平成15年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(花田健吉議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○副議長(吉井和視君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十三番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 ただいま吉井副議長よりご指名を賜りました花田でございます。
 通告に従い質問させていただきますが、その前に、今春初当選させていただき、はや四カ月を過ぎ、県民の皆様の負託にこたえるため日々懸命の努力を重ねてまいる所存ですが、もとより経験も乏しく浅学でございます。木村知事を初め執行部の皆様や議長並びに議員各位の皆様のご指導、ご鞭撻を心からお願い申し上げまして、私の初質問へと移らせていただきます。
 最初に、教育長にお伺いいたします。
 学校教育については、和歌山県のみならず我が国の将来を託す人材の育成という観点から最も大切であるということは言うまでもありません。しかし、近ごろ、我が国の中高生の学力が低下しているのではないかと懸念されております。もちろん、学力の向上だけが教育の目的ではありませんが、当局は向陽高校を初めとして中高一貫教育等、和歌山県に初の試みを進めておられますので、和歌山県のこれからの学校教育についてお考えをお伺いいたしたいと思います。
 また、この十一月二十六日に実施される和歌山県学力診断テストについてお尋ねいたします。この学力診断テストの実施はどういう目的で行われるのですか。
 資本主義社会において競争原理は現実問題としてあることは事実であり、社会に出ると、職場は言うに及ばずあらゆる競争社会の中で生活を営んでいかなくてはなりません。このたび実施される学力診断テストは、単に競争意識をあおるために行うのではないと理解いたしております。生徒の向上心を育て、健全な競争意識をはぐくみ、また自己分析の判断基準につなげることはとても重要なことだと考えております。さらに、今後の学校あるいは学級運営の指針として活用されることも期待しております。
 しかし、その結果発表に当たっては、個人のプライバシーに細心の注意を払うことは当然ですが、学校を通じそれぞれ本人のみに通知されるのか、またその結果どのような学習効果を期待されているのかをお伺いいたします。
 次に、公共施設内の禁煙・分煙についてお伺いいたします。
 近年、たばこの間接喫煙の有害性が問題になり、あらゆる公共機関での禁煙・分煙は時代の流れとなっております。私は愛煙家を自負しておりますが、時、場所、環境に配慮した禁煙や分煙に異論を挟むところではありません。しかし、たばこを買いに行きますと「たばこは町内で買いましょう」と印刷したライターをいただくことがあります。ご承知のとおり、たばこから入る税金は市町村にとって貴重な財政収入でもあるからであります。節度をもってたばこを楽しみたいと思いますが、そこで教育長にお伺いいたします。県内の学校の敷地内での禁煙を実施されておられますが、次の二点についてお考えを賜りたいと思います。
 もちろん、最近の喫煙の低年齢化等の問題も抱えておりますので、子供たちの前でたばこを吸うということに対し細心の注意を払う必要があるということは言うまでもありません。しかし、秋の一大イベントであります運動会のときであります。運動会は、地域によって異なると思いますが、私たちの地域は区民一体の運動会であります。保護者はもちろん参加いたしますが、ふだん学校にご縁のない方もご参加いただき、大変盛り上げていただいております。そうした方に対して、開催中運動場内での禁煙をどこまで徹底できるのか。昨年の例をとりますと、敷地から出た校門付近の道路にたくさんの人が集まって喫煙する姿を見かけました。交通安全上も問題があると思います。
 二点目は、上記と重複しますが、ふだんでもある学校では教職員の方が校門付近の道路上で休憩時間中に喫煙されていると聞き及んでおりますが、付近の皆様やたまたま通りがかった方から「余り感心した姿ではないな」「子供を教える立場の人が」という批判があることをご存じですか。かといって、就業時間内の全面禁煙はいささか行き過ぎの感も否めません。
 そこで、私も愛煙家の一人としてお願いしたいのですが、たとえ学校内であっても、自分の車などでは喫煙してもよいのではありませんか。将来的には全面禁煙を推進していく方向は正しいと思いますが、現時点では現実に即していると思いますが、いかがですか。
 次に、和歌山県の冬季観光についてご質問させていただきます。
 皆様もご承知のとおり、私たちの和歌山県は観光を主要産業の一つと位置づけ、木村知事を先頭に各種イベントやPR活動を通じ、観光と農林水産業などを組み合わせ、精力的に展開されておられますが、南国で海洋県のイメージが定着しているせいか、夏場の観光客に比重が置かれがちとの認識は私一人ではないと思います。
 そこで、知事に冬の観光にも積極的に取り組んでいただきたいと思うわけであります。今回取り上げます高野・龍神地域は、県内で内陸部に位置し、我が国有数の霊山・高野山金剛峯寺と日本三大美人湯で名高い名湯・龍神温泉があり、また来年には世界遺産に登録を期待されている地域にも入っており、他府県のみならず諸外国の観光客にも多く知られるところであります。
 先般、県の観光振興課が調査・発表した平成十四年の観光客動態調査報告書では、高野町、龍神村ともに春から夏にかけて観光・宿泊客が増加し、八月をピークに少しずつ減少し、秋の紅葉シーズンを境に十二月、一月、二月は激減いたしております。ちなみに高野町の八月の観光宿泊客数は五万九千八百十四人ですが、一月には九千七百七人、二月は七千五百五十二人となり、夏場の約一・三割しか宿泊客がありません。また龍神村も、八月の一万四千四百十二人を最高に一月、二月は三千人を少し超えるぐらいであり、約二割に激減いたします。
 しかし、当地域は冬になりますと南国のイメージからは想像できない厳しい冬が到来いたします。そのため先ほど来の宿泊客の減少につながっていると思われますが、逆に、関西では大変珍しい冬の自然現象をかいま見ることができます。山また山を白いじゅうたんが敷き詰め、神秘的で幻想的な樹氷が木立を覆い、気象条件が整えば霧氷も出現するという、またとない冬の観光資源の宝庫でもあります。
 ここに、冬のスカイタワーと樹氷の写真があります。議長のお許しを得て皆様にごらんいただきたいと思います。(写真を示す)
 これは、県職のOBの方で大変写真が上手な方が撮られたのを小住振興局長からいただいてまいりまして、引き伸ばさせていただきました。どうですか、皆さん。非常に──こんな観光資源は僕、またとないと思うんです。知事、お気に入ったら後から知事室へお届けさせていただいてもいいんですが。
 そこで、商工労働部長にお伺いいたします。
 冬の和歌山を再確認していただくため、県挙げて冬の高野・龍神の観光PRをしてはいかがでしょうか。それは単に当地域の観光振興にとどまらず、和歌山県全体の冬の観光振興に及ぼす影響は大きいと考えますが、いかがですか。
 ただ、ご承知のとおり、高野・龍神をつなぐ高野龍神スカイラインは冬季通行が大変困難な状況にあります。これも当地域の冬の観光客の減少の一要因だと推測されますが、お越しいただいたお客様に安心して冬の大パノラマを体験していただくにはかなり不安な状況であることは否めません。しかし、この負の財産とも言える積雪ですが、この積雪を利用したレジャー施設等の設備を充実させることにより冬の観光開発につながると思いますが、どうでしょうか。
 また、このたび知事の積極的な決断により、この十月一日よりスカイラインの通行料が無料化いたします。
 そこで、警察本部長にお伺いいたします。
 今までは冬季は除雪をした上で昼間チェーン走行のみ可能としておりましたが、その際、料金所でチェーンの有無を確認していたと聞いております。料金所がなくなるこの冬、他府県からお越しの観光客の皆様に対し、チェーン走行の指導等、交通安全上どのような対策をお考えなのか。料金所付近の積雪が比較的少ないときでも、スカイラインを上ると路面は氷結し、大変危険な状況にあると聞いております。土地の気象条件に精通していない観光客が道路標識等だけで安全確保ができるのかどうか、今後の対策も含めてご答弁いただきたいと思います。
 以上のことを踏まえ、私の希望といたしましては、将来オールシーズン通行可能な高野龍神スカイラインであってほしいと思いますし、私も足が少し不自由でございます。体のご不自由な身体障害者の方にもこのすばらしい冬の景観を楽しんでいただきたいと願うものであります。そして、先ほども申し上げましたが、高野・熊野世界遺産登録指定地域の大動脈とも言える高野龍神スカイラインは、高野と熊野を最短距離でつなぐ道路でもあります。
 以下、要望といたしますが、高野龍神スカイラインが冬季であっても安全に通行できるよう、道路の融雪対策等、県当局にも前向きにご検討いただきたいと切に願うものであります。
 次に、高速道路南部インターチェンジ付近の道路状況についてお伺いいたします。
 平成十五年度内に、しかも日本道路公団のご尽力により早い時期に供用になるとお伺いいたしております御坊─南部間がこのたび完成されますことは、県民の一人として大変うれしく思うものであります。今日まで高速道路紀南延伸に力を注がれた、木村知事はもとより歴代知事を初め、県民の悲願に積極的に取り組んでこられた諸先輩の皆様方に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 当高速道路は、我が県にとって観光を初めとするあらゆる産業や、さらに近年予想されます大震災など緊急時の物資輸送等、待望久しい大動脈であります。さらなる早期南伸と、この高速道路が県民の生活向上につながることを大いに期待して、質問に移りたいと思います。
 南部インターチェンジから田辺・白浜間の交通渋滞について、大変心配しているところであります。南部─田辺間は主に国道四十二号線に頼っておりますが、現在でも週末になると南進する車は南部を通り越し切目崎まで渋滞の列が連なり、帰りの北進する車は印南町付近を先頭に田辺市芳養まで渋滞することはご承知のとおりであります。
 このたび開通いたします南部インターチェンジは、議員の皆様も視察されご承知のとおり、国道四十二号までの距離が大変短く、さらに国道に合流してから田辺市までの区間に余裕がないため、交通渋滞は南部町内を迂回する車で想像を絶する混雑が予想されます。南進車の渋滞緩和には県道上富田南部線が最も有効で重要な路線となり、県当局も必要性を考慮し、路線拡幅等、鋭意ご努力をいただいております。また、帰りの北進車は南部インターチェンジ付近での大混雑を避けるため県道田辺印南線を利用される方も多いのではないかと推察されます。この路線は、現在でも休日は混雑を避けるため地元、他府県を問わず車の往来が多いと地元の皆様からお伺いいたしております。
 しかし、両県道はいまだに車の対向不可能なところが幾カ所もあり、田辺印南線では印南町樮川から南部川村熊瀬川間は大変危険な状況に置かれております。このままでは南部町内はもとより沿線の生活道路にまで渋滞が影響を及ぼし、混乱を招くことにもなりかねません。
 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。
 両路線の拡幅、改修の重要性をどこまでご認識いただいておりますか。この路線が整備されますと田辺以北の国道四十二号線のミニバイパスとしての役割を兼ね、渋滞緩和は言うに及ばず、来るべき南海大震災の補完道路としても有能な路線になると考えますが、いかがですか。
 さて、次の質問に移る前に、去る八月八日夜半に四国・近畿地方を縦断いたしました台風十号について、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、災害に立ち向かい懸命のご努力で復旧されている皆様に対し、心から敬意を表しまして質問に移らせていただきます。
 台風十号は近年にない大型で、しかも勢力も強く、またそのたどったコースは昭和九年と昭和三十六年に和歌山県に甚大な被害を及ぼした室戸台風、第二室戸台風に酷似し、到来前から大変心配しておりましたが、予想どおり、多くの被害をもたらしました。県内各地で土砂崩れによる道路の通行どめ、増水による田畑の浸水、満潮時と重なった波は防潮堤を越え、国道四十二号線は各所で一時不通になり、また海岸線では人家にまで押し寄せた波に眠れぬ夜を過ごされた方も多くいらっしゃったとお聞きいたしております。幸いにして人命にかかわる大災害にはならなかったのはせめてもの救いではありますが、台風災害に対し多くの教訓を残していきました。
 土砂崩れによる道路の通行どめはいち早く建設業界の皆さんのご協力を得て復旧されましたが、現在なお片側通行になっている箇所もあります。一刻も早い全面復旧が望まれているところですが、関係機関のさらなるご尽力をお願い申し上げたいと思います。
 さて、このたびの台風の被害状況は、各振興局の皆さんが翌早朝より総出で巡回していただき調査されていることは、私も現地で何人かの職員の方ともお会いして迅速に対応されている姿を存じ上げております。知事を先頭に県職員の方々のご尽力に、県民の皆様も大変心強く思われたのではないかと思います。そのまとめられた被害状況を当局にここでご報告していただくと持ち時間がなくなると思いますので、ご説明は結構ですが、全県下に被害が出ていることを承知の上で、まことに恐縮ですが、私の地元、御坊、日高郡のことについてご質問させていただきます。
 一つ目の道路の被害については、各地でいち早く対応していただいておりますので、より一層のご尽力をお願いしておきます。
 二つ目は、日高川、切目川、西川のはんらんについてで、河川改修並びに被害に遭われた農作物に対する今後の対策をお伺いいたします。
 日高川については、椿山ダム建設以来の大雨ではありましたが、ダム管理者の適切な判断により被害を最小限に食いとめることができたのではないかと地元の皆さんからお聞きいたしました。これまた、大変うれしく思うものであります。
 しかし、切目川下流域の印南町島田、宮ノ前、古屋地域の田畑の被害は、このたびの台風に限らずたびたび浸水し、農家の方々を大変悩ませてきました。現在、切目川下流の河川改修をしていただいておりますが、島田、宮ノ前、古屋地域の田畑の浸水対策をぜひお願いいたしたいと思います。今回は、はんらんした濁水で稲穂が完全につかって見えなくなるほどでした。秋の米の収穫やその他の農産物の作柄についても大変心配いたしております。また、日高町から美浜町を通り御坊市に流れる西川についても同様に、日高平野を幾度も水浸しにしてまいりました。この二つの河川については、地理的条件その他を踏まえ抜本的な改修をご検討いただきたいと切に願うものであります。
 三つ目は、煙樹ケ浜を含めた津波対策についてお伺いいたします。
 台風十号の通過に伴い、夜半過ぎからすさまじい風と波の打ち寄せる音、降りしきる雨に地域住民はいつ避難しなくてはならないのか、まさしく眠れぬ夜を過ごしたわけであります。東洋一と自負する松林は、先人の知恵により台風時の暴風に耐え得るため長い年月をかけて育ててまいりました。県当局も、その松林の管理・保全にご尽力をいただいております。
 しかし、近年、松林を縫うように人家が密集し、またいろいろな条件が重なり、海岸線が昔に比べて随分浸食され、海が近くなったんではないかと地元の皆様からお聞きいたしました。また、以前の防潮堤の下は玉石の浜だったが、砂が堆積して防潮堤が低くなったと住民の方がおっしゃっております。大きいとはいえ台風だからこの程度で済んだが、これが南海大震災の津波だったらと思うとそら恐ろしいと申されておりました。東南海・南海地震が同時に発生したと推定し試算したデータでは、御坊地域を含む日高川河口付近は六メートル以上の津波が押し寄せるとなっております。この際、来るべき南海大地震にも当地域が耐え得るような防潮堤の調査・改修をご検討いただきたいと考えますが、いかがですか。
 また、県内には南海地震の津波に対して過去の事例から推測してかなり危険度の高い地域や箇所がたくさんあると考えますが、あわせて調査をお願いしたいと思います。
 当局の熱意あるご答弁をお願い申し上げまして、私の最初の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの花田健吉君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) 冬の高野・龍神の観光PRについてでございますが、高野龍神スカイラインは霊峰高野山から高野龍神国定公園を縦走し龍神温泉に至る観光ルートであり、その沿線には、春の新緑、秋の紅葉、冬の樹氷など、すばらしい大自然の景観がございます。
 議員ご提言の冬の高野・龍神の観光PRにつきましては、夏型の観光に偏りがちな和歌山県にとりましてはすばらしい観光資源であり、その魅力を情報発信し、観光客の誘致を図っていくことが県全体の観光に大きな影響があるものと考えております。本年十月からの無料化は観光PRの絶好の機会ととらまえ、地元市町村と県がより一層連携し、観光キャンペーンや記念イベントを実施する予定でございます。
 当地域ならではの積雪を利用した冬の観光開発等についても、安全対策に十分留意し、和歌山の新たな魅力として地元と協議しながら取り組んでまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 県土整備部長酒井利夫君。
  〔酒井利夫君、登壇〕
○県土整備部長(酒井利夫君) 近畿自動車道南部インター周辺の渋滞緩和策と県道整備についてでございます。
 県道上富田南部線につきましては、近畿自動車道紀勢線の南部インターチェンジ供用後、田辺インターチェンジが供用するまでの間の国道四十二号の渋滞緩和を図るため重点的に整備を行っているところでございます。また、県道田辺印南線につきましては、近畿自動車道紀勢線御坊─南部間の開通や並行する黒潮フルーツラインの計画を踏まえ、交通量などの観点から整備のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 次に、切目川、西川の河川改修についてでございます。
 切目川においては、流域面積の九割を山地が占め、集落は河川沿いの平野部に分布しているという流域の特性等にかんがみ、ダムと河川改修を組み合わせて治水対策を行うこととしております。切目川下流域の印南町の島田、宮ノ前、古屋地区の浸水対策としては、ダム事業に加え切目川の河口から羽六橋までの六・五キロ区間について河川改修を行うこととしており、このうち河口からJR橋までの約一・四キロ区間は河床掘削を残しおおむね完了しております。現在は、JR橋上流の西ノ地橋から汐止堰までの五百七十メートルの区間について事業を実施しているところでございます。
 今後とも、切目川の浸水対策につきましては切目川ダム事業並びに切目川改修事業を鋭意促進し、浸水被害の解消に努めてまいります。
 また、西川の浸水対策についてでございますが、河口付近の西川大橋から大川橋までの六百六十メートル間の護岸の補強及び河床掘削を実施しているところですが、流域全体の抜本的な対策を行うためには地域の町づくりと一体となった整備計画を立案する必要があります。このため、今後とも関係機関と協議しながら計画づくりを進めてまいります。
 煙樹ケ浜を含めた津波対策についてでございますが、煙樹ケ浜を初め、津波に対し危険度の高い地域や箇所の対策につきましては、現在県全体で行っている津波被害想定の結果をもとに市町村と連携を図りつつ、ソフト対策及びハード対策の総合的な組み合わせにより安全性の向上が図られるよう検討してまいります。
 以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 農林水産部長阪口裕之君。
  〔阪口裕之君、登壇〕
○農林水産部長(阪口裕之君) 台風十号による農作物被害への対策につきましては、収入減の補てん等に充てるための農業経営維持安定資金を初め、既存の融資制度がございます。また、被害を受けた農家の損失を補てんして農業経営の安定を図るための制度として農業共済制度がございますが、水田の浸水被害について農業共済組合において現在調査中でございます。
 今後、共済金の早期支払いができるよう農業共済団体に対して指導してまいりたいと考えてございます。
○副議長(吉井和視君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) まず、これからの学校教育についてでありますが、子供たちを取り巻く社会環境が変化し、学校に対する期待や要望が高まる中、その果たすべき役割はますます重要になっていると考えております。
 このため、今後とも思い切った改革、新しい学校づくりに取り組み、学力はもちろんのこと、次の世代を担うことのできる心豊かで自立した子供の育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、学力診断テストについてでありますが、児童生徒一人一人に確かな学力を身につけさせるため、本年十一月、県内すべての小中学校でこれを実施いたします。教育委員会としましては、結果の分析をもとにこれを学力の向上を目指した総合的な施策に反映させていく考えであります。
 テストの結果につきましては、議員ご指摘のとおり、個人のプライバシーに十分配慮しながら、県全体を初め地方別、市町村別、学校別に公表いたします。今後、これを有効に活用して、県民や保護者の協力を得ながら、開かれた学校づくり、信頼される学校づくりを推進してまいります。こうした趣旨に理解と協力を得るため、このほどパンフレット約六万数千部を配布いたしますとともに、教育委員会のホームページに掲載し、情報発信に努めているところであります。
 最後に、学校施設における分煙・禁煙措置についてお答えします。
 喫煙防止教育の推進、健康リスクの減少を目的として実施している学校敷地内禁煙も一年半を経過する中で、本県の取り組みが多くの県に広まり、全国的にも高い評価を受けております。教職員がノースモーキングエリアの趣旨を正しく理解し、これを厳格に守ることによって児童生徒や保護者からの信頼を得ることこそが最も重要であり、校内に喫煙所を設けたり車内で喫煙することを認めるという方法よりも、この趣旨をさらに徹底してまいる方策を進めてまいる考えであります。
 運動会等におきましても、看板やポスター、プログラムへの記載、校内放送での呼びかけなどにより外来者に対して協力を求め、全体としては成果が上がっていると把握しております。今後とも、さまざまな工夫をしながらさらに徹底をしてまいります。
 以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 警察本部長宮内 勝君。
  〔宮内 勝君、登壇〕
○警察本部長(宮内 勝君) 高野龍神スカイライン一般開放に伴う冬季の交通安全対策についてお答えいたします。
 本道路における過去五年間の冬季の交通事故は、平成十一年六件が最多でした。その他の年は一から二件の発生となっており、事故により亡くなった方はございません。これに対し、本年十月一日の一般開放に伴い交通量が増加するものと推測されまして、交通事故の増加も懸念されるところであります。
 ご質問の冬季における交通安全対策でありますが、積雪や凍結が予想される期間につきましては、これまでどおり道路管理者において夜間における全車両通行どめと二輪車の終日通行どめがなされ、また昼間につきましても、積雪や凍結時は道路管理者の判断により通行禁止やチェーン規制などの対策がなされるものと承知しております。また、このような通行の禁止・制限等が実施される場合には、スカイラインに接続されております主要道路に設置された電光掲示板等を通じて、通行車両に対し積雪、凍結等に関する情報や通行禁止の情報が提供されるものと承知しております。
 警察といたしましては、積雪、凍結のため通行に危険が生じるおそれがあると認められる場合には、パトロールの強化、タイヤチェーン装着の指導などの対策を行ってまいりたいと考えております。また道路管理者に対しましては、これまでにも適切な通行制限の実施等を申し入れているところでありまして、今後とも緊密な連携を図りながら交通の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十三番花田健吉君。
○花田健吉君 当局から、大変熱意のある、また私の意図するご答弁をいただきましたので、再質問に対してはございません。
 しかし、今回、知事に直接ご答弁いただく機会といいますか、質問の内容がそういうことになっておりましたので、要望として世界遺産登録を控えた高野から熊野地域の冬の観光の現状をさらにご認識をいただき、観光PRにもお力添えを賜りますよう、地元の住民の皆さんを代表してお願いしておきます。
 それに関して、もっと早くやったらよかったんですが、きょうの朝刊ですが、「冬の和歌山体験を採択」、これ和歌山のNPOのやつなんですが、「県の地域密着型NPOからのふるさとづくり企画提案の平成十五年度採択事業がこのほど決まり、龍神村の女性らでつくるNPO団体・龍神はーとが企画提案した「和歌山ウインターミーティング~冬の和歌山体験」が選ばれた」とあります。この「和歌山ウインターミーティング~冬の和歌山体験」は、同村の護摩壇山を会場に、雪合戦や雪の滑り台を設けてのそり遊び、また雪中宝探しなどを楽しんでもらうということの企画だそうです。
 そこで知事に、最後にもう一度パネルをごらんいただいて──ちょっとお見せしますので、冬の高野についてご感想を一言お願い申し上げまして、終わらせていただきたいと思います。(写真を示す)皆さん、こういうすばらしい幻想的で、またさわやかな風景が冬にはありますので、どうかひとつ、よろしくお願いします。
 では、知事、済みません。
○副議長(吉井和視君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 私に質問してもらいたいなと思ってたんです、実は。
 というのは、花田議員が質問された、特にその冬の高野山、そしてまた龍神村、これは僕はもう本当にこれから──まあ今も結構お客さんはいると思うんですけども、今度の世界遺産登録とあわせて本当に魅力のある観光資源だと私は思います。
 そしてまた、今度、有料道路も無料化するわけですし、そういうこととあわせて本当に新しい和歌山の魅力を開発していかなければならないと思うんです。今までどおりのものを売っていくんじゃ、ちょっとやっぱりだめなので、やはり今のNPOの人のやつも非常にいいことだと思いますし、冬に龍神温泉につかって、そしてまた雪の高野山に上がるなんていうのは、なかなか得がたい体験になるだろうと思いますので、そういう方向で頑張っていきたいと、このように思います。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(吉井和視君) 以上で、花田健吉君の質問が終了いたしました。

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