平成15年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(西本長弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 八番西本長弘君。
  〔西本長弘君、登壇〕(拍手)
○西本長弘君 明治、大正、昭和の三代にわたり常に自由主義者として閥族的専制政治に反対し続けた政治家尾崎行雄翁は、明治二十三年以来、衆議院議員に当選すること連続二十五回、実に六十三年に及ぶ議員生活を送り、今後も破れそうもない世界記録をつくられ、東京市長、文相などをも歴任、人、称して「憲政の神様」とあがめられ、我が国政治の発展に多大の貢献をされました。特に驚くのは、六十三年に及ぶ二十五回の選挙に一度も選挙区に帰ることがなかっただけでなく、選挙区の方々は金を持ち寄り、手弁当で翁の勝利のために一生懸命働き、頑張ったと言われています。まさに政治の神様であると同時に選挙の神様だったと強く思いますし、私が最も尊敬申し上げている政治家でありますが、尾崎行雄翁の爪のあかがあればせんじて飲んでみたいものであります。
 尾崎行雄翁のことはこれまでにして、去る二月一日のある新聞によると、全国都道府県で最多の十四選を果たし、九十二歳の最高齢県議、滋賀県の北川弥助県議は、「この年齢になったら後進に道を譲るのが大事」と、この四月の統一選挙に出馬せず、政界を引退することを表明されたのであります。明治四十四年生まれ、昭和二十五年の二月の補選で初当選以来、平成十一年まで十四回当選し、実に五十三年間、つまり半世紀以上県議を務められた北川弥助県議は、県議会議長を三回、自民党県連会長にも三回就任されたと言います。北川弥助県議も、尾崎行雄翁同様、選挙の神様だと思います。北川県議が在任中特に力を入れられたのは琵琶湖総合開発であったと言われています。この報道を見るにつけ、私など当選七回だから、北川弥助県議の半分、まだ子供だと思っております。尾崎行雄翁はもちろん、北川弥助県議のこれまでの数々のご功績とご労苦に対し、衷心よりねぎらいと尊敬の念をささげる次第であります。そして、この和歌山の地からますますのご長寿を祈るものであります。
 おかげさまで、私も胃がんの手術から十一年二カ月が経過し、ますます元気であります。今、NHKの大河ドラマ「武蔵」が好評であります。宮本武蔵と佐々木小次郎のあの巌流島の決闘は歴史に残る名勝負でありましたが、時は慶長十七年の四月十三日でありました。その日は私の初当選の記念日であり、くしくも今回の投票日も四月十三日であります。毎回でありますが、有田郡選挙区は大変厳しい選挙区でありますけれども、私は、常勝、一度も負けたことのない武蔵と尾崎行雄翁、北川弥助翁にあやかって間近に迫った統一地方選挙に死力を尽くし、私も絶対に勝ち抜く。八選勝利の暁には知事初め県当局の方々と力を合わせて、より一層紀伊半島の振興、本県の発展、母なる有田の発展に貢献してまいる決意であります。
 前置きは終わりにして、質問に入る前に知事に感謝申し上げたいのは、去る平成十三年六月の本会議においてことしで五十年を迎える二八水害の映画作成を要請いたしましたが、来月二十日ごろ完成、三月末までにテレビ和歌山で放映されます。また、平成十四年九月議会の予算委員会において提案いたしました有田鉄道跡地の有効利用についても、知事は申すに及ばず、土木部幹部のご尽力を賜り、自転車道・歩道建設等に向けて進めていただいております。地元地域の方々はもちろん、県立高校、町立中学校の関係者も大変喜んでくれております。これひとえに知事のおかげであると、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、高野山の世界遺産と国道四百八十号の整備について質問をいたしたいと思いましたが、昨日、門議員から世界遺産の登録について質問がありましたので、私はこの部分を削除いたします。
 弘法大師のご加護で必ず世界遺産への登録がなされると、私は強く信じるものであります。高野山が世界遺産に登録されますと、国内外からの観光客が必ずふえて景気がよくなると思います。
 今般、知事の英断で高野龍神スカイラインの通行料金が十月から無料化されることはまことに結構でございますが、元県道の有田高野線、現在の国道四百八十号は、一言で言えば大変悪い道であります。全線的に一車線及びカーブが多く、大型観光バスが走れない。特に清水町内のその道はダム建設の関連でつくったものでありますから、今後は全線を調査され、トンネル化あるいはバイパスをつくるなどして、みんなが安全で快適に走れる道に早急に整備してもらいたいと思います。
 なお、答弁は要りませんが、この機会に金屋町の岩野河バイパス、国道四百二十四号海南─金屋間、さらに仮称鏡石トンネルの早期着工を強く訴えておきます。
 それでは、知事並びに土木部長の熱意あるご答弁を願いたい。
 次に、木材粉の自動車燃料化についてであります。
 ことしの一月三日の読売新聞の報道によりますと、「木材の粉などのバイオマスを「超臨海水」と呼ばれる高温高圧の水で分解することで、自動車の燃料や、石油化学製品の原料を作る実験に坂志朗・京都大エネルギー科学研究科教授らのグループが成功した。水と木を使って「再生可能な燃料」を作り出す新技術になると期待される」とあります。我がふるさと清水町などは林業の不振で過疎化が進み、大変でありますが、紀州木の国にとってこの京大グループの成功は林業に光が当たるのではないかと私は大きな期待を寄せております。今後どのような進展があるのか、農林水産部長、林業の方々に喜んでいただくご答弁を願いたい。
 次に、ミカンは有田の命──その振興について知事並びに農林水産部長に質問をいたします。
 有田の命・有田ミカンは、遠く天正の時代、今から約四百三十年前、当時の糸我庄中番村(現在の有田市糸我)に住む富裕な伊藤孫右衛門様が八代(今の熊本県)から小さな苗木を持ち帰ったときから始まります。そして、我々の先祖が裸一貫、粗食と貧しさに耐え、急斜面の山をとんが一本で黙々と開墾し、有田川から重い石を肩で担ってこつこつ積み上げ、立派なミカン畑をつくったのであります。つまり、先人の血と汗と涙の集積が日本一の有田ミカンに育てたのであります。その先人は有田に住む我々にとって大恩人であり、貧しい農家に生を受けて六十三年、物事がついたときからそのご努力と受けた恩恵をひとときたりとも忘れたことがありません。
 今思い起こせば、私が初当選したときの全国ミカン生産量が、驚くなかれ三百六十四万トンもありました。鉛筆ほどの幼木から営々と大きく育てたミカンの木を私は全国各県一律三〇%カットせよとこの議場で提案したのが、忘れもしない初当選後約一年の昭和五十一年三月十一日でありました。ミカン農家の未来を思って提案したのでありますが、そのときから昭和五十四年の二回目の県議選まで、私はミカン関係者に金づちで頭を殴られるか、また選挙で落とされるのではないかと戦々恐々のときもありました。
 この原稿を書く前に私は、有田公園の伊藤孫右衛門様の顕彰碑の前で最敬礼して感謝とご冥福をお祈りし、これからの有田ミカンのますますの発展あらんことをご加護くださるよう合掌してまいりました。
 そこで、ミカンは有田の命、ミカンは有田地方のあらゆる人々の生活の基と申し上げても過言ではありません。
 過日、知事や農林水産部幹部のミカンへの認識、理解度に疑問を持ちました私は、もとがん患者である私でありますけれども、秘書課の前の非常に寒い廊下に座り込みました。心ある県職の多くの方々が、「西本さん、選挙前の大事な体です。気持ちはわかるが、もうやめてください」と何度も言われました。不肖西本長弘、男でござる、ミカンのために死ねば本望と座り続けました。その中で、松本貞次議員、吉井和視議員、生駒三雄議員、またJAありだの幹部の方々のミカンを思う友情に私は深く感謝感激いたしました。
 私の手元に「死に方の極意」という本があります。その中に、「ブッダは修行の末、三十五歳でブッダガヤの菩提樹の下で沈思瞑想の後、悟りを開いた。そして彼のもとに集まった弟子たちを指導しつつ、中インドの各地を遍歴すること四十五年、八十歳でクシナガラで没したとされる。 ブッダの説いた教えは、この世はすべて「諸行無常」なるものであり、「諸法無我」の真実を悟るべきで、種々の煩悩からの束縛を断ち切り、「涅槃寂静」の境地に達することを目的としている。 そのためには「諸々の悪を為さず、善を行ない、自分の心を浄める」ことが大切である、と説く。 初期の経「法句経」の中に、「怨みは怨みによって静まらず、怨みは怨みなきによって静まる」という言葉がある。 それで思い出す言葉に、老子の「怨みに報いるに徳をもってす」がある。 ブッダも老子も、今から二千五百年も前の人、幾千里も離れていながら、聖人は同じように澄んだ心を持っていたと言わざるを得ない」とあります。
 私の内ポケットに、「ミカンで生活できないので、ある免許を取って和歌山市の企業へ転職しました。西本さん、みんなのためにミカンと選挙に頑張ってください」──町内のある一青年から、ミカンを思い、私を思ってくださる温かい手紙をいただきました。その日からその手紙を私は肌身離さず、いつも持っております。またある方は、「西本さん、マルチもやらないかんが、やっぱり土づくり。昔は魚粉、つまり有機肥料で特別うまいミカンをつくった。昔へ戻らなあかんよ」と言われておりました。申すまでもなく、ミカン農家の方々の創意工夫、努力も必要であります。
 仏陀と老子の教えのように、私は知事への恨みは何もありません。何もない。いい知事だと思っております。私も、より徳をもって県政に取り組みたいと思いますが、知事はもっともっとミカン農家の苦しみを人身で知るべきだと思います。そして、何としても有田のミカン、和歌山のミカンを守り、さらなる発展に努力を重ねてほしいと強く訴えるものであります。安定したミカン経営への知事の心の底からのご答弁をお願いいたしたい。
 次に、県庁及び警察本部庁舎の耐震化について質問をいたします。
 平成十三年の九月二十七日、政府の地震調査委員会により発表された東南海・南海地震に関する長期評価では、今世紀前半に東南海・南海地震が発生する可能性が極めて高いとされ、県民に大きなショックを与えました。さらに本年二月十二日には地震調査委員会から、紀の川の北を走る中央構造線断層帯の長期評価の発表がなされましたが、その発生確率は、これまでに長期評価が行われた我が国の活断層の中でも高いグループに属するとされています。また地震学者から、阪神・淡路大震災の発生以降、西日本は地震の活動期に入り、東南海・南海地震の発生と相前後して幾つかの活断層型の地震が発生する可能性があるとの指摘もされています。去る平成十四年七月二十六日には、知事の尽力もあって、東南海・南海地震に関する地震防災対策の推進に係る特別措置法が公布されることとなりましたが、県は今後その法律に基づき、これまでにも増して積極的な地震対策を行ってもらいたいと考えています。
 ところが、これらの地震が発生したときの対応策でありますが、それを考えますと、その最も基本的かつ重要な問題にぶち当たらざるを得ません。それは、県民を守り、今のところ災害対策の拠点となるべき県庁舎及び警察本部庁舎の耐震性に疑問があるとされている点であります。特に警察本部庁舎については、阪神・淡路大震災の際にガラスが割れるなど、耐震性能は極めて脆弱だと言われています。
 県は、災害対策の司令塔となるべき県庁及び警察本部庁舎の耐震化、つまり耐震補強に積極的に取り組むべきだと強く思うのであります。いずれ近い将来新築あるいは移転新築を今から考えるべきであると思いますが、知事並びに警察本部長は県民の安全への備えについてどう考えているのか、答弁をいただきたいと思います。
 最後に、過日、隣の韓国で地下鉄の大きな火災がありました。犠牲になられた多くの方々に心から哀悼の誠をささげ、お見舞いを申し上げる次第であります。まさに、地震・雷・火事・交通事故であります。世界の願い交通安全、家族の願い交通安全──交通事故を少しでも減らすことは我々県民の悲願であり、だれもが安全で安心のできる交通環境が実現できることを望んでいます。
 昨年は、警察や関係機関、団体等の努力により、交通事故件数が平成十二年以来二年ぶりに九千件を下回り、交通事故死者も昭和五十八年以来二十年間で最も少ない九十人となり、また負傷者も昨年より五百七十九人少なくなったと聞いております。昨年六月には飲酒運転の罰則強化の法改正もあり、交通事故抑止に効果があったと聞いておりますが、それでも飲酒運転事故による死者は、本県が沖縄に次いでワーストツーであります。交通事故を抑止するためには、安全教育あるいは安全施設の整備等は欠かせないものと思っております。
 ここで歩行者の死傷事故を調べてみますと、平成十四年は六百六十四件のうち横断歩行中が実に百三十八件、交通事故死者は二十五人のうち横断歩行中が八人、負傷者は六百三十一人のうち横断歩行中が百三十二人であります。中でも、交通規制は道路標識や道路標示により行うものでありますが、ドライバーにこれを守らせるためには、より見やすく、よりわかりやすくしなければなりません。警察で行っている交通規制の道路標識や道路標示については、法律に定める基準に基づき行っていることは理解いたしておりますが、ドライバーはもとより歩行者の方々からもより見やすく、よりわかりやすいものとするためには、例えば道路標識の高さや位置、または道路標示の色などを研究・工夫することが必要であります。
 現在の横断歩道の色は白、とまれも白、徐行せよも白、スピード落とせも白、追突注意も白であります。私は、現行の交通規制の道路標示等は、その白からドライバー、歩行者が目につきやすい黄色あるいはオレンジ色に絶対すべきと強く訴えるものであります。
 私のこの提案をよく研究・検討されて、警察本部長は全国警察本部長会議、交通部長は全国交通部長会議等で時期を見て提案すべきと、私は強く思います。警察本部長の交通事故を減らす勇気のあるご答弁を願いたい。
 終わります。
○副議長(小川 武君) ただいまの西本長弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 高野山の世界遺産登録と国道四百八十号の整備についてお答えを申し上げます。
 世界遺産登録はこれからの和歌山県の発展にとって大変重要な取り組みであり、これを契機に高野・熊野を初めとする和歌山県の魅力を国内外に情報発信しながら地域の活性化につなげてまいりたいというふうに思っております。このため、関連する骨格道路の整備が重要と考えておりまして、財政状況は非常に厳しいものがありますが、これらの整備を着実に進めてまいりたいと、このように考えております。
 次に有田ミカンの振興についてでございますが、有田地方の急斜面に広がる石垣を積んだ階段畑を見たとき、有田ミカンを育てた先人のたゆまぬ努力に思いをはせるとともに、四百年の歴史の重みに敬意を払い、この日本一の産地を維持発展させることが現在の我々の使命であると、改めて実感しているところでございます。しかしながら、長引く経済不況の中で農産物の消費が停滞し、ミカンの価格も低調に推移しており、ミカン農家の経営が厳しい状況に直面していることに、私も心を痛めているところでございます。
 ミカンは和歌山を代表する果樹であり、その中心の有田ミカンの発展こそが本県果樹農業の発展につながるものと考えており、今後とも関係者一体となり、先人の努力を受け継ぎ、有田ミカンの発展に努力を重ねてまいりたいと考えております。
 なお、具体策につきましては担当の部長の方からお答えを申し上げます。
 次に県庁舎等の新築につきましては、現在の厳しい財政状況の中で県民の皆様の理解が十分得られるかということもあり、慎重に対応すべき問題であると考えております。一方、災害対策の司令塔という面から、庁舎の安全性の確保は重要な問題であると考えております。県庁舎の耐震化につきましては、平成八年度の調査において耐震改修の必要性を指摘されているところであり、早急な対応が必要であることから、平成十五年度には本館の耐震診断調査を実施するとともに、平成八年度に実施した庁舎の調査結果を踏まえて耐震改修の工法のあり方を検討するため二千万円余りの予算を計上し、補強計画を策定してまいります。
 今後は、これを踏まえ、県議会ともご相談しながら庁舎の耐震補強改修を計画的に実施してまいりたいと、このように考えております。
○副議長(小川 武君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 国道四百八十号の整備についてお答えいたします。
 国道四百八十号は、有田地域から高野山へ通じる道路でもあるとともに、有田地域内の各市町をつなぐ県内幹線道路として重要であると認識しております。その整備につきましては、有田市と吉備町を結ぶ須谷バイパス、金屋町内の長谷川拡幅や清水町内の三田バイパスを早期に完成させるとともに、未改良区間につきましては、ネットワーク上の位置づけや交通量に着目しまして優先順位を決めて計画的に進めていきたいと、このように考えております。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) まず、木材粉の自動車燃料化についてでございますが、バイオマスのエネルギー利用につきましては、化石燃料の代替として地球温暖化防止に貢献できることなどから広く研究開発に取り組まれてございます。
 議員お話しの木材粉の自動車燃料化につきましては、技術革新が進む中で世界のエネルギー事情をも変革する可能性を持った新技術であり、今後、実用化に向けての研究の推移を注視してまいりたいと考えてございます。
 本県におきましても、緑の雇用事業などで生産される間伐材などの有効利用に向けまして、クリーンなエネルギーとしてのバイオマス利用のあり方を専門家も交えて調査研究してまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、木質バイオマス利用は木材の新しい用途として大きく期待されており、新技術の導入も視野に入れながら、紀州材の総合的な活用による森林・林業・木材産業の活性化と地域振興に取り組んでまいります。
 次に有田ミカンの振興についてでございますが、ミカン産業を取り巻く環境は、厳しい経済事情が続く中で若年層の果実離れや食生活の変化などにより消費は停滞基調にあることから、平成十四年産ミカンにつきましても生産農家の努力と期待に反して低価格で推移してございます。
 そのような中で、近年、各産地では高品質ミカンの生産販売に対応した光センサー選果機の導入やマルチ栽培の普及が急速に進んでおり、本県としても時代に対応した産地体制への早急な改善が必要と考えてございます。
 県といたしましては、これまでも生産流通基盤の整備や都市でのPR、学校給食の利用促進など、さまざまな対策を講じてきたところであり、平成十三年度からは新たに生果ミカンの安値補てん対策に取り組んでございます。また平成十五年度からは、マルチ栽培の推進による高品質ミカンの生産拡大対策や安心・安全を確保するトレーサビリティーシステムの導入促進、さらには大手量販店でのアンテナショップの開設など、産地の活性化を図る新たな取り組みにも着手することにしてございます。
 今後とも、農家の意識改革を進めながら本県ミカンの振興に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 警察本部長高綱直良君。
  〔高綱直良君、登壇〕
○警察本部長(高綱直良君) 最初に、警察本部庁舎の耐震補強についてお答え申し上げます。
 現在の警察本部庁舎は建設後三十五年が経過をしておりまして、老朽化、狭隘化が著しい現状にあります。その新築等につきましては、将来に向けて検討しなければならない課題であると認識をいたしております。
 現在、ただいまの県知事のご答弁にもありましたように、県当局におきまして、厳しい財政状況のもと、警察本部庁舎を含めた県庁舎全体の将来のあり方について県民皆様の理解を含めた総合的な見地から検討がなされているものと承知をしておりますので、県警察といたしましても、県当局とともに鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
 一方、議員のご指摘にありましたように、そもそも警察本部庁舎は震災等大規模災害が発生した場合には災害警備活動、そして治安対策の中枢拠点となることから、その安全性の確保、安全への備えの対応を急ぐべき喫緊の課題であるというふうに考えております。
 現在の警察本部庁舎の耐震性につきましては、平成八年の調査におきまして、ご指摘いただきましたように耐震性は極めて低いということが判明しておるところであります。そのため、平成十五年度予算案に耐震補強工法調査及び地質ボーリング調査に係る予算を計上させていただいておるところであります。県警察といたしましては、この調査結果を踏まえて必要な耐震補強に努めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、より見やすく、よりわかりやすい道路標示等についてお答えを申し上げます。
 悲惨な交通事故を一件でも少なくして安全で安心のできる社会を実現することが警察の責務であり、県民の皆様方の願いでもあります。そのため、関係機関、団体のご協力をいただきながら交通安全教育や交通安全施設の充実に努めておるところであります。
 そうした中で、議員ご指摘のとおり、交通事故の抑止を図っていくためには、ドライバーや歩行者の方々に道路標識や道路標示を守っていただくということが大切であります。そしてそのためには、それら標識、標示がより見やすく、よりわかりやすくなっていくことが極めて重要であるというふうに考えております。このため、道路標識等につきましても日々改良を加えているところでありまして、本県におきましても、最近では例えば太陽電池を電源とする発光ダイオードを使用した自発光式道路標識でありますとか、ガラスビーズを混入した塗料により光をよく反射して見やすい道路標示といったものの導入を進めておるところであります。
 今後とも、ドライバーや歩行者の方々からより見やすく、よりわかりやすい道路標識や道路標示としていくよう、標識の高さや位置、あるいは標示の色などにつきましても、議員のご提言を十分踏まえてさらに研究・工夫を重ねてまいりたいというふうに考えております。
 以上であります。
○副議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 八番西本長弘君。
○西本長弘君 知事に申し上げたいのは、行政も個人も借金というのはない方がいいが、私の考えでは、借金は悪いことではありません。敬称略でありますが、西郷隆盛は「児孫に美田を買わず」──つまり子孫に美田を残すなと、朴訥でありますが名言を残しておられます。私は多くの宅地農地を売って、まだ多額の借金がありますが、借金ができたので県議選へ出られた。貧しい農家であったんで、金がなかった。農協や銀行で金を借りたんで、選挙に出られた。七回も当選させていただいた西本は、借金のおかげ。行政も借金してでも、景気がよくなったら税収が上がって借金が返せる。借金を恐れる者には大発展がないと私は思っております。
 「人の道は心にあり。心は行いにあり」──本部長。行政にも、やっぱり勇断と迅速というものが求められるのであります。警察本部長の隣にお座りの大岡公安委員長のご尊父は、オカジ紙業株式会社の創立者でありますが、紙にかかわったときから、たとえ小さな紙切れでも粗末にせずに大切にされたと言われています。だからこそオカジ紙業株式会社は大発展を遂げたものと思いますし、ご尊父様は立志伝中の立派な人であります。(「委員長も立派やで」と呼ぶ者あり)委員長は、もう申し上げるまでもなく立派な方であります。高綱本部長も田舎の県会議員の提案を軽く見ないで、大岡翁のような敬けんな精神で県民のとうとい生命を守り、悲惨な交通事故をなくすために早目によく検討して、しかるべき会議に和歌山県の西本提案を自信を持って提案してほしいと思います。そしたら、間違いなく、必ず交通事故が減ります。私の言うことを聞いたら。いや、本当ですよ。
 あと九分ありますから──不肖西本が提案した半島振興法は、当時の仮谷知事の全国知事会での提案があったればこそ、全国の半島地域の方々や当時の玉置和郎先生、当時の稲村佐近四郎国土庁長官、さらには二階堂進自民党副総裁などの先生方の半島出身の実力ある先生方の大変なご尽力で同法が成立したのであります。
 私が何を言いたいかと言うと、国会議員ではありませんので、知事が全国知事会で、仮谷志良先生のように勇気ある提案をやってください。本部長も、井原交通部長も、必ずこの提案をしてくれよ。これを白から黄に変えたら、オレンジに変えたら犠牲者が減るんですよ、絶対。うそは申しません。
 終わり。
○議長(宇治田栄蔵君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で西本長弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時二十四分散会

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