって法人格の取得は容易となり、現在全国で一万三千を超える団体がNPO法人として認証されるに至っております。
 ところで、私は平成七年十二月定例会におきまして、「百八万県民総ボランティア運動の提唱と推進について」と題して一般質問をいたしました。ちょうど八年前であります。この中で私は、「今、新ゴールドプランが発表され、利用しやすい保健福祉サービスと医療との連携などを目指されているが、その成否のかぎを握っているのはマンパワー、人の問題である。ホームヘルパー、看護婦、保健婦といった人材の育成に自治体が真剣に取り組み、必要な人員の確保に努めなければならないことは言うまでもありませんが、これらのマンパワーを補完し、より重層的な福祉型社会を実現するかぎはボランティアの存在である。百八万県民すべてが自分の置かれた立場や能力に応じ全員で何らかのボランティア活動に従事する、そんな社会こそ本当の高福祉社会である。もちろん、企業、団体も企業メセナの精神にのっとり社会貢献すべきである」と提唱したところであります。当時はまだ「NPO」という言葉は広く使われておりませんでしたし、私も言ってはおりませんが、この「ボランティア」を「NPO」に置きかえても何の違いもなく、その精神は同一と考えます。
 和歌山大学生涯学習教育研究センターの堀内秀雄助教授はこのことについて、このように言われております。「日本においてNPOの社会的使命が着目されだしたのは、バブル経済崩壊後の一九九〇年代の初めであろう。そして、一九九五年一月に起こった阪神・淡路大震災の悲劇に自発的意志で展開されたのは、百五十万人を超える空前規模のNPO・ボランティア活動であった。ボランティアという言葉は以前から使われていたが、当初は主として主婦たちの余暇活動の一環であり、社会的弱者支援を中心とする「無料奉仕」活動に限定されていた。七〇年代から八〇年代にかけては、自己実現・まちづくり型の活動へと広がりを見せた。やがて、九〇年代に入ると、ボランティア活動は共生型のNPO・市民活動へと大きく合流していく。その契機となる起爆剤は、何といっても前述した阪神・淡路大震災の大救援活動である。このうねりはまた、一九九八年十二月の特定非営利活動促進法(いわゆる「NPO法」)の成立となって結実する」というように言われております。
 ボランティアとNPOの合流の歴史についてこのように述べておられますが、さらに今後の問題として、「NPOが行政及び企業セクターと連関していく基本コンセプトは、協働・パートナーシップという概念である。今後、三つの社会セクター、行政・企業・NPOが個別の特性を発揮しながら多彩な社会サービスを供給・創造していくためには、とりわけ市民セクターであるNPOの主体的力量の成熟が不可欠である」とも指摘しておられます。
 また、NPOの社会における価値について堀内助教授は、「NPOは、単に社会を構成する第三のセクターとしての存在にとどまらない。NPOの登場は、現在の危機的な社会システムをドラスチックに改革し、新しい公共性を担う主体に発展していく可能性を秘めている。むしろ、NPOこそ二十一世紀を希望の社会につくり変えるキーワードである推進力」と言っておられます。
 また、十二月三日付「読売新聞」、暮らしのページでも「法施行から五年 質問われるNPO法人」との見出しで、平成七年一月に起きた阪神・淡路大震災をきっかけとして、ここでのボランティアの目覚ましい活躍ぶりが社会の大きな力としての市民団体の役割を認識させたことを紹介しております。
 以上、るる述べてまいりましたが、木村知事は「読売新聞」の「全国知事リレー講座」の中で、「和歌山はまだまだNPOの数は少なく揺籃期。来年は「NPO元年」を目指しています。活動に大いに期待し、行政もNPOとの協働に方針を変えていかなければなりません」と述べておられます。また、本年九月定例会の予算委員会において、浦口議員の質問に対する答弁の中でも同様の趣旨の発言をしておられます。明年をNPO元年にという知事の発想について、その具体的考え方をぜひとも聞かせていただきたい。
 第二に、すべての部局がNPOとのかかわりを持ち、対応をしておられると思いますが、時間の制約もありますので、環境生活部、福祉保健部、教育委員会の三部局に限ってお尋ねいたします。それぞれの部局において具体的な取り組みについてご答弁をいただきたい。
 なお、教育長には学校現場でのボランティア精神やNPOとのかかわり、公共心の涵養などについて、児童生徒への教育の取り組みについてもあわせてお答えをいただきたいと思います。
 第三に、ふるさとづくり企画に係るNPOの提案について、その成果のほどはいかがか、環境生活部長の答弁を求めるものであります。
 以上で、第一質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず最初の、東アジア、中国、韓国、台湾、特に中国への和歌山産品の販売というふうなことでございます。
 非常に大事な視点だと思いますし、今後、中国は世界の工場としてよそへ輸出をする立場から逆に中国自身が大きな市場として──十三億の人がいるわけですから──出てくるという形になってくるわけでございますけども、基本的には、日本の工場が行って中国内で物をつくってそれを売っているというふうな形が基本になってくると思うので、特に第一次産品などを中国へ持っていって売るというのは、そのイトーヨーカ堂で森議員が調べてこられたとおりだろうと思います。
 やはり、これからこの中国を新たに和歌山の産品を輸入する市場と考えようと思えば、新しいビジネスモデルを考えないとなかなか難しいだろうと思います。そのときには、他県で成功している例の徹底的な検証、それからもう一つは、山東省と友好関係を長く続けてきており、非常に厚い人的な関係がある、このことを利用しない手はないということでございますので、これは一朝一夕にはいかないんですけども、せっかくその部分で和歌山県はよそに先んじている面があるわけですから、早くそれが活用できるような方向を見出さないといけませんし、それから、和歌山の産品として、これは工業製品とかそういうふうなものの方がいいと思うんですけども、そういうふうなもので中国へ出しても十分付加価値がついて買ってもらえるというふうなものがどんなものがあるかというふうなことについて、もっと研究を進める必要があるというふうなことだろうと思います。
 それから、第二点の和歌山ブランドの売り出しということで、ことしからイトーヨーカ堂に県の職員を二人バイヤーとして派遣して、非常に活躍してくれております。イトーヨーカ堂でのソフトアンテナショップ、大成功しているということで、ことし限りに終わらずに来年にもつながっていくということで、これは本当に私も喜んでいるし、ほかからもまた同じようなことをもっとやってくれませんかというような引き合いも多数来ているということなので、どんどん広げていきたいと思います。
 イトーヨーカ堂のことが、ある意味ではきっかけになって、紀ノ国屋、それから有田のミカンなんかを高野とか、こういうすばらしいフルーツショップで売るとか、いろんなことも広がってきておりますし、それから、来年の二月には和歌山県のアンテナショップを有楽町に出すと。さらには、三年目を迎えましたふるさと和歌山わいわい市場も売り上げが倍増してくるというふうに、徐々に非常に成果が上がってきている。こういうふうなことをトータルに相互に連携しながら和歌山の産品のよさというふうなものを外へ発信していくということが、この時代には非常に大事だろうと思います。つい先日も、何か和歌山のシラスがテレビに出たら、東京の方で買いたいという人が列をなしたという話も聞いております。今はそういう時代ですので、いろんな形でこの和歌山ブランドというものの育成に努めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、第三点のNPO元年ということです。
 先般、浦口議員の質問に答えてNPO元年と──まあ、ある意味ではちょっとおこがましいんです。実は、和歌山県にはまだ百ほどしかNPOがなくて、よその県より進んでいるというふうな状況じゃないんですけども、今のデフレ社会──デフレ社会というのは、ある意味では弱肉強食の社会になってくる。一方で、地方公共団体の方は収入も非常に少なくなってきていて、ここに物すごいジレンマがある。やらないといかん仕事は前よりもふえてくるけど、入ってくるお金は少ない。そういうふうなときには、やはり考え方を変えて、住民の人と連携しながらいろんなことをやっていくという方向にやっぱり変わっていかないといかんだろうと思うんです。行政を公務員だけがやるんじゃなくて、アウトソーシングしてNPOの人に助けてもらうことも必要でしょう。
 そして、そういうことは、常にお上と住民というふうな発想じゃなくて、本当にイコールパートナーとしてお互い切磋琢磨していくというふうな考え方が必要だということから、まずこれは公務員の方の意識改革も大事なんで、庁内に横断的な組織をつくってこのNPO対策を進めていきたいと思っておりますし、それからまた、和歌山は必ずしもこの面ではそんな先進的な県というわけじゃありません。既にもっともっと進んでいるような自治体はたくさんあるわけですから、そういうところへ積極的に出ていって、どういうことがうまくいった例かというふうなことを聴取してきて、一番いいような形に持っていくと。おくれてきた者が一番おいしいところをとるということも世の中にはあるわけですから、そんな形で積極的にやっていきたいということを「NPO元年」という言い方で言いましたので、ぜひ議員各位にもいろんな形でご支援いただけたらと思っております。
○議長(尾崎要二君) 副知事中山次郎君。
  〔中山次郎君、登壇〕
○副知事(中山次郎君) 森議員にお答えします。
 まず、エアポートプロモーション活動の成果報告についてでございますけど、今回の関西国際空港エアポートプロモーションに際しまして県議会からご参加いただいた議員の皆さんに対して、改めて厚くお礼申し上げたいと思います。
 森議員から詳しくご報告ございましたが、中国の発展ぶりはよく言われているところでございますけど、今回訪問しました中国山東省では、自動車時代に対応した高速道路の建設、あるいは海外進出等を目指した空港建設等が急ピッチで進んでございまして、そのことを目の当たりにしたところでございまして、そのような中で済南空港の新ターミナルビルの建設現場、あるいは山東航空の視察、山東省のトップでもあり、さきに知事表敬をされた張書記、あるいは実務を担当する孫副省長との会談、また中国政府では、山東航空の関西国際空港への新規就航につきまして、日本・中国航空当局者協議の代表者でもある王栄華氏との意見交換を活発に行うなど、終始率直な話し合いができたものと思ってございます。また、山東省との交流も深めてまいりました。
 山東航空が関西国際空港へ乗り入れをするためには、日本・中国航空当局者協議におきまして中国側から山東航空を指定してもらう必要があります。このたびのプロモーションにおいては、王氏より「山東航空の新規就航に際しては今回のプロモーション活動は大きな力になり、和歌山県と山東省の長い友好関係を大切にしたい」との前向きな回答がありました。二十年にわたる両省県の皆様の地道な交流を強く感じたところでございます。また、済南空港当局者の一行が早速、来週中に関西国際空港を視察に来る予定で、国際線の開設が積極的に進められております。
 本県としましては、今回のプロモーションを契機として、さらに国土交通省等との連携を図りながら、中国民用航空総局へ働きかけてまいりたいと思っております。近い将来、山東航空が関西国際空港へ新規就航することを強く確信しているところでございます。
 次に、和歌山県と山東省との友好提携二十周年につきましては、昭和五十九年四月十八日に友好提携して以来、経済、文化、教育、観光等、さまざまな分野で交流を重ねてまいりました。来年度は、友好提携二十周年という記念すべき年に当たります。
 現在、記念行事につきましては山東省政府と調整を重ねているところでございますが、それぞれの県省の国際空港へのアクセスの有利さを生かしまして、県民参加の友好提携二十周年記念交流団を相互に派遣し、人的な交流を図ることを検討してございます。また、日本と中国の経済関係がますます緊密化する中、中国のWTOへの参加など、相互互恵によりましてこれまでの交流をより実質的なものとして成果を得られるよう、経済面での交流をより推進していきたいと考えてございます。
 友好提携二十周年を迎えるに当たりまして、山東航空の関西国際空港への新規就航が実現すれば大変タイムリーなことであり、さらなる交流の促進を図れるものと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 関西国際空港利用者アンケート調査結果につきましては、議員ご指摘のとおり、羽田便の問題点が如実に出る結果となっております。県といたしましても、この結果を真摯に受けとめまして、先般、国土交通省、関西国際空港株式会社、日本航空、全日空に、より利便性が高いダイヤ編成を望む県民の生の声を伝えてまいりました。
 また、十一月十四日の阪和開発連絡協議会におきましても、大阪府に対し、関西国際空港と伊丹空港のあり方については国が責任を持って必要な措置を講じることが必要であると提案しまして、これを踏まえ、先日、両府県が共通認識を持って国に対し要望活動を行ったところです。引き続き、関西国際空港全体構想促進協議会とも連携を図り、国に対し強く要望をしてまいります。
 次に、関西国際空港二期事業の進捗状況につきましては、十一月下旬から埋め立ての最終段階である二次揚土が開始され、既に二本目の滑走路と連絡誘導路となる部分の埋め立てがほぼ終了しております。十一月末現在で全体計画面積五百四十二ヘクタールのうち四百二十二ヘクタールが陸地化し、施行数量ベースでの進捗率は約八〇%となっております。
 また、二〇〇七年の平行滑走路供用開始につきましては、昨年十二月の財務・国土交通両大臣の合意により、予定どおり用地造成を進めることとなっております。ただ、供用開始に必要な施設の整備につきましては、需要動向や関西国際空港株式会社の経営状況等を踏まえ、来年末に最終判断が下されることとなっております。
 県といたしましては、予定どおり平行滑走路が供用されるよう、引き続きエアポートプロモーションなどを実施し、積極的に関西国際空港の需要喚起、利用促進に取り組むとともに、国に対し強く要望をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 県産品の販路開拓に関しての二項目について、お答え申し上げます。
 まず、本年度の成果と課題についてでございますが、イトーヨーカ堂でのソフトアンテナショップにつきましては、現在まで神奈川、千葉、東京の七店舗で開催しております。特に六月には梅を中心に、十一月にはミカン、カキを中心に約百八十店舗での全店企画を開催し、売上高の合計は約二億四千万円に上ってございます。さらに、十一月には銀座三越の「紀州味紀行フェア」や紀ノ国屋国立店での「紀の国和歌山フェア」等を開催し、合わせて約千四百五十万円の売り上げがありました。
 開催に際しましては、現地の新聞やラジオ等への広報やチラシの配布、またダイレクトメール等により集客を図るとともに、催事場における観光宣伝や各種イベント等を開催し、販売促進と本県のPRに努めたところであります。来店客の反応もよく、「和歌山といえば梅とミカンしか知らなかったが、こんなにたくさんのよいものがあるんですね」という声や、「和歌山県は全くなじみがなかったが、一度行ってみたくなった」という声も多く聞きました。生産者の方々も、「直接バイヤーの意見が聞け、品質面など大変勉強になった」、また「首都圏への販路開拓の道筋ができた」などと、好評でした。総合的に当初の予想を上回る成果があったものと考えますが、今後これらの活動による詳細な結果分析と一層の消費者ニーズ、生産者ニーズの把握が販路開拓をさらに一歩進めるための課題であると認識しております。
 次に、和歌山の優良産品の発掘と品質の向上につきましては、各振興局に配置した推進員や各市町村と連携を密にしながら、県内幅広く広報することにより、商品情報を収集するとともに、希望する生産者を取りまとめ、イトーヨーカ堂や紀ノ国屋との商談会等を開催し、発掘に努めているところであります。
 また、品質の向上につきましては、商談会等におけるバイヤーの評価はもとより、小売現場での消費者の反応やアンケート結果などを生産者にフィードバックすることにより売れる商品づくりを支援し、県産品のブランド化に向け引き続き努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) NPOとの連携について、まず第一点目のNPOとのかかわり、対応についてでございますが、NPO推進を担当いたします環境生活部といたしましては、全庁的NPO推進の中心となって取り組んでいかなければならないと考えてございます。
 まず、行政の意識改革と協働事業推進のためのさまざまな問題解決を図っていくため、副知事をトップに各部長等で構成するNPO推進庁内連絡会議を新たに設置し、協働の定義、目的、方向、具体的事例及び事務処理方法等を定めたガイドライン策定を行い、庁内各部局の協力を得ながら積極的に協働事業が推進されるよう取り組んでまいります。また、パートナーシップ協議会を早期に立ち上げ、NPOと行政の相互理解を深め、連携しやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えてございます。
 個々のNPOとの連携についても、自然環境の保全、地球温暖化対策、青少年の健全育成、食の安全及び男女共同参画社会での推進等、業務の委託を初め、実行委員会への参画、イベントの共催など、さまざまな形態でのNPOとの協働に取り組んでいるところであり、今後、所管する業務の中でNPOとの連携が可能で効果的なものについて協働事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、二点目のNPOからのふるさとづくり企画提案事業につきましては、NPOの特徴である柔軟な発想と行動力を生かしてさまざまな行政課題を探り、その解決を図るという趣旨で、平成十四年度に初めての試みといたしまして実施いたしました。十四年度には五十五件の提案があり、六事業を採択し、県からの委託事業として実施いたしました。本年は七事業を採択し、現在、事業を実施中でございます。
 平成十四年度に採択いたしました事業につきましては、自然環境の保全、不登校児童生徒への対応、子育て支援、青少年の健全育成等、多様な分野で独創的なアイデアが提案され、これまで行政の手が届かなかったきめ細かいサービスが県民に提供されました。これらの事業は、平成十五年度もそれぞれのNPO独自の事業として継続されております。提案が採択された団体につきましては、当該団体の活動が広く認知され、市町村からの事業委託がふえるなど、団体の信用力向上と活動機会の拡大に大きな効果があったものと考えられます。
 また、県庁内のNPOとの連携の窓口となった課が、今年度は自主的にさまざまなNPOとの連携事業を実施しており、県庁内でのNPO推進にも大きく寄与したものと考えております。NPOに活躍のチャンスを提供し、自主的な発展を促進するとともに、行政や県民のNPOに対する理解と認識を向上させる上で当事業は効果的な事業であると評価しているところであります。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○福祉保健部長(白原勝文君) NPOとのかかわりと対応についてお答えいたします。
 現在もNPOの皆さんには高齢者や障害者、また難病患者の皆さんの在宅支援や地域生活、就労、生きがい支援を初め、地域における子育て支援など、地域福祉や健康対策等、各種施策の推進に幅広く貢献いただいております。当部の業務につきましても、介護支援専門員の資質向上のための事業を初め、エイズ予防対策のためのカウンセリング事業や子育て支援に係る情報提供体制の整備事業等を通じて、NPOとの連携による事業展開を図っております。
 しかし、少子高齢化が急速に進み、ますます多様化する地域の福祉ニーズに対応するためには、NPO活動をなお一層充実し、強化いただくとともに拡大していただくことが必要と考えております。当部といたしましても、福祉、保健、医療等に関する相談業務や各種の支援事業等、NPOとの協働事業を促進し拡大するため、NPO関係者の皆さんを初め、住民や社会福祉関係事業者等との連携を強化してまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) NPOにつきましては、地域におけるさまざまな教育活動の新たな担い手として大いに期待しているところであります。既に、きのくに県民カレッジにおける講座の提供を初め、各種研究会においてNPOとの連携をテーマに取り上げるなど、協働(パートナーシップ)の可能性を探りつつ、取り組みを進めているところでございます。
 また、学校教育におけるボランティア精神の育成についてでございますが、道徳や特別活動を中心としてその取り組みを進め、保護者や地域との連携をより深めながら地域に貢献する態度を育てるとともに、生徒自身の自立心、公共心等を身につけさせるためにも極めて重要であると認識しております。
 こうしたことを踏まえ、各学校ではボランティア活動への積極的な参加を呼びかけており、児童生徒の老人福祉施設への訪問、自然保護活動や地域の人々と協力した環境美化活動、国際交流や災害復旧支援活動など、幅広い分野で積極的な参加が見られております。
 今後、こうした活動をより一層拡充するよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾崎要二君) この際、申し上げます。
 所定の時間が過ぎておりますが、質問をされますか。
  〔「なし。答弁長いから再質問できへんやないか」と呼ぶ者
   あり〕
○議長(尾崎要二君) 以上で、森正樹君の質問が終了いたしました。

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