平成15年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(尾崎要二君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百号から議案第百十四号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(尾崎要二君) 日程第一、議案第百号から議案第百十四号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 三十七番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 皆さん、おはようございます。ただいま尾崎議長からお許しを賜りましたので、一般質問をさせていただきます。
 私、今回の統一地方選挙県議選におきまして大変厳しい選挙戦を勝ち抜き、四期連続の当選をさせていただきました。これもひとえに私を変わらず支えていただきました支持者の皆様のたまものであると、感謝の気持ちでいっぱいでございます。支持者の皆様のご期待にこたえるために、選挙期間中公約として掲げましたこと、また政策をお訴え申し上げましたが、その実現のために取り組むことがその道であると思っております。四年間、一議会人として懸命に取り組む覚悟でございますので、先輩・同僚議員の皆様、県職員の皆様、また県民の皆様、ご理解とご支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、私、和歌山市議二期八年、県議三期十二年、合わせて二十年、政治の世界に携わってまいりました。この間、私はライフワークとして、一貫して関西国際空港の問題に取り組んでまいりました。それも、関西国際空港の全体構想の実現こそが和歌山県益の向上にとって最重要課題であり、ひいては国益にもかなうと確信をするからでございます。
 ライフワークでありますので、関西国際空港の問題から質問に入らせていただきます。
 中国に端を発しまして世界じゅうを不安と混乱に陥れたSARS(新型肺炎)も、ここに来て、ようやく鎮静化に向かう兆しが見えてきたように私には思われます。二〇〇一年九月十一日、世界を震撼させた同時多発テロ、本年に入ってのイラク戦争、そしてSARS問題と、この数年、世界の人々の交流、行き来に水を差し、足をとめる重大問題・事件が多発をいたしました。その結果として、国際間の交流、イベント、旅行等の中止あるいは延期が相次ぎ、その影響はまことに深刻で、航空会社、旅行会社等関連産業の倒産が続出するなどの二次的被害を出すに至っているのであります。
 関西国際空港としてもその影響は少なからず、国際線、国内線を合わせた旅客数は、本年四月、前年同月比三五・三%減の八十九万七千六百人となり、平成六年の開港以来最低となってしまいました。予測によれば、五月の実績も引き続いて低水準で推移する模様でございまして、深刻な事態と言えるのであります。聞くところによりますと、四月二十八日の関空発北京便の搭乗客はたった二人だったそうでありまして、ジャンボ機でありますから、搭乗率〇・九%というありさまと聞いております。関西国際空港は、成田に比べてアジア各国との間を結ぶ路線が主であるために、今回のSARS問題の直撃を受けた形となってしまったのであります。
 二〇〇七年の供用開始を目指して現在二期工事が急ピッチで進められておりますが、関西国際空港をめぐるマスコミの報道は暗いニュースばかりでございます。関西国際空港が東アジアの国際ハブ空港の地位を確立するために、また我が国の空の玄関として十分な機能を果たすためにも、予定どおりの二期工事の完成と一日も早い全体構想の実現が不可欠であり、望まれているのであります。
 以上の認識に立ちまして、以下数点にわたりお尋ねをいたすものであります。
 まず第一点、関西国際空港の経営健全化のために高コスト構造の改善をという問題であります。
 そもそも関西国際空港は、かつて関西の空の玄関でありました大阪空港が都市部にあって騒音問題等、周辺住民の怨嗟の的となっており、発着便数の制限、ジェット機の離着陸の制限、夜間の離着陸の禁止という国際空港としては致命的な欠陥を抱えていたこと──これは今でもそうでありますが──さらに伸び続ける国際航空需要に対応するための二本目の滑走路の拡張が不可能なこと、加えて騒音問題を理由に騒音問題訴訟団や十一市協から大阪空港廃止を要求する大合唱が起こっていたこと等々から、他の候補地で新しい空港を建設する必要に迫られていたのであります。その結果、我が国の国策として、さまざまな紆余曲折を経て伊丹空港を廃止し、騒音問題のない、二十四時間運用可能な、しかも将来の航空需要に十二分に対応できる複数の滑走路を有する国際空港をということで関西国際空港を泉州沖に建設することになった経緯は、もう皆さんよくご承知のとおりであります。
 このようなことから、関西国際空港は騒音問題を完璧にクリアし、二十四時間運用可能な空港とするために陸地部から十分な距離をとった泉州沖五キロメートルの海上に埋め立て方式をもって建設することとなり、その結果、一兆五千億円もの巨費を投ぜざるを得ない事業となりました。当然のことながら、関西国際空港の建設はコスト高となってしまったのであります。
 繰り返しますが、関西国際空港の建設をコスト高にしたのは、一つ、騒音問題をクリアするものであること、二つ、二十四時間運用空港とすること、三つ、横風をも含め、将来三本の滑走路を有する国際ハブ空港とすること等々の国策のゆえであります。
 コスト高についた関西国際空港は、開港当初から、その経営を圧迫するさまざまな要因をはらんでおりました。幾つか挙げてみますと、まずは一点、累積赤字が一兆円を超えているということ。二つ目に、高コストを理由として高い固定資産税を課されていること。これは最近の新聞報道でございますけれども、関西国際空港の経営を非常に圧迫している問題の一つということで取り上げられております。固定資産税が、成田は土地一ヘクタール当たり二百八十八万円、羽田は固定資産税はなくて、固定資産税に相当する市町村交付金という形ですが、同じく一ヘクタール当たり百五十五万円に対しまして、関西国際空港は実に一ヘクタール当たり七百万円についているのであります。すなわち、成田の二・四倍、羽田の四・五倍という高いものになってしまっております。三点目、廃止されることになっておりました伊丹空港が、案に相違して存続と決まったことにより、国内便の半数以上を伊丹にとられてしまったこと。四点目、国策のために建設された空港でありますのに国は責任を放棄して関西国際空港株式会社という特殊法人をつくり、その経営を地元に押しつけた結果、関空会社は高コストの償還のために着陸料、駐機料、空港施設利用料、連絡橋通行料などを高額に設定せざるを得ず、利用者である航空会社などの関空離れにつながっているというさまざまな結果を招いてしまっているのであります。
 国策として関西国際空港の建設を決定しておきながら後の責任を放棄するという運輸省──今の国土交通省でありますが──の失政が現在の結果を生んだと私は断言しても差し支えないと思います。言いかえれば、最初にボタンをかけ違えたわけでありますから、この先、どこまで行ってもボタンが正しくかけられるはずはないのであります。
 以上、種々持論を申し上げましたが、これら関西国際空港の高コスト構造の抜本的な改善のために今一体何をすべきか、また和歌山県として何ができるのか、木村知事のご所見、ご存念を聞かせていただきたいと思います。
 第二点目、皆さんもうご承知のことと存じますが、本年四月、突然関西─羽田のシャトル便が減便となりました。この結果、午前七時五十分から午後三時までの実に七時間十分もの間、一便もシャトル便が飛ばない空白が生じる結果となってしまったのであります。このシャトル便は、私ども和歌山県議会や和歌山県を初め関西各方面の強い要望が実り、実現を見たものであります。
 そもそもシャトル便というのは、定時に等間隔で頻繁に発着するからこそシャトルと名づけられているのでありまして、昼間に七時間以上もの空白が生じては、もはやシャトル便とは言えないのであります。
 私も、東京で午後行われる会議、会合や政府要望、陳情等に参加する場合、よくこの午前十時発羽田便を利用しました。常に満席か、もしくはそれに近い状態だったと記憶をしております。いつもがらがらで空席が目立つ便ならいざ知らず、なぜ午前十時の便が休止になったのか、今もって理解に苦しむわけであります。
 私も、早速県関西国際空港対策室の皆さんと連絡をとり──実は選挙運動の真っ最中でございまして自分自身が動けませんので、対策室の皆さんにお願いをして航空各社等への働きかけをしていただきました。この結果、皆さんもう既にご承知のとおり、若干の改善が先ごろなされたところであります。
 そこで企画部長、この経緯と取り組みについて、また今後の見通しについてご答弁をいただきたいと思います。
 第三点目、歯どめのかからない航空各社の関西国際空港離れの原因は一体那辺にあるのか。同じく企画部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 第四点目、とかく航空各社等の評判が芳しくない着陸料、駐機料、給油施設使用料の値下げを実現するためにどうすればいいのか、また本県として何ができるのか。これも企画部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 もう一点、第五点目として、同じく空港利用者から不評を買っている空港施設利用料、連絡橋通行料などについても値下げをするべきであると考えますが、企画部長、いかがお考えでありましょうか。ご答弁をいただきたい。
 この項の最後、第六点目、国内地方空港と関西国際空港、伊丹空港間の便のアンバランスについて申し上げます。
 議場の皆様のお手元に、手書きで申しわけございませんが、資料を配付させていただきました。開港当初は、伊丹、関西空港ともに国内各地方空港への便は同等もしくは関西空港の方が多いという状況だったんですけれども、本年六月ダイヤは、ごらんのとおりでございます。関空が伊丹より上回るというのはたった二路線、沖縄、女満別の二つであります。ほぼ拮抗しているのが三空港ございますけれども、一番上にありますとおり、羽田は十四対二十七、高知が二対五、松山二対八、大分一対四、熊本一対八、長崎一対六、宮崎二対六、鹿児島二対十一、これが現実でございます。また、かつては関西空港から飛んでおりましたのに今は伊丹便のみというのが、下にございますように十五路線もございます。仙台などは、十二便すべてが伊丹空港からしか飛んでいないのであります。関西便だけが飛んでいるというのは、たった六路線。これが今の関西国際空港の国内線の状況でございます。
 このますますアンバランスがひどくなる現状は、ひいては関西国際空港のハブ機能の麻痺につながり、ますます関空離れの要因となることが懸念されますけれども、知事、このアンバランスの是正のために県として何ができるのか、また何をすべきなのか、ぜひとも決意のほどをお示しいただきたいと思います。
 次に、和歌山ブランドのさらなる売り込みについてお尋ねをいたします。
 このことについて、本六月定例会本会議冒頭の知事説明要旨の中で、知事は「県産品の販路開拓」という項目を立てて、県の重要施策の柱の一つとして取り組む決意のほどを吐露されております。そこで、もう少し詳しく商工労働部長から本年度のこれまでの事業の経過と今後の取り組みについてお示しをいただきたい。
 二つ目に、我が国における販売量の分野で、小売店やスーパーマーケット、コンビニなどの物販よりもテレビショッピングやインターネットショッピング、カタログショッピングなどの通信販売、いわゆる通販が上回ったという話を小耳に挟みました。確認をとったわけではございませんが、少なくとも最近、女性を中心に通信販売が急速に売り上げを伸ばしていることは紛れもない事実であります。このような時代背景を見据えて、和歌山ブランドの全国展開を目指して通信販売による売り込みを図るべく、さまざまな方法で販売システムの構築を目指すべきであると考えますが、いかがでございましょうか。商工労働部長のお考えを聞かせていただきたい。
 この項の最後に、将来の課題として、和歌山ブランドの販路開拓を日本国内にとどまらず海外へも矛先を向けるべきであると私は思います。
 我が国の近隣には、中国、韓国、台湾といった東アジアの諸国が控えておりまして、その人口は三カ国合わせますと十三億三千四百九十五万人という巨大市場であります。県産品のすべてがこれら東アジア諸国で売れるとは思えませんけれども、本県のすぐれて豊かな県産品のうち、かなりのものが必ず喜ばれると私は確信をします。これらの国々への販路開拓に取り組むべきであると思いますが、またそのためにこれらの国々へ特派員の派遣を将来の問題として考えるべきであると私は提言申し上げますが、知事、いかがでございましょうか。
 三点目に、ITビジネスモデルについてであります。
 このことにつきましても、知事説明の中で項目を立てて申されていたごとく、去る四月四日、総務省のITビジネスモデル地区──全国で八カ所でありますが──のうちの一つとして本県の田辺・白浜地域が指定されました。私が提言させていただきましたIHS構想やIT総合センターなど、ともすれば地盤沈下の兆しが影を落としておりました同地区南紀白浜の周辺の活性化の起爆剤として期待されているのであります。
 そこで、四点にわたり質問、要望を申し上げます。
 まず第一に、IHS構想の進捗状況について商工労働部長からお答えをいただきたい。
 第二にIT総合センターの建設工事についてでありますが、本年二月から地盤沈下が発生し、工事がストップしておりますけれども、その状況と原因等について、また明年春に予定しておりましたオープンにこの現状で間に合うのか、県土整備部長の答弁を求めます。
 第三に、このITビジネスモデル事業について、知事はさまざまな分野で国の優先的な支援が得られるとおっしゃっておりますが、具体的にどのような国の支援が期待できるのか、企画部長からお答えいただきたい。
 この項の最後に、長谷川章さんのことであります。長谷川章氏の経歴や人物像については昨年九月定例会本会議における一般質問の中で詳しく申し上げましたので、ここでは省略をいたしますが、アートクリエーションの世界の巨人と申し上げておきたいと思います。
 超多忙な長谷川章さんと一度面識を得たいと念願しておりましたところ、この六月八日、九日の両日、やっと実現をいたしました。八日、共通の友人のS氏とともに、電車を乗り継いで夕方の四時半に石川県小松市の郊外にございます長谷川章さんのスタジオを訪問いたしました。眼前に木場潟を望み、その向こうに北陸の雄峰白山を遠望するスタジオであります。その夜、長谷川章さんとS氏と私の三人で、小松市からさらに奥に分け入った渓流沿いにぽつんと建つ一軒宿で、約五時間にわたり食事をしながら話をしました。部屋にはテレビもなく、聞こえるのは宿の外を流れる渓流のせせらぎの音だけという、まさに大自然の中で談論風発、貴重な、そして意義深い一夜を過ごすことができたのであります。
 また、翌九日朝、あの電通や博報堂でさえ持っていないというデジタル映像編集コンピューターシステムを初め、スタジオの隅から隅まで見せていただきました。このスタジオで、NHK「サンデースポーツ」のカバータイトル、同じく「サタデースポーツ」のカバータイトル、NHK大河ドラマ「琉球の風」のカバー映像、日本テレビ「特命リサーチ二〇〇X」のオープニングカバーイメージビデオ、中国中央電視台CCTVのニュースカバータイトルなどなど、四千本に上ると言われる映像作品がここから生み出されたのであります。
 私は、長谷川章さんのスタジオに行って初めて、この地にスタジオを構えた意味が理解できたような気がいたしました。ビルが林立する東京ではだめなことがよくわかりました。しかし、小松市よりも南紀の大自然に囲まれた地であれば、さらに豊かな、そして大きなアイデアがわくと私は思います。長谷川さん本人にも、和歌山でスタジオを構えて仕事をしませんかと何度も申し上げ、今回も拉致しに来ましたとご本人に申し上げましたが、決して拒否はされておりませんし、脈はあったように私は思います。将来の夢として、ぜひとも和歌山に長谷川さんを呼びたい、和歌山にスタジオをつくってもらいたいということを申し上げ、この点は要望といたします。
 最後に、教育に係る諸問題についてお尋ねをいたします。
 一六一五年の元和偃武以来二百六十年続いた徳川幕府が、一八五三年、ペリー提督率いる四隻の黒船の来航を契機に幕末の動乱へと突入し、明治維新で終えんいたします。日本の歴史上、最も長く続いた徳川幕府の強固な体制を突き崩したのは、勤王の志士たちでありました。その中心をなしたのが、長州の片田舎、萩城下松本村にあった私塾・松下村塾であることは余りにも有名であります。小さな私塾の一握りの塾生たちが時の政体徳川幕府を転覆し、明治維新という革命をなし遂げたのであります。言いかえれば、二十八歳で獄死した吉田松陰という若者が幽閉中の私室で始めた私塾での教育が、そして人材育成が一国の歴史を変えてしまったのであります。教育の重要性、そしてその反面としての恐ろしさ、言いかえれば一人の教育者がいかに人を変えてしまうか、影響を与えるか、教育の意味、重みを私は松下村塾に見るのであります。
 さて、本題に入ります。
 最近、教育現場、学校が荒廃していると思えてなりません。
 まず第一点、本年三月十九日、和歌山北高校剣道部顧問のU教諭が部員である男子生徒四人に対し竹刀やバット、木刀で殴打し続け、そのうち一名の男子生徒が入院の上、皮膚の移植手術を受けなければならないという大けがを負わせる事件が発生いたしました。この男子生徒が受けた心と体の傷は大きく、先ごろ、他の高校へ転校するということになったと聞いております。
 私は、U教諭の度の過ぎた体罰について過去に二度にわたって県教委に対して注意を喚起していただけに、まことに残念でなりません。この事件に関する処分は、U教諭が停職四カ月、校長、教頭二名、そして四名の同僚教諭、合わせて七名が厳重注意ということになりました。私の注意喚起にもかかわらず未然にこの事件の発生を防げなかったのか、県教委の責任はと、私は申し上げたいのであります。
 また、昨年末十二月七日、和歌山北高校のT教諭が、同月十四日には橋本市立紀見東中学校のT教諭が、いずれも酒気帯び運転で刑事処分となり、それぞれ三カ月ないし四カ月の停職処分を受けました。さらに、海南高校定時制のS教諭はインターネットを使用した脅迫事件で略式起訴され、停職二カ月の処分を受けているのであります。
 一方、知識の切り売り教育に終始する教員が多く、生徒たちの信頼も信望も全くないという報告が種々私のところにも参っております。
 さらに、ここに一覧表がございますが、小・中・高合わせて現在百二十二名の教職員が病休もしくは休職扱いとなっております。この中にいわゆる登校拒否教諭が相当数含まれていると私は思いますが、県教委はその実態を把握しているのでありましょうか。
 以上三点、学校荒廃とも言うべきこれらの事実について教育長はどう思われるのか、率直な見解をお示しいただきたい。
 次に、児童生徒の最近の学校内外での生活態度の憂うべき実態について申し上げます。
 学校内外でのたばこの喫煙。昼間、堂々と自動販売機で学生服姿のままたばこを買う高校生を見たこともあります。二点目、深夜の徘回。夜中の二時、三時にコンビニでたむろする姿を見かけることが最近多くなりました。三つ目に、道いっぱいに広がって自転車で我が物顔で走り回り、平気で信号無視をする姿を見ます。また四点目に、所構わず空き缶・空き瓶、ごみを捨てる生徒を見ることがあります。五点目、乱暴な言葉遣い。一つ例を申し上げますと、去る五月十一日、紀三井寺競技場で行われました同志社大学と慶応義塾大学のラグビー対抗戦の観戦にやってきたある高校生が、自転車で来たわけですが、場内整理を担当していた和歌山ラグビー協会の役員に対して、「チャリ、どこに置くんな」と言ったのであります。こんなに言われたラグビー協会のその方、大人でありますけれども、全く切歯扼腕をされておりました。このようなマナー、社会常識に欠ける高校生がいかに多いことか、数え上げれば切りがないのであります。一体、学校においてこれらのマナーや社会常識についてどのような教育をしておられるのか、教育長からお答えをいただきたい。
 三点目に、教師の指導力不足についてお尋ねをいたします。
 本来、教職に携わる者は、児童生徒の未来を預かる、無限の可能性を開くという極めて重い責任、使命を帯びた職業であると私は考えます。それだけに、より高い人格、より強い使命感、倫理観、そしてより幅広い教養が求められていると言っても過言ではありません。それを可能にする道は二つあると思います。一つは教職員に対する研修の充実、もう一つは適性、能力に欠ける教職員の排除をするシステムを構築することではないでしょうか。この二点について、教育長の所見をお伺いいたします。
 この項の最後に、全人教育の必要性について申し上げたいと思います。
 私は、教職員は児童生徒の一生を左右するほどの強い影響力を持つ職業でありますだけに、他の職業以上に、より高いレベルの能力が要求されていると思います。教職員こそ全人であるべきだし、全人に近づく努力を日々すべきであると申し上げたい。
 小学館の「日本国語大辞典」によりますと、全人とは「知識・感情・意志の調和した円満な人。完全な人格を備えた人。」となっております。また全人教育については、同辞典によれば、「知識だけにかたよった教育ではなく、性格教育、情操教育なども重視する教育。」とあります。これこそ、教育のあり方を、簡潔ではありますが適切に表現したものと言っていいと私は思います。私の考えは間違っているでありましょうか。教育長の率直な見解をぜひとも聞かせていただきたい。
 以上で質問を終わりますが、答弁に立たれる当局の皆様に申し上げます。なるべく簡潔にして要を得た答弁にしていただきますようにお願いを申し上げまして、答弁次第では再質問もあることを申し上げて質問を終わらせていただきます。
 ご清聴、ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 関空についてのご質問でございます。
 経営の健全化ということでございますけれども、ご質問にもありましたように、イラクの戦争、そしてSARSということもありまして、このところの関空の状況は非常に寂しい状況になっております。そういうふうな中で、これも構造的にハンディキャップを負っている飛行場だと思いますけれども、何とかしていかないといかんということで、三月に経営改善計画が出て、思い切った人員削減、それから運営経費の三十億円ほどの削減と、こういうふうなことを中心に打ち出し、さらには国もおくればせながら今年度から九十億円毎年お金を入れていくということになったようでございます。
 しかしながら、これだけではなかなかぐあいが悪いと思っておりましたところ、先般、関空会社では初めて民間人の人が社長になりました。この間、和歌山県へも来られて、私も三十分ほどお話ししたんですけれども、かなりやる気のあるような感じでございました。そしてまた、今までは中央官庁が握っていたような人事権限をその方が行使するというふうな形になってきているということで、結果が出るのはこれからだと思いますけれども、いずれにせよ、そういうことを見きわめていきたいと思います。さらには、国に対してもっともっと大きな支援──最初の熱気がもううせてしまったような感じになっているというふうな関空に対して、本当に国際空港であるということの支援を要請していきたい、このように思っております。
 それから、関空と国内各空港の便の減少については、ただいまの資料、配付されていたものを私も見せていただきましたけれども、実は愕然といたしました。減っているなとは思っていたけれども、こんなに減っているとは思っておりませんでした。これは何か、関空が国際空港だから国内便はあんまり力を入れなくてもいいというような誤った感覚があるんじゃないかというのが私の正直な感覚でございます。国内あっての国際、国際あっての国内、これ両々相またないとこの飛行場の重要性ということの機能を果たせないというふうに思っているわけでございます。
 シャトル便の問題につきましても、シャトルというのは一時間ごとぐらいに出て初めてシャトルなんで、大変な状況になったのを若干押し戻していささか改善されましたけれども、しかしながら航空会社の経営状況が悪いということで、もとに復したわけではございません。今後とも、こういうふうなことの問題点をいろんな方面に力強く訴えていきたいと、このように思っております。
 それから最後に、和歌山ブランドの海外への売り込みということでございます。
 今、中国脅威論ということで、ありとあらゆるところで本になり、また問題にされておりますけれども、十三億の人がいるところを脅威脅威というふうに言っているばかりではやはりぐあいが悪いので、この和歌山県の産品を中国、韓国、そしてまた台湾、こういうふうな有望な東アジア各国に対して市場として売っていくというふうな努力が非常に大事だろうと思っております。
 そういうこともありまして、一つは中国へ進出している国内の大手の量販店というものがどんな形で和歌山のものを売れるかということの調査を行うことにいたしております。さらには、もう来月か再来月にできると思うんですけれども、福岡県、それから宮城県、岩手県と一緒になって上海に拠点を設けることにいたしました。ここには中国ビジネスに詳しいコンサルタントを置いて、和歌山県内の企業が中国へ進出するときにいろいろいい情報を得たり、対応できるようにしていきたいと思っております。
 特派員についても──だれが特派員になってすぐに役に立つかどうか、なかなか難しい問題がありますけれども、しかしながらこの問題については真剣に考えていかないといかん問題だというふうに思っております。
 以上です。
○議長(尾崎要二君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 関西国際空港に関する諸問題につきまして。
 まず、関空発羽田行きのシャトル便につきましては、一便の減便とともに、ダイヤの偏りにより大きな空白時間帯が生じておりましたが、県議会初め関係者の方々の力強いご支援をいただきまして国、航空会社へ働きかけていたところ、五月十九日から三十一日まで九時五十分発が臨時便として運航され、六月から八月ダイヤにおいては九時五十五分発が運航されることになりました。これにより、十時台から十四時台まで、最大五時間十五分に空白時間帯が縮減したところであります。九月ダイヤにおいては、さらに空白時間帯が最大三時間三十分に縮減されると聞いているところでございます。
 県といたしましては、今後も空白時間帯の縮減とともに便数の復活により利便性が確保されるよう、引き続き国、航空会社等に働きかけてまいります。
 次に航空会社の関空離れの原因についてでございますが、平成十二年の航空分野の規制緩和により路線の設定が航空会社の判断で自由にできることになったことと、また昨年十月の日本航空と日本エアシステムとの統合による路線の再編を契機として、運航コストや搭乗率を考慮した上でより収益性の高い伊丹空港に集中したものと考えております。
 次に、着陸料、駐機料、給油施設使用料に対する取り組みでございますが、米国同時多発テロ、イラク戦争及びSARSの流行などにより航空需要が低迷している中で国際競争力を高めるためには、航空会社の就航が容易となる条件整備が重要と考えております。
 関空会社では、国際線の着陸料の引き下げ及び新規就航等に対する着陸料営業割引を行い、平成十五年度においても継続することとなっていますが、世界的にはなお高い水準にあることから、経営改善計画の中で着陸料等の引き下げが検討されることとなっております。しかしながら、その実現のためには国のより一層の支援が必要であり、県といたしましても強く国に求めてまいります。
 次に、空港利用料、連絡橋通行料についてでございます。
 関空会社では、関空連絡橋通行料の時間帯割引や連絡橋・駐車場セット割引クーポンの発売など、関空利用者へのサービス向上のために連絡橋通行料、駐車料金の一部引き下げが行われておりますが、にぎわう空港の実現や非航空系収入の拡大のためには、さらに抜本的な見直しが必要であると考えております。着陸料等の問題と同様の考え方で、この件につきましても国に強く要望してまいります。
 次に、ITビジネスモデルの国の具体的な支援策についてでございます。
 ITビジネスモデル地区は、国の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」においてその推進が閣議決定されたもので、ハード・ソフトの施策の集中展開を通じ、魅力的なITビジネス環境の先行的実現によりIT産業集積を通じた地域経済活性化を推進し、地域産業の振興を図ることを目的としたものでございます。
 このたび、全国八カ所のモデル地区に白浜・田辺地区が指定されたことは、和歌山の地域・文化資源を生かしたリゾート型のビジネスモデルを開発していこうとする本県の姿勢が高く評価されたものであると考えております。
 今回の指定にかかわる国の支援策といたしましては、ベンチャー企業が行う先進的な研究開発に対する助成制度の優先採択、第三セクターが行う高度なIT技術者の育成などに対する助成制度の優先採択及び助成限度額の増額、自治体が行う地域イントラネット整備事業に対する助成制度の優先採択及び整備要件の拡大などでございます。
 なお、本事業の推進に当たりましては、先般、県、関係市町、民間団体及び有識者から成る白浜・田辺ITビジネスモデル地区構想推進協議会を設置いたしておりますので、こうした体制のもとに地域全体で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) ご質問の三点についてお答え申し上げます。
 まず、和歌山ブランド売り込みのための本年度の推進局の取り組みにつきましては、昨年来、優良な県産品を県が直接首都圏の大手量販店への売り込みを支援してきたところでありますが、本年度は新たにブランド推進局を設置し、本格的に実施することといたしました。
 まず、イトーヨーカ堂とタイアップ事業である移動型、複数型のソフトアンテナショップの第一弾として、六月四日から九日まで、横浜市の上永谷店を中心に和歌山まるごとフェアや全店規模での梅まつりを開催し、期間中の総売り上げは約一億四千万円に上りました。第二弾として六月十八日から二十三日まで、同じく横浜市の鶴見店で和歌山まるごとフェアを開催したところでございます。
 今後の店舗展開は現在調整中ですが、東京都内を初め千葉県など、首都圏の各地で開催していく予定となってございます。
 一方、イトーヨーカ堂以外にも、生産者のニーズや商品の性格等を勘案しながら、他の量販店や百貨店等へも幅広く取り組みを進めているところでございます。
 次に通信販売による売り出しシステムの構築につきましては、PR効果はもとより、商品が大量に出荷できることから生産者の売り上げ向上に大きく寄与するものであり、販路拡大の有効な手段であると考えております。
 本県では、平成十三年度からインターネットによる販売サイトふるさと和歌山わいわい市場を立ち上げており、その規模は、業者数で約三百七十、取扱品目は約二千八百でございます。
 現在、売り上げ向上のため、特に首都圏を対象とした新聞広告の掲載やイトーヨーカ堂でのPR活動の実施など、いろいろな機会をとらえ認知度アップを図るとともに、特典つきのキャンペーンの実施など、時節に応じた取り組みを進めているところでございます。
 今後、新たな通信販売による販路開拓につきましては、議員ご提言のようにさまざまな方法がありますので、販売者サイド及び生産者サイドのニーズを十分に把握し、適切な商品提案ができるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次にIHS構想の進捗につきましては、昨年三月に株式会社エスアールアイが白浜町に技術開発センターを設置し、本年四月には株式会社アスクソフトクリエイトが同町で開発センターの操業を開始しており、二社合わせて新規の地元雇用者が三十七名になるなど、順調に推移をしております。さらに、IHS構想地域への進出意向を表明した株式会社ギガプライズが田辺市内に進出準備室を開設し、本年秋ごろの操業開始を目指して採用募集を開始しております。
 今後は、進出が決定した三社以外に、現在数社と接触中でありますが、企業誘致の地域間競争が激化する中、企業が進出しやすい、一層魅力的な立地環境の整備が不可欠であると考えております。
 本年四月には白浜・田辺地域が総務省のITビジネスモデル地区の一つに指定され、このことを弾みに当モデル地区構想の重点施策に位置づけております、数社が賃貸で入居できるIHSリーディングオフィスの整備を支援する等、今後とも地元市町との連携を一層強め、企業誘致を推進してまいります。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) IT総合センター建設工事における地盤沈下の状況とその原因についてのご質問でございますが、昨年八月に着工し、鉄骨工事が四分の一程度進捗した本年二月中旬、基礎のアンカーボルトの位置が一部で低いことが判明いたしましたので、工事を中断して調査を実施し、原因の分析などを行っております。
 二百十三カ所の沈下量調査では、ばらつきがありますが、最大十七センチの沈下箇所もあり、現在も沈下が進行しております。原因につきましては分析検討中であり、結論に至っておりませんが、少なくとも傾斜観測からは盛り土地盤の地すべりの現象は見られません。
 一方、土質調査では、かたい岩塊が乾燥と湿潤を繰り返すことにより、ぼろぼろと細粒化するスレーキング現象が見受けられるところもあります。引き続き、鋭意調査分析を行うとともに対策工法を検討してまいります。
 次に、来春オープンの予定に間に合うかとのご質問ですが、速やかに対策工法を決定し、できるだけ早く工事を再開したいと考えておりますが、上屋にかかる工期から判断して、現時点では来年春のオープンには厳しいものがあると考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育に係る諸問題についてお答えいたします。
 まず、森議員ご指摘の体罰や飲酒にかかわる事故など、教員の資質をめぐる課題につきましては、教育委員会といたしましても極めて重く受けとめております。こうした事態を考えながら、本県においては一昨年から有識者や教育関係者から成る指導力向上調査研究委員会を設けて、本年一月に指導力不足教員の研修や人事管理のあり方について提言をまとめていただいたところです。
 今後は、こうした提言を踏まえ、その具体的な対応について鋭意検討してまいりたいと考えております。
 次に、最近の児童生徒のさまざまな問題のある言動については、各学校においてホームルーム活動の時間等を活用し、規範意識やマナーの向上のための指導の徹底に努めるとともに、関係機関との合同補導や通学路の街頭補導などを行っているところです。
 今後とも、公共心や社会常識を身につけさせるよう、より一層家庭、地域と一体となって重点的な取り組みを進めてまいります。
 次に教員の指導力の向上については、従前から行っておりました初任者研修や民間企業での長期社会体験研修を初め、さまざまなプログラムの実施をしておりますが、本年から十年の教職経験を持つ教員に対する研修を新たに義務づけることといたしました。この中では、個々の教員の能力、適性等について評価を行い、一人一人のプログラムに反映させていく点がこれまでの研修と違う特色となっております。このような取り組みを通して教員の資質を一層向上させ、その後の教育指導に生かしていくための実践的な力を高めてまいりたいと考えております。
 教育は、児童生徒の知・徳・体、バランスのとれた全人的発達を促し、自立した社会人に必要な能力や態度、主体的に行動する力などをはぐくんでいく総合的な営みであると考えております。したがいまして、教員には、教育に携わる者としての強い情熱や使命感とともに、倫理観や幅広い視野に立った適切な判断が求められます。また、みずからの専門性や指導力を高めるため、日々研さんに努める姿勢を持つことが重要であります。こうした基本認識に立ったさまざまな施策を展開することによって県民の期待と信頼にこたえる教育を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十七番森 正樹君。
○森 正樹君 二、三、要望を申し上げて質問にかえたいと思います。
 まず関西国際空港の問題でありますが、今回、知事おっしゃいましたとおり、初の民間人を社長に起用したと。松下電器の村山敦氏ですか、私もこの人の手腕に大いに期待をしたいと思います。松下電器で労務、総務等をずっと担当してこられた方だと聞いておりますし、今までの社長とは違って大変な経営手腕を発揮していただけるものと期待をしているのであります。
 しかも、人事権限まで付与されるとお聞きしておりますので、いろんな意味で大なたを振るって取り組まないと、今の関西国際空港株式会社は大変な状況にあるというふうに思いますので、ぜひともまた知事から社長に対して、その点、強く働きかけをしていただきたい、そのように思います。
 それからこの国内便、伊丹伊丹へとシフトしておるわけでありまして、今この流れに歯どめをかけないと、いよいよ関西国際空港のハブ空港としての機能を完全に麻痺さしてしまうことにつながりかねません。そのことが一番心配であります。
 本来廃止されるべきであった伊丹空港が地元のエゴによって存続と一転決まったことによりましてこんなことになっているんですが、航空会社は民間ですからやっぱり経営ということを考えるんで、収益性の高いところへ便を持っていくというのは当然の結果だろうと。だからこそ、それに対抗して関西国際空港の方も、着陸料や駐機料や給油施設使用料等々、航空会社に対するサービスはやっぱりもっと厚くしていかないと離れていくのは目に見えているんであります。
 さらに固定資産税の問題も、そうであります。実に一ヘクタール七百万──成田の二・四倍、羽田の約五倍ですか、これなんかも、本来大阪空港を廃止して、二十四時間運用で公害のない、しかも将来の航空需要に対応できる複数滑走路を持った空港ということであそこにつくった経緯があります。しかも最初、神戸沖ということが地元の反対で泉州沖に行ったわけで、その泉州沖に行くときに地元への対策ということで、それを受け入れてくれた泉州の各市町村に対する対策ということでこういう高い設定になったという、非常に無責任と思いますけれども、ある運輸省の元幹部の発言もありました。まあ運輸省の幹部が認めておるわけですよね、そういうことを。これも、発言としては問題なんですが、まあそこまでしないとこの関西空港の誕生には非常に産みの苦しみがあったということであろうと思います。
 国策で、そういう形で関西国際空港をつくったんですから。そうですよね、前企画部長垣平さん。国策でありますから、国が責任を持ってこの関西国際空港の経営に当たるべきなんですよ。当面の東アジアのライバル空港である韓国の仁川国際空港は、韓国政府が航空局法という法律を改正強化して、国の全責任においてこの空港をつくるんだ、そしてしかもアジアのハブ空港の地位をとるんだという、そういう決意のあらわれとしてこの空港をつくったわけであります。それに対して我が国は、国策であるのに、当時の時代の流れだったのかもしれませんが、地元へ負担を押しつけたと。地元も応分の負担協力するというのは当たり前ですけれども、経営までも特殊会社に任せて国の責任を放棄したというところに、僕はボタンのかけ違い、最初の間違いがあると。それが今ずうっと現在も尾を引いてきているということを強く指摘をしておきたいと思います。
 今回、実は尾崎議長が関西国際空港対策特別委員会の委員長をなさっていたんで、その後を受けまして、私、委員長をさしていただくことになりました。関西国際空港の将来のために、微力でございますが、全力で取り組むことをここで決意として申し上げておきたいと思います。
 それから、県産品の販路開拓について。
 将来東アジアのこの巨大市場をターゲットに──十三億を超える人口であります。ぜひとも前向きに取り組みをしていただきたい。
 そして、特派員の派遣をと申し上げましたが、県職員の中にこの役に非常にぴったりの男がおります。今は申し上げませんが、将来、この巨大市場をほっておく手はないんでありまして、ぜひとも和歌山のいいものをアジアに売り込んでいただきたい。そのように申し上げておきたいと思います。
 それから、教育に関して。
 マナー教育をホームルームの時間にやっていると、今、教育長、お答えになりましたけれども、もう僕は今そんな対応ではだめだと思います。ちゃんとした正式な科目として、例えば一週間に一回であるとか隔週であるとか、そのようなサイクルでマナー教育をぜひともすべきだと。もうする時期に来ていると僕は思います。ぜひとも近い将来の課題として取り組みをしていただきたいと思います。
 まだまだ言いたきこと多々ございますが、そろそろ時間でございますので、これで終わらせていただきます。すべて要望であります。ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。

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