平成15年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(宗 正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十五番宗 正彦君。
  〔宗 正彦君、登壇〕(拍手)
○宗 正彦君 ただいま議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。ご清聴のほど、よろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、市町村の合併問題についてお尋ね申し上げたいと思うわけでございます。
 市町村の合併の問題は、過日、本議会でも論議されましたけれども、毎日の新聞、テレビなど、放送されない日はないと言ってよいような状況でございますが、和歌山県内においても、ご多分に漏れず、各所で話題となっております。合併特例法の期限である平成十七年三月末を控えて、少しずつ具体的な姿が見え始めてきたというのが現状でないかと思うのでございます。
 しかしながら、現在進もうとしている合併の形を幾つか見ていると、当初の期待とは裏腹に分裂、小規模化してきている感じがあります。果たしてそれでよいのであろうか。市町村合併は地域の実情と主体性のもとに関係市町村が合併協議会をつくり進めるべしとの考えは理解できるところでありますが、現在の合併の話題を拾ってみると、中には地域住民への十分な説明もないままに特定の人々あるいは集団だけの感情的論理だけで進められようとしているところがあるような気がしてならないのであります。ここはやはり、いま一度原点に立ち返り、県が中心となって和歌山県の将来を十分見据えながら地域の将来を真剣に見詰めて、より理想的な合併のあり方を、将来に禍根を残すことのない地方自治発展がための合併のあり方を考えてはいかがかと思うのでございます。昭和の大合併が進められた昭和三十年に町議会議員となり、当時の自治体の行く末を眺めてきた一人として、特に気にかかるものがございます。
 市町村合併は、国、地方を通じて、現在置かれている財政難から来る行政サービスの低下を防ぐために、同時に行政基盤の充実を目指すために有効な方策であるとするならば、一定の規模を確保してむしろ積極的に広域的な合併を論ずべきものだと思われます。
 そこで、次の点についてご意見をいただきたいと思います。
 県として現在の合併論議の行く末に対してどのような評価をされておりますか。
 二番目に、改めて適正規模の合併推進をするために積極的にリーダーシップを発揮する考えはございませんか。
 さらにまた、和歌山市は合併論議とはかけ離れているわけでありますが、周辺市町村の一部を取り込んで改めてより広域的な合併を考える方向を持ち得ないかどうか。
 また、当然、適正な合併規模が話題になってくるわけでありますが、和歌山県内において各地域における適正な合併規模について、改めて県のご意向を承りたいと思うのであります。
 次に、公共事業についてお尋ねいたします。
 今、我が国は非常に厳しい経済環境の中にあって、ちまたに公共事業にかかわる好ましからざる話題が多くなっております。国においては公共工事の見直しが叫ばれ、巨大プロジェクトの廃止・凍結等が議論されている状態でございます。しかしながら、和歌山県のような地方の、国土軸から離れた県は、道路を初めとする社会資本の充実整備がもともとおくれてきている状態であって、やっと地方における整備事業にも手が届くかのごとき環境になってきたときに再び見直し議論の中で取り残されようとしているありさまでございます。
 木村知事におかれても、このことに強く関心を持たれ、他の県の知事とともに国に対して地方の実情を訴えられ、整備を必要としている地方に関しては必要な工事すなわち社会資本の整備がおくれている地方を救済するようにと、行動を起こされてきております。今後も、木村知事を先頭にして関係者が思いを一つとなって一致団結して訴えていってほしいと、強く私は思うのでございます。
 さて、県内の実情を眺めてみたいと思いますが、県内の道路網の整備については木村知事を初め関係者皆さん方の必死の努力が身を結び、確かに和歌山県は昭和の時代を通じてそれなりに道路網は整備され、高速道路も間もなく田辺まで伸びようとしています。国道、県道は紀南地区、紀北地区の差別なく整備がされてきている感がするのであります。しかしながら、和歌山県内においても谷間に挟まれて取り残されている地域もあるのでございます。それは、海草地方の道路でございます。
 国道四十二号の下津町を中心とした渋滞解消の問題、国道三百七十号の拡幅整備、さらに野上電鉄廃線敷を道路に活用すべく取り組んできた県道奥佐々阪井線がまさにそれであります。地域住民の願いや期待は今、どのような状況に置かれているのでございましょうか。率直に申し上げます。裏切られているとの感が住民には充満していると思うのでございます。
 野鉄の廃線敷の活用については、国道三百七十号の代替道路として住民の期待は大変なものでありました。当時を振り返ってみますると、県道奥佐々阪井線の整備は、国道としての整備ではなく半島振興道路整備事業として取り組むことが最も効率的で早期の着工と完成を期待できるとの判断から、県が取り組むこととなったと記憶しております。さて、それからはや十年が経過しようとしているわけでありますが、野上町における整備は旧野鉄の登山口から楠木公園にかけての区間が整備されているだけで、野上町民が、地域の住民が最も期待を寄せている海南市への新橋にかけての区間に至っては、最近になってやっと着工の兆しが見えてきた程度の状態であります。
 さて、ここで次のことを当局にお伺いしたいと思います。
 国道三百七十号の野上町から美里町にかけての事業の進捗状況と平成十五年度以降のお考えについて、お示し願いたいと思います。
 さらにまた、野鉄廃線敷を含めて県道奥佐々阪井線の整備への取り組みがおくれてきたのはどのような事情によるものか、今後の整備計画と完成目標を公表していただきたいと思います。
 さらにまた、国道四十二号の渋滞解消に向かっての思い切った手段、抜本的な対策、計画をお示し願いたいと思うのでございます。
 先ほど申し上げましたように、長年にわたる、事あるごとに陳情、お願いをしてまいったわけでございますけれども、谷間に置かれた地域というものはかくのような状態でございます。地域住民にすればいつまで待てば国は県は整備してくれるのかと、その思いは今、絶望に変わろうとしているのでございます。このような切実な願いを、思いを推察していただいて、取り残された当地方の道路整備については県として改めて重点的に取り組む姿勢があるのかどうか、忌憚なくお考えをお示し願いたいと思います。
 次に、緑の雇用事業についてお尋ね申し上げます。
 木村知事が平成十三年八月に三重県知事と共同で提言されました緑の雇用事業は、その後、提言しただけでなく、さまざまな事業を通して積極的に動かれ、少しずつその成果を内外に示してこられております。緑の雇用事業は、知事も表明されているように、環境の保全を図りながら雇用の場を創出し、都市からの人の受け入れと定住の促進を図り、それによって地方の活性化を得ようとするものであり、単なる過疎対策ではないと思います。知事は、今後さらに緑の雇用担い手育成や各地域への定住を促進するための住宅整備を進めるべく関連事業を展開されるものと、大きな期待を寄せているところでございます。
 しかしながら、お聞きするところによりますと、雇用対策にかかわる国の予算措置は緊急雇用創出特別基金事業からのものであり、その雇用期間に至っては六カ月、再契約をして長くて一カ年間という期間が限定された事業でありまして、不安の残るところでございます。この点については知事もご存じのところであり、国に対して政策提言を行い、平成十四年度補正予算として緑の雇用担い手育成対策が計上されるに至り、全国的に注目されているところとなってございます。つまり、今後重要な点は継続的な雇用の創出が最も大事な問題であり、そのことが定住促進にとって重要な柱であると思うのであります。
 そこで、森林環境の保全と整備を通じて雇用を創出することに関して考えてみました。和歌山県の森林環境のうちで人工林の面積は二十万九千七百七十一ヘクタールで、人工林率は六〇・九%となっています。また、人工林に占める広葉樹の構成比率は〇・三九%であるが、天然林に占める広葉樹の構成比率は九三・二%と言われております。さらに、民有林における人工林の齢級構造を見ると七齢級から九齢級に相当する部分が五〇・三%近くを占めており、標準伐期齢に相当する立木が伐採されることなく育成されていることをあらわしています。これは、木材として代表的な杉、ヒノキの素材生産量の推移を見ると明らかでありますが、昭和五十五年をピークにして十二年度はピーク時の四八%近くまで減少しているとのことであります。県では平成十二年度から十六年度の五カ年計画で四万五千ヘクタールに及ぶ緊急間伐計画を作成していることから見て、人工林育成のあり方を考えなければならない重要な時期に来ていると感じさせます。
 では、なぜ林野行政において継続的な雇用の創出が困難であるのかと思えば、一つは木材としての価値が杉、ヒノキ、松などの針葉樹に偏ってしまっていることが挙げられます。木材需要の好ましくない環境のもとでは、放置林の増加を促進し、林業従事者の働く場を奪っていくことは当然であります。それは、和歌山県において森林面積のうち民有林が九五%近くを占めており、売れる木しか植えない、売れなければ手入れもしないという意味からすれば、やむを得ない結果かなとも思います。これ以上、新たな人工林の形成に投資がされるような環境でないということでございます。
 私は、戦後の林野行政の進め方に対して疑問を抱いておるのでございますが、ひたすら造林事業を優先させ、広葉樹の森を皆伐し、杉、ヒノキなどの針葉樹のみを植え続けた結果、山は我々国民に何をもたらしてくれたのであろうか。豊かな森の持つ水資源の涵養能力を低下させ、往々にして水不足問題を発生させ、さらには河川や海域における水産資源の枯渇さえ招いておるのであります。また、杉、ヒノキを植えられた森は風水害に対してももろく、平成十一年のあの台風のときにこれほどまでもと思わせるほどの倒木や地すべりの被害を県土にもたらしました。
 緑の雇用事業において、この針葉樹に偏った植林への考え方を転換して、風水害に強い森林の育成、「そだて!漁民の森」と言われるように、広葉樹林の持つ水資源の涵養能力や水産資源の育成能力など、すばらしい力を紀州和歌山の森によみがえらせる事業を今後育てていくことができないかと考えてみたいと思うのでございます。
 そこで、当然、今後の伐採後の森林形成に係り、広葉樹の構成比率を高めるための広報活動を推進して協力を求めていくとともに、県としても、県土の保全と豊かな水の確保など、目的を持って新たな人工林の一部を天然林に近づける事業を創出していってはどうでしょうか。また、国に対しては、今の人工林を伐採した跡地へ広葉樹林を植栽する場合には高率の補助金交付などの事業を展開していけば、広葉樹の苗木の育成や植えかえ作業等において新たな雇用の創出にもつなげていけるのではないでしょうか。ぜひ知事におかれても、緑の雇用事業のさらなる展開を図るために、国に対しましても地球温暖化対策として恒久的な森林整備の創出を働きかけていってほしいとお願い申し上げる次第でございます。
 そこで、次のことをお伺いいたしたいと思います。
 平成十五年においてどのようなお考えを持って事業を計画されているのか。さらにまた、緊急雇用創出事業としてはどの程度期待ができるのか。また、既に県も今後の重要な点であると認識されている継続的な雇用の創出に関してどのような事業計画を持ち、その成果はどの程度期待ができるのか。以上の点につきまして、でき得るならば具体的な数値を交えながらお考えをお示し願いたいと思います。
 次に、学校の問題について意見を申し述べてみたいと思います。
 各学校では、校長先生を初めとして教職員の皆さん方は子供たちの学力の向上と健康の保持及び安全の確保と健全な精神の高揚のために日々努力を重ねておられることと存じております。しかしながら、私のところへ寄せられる保護者の方々のお話と生徒の生活態度を伺っていると、マスコミ等の報道にもされるように、学校内において依然としていじめや喫煙に代表される非行が後を絶っていないように思われます。
 さて、話を少し現実的な方向に向けたいと思いますが、去る平成十三年六月の大阪教育大附属小学校で引き起こされた事件が脳裏に浮かんでまいります。男が小学校内に侵入して凶器を振り回す、児童二十三人、教師三人の計二十六人が刺され、児童四人が死亡した事件がありました。この事件が起こったとき、日ごろ考えてもいないところ、学校内での事件ということに大きなショックを受けたものでございます。また、平成九年五月には神戸市の須磨区において小学校六年生の児童が殺害され市立中学校の校門前で頭部が発見されるなど、ホラー映画さながらの事件に私のみならずすべての人々の心中穏やかならぬものを感じられたものと思われます。
 このような事件を通して考えられますことは、今まで絶対的に安全と考えられていた学校が最も弱者の集まりであること、ゆえに何らの抵抗もなくその犯罪を成就させてしまうことへの恐怖であります。私は、断じてこのような犯罪を許すべきでないし、また許す環境をつくってはならないと考えるものでございます。
 子供の健康と健全な発達、学力の向上を願う親の立場に立って考えますと、何とか安全の確保を考えなければならないと強く思うのでございます。この際、学校の敷地内及び周辺の安全確保と犯罪の未然防止、あわせて学校内における非行やいじめの防止のために第三者機関による学校安全確保機構の設置を考えてみてはどうかと思うのであります。既に各方面では米国のスクールポリスなる機関を参考として必要性を訴えておるところもあろうかと聞いておりますが、和歌山県においても行政と教育委員会と警察と地域が協力し合って、子供たちの安全確保という最も大切な課題のもとに、それを達成するために新しい機構を考えてみてはどうかと提案いたしたいのでございます。全国に先駆けて和歌山県で取り組むことの期待を込めて意見を申し上げ、ご所見を伺いたいと思います。
 さて、皆さん、長年にわたりましていろいろとご指導、お世話を賜りました私でございますけれども、本年四月に執行されます和歌山県議会議員選挙に立候補をしないことを決意いたしましたので、そのことをここに表明させていただきたいと思うのでございます。
 時移り、香失せて、四十八年。色あせた私は、地方自治の中に入り、また地方自治法のもと責任と任務を身に受けて果たさなければならない立場に立ったのは、まさに四十八年前の昭和三十年でございました。すなわち、議会議員という職責に身を投じたのが、未曾有の大水害のあった昭和二十八年、戦争が終わってからまだ日も浅く、インフレ経済の終わりごろ、七・一八水害復旧に必死になって取り組んでいる最中でございました。「昭和の大合併」と言われる市町村合併が推進されつつあったのも、その年でございました。
 青年団活動を通じて知り得た当時の世の中、戦後の苦しい生活を必死になって生き抜いていく姿を眺め見て、また私も体験して、その人たち、社会的に弱い立場の方々の味方になりたい、ならせてほしいと意を決して、故郷・野上町議会議員の選挙に立候補、当選させていただいたのが昭和三十年でございました。ちょうどその年、自由民主党が結党され、私も入党、青年部組織の結成に微力を尽くさせていただきました。そして知り得た政治家の方々は、野村吉三郎先生及び山口喜久一郎先生であり、坊秀男先生であり、平越孝一先生であり、また玉置和郎先生等でございました。なかんずく平越孝一先生は、県連幹事長でもあり常に身近でおられ、青年部長となった私をいろいろとご指導賜りました。福祉は政治の根幹である、政治とは最高の道徳である、常に社会的弱者の立場に立って社会正義に生きよ、また七転び八起きともよく言われ、自分の経験を通して政治の神髄を私に教えてくれたのも平越孝一先生でございました。自来、平越孝一先生のもとに命をかけて行動をともにさせていただいたことは何の一点の悔いもなく、よく人生勉強をさせていただいたと今もなお感激いっぱいでございます。よき政治の師でございました。
 町議五回、県議七回、十二回の自分の選挙を経験する間に、また半世紀にわたる政治活動の中で、いろんな経験と勉強をさせていただきました。その中で特に心に残ることは、同和問題と野上電鉄の問題でございます。
 同和問題の解決は政治、行政の原点であるという認識のもと、いわれなき差別をなくするために、野上町で同対審答申ができるや直ちに同和委員会を組織してその会長を二十年間やらしていただき、諸問題に取り組み、解消のために一歩でも前進さし得たかと思うと胸に迫るものがございます。また県議会においても、微力非才な私でございましたが、議員諸兄のご指導、ご協力のもとに、あるときは同対委員に、またあるときは同対委員長としてその職責を果たさせていただきましたことにつきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。
 野上電鉄の問題は、昭和四十六、七年ごろに野上電鉄の意向だけで突然、廃止・廃線と決定したのでございます。モータリゼーションの時代とはいえ、電車のなくなることは地域住民に与える影響、特に社会的に弱い立場の人、老人、子供、婦人、身体に障害を持つ方々に対するものが極めて大きいものがございました。早速、電鉄沿線の各団体の方々に呼びかけ、各町、市の老人会、育友会、労働組合、職員組合、教員組合、商店街等の方々の協力を得て野上電車を残す会を結成して、推されて会長に就任、その先頭に立って地域の皆さんと一緒になって住民運動を展開させていただいたことは、今もって誇りと感じると同時に、ともにとうとい経験でございました。沿線町長、県議の方々は廃止・廃線に賛成する中で、三日間で万余の電車存続の署名を集めて当時の県議会に請願運動を展開いたしましたが、野鉄沿線出身議長のもとであえなく不採択と一蹴に付されたのでございます。
 しかしながら、その結果を持って上京、玉置和郎先生に直訴し、玉置先生が保革連合で、沿線住民の皆さん方と手を組んで住民運動を起こして地域の皆さん方の福祉増進のために働くその心意気に感じたと言われ、早速、当時の官房長官でございました竹下登先生と連絡をとってくだされ、有力な方々のお世話になって、今後、単年度の赤字については地方自治体すなわち県と沿線市町が半額持つならば国が半額助成すると約束していただき帰省、直ちに今は亡き元知事、故仮谷志良先生に状況をご報告、陳情を申し上げたところ、言下に補助助成をすると申されたことに対して涙の出るほどうれしく、今もなお当時を思い起こすと感激新たなるものがございます。ともに辛苦に耐えて運動を展開して勝利したときの同志との喜び合い、今なお忘れることなく、目を閉じれば皆さん方の顔、顔が浮かんでくるのでございます。
 しかしながら、自来十有余年、軌道敷を直ちに道路にするとの約束の中で電車をとめ、レールを撤去して軌道敷を道路用地として県が買収、野上電鉄の会社は清算・解散をしてしまいましたが、その後十年経て、道路建設への進捗状況は先ほど申し上げたとおりで遅々として進まず、野上電車なき後のさま変わりが極端で人口が激減して寂しい限りでございます。人口の減少は、経済、生活等、いろんな面で問題を残しており、軌道敷跡地の道路の建設は学校教育の上から見ても最大の急務でございます。
 思い起こせば、私の半世紀は一瞬の出来事でありました。いろんな出来事、出会いもありました。数多くの方々にご指導、お世話、ご尽力をいただきました。すべての方々のお名前、ご披露申し上げたいのでございますけれども、そのことが本意でございますが、時間が許されません。残念です。お世話になりまして、本当にありがとうございました。
 なかんずく、今は亡き元知事・仮谷志良先生、志半ばにして体調を崩され退任、今なお闘病生活を強いられておる西口勇前知事さん、いろいろお世話になりましてご指導を賜りましたことにつきまして、本当にありがとうございました。
 県議会の先輩・同僚の方々、今は亡き故人となられた方々、よきご指導、ご鞭撻、まことにありがとうございました。
 県職関係の方々、マスコミの方々、地方選挙区県民の皆さん方、私ごとき者を人様の走り使いのできる人間によくぞ育ててくださいました。しかし、ご期待に沿えず、今、役立たずのまま去っていくことが残念であり、また申しわけなく思います。本当にありがとうございました。厚かましいことでございまするが、今後とも変わらぬご厚情のほどを心からお願い申し上げますとともに、皆様方のご健勝を神かけてお祈り申し上げる次第でございます。
 和歌山県知事・木村良樹さん、あなたは和歌山県知事として就任されてからまだ日も浅い。しかしながら、常に時代を先取りして勇敢に進歩、改革を進められ、全国の知事の若きリーダーとして常に活躍されておること、そのことに対しまして、お世辞ではございません、心から敬服すると同時に誇りと感じております。最近ではカジノの問題等、立派な決断だと私は思います。景色と温泉だけでは観光事業が成り立ちません。より和歌山県の繁栄のために、健康にご留意されまして精いっぱいのご尽力のほどをどこまでもお願いしてやみません。
 皆さん、和歌山県は不滅でございます。和歌山県議会、万歳。お世話になりまして、ありがとうございました。健康なりといえども、老兵は静かに去っていきます。ありがとうございました。
○議長(宇治田栄蔵君) ただいまの宗正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの市町村合併の問題について、お答えを申し上げます。
 県内の市町村長は、総じて市町村合併について、町のこと、地域のことを考え、住民や議員の方々と一緒になって真剣に取り組んでおられるというふうに認識をしているところでございます。私といたしましても、このような取り組みに対し、支援策の充実や組織の強化を初め、一緒に汗をかき、悩み続けているところでございます。
 合併の規模につきましては、ただいまのご質問の中にございましたように、広域的な合併の方が市町村の行財政基盤の強化充実をより果たすことが可能であるというふうに考えます。しかしながら、地域のいろんな実情でいろんな変化が起こっていることはご質問のとおりでございます。県といたしましては、この合併がより効率的なものになるように、いろんな形で支援していきたいというふうに考えております。
 また、現在の市町村合併の組み合わせでございますけれども、市町村ごとにその地域の特性に応じて考えているところでございますけれども、平成十七年三月までにということの中で、より実現可能性の高い枠組みの議論が行われてきた結果であるというふうに思うわけでございます。
 それから、和歌山市については、確かに初めからもう全然合併の話が出ていないとこで、これはちょっと私もよくわからないところがあるんですけれども、いずれにいたしましても、和歌山市と周辺市町の関係について、これはまた合併の問題も考えていく時期が来るということだろうと思います。特にその場合、周辺市町の意向というふうなものが重要であると思いますので、私もこういう点についても十分留意しながら見守っていきたいと、このように思っております。
 現在進行中の合併は、ただいま申し上げましたように、平成十七年三月を見据えて進められており、県としても積極的に支援していきたいと考えておりますが、国の方ではそれ以降の市町村の権限や適正規模のあり方、新たな県の役割といったものが検討されているというところでございます。この動向に十分留意しつつ必要に応じ意見等を発信するなど、対応してまいりたいと考えております。
 議員におかれては、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
○議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 公共事業についてのご質問にお答えいたします。
 国道三百七十号の野上町から美里町間につきましては、当面、美里バイパスに重点を置いて整備を進めることとし、その中でも新白龍橋から下流側区間の工事を推進して、平成十六年供用を目指してまいります。
 次に、県道奥佐々阪井線の道路整備につきましては、事業区間が延長五キロメートルと長く、また公図混乱、用地買収の難航等により事業期間が長期化しております。この道路は基本的に海南市側から整備を進めることとし、平成十五年度には野上中地区内の〇・四キロメートルの供用を行うとともに、交通のネックとなっている野上新橋のかけかえ工事に着手いたします。引き続き、野上町野上厚生総合病院にかけて整備を推進してまいります。
 なお、野上中学校の通学交通に関連して東側からも事業を展開しておりまして、唐渡瀬橋から楠木公園までの〇・八キロメートルについては平成十五年度に供用を予定しております。
 次に、国道四十二号の有田─下津─海南間の渋滞対策につきましては、現在、国土交通省が現道拡幅案、バイパス案について二市一町の意見を聞いているところであります。今後の見通しとしましては、当面、都市計画決定に向けて二市一町が町づくりの中に道路を位置づけし、早期のルート決定を国に働きかけることが必要と考えております。今後とも、国と二市一町の間に立って積極的に調整を図るとともに、今後の直轄事業の展開を視野に入れて国に対し早期事業化を働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 緑の雇用事業についてのご質問にお答えいたします。
 まず、平成十五年の事業計画についての考え方でございますが、緑の雇用事業で実施いたします森林整備につきましては、議員お話しのとおり、林業が低迷している中で放置された伐採跡地に広葉樹を植栽したり、杉、ヒノキなどの人工林を強度に間伐することによって下層の広葉樹を育成し、針葉樹との混交林などの環境林を積極的に造成するものでございます。
 次に、緊急雇用創出事業としてどの程度の整備が期待できるかでございますが、緑の雇用事業では緊急地域雇用創出特別基金事業を柱として森林整備を実施しているところでございまして、歴史・文化遺産、景観保全地周辺の森林や尾根筋などの生育不良森林への広葉樹の導入、また伐採後、植栽されずに放置されたままの林地等に広葉樹を植栽するなど、平成十五年度では約一千ヘクタールの環境林を整備することとしてございます。
 次に、継続的な雇用の創出に関しての事業計画等、その期待される成果についてでございますが、森林作業において緊急雇用事業に引き続く担い手育成対策の継続や恒久対策として、地球温暖化防止対策としての森林整備などを政府に提案するなど森林整備事業の拡大を図り、継続的な雇用の場を創出してまいりたいと考えてございます。なお、平成十五年度におきましては、平成十四年度までに緊急雇用事業で雇用されました方々を担い手育成対策として約三百名、また新たに本年度の緊急雇用事業では約四百名の雇用を予定してございます。
 いずれにいたしましても、緑の雇用事業におきましては、森林の持つ種々の公益的機能の発揮と、議員ご提言のとおり、生産林と環境林との調和のとれた森林整備を行ってまいる考えでございます。
 以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校の安全確保についてお答えいたします。
 大阪・池田小学校でのあの痛ましい事件以来、県内の各学校でも校門にインターホンや防犯カメラを取りつけたり、出入り口の限定、来訪者の確認等をするとともに、緊急時の対応マニュアルを整備し、警察の協力のもと防犯訓練を実施して児童生徒の安全確保に努めているところであります。さらに、県内一万二千余りの「きしゅう君の家」や保護者、地域の方々の協力を得て、登下校時の安全確保を図っております。
 議員ご指摘のとおり、学校、地域社会、警察等、関係機関が連携して非行やいじめ等の問題行動の防止や早期解決に当たることが極めて大切でございますので、それらが共同したサポートチーム地域支援システムづくりを進めております。
 なお、ご提言の第三者機関による学校安全確保機構の設置につきましては、文部科学省の指導に基づく学校保健・安全委員会の活用とその関連も含めながら今後研究してまいりたいと考えております。
○議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宇治田栄蔵君) 以上で、宗正彦君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十三分休憩
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