平成15年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

平成十五年六月 和歌山県議会定例会会議録 第三号
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議事日程 第三号
 平成十五年六月二十三日(月曜日)午前十時開議
  第一 議案第百号から議案第百十四号まで(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第百号から議案第百十四号まで(質疑)
   二 一般質問
出席議員(四十六人)
     一  番       須   川   倍   行
     二  番       尾   崎   太   郎
     三  番       谷       洋   一
     四  番       新   島       雄
     五  番       小   川       武
     六  番       吉   井   和   視
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       町   田       亘
     九  番       大   原   康   男
     十  番       浅   井   修 一 郎
     十一 番       山   田   正   彦
     十二 番       坂   本       登
     十三 番       向   井   嘉 久 藏
     十四 番       大   沢   広 太 郎
     十五 番       平   越   孝   哉
     十六 番       下   川   俊   樹
     十七 番       東       幸   司
     十八 番       山   下   大   輔
     十九 番       小   原       泰
     二十 番       前   芝   雅   嗣
     二十一番       木   下   善   之
     二十二番       山   下   直   也
     二十三番       井   出   益   弘
     二十四番       宇 治 田   栄   蔵
     二十五番       浦   口   高   典
     二十六番       藤   山   将   材
     二十七番       原       日 出 夫
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       野 見 山       海
     三十 番       冨   安   民   浩
     三十一番       尾   崎   要   二
     三十二番       阪   部   菊   雄
     三十三番       花   田   健   吉
     三十四番       角   田   秀   樹
     三十五番       前   川   勝   久
     三十六番       江   上   柳   助
     三十七番       森       正   樹
     三十八番       長   坂   隆   司
     三十九番       中   村   裕   一
     四十 番       新   田   和   弘
     四十一番       松   坂   英   樹
     四十二番       雑   賀   光   夫
     四十三番       藤   井   健 太 郎
     四十四番       村   岡   キ ミ 子
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        中   山   次   郎
     出納長        大   平   勝   之
     理事         垣   平   高   男
     知事公室長      小 佐 田   昌   計
     総務部長       宮   地       毅
     企画部長       野   添       勝
     環境生活部長     津   本       清
     福祉保健部長     白   原   勝   文
     商工労働部長     石   橋   秀   彦
     農林水産部長     阪   口   裕   之
     県土整備部長     大   山   耕   二
     企業局長       西       芳   男
     教育委員会委員長   赤   松   壽   男
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員    高   垣   博   明
     警察本部長      高   綱   直   良
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 北   村   亮   三
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       中   原   洋   二
     次長         佐   竹   欣   司
     議事課長       島       光   正
     議事課副課長     藪   上   育   男
     議事班長       鷲   山       智
     議事課主任      尾   崎   善   亮
     議事課主査      土   井   富   夫
     総務課長       土   井   陽   義
     調査課長       宗   野   幸   克
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課主査      保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(尾崎要二君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百号から議案第百十四号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(尾崎要二君) 日程第一、議案第百号から議案第百十四号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 三十八番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、順次、一般質問をさせていただきます。
 一番目に、県・市政策連携会議についてであります。
 和歌山県と和歌山市が自治体の枠を超えてさまざまな課題解決に連携して取り組もうということで、両当局でご検討をいただいておりました和歌山県・和歌山市政策連携会議ですが、去る五月八日に初めての会合が実現されました。厳しい景気状況そして財政状況の中で、和歌山市が中核市であるとはいえ、県都である和歌山市のことを和歌山県、和歌山市で一体となってさまざまな懸案事項を解決に向けて検討していくことは、コスト削減にもつながって効率的な行政を推進していく上でも、また役割分担の明確化にもつながり、非常に意義深い重要な会議であります。
 旧丸正百貨店の利用、商店街の再生等、和歌山市中心市街地の活性化施策、県市それぞれの遊休地、未利用地の利活用について、あるいは近い将来の一般・産業廃棄物処理、それに関連するリサイクルの問題、また加太の土取り跡地の利用について、カゴメ株式会社のトマト生産工場にかかわる上下水道のインフラ整備の件、また跡地のさらなる利用、事業展開について、そして県市で推し進めている西脇山口線、湊神前線、南港山東線等、都市計画道路の整備、さらには、和歌浦、雑賀崎等、観光地の活性化策、例えば廃屋旅館の処分の問題、高齢者の中長期療養滞在型観光について、あるいは各地の交通安全、防犯対策等、懸案事項はメジロ押しであります。こんなとき、県市お互い信頼関係でもって前向きな建設的な議論を漸次展開していただきたいものであります。
 県議会や市議会で議論されたことや提案されたことも、それこそまないたの上にのせていただきたいと思います。今後どのような政策課題を取り上げ、どのように行政に反映させ、どれくらいの頻度で会議が行われるのか、お示しください。中山副知事にご答弁をお願いいたします。
 二番目、科学技術の振興による地域産業の発展についてであります。
 産学官連携による新産業づくりについて、平成十四年九月、十五年の二月、それぞれ予算委員会において質問をさせていただきましたが、このたび平成十五年度の重点施策である地域科学技術振興事業の中で、地域の科学技術資源を活用して産業の活性化を図るため、文部科学省が所管する公募型産学官共同研究事業である都市エリア産学官連携促進事業の採択を受けたとのこと、まことに喜ばしい限りであります。
 和歌山県工業技術センターを中心に、和歌山大学システム工学部等の大学と和歌山市内の有機化学企業の高度な技術を結集して、ナノテクノロジーすなわち百万分の一ミリの超微細な世界で原子や分子を操作し加工応用する技術を駆使した次世代エレクトロニクスデバイス用有機材料の開発推進を行うものであります。厳しい経済環境の中、比較的堅調に推移している、今や和歌山県の重要な基幹産業の一つ・化学工業界がさらに大きく発展することが期待されますし、ほかの産業にもよい波及効果をもたらしてくれればと願うものであります。
 我が国全体が依然厳しい経済情勢にある中、和歌山市のような地方都市の状況はなお一層厳しいと言わざるを得ません。一方、経済社会のグローバル化の進展や情報通信技術の急速な発展・普及の影響は地方にも直接及んでおり、今や地域の産業は単に国内にとどまらず、世界の中での競争にさらされていると言えます。このことは、逆に言えば、すぐれた科学技術の成果を活用することにより地域の産業が迅速かつ容易に世界市場に参入するチャンスを持っていると言えるのではないでしょうか。
 このような状況のもと、地域の企業や大学、公設試験研究機関が有する研究開発に関する資源やポテンシャルを生かした科学技術を振興することにより地域経済の活性化を図るという科学技術駆動型地域経済の発展を目指したさまざまな取り組みを行っていただきたいと思います。
 今年度の科学技術振興事業団の採択をねらうアグリバイオをテーマにした地域結集型共同研究事業とともに、和歌山県の経済活性化、そして雇用の創出に寄与してもらえるよう、事業の進展を願う次第であります。県としての科学技術の振興に関する基本的な認識と、今回採択となった都市エリア産学官連携促進事業を含めた具体的な取り組み、さらには地域産業発展のための新たな事業戦略がありましたらお聞かせください。知事にご答弁をお願いいたします。
 三番目、海洋レジャープロモーション事業についてであります。
 平成十五年度重点施策の一つに海洋レジャープロモーション事業として、世界最高峰のヨットレースと言われるアメリカズカップの三連覇をなし遂げた世界ヨットレース界の覇者ラッセル・クーツ氏を招聘して開催する「ラッセル・クーツと紀州の海」というイベントが本年七月十八日から二十一日まで四日間、実施されると伺っております。クーツ氏による紀伊水道のクルージング、その航海記の出版、来日記念のディンギーやクルーザーのヨットレースとともに、和歌浦湾において七月の二十日には午前・午後各三百名のクルーザーヨット体験イベント等が行われるということであります。ヨット界の世界的スーパースターをお呼びしての海洋県・和歌山の海に親しむ大きなイベントであります。和歌浦湾から眺めた和歌浦、雑賀崎、あるいは冷水浦、戸坂、荒崎方面の海岸美を再発見し、将来的に和歌浦湾における周遊観光、クルージング体験観光の端緒にもなるイベントではないかと思われるわけです。
 開催まであと一カ月足らず、せっかくコンセプトとして、海を初め自然のすばらしさなど和歌山の魅力を世界に情報発信し、地域振興を図るものとしてうたっているのですから、もっともっと、県内のみならず県外へもイベントをアピールしてはいかがなものでしょうか。そして、和歌山マリーナシティ内にもマリーナを利用する会員さんがたくさんいらっしゃいます。そんな皆様にもイベントへもっと参加、協力いただいて、一過性のイベントにならない盛り上げを期待するものであります。
 今回の事業のプロモーション状況、今後の和歌山県の海洋レジャープロモーションについてのお取り組みについて、企画部長、お聞かせください。
 四番目、和歌山県のスポーツ振興について、二点お尋ねいたします。
 一番目、和歌山市中之島にある和歌山県体力開発センターは、体育・スポーツの振興を図り、県民の健康と体力づくりに寄与することを目的として昭和五十年に開館以来、和歌山県南紀スポーツセンターとともに多くの県民に愛され、かつ親しまれてまいりました。体操関係、水泳関係のスポーツ教室の実施、トレーニングルームやプール等の一般開放、それにサウナ、喫茶の併設ということで、地味ながら着実に年間十一万人もの利用者を数えてきました。特にプールを利用したウオーキング等、昨今人気が高く、このプールは県内唯一の県立の室内かつ温水プールであります。会員制が多い民間施設と違って、障害者、高齢者の方々にも多く利用され、高齢者向けのシルバー体操に参加して体調がよくなった、多くの仲間ができたなど、たくさんの意見を聞かせていただいているところであります。
 しかるに、和歌山県行政組織等検討懇話会の昨年十月二十八日の行政組織等の見直しに関する提言、この中で体力開発センターについては、施設における事業内容が民間と競合する観点からはその使命は達成されたものと思慮され、廃止すべきであるとうたわれたことを踏まえて、本年三月、行政組織等の見直し実施プログラムにおいて、体力開発センター施設の廃止に向け平成十六年度より検討を実施するとされております。
 確かに、施設の老朽化は進み、関係者の方々も維持管理に腐心されていることと存じますが、和歌山県のスポーツ医科学の拠点としてぜひ存続していっていただきたいと思います。利用料金も安価で、スポーツ教室のみならず、健康講座も年に四、五回開催されるなど、各種プログラムの充実にも努めておられ、もっと広く県民にアピールして周知いただく努力もすれば、ますます存在意義も高まると思われます。廃止というより、さらなる存続のためのご検討をいただきたいと思いますが、いかがですか。
 また、高齢化社会の進展とともに老人医療費が拡大している昨今でありますが、ゲートゴルフ発祥の地・美里町を初め、スポーツに親しむ元気な高齢者がふえているところは逆に医療費が減少する傾向にあると伺っております。今後、高齢者等の健康維持をもっと図るために、生涯スポーツという切り口でさらにトレーニングプログラムの開発、実施、普及を図っていくことに意義があると思いますが、まさにこの体力開発センターで取り組んでいくのはいかがでしょうか。
 二番目、以前、私も二巡目国体の和歌山県開催についてお尋ねして、平成二十七年の開催に言及いただいたことがありました。あと十二年であります。厳しい経済環境のもと国体開催の意義すら問われる時代でありますが、そんなときこそ、スポーツの持つ一国民、一県民としての意識の高揚、青少年のみならず生涯教育の見地からも、気候に恵まれた和歌山県での国体開催に向けて、県内の総合運動公園整備について本格的に前向きに検討する時期に来ていると思われます。ナイター設備のない野球場で駐車場スペースの小さい紀三井寺公園、海からの強風が予想される加太の土取り跡地、和歌山市あるいは御坊市内等の未利用地の多い工業団地等、いずれも候補地として一長一短あると思いますが、和歌山ビッグホエールを初め既存の運動施設を有効に機能的に活用するということで具体的な取り組みに入っていただきたいと思います。
 聞くところによりますと、他府県ではシェルターや食糧備蓄倉庫を備えた防災基地機能を持ったスポーツ競技場づくりをされているところもあるということであります。タイムリミットは迫っていると思います。二巡目国体に向けた候補地選び並びに施設整備について、当局の前向きなお取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
 この二点、教育長にご答弁お願いいたします。
 以上四点、一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 科学技術の振興による地域の発展ということについてのご質問でございます。
 私は、第一次産業の進展ということも非常に大事ですけども、もう一方で、和歌山県に勢いをつけるためには地場産業の振興と、今あるものを大事にしていくということで考えているわけです。しかしながら、この厳しい経済情勢のもとですべて県の予算でやるというふうなことは非常に難しいということから、一昨年来、ありとあらゆる国等の研究費、こういうふうなものを和歌山県に導入することができないかということで鋭意努力を進めてまいりました。
 昨年は、近畿大学や農林水産総合技術センターを利用したバイオでの和歌山県の農業や水産業の振興を図るために地域結集型共同研究事業、これは相当大きな予算がつくわけですけども、これについての極めて激しい働きかけを科学技術振興事業団に行ったわけですけども、少し力及ばず、予備調査費がついているところで、ことしは何とかいけそうだというふうなことで思い切り頑張っているわけです。
 そして、それとあわせてついせんだって、文部科学省から都市エリア産官学連携促進事業というのがつきました。これは、近畿では大阪、兵庫に次いで三番目というふうなことで、三年間で三億円の研究費がつくということで大いに期待しているところでございます。県の工業技術センター、そして和歌山大学、それから県の地場産業である化学工業界が一体となって有機化学のナノテク分野での新しい発明を行っていくということで、これは和歌山県の進展ということについて非常に大事なことでございますので、今後もこういうふうな形で積極的に外部の研究費等を導入しながら、和歌山県が外に向かって発展していくように頑張っていきたいと思います。
○議長(尾崎要二君) 副知事中山次郎君。
  〔中山次郎君、登壇〕
○副知事(中山次郎君) 県・市政策連携会議についてお答えします。
 去る五月八日に第一回の会合、市からは植松助役以下関係部長が出席しまして開催しました。県都である和歌山市の政策課題は同時に県政にとって重要な課題であるという認識のもと、中心市街地活性化問題あるいは道路問題、さらには産業振興問題など、多岐にわたり県市が連携して解決を図るべき重要な政策課題に取り組みまして、何よりも結果を出すことが重要であるという相互の認識で一致したところでございます。
 この政策連携会議は、これまで個々の部局間だけの会議では解決できなかった課題や、また部局間にまたがる課題を中心として取り上げまして、各部局の垣根を越えた総合的な観点からの解決を目指すものでございまして、今後とも必要に応じまして開催していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 企画部長野添 勝君。
  〔野添 勝君、登壇〕
○企画部長(野添 勝君) 海洋レジャープロモーション事業の状況でございますが、ラッセル・クーツとは四月の十五日に正式に契約を締結しております。七月二十日に和歌山県にお迎えしまして、和歌浦をスタート地点に紀州・瀬戸の海をクルーザーで周遊していただきまして、これをテレビ、新聞、図書の出版などを通じて紀州和歌山の海など豊かな観光資源を国内外にアピールする予定でございます。
 このことを記念して開催しますヨットレースにつきましては、七月の十八日から海の日である二十一日まで行い、十五歳以下のジュニアが競うOP級のレースにイタリアチームが参加するほか、日本がアテネオリンピックを目指す四七〇級のレースでは前回のアトランタオリンピック金メダリストのウクライナチームが参加するなど、世界の有力選手を迎えまして、和歌浦を初め本県の魅力を国内外の方々に感じてもらい、世界に情報発信を行ってまいりたいと考えてございます。
 最終日の二十一日には、ラッセル・クーツ氏自身もクルーザーレースに参加する予定でございます。さらに、現在受け付け中でございますクルーザーヨット体験会につきましては既に三百人以上の申し込みをいただいておりまして、より多くの方々が和歌浦を訪れてもらえることを期待してございます。
 次年度以降につきましても、本県の大きな資源である海の魅力を工夫を凝らしながら継続して情報発信してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツ振興についてお答えいたします。
 体力開発センターは、低料金でだれもが気軽にスポーツや体力づくり活動を楽しめる施設として、独自のシルバー体操教室、幼児体操教室などを開催し、年間十一万人以上の方が利用されております。また、生涯スポーツ振興の観点から、国の委託を受けて総合型地域スポーツクラブを育成・支援する拠点としての広域スポーツセンター事業も実施しているところであります。
 今後、最終的な結論に向けての検討と並行して、現行事業の充実とともに、高齢者等の健康維持のため、医療機関等と連携しながら有酸素運動、筋力運動等を取り入れたプログラムの開発、実施、普及に努めてまいりたいと考えております。
 次に、二巡目国体についてですが、日本体育協会は国体の実施方法及びそのあり方について、全国知事会議から提案された国民体育大会に関する緊急決議を受け、本年三月に国体改革構想を策定しました。本県としましては、この構想を踏まえて既存施設の有効活用や近隣府県を含めたブロックでの共同開催等も含めて幅広く検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十八番長坂隆司君。
○長坂隆司君 ご答弁いただきました。
 まず、県市の協調については、和歌山市も中核市に移行して六年目を迎えております。福祉分野等においても一層の自主独立した行政推進も期待するところであります。しかし、コスト高につく事業や投資効果を考えると、民間で買い上げ等、対応できないものの処理、民間の所有物、所有地であっても長期間放置されて処分の見込みの立たないようなものの始末、あるいは幹線道路網の整備に当たっての用地交渉の問題等、どうしても県市が協力連携して取り組んでいかざるを得ないものが少なくないと思います。ぜひ県・市政策連携会議をできるだけ高頻度に開催していただいて、実を上げていただきたいと願います。
 ラッセル・クーツと紀州の海イベントでありますが、紀伊水道特に和歌浦湾の魅力を全国に、世界に発信できる絶好の機会なのですから、残された期間、もっと景観とマリンスポーツを意識した宣伝ポスターを各所に貼付したり、見物・来場を促すようなマスコミへの露出、こういうものを図っていただきたいと思います。
 次に、二巡目国体開催についてでありますが、高知県知事が自県開催のときに言われたように、どうしても主催地が優勝しなければならないわけではないのですから、個々の都道府県が純粋にスポーツで競い合って結果を出していく、その中でふるさと意識の高揚、個々の競技の技術、成績を高めていけばよいものと思います。そのために、財政事情を十分考慮に入れて大会規模を縮小することも、夏秋開催を一つにすることも検討すべきでしょうし、それこそスポーツの全国大会なのですから、日本選手権のような位置づけでトップアスリートにどんどん参加してもらえるよう、国民体育大会自体を国民、県民にとって魅力的なものに活性化していけば、和歌山県として開催する意義は大きなものがあると思います。
 また、総合運動施設をつくるにしても、先ほど申し述べたように、大会後に無用の長物にならないように、有効活用できるように、例えば防災基地機能を持たせたり、幅広く老若男女を問わずいろんな市民スポーツに安価に開放して使っていただけるような施設になるようにご検討をいただければ展望も開けてくると思います。
 以上三点、要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
○議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十四番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 おはようございます。ただいま議長のお許しをいただきました。
 まず初めに、歴史と伝統ある県議会の議場に初めて立たせていただけましたことに御礼を申し述べるとともに、先輩議員並びに同僚議員におかれましては何とぞご清聴の方、最後までよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 なお、当局におかれましては簡潔なるご答弁のほど、よろしくお願いを申し上げ、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 既に皆様もご承知のとおり、今月六月は環境月間であります。県の環境生活総務課のホームページを開いてみますと、平成十五年度環境月間の各種行事の案内が表示されておりました。一つには、第二回わかやま環境大賞表彰式と環境月間記念講演会のご案内。二つには、参加できる活動、いわゆる一般参加が可能であるということ。三つ目には、各団体が率先して行う環境保全活動、これは自主活動でございます。四つ目には、県が実施する環境月間中の各種活動といったメニューがございました。
 そこで、私たちも地域の良好な生活環境保全の観点から、身近な、いわゆるできるところから始めようじゃないかということで、先週の日曜日、和歌山の市会議員でございます奥山議員と、また青年の皆さんとともに、以前より嘉家作丁自治会から要望のあった真田堀川の石垣の壁面に生えてある雑草を、約三時間余りかけまして、また汗まみれになりながら、草刈りをさせていただきました。この地区は近年、高齢化が進み、なかなか地域の自分たちでは困難になり、自治会長を通じて今回の活動になったわけでございます。通りがかった住民の方々からも大変喜ばれ、ボランティア活動の重要性を改めて実感した次第でございます。今後も地域の要望等を、行政にかかわるものと、また我々でもできるものとを見きわめながら推し進めなければならないと思う次第でございます。
 そこで、我々には手に負えないのが、いわゆる河川におけるしゅんせつでございます。比較的要望が多い河川の一つに大門川が挙げられます。大門川河川敷には、皆様もご承知のとおり、桜並木がございまして、桜の木にかけられたちょうちん、一本一本、本当に丁寧にその姿は非常に印象的で、また夜桜が最高であるというふうに地元の方からお聞きいたしました。しかし、その時期ちょうど私どもの選挙の真っ最中でございましたので、夜桜を見る余裕もなく必死で走っていたというような状態でございました。
 後日、地域の方々からしゅんせつの依頼がありましたので、早速、再度現場を確認いたしましたところ、雑草やヘドロの堆積が多く、本当に残念な思いがした次第でございます。住民の憩いの場所であるこの地域の環境保全の観点という立場から、大門川の今後のしゅんせつ計画について関係部長にお伺いしたいと思います。
 引き続き、環境問題についてお伺いいたします。
 環境基本法が一九九三年十一月に公布・施行されました。従来の公害分野と自然保護を統合するとともに、地球環境問題を正面から取り上げ、将来の国民や人類の福祉に貢献することを目的としております。さらに、環境基本計画は二〇〇〇年十一月に第二次計画が策定され、二〇〇二年には南アフリカのヨハネスブルクにおいて維持可能な開発に関する世界首脳会議、いわゆる環境開発サミットが開催されました。二十一世紀の環境と社会開発の新たな展開について、最高の政治レベルで議論されたところでございました。そこで注目されるべき点は、地球の生態的な持続可能性を確保し、世界的な貧困や不平等の拡大を是正し、社会的公正を目指すために発展パターンの変革と国際協調に合意することが最大の目的であると位置づけられました。さらに、我が国は環境分野での人材養成を中心とした構想が小泉首相より発表されたのでありました。
 一方、本県におきましても、平成十年二月に策定した和歌山県長期総合計画に基づき、平成十二年一月に和歌山県環境基本計画が策定されております。また、同年八月制定、平成十四年四月改正の和歌山県地球温暖化防止実行計画がございます。計画の期間は平成十六年度までの五カ年とし、実施事項等については、各部局等に主任エコオフィス推進員を、各所属にエコオフィス推進員を配置し、それぞれが役割分担し、計画を推進するとございます。さらに、和歌山県地球温暖化防止実行計画推進会議も設置されております。環境対策に対し積極的に取り組まれている県当局の姿勢が感じられます。
 以上のことから、和歌山県地球温暖化防止実行計画の進捗状況並びに今後の取り組み及び推進会議の開催状況について、関係部長にお尋ねを申し上げます。
 次に、関連して循環型社会構築のための諸問題についてお伺いいたします。
 現在、大きな社会問題として避けては通れない産廃の不法投棄問題がございます。過日の新聞報道によりますと、青森県と岩手県との県境に国内最大規模の不法投棄がなされており、不法投棄した疑いのある産廃会社は既に解散・破産しており、会社側に四百億とも、また五百億とも言われる費用負担を求めることは事実上不可能と言われております。そこで環境省では、今国会において改正廃棄物処理法が施行された一九九八年六月十七日以前の不法投棄された産廃の処理を促進するため、特別措置法案が提出されています。
 一方、不法投棄を防止できなかった行政にも責任が問われるのも当然であります。今回の事件では、第三者による岩手県の検証委員会は、不法投棄が疑わしいのに業者に収集運搬業の更新許可を出した点について県に違法性があると指摘されております。また、青森県の検証委員会も、調査が不十分で県の落ち度と言わざるを得ないと結論づけています。法案は成立いたしましたが、税金の投入という点において処理費用の財源等、今後さまざまな対応が要求されると思われます。
 そこで、お伺いをいたします。
 本県における不法投棄を未然に防止するためエコポリスが設置されていますが、エコポリスの体制状況と活動内容並びに実績について、県警本部長にお伺いいたします。
 同じく関連した問題について、本県の橋本市における株式会社日本工業所による産業廃棄物の不適正処理跡地については、今議会に用地の買い上げ費用が提案されていますが、この用地を買い上げた後の今後の対応を関係部長にお伺いいたします。
 また、新聞報道によりますと、粉河町が不法投棄のごみ山の撤去費用を町議会に提案し、先日可決されたとあり、この撤去費用の半額を県費で負担すると報道されていましたが、県内にこのような問題視されるようなごみ山は何カ所あるのでしょうか。また、このようなごみ山撤去の県の考え方はいかがか、あわせてお伺いをいたします。
 次に、良好な住環境保全の立場から、住友金属工業和歌山製鉄所の緩衝緑地問題についてお伺いをいたします。
 住友金属は、私が生まれ育った近くに位置し、本県の経済成長を支えた企業の代表でもございます。当時、私が中学生のころ、粉じんで大変な状況でありました。そこで、地元住民の皆さんが、工場から排出される降下ばいじんを回避すべく改善策の要望を強く訴えてきたことも事実であります。そこで、工場の沖出し計画が浮上したのであります。そして、昭和五十三年八月、工場の沖出し計画に伴い、西防埋立申請時に住工分離のための緩衝緑地の整備を含め緑化面積比率を一五%程度を目標とする経過があり、平成十年十月の二十二日に河西緩衝緑地の整備促進のため、和歌山県、また和歌山市、また住友金属の三者が河西緩衝緑地整備促進協議会を発足させ、第一回協議会が開催されました。以降、社会情勢の変化もあり、沖出し用地は、関西電力用地と県用地、そして住金と第三工区にそれぞれ分割され、現在に至っております。
 以上のことから、お伺いをいたします。
 ここ近い将来、打田町に東急車輛の進出が予定すると仄聞するところから、鉄鋼需要の見込みが期待されると思われます。したがいまして、住友金属自身、企業としての立場から緩衝緑地の整備に全力を傾注すべきであると考えますが、今後の対応について知事のお考えをお伺いいたします。
 また、以前より臨港道路の計画がございますが、紀の川右岸線の現在の状況と今後の見通しについて関係部長にお伺いいたします。
 次に、防災対策についてお伺いいたします。
 近年、危機管理という言葉がよく使われますが、自然災害の一つに、二十一世紀前半に必ず起こるであろうと予測されている巨大地震が指摘されております。その被害は関東から九州までほぼ全域になると言われ、それが東南海地震と南海地震であります。どちらかが先立って発生するか、あるいは同時に発生する可能性も高いとされております。最近の活動は一九四四年の東南海地震と、同じく四六年の南海地震があります。
 先日の一般質問でもございましたが、今から百五十年前の安政元年に起こった地震による津波から住民を、当時は命より大事な刈り入れたばかりの稲の束に火を放ち、村人を救った浜口梧陵の「稲むらの火」の逸話は余りにも有名であります。このとうとき献身の気風こそ和歌山県人の本来の県民性であると、信じてやみません。
 さて、ここ一連の新聞報道や中央防災会議での調査報告等からかんがみ、県民の生命、財産を守るのが私どもの課せられた責務であると思います。さらに申し述べれば、公僕たる者の使命でもあります。
 先日、総務省は、東南海・南海地震で津波による大きな被害が想定される和歌山県など、高感度のセンサーを使った防災ネットワークの開発を進める方針を明らかにいたしました。その根拠として、東南海・南海地震が起きた場合、津波は約十分で県南部の海岸に達し、その後、大阪湾でも約三メートルから五メートルの津波が押し寄せ、市街地の一部は水没するおそれがあると想定し、今年四月に公表された被害想定では死者は最大で二万五百人、うち津波による死者は半数を超え一万一千七百人と指摘されております。
 そこで、今回の防災ネットワークは、各家に浸水状況や人を感知するセンサーを設け、救援活動や被害の拡大防止に役立てようとする構想で、今月末にも近畿総合通信局と電機メーカー、自治体などで研究会を設け、来年度にはモデル地域を設定し、実証実験に着手する方針が出されました。この方針について関係部長はどう受けとめられましたか、お伺いをいたします。
 また、本県が進めている防災センター計画については、火急、不可欠なものでありますが、建設予定の場所についてはふだんでも道幅がどちらかと申し上げれば決して広くはありません。通勤時や、近くに公共性の建築物があり、催し物があれば車の配車がスムーズにいかないことも多々ございます。地域周辺への対応と緊急時の進入路確保についてどのようなお考えなのか、関係部長にお伺いいたします。
 次に、一九九五年の阪神・淡路大震災の教訓から、いざというときの対策として、現在未使用になっております西防波堤沖埋立地の第三工区の有効利用という観点から、民間への防災ヘリポートの拠点に開放してはいかがでしょうか、関係部長にお伺いいたします。
 最後に、交通体系の諸問題についてお伺いをいたします。
 ことし四月二日に開通いたしました紀の国大橋は、私ども紀の川右岸に住居する者にとっては長年の願いでございました。私自身、平成三年に初めて市会議員に当選をさせていただき、当時、建設省への陳情の際に担当の課長がおっしゃった言葉はいまだに私自身の脳裏に鮮明に残っております。「まだ木の橋ですか」。年末の慌ただしい陳情ではございましたが、その木の橋が、この四月の二日に完成してみれば、何と地域にとって必要な公共事業であったのか、こういうふうに実感するところでございます。
 また、以前より県道西脇山口線の早期供用開始を願う声もたくさん寄せられております。また一方、和歌山市内の幹線道路における円滑な車両通行の妨げになっている問題について、いわゆる恒常的な駐停車の自動車のことでございます。交通流の分散また円滑化を推進されている当局のご努力にもかかわらず、マナーの欠如により慢性渋滞や交通事故の要因にもなりかねない現状についての対策が必要でございます。
 さらに、ここ近年、シルバードライバーのひやりとする場面をよく見かけます。
 以上のことから、知事並びに関係部長にお伺いをいたします。
 一点目は、府県間道路の第二阪和国道の今後の取り組み方針について、知事にお伺いをいたします。
 二点目は、鉄道高架事業を含めた第二阪和国道の進捗状況について、部長にお伺いをいたします。
 三点目は、県道西脇山口線の栄谷から平井までの供用開始時期と六十谷間までの進捗状況についても部長にお伺いをいたします。
 四点目は、和歌山市内の幹線道路における交通渋滞の要因でもある恒常的な駐停車対策について、県警本部長にお伺いをいたします。
 五点目は、県下の交通事故件数の推移とシルバードライバー対策についても県警本部長にお伺いをいたしまして、第一問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 河西緩衝緑地に対する取り組みについてのご質問でございます。
 ただいま議員のご質問にありましたように、この緩衝緑地は、地域の住民の方の公害とか、そういうことに対する取り組みの長い経緯の中からようやく整備がされ──昭和五十七年からでございますか──されたものでございます。その後、経済情勢、そしていろいろな諸般の状況の変化があってその当時と若干さま変わりしている様子はございますけれども、しかしながら、環境ということに果たすこの河西緩衝緑地の役割の重要性というものはいささかも減ずるものではございませんので、県としてもこれからもこの事業の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。
 それから、第二阪和国道についての今後の取り組みということでございます。
 ご質問にもありましたように、紀の国大橋、私も開通式に行きましたけども、その後調べたところでは相当地域の交通の渋滞が緩和されているということで、本当によかったなというふうに思っているところでございます。
 私は、かねてから開かれた県政、外へ向かって開く県政ということで府県間道路というふうなものを非常に大事に思っております。私自身も車を運転するんですけども、なかなか今の道路、渋滞に遭うことがよくあります。この第二阪和国道のさらなる大阪方面への延伸、いろいろ難しい問題もあります、そして大阪府との協力もありますけれども、国に対して積極的に働きかけてまいりたいと、このように思っております。
○議長(尾崎要二君) 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) まず、大門川の今後のしゅんせつ計画についてお答えいたします。
 県都和歌山市内の河川環境を改善していくことは、重要な課題であると考えております。現在は、和歌川、水軒川のしゅんせつを実施しているところであります。
 大門川のしゅんせつにつきましては、河川の流下能力向上とあわせて河床掘削工事として実施することとしておりまして、和歌川との合流点から上流側に向けて進めていく計画であります。掘削を行うに当たっては、まず護岸及び橋台の補強工事が必要であり、その工事が終わった区間から順次掘削工事を進めてまいります。
 次に、臨港道路紀の川右岸線につきましては、平成十一年度に事業着手して以来、地元の協力を得ながら用地買収を進めておりまして、本年五月末現在で用地買収率が九一%となっております。今後の見通しとしましては、年度内に一部区間の工事着手を予定しておりまして、平成二十年ごろの供用を目指しております。
 次に、第二阪和国道につきましては、計画延長二〇・六キロメートルのうち和歌山県側は和歌山北バイパスの二・二キロメートルが事業中で、去る四月二日に暫定供用がされたところでございます。大阪府側につきましても九キロメートルが事業中で、そのうち阪南市自然田から箱作の四・五キロメートルが四月十九日に暫定供用されております。
 また、和歌山北バイパスの工事に伴うJRの高架事業につきましては、現在用地買収がほぼ完了し、本年度から仮線工事に着工する予定でございます。
 次に、西脇山口線の進捗状況についてですが、本年四月に供用された和歌山北バイパスの効果を最大限に発揮させるためにも、西脇山口線の整備は重要と認識しております。
 まず栄谷から平井間につきましては、南海電鉄の高架部を和歌山市において事業中であります。既に用地買収は完了しておりまして、平成十六年度のできるだけ早い時期に供用する予定と聞いております。
 次に六十谷までの進捗状況についてですが、当路線は朝夕の渋滞が特に激しく、整備効果を早期に発揮させるため、混雑している交差点を優先的に整備するなど、きめ細かな対応を図っているところであります。和興団地入り口の交差点は暫定整備済みで、他の渋滞交差点につきましても十カ所以上の箇所において順次整備に取り組んでいるところであります。また、善明寺区間では用地買収中であり、六十谷駅付近では本年度から用地買収に着手しているところであります。
 以上であります。
○議長(尾崎要二君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 環境問題について、まず和歌山県地球温暖化防止実行計画の進捗状況と今後の取り組みについてお答えいたします。
 当実行計画は、県が率先して行動するため、省エネやグリーン購入などに取り組んでいるものでございます。その進捗状況についてでございますが、温室効果ガスの削減目標に対する直近の実績といたしまして、昨年六月に集計いたしました平成十三年度実績がございます。削減基準年である平成十一年度と使用量で比較いたしますと、平成十三年度は電気四・一%減、都市ガス二七%の減となってございます。一方、液化石油ガスなど焼却炉の新設により増加したエネルギーはあるものの、全体として温室効果ガス総排出量は平成十一年度比一三・一%の減少となり、目標の平成十六年度における対平成十一年度比六%減を既に達成しております。これは、コージェネレーション発電装置の適正運用を初め、職員の省エネ努力によるものと考えております。
 次に、和歌山県地球温暖化防止実行計画推進会議の開催状況及び今後の取り組みについてでございますが、推進会議は、実行計画の進行管理を行うとともに計画の見直しについても検討するため、毎年開催いたしております。進行管理に当たりましては、毎月の集中取り組み目標を定め、地方機関も含め各所属のエコオフィス推進員を通じ周知徹底を図っているところでございます。
 昨年の会議におきまして、平成十三年度で既に削減目標を達成していることから、見直しの必要性についての意見が出されたところでございます。そのため、間もなくまとまります平成十四年度の集計結果を考慮し、目標の再設定を行うことも含め、計画の見直しを検討したいと考えているところであります。
 次に、橋本市の産廃処理場用地買い上げ後の対応策についてお答えいたします。
 当該用地につきましては、地権者から訴えられていた損害賠償請求事件の中で和歌山地裁裁判長から和解勧告があり、裁判所が選任する土地鑑定人の鑑定価格で土地を購入することを昨年十二月の県議会でご承認いただきました。その鑑定結果が今月十一日に明らかになったことに伴いまして、当該土地購入費を補正予算としてお願いしているところでございます。
 これは、公聴会における住民からの土地取得の要請やダイオキシン類問題検討委員会からの公的管理の提言を踏まえたものであり、これにより当該地のダイオキシン類問題における恒久対策であるジオメルト工による無害化処理の実施、コンクリートボックスによる封じ込め対策、さらには水質検査等を確実に行うことができるとともに、二度と不法投棄をさせないように公的管理を行ってまいります。
 今後とも、地元住民の方々及び橋本市とで構成する対策協議会と環境保全協定に基づく協定会議で十分協議してまいりたいと存じます。
 続きまして、県内不法投棄問題箇所とそれについての考え方についてでございますが、平成十三年度の環境省の調査依頼に基づきまして、市町村に対し過去の負の遺産としてのごみ山調査をいたしました。その結果、十三件の報告があり、現地調査したところ、法律による原状回復等の措置命令の対象となり得る生活環境保全上の支障はないものの、地域の振興や美観形成、防災面等の支障となっているもので市町村、地元自治会や住民等から原状回復の強い要望がある案件が数件ございました。これらを市町村がみずから原状回復する場合に、今年度からの県単独新規事業として費用の二分の一以内、三千万円を限度とする不法投棄廃棄物等原状回復特別支援事業を創設いたしました。今後とも、この制度を積極的に活用していただき、関係市町村とともに負の遺産の解消に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 防災対策についてお答えを申し上げます。
 まず、議員ご指摘の防災ネットワークにつきましては、近畿総合通信局が設置をします産学官による広域巨大災害における情報通信の在り方に関する調査研究会における研究内容の一つの案とお聞きしておりまして、現在のところ詳細は承知しておりませんが、地震発生時における応急対策にも役立つものと考えられます。なお、本県もこの調査研究会への参画を要請されておりまして、この研究会の中で今後十分検討してまいりたいと考えております。
 次に、防災センター周辺の道路事情についてでございますが、防災センターは、災害発生後には災害対策本部を設置をしまして県の司令塔としての役割を担うものでありまして、災害発生時に各種災害対策用の車両が頻繁に出入りすることは想定しておりません。このことも踏まえまして、防災センターの敷地では平常時には現状のほぼ半数に当たります二十台程度の駐車場のみを予定しておりまして、また平常時の来庁者や緊急時におけます自衛隊を初めとした外来の関係車両の駐車場といたしましては、本庁及び隣接しました県民文化会館立体駐車場の活用を計画しておりますので、特に交通量が増大することはないと考えております。なお、北側からの徒歩による通路も新設をしまして、県庁など北側からのアクセスにも配慮いたします。
 このように、防災センター周辺では平常時はもとより緊急時においても車両の通行に重大な支障は生じないものと考えておりますが、今後とも、整備を進めるに当たりましては地域周辺への配慮などに十分留意してまいりたいと考えております。
 次に、防災ヘリポートとしての西防埋立地の活用についてのお尋ねでございますが、当該埋立地への防災ヘリポートの設置につきましては、隣接地及びその周辺区域が石油コンビナート等災害防止法に基づく特別防災区域に指定されておりまして飛行制限があること、また隣地にはLNG火力発電所が建設される予定となっておりますことから、防災ヘリポートとして適当な場所であるのかどうかという問題がございます。また、それ以前に、特に需要の面で果たして常設の防災ヘリポートが必要なのかどうかなど、さまざまな観点からの検討が必要でありまして、いずれにしても十分な研究が必要であると考えております。
○議長(尾崎要二君) 警察本部長高綱直良君。
  〔高綱直良君、登壇〕
○警察本部長(高綱直良君) 初めに、エコポリスについてお答えを申し上げます。
 県警察では、増加する産業廃棄物の不法投棄等、悪質な環境犯罪から県民の生命、身体を守るため、平成十三年四月一日、全国に先駆けて環境機動捜査隊、通称エコポリスを発足させているところでございます。
 この環境機動捜査隊の体制は、取り締まりの中核となります本部の捜査班及び県下十四の警察署を四ブロックに分けたブロック捜査班のほか、水上警察隊の警備艇を活用した水上監視班、警察航空隊のヘリコプターを活用した航空監視班で構成する隊長以下約五十名の体制でございます。また、民間の方々からの具体的な協力を得るため、五十九名の県民の方を紀の国環境モニターとして委嘱させていただき、不法投棄事犯等について通報をいただいているところでございます。
 警察といたしましては、産業廃棄物の不法投棄事案等環境犯罪のうち、特に県民の健康を直接脅かす有害物質に係る事犯、そして行政指導を無視して行われる事犯、さらに暴力団が介在する事犯など、悪質な事犯に重点を指向し、知事部局を初め関係機関との緊密な連携のもとに取り締まりを強化してきているところでございます。最近におきましては、本年一月に検挙いたしました新宮市内における産業廃棄物無許可処分業事件、また本年三月に検挙いたしましたかつらぎ町天野における産業廃棄物不法投棄事件などを検挙し、環境機動捜査隊発足以来これまでに八十六件、百七名、十三の法人を検挙してきているところでございます。
 今後とも環境機動捜査隊エコポリスによる取り締まりを継続してまいりますとともに、知事部局等との連携や県民の皆様のご協力をいただきながら、環境犯罪の未然防止に一層努めてまいる所存でございます。
 続いて、和歌山市内の幹線道路における恒常的な駐停車対策についてお答えを申し上げます。
 幹線道路における違法な駐停車の問題は、議員ご指摘のとおり、交通の安全と円滑に極めて大きな影響を及ぼすものと考えております。これらの違法な駐停車がなされます背景には、交通マナーの欠如を初め、短時間駐車の需要にこたえる駐車場設備や駐車場の施設を周知するための情報提供等の問題が考えられているところであります。
 そうした背景を踏まえまして、これまでに短時間の駐車需要にこたえるためのパーキングチケット発給設備を導入したほか、和歌山市当局においても駐車場案内システムを設置・運用いただいているところであります。
 また、運転者のマナーに関しましては、各種運転者教育の場におきまして、違法駐車の及ぼす危険性や迷惑性、この周知徹底を図っておりますほか、地域交通安全活動推進委員を初めとするボランティアの方々とも緊密に連携をして広報・啓発・指導活動を展開いたしますとともに、幹線道路における悪質な違法駐車に対しましては重点的な取り締まりを実施してまいっておるところであります。
 今後ともこうした各種対策を積極的に推進して、とりわけ幹線道路における違法な駐停車車両の積極的な排除に努めてまいる所存でございます。
 続きまして、県下の交通事故の推移とシルバードライバーの対策についてお答えを申し上げます。
 県下の交通事故の発生状況につきましては、平成四年から平成十三年まで十年連続をして増加傾向を示し続けておりましたが、昨年(平成十四年)の発生件数は八千七百九十七件という数字でありまして、それにより亡くなられた死者の数が九十名、けがをされた負傷者が一万八百五十四名ということで、これは前の年(十三年)に比べまして発生件数、それから亡くなられた人の数、けがをされた負傷者の数、いずれも減少に転じたところであります。
 しかしながら、一方では高齢化の進展に伴いまして高齢ドライバーの交通事故が年々増加をしているという状況にございます。平成十年には全事故の約一五%であったものが十四年には全事故の一七%ということで、高齢者のドライバーによります事故は確実にふえてきている状況が認められます。こうした状況を踏まえまして、歩行者や自転車利用者などの交通弱者としての高齢者の方に対する対策とともに、ドライバーとしての高齢者の方に対する対策も極めて重要となってきております。
 私ども警察といたしましては、現在こうした高齢ドライバーの方の事故抑止対策としまして、昨年六月の改正道路交通法に基づいて、七十歳以上の免許保有者に対する高齢者講習を義務づけております。また、年をとられたことによる身体の機能の変化を客観的に把握をして、これに応じて自動車を安全に運転していただくために必要な技能と知識を習得していただくため、運転適性診断、そしてドライビングシミュレーター搭載の交通安全教育車「紀の国あんぜん号」の活用などによる参加・体験・実践型の交通安全教育、この実施に努めているところでございます。
 今後とも、高齢化の進展等を踏まえ、自治体等との連携をさらに強化をして、高齢ドライバーに対する有効な交通事故抑止対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十四番角田秀樹君。
○角田秀樹君 知事並びに関係部長よりご答弁をいただきました。
 先ほどのご答弁にもありましたように、高齢ドライバーの交通事故率が高齢化の進展に伴いまして増加傾向にございます。そこで、他県での取り組みをご紹介をさせていただきますが、静岡県では、高齢ドライバー対策の一つとして、六十五歳または七十歳以上の方を対象として、自動車運転免許証を自主返納された方の移動手段の確保から、公共交通機関を利用するために交通事業者と関係行政機関との連携でシルバーワイドフリー定期券といったものを発行し、高齢者の事故防止の促進に取り組まれております。また、秋田県でも同様の取り組みがなされているようであります。
 本県でも、先ほどの推移を見ますと、高齢ドライバーの今後の交通事故防止策としての観点からぜひともまたご検討いただくことを強く要望をいたしまして、一般質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時十三分休憩
     ─────────────────────
  午後一時三分再開
○副議長(吉井和視君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 お許しをいただきました。早速、質問に入らせていただきます。
 まず初めに、知事にお尋ねをいたします。
 昨年の九月、五人の日本人が二十数年ぶりにふるさと日本の土を踏み締めました。この人たちは、自分の意志で異国の地に渡ったのではなく、拉致というテロによって連れ去られた人たちです。飛行機からおりてくるあの姿を、日本じゅうの何人の人が手をたたき、涙を流してテレビを見ていたのでしょうか。帰りたくても帰れない。多感な青春時代を、母国ではない肉親のいない地で、厳しく、つらい生活を余儀なくされてきたのです。今なお子供を残したまま。多くは語りません。拉致関係の被害者やご家族の方々のことを思うと、同じ国民として何かできることはないかと考えておられる方も多いと思います。この事件に関して、知事の所見を伺います。
 次に、移ります。
 知事は、常々、和歌山には和歌山スタイルの道づくりがあってもよいというふうに提案をしています。何事にも和歌山らしさや地域の状況に合った町づくりが望まれていますし、私もそれには賛成をいたします。全国同じ金太郎あめでは特色や個性は出てきません。高速道路にも、私は和歌山らしさがあってもよいと考えますし、今まで多くの先輩・同僚議員が提案をしてまいりました阪和自動車道の北インター(ハーフインター)の設置を強く要望し、質問をいたします。
 私は、和歌山市の河西地区に住んでいます。この地区に住む人たちは、前から高速道路ができてもインターまで時間がかかるというふうに言っておられます。例えば、私が家を出て京都に向かうとします。まず、紀の川大橋を南へ渡ります。そして、和歌山インターで阪和自動車道に乗りまして、もう一度紀の川を今度は北に渡ります。何か遠回りをしているようであります。間違いなく遠回りです。何度か、今度は家から白浜の方に走る機会がありました。私は、医大の前を通って海南のインターで乗ります。何と、ここには二つのインターチェンジがあるのであります。何とうらやましいことか、これが知事の言う和歌山らしい道づくりなのかと思ってしまうわけですが、そうではないと思います。
 今、担当部局では、県道粉河加太線、西脇山口線の改良工事を一生懸命頑張ってくれています。このすぐ近くに阪和自動車道が通っています。ここにおりるのはそう難しい話ではないと考えますが、部長いかがですか。今まで、どれだけの先輩・同僚議員が本会議や委員会で質問をしてきましたか。部長も和歌山が長いので理解をしてくれていると思いますが、どうしても和歌山北インターをつくるべきと考えての質問であります。そこのところを十分考えていただき、答弁を期待いたします。
 また、この四月に紀の国大橋が開通をいたしました。何度かすばらしい橋を渡り、便利さを享受いたしておりますが、そのおかげで頻繁に利用する紀の川大橋の交通停滞が十分と緩和をされました。これは、交通量の数字にあらわれるとともに、毎日利用する者の実感としても走りやすくなっております。大きな道ができることの効果は大変大きなものがあります。
 そこで私は、これは北島橋をかけかえる提案をするよいチャンスと考えました。前々から、北島橋は大丈夫なのか、東南海・南海地震に耐えられるのかということを考えていました。行政の使命の一つに、安全で安心できる町づくりがあると考えます。十年、二十年、いや、あす来るかもしれない地震に備えて、今から準備に入ってほしいと願うものです。
 しかし、北島橋には大きな欠点があるように思えます。それは、かけかえをする場合に仮橋がつくれないのではないかという技術的な疑問であります。それを可能にするのが紀の国大橋であり、紀の川河口にかかるみなと大橋であるようにも考えます。そしてもう一つ、紀の川大堰の上部がもうすぐ通行できるようになるだろうと思うと、北島橋を通行どめにしても、河口のみなと大橋をその期間だけ、現在は有料でありますが、これを無料にする。そういう手法を用いることによって交通停滞の緩和にも役立つように考えます。ぜひとも、防災意識を持ち、安全で安心できる町づくりのため北島橋のかけかえを提案するものです。部長の前向きの答弁をお願いいたします。
 ただし、北島橋のかけかえが終われば、次に古い橋として六十谷橋があります。これも順次そのようにしていかなくてはと思います。
 三番目の質問として、県民の健康について取り上げます。
 私も五十歳を過ぎました。健康に注意をする年齢だと思います。特に最近、周りからがんという病名について随分聞くようになりました。とても嫌な言葉です。何とかこのがんをやっつけられないか、がんを殺す薬はできないのか、そんなことを思います。病気になって、初めて健康のありがたさを知ります。
 今年の一月、天皇陛下が前立腺がんの摘出手術を受けました。日本のがん患者の一位は胃がんであります。アメリカでは、この前立腺がんが一位を占めています。前立腺がんは、男性だけの病気であります。それも、五十歳を過ぎてからの発症がほとんどであります。死亡者数でも、アメリカでは二位となっております。一方我が国では、まだそれほど多くはないのですが、着実に増加傾向を示しています。統計によると、一九九〇年、前立腺がんでの死亡者数は約三千五百人、二〇〇〇年では約七千人となっており、二〇一五年には一万四千人と予測されています。この増加率はすべてのがんにおいて一番高い伸び率を示していますし、世界でも二番目の伸び率を統計が示しています。県立医大の患者数でも、一九九〇年には十名でありました。二〇〇〇年の数字を見てみますと六十一名となっており、六倍の増加であります。日本人の食生活や生活様式が欧米に近づくにつれ、同じようにふえているのが読み取れます。
 前立腺がんによる検査はPSA検査と呼ばれ、この検査によって診断能力が飛躍的に進歩をしています。早期発見が大変可能となってまいりました。今、がん検診では、胃がん、子宮がん、乳がん、肺がん、大腸がんの五項目で、この前立腺がんの検査が含まれていません。中高年の男性が検診を受ける機会をふやすことにより早期発見ができたなら、治療費の軽減はもとより、経済的な側面からも大変重要と考えます。前立腺がんによる死亡例の急増が予想される中、啓発も含め、前立腺がんの検診を普及させることが急務と考えます。各市町村と県が連携をして、県民の健康管理に取り組んでほしいと思いますし、大いなるバックアップを期待し、福祉保健部長の答弁を求め、一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 拉致問題につきましては、五名の方の帰国の後も、家族離散という耐えがたい状態が続き、いまだ安否のほどが確認されていない拉致被害者の方の事実解明も進まない現状の中、被害者やご家族のご心境は察するに余りあるものがあります。そのような状況のもと、拉致被害者家族の会の皆様方の国内外での理解、支援に向けた連日のご活動が、日本のみならず世界の世論を揺り動かし、四月の国連人権委員会や先日のエビアンサミットにおいて各国の共感と支持を得るようになったところでございます。ご家族の皆様方の昼夜を分かたぬご努力には本当に頭が下がる思いでございます。
 私も、行政に携わる者として、拉致問題の一刻も早い解決を願い、今後の国におけるさらなる対応を望むとともに、県民の理解や県内における機運の醸成に向けた取り組みにはできる限り協力してまいりたいと考えております。
○副議長(吉井和視君) 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) まず、北インターの設置についてのご質問にお答えいたします。
 高速道路に新たにインターチェンジを追加する制度としましては、開発インターチェンジ制度と地域活性化インターチェンジ制度があります。このいずれの制度におきましても、町づくりに資することがその要件となっております。このため、和歌山北インターチェンジの設置につきましては、今後、和歌山市が主体的に取り組む町づくりを前提に、広域的な交通体系の中で必要性、可能性について検討を行ってまいります。
 次に、北島橋のかけかえについてのご質問にお答えいたします。
 一般的に橋梁のかけかえは、耐震対策よりも老朽化対策や狭小幅員の拡幅の観点から実施しております。北島橋のかけかえについては、多大な事業費と施工方法に課題があり、当面の老朽化対策としまして、来年度から橋脚とけたの補強を行う予定でございます。
 なお、本橋の耐震対策については、主に横揺れに対するけたの連結工事が実施してあります。
 以上であります。
○副議長(吉井和視君) 福祉保健部長白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○福祉保健部長(白原勝文君) 前立腺がん検診につきましてお答えいたします。
 前立腺がんにつきましては、議員ご指摘のとおり、近年高い伸びを示しており、またこれから二十年間に三倍近く増加するとの予想もされております。このため、前立腺がん検診の普及による早期発見や対応が課題となっております。現在、県内では有田市と吉備町が前立腺がん検診を検診のメニューとして希望者に実施しておりますが、これらは研究事業として実施しているものでございます。
 前立腺がんに関する検診と治療については、今も各種研究がなされており、専門家の間でもいろいろな意見や見解がありますが、県といたしましては、各種情報を収集し、市町村に提供するとともに、関係機関や専門家の意見等もお聞きする中で、検診の普及や市町村での検診の導入等について検討してまいりたいと考えます。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四番新島 雄君。
○新島 雄君 まず、拉致関係です。
 この拉致に関しては、きょうもニュースで見ましたが、被害者、ご家族の方たちが韓国の方へ行ってお話をしてくるというふうにきょう旅立たれたようであります。そんな中で、私たち自由民主党県議団も何らかの支援をしていきたい、そのようにも考えておりますので、その節は、県当局並びに皆さん方にご支援、ご協力をお願いしたいな、そのように思います。
 また、福祉保健部長から答弁をいただきました前立腺がんであります。
 調べていきますと、資料や統計的な判断基準がまだまだ少ないのかな、そうも考えます。その辺は私も十分理解をしているつもりです。しかし現在、和歌山市では基本健康調査というのが行われております。その中でC型肝炎が、五年区切りですが、四十歳から診断をしていただける、そのようにも聞いております。まあ、前立腺がんだけを取り上げれば、私は五十五歳からの検診でもいいのかな、そのようにも考えております。五年刻みでも、何らかの形で早期発見、また県民の福祉、健康ということを考えていく中で必要になってくるのではないか、そのように考えておりますので、これからの研究をお願いし、要望としておきます。
 そして、道についてであります。
 部長から答弁をいただきました。今まで、先輩・同僚議員が何度となく提案もしてきたと思います。今回の答弁を聞いておりますと、県の問題ではない、これは市の問題なんだ、そのように受け取ってしまいます。それでは、県として、今まで委員会や議会でその質問があった折、和歌山市に対して、こういう要望があるよ、こういう質問があったよということは和歌山市の方に伝わっているのかどうか、そして伝わっているのであれば和歌山市の姿勢はどうなのか、お答えをいただきたいと思います。
 そして、北島橋に関することであります。
 この橋は、昭和十一年につくられております。六十七年前になりますか、もうそれだけたった古い橋であります。知事も一生懸命、東南海・南海地震について、安全な和歌山県をつくりたい、安心できて、誇れる町をつくりたい、そんな中で活動もしております。老朽化であることは明白だと思います。では、補修をしていく、修理をしていく、そんな答弁がありましたが、いつまでこれを続けるおつもりなのか。来年度から補強をするんだ、そういう答弁でありましたが、では地震に耐えられる補強をするのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(吉井和視君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) まず北インターの設置についての再質問でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、インターチェンジができますと、それが町づくりに対して相当なインパクトがあると、逆に言うと、町づくりの中にきちっとそれが位置づけられていないと、そのインパクトを受けとめることがなかなかできないというところもありまして、そういう意味においては、北インターチェンジの設置が予想される周辺におきましてどういった町づくりがなされるかと、この辺を見守っているというところでございます。
 次に北島橋のかけかえについてのご質問ですが、先ほどご答弁申し上げたとおり、老朽化という点からは、来年度から橋脚とけたの補強を行う予定でございます。これによって、ある程度の地震に対する耐荷力の向上というところも見込めるところでございます。また、主に横揺れ対策でございますけれども、東南海・南海地震につきましては横揺れというものが主なものと考えておりまして、それに対してはけたの連結工事が既に実施してあるというところでございます。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「答弁の内容が違いますが、なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(吉井和視君) 再々質問を許します。
 四番新島 雄君。
○新島 雄君 ちょっと質問の趣旨とは違う答弁であったと思います。もう一度質問をいたします。
 本会議や委員会で、北インターの要望や質問が今まであったと思います。その要望や質問に対して、和歌山市がすることであれば、県議会でこういう質問がありました、こういう要望がありますよ、和歌山市さんはどう考えていますかというのが市へ伝わっているのかどうかが一点です。
 そしてもう一つは、伝わっているのであれば、和歌山市はどう考えているか、県はそれに対してどうお話をしているのかお答えをいただきたいというのが北インターに対する再質問でありました。もう一度答弁をお願いいたします。
 そして、北島橋に関する地震に対してですが、横揺れが主であるという判断をされたようでありますけれども、それはもう十分やっておるんだというふうにお答えをいただきました。ということは、地震に対応できるというふうに理解していいんですね。それは十分なされているというふうに受け取っていいんですね、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(吉井和視君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) 先ほどもご答弁申しましたように、北インターの設置というもの、インターチェンジは町づくりの中のかなめであるという点から、市の方での町づくりの構想というものを注視しているというところでございます。都市計画の前提でマスタープランというものも市の方で検討中というところでございますので、そういったものを注視していくということで考えてございます。
 それから北島橋のかけかえについて、耐震上どうか、十分かという点につきましては、横揺れ対策はさせていただいているわけですけれども、縦揺れというところも可能性があるわけですので、それについては今後も検討していきたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十二番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 ただいま議長のお許しを得ましたので、質問をさせていただきたいと思います。初めての質問でございます。どうぞ皆さん、よろしくお願い申し上げます。
 さて、最初は教育の問題でございます。
 今、不登校の問題、学力の問題、教育をめぐる問題は大変深刻でございます。学校はますます忙しくなって、子供たちが追われるようになって、そして子供たちがあえいでいる。精神疾患に追い込まれる教職員もふえております。また、熱心な先生がバーンアウトするという、そういう問題もよくございます。私は、先日、不登校の子供たちを持っているお母さんたちとの懇談をさせていただく機会がありました。お母さんたちの声を聞きますと、学校に対する厳しい注文が聞かれます。例えば不登校の問題では、これまでは登校刺激といって──早く学校に来なさいということを登校刺激というんですが、そういう登校刺激を避けて、子供が力をつけてくるまでじっくり待つということが言われてきた、そのことを理由に余り先生が家庭訪問もしてくれない、こういう声もお聞きしました。一方では今度、文部科学省が、登校刺激をやや重視し始めたことを受けて、以前のように無理に学校に来なさいという、そういう指導が復活しやしないか、こんなことが心配なんです、こう言うお母さんもいらっしゃいました。今学校は、そして教育関係者はこうした保護者の声にしっかり耳を傾けて、教育現場に保護者の声が届くようにしなければならないというふうに思っています。
 ところで今、文部科学省も、そして県の教育委員会も、口を開けば「教育改革」でございます。ここに、きれいなパンフレットがございます。文部科学省がつくったものですが、この表紙に、大きな字を書いている。読んでみますと、こう書いています。「変わらない 変わります 変わる 変われば 変わろう」。昔、国語で習った五段階活用というんでしょうか。私は、これを見ながら、何か魔法遣いの呪文のように聞こえる。こんなことをあちこちで申し上げたことがあるわけでございます。変わろう、変わろう、変わる、変わらない、変わろう、変わろう、何か変わることが目的みたいでございます。
 さて、私は長い間、教職員組合の役員をしておりました。最後は委員長をさせていただいたんですが、そのまだ副委員長をしていたころに、県内の市町村を回って、市町村長さんや、市町村の教育長さんとの懇談をしに回ったことがございます。二十数市町村まで回りました。こんなことを申し上げたんです。いつも組合が来させていただくときは何か要求を持ってお願いに来ることが多いんです、しかし、きょうは違うんです、教育問題が大変深刻になっている中で、教育問題とそして私たち教職員組合について町長さん、教育長さんのご意見をいただきたい、そして私たちが考えていることも申し上げて、教育を守るために力を合わせていきたいと思うんです、こういうことを申し上げて懇談に入ったわけであります。そうすると、ある町長さん、おっしゃいました。教職員組合の本部の方が懇談に来るなんということは前例がありません、大体、教育のことを一番よく知っているあなた方が私たちのような教育の問題に素人である町長に意見を聞きたいとは一体どういうことですか、こんなふうにおっしゃった町長さんがいらっしゃいました。私は申し上げました。教育のことは学校が一番よく知っているなどというふうに思ったらだめだと思っているんです、皆さんのご意見もお聞きするし力もおかりしたい、そして教職員組合に対する耳の痛い話だって、きょうは聞くつもりで来ました、こういうふうに申し上げますと、話が弾んだわけであります。それはそうです。子供たちというのは、町長さんにとっては宝物でございます。町の宝物である子供と教育に対する町長さんたちの思いはいっぱいです。たくさん話が弾んだわけでございます。
 なぜ私が質問の前段でこういうことを申し上げるのかと言いますと、教育の問題というのは、子供を真ん中に置いて、保護者、教職員、そして教育行政がじっくりと話し合えば必ず一致点をつくり出せるし、たとえ回り道のように見えても、そのことが何よりも重要だと私は考えるからであります。その際に、保護者の方も、そして教職員も、それは教職員組合も同じですが、そして教育行政も、自分だけが一番正しい、自分の言うことは絶対だと、こういうふうに思うことはよくありません。たとえ違った意見であっても、あるいは相手の意見が多少間違っていると思っても、一たんその声を聞いて、そしてその声の後ろにどんな子供に対する願いがあるのか、そういうものをよく受けとめる、こういう態度が大変大事だと思って、私は教職員組合の委員長をしてまいりました。そういうスタンスで教育行政の皆さんのところも回ったし、そしてPTAの役員の皆さんとも合意を図る努力をしてきたわけでございます。こうした私たちのスタンスから言って、県の教育委員会が進められている施策は、多少気になるわけでございます。
 高校学区撤廃が行われました。中高一貫教育のための県立中学校も検討されています。そして、ことしの秋には学力診断テストを実施して、その結果を学校ごとに公表することも含めて検討されているように聞いています。そのことが、本当に教育関係者の合意を得てやられているのか。
 学力診断テストについて少しお話ししてみたいんですが、今、教科書が大変薄くなって、今の学校で子供の基礎学力がつけられているのかどうか心配だ、こういう声がたくさんあることは事実でございます。その対応の一つとして、子供たちの学力の実態を把握することも、これも大事なことでございます。しかし、この学力テストというものについては、歴史を振り返ってみると二つの経験がございます。大変害を起こした経験と大変よかったと思う経験と二つお話ししてみたいんですが。
 第一は、一九六〇年代、文部省が全国的に実施した全国一斉学力テストでありました。香川、愛媛などの県で、例えばある学校の学年で社会科の平均点が九十七点だという学校があった。異常に高い点数です。しかし、その裏でどうも教育がゆがんでいるらしい、こういう話になって、東京大学に宗像誠也という有名な教育学者がおられましたけれども、その方を含めた学術調査団が香川、愛媛に入ったわけであります。そこで明らかになったのは、テスト準備の教育が過熱していること、テスト当日、成績の悪い子供を休ませるなどというひどい実態が明らかになったわけであります。ここに一冊、岩波新書の本がございますが、こう書いています。「毎日新聞の連載「教育の森」などで明らかにされたが、連日の補習授業、学力調査に合わせたカリキュラム編成、さらにはテスト中に教師が正解を教えてまわったり、学力の低い子どもをテスト当日欠席させて平均点を上げるといった不正まで行なわれた」。そのもとにある「教育の森」、毎日新聞に連載され、今「新・教育の森」という連載になっていますが、この「教育の森」が一冊の本になったものです。何冊もありますが、そのうち、この学力テストのことについて触れたこの巻です。大変詳しく、そういう実態が書かれています。「愛媛残酷物語」とまで言われて、こういうことが全国に知れ渡り、とうとう数年後には学力テストが中止になったわけでございます。これがマイナスの方の経験でございます。
 もう一つの経験は、和歌山県の話ですが、一九七八年に実施された同和教育学力調査であります。この学力調査をめぐって、教育委員会と教職員組合の間で何度も話し合いが行われました。話し合いの中で中心になった問題の一つは、香川、愛媛のような学校間、学級間の提げ比べ、過熱した成績競争になってはいけないという問題でございました。こうした話し合いによって合意が広がった結果、学力調査を実施してみると、県の教育委員会は、同和教育学力調査ですから同和地区を含む学校だけを対象にしてテスト問題を配ったわけです。ところが、そういう地区を含まない学校でも、うちもやってみようと、同じ問題をコピーして、そして自分の学校で独自に学力調査を実施した。そして、県の教育委員会が集約された全県的な集約と比較をして、うちの子供の学力はどうなのかという自主的な学校での討論が始まりました。この県の教育委員会が実施をした学力調査結果は、この立派な報告書の中に含まれています。同じ学力テストでも、合意を広げた上での学力調査と一方的な押しつけによる学力調査ではこんなに大きな違いがあるわけであります。
 私は、教育改革の取り組みでは、教育関係者の合意を大事にすることが何より大事だと考えます。また、学力診断テスト、今度やられる診断テストについては、かつての文部省学力テストの反省を十分踏まえるべきだと考えますが、教育長のお考えをお聞きしたいわけでございます。
 次に、教育問題で何よりも保護者の皆さんが願っているのは、一クラスの生徒数を少なくして、先生がじっくりと子供の声に耳を傾けられるようにする問題です。イーデス・ハンソンさん、元県教育長の井上光雄さん、元県PTA会長の高木歓恒さん、さまざまな皆さんによる三十人学級を求めるアピールというものが出されまして、それを支持する署名は十五万筆に上っております。県下三十二の市町村でも、それを求める決議が上げられているわけであります。このたび、和歌山県でも小学校一年生で少人数学級への第一歩が踏み出されました。三十八人、三十九人の二学級になるところを三つに分けて、二十六人、二十六人、二十五人という三学級の少人数学級にしてもらった。大変うれしいという声をたくさんお聞きしております。当然、この措置は学年進行──学年進行というのは、今一年生ですが二年生になってもそのまま三学級で行くという学年進行で広げられるものと思っておりましたが、まだそこまではきちんと約束されていないということでございます。もしも二年生でこの措置が引き継がれないとすれば、二十五人の学級で勉強した子供が、二年生になると突然四十人近い学級で勉強することになるわけであります。
 かつて、ある地方でこんな経験がございます。三つの小さい中学校が合併をした。そして、大変立派な校舎を建てていただきました。大変、教育委員会頑張ってくれたな、こう思いました。しかし、その新しい、すばらしい校舎に生徒が集まってスタートした学年が荒れているという報告が来たわけです。なぜなんだろうか。これまで十二人、十五人という小さい学級で勉強した子供たちが、突然四十人のクラスに入るわけです。それまで注がれていた先生のまなざしが、三分の一になるわけです。僕の声を聞いてくれないと思う生徒が出てきたわけでございましょう。もちろん、そういうことにならないように、教員の側でもそういうことを十分配慮して指導することは大事なんですが、私はそういうことも考えるときに、せっかく踏み出した第一歩でございます、学年進行で進めること、この少人数学級をさらに進めることについて教育長の決意をお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
 第二番目の問題に入ります。道路問題であります。
 私の前任者の中山豊議員は、「道路の中山」というふうに言われていたそうであります。私もそれを受け継いで、道路問題を大事にしていきたいと思います。それは、私の地域海南市を考える場合に、道路の問題は避けて通れない大変たくさんの問題を抱えているからでございます。和歌山から下津、有田につなぐ国道四十二号、海南市の動脈でもある国道三百七十号、海南金屋線、黒沢を通る国道四百二十四号など懸案がございます。さらに、工事が進んでいる海南市内の岡田の道路、くも池付近の道路の拡張も急がれるところでございます。たくさんの問題がございますが、きょうはその中でも国道四十二号、そのバイパスの問題でございます。
 海南、下津、有田の関係自治体でつくっている国道四十二号・有田下津海南間整備促進協議会で要望がまとまりました。トンネルの多いルートで大変な予算もかかりますけれども、必要な生活道路でございます。海南市の冷水という地域に住んでいる方が、目の前に家があるのに、渋滞でなかなか目の前の家までたどり着けない、こういうふうに言われたこともあります。国道四十二号の渋滞を解消するために、ぜひとも早期の実現をお願いしたいわけでございます。
 道路問題でもう一つの大きな問題、それは国道三百七十号の海南の動脈である、そして高野山に向かう道路であります、世界遺産登録を前にして大きなイベントが行われる、これからも大変大事な、大阪方面から高野山へ、近畿自動車道を通っての大事なコースでございます。懸案の阪井バイパス実現へ、ぜひとも力を入れていただきたい。この二つの問題について、県土整備部長のお考えをお聞かせいただきたいわけでございます。
 それとともに、美里のかじか荘、または赤木というあたりに道の駅をつくってほしいという声もございます。県下各地に道の駅がございますが、この国道三百七十号、一つも道の駅がないわけでございます。きれいなトイレをつくり、土産物や地元の農産物も置いて地域の活性化にも役立てる。地元から具体的な要求が上がった折には、ぜひともご支援いただけますようお願い申し上げます。
 第三の問題に入ります。第三は、災害問題でございます。
 先日、七・一八水害を振り返る河川課で作成されたビデオも見せていただきました。また、開会日の木村知事のお話にあった防災センターの計画にしても、防災問題への知事さんの並々ならぬ決意が感じられるわけでございます。
 ところで、防災センターを置いて、コンピューターで情報を管理・発信するということはもちろん大事なことなのですが、同時に防災センターでは行政の末端まで県民の命にかかわる問題はほうっておかないという血の通った行政姿勢が大切だと考えるわけです。よく新聞で土砂災害の記事がある。その後ろに、大抵コメントがつきます。「これは人災ではなかろうか」というふうに新聞記者のコメントがつく場合がございます。そういうことになってはいけない。例えば、海南市の南野上で山からの鉄砲水が人家を直撃するという訴えがございます。いつ土砂崩れが起こるかもしれないと訴えられるわけです。決して、担当者はほうっているわけではございません。しかし、いろいろネックがある。急渓流対策をやりたいんだが、なかなか山の持ち主の協力が得られない場合もありますし、壁が一つあると、そこで計画がとんざしてしまう。しかし、災害にかかわる問題、人命にかかわる問題であるならば、山全体の水の流れを工夫することも含めて、さまざまな方面から解決をしてほしい。こういうことで、行政の担当の皆さんと、私どもも今お話をしているところです。
 教育の場の問題で、一つ例を挙げてみたいと思います。
 和歌山市に、虎伏学園という福祉施設がございます。家庭崩壊で病弱な子供たちがお世話になっている大事な施設です。その建物の二階に、虎伏分校という小中学校の分校の教室が乗っているわけです。びっくりするようなこともございます。その教室に行ってみると──教室というのは、廊下に向かって出口が二つあるのが普通の教室です。ところが、この教室は出口が一つしかない。出口が一つしかないのはまだわかります。出口を出ると廊下に出るのではなくて、次の教室に入る。教室に出るというのか、教室に入るというのかわかりませんが、その教室を通ってしか廊下の方へ行けないという、穴蔵のような教室で体の弱い子供たちが勉強しているわけでございます。もしも災害が起こったらどうなるのか。毎年、和歌山市の教職員組合は教室改築をと要求しているのに、なかなか改善されない。これは、教育行政と福祉行政の谷間にあるという、谷間の問題であります。行政担当者としても非常に難しいことはよくわかるんです。しかし、子供の命にかかわる問題であるならば、その谷間を乗り越えて改善するような教育の指導性が発揮されるべきであります。このことについて、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。
 そして、今申し上げましたような問題が至るところにあると思います。県民の命にかかわる問題を、行政の谷間、ネックがあるということで放置をしないという血の通った防災行政ということをお願いしたいわけでございます。この点について、総務部長さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 第四は、広域のごみ処理計画にかかわっての問題でございます。
 こういう計画書がつくられて、広域のごみ処理計画が各地で進められてまいりました。このたび、海南、海草、那賀、一市九町でつくっていた海南・海草・那賀広域ごみ処理施設建設協議会が解散をいたしました。もともと、広域ごみ処理計画については批判もありまして、大量消費、大量廃棄の社会経済活動を転換させることが基礎に置かれていないところに問題がある、こういう趣旨のことを二〇〇二年二月に県議会で中山県会議員も指摘をしました。そして海南市では、既にごみ処理施設を改善していたのに二重投資だという批判があったところであります。しかし、この計画は県の積極的な指導のもとに進められてきたと思うわけでございます。
 このたび、五月十二日に出された貴志川町のごみ処理問題検討委員会最終報告書というものを見ますと、海南・海草・那賀広域ごみ処理施設建設協議会が解散になった経過として、貴志川町水源としての地域特殊性、大型集中化と環境問題リスク、大量生産、大量投棄という問題に何の根本的解決策のないままでの受け入れることについての危惧を挙げ、そのことを町長に理解していただいたと書いています。これを見ても、一市九町での超広域ごみ処理という考え方そのものにかなり無理があったのではないかと考えるものでございます。同時に、新たなごみ処理場を必要としている町村もあるわけでございます。適切なごみ処理施設を建設して、市町村が自主的に考えたものを支援するようにしていただきたいと考えます。海南・海草・那賀広域ごみ処理施設建設協議会の解散を県としてどう受けとめておられるのか、またごみ処理施設を必要とする市町村への対応をどのように考えておられるのか、環境生活部長さんの見解をお伺いいたします。
 以上で、私の第一回の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 県土整備部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○県土整備部長(大山耕二君) 道路問題についてのご質問にお答えいたします。
 まず国道四十二号海南─下津─有田間についてでございますが、現在、国土交通省が二市一町の意見を聞きながらルート検討を進めているところであります。今後の見通しとしましては、当面、都市計画決定に向けて二市一町が町づくりの中に道路を位置づけ、ルート決定を国に働きかけることが必要と考えております。県としましても、今後の直轄事業の展開を視野に入れ、国に対し事業化を働きかけてまいります。
 次に、国道三百七十号阪井バイパスにつきましては、周辺の道路網や町づくりを踏まえ、以前に地元提示を行ったルートを基本に、国土交通省と協議中であります。今後とも、海南市とともに地元の理解を得ながら、早期の都市計画決定に向けて努力してまいります。
 以上でございます。
○副議長(吉井和視君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 災害問題についてお答えを申し上げます。
 災害対策は県民の命にかかわる最も重要な課題でありますが、とりわけその突発性、被害の甚大性等にかんがみれば、東南海・南海地震対策などは、まさに究極の災害対策であると考えております。
 県といたしましては、想定されますこの大災害から一人でも多くの県民の命を守るため、県政の最重要課題の一つとしてその取り組みを進めているところでございます。
 こうした大災害に確実に備えるためには、国、県、市町村、そして県民が一体となって取り組んでいく必要がありますし、行政には縦割りを排した横断的、総合的な取り組みが不可欠であります。災害対策の一体性を確保するため、風水害及び地震対策については地域防災計画を作成しますとともに、地震対策については地震防災対策特別措置法に基づく地震防災緊急事業五カ年計画を策定し、各事業を推進しているところでございますが、本年度には、県の全部局が一体となって地震防災対策を推進するため、地震防災対策アクションプログラムを作成することとしておりまして、知事以下各部長で構成する和歌山県防災対策推進会議を設置し、その検討を行っているところでございます。そうした取り組みの中で、職員の一人一人が災害対策の重要性を認識し、それぞれの所掌事務の中で課題に対応できるよう意識を高めるとともに、部局間の連携を一層強めてまいりたいと考えております。
○副議長(吉井和視君) 環境生活部長津本 清君。
  〔津本 清君、登壇〕
○環境生活部長(津本 清君) 広域ごみ処理計画について、海南・海草・那賀広域ごみ処理施設建設協議会解散をどう受けとめているのかということでございます。
 ごみ処理広域化計画は、国が示したガイドラインに従って、市町村と協議の上策定したものでございますが、海南・海草・那賀広域ブロックにつきましては、広域処理施設の建設候補地におきまして、地元の理解が得られなかったために、現在計画されている広域ブロックの事業の継続が困難になったものと受けとめてございます。
 ごみ処理の広域化につきましては、施設の高度化、スケールメリットによるダイオキシン類の発生抑制、余熱利用、リサイクルの推進など、効率的、経済的な廃棄物処理が期待できることから、循環型社会を形成していく上で重要な施策と考えておりますので、今後改めて関係市町と話し合い、当地域の課題、問題点を検討しつつ協議してまいる所存でございます。
○副議長(吉井和視君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 本年十一月に実施する学力診断テストは、学校週五日制のもと、新しい学習指導要領が実施される中で、児童生徒にどの程度学力が定着しているかを把握するため、県内すべての小中学校を対象に行うものでございます。その結果の分析をもとにして、学力の向上を目指した行政施策を総合的に行ってまいります。実施に当たっては、教育関係者や保護者の代表から成る学力診断テスト実行委員会を設置し、広く意見を聞くとともに、市町村教育委員会教育長や小中学校長からの理解と協力を得ているところです。
 次に少人数学級につきましては、本年度実施している小学校でどのような教育効果が得られるかを十分検証してまいります。
 次に社会福祉法人虎伏学園にある特殊学級の防災対策につきましては、設置者である和歌山市教育委員会を初め、関係機関の連携した対応が必要であると認識しております。
○副議長(吉井和視君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十二番雑賀光夫君。
○雑賀光夫君 まず、教育問題でございます。
 突っ込んだ議論はまた文教委員会でもやらせていただくとして、感想、意見だけを述べておきたいと思います。
 私は、教育にかかわる問題は、まどろっこしくても、子供を真ん中にして、保護者、教職員、教育行政の合意が大事だということを、くどいほどいろいろな話で申し上げたわけでございます。そのことについて教育長は何を回答したのかと言えば、学力診断テストをするための実行委員会をつくっている、実行委員会に各界の方が入っている、市町村教育委員会教育長や小中学校長からの理解と協力を得ている、こういうことを言われて、合意は大事にしているというふうにおっしゃったおつもりなんでしょう。ところがその実行委員会というのは、構成メンバーも議論の内容も明らかにされてはおりません。これが、もしも学力診断テスト問題作成委員会であれば、問題が漏れたらいけないからメンバーを明らかにできないなんてこともあるでしょう。しかし実行委員会であれば、その構成や論議の内容が公表されてしかるべきだと思います。少なくとも、教職員組合の代表はここには入っていないようであります。
 ILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」というものがございます。一九六六年に出されたものですが、その第三項「指導的諸原則」の九として、「教職員団体は、教育の進歩に大いに寄与できるものであり、したがって教育政策の決定に関与すべき勢力として認められなくてはならない」とされているわけであります。これが国際的常識でございます。これまで教育委員会は、このことを無視していたわけではない。この精神を大事にしてこられたというふうに私は思っています。
 その一例として、一九七八年に行われた学力調査、これは六〇年代の香川、愛媛の学力調査とは全く違ったということを申し上げたわけでございます。また、かつての高校教育協議会にしても、最近のきのくに教育協議会にしても、教育行政関係者、PTA代表、学校長、一般県民有識者とともに、教職員組合の代表、あるいはそこが推薦する現場の教職員が含まれ、その論議は公開されておりました。私は、学力診断テストについては、文部省学力テストという弊害の多かった経験、そして和歌山県の学習状況調査という経験を申し上げて、県民の皆さんの前に問題を提起したわけでございますから、その実行委員会というところでも、ひとつ私の提起を議論していただいて、またどういうメンバーで、どういう論議をしたのかも堂々とお示しいただきたいと思うわけでございます。検討の時間を与えるという意味で、要望意見にきょうはとどめておきたいと思います。
 次に、少人数学級の問題であります。
 教育長の言葉では、教育効果を十分検証ということになるわけですが、私もその教育効果についていろいろ聞いてまいりました。何人かの先生からお聞きしたんですが、一人の方は、昨年は二年生で三十八人のクラスを持っていました。もう一人の方は、三十八人のクラスを一年生のときに持ちました。低学年担任のベテランでございます。そして、ことし二十五人の一年生を持った。どうですかと聞きますと、授業中に教えた内容を子供がどこまで理解できたのかを確認し、その場で指導することもできます、子供一人一人への配慮をし、体調に合わせて指導できる、給食指導一つとってみても、食べるのが遅い子、好き嫌いのある子への励ましをすることもできる、子供のけんかへも丁重に対応することができる、こういうふうに言っておられました。こうした教育効果を十分つかんだ上で、来年度予算要求に生かしていただきたい。そして、その要求を受けとめる木村知事の教育への熱意に期待申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 第二番目に、防災問題でございます。
 私は、「行政の谷間」という言葉を使ったわけです。この行政の谷間というものは、行政に携わる皆さんにとっては大変怖いものでございます。なぜかと言うと、県民の皆さんが苦しんでいても、困っていても、自分の担当でないですから、行政担当者として責任や痛みを感じないで済ましてしまう場合があるという怖さであります。
 教育長は、虎伏分校の教室について、「関係機関の連携した対応が必要」とお答えいただいたんで、それでいいんですが、だれが担当であろうとも、そういう家庭崩壊で病弱という二重のハンディキャップを持った子供、その子供には一番教育の行政の光を当てなくてはならない、その子供たちが今、私が申し上げたようなそういう想像のつかないような教室で、そういう環境の中で勉強しているという事実、このことについては教育を担当する者としては許せない、ほうっておけないという気持ちを、連携の前にまず持っていただきたいわけでございます。総務部長なり、教育長なり、上の立場に立つ方が、そういう行政の谷間をつくらないという立場で対処していただけることが大変大事だと思っています。
 道路の問題は、これは大きな問題で、これから着手する問題でございます。よろしくお願いします。
 そして、広域ごみ処理施設については、一言申し上げておきますと、やはり県として大きなものはというそういう政策的指導があったように思います。これからは、地域の問題は地域が決める、地域の要望をよく聞いて、地域の要望に合ったものについて支援するようにお願いしたいということを申し上げまして、私の要望を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○副議長(吉井和視君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十二分散会

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