平成15年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(村岡キミ子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(尾崎要二君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百十七号から議案第百四十五号まで、並
びに報第六号及び報第七号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(尾崎要二君) 日程第一、議案第百十七号から議案第百四十五号まで、並びに知事専決処分報告報第六号及び報第七号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 四十四番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、二つの項目についてご質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、やみ金融被害対策についてお尋ねをしたいと思います。
 これは、やみ金の被害から県民の暮らしを守る対策でもありますので、大変重要な問題だというふうに思っております。
 六月十四日のこと、大阪八尾市でやみ金心中事件が発生いたしました。これは、全国に大きな衝撃とショックを与えたところです。一万五千円借りて、十万円払ってもまだ完済していないと言って、執拗な取り立てと近所へもおどしの電話などで三名の老人を自殺に追い込んだものです。八月十三日には、横浜市在住の七十歳の男性が自宅で首つり自殺をしました。やみ金と言われる無登録業者の悪質な取り立てが原因だったと報道されております。
 七月二十四日、警察庁は、昨年一年間の経済苦、あるいは生活苦などを原因とする自殺者は、過去最多であった二〇〇一年度より千九十五人ふえて七千九百四十人に達していると発表いたしました。この数は、ここ三年連続して年間に三万人を超す自殺者数で深刻な社会問題だと私は考えるものです。
 やみ金の被害者は、借りた弱みにつけ込まれ、本人に対する取り立てにとどまらず、職場、親戚、隣近所までおどしまくるといったやみ金業者に逃げ惑い、おびえて、この苦しみから逃れたい、逃げたいの一心で警察や行政に、そして被害者の会に相談に訪れる県民が最近はふえている状況にあります。借りてもいないのに取り立てのはがきが届いたり、その内容は脅迫文でもあります。こうしたものが各個人の家に送られてくるという実態があります。これ、知事ちょっと見ておいてください。(現物を渡す)
 借りてもいないのに、取り立てのはがきがたくさん家に届く。まさに、脅迫文そのものであります。ひどいのになりますと、電報でお悔やみ電報や祝電、それも台紙が五千円もする豪華なツルの舞や漆菊のものが届けられ、中の文書は取り立てに係る内容だけです。中には、一人の人に対して五つの業者から郵送されたそうであります。東京のやみ金業者と思われるところからはがきが毎日郵送されるなど、その手口もさまざまであります。
 被害者の会である「あざみの会」の方に話を聞きに行ってまいりました。「あざみの会」の相談者の方は、「もうやみ金というのはむちゃくちゃよ」と言いながら、ひどい事例を話してくださいました。電話とファクスで融資を申し込んだが、保証料だ、保険料だと言っては、本人の名前で送金せよ、会社経営者なら会社名で送金せよとか、また本人と会社名を併記して送金することを指示され、結果として、その方は一日にして百七十五万円もの送金をしてしまった。これはおかしいなと思ったので、不安になって融資を断りました。そして返金を求めたところですが、この業者は、上司に相談するのに十日間かかると言われました。そこで、相談に来られたそうであります。この「あざみの会」は、早速業者に電話をして、登録業者でなく違法行為であり、犯罪そのものであることを厳しく突きつけると、返金の期日をどうにか指定をしてきたものの、その期日になっても送金されていないという今の実態です。
 私に相談された事例でも、やみ金に借金したのは近所の男性であるにもかかわらず、借りてもいない老夫婦のお宅にある日突然、東京のやみ金業者とも思われるところから電話がかかりました。そして、「あんたの向かいの〇〇を呼んでほしい」と言われ、断ると、大声でどなり散らす。電話を切ると、五分置きにかかる。あんまりひどいので、交番の警察官に来て対応してもらいました。しかし、どうにもなりませんでした。警察官の指導は、「どうしようもないな。ここにおらんことやな。電話番号を変えるしかないな」という指導だったそうです。「悪いことをしていないのに、何でわしが番号を変えなあかんのか」と納得いかずに、警察官の対応に随分と怒っていらっしゃいました。聞くところによりますと、こんなときは警察官に被害届を提出すること、そして一一六番に電話をして相手の電話番号を伝えてつながらないように依頼すれば、あえて番号を変える必要はないことを知りました。これでは住民の不安は解決されないということになってしまっていますから、住民の最も身近な相談者でもあると思うのです。
 また、もう一つの事例を申しますと、小さい会社に勤務する男性です。やみ金の取り立てで、電話であっても、「おまえの会社に電話するぞ。首になってもいいのか」などとおどされたため、この方も警察に相談に行きましたが、「借りたものは返せ」、こう言われ、随分つらい思いをしたとおっしゃっています。そして警察官の対応、これは私たち市民から見れば大変不親切だなというふうに思うわけですが、どう思われるでしょうか。
 既に、平成十三年七月には、警察庁から県警等に対して厳重取り締まりについての文書も出されています。さらに七月十六日、やみ金対策法が成立するに先立って、衆議院財務金融委員会において論議が行われました。その委員として参加している日本共産党の吉井英勝議員は、やみ金融の取り締まりを実効あるものにするため、警察の取り締まり強化について質問をしたところです。冒頭申し上げました八尾市の三人心中事件の被害者は、八尾警察署や大阪府警に七回も相談に行っていたという。これに対して、警察の対応の甘さが批判をされたところでありますが、今後の対応について求めたところであります。瀬川警察庁生活安全局長は、「やみ金の被害者が大変追い詰められている心情にあるということを十分配慮したきめ細かな対応を行っていく。すべての都道府県警察に集中取締本部を設置する。被害者対策を適切に対応するよう第一線の警察官を指導します」、こう答弁されているところです。警察においても、相談件数が激増していると聞きます。被害者にとって最も身近で頼りになる交番警察官への指導はどのようになされているのでしょうか。最近のやみ金融犯罪についての状況、そして県警としての今後の対策についても県警本部長から答弁を求めたいと思います。
 これまでにも積極的な取り組みが行われてきたところでありますけれども、現状と今後の対策についてお尋ねをするところです。県は、特にサラ金やクレジット、高利商工ローン、やみ金を利用することの危険性について、県民への啓発、被害者への指導、違反業者への指導警告、行政処分等について、また相談件数についても商工労働部長、そして県警本部長のご答弁を求めるものです。
 特に、やみ金と呼ばれる業者は、貸金規制法の無登録違反、取り立て行為の規制違反、出資法の高金利貸付禁止違反に加え、野外広告条例違反として、県管理の道路施設や県有地のさくに無許可で看板等を設置するなどの無法ぶりがはんらんしています。こうした違反屋外広告の撤去を求め、県土整備部長のご所見を伺うものです。
 今や、被害は借金した本人だけではありません。家族、親戚、職場に隣近所、地域社会にも広がっていることから、各振興局にやみ金、あるいはサラ金等の相談員を配置されることを求めたいと思いますが、環境生活部長、いかがでしょうか。
 去る七月、やみ金対策法が成立いたしました。既に九月一日から実施をされているところです。罰則の強化や違法な広告、勧誘行為についても新たに罰則が設けられ、取り立てについても訪問、勤務先などへの電話・訪問、そして第三者への弁済要求など、してはならない具体的行為が明確にされました。そして、罰則も引き上げられ、年利一〇九・五%を超える利息の貸付契約の無効化も明記されたところです。その実効ある取り組みに大いに期待をしたいと思います。
 既に長野県では、常設の相談活動「ヤミ金一一〇番」専属の相談員の配置、やみ金情報の一元的集約のための事業費を予算化し、経営者協会に対しても、やみ金被害者の離職防止について要請をされています。やみ金融業者に対する警告文書の入った通知書など、きめ細かな取り組みが始まっています。また、熊本県、滋賀県、山口県、神奈川県などでも、やみ金緊急対策会議が動き出していると聞きます。
 本県には、被害者救済のための対策会議が設置されているのでしょうか。悲惨な事件発生を防止するためにも、行政担当課や県警はもちろんのこと、弁護士、司法書士や被害者の会などの参加する対策会議がどうしても必要だと思うわけですが、この設置を求めるものです。商工労働部長、いかがなものでしょう。お答え願います。
 二つ目の質問に入ります。幼稚園、保育所の一元化問題についてであります。
 就学前の幼い子供の保育のための施設として、今、保育所と幼稚園があります。その保育においては、日中、四八・五%の子供が家庭で保育をされ、二六・五%が幼稚園で保育されているところです。保育所と幼稚園の違いは、児童福祉法に規定される保育所が親の就労等の事情により家庭保育ができない児童に対して保育と教育を行う児童福祉施設であるのに対して、学校教育法に規定される幼稚園は親の希望により幼児教育を行う学校です。そして、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省の管轄に入ります。保育所の対象児はゼロ歳から就学前まで、幼稚園は満三歳から就学前の幼児であって、保育時間は、保育所が原則八時間とするものの、開所時間は十一時間、さらに今、延長保育や休日保育、夜間保育なども行われていますから、さらに長時間の保育時間が課せられる、こういうことになっております。そして一方、保育時間を四時間とする幼稚園は、預かり保育実施により保育時間が長くなりつつあります。二〇〇二年度では、六割を超える幼稚園が預かり保育を実施しておりますし、中でも私立幼稚園では八割を超える実施率となっています。保育所は、子供の健やかな発達の保障、親の就労の保障という二つの側面を持っているのも特徴です。私自身も、働き続けるために二人の子供もお世話になってきたところです。
 今、まさに過疎と少子化時代にあって、一人の女性が生涯に産む子供の数の平均は、いわゆる出生率は一・三三と下がり続けております。保育所も幼稚園も定員に満たない現状にあり、経営的な困難もさることながら、子供たちの集団としての育ち合い保育が危ぶまれていると私は思うところです。一方、大都市部では、女性の社会参加が増大し、働き方も多様化しています。子供の数が減少している状況でも、保育所への入所希望者がふえ、待機児童数は全国で三万九千人にも上ります。まさに、深刻そのものであります。この数は、入所申請をしたけれども、いっぱいで入所できない子供の数です。そのため、ベビーホテルや共同保育所、保育ママといった認可外保育施設に入っている子供の場合は待機児童数にカウントされていないというのもあります。その数は二十三万人とも言われています。
 国は、こうした深刻な状況を打開する対策として待機児童ゼロ作戦を打ち出しました。これは、「最小コストで最良・最大のサービス」をサブタイトルにしているところです。まさに、そのねらいが見えた思いがいたします。これまでも再三国会で問題になり、解消を求められたものの一向に進みませんでしたから、まさに驚きそのものであります。その具体的内容を見てみますと、待機児解消目標は二〇〇四年度末までに十五万人、この計画を着実に進めるため、二〇〇一年度の第一次補正予算で百九億円、第二次補正予算で百億円が保育整備費として前倒しで予算化されたところでありますし、さらには公立保育所の延長保育実施率を今の一七%から六二%に引き上げる、そして一時保育や休日保育の実施率を倍増するなど数値目標を示したことは、これまでにない政府の姿勢とも言えます。じゃ、なぜ政府が突然待機児ゼロにすると言い出したのでしょうか。保育所に入れない子供、保護者の状況に胸を痛めたのでありましょうか。ご存じのように、今、失業率が急増しています。これは、企業のリストラに原因があると言われているところです。このリストラを側面から支援し、新たな雇用市場を生み出すためと見られているとも言われています。私は、たとえ動機がそのようなものであっても、待機児をゼロにすること自体問題はないと思いますが、これはむしろ私たちがこれまで一貫して求めてきたものでもあります。しかし、この間、児童福祉法が次々と改正された経過から見て、政府がどのように待機児ゼロ作戦を進めようとしているのか。
 今、保育分野での各種規制緩和が進められています。それには、まず設置主体の制限撤廃です。公設民営方式の促進や施設の運営は民間を極力活用して最小のコストで実現を図ること、施設の保育所は民営で行うことを基本にすることを明記しているところです。そして、「待機児童のいる市町村は公設民営保育所整備計画の策定に努める」、ここまで明記をしています。結局、ゼロ作戦では、企業の保育所が受け皿となるということです。しかも、行政の役割が企業参入のための条件整備となり、公立保育所をつぶせと言っていることと同じではないかと思うのです。こんな待機児ゼロ作戦は、今の状況ではとても許すことができません。最良・最大のサービスを保障すると言うのなら、次代を担う子供たちです。子供たちの権利をどのように保障するかという視点が欠けていますし、また公的保障の拡充という視点も見られないということを私は言いたいと思います。
 規制緩和を次々打ち出す中で、今、幼稚園と保育所の一元化という制度再編成へと進もうとしています。骨太方針二〇〇三は、幼保──幼稚園と保育所──総合施設の設置について、その具体的内容を二〇〇六年度までに検討するとしています。しかし、総合規制改革会議の中間答申において、構造改革特区では、幼保両施設に関する行政、基準を一元化する、幼保総合施設に関する規制の水準は幼稚園、保育所に関する緩やかな方の規制の水準以下にすることを明記しているのです。子供たちが生活する施設の水準をさらに引き下げるような一元化をだれが喜ぶでしょうか。私は、ここに幼保一元化の本質があると考えるものです。長い間、幼保一元化については議論が行われてきたところです。それぞれの機能と役割が違うということで、一定の決着がついていたと私は思っておりました。確かに、本県においても、過疎化と少子化による子供たちの減少が極めて大変な状況にあります。現行の基準等を保持することは困難だと理解するところでもあります。地域の実態に合致した、子供が健やかに保育されるための新たな制度の創設が必要になっていることもまた理解するところであります。
 今、国が特区と認めている一次提案、二次提案はいかがな内容になっていますか。そして、和歌山県の地方型こども園の提案とはどのような内容なのでしょうか、国の特区と県の特区との違いについて、お聞かせ願います。
 国の幼保一元化は、三位一体の改革による国庫補助金の削減に軸足を置いたもので、特定財源である保育所運営のための補助金を一般財源化すると一元化しやすいだろうとか、幼稚園にはない調理室の必要規制をなくし、施設整備費も一般財源化すれば一層一元化しやすいだろうという規制緩和論が今行われています。利用する父母、子供たちの願いや現場を無視した論議は問題だと思うのです。長い期間をかけて子供たちの健やかな発達をどう保障するのかを中心に、地域、行政、保護者、保育園、幼稚園関係者が話し合い、最も地域にふさわしい就学前保育の施設づくりが必要ではないでしょうか。
 平成十三年四月に開設されました白浜幼児園がありますが、白浜保育園と白浜第一幼稚園が合築され、就学前教育、保育が今進められている状況を私は視察をしてまいりました。大変立派で、どの子供たちもこういうすばらしい施設で保育されたならどんなに豊かな子供たちが育つだろうなという思いをしてきたところであります。この白浜町の白浜幼児園は、昭和六十三年から一元化に向かって論議が進められてきたようであります。白浜町主導の研究委員会が設置され、そこで一元化を目指すということが決まったそうでありますが、その後、長い年月をかけて、地域の皆さんや保育所、幼稚園の関係の皆さんたちが本当に熱心に、地域の保育所の中核施設として就学前の保育をどういう形にすれば子供たちが一番幸せなのか、こういった点で論議が繰り返されてきたと聞いております。そして、この施設を見てみますと、本当に子供の立場に立った理念が貫かれておりまして、子供の目線で園舎も工夫をされておりました。時間はかかったとしても、みんなの合意形成をどのようにつくるのか。住民がみずから参加してつくり上げている、このことがこれからの大きな課題に県下全域でなるというふうに思いますし、今、国が進めている画一化した一元化というものについても、みんなで意見を申し述べていく必要があるのではないかというふうに思うところです。こうしたことから、今後の一元化についてどのようなお考えをお持ちなのか、含めて知事の所見をお伺いするものです。
 以上で、第一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 幼保一元化についてのご質問にお答えをいたします。
 今、国が特区の中で進めている幼保一元化というのは、今、幼稚園と保育所を合築とか併設した施設があるわけですけれども、合同保育とか合同教育というのは認められていない。事実上は行われている場合があるのですけれども。それを第一次の特区では幼稚園において合同保育をすることを可能にしたと、それから第二次の特区では保育所での合同保育を可能にしたと、こういうことです。
 それに対して、和歌山県が特区として求めたのは──こういうふうな特区は、どちからかと言うと都会型の問題の解決ということにあったのに対して、和歌山県としては和歌山らしさを出した特区を求めていこうということで、和歌山県の田舎というか人口減少地域においては、保育に欠ける子供の数が少ないのでなかなか保育所がつくれない、基準が画一化していてうまくないという問題があって、こういうふうなものをまず一つは緩めてください、地域の実情に合った緩めたようなものにしなさいということが一つ。それからもう一つは、過疎地域にあっては、母親や父親が働いている子供は保育所へ行けるんだけれども、保護者が働いていない子供は今の基準だと保育所へ行けない。ところが、保育所しかないところがあるわけです。そうしたら、親が働いていない場合の子供は、地域の中で保育所へ行けないから孤立してしまうというふうな感じがあって、子供にとっては別に保育所であろうと幼稚園であろうと、みんな一緒に楽しくやらないかんということは同じことなんで、これを緩和してくれというふうなことを和歌山県は特区として要求したわけです。これは、実はお金が要ることなんで、この特区としては認められていないんですけれども、しかしながら、それが二〇〇六年に新しい形のこども園というふうなものをつくっていこうという方向の中に取り入れられている──これは国とよく相談していますので、取り入れられてきているということは間違いないというふうに思っています。
 それで、私は規制緩和ということは大賛成なんで進めているわけですけれども、そうしたら和歌山県は一律に何もかも幼稚園と保育所を全部一緒にしようということを私は考えているわけではありません。その地域地域によって、そして今まで行われてきた歴史によって、それぞれ要求するものが違うわけで、このこども園方式で幼保一元化した方がうまくいく場所、こういうふうなところは幼保一元化していくべきだと思うし、今までどおり保育所それから幼稚園という二元的な形でやっていった方がいいところは、将来的には一元化していくのかもしれませんけれども、当面はそういうふうな形で僕はやっていくべきだろうというふうに思っています。
 いずれにせよ、その地域の子供、親、そういう人たちが一番望ましいような形での保育なり幼児教育ということを考えられるような仕組みを考えていくことが大事で、しかもそれが今、いろんな規制があり過ぎることによって柔軟性に欠けているというところに私は問題があるというふうに考えておりますので、これを和歌山県の方式としていい方法を考えていこうということで今検討している。
 それから、当然のことながら補助金が減るということが、お金を地方へしわ寄せするということだけで行われるんだったら、これはもう大反対でありまして、地方の教育とか保育の裁量度を上げるためにやっていこうということなんで、お金を切りなさいという話では全然ないわけですから、一般財源化がそういうことに結びつかないんであればこれは反対していかなければいけませんし、一般財源化の中で完全にそういうものが保証されるというふうな方向で働きかけていくということは当然のことであろうと思っているわけです。
 それから、僕は白浜のやつも現地へ行ってよく見てきました。ああいうのは本当によく頑張っていると思うんですけれども、今、村岡議員の質問ではゆっくり時間をかけてというふうなことがありましたけれども、確かに教育というのはゆっくり時間をかけないといかん面もあるんだけれども、世の中がこれだけ大きく変わっているときに、余り長いスパンで、本当に子供のためになることをゆっくりするというのはこれも問題なんで、やはりこういうことをある程度スピードを上げて、そして住民とか専門家の意見も聞きながらやっていかないかんということで、今、児童ニーズの調査でありますとか、就学前児童施策研究協議会とか、こういうふうなものを県でつくって、いろんな方の意見を聞いて、どういうふうな形がいいかということを今鋭意検討しているところでございます。
○議長(尾崎要二君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) やみ金融対策に対する現状と今後の対策でございますが、やみ金融業者による被害が全国的に深刻な社会問題となってございます。本県におきましても、商工労働総務課や県民相談室、県消費生活センターに寄せられた相談件数は、昨年度が約七百件でございましたが、本年度は八月までで既に約五百六十件と、昨年夏以降急増している状況にあります。
 県といたしましては、関係部局、機関で構成する連絡会議を設置し、連携を図りながら対処の方法などを指導、助言しているところでございます。また、行政処分につきましては、出資法の上限金利を超える金利を受け取っていた貸金業者等に対する登録取り消しが平成十四年度が二件、今年度が一件となってございます。このため、具体的な対策といたしましては、被害者から相談のあったやみ金融業者に関する情報を県警察本部に提供するほか、やみ金融業者の銀行口座に関する情報を和歌山財務事務所を介して銀行に閉鎖を求めるなど、排除に取り組んでおります。また、新たな被害者を出さないために、県民に向けてテレビスポット、「県民の友」、ホームページ、刊行物などを活用し、登録貸金業者に関する情報を提供するとともに、やみ金融業者の手口などを紹介し、注意を喚起しているところでございます。さらに、和歌山県新聞折込協議会に対し、貸金業者の広告を取り扱う場合には、登録の有無の確認など、被害防止への協力を要請したところでございます。
 今後の対策といたしましては、さきの国会での貸金業規制法及び出資法等の一部改正法、いわゆるやみ金融対策法の成立を受け、県民への啓発など、やみ金融対策をさらに充実してまいりたいと考えてございます。
 次に、議員からご提案のありました被害者救済のための対策会議の設置につきましては、やみ金融被害者の急増という現状を踏まえ、広く関係団体等に呼びかけ、連携を視野に入れながら対策会議の設置について現在検討しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 違反屋外広告の撤去についてご指摘がございました。
 議員ご指摘のとおり、現在、道路などの公共空間にやみ金融などの違反広告物が大量にはんらんしており、町の美観風致を損ねております。このため、法整備がなかなか進まない中、国に先駆け本県独自でプラスチック板、ビニール製立て看板などの違反広告物を速やかに撤去できるよう、屋外広告物条例の改正を今議会にお願いしているところでございます。条例改正後は広くPRし、県民の皆様のご協力をいただきながら、違反広告物の速やかな撤去を行うなど、町の美観の維持向上に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) やみ金被害対策につきまして、各振興局にやみ金等の相談員を設置することについてでございますが、県の相談体制といたしましては、現在、県民相談室や県内二カ所にある消費生活センターの相談員による常設相談、及び月三回の弁護士相談、また和歌山市、田辺市以外の市町村につきましては、年三十回の移動県民相談や移動消費生活センターを随時開設して対応しております。
 なお、相談件数は、やみ金融相談を含め近年増加しておりますが、相談件数の最も多い消費生活センターについて申し上げますと、平成十四年度の相談件数七千八十七件のうち、やみ金融相談は四百五十二件で、その大部分が電話による相談となっております。こうした実態と相談内容の深刻さを踏まえまして、電話による相談につきましても、よりきめの細かい対応ができるよう相談員の研修を実施するとともに、振興局に相談に見えられた方に対しましても、職員が十分話を聞き、スムーズに対応できるようマニュアルの作成や研修等を実施してまいります。
 また、やみ金融被害の相談につきましては、内容により専門的な知識が必要で、その場で解決することが難しい事例もございますので、そのような場合は警察や消費生活センター、弁護士相談等を紹介してまいります。
 今後も、相談体制の充実と関係部局、関係機関の連携を図りながら県民の不安感解消に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 警察本部長宮内 勝君。
  〔宮内 勝君、登壇〕
○警察本部長(宮内 勝君) 最初に、交番に勤務する警察官等に対する指導状況についてお答えいたします。
 警察に寄せられるやみ金融相談につきましては、県民が切実な気持ちで早急な解決を求めているケースが多いことから、警察としましては、常に県民の立場に立ち、誠実な対応をするよう指導教養を徹底しているところであります。
 議員ご指摘の案件につきましては、事実確認はできておりませんが、もし相談者が警察官の対応に不快の念を抱かれたのであれば残念なことであると考えます。今後とも、やみ金融に関する県民からの相談につきましては、相談担当職員初め、県民と直接接する第一線警察職員に対する指導教養をさらに徹底し、県民の立場に立った積極的な対応に努めてまいりたいと考えております。
 次に、やみ金対策の現状と今後の対策についてお答えいたします。
 昨年来、全国的に高金利、無登録営業、その他、貸金業に関連した詐欺、脅迫等のいわゆるやみ金融事犯が横行しているところであります。本県におきましても、本年八月末現在で約二千件に及ぶさまざまな相談を受けております。その内容は、借りてもいないお金を請求されたという相談が多くを占めておりますが、中には悪質な事犯が見られるところであります。警察としましては、やみ金融事犯が深刻な状況にあるという認識のもと、弁護士会のほか、知事部局等の関係機関と連携しながら、悪質なやみ金融事犯の検挙、被害防止のための広報啓発活動等を基本として、法と証拠に基づき、捜査、警告等の措置を行っております。
 さらに、去る八月十八日には警察本部にヤミ金融事犯集中取締本部を設置し、総合力を発揮した強力な取り締まりを推進しているところであります。本年八月末現在、六事件十二名を検挙しておりますが、今後、貸金業規制法、出資法の一部が改正されたことを踏まえまして、悪質なやみ金融事犯の取り締まり等を一層強化する所存であります。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十四番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 ご答弁をいただきました。
 私は、知事の特区の提案、そして今後のあり方というんですか、取り組み方というのについては賛成をするものですけれども、ただ、国は構造改革の中で、やはり補助金のカットというのは大きく打ち出されているわけですから、それがさっきも言われたように一般財源化ということで市町村を圧迫するような、そういうようなことに対しては、知事も市町村も含めて国に対して厳しく対処していただきたいというふうに思います。事は、次代を担う子供たちの発達をどう保障するんかということとあわせて、社会情勢のもとでの保育所あるいは幼稚園のあり方ということになるわけですから、そういう点ではしっかりと意見を言っていただきたいなというふうにお願いしておきます。
 それから、やみ金問題ですけれども、これは今本当に命を落とすまでに深刻な問題になっている。それは、借りた者が悪いじゃないかと言えばそれまでですけれども、しかし、そういう無法を知りながらやっているやみ金業者、こういった人たちが法治国家のもとでまかり通っているということについては厳しい対応が必要だというふうに思うわけです。交番で働くお巡りさんたち、警官の皆さんたちは、本当に地域のことをよく見回っていただいたり、そしていろんなことで相談に乗っていただいているというような状況はあるわけですけれども、しかし住民の皆さんたちは、交番に行って相談したら何とかなるという、そんな期待を持っているわけですよね。これからも大変でしょうけれども、そういう期待にこたえていただきたいというふうに思いますし、法律ができた以上は、この法律が本当に生かされるという、そういうことが今求められていると思うんです。
 そういう点でも、住民も協力できるところ、そんなものがあれば積極的に──あの地域に配られておりますニュースがありますね、そういうものに訴えて、そして住民の皆さんと一緒に地域を守るという、そういう立場で頑張っていただきたいなというふうに要望をしておきます。
 以上です。
○議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。

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