平成15年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(尾崎太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二番尾崎太郎君。
  〔尾崎太郎君、登壇〕(拍手)
○尾崎太郎君 県議会での初めての登壇でございます。この機会をお与えくださいました後援会の皆様並びにご支援賜りました皆様方に、この場をおかりいたしまして心から厚く御礼を申し上げます。
 それでは、議長の許可を得ましたので一般質問をいたします。
 先日、栃木県の足利銀行が、預金保険法百二条に基づき一時国有化されるとの報道がありました。本県におきましても、平成八年、阪和銀行に業務停止命令が出されております。私も地方議員として活動する中で、いまだに中小企業を経営する方々から、メーンバンクが破綻したときの苦しみ、ご苦労を耳にするわけであります。地銀の破綻は脆弱な地方経済に壊滅的な打撃を与えかねません。突如業務停止命令を大蔵省から受けた阪和銀行のケースよりは、確かに今回の措置の方がまだましではあることは認めるにしても、少なからず栃木県経済に影響が出ることは必定であります。とりわけ私が懸念しますのは、このような措置をとることとなる基準がいまひとつすっきりとしないということであります。
 銀行というものは、もともと預かったお金の何倍ものお金を貸し出しているわけで、どのように健全な銀行といえども、もし一斉に預金を引き出されれば、それに対応することはできません。銀行業というものは、そういう意味では、そもそもある種のフィクションに基づいたものなんです。信用こそが銀行の命ではありますが、信用は必ずしもデジタルなものの集合ではなく、少なからずイメージなのです。ですから、繰り延べ税金資産の取り扱いについても、極論すれば、国民がそれを資産だと認識あるいは暗黙のうちにでも了解しているのであれば、それはそれでうまく回っていくたぐいのものだと思います。そんな会計基準では世界では通用しないという声もあるでしょうが、世界で商いをしている都銀ではないわけですし、大体自己資本比率四%なる基準にもどれほどの合理的な根拠があるのかもわかりません。
 そもそも合理的だと思われていたアメリカの会計基準も、エンロンの破綻等により大して当てにできるものでもないことが明らかになってきたわけです。もちろん、物事には限度というものがあります。果たして足利銀行はその限度を超えたのか、その限度は本当に一監査法人が的確に判断できるたぐいのものなのか。恐らくその限度なるものは、それぞれの国の固有の歴史や風土、慣習、社会や産業の構造、国民の意識などとも密接にかかわり合った、非常にデリケートなものであると思います。個人的な意見としましては、特に地銀については地方の実情に合った指導、監督、措置を金融庁にお願いしたいところであります。
 さて、「地方の実情」というフレーズを使いましたが、これは先日ご案内をいただきました「地方の実情にあった道路整備の推進と財源確保を求める決起大会」からとったものであります。私も出席をいたしましたが、まことに意義深い大会でありました。道路公団を初め各種の特殊法人とそのファミリー企業がいかに我が国の宿痾となっているかは、道路公団民営化推進委員の猪瀬直樹氏の指摘どおりだと思います。我が国の病巣が実は霞ケ関よりもむしろ虎ノ門にこそあると喝破した猪瀬氏の業績はたたえられてしかるべきではありますし、その改革に乗り出した小泉内閣を当然支持いたしておりますが、採算に合わないから高速道路はつくらないという乱暴な議論にくみするわけにはいきません。そもそも採算に合わないからこそ公共でやるわけですし、必要か否か、優先順位はどうかといった議論は当然必要でしょうが、本県の高速道路はまさに必要不可欠なものであることは論をまたないわけであります。本大会を開催いただきました知事及び関係当局のご尽力に感謝申し上げ、我々もまた積極的に国に働きかけてまいりたいと存じます。
 小泉改革が進む中、道路問題に限らず、地方の実情をいかにして国の政策決定をしているところに伝えていくのか、また地方発の政策をいかにして提言していくのか、知事のお考えをお伺いいたします。
 次に、環境生活部長に何点かお尋ねをいたします。
 今議会の知事説明に、橋本市の高濃度ダイオキシン類汚染土壌の溶融無害化処理が十月二十一日に完了したとの報告がございました。千ピコから三千ピコの低濃度ダイオキシンの処理も引き続いて行われるようでありますが、ひとまず身体に重大な影響が出る危険は回避され、県民がようやく安心して暮らせるようになったことは喜ばしいことではあります。
 このダイオキシン汚染土壌の処理には、県の代執行分を含め、どのくらいの費用がかかったのかをお答えください。
 また、事件を引き起こした業者に対する県の指導には反省すべき点はなかったのか、今後同様の事件を起こさないためにはいかなる対策を講じるべきなのか、この事件をどのように総括しておられるのかをお答えください。
 さて、いわゆる廃棄物処理法は、私の頭が余りよくはないということもあるのでしょうが、読めば読むほどわからなくなる法律であります。しかし、そのような複雑な法体系は、悪知恵が働く者にすればつけ入るすきが見つけやすいものでもあります。
 そこで、今回は積みかえ保管についてただしたいと思います。
 積みかえ保管は、そもそも収集運搬業の附帯業務として許可されているものであります。ですから、素直に考えれば、当該業者が収集してきた産廃を一たんその保管場所におろし、中間処理には当たらない手分別で有用物を分けるなどした後にまとめて中間処理業者に運搬するためのものであって、その保管場所に産廃をおろすことができるのは許可を受けた業者だけであるというのが原則であると思います。他社が産廃を積みかえ保管場へ持ち込むことは、ともすれば保管場があたかも産廃の集積場と化してしまいかねません。そうなってしまえば産廃ごとの特定をすることは極めて難しくなるので、事実上マニフェストは無意味になってしまいます。また、いわゆる持ち込み産廃の受け入れもよほど注意しなければ、マニフェストが切られていない産廃がうずたかく積み上げられてしまうということにもなりかねません。行き場のない産廃は、いずれ不法投棄を誘発することとなるのです。不法投棄された産廃の撤去は莫大な費用がかかり、環境への悪影響もはかり知れないことは、橋本ダイオキシン問題が何よりも雄弁に物語っているでしょう。先ほど申しましたように、廃棄物処理法そのものの複雑さが時に恣意的な解釈を許し、悪徳な産業廃棄物処理業者のへ理屈を助けているという側面も否定できません。
 そこで、お尋ねをいたします。
 現在、本県には幾つの積みかえ保管場がありますか。また、例えば和歌山市では積みかえ保管の許可に当たっては用途地域を準工業地域以上とし、建て屋を義務づける等の指導を行っているようでありますが、本県においてはどうなのでしょうか。また、将来的には積みかえ保管の許可に際して新たな基準を設けるおつもりはあるのでしょうか。特に自社産業廃棄物の保管を行う場合、保管用地については例えば届け出制にして、保管する場所、保管する産業廃棄物の種類、保管方法等を明確にしていくべきであると考えますが、当局の積みかえ保管に対する考え方及び指導方針をお答えください。
 次に、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 雑賀崎沖の埋め立て問題でもめていたころ、ある漁師の方に「海から眺める雑賀崎のすばらしさを知っているか」と問われ、はっとなったことがあります。若山牧水が和歌山を海路で旅したときに那智の滝が迫ってくる様子に感動してつづった紀行文がございますが、早速船に乗せてもらい、海から雑賀崎を眺めてみました。まさに絶景、南紀にも負けないであろう我がふるさとの観光資源を再認識いたしました。
 高野・熊野の世界遺産登録が実現されれば本県にも大勢の観光客が訪れるものと期待をいたしておりますが、我がふるさと和歌山市にもぜひともお立ち寄りをいただきたい。そのためにもこの観光資源を生かさない手はないわけであります。しかし、残念ながら現在の和歌浦は、廃業した旅館が朽ち果てた姿をさらし、眼下に広がるすばらしい景観とは裏腹に、何とも言えぬ物悲しい雰囲気の町になってしまっているのが現状であります。やはり観光地はもっと明るい雰囲気にしなければならない。何とかこの観光資源を生かす道はないものなのか。先輩・同僚議員もさまざまな提案をしておりますが、私は思い切って風致規制を見直すことを提案したいと思います。
 もとより風致地区は自然美を守るために設けられた規制ではありますが、この規制があるためになかなか新規の投資が行われないわけであり、私も常々「風致さえ外れてくれればなあ」という企業家の声を耳にします。一例を挙げれば、ある大手のブライダル事業者がかなりの規模の投資を検討しておりましたが、風致規制で結局断念したようであります。
 和歌浦地区の活性化策といっても、もはや税金で廃屋を買い取り整備するような時代ではないのですから、民間の投資を呼び込むような規制緩和をすべきだと思います。景観を守るための規制が景観を整備する足かせになってしまっていては本末転倒でしょう。新しく建つ建築物については、形状や色彩を条例で適切に規制すれば、むしろ周辺の景観を少なくとも現状よりは引き立てるものになるのではないでしょうか。
 また、和歌山市の他の風致地区についても、昭和十六年の制定から約六十年も経過しており、社会の変遷に伴い、合理的な規制とは言えないところもあるやに思います。これらも実情に応じた見直しをしていくべきでしょう。まずは和歌山市との協議からだけでも始めていただきたいと考えますが、県土整備部長の答弁を求めます。
 次に、和歌山市新雑賀町周辺の個室つき浴場いわゆるソープランドの客引き問題についてであります。
 この問題には市議会議員時代から取り組んでまいったわけでありますが、和歌山市では庁内組織として新雑賀町中心街環境改善連絡会議をつくり、周辺の自治会と協議を重ねながら客引きの根絶を目指してまいりました。たび重なる自治会からの申し入れや市当局の指導にもかかわらず、残念ながら客引き行為の根絶には至っておりません。町の美観を損ない、通行人に著しい不快感を与え、車両の通行の妨げになるこうした客引き行為は、そもそも風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二十八条に定める禁止行為であります。
 治安の悪化が深刻な社会問題となったニューヨークでは、ブロークン・ウインドーズ理論に基づき、軽犯罪を徹底的に取り締まることにより治安を回復したそうであります。完全な車を何日か放置しておいてはそうそう壊されるものではないが、窓ガラスを壊してみると、その日のうちに車の部品はあっという間になくなってしまう。つまり、壊れた窓ガラスを修理せずに放置すれば、それは犯罪への誘い水になってしまうわけであります。
 新雑賀町周辺は、大勢の客引き行為をする者たちのために一種異様な雰囲気の町になってしまっており、市民はその通りの通行をためらうようなありさまです。客引き行為については、大阪で実際に現行犯逮捕した事例もあるわけですから、壊れた窓ガラスである客引き行為を早急に根絶するように強く警察本部長に求めます。
 また、さきの議会で成立した迷惑防止条例は、近年特に悪化した和歌山駅前の治安を回復するものと期待を寄せるものでありますが、やはり条例に違反した行為については積極的に検挙していかなければ実効は少ないと考えます。警察本部長の見解をお伺いいたします。
 また、最近本県では、消火器点検を巧妙な手口で承諾させ、消火器を持ち去った後、点検料等の名目で高額の費用を請求する詐欺まがい商法が横行しているようであります。
 二、三トラブルに遭った施設の方々の話をお聞きいたしました。業者の威嚇的な物腰に実際に法外とも言える費用を支払ってしまっているケースもあり、とても県民感情としては通常の商取引と言えるものではなかったようであります。中には身体に危害を加えられるのではないかと一一〇番通報した方もいらっしゃり、暴力に対する恐怖が不当な契約の根底にあるであろうことは否定できません。消費者もまた、商取引に関する基本的な法律の知識を身につけるべきではありますが、警察権力が商取引に関与することは避けなければならないとはいえ、警察が身体の安全を守ってくれるとの安心感なしには当事者が毅然とした態度でこういった手合いと交渉に臨むということはなかなか難しいでしょう。警察本部長のご意見をお聞かせください。
 また、担当部局はこうした事案を把握していただいているのでしょうか。もしそうだとするならば、どのような対策を講じておられるのか。特に犯罪性の高いものについては積極的に警察本部とも連携をとるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上、お尋ねして質問といたします。
○議長(尾崎要二君) ただいまの尾崎太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの、国への地方の実情の発信についてのご質問でございますけれども、ご質問にありましたように、今は右肩上がりの時代が続いたときと違って、右肩下がりの時代になってきている。そういう時代にはそういう時代に合ったいろいろな社会の運営方法に変えていかなければ破綻していくということだと思います。
 公共事業についても、いろいろ悪く言われますけれども、和歌山ではこれが地場産業というふうな感じで。ただ、今までと同じようなやり方をやっていては県の方ももう借金が重くなるし、なかなかやっていけない。どういうふうな形でやるかというふうなときに、やはりもう今までみたいに北海道から沖縄まで画一的な基準でやっていくということは非常にむだも多いし、地域の住民のためにも十分にはならない面があるというふうなことから、地域に合ったような形のものにしていって、そして必要なものはつくっていくというのが僕は地方からの発信だと思っているんです。
 金融の問題についても、不良債権の区分で相当画一的なことがなされて、我々もこれはちょっとおかしいなと思うようなことがあります。やはりそういうふうな、これからの時代というのは本当に地域の実情に合わせて適宜適切な措置を必要な金額でやっていくというふうなことが大事な時代だと思いますので、これからも各議員とご相談しながら和歌山のあり方として全国にいろんなことを発信していきたいと、このように思っています。
○議長(尾崎要二君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 橋本ダイオキシン類問題での県の支出総額についてでございますが、廃棄物処理法に基づく代執行経費といたしまして約十一億一千万円、ダイオキシン類土壌汚染対策として約十六億三千万円、調査費や土地購入費を合わせると約三十億円になります。このうち、国から約十二億円の補助をいただいております。
 なお、代執行に要した費用につきましては、事業が終了し、費用が確定次第、業者に厳しく求償してまいります。
 次に本問題の総括についてでございますが、当時の廃棄物処理法は三千平米未満の安定型処分場や一日の焼却量が五トン未満の焼却施設は許可不要でありまして、許可に際しても市町村長の意見が義務づけられておらず、廃棄物の保管量に関する規定もない状況でした。
 この事件は、こうした法の未整備と、今まで経験したことのない阪神大震災の大量の廃棄物が短期間で持ち込まれたことや産業廃棄物に対する体制のおくれなどにより大きな問題となってしまったと考えております。
 県といたしましては、できる限り早くこの問題を解決するため、廃棄物処理法に基づく代執行とダイオキシン類土壌汚染対策に取り組み、現在では住民と行政が一体となって情報公開を基本に対策を行い、全国初の現地処理を実施するなど、和歌山方式と言われるモデルケースをつくり上げ、早期解決を図ってきたところであります。ご協力をいただいております地元の方々に深甚なる感謝を申し上げる次第でございます。
 また、この事件を契機に産業廃棄物処理業者等の不適正処理に対しては、法の改正強化に伴い許可の取り消し等厳正に対処するとともに、各振興局に専任の環境指導員を設置し監視パトロールを強化し、また県警察のエコポリスや市町村とも連携を密にして、二度とこのような事件が起こらないよう全力で取り組んでおります。
 この事件から導き出されました教訓として、情報開示と住民との対話の中で問題を解決していくいわゆるリスクコミュニケーションを基本に、今後も行政を推し進めてまいりたいと考えております。
 次に、産業廃棄物積みかえ保管に関する県の考え方、指導方針についてお答えいたします。
 現在、県所管の産業廃棄物収集運搬業者のうち、積みかえ保管を含む許可を有している者は三十七事業者であります。積みかえ保管を含む収集運搬業の許可に当たっては、県独自の事前調査事務取扱要領に基づき、事前に事業者から計画内容を明らかにした書類の提出を義務づけており、現地調査を実施いたしますとともに、廃棄物処理法に基づく保管基準の遵守、土地利用など、他法令による規制の有無並びに関係市町村からの意見等をお聞きし、適正な許可に努めております。
 自社産廃と称した疑わしき積みかえ保管につきましては、現在、市町村等とも連携し、ごみの山とならないよう、早期の立入調査、適正処理の指導で対応しております。
 なお、自社産廃の保管には法に基づく許可は不要ではありますが、法の保管基準に従わなければならないとされておりますので、事業者に周知徹底を図るための講習会を本年から実施いたしております。
 自社産廃の保管と称するなど、法の網の目をくぐった違法行為に対しましては、県としてもさまざまな方策を講じているところでございますが、議員ご提案の届け出制をとっている府県もございます。その府県における実情、効果等を検証し、県としてより有効な対策を講じてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 和歌山市における風致地区の見直しについてでございます。
 風致地区は都市のすぐれた自然環境や緑豊かな景観を保全する地区で、和歌山市内では昭和十六年に指定され、県条例において建物や土地の造成等に関して必要な事項を定め、風致の維持に努めてまいりました。その結果、すぐれた景観が残されてきていることも事実であります。
 なお、議員ご指摘の点につきましては、風致地区の趣旨を踏まえつつ、新しい時代に即した風致地区のあり方について、その見直しの必要性の有無を含め、今後和歌山市と協議してまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 消火器の不適正取引の現状の把握と対策についてお答えを申し上げます。
 消火器の不適正取引につきましては、消防関係機関を通じて把握に努めているところでございまして、十五年度においては事業所や学校、公共施設等での被害が十二月一日現在二十三件、市町村の消防本部から報告されておりまして、報告の都度、関係団体等に通知をいたしますとともに、その対策として、八月に県内各市町村や消防機関に対し文書によりその手口や対策を通知するとともに、事業所等への周知をお願いしたところでございます。
 また、県民向けには県のホームページなどで注意を喚起し、「県民の友」十月号により「被害多発!消火器訪問点検」というタイトルの掲載の中で、悪質なケースは消防署、警察署に通報・相談するよう呼びかけております。
 今後も、関係機関と連携を図り、その対策に努めてまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 警察本部長宮内 勝君。
  〔宮内 勝君、登壇〕
○警察本部長(宮内 勝君) 新雑賀町の客引き行為等の問題等についてお答えいたします。
 新雑賀町の個室つき浴場につきましては、随時立入検査を行い、客引き行為等について指導・警告を行っておりますほか、悪質違法な行為については、昭和六十年の法施行以後十九件を検挙し、営業停止等の処分を行っているところでございます。
 今後も、議員ご指摘の客引き行為や悪質な違法行為に対する指導取り締まりを強化し、地域の風俗環境の浄化に努めてまいる所存でございます。
 次に迷惑防止条例の関係ですが、去る十二月二日には、九月議会で改正された迷惑防止条例を適用し、ピンクビラの貼付違反で二人を逮捕したところであります。今後とも、地域の安全や平穏を乱す行為や悪質な違法行為に対して厳正に対処していく所存でございます。
 最後に、詐欺まがい商法への対策についてお答えいたします。
 警察では、議員お尋ねのような詐欺まがい商法についての相談を本年三十件余り受理しております。警察としましては、個々の事案について事実関係を調査の上、刑罰法令に触れる行為が認められれば法と証拠に基づき厳正に対処しているところでございます。また、法令に抵触しない場合であっても、当事者から相談等があれば必要な指導・助言を行っているところでございます。
 今後とも、この種案件に対し、関係機関と連携し適切な対応をしてまいりたいと考えております。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二番尾崎太郎君。
○尾崎太郎君 それぞれご答弁をちょうだいいたしました。何点か要望をさせていただき、再質問とさせていただきたいと思います。
 まず橋本の産廃問題ですけれども、三十億円という巨額のお金──まあ国庫負担もありますけれども、しかし三十億円というと本当にすごいお金でありますけれども、出して処理をせなあかんようになってしまった。もちろん、業者に対しては求償をしていかなければなりませんけれども、現実問題としてそのお金を取れるということはほとんど考えにくいわけでありますから。もう支出してしまったことは「しょうがない」と言うには余り大き過ぎますけれども、これを教訓として──まあ今、担当部局も和歌山モデルというのを構築して処理していただいていると。しかし、私が見るところ、ここまで大きくなってしまったのには、やっぱり行政当局も反省すべき点はあったと思うんです。まあ、そういうことを十分今後とも産業廃棄物処理行政に対して生かしていっていただきたいと思います。
 また、質問でも申し上げましたけれども、廃掃法そのものは非常に複雑で、またこれにリサイクル法というのが入ってまいりまして、その解釈というのが非常に実務上難しくなってきておりますけれども、これらも、それこそ実情に応じて機動的な行政指導を行っていただきますように要望をしておきたいと思います。
 それから風致地区の見直しについてでありますけれども、憲法でも、六十年ほどたってようやく、もう改正して実情に応じた憲法をつくろうやないかというのが国会でも議論が起こりそうですけれども、この風致規制というのは昭和十六年、もうこれも六十年ほどたつんですけれども、六十年たったらもう社会というのは本当に変わってしまっている。人間でも還暦ですから、随分と激変しているわけだと思うんです。当然、その規制というのは見直していかなければいけないし、そういった一たんできた規制というのが将来でもずうっとわたって改正されずに来ているというところに、今の日本のこの硬直した現状もあると思うんです。やっぱり実情に合わせて機動的に見直せる、そういう県庁組織であってほしいと思いますので、これをきっかけに、まずは話し合いから進めていただきたいと思います。
 最後にソープランドの客引き問題でありますけれども、これにつきましては、もう長年にわたって地元の自治会とか有志の方がそれぞれ会合を開いて、そして市役所とも連携をとりながら何とかなくしていこうやないかということでご尽力を賜ってまいったところであります。
 まあ、先ほどアメリカのブロークン・ウインドーズ理論というのをご紹介申し上げましたけれども、これによってニューヨークの特に地下鉄は劇的に治安がよくなっている。そういう、人間が犯罪を犯していくときの心理からとった理論でありますけれども。どうも人間というのは、ちょっと犯罪を起こしやすい雰囲気になったときに重大な犯罪を犯していくというようなところがあるみたいでありまして、その犯罪を誘発する軽犯罪というのをそのまま見過ごしていてはいけないわけであります。ちょうどあの新雑賀町周辺というのは、私の知人の娘さんも、あの辺を歩いておりましてちょっと暴漢に襲われたようなこともございます。やっぱり、そういうすさんだ雰囲気というのを残しておっては治安というものの維持というのは困難であろうかと思いますので、警察本部長さんの今後のご努力に強く期待をいたしまして、要望申し上げまして質問を終わりたいと思います。
○議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎太郎君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ