平成15年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(門 三佐博議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(小川 武君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 七番門 三佐博君。
  〔門 三佐博君、登壇〕(拍手)
○門 三佐博君 皆さん、こんにちは。
 ただいま議長のお許しを得まして一般質問の発言の機会をお与えいただきましたこと、心からお礼申し上げます。
 今期定例議会は、議員任期の四カ年の任期満了直前に開かれたものでありまして、平成十五年度予算審議等を行う大変重要な会議でございます。私どもにとりまして、四カ年の議会活動を通じ県内各地域で生活されている県民の皆さんの要望を県政に率直に反映すべく全力で取り組んでまいりましたその集大成を発露する機会でもあります。私も、四カ年の反省と地域住民の声を代弁する形で、通告順に従い知事並びに関係部長にご質問いたしますので、適切なご答弁をお願いいたします。
 第一問目といたしまして、道路の整備充実についてお尋ねいたします。
 その道路のうちの一番といたしまして、国道四百八十号平道路、仮称・鍋谷トンネル及び梨子ノ木バイパスの建設促進についてお尋ねいたします。
 木村知事は道路の整備と充実を県政の大きな柱の一つに取り上げられ、県民のニーズにマッチした道路整備の提案をするなど、いつも積極的に活躍されていますことに敬意を表します。また、紀北地方の発展は府県間道路の整備充実が急務であるということをいつも主張されておられますが、私も全く同感でございます。
 紀の川筋と大阪府を結ぶ府県間道路といたしましては、主として第一に第二阪和国道、第二に一般国道三百七十一号、第三に一般国道四百八十号、第四に主要地方道泉佐野岩出線、第五として主要地方道泉佐野打田線が挙げられます。それぞれ大阪府のご協力も得ながら改良が進められておるところでございます。今回私が質問いたしますのは、紀の川筋の中央地域を経まして大阪府と高野山を最短距離で直結する国道四百八十号の改良促進と、かつらぎの仮称・鍋谷トンネルのことであります。
 けさほどもテレビ和歌山の報道番組で南衛かつらぎ町長も出演し、この鍋谷トンネルの必要性を強く訴えられておりましたが、そのうちでも平道路につきましては地元の協力や県ご当局のご尽力により着々と進捗が図られ、平成十五年度当初予算案においても十六億五千万という多額の予算が計上されていますが、既に貫通しております滝第一トンネル、第二トンネルを利用して供用開始を一日も早くしていただきたいのでありますが、その進捗状況と今後の見通しについて大山土木部長にお伺いいたします。
 また、本県と大阪府を直結する仮称・鍋谷トンネルについても、延長三千七百メーターという長大トンネルということで、国土交通省の直轄事業として取り上げていただく陳情を繰り返しています。今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、国道四百八十号の梨子ノ木バイパスの建設については、着々と取り組んでいることを伺っていますが、この路線は高野山に通ずる最短コースでもあり、最近は大型バスやダンプカーなどの通行も多く、地元の方々に多大な迷惑をかけております。今後のかつらぎ町志賀地区の整備とトンネル建設計画についてお伺いし、早期完成をお願いするものでございます。
 道路の第二項目といたしまして、京奈和自動車道の進捗状況と一部供用開始についてお尋ねいたします。
 京奈和自動車道の建設の状況と今後の取り組みについてでございますが、橋本道路の用地買収、また建設工事はほぼ順調に進んでいるようでございますが、この橋本道路の供用開始の見通しについてお伺いいたします。また、紀北東道路、紀北西道路につきましても、測量設計並びに用地買収等について現況をお尋ねいたしたいと思います。
 道路の第三点といたしまして、紀の川左岸農道の建設促進と一部供用開始について、辻農林水産部長にお伺いします。
 紀の川左岸農道については、地元の農家の期待も大きく早期完成を望んでいますが、大事業であるため、用地買収の難航等の影響もあり、事業は計画どおりに進んでおりません。相当おくれているように伺っておりますが、既に工事の完成を見ているところもあるように思いますので、区間を決め部分供用を開始し、利便を図っていただきたいと思いますので、ご説明をいただきたいと思います。あわせて、今後の取り組みについてもお伺いいたします。
 項目の第二といたしまして、県立医科大学附属病院紀北分院の改築と充実についてお尋ねいたします。
 私は去る十三年十二月定例議会におきましても県立医科大学紀北分院の改築と充実について質問をさせていただきましたところ、木村知事からは「私も紀北分院の重要性については十分認識しているところでございまして、平成十二年度から県の方でも検討委員会を設けて、診療体制でありますとか経営のあり方について鋭意検討を進めているところでございます。 近年、医療制度全体の見直しの問題が一つあるのと、それから国立大学の医学部について独立行政法人化の問題が出てきておりまして、これは公立医科大学についても同じような形ということになってくると思います。 そういうふうな中で、この紀北分院があるべき姿としてどんな形がいいのか──やはり建物も老朽化してきているので早急に考えていかないといかんということを思っておりますし、それからこの病院ができたいきさつを今お伺いしたわけでございますけれども、そういう中から地元の自治体との間の協力関係というふうなものをどんな形で構築していき、そして地域の方々に一番喜ばれるような診療を行う体制はどういうのがいいのかということについて、やはり真剣に鋭意検討していきたいと、このように思っております」、こういうふうなご答弁をいただきました。
 また、山本医科大学学長からは「紀北分院につきましては、大学内の紀北分院整備検討委員会におきましてその存在意義を含めて真摯に点検いたしまして、今後のあり方について検討しているところでございます。 紀北分院には、社会の要請に対応した医師の育成のためにも、また大学附属病院としての機能を全うするためにも担うべき役割がございます。さらに橋本・伊都地域の保健医療におきましても、紀北分院には果たすべき重要な役割があると考えてございます。 議員ご指摘のとおり、近年の高度化、多様化する医療ニーズ、近隣の医療機関の整備状況等から見まして、紀北分院がその使命を果たすためには分院の施設、設備は十分とは言いがたい状況がございまして、整備が必要であると認識してございます。 大学といたしましては、これからの保健医療のあり方や那賀保健医療圏を含めた橋本保健医療圏における医療ニーズ、この地域における医療機関の機能分担等を勘案いたしまして、紀北分院を特色ある、地域貢献度の高い診療機能を持つものに整備充実し、大学全体として総合的なパワーアップにつなげてまいりたいと考えてございます。 しかしながら、ご承知のとおり、昨今の病院の運営・経営環境には厳しいものがございまして、国においては大学は独立法人化の方向にございますし、本学でも、本院、分院をあわせて健全な経営を視野に入れて考える必要がございます。 分院の整備につきましては、現在、このようなことを踏まえて具体的、計画的な整備充実策の検討を進めているところでございます」。
 このように、設置者としての木村知事は最高責任者であります。また、山本学長は大学運営責任者としてのトップの位置にあるお二人でございます。ご両人がお認めのとおり、紀北分院は地域住民にとりまして健康管理の上でも安全で安心な医療機関として伊都地域においては最も信頼される病院であります。しかし、建物が築後四十年以上も経過し、大変老朽化しています。県財政が大変厳しい折でございますが、深いご理解をいただき、早期に改築していただき、地域住民の要望にこたえていただきたいものでございます。
 県においては、私がこの十三年に質問いたしましたその直後の平成十四年七月十二日に県立医科大学のあり方懇談会を設置し、井端泰彦京都府立医科大学学長など十名の委員を選任されたのでございます。その後、北野栄三県経済同友会代表幹事を座長に互選され、既に四回の会議が開催されていると聞き及んでおります。その諮問テーマは、一、大学法人化への対応、二、紀北分院の今後のあり方、三、その他必要と認める事項となっております。
 私はこれから質問いたしますのは、一に、知事が私にご答弁いただきました県の検討委員会の結論とこのあり方懇談会の整合性をどのように図っていかれるのか、お尋ねいたします。
 二といたしまして、あり方懇談会で紀北分院のことが既にご協議されているのか、またあり方懇談会の答申はいつごろ予定されるのか、知事のご答弁をお願いいたします。
 第三点といたしまして、木村知事は設置者として紀北分院の今後のあり方について基本的にどのようなお考えなのか、お伺いいたします。
 次に、質問の第三項目といたしまして、世界遺産登録とイベント開催についてお尋ねいたします。
 北紀高野マンダラ博(仮称)の開催は考えておらないか。北紀高野マンダラ博というのは、伊都地方の経済団体が二、三年前にこうした動きをされまして、南紀熊野博に対しまして北紀高野マンダラ博と、こういうような名前をされておりますので、私も、仮称でございますが、北紀高野マンダラ博と提案させていただきたいと思います。
 長年にわたり県、県教育委員会が取り組んでこられました紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産推薦が政府で決定され、外務省から世界遺産センターに提出された旨の報道が正月早々あり、来年六月開催される世界遺産委員会で決定されることがほぼ確定的になってまいりました。本県にとりましては、世界遺産として認められることになっております熊野三山、高野山等の霊場を有し、久々の朗報であり、うれしい限りでございます。これまでに資料の収集や関係地域の整備、文化庁との折衝など詳細にわたり熱心に取り組んでこられた方々や、奈良、三重両県に連なる霊場、参詣道であるため各県間の調整にリーダーシップを発揮していただきましてこの案をまとめてくださいました木村知事に深く敬意を表する次第です。
 平成十一年四月二十九日から九月十九日までの百四十四日間にわたり紀南地方において南紀熊野体験博が開催され、内外より三百十万人という多数の参加者を迎え、紀南、紀伊半島を主舞台とした関係市町村では数多くのイベントも催され、大成功裏に幕を閉じたことは私どもの記憶に新しいところでございます。世界遺産登録の絶好の機会に本県でイベントを開催してはどうか、提案いたしたいと思います。
 高野山は、世界的な宝物の宝庫です。歴史と伝統に根差した仏像、仏画、建造物、人材、自然環境に恵まれた最適地でございます。昨年夏、木村知事が主催された近畿知事会も高野山で開かれ、参加された知事からは、自然環境に恵まれ落ちついたたたずまい、歴史と伝統に根差した数々の文化財に囲まれた雰囲気に包まれ、大変好評を得たことを後ほど聞かされました。私は名づけてこのイベントを、仮称・北紀高野マンダラ博として内外の参加者を高野山を中心にした本県へお誘いしてはどうかと思います。和歌山県の活性化の導火線の一つになるものと信じます。木村知事のご見解をお伺いいたします。
 第四項目といたしまして、携帯電話の通話不能地域の解消についてでございます。
 木村知事は、今期定例議会の冒頭の知事説明の中で、本県をIT先進県と位置づけるためにIT総合センターの建設促進やマルチメディア祭の本県開催等、情報化時代に備えた対応について精力的な取り組みを表明されました。近年、携帯電話の普及は著しいものを感じ、私どもの日常生活にはなくてはならない生活必需品となりつつあり、私自身も手放すことはできないのが現実であります。しかし、いまだに通話が全くできなくて困っている地域があることをご存じでしょうか。
 私の住む伊都郡におきましても、かつらぎ町四郷地区や志賀、新城地区など、国道が通過している地域でも通話不能地区があります。高野山が世界遺産として登録されようとしているこのとき、参詣者が急増されることが見込まれますが、内外から来られた方々にも迷惑が及ぶことと思われます。県土の均衡ある発展と生活環境の確保は行政の責務であると確信いたします。
 そこで、垣平企画部長にお伺いいたします。
 一、通話不能地域の把握をされているのか、実態をお聞かせください。二、通話不能地域の解消計画と今後の対策についてお伺いいたします。三、現有アンテナ施設の出力のパワーアップを図って通話範囲の拡大ができないのか。以上、垣平企画部長のご答弁をお願いいたします。
 第五点、介護保険制度についてお尋ねいたします。
 第一といたしまして、特養待機者数の把握についてお尋ねいたします。
 高齢者社会を迎え、二十一世紀の半ばに三人に一人が高齢者となる時代を間もなく迎えようとしております。「介護を必要とする高齢者が増えており、一方で、介護する人も高齢になり、また、介護の期間も長くなっているため、介護する人の負担も重くなっています。さらに、働きに出る女性も増えてきており家族だけで介護することは難しくなっています。 いま、介護は誰もが直面する問題になっています。介護保険制度は介護を国民みんなで支える仕組みです」、この言葉は、県長寿社会推進課から出されております介護保険PR誌の初めの文章でございます。
 去る二月五日付「朝日新聞」朝刊の第一面の記事によりますと、特別養護老人ホームに入所を希望しながら待機されている高齢者が全国で少なくとも二十三万に上ることが朝日新聞社の調査で判明された旨、報道されました。私もこの数の余りにも多いことに感じ入った一人でございます。本県では待機者数の把握をされておられるのか、実態についてお伺いいたします。
 第二点といたしまして、入所基準と入所決定について行政指導の必要があるのではないか。
 介護保険制度は平成十二年四月より実施され、制度実施以来、介護サービスの量がふえるなど、より効果があらわれているということも聞いております。介護保険では、これまでの行政から与えられるサービスではなく、それぞれの被保険者が保険料を支払う者の権利としてみずから選んでサービスを利用できるという要介護者に利点が多いことも評価されております。反面、果たして入所の必要性の高い人を優先的に入所させているかどうか、疑問も多いことが指摘されております。
 従前は、県、市町村の措置制度により地域の民生委員を通じ入所希望者の実態を詳しく把握された上、入所に適正化を図られていたように記憶しております。入所決定について県の行政指導の必要性がないのかどうか、お伺いいたします。
 当初予算案の中に新規といたしましてケアマネジャー・サポートセンター事業を計上され、介護対象者と直接対応されるケアマネジャーの資質向上を推進するための研修や活動支援体制の充実を図られるという予算が計上されておりますが、まことによい事業であると思いまして高く評価いたしたいと思います。
 第三点といたしまして、特養、老健施設などの充実についてお尋ねいたします。
 現状では、特養、老健施設など入所施設が不足しているように思います。今次定例議会におきましても新設、増設の予算が計上されておりますが、今後、増設等充実していく計画があるのかどうか、白原福祉保健部長にお伺いいたします。
 大きな第六項目といたしまして、教育の問題についてお尋ねいたします。
 第一、小学校への外国語教育について、英語や中国語を取り入れてはどうか、これを質問いたしたいと思います。
 知事説明の中で、現在、英語教育のあり方が課題になっていることから、小学校から話せる英語教育を取り入れ、外国人講師を導入した小・中一貫の英会話学習を行い、進んで英語が使える子供を育ててまいりたいと表明されましたが、私も先見性のある考えと賛同いたしたいと思います。
 子供のころから外国語に親しむということは、将来大変役立つものであり、当初は数少ない学校から始められることでしょうが、規模を年々拡大していただきたいものでございます。
 また、日本の一番近くの隣国でございます中国のことにつきましても、中国語の教育についてもご一考いただきたいと思いますが、今後の取り組みなどにつきまして小関教育長にお伺いいたしたいと思います。
 第二項目といたしまして、学校へ喫煙場所の設置をしてはどうか、これにつきましてお尋ねいたします。
 学校へ喫煙場所を設置されてはどうかと提案させていただきたいと思いますが、せっかく昨年の四月より県下全学校施設内において禁煙制度を全国に先駆けて実施されてその実を上げているという県教育委員会に対しまして、私は何も水を差したり意地悪を言う気持ちはございません。かくいう私は全くたばこの味を知らない禁煙派でございまして、自分自身にはそういうことを思っておらない、喫煙場所が要るとは考えておらないわけでございますが、しかし、私の仲間の中にも相当たばこを吸う方がおりまして、たばこを吸う方にも愛煙家の論理があり、余り肩身を狭くする必要がないのではないかと思います。
 そこで、たばこ税について調べてみました。たばこ一箱当たり二百五十円としましたら、そのうちの国税は五十四・三二円、県税十七・三六円、市町村税は五十三・三六円であり、合計、二百五十円のたばこのうち税金は百五十三・三四円となり、約六〇%が税金でございます。県には年間二十三億円、市町村には七十二億円程度のたばこ税が入っております。使途については、特定財源ではなく全く自由に使える税金で、地方自治体にとりましては貴重な財源と言われており、これは学校施設や運営にも使われていることは確かでございます。
 私は、この提案をする前提になりましたことは、昨年十一月十九日に打田町保健福祉センターにおいて開かれました青少年育成強調月間県民大会において、紀の国きらきら子どもフォーラムが開かれました。県下から選ばれました子供と大人の提案発表者がありまして、そのテーマは、好きな大人、嫌いな大人と和歌山県の町づくり、こういうテーマでございました。木村知事もその発言者の一人としてご参加いただき、会を一層盛り上げてくれました。
 その席上、一人の子供発言者の方から、学校敷地内は全面禁煙ということですが、ある先生が敷地外に出て隠れてたばこを吸っている姿を見て、余りにもみっともない上に生徒への影響が大きいことを指摘されたんです。広い学校敷地内には、喫煙室をつくるスペースがきっとあると思います。学校開放を強く叫ばれている今日、教職員や外来者が遠慮なくたばこを吸いながらストレスを解消できる空間づくりが学校教育進展の一助になるものと私は信じております。教育長のご見解と今後の学校内でのたばこに関する影響についてお伺いいたします。
 第七項目といたしまして、警察の問題についてお尋ねいたします。
 まず第一に、治安悪化に伴う警察力の強化についてお尋ねいたします。
 昨今の内外の治安情勢を見ますと、刑法犯罪の発生件数は五年連続して二万件を超え、また殺人、強盗など凶悪事件が年々増加傾向を示していると聞いております。一方、検挙率の方を見ますと、凶悪犯罪では約八割近い数字を維持していただいておりますが、刑法犯罪全体では約二割と年々低下してきており、昨今の治安情勢の厳しさに県民が非常に不安を感じているのではないかと危惧しているところでございます。
 そこで、警察本部長に次の二点についてお尋ねいたします。
 まず第一点は、治安維持の根幹である警察施設の充実についてどのような方針で臨まれるのか、お聞きいたします。
 老朽化した警察署等の施設はどのように建設を進めていく予定なのか、県民の一人として非常に心配しているところであります。特に私の地元である妙寺警察署についても老朽化が甚だしく、平成十三年十二月議会で質問した折にも「できるだけ早くやる」という答弁をいただいておりますが、その後、建てかえ計画はどうなったのか、この点も含めてご答弁をお願いいたします。
 また、昨年の六月議会でも問題提起されましたが、警察の留置場が満杯になっていると聞きます。犯罪の検挙者数は年々増加しているといったこの厳しい情勢に対応していくための新たな留置場施設はどう確保していくおつもりなのか、その点もご答弁いただきたいと思います。
 第二点目は、人的な整備についてどうお考えなのか、お伺いいたします。
 本県の警察官の増員については、知事を初め関係当局のご苦労によりまして平成十四年度及び十五年度で相当数を確保していただいたことを大変評価しており、深く感謝申し上げる次第でございます。しかしながら、先ほど来の話のとおり、現下の治安情勢はまことに厳しく、今後ますます厳しくなっていく情勢の中で、今の体制では治安維持をしっかりとできるか、やっていけるのかと、かなり不安があります。
 そこで、私が考えるのは、知識、経験とも豊富であるOB警察官を有効に活用していく方策が大切なのではないかということであります。特に交番相談員などは、知事のご理解により増員されていると聞いておりますが、交番の不在といった県民の不安感を解消する上で大変よい施策であると評価しているのであります。
 そこで、本部長にお尋ねいたします。
 今後の治安情勢に対応していくためにOB警察官の活用を含めた人的整備をどう進めていくお考えなのか、ご答弁をお願いします。
 また、最近、交番、駐在所においても不在が目立つと住民の方からよく聞くことがあり、住民の不安も大きいのではと考えております。夫婦住み込みの駐在所がもっとふえていくことが重要なのではないかと考えますので、この点も含めて高綱警察本部長のご見解をお伺いいたしたいと思います。
 以上で、質問を終わらせていただきます。適切なご答弁をお願いいたします。皆様、ご静聴ありがとうございました。
○副議長(小川 武君) ただいまの門三佐博君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの紀北分院の整備のご質問でございますけれども、議員の質問の中にいろいろ答えがもう全部出ているような形で、非常に答弁が心苦しい面もあるんですけども、私自身といたしましても、この紀北分院の重要性、そして和歌山県における歴史、それからまた今の施設の老朽化の状況、十分頭に入っているわけで、何とかしていこうというふうな気持ちを強く持っているわけでございます。
 そういう中で、去年の七月にこの医大のあり方懇談会、これいい方に委員になっていただいて研究を進めているわけですが、まず前段として、この医大をどうしていく、どうなっていくかということに今までの検討の回が費やされているということで、この紀北分院のあり方につきましては年内をめどに提言をいただくというふうなことになっております。そしてその際、学内で既に検討報告が出ておりますので、これも参考にしながら県としてこの紀北分院、どういう運営形態で、どういう診療科目で、どういう形で地域に一番役に立つようなやり方にしていくかということを真剣に研究していきたいというふうに思っております。
 それから、高野熊野の世界遺産の登録と大きなイベントをということのご質問でございます。
 高野熊野については、来年の六月に世界遺産になる可能性が非常に高くなってきているわけでございまして、ことしの十月にはこれに合わせて高野龍神スカイラインを無料化したり、いろんなことでこの地域の盛り上げを図っていきたいというふうに思っております。先般開催されました近畿の知事会におきましても、全国で十二、世界遺産があるんですけれども、その中の五つが近畿にあるということから、こういうふうなものを連携しながら外国からお客さんを呼ぶというふうな政策を提言いたしまして、これも行っていかれるようになっているわけでございます。
 ただ、世界遺産ともなりますと、やはりこれは登録後になると思いますけども、何かやっぱり華のあるようなことが必要だと思いますので、マンダラ博になるかどうかはちょっとわかりませんけれども、いずれにせよ、いろんな形でこの高野山、これは本当に僕は和歌山県が世界に誇るものだし本当に大切にしていきたいというふうに思っておりますので、いろんなことを考えていきたいと、このように思っております。
○副議長(小川 武君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 道路整備充実についてのご質問にお答えいたします。
 まず国道四百八十号についてですが、そのうち平道路につきましては、四郷の第一トンネル、第二トンネルが概成しております。今後、二本のトンネルを含む四郷地区の早期供用を目指し、用地買収及び改良工事を進めてまいります。
 府県境部の仮称・鍋谷トンネルにつきましては、長大であり高度な技術を要するために、今後とも直轄代行事業の採択を国に強く要望してまいります。
 梨子ノ木バイパスの志賀地区につきましては、部分供用により整備効果を発現したいと考えております。また、梨子ノ木トンネルにつきましては調査設計を進めているところであり、地元の皆様にご協力をいただきながら坑口までの用地買収及び工事を推進し、早期着手を目指してまいります。
 次に京奈和自動車道につきましては、国に強く働きかけた結果、平成十四年度予算におきましては百億円の事業費が確保されました。十五年度は、三大都市圏環状道路として引き続き増額を働きかけているところでございます。
 議員ご質問の橋本道路の供用につきましては、現在、用地取得率が九三%となって工事も実施されておりますが、今後は土地収用法を活用することにより早期に用地取得を完了し、平成十七年度に供用するよう国土交通省に働きかけているところであります。
 紀北東道路につきましては、地元との設計協議が進められており、設計協議の整ったかつらぎ町妙寺地区で用地買収に着手しております。
 紀北西道路につきましては、早急に現地の測量調査に着手し、西からも事業を展開するよう国に働きかけているところであります。
 今後とも、より効果的、効率的に整備が図られるよう国に強く働きかけてまいります。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 道路整備充実についてのご質問のうち、紀の川左岸農道の建設促進と一部供用開始についてでございますが、平成十二年度に農道事業の見直しを行いまして、計画路線を四期に分割し、一期、二期分の一万一千六十二メートルにつきましては集中的に事業を実施し、平成二十二年度完成に向けまして事業を進めてございます。なお、一部供用開始につきましては、本年の七月に九度山町入郷農免からかつらぎ町道山崎高野線間の二千四百五十メートルを供用開始する予定としてございます。
 今後とも、地元調整を図りながら、部分供用ができる区間を重点的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) 携帯電話の通話不能地域の解消についての三点について、一括お答えを申し上げます。
 携帯電話につきましては、ご指摘のとおり、今日では日常生活に欠かすことのできない極めて公共性の高い通信手段でございまして、緊急時における情報伝達手段としても有益でございますので、通話不能地域の解消は重要な課題であると認識してございます。
 通話不能地域につきましては、本県では山間部が多いなどの地理的要因から、おおむね大字単位で見ますと三十七市町村、百四十地区がございます。そのうち特に市町村が国の補助事業である移動通信用鉄塔施設整備事業を活用してでも整備することを強く希望している地区が十六市町村、三十八地区となってございます。補助事業の推進に当たりましては、希望地区の中から世帯数や人口、観光入り込み客数、交通量、公共施設の整備状況等を勘案して順次整備に取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、希望地の多くは山間部でございまして、事業採算性が難しい上に後年度の維持管理経費が通信事業者の負担となっていることから、通信事業者の進出は多くを望めない状況にございます。このため県では、通信事業者が進出しやすいよう、この負担軽減を国に強く働きかけているところでございます。
 また、現有アンテナ設備の出力アップによる利用可能エリアの拡大につきましては、その実現について通信事業者に強く働きかけを行っているところでございますが、本県におきましては山間部が多いなどの地理的要因や鉄塔施設間の電波干渉等の発生のおそれがあることなどから、現状では困難であると聞いてございます。
 携帯電話の通話不能地域の解消は厳しい状況にございますが、その重要性にかんがみまして、今後とも地元や通信事業者との協議を進めながら利用可能エリアの拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 福祉保健部長白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○福祉保健部長(白原勝文君) 介護保険制度の三点についてお答えいたします。
 まず最初に、県内における特別養護老人ホーム──通称「特養」でございます──における待機者でございます。
 各施設で調査した結果、平成十四年三月末現在で千三百九十九名となっております。なお、入所時期の意向も調査しておりますが、約半数の方がとりあえず申し込んでいるという結果になっております。
 次に特養の入所についてでございますが、現在は入所希望者がみずから直接施設に申し込むことができるため、入所の必要性の低い方も早期に申し込むといった傾向にあり、また複数の施設に申し込む方もおられるため、待機者が増加しているものと考えます。
 こうした状況を踏まえ、現在、県、市町村及び関係団体等で和歌山県指定介護老人福祉施設──特養でございます──の入所指針を策定中であり、近く公表することとしております。これをもとに各施設、市町村の協力を得て入所者の選定方法を見直し、入所決定の透明性、公平性を確保しながら、必要性の高い方から優先的に入所できるように努めてまいります。
 次に、特養と介護老人保健施設──通称「老健」でございます──これらの施設整備についてでございます。
 現在、目標年度を平成十九年度とした新長寿プランの策定作業を行っております。この中で各市町村が施設サービスの利用者見込み数等を推計しており、これをもとに県内七ブロックに分けて整備計画を策定中であります。なお、特養につきましては、整備中のものも含め現在ベッド数は四千五十床ありますが、新プランではさらに七百四十二床を、老健につきましては現在の三千九十二床に加え四百六十五床を新たに整備する計画となっております。
 今後も、こうした介護保険施設の整備につきましては、新プランに基づき、関係市町村と十分協議しながら積極的かつ計画的に整備してまいります。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 国際化が進展する中、子供たちが日本人としての自覚を持つとともに外国語能力の基礎を身につけることがますます重要となっております。そのため、本年度から全面実施となった総合的な学習の時間では、国際理解教育の一環として小学校でも英語等を学ぶことができるようになりました。
 こうしたことを踏まえ、来年度からイングリッシュ・パワーアップ・プログラムをモデル事業として実施することとしております。この事業は、小・中学校が連携しながら小学校三年から中学校三年までの七年間を見通した英会話の学習を行うものであり、外国人講師を活用して体験的な活動からより質の高い内容へと系統的に進めてまいります。この事業を通して児童生徒が外国の生活や文化に親しみ、英語を使ったコミュニケーション能力を培うことで、中国語など他の外国語にも関心を持たせる動機づけになると考えているところでございます。
 次に、学校内への喫煙場所の設置についてお答えいたします。
 学校敷地内禁煙の方針は、学校が児童生徒に対して禁煙、喫煙防止教育を行う場であることや、受動喫煙による健康への影響などを憂慮して決定したものであります。これを推進していくためには、教職員がノースモーキングエリアを厳格に守ることによって児童生徒や保護者からの信頼を得ることこそが何にも増して重要であります。したがいまして、校内に喫煙場所を設置するという方法よりも、今後、保護者や学校開放等で施設を利用する外来者に対しても理解と協力を得ることとあわせて、ノースモーキングエリアの趣旨をさらに徹底する方策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○副議長(小川 武君) 警察本部長高綱直良君。
  〔高綱直良君、登壇〕
○警察本部長(高綱直良君) 治安悪化に伴う警察力の強化についてのご質問にお答えを申し上げます。
 まず一点目の警察施設の充実についてでございます。
 警察署の建てかえ整備につきましては、厳しい財政状況の中、県議会、県当局のご理解をいただきながら、平成十二年には海南警察署を、昨年平成十四年には湯浅警察署をそれぞれ新築するなど、順次その整備を計画的に進めてまいったところでございます。
 特に、昭和四十一年以前に建築をされました串本、妙寺、白浜、この三つの警察署はいずれも老朽化、狭隘化が著しく、来庁される方の駐車スペースにもご不便をおかけするというような現状にございます。そのため、串本警察署につきましては平成十五年度と十六年度の二カ年で建てかえるべく所要の予算を今議会にお願いを申し上げておるところであります。また、議員ご指摘の妙寺警察署につきましては、県当局と協議の上、平成十八年度と十九年度の二カ年での建てかえ計画を予定させていただいているところであります。
 次に留置場施設の整備についてでありますが、これにつきましては平成十六年度と十七年度の二カ年の計画で、和歌山東警察署別館という形で建設計画を進めておるところであります。
 次に、人的体制の整備についてでございます。
 当県警察官の増員の状況でありますが、昨年、一昨年と、県知事みずから上京をいただき警察庁長官に直接警察官の増員についての要望を行っていただくなど、多くの方々のご支援をいただき、大変厳しい財政事情の中ではありますが、平成十四年度には四十名の増員が認められ、平成十五年度につきましても既に増員の内示を受け、今議会に三十名の増員をお願い申し上げておるところであります。
 しかしながら、多発をしております街頭犯罪など、当県の治安情勢は依然として大変厳しいものがありますことから、警察といたしましては徹底した業務の合理化を図ってまいる一方で、引き続き国に対して警察官の増員を強く要望してまいりたいと考えておるところであります。
 また、ご指摘の交番相談員につきましては、現在十九名を事件事故が多発する交番に順次配置をしております。平成十五年度も、県知事を初め県当局のご理解をいただき、今議会にさらに五名の増員をお願い申し上げているところでございます。
 議員ご指摘のとおり、知識、経験ともに豊富なOBの警察官を各種の治安対策に活用してまいることは大変重要であるというふうに考えておるところでありまして、引き続きその方策について検討をしてまいりたいと考えております。
 また、交番、駐在所の不在の解消を図るために、先ほど申し上げた交番相談員の充実活用ということを図っておりますほか、パトカーや隣接交番員の立ち寄りを強化して住民の皆様の不安解消に努めておるところであります。
 なお、夫婦住み込みとなっている駐在所の割合は、現時点で全体の約四二%となっております。今後とも、地域に密着した駐在所活動の推進を一層進める見地から、夫婦住み込みの駐在所というものをさらにふやしてまいるべく人事上の配慮を進めてまいりたいと考えております。
 今後も良好な治安を維持し、県民が安全、安心に暮らせる生活環境を守ってまいるために、県議会を初め知事、関係当局のご理解を賜りながら、警察施設及び人的基盤の整備充実に努めてまいる所存でございます。
○副議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(小川 武君) 以上で、門三佐博君の質問が終了いたしました。

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