平成14年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(小原 泰議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○議長(宇治田栄蔵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十番小原 泰君。
  〔小原 泰君、登壇〕(拍手)
○小原 泰君 一般質問も、私が最後となりました。今定例会のトリを務めさせていただきますこと、大変光栄に存じます。ご配慮いただきました先輩方に厚く感謝いたしまして、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 私は、県議会議員初当選後、この本会議場で一般質問に立たせていただき、はや三年半が経過し、この間、多くの県政の課題に取り組んできたところでございます。特に紀南地方の問題点や課題に対し指摘や提言を行ってきたところでありますが、このような中で、観光立県推進のためにと観光行政の機構改革を提言したところ、昨年四月、観光局を設置され、バージョンアップが図られたほか、NHKのドラマ「ほんまもん」のブームに乗ってほんまもんの体験観光を推進されていることや、山間部を多く抱える本県の将来のかぎを握るとも言える緑の雇用事業を木村知事は三重県の北川知事らとスクラムを組んで発信させ推進されるなど、本県の自然環境を生かした取り組みが全国から注目を集め始めているところであり、住民の願いが一つ一つ前進してきているところであります。しかしながら、本県の活性化を図るためにはまだまだ多くの解決しなければならない課題があるのも事実であります。その中でも最も欠かせないのが、道路網の整備であります。
 まず一点目は県内高速道路の整備についてでありますが、現在、国において高速道路や自動車専用道路の整備のあり方について検討がなされており、赤字が見込まれる路線の凍結や地方に負担を求めるなど見直しを打ち出している道路関係四公団民営化推進委員会がマスコミを中心に注目を浴びているところであります。本県でも、近畿自動車道の南部以南の延伸は無理なのではないか、いや白浜まで延伸させ、それ以南は無理ではないかなど、各方面でさまざまな憶測が飛び交っているのが現状であります。
 このようなことから、議会でも民営化推進委員会の動きに対し、「近畿自動車道紀勢線の整備促進に関する意見書」を九月議会の初日に提案し、決議した次第であります。また、知事もこれらの動きを受け、今月四日、鳥取県の片山知事や高知県の橋本知事ら六つの県の知事による「これからの高速道路を考える地方委員会」を東京で開き、地方の意見が取り入れられていないなどとして、政府と地方との協議の場の設置要求などを盛り込んだ共同声明を発表しました。共同声明の中には、高速道の整備は国土全体のグランドデザインをにらんで、責任を持って取り組むべきだとしております。
 今月の六日、新宮市と那智勝浦町を結ぶ自動車専用道路・那智勝浦道路の川関トンネルの貫通式が行われ、地元の少年たちがたるみこしをかついで貫通を祝いました。このトンネルは来年二月に完成する予定であり、那智勝浦道路全体は平成二十年ごろの完成予定であるということであります。しかし、民営化推進委員会の検討内容などを勘案するとき、今後見直しを迫られるなど影響が出ないかと懸念するものであります。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 今後、紀伊半島全体をも視野に入れた県内の高速道路の整備についてどのようにお考えなのか、また政府に対してどのように働きかけていくおつもりなのか、お聞かせください。
 二点目は、紀南地方の道路整備のあり方についてであります。
 平成十年三月に打ち出された「二十一世紀の国土のグランドデザイン」では、サブタイトルを「地域の自立の促進と美しい国土の創造」と掲げ、それを実現するための四つの戦略の一番目には「多目的居住地域の創造」が掲げられています。つまり、国民がゆとりと豊かさを持ってよりよい自然環境に恵まれたところで過ごせるような地域づくり、町づくりを行うとされています。これはまさに本県の、特に紀南地方のような自然環境を生かした中での国土の整備のあり方を盛り込んでいるものであり、本宮町の中山前町長が提唱し、全国九百三十二の市町村の共感を得ている森林交付税構想や、知事が進めている地方と都市との新たな関係により都市から地方への人口流動を促進し、山村地域の活性化を図ろうとする新ふるさと創りや緑の雇用事業の理念そのものであると考えるものであります。
 本県はこれまで過疎対策や山村振興、観光振興等に正面から取り組み、県内二時間行動圏構想を打ち出すなど道路整備に取り組んできており、明らかにむだと言われるような道路は一つもないものと確信しております。
 現在、公共工事の実施に際しては、その評価手法として費用対効果分析が導入され、交通量の少ない地方での公共道路工事はむだ遣いであるかのように言われていますが、必ずしもそうではないと思うのであります。
 一つ例を挙げると、私が平成十一年十二月議会で取り上げた紀南の山間僻地の総合医療体制整備充実に関してでありますが、その際、高度医療機器が整備された医療施設の充実ということで、県立医科大学紀南分院の誘致等を働きかけました。その後、県では、山間僻地での緊急医療体制としてドクターヘリの導入を決め、現在はそれにより対応しており、このことは一歩前進ととらえられるものの、必ずしも満足できるものではありません。ヘリでは、気象条件の悪いときは運航が難しいなど、天候に左右されやすいものであるからであります。
 先日、知事は、読売テレビに出演された際、「守旧派のように言われているが、命の道ということもある」と述べておられました。ヘリが飛べない場合には、そのかわりはもちろん道路が行うことになり、山村僻地に住む者にとってまさに「命の道」であります。紀南の山村地域で暮らす住民が安心して生活する上において、また新ふるさと創りや緑の雇用事業を積極的に展開し、中山間地域の活性化を図る上においても、近畿自動車道の紀南延伸とあわせて山間部における道路整備が重要であると考えますが、知事が提唱する地方基準の公共事業の手法を用いたむだのない山間部の道路整備など、今後の紀南地方の道路整備のあり方についてどのようにお考えなのか、知事にお尋ねいたします。
 次に、観光振興と連動した道路整備についてであります。
 紀南地方の観光振興策として、地域の持つ自然を生かした体験型観光を企画し、積極的に推進しているところでありますが、観光振興を図る上においては観光客が安全に移動できることが重要であると考えます。しかしながら、県道などの一般道はもちろんのこと、紀南の主要道である国道四十二号や国道百六十八号においても、いまだに大型の観光バス同士がスムーズに対向できない場所があります。例えば、国道四十二号では那智勝浦町湯川地内の湯かし潟付近であり、国道百六十八号では熊野川町能木地内の三津野橋などであります。国道百六十八号は地域高規格道路の指定を受け、工事が始まっているところであり、地域住民は早期の完成を待ち望んでいるところでありますが、完成までには相当の歳月を要するということであります。
 県が発行している「ほんまもん体験」の観光ガイドを見ますと、その内容は、紀南地方での農林漁業体験や自然観察体験、それに歴史文化体験などといった幅広いプログラムで構成されており、体験のためのフィールドは従来の観光では考えたことのないほど奥地にまで広がり、今後は国道など主要道の利用増加はもちろんのこと、奥地の整備がなされていない一般道にまで利用が拡大されるものと考えられます。
 紀南地方において体験型観光を推進するに当たっては観光客が安全に移動できることが重要でありますが、それと同時に、入り込み客の増加によって地域住民の生活に支障が生じないようにすることが必要最小限のことであると考えます。
 そこで、土木部長にお伺いいたします。
 体験型観光の推進と連動して、支障を来している主要道の改良とアクセスに用いる奥地一般道の未整備区間の解消を並行して行うことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 次は、東南海・南海地震対策についてお伺いいたします。
 一点目は、地震防災対策アクションプログラムの策定についてであります。
 昨年九月に国の地震調査研究推進本部が公表した東南海・南海地震の長期評価は、我々に大きなショックを与えたところであります。長期評価における地震の発生確率は、今後三十年以内に東南海地震で五〇%、南海地震で四〇%というもので、この数字をどうとらえてよいものか判断しにくいものではありますが、歴史上、九十年から百五十年間隔で発生しており、南海地震はあと三十四年でちょうど九十年が経過することになり、発生の確率は年々高まっていくことに間違いはありません。
 また、前回の地震は歴史的に見てその規模は小さく、蓄積されていたエネルギーのすべてが解放されずにまだ残っていると推測されているため、次回の発生までの間隔はこれまでの発生間隔よりも短くなるとも言われております。
 静岡県沖の東海地震は、前回の発生から既に百四十八年経過した今でもまだ起きていません。二十年以上も前からいつ起きても不思議はないと言われ、二十年以上かけて対策を講じたわけであります。これに比べると東南海・南海地震はまだ少しの余裕があると考えられますが、本県が作成している地域防災計画における今後の地震防災対策についての計画に関する記述は不十分なものに感じられるとともに、他の防災に関する計画書などを見ましても具体的な記述は見当たらないように思われます。
 長期評価が発表され、東南海・南海地震等に関する専門調査会が発足し、本年度末にも被害想定が出される今こそ、知事のご努力もあって特別措置法が成立した今こそ東南海・南海地震の発生を想定したアクションプログラムを策定し、これを県民に示していく時期ではないかと思うのであります。
 アクションプログラムの策定に当たっては、第一に、十年もしくは十五年くらいの間に実施していくべき対策を示し、五年程度のスパンでの見直しを想定すること、第二に、これまで個々に行われた県の各部局での対策、取り組みをハード・ソフトの両面にわたり集約し、それぞれを有機的に結びつけたものとすること、第三に、県民の命を守るため直ちに行うべき対策から十年、十五年かけてじっくりやっていくべき対策まで、その緊急性を適切に分類しながら策定すること、第四に、中央防災会議の今後の地震対策のあり方に関する専門調査会の提言にもあるように対策の主体を自助・公助・共助の三面から評価し、それぞれの役割分担を明確にすること、第五に、策定したアクションプログラムはこれをあらゆる手法によって県民に広く公表し、県民の正当な評価を仰ぐものとすることと考えるものであります。
 そこで、総務部長にお伺いいたします。
 県として、早い機会にこのようなアクションプログラムを策定していこうとする考えを持たれているのでしょうか。私は、今この時期に東南海・南海地震に対する県の姿勢を県民に具体的に示すことが県民各自の地域防災対策の必要性についての有効な啓発手段となるとともに、あらゆる機関と県民が一体となって地震に対する防災対策を進めていく契機になるものと考えるものであります。今後、これらの地域防災対策に相当な予算が必要になると思うのでありますが、これに対する県民の理解を求めていく上でも重要であると考えます。いかがでしょうか。
 次に、観光客等の津波避難対策についてお伺いいたします。
 県が作成した津波シミュレーションや新聞、テレビなどの報道によりますと、県内随一の観光地である白浜には、地震発生から二十分以内に高さ約五メートルの津波が襲うとされています。同様に勝浦には、東南海、南海地震とも、おおむね十分程度で津波がやってくるものとされております。知事は、東南海・南海地震の特徴である津波からの円滑な避難対策に重点を置き、これからの地域防災対策を講じていくと言っておられます。また、本年十一月十三日には和歌山県で初めての津波避難訓練を行う予定と聞いているところでもあります。本県も津波避難対策についてやっと緒についたという感じがいたします。
 先日放送されていましたNHKのテレビ番組によれば、白浜町のホテルでは観光客の津波避難対策を始めているとのことでありました。しかし、このような対策を講じているのはほんの一部にすぎないとも伝えておりました。
 来年度当初に当たり施行が予定されている東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第七条第一項には、推進地域内において不特定多数の者が出入りする施設を管理・運営する者は津波からの円滑な避難に関する対策計画を定めなければならないとされております。東海地震に適用される大規模地震対策特別措置法及び同法施行令を参考とするならば、恐らく不特定多数の者が出入りする施設の中にはホテル、旅館が含まれることになるかと思います。東南海・南海地震が注目されている中、本県の沿岸部を観光に訪れようとする方々はいかに考えるでしょうか。
 もし津波が発生した場合に多くの観光客を津波から避難させられなかったときは、もはや観光地としての価値は著しく損なわれてしまうことでしょうし、それ以前に、津波避難に対する十分な対策が講じられていない観光地を果たして観光客はどのように感じるでしょうか。安全に対する十分な配慮がなされている観光地こそがよい観光地であることを理解し、これに対する付加価値を認めてくれるものだと考えるものであります。恐らく、特別措置法において対策計画の策定を求められる者は、一定規模の施設を管理・運営する者に限られると思います。
 そこで、総務部長にお伺いいたします。
 和歌山県の観光地が全国から信頼を得るためには万全な津波対策を求めていくべきものと考えますが、対策計画の策定対象者と具体的な策定に係る今後のスケジュールはどうなっておるのか、また県は観光客に対する津波避難についてどのように対処していくつもりなのか、ご答弁をお願いいたします。
 最後は、地震発生後の緊急輸送路の整備についてでございます。
 東南海・南海地震、特に南海地震が起こった場合には紀南の基幹道路である国道四十二号は津波により被災し、緊急輸送路として活用できない事態になることは容易に想像できるものであります。地震発生から少なくとも六時間は津波がおさまらず、また余震の影響で六時間を過ぎても通行するのが困難な状況になることも考えられるところであります。
 先月の二十三日、本県の山間部を南北に走る道路の一つである国道三百七十一号沿線の東牟婁・西牟婁の町村長や議会の議長さん、それに私ども県会議員ら関係者が集まって、三百七十一号の整備改修を国や県の関係者に要望したところであります。南海地震クラスの地震が発生した場合、国道四十二号は津波で全面通行どめとなり、東牟婁・西牟婁の海岸筋の交通手段はなくなり、三百七十一号に頼らざるを得なくなるのは必至であると思います。この路線には未整備な箇所が何箇所もあり、防災対策面から見ても早急な整備改修が必要であると考えるものであります。国道三百七十一号を津波発生時の緊急輸送路として位置づけ整備を図っていくことが、事が起こった場合にも対処することができる、まさに知事の言われる「命の道」になるのではないかと考えております。
 そこで、土木部長にお伺いいたします。
 国道三百七十一号を大地震の際の緊急輸送路として位置づけることについてどのように考えておられるのか。またあわせて、この路線を今後どのように整備していく予定であるのか、整備方針についてもお伺いいたします。
 以上で、私の一般質問を終わります。当局の誠意あるご回答をお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宇治田栄蔵君) ただいまの小原泰君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの高速道路についてのご質問でございます。
 高速道路につきましては、先般、民営化推進委員会が中間報告を出しまして、それを子細に読みますと、一方では凍結とか規格の見直しをしながらやっていくんだという話がある一方で、また財源としては、新しいどこかの保有機構からのお金と、それからプール制ではないけれども、それぞれの高速道路から上がってくる利用料金と国、地方のお金を合わせてやっていくんだということが書いてありまして、これは、どういうふうにしていくのか、幾ら読んでもなかなかわからないような状況でございます。
 それからまた、国会議員の中では整備計画区間は全部やるんだという形の意見が出てきておりまして、いずれにいたしましても、これから年末にかけて未整備区間の取り扱いについては相当激しい議論がなされてくるというふうに考えております。
 そういう中で私が一番危惧しておりますのは、民営化推進委員会が費用対効果と申しますか、例えば百円の利用料金を上げるのに百五十円かかるようなところは要らないんだとかいうふうな、単なる矮小化された議論で高速道路の必要性を言う立場に立っていることが非常に危惧されるところでございます。高速道路は本来、日本の国全体の流通とか物流、人流を合わせた中でどういうふうに整備していくのかということから考えるべきでありますし、そしてまた、日本の国一国のことじゃなくて国際競争力の中から考えていくことなので、四十兆円の借金をどうするかということから入っていくというのは、これはちょっと本末転倒の議論であろうかというふうに思っております。
 そういう意味で、和歌山県にとっての高速道路の紀南延伸は、県にとっても、当然のことながら物流、人流の中から地域の振興を図っていこうということでぜひとも大切なものでございますし、これは何としても整備計画区域、さらには計画区域全体について整備されるように思い切った働きかけをしていかないといかんというふうに思っております。
 そして、その中で一つ危惧されますのは、それほど重要な道なんだったら県がお金を出してつくればいいんじゃないかというふうな方向へ話が行くことがあるわけでございますけれども、高速道路というのは日本全国で順番に──和歌山県もお金を出したり努力したりしながら、先のところも、できれば後のところもできるという順番にやってきている、まあ言ってみれば頼母子講のようなものでございまして、和歌山県はそろそろ頼母子講を落とそうかなと思っていたら、もうこの講はやめになりましたと言われているようなことと同じようなことになりますので、これはやはり国策としてちゃんと全部の高速道路をつくってもらうということにしてもらわなければならないので、多面的にこの和歌山県の高速道路の必要性ということを私はいろんな場面で述べていきたいと考えているところでございます。
 それから、その他一般の紀南の方の道路のことでございますけれども、当然のことながら、和歌山県がこれから発展していくためには豊かな自然とか観光とか、そういうふうなものを生かしながら発展していくことが大変大事なことだと思っておりまして、そのためにも物流、人流の道は、高速道路に限らず通常の生活道路というものも非常に大事ですし、それから住民の方にアンケート調査をとっても、公共事業で一番やってほしいのは圧倒的に道路というふうな結果が出ているわけです。
 ただ、そういうふうな中で、若干必要性に乏しいような道路とか、それからまた本当の必要性はそれほど大きなものでなくてもいい、もう少し小さな基準でもいいんだけれども補助制度の中で大きなものになっているという例もなきにしもあらずというふうに考えますので、そういうことについては、地方からの公共事業のあり方と基準ということに従って地方が主体になって道路づくりを進めていく。そういうふうなことを今研究し、そしてまた国の方へも提言しているところでございます。
 いずれにせよ、そういうふうな制度をとったから補助金が来なくなったということになっては困りますので、ちゃんと来るべきものは来て、そのことによって、そのお金で必要なものを住民にとって一番役に立つような形でつくっていくということでこれからも道路整備を進めていきたいと、このように考えております。
 以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、観光振興と連動した道路整備についてでございますが、議員ご指摘のとおり、豊かな自然とそれにはぐくまれました歴史・文化を生かした観光振興が紀南地方の活性化に有効な施策であると考えております。そのため、広域観光ルートとして、近畿自動車道紀勢線を初め、地域高規格道路である国道百六十八号、国道百六十九号等の幹線道路の整備を重点的に進めるとともに、国道四十二号については現道対策などを国に働きかけてまいります。
 幹線道路に連なる一般道につきましても、市町村が重点を置く体験型観光の拠点へのアクセスを意識し、優先順位をつけて地方基準により順次整備を進めてまいります。
 次に、東南海・南海地震対策のうち緊急輸送路の整備についてでございますが、昭和二十一年の南海道地震の被災状況を見ても、地震に伴う津波により国道四十二号が寸断されることが予想されます。国道四十二号の代替路及び緊急輸送路として近畿自動車道紀勢線の整備が不可欠であり、その必要性を強く国に訴えてまいります。
 国道三百七十一号につきましては、国道四十二号から古座川町蔵土の臨時ヘリポートまでの区間が緊急輸送路として位置づけられておりまして、当面この区間を重点に、国道四十二号の代替路となるよう現道対策を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宇治田栄蔵君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 地震対策につきましてお答えを申し上げます。
 まず、地震防災対策アクションプログラムの策定についてでございますが、本県におきましては、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、平成七年度以降、和歌山県地域防災計画震災対策計画編の大幅な見直しや地震防災対策特別措置法に基づき地震防災緊急事業五箇年計画を策定し、これを推進するなど、地震防災対策の強化を図ってきております。
 あの大震災から七年余りが過ぎまして防災意識の風化が危惧される中、東南海・南海地震の長期評価の発表、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の成立を契機に、県民の地震防災に対する関心が高まりつつある状況にあるものと認識しております。
 このような状況を踏まえますと、これまでに構築してきた制度、枠組みの効果的な運用と社会的定着を図り、その実効性を高めるとともに今後取り組むべき地震防災対策について、来るべき東南海・南海地震に万全を期するという新たなステップへ移行させるべき時期に来ているものと考えております。
 このため、特別措置法に定められました推進計画の策定に取り組むとともに、議員ご指摘のとおり、今後十年程度の期間に進むべき基本的方向性やそれに伴って講ずべき具体的施策を取りまとめることが必要であると考えておりまして、アクションプログラムの策定につきまして、議員のご意見も踏まえながら積極的に検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、観光客等の津波避難対策についてでございます。
 まず対策計画の策定対象者でございますが、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法により対策計画を作成しなければならないとされている者は、推進地域内において病院、百貨店等不特定多数の者が出入りする施設等で、政令で定めるものを管理し、または運営することとなる者とされておりまして、政令が公布されていない現段階では具体的に定まっておりませんが、大規模地震対策特別措置法の例で見ますと、地震防災応急計画を定めることとされている者は、議員のご指摘にもありましたが、旅館、ホテル、そして飲食店、店舗などと具体的に示されておりまして、今具体的に挙げましたものにつきましては収容人数三十名以上の施設の管理者とされております。
 今後の策定スケジュールについてでございますが、特別措置法は公布の日、すなわち平成十四年七月二十六日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとされております。
 国は、現在調査を進めております東南海・南海地震等に関する専門調査会における調査結果を推進地域の指定や基本計画の策定に反映することとしておりまして、調査結果が公表される時期が今年度末とされておりますことから、おおむね平成十五年度当初には施行の運びになるのではないかと考えております。
 県といたしましては、専門調査会の動向を見ながら、法施行後、民間事業者等の対策計画の作成がスムーズに進むよう準備を進めてまいりたいと考えております。
 また、観光客等の津波避難につきましても、住民と同様、その対策を講じていくことが必要であると考えております。県では現在、消防庁の指導のもとに地域ごとの津波避難計画策定モデル事業に取り組んでおりまして、今年度末には沿岸全市町に対しその成果を示して津波避難計画の策定を促していくこととしており、今後、沿岸市町が作成していく津波避難計画に観光客等の避難に関する事項を盛り込むよう指導してまいりたいと考えております。
 また、本年度実施いたします津波避難訓練には、初めての試みということもあり、観光客等の避難に関するメニューは入れられておりませんが、今後、沿岸市町の協力も得ながら旅館等に参加していただくなど、観光客の避難についても取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宇治田栄蔵君) 以上で、小原泰君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宇治田栄蔵君) 異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
  【日程第三 議案等の付託】
○議長(宇治田栄蔵君) 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件のうち、議案第百三十三号平成十三年度和歌山県歳入歳出決算の認定について及び議案第百三十四号平成十三年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
  【日程第四 請願付託の件】
○議長(宇治田栄蔵君) 次に日程第四、請願付託の件について報告いたします。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 お諮りいたします。九月二十日、二十四日及び二十五日は委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宇治田栄蔵君) ご異議なしと認めます。よって、九月二十日、二十四日及び二十五日は休会とすることに決定いたしました。
 なお、委員会の会場はお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
 次会は、九月二十六日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時三十八分散会

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