平成14年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○副議長(小川 武君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十八番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 通告に従いまして、順次、質問を行ってまいります。
 去る七月二十六日公布された東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法につきましては、議会冒頭の提案説明、また質問に対して力強い答弁が知事からありました。私たち政治や行政に携わる者が地震のことを正しく理解し十分に備えておけば、何千、何万という命を助けることができ、多額の資産が失われずに済むのであります。今後の政令、各種政策に対しての取り組みに大きな期待をいたします。
 そこで、私からはまず防災センターの機能と本庁舎の耐震補強について伺います。
 南海道地震に限らず、そもそも地震の予知については不可能であるというのが今日でも通説となっております。そうしますと、実際、地震はいつ起きるかわからないわけでありますから、防災担当職員は勤務時間中に地震が起きた場合は対応できるものとして、勤務時間外に起きた場合は、センターそのものはびくともしなくても、肝心の職員が自宅で被災したり、被災しなくてもセンターまでたどり着けないということが予想されます。そのため、地震が差し迫ったとき──実はこれがいつかわからない可能性が高いので、日常的に防災担当職員は、昼間防災センターで勤務し、帰るのも自宅ではなく防災センターの至近距離にある住宅または防災センター内へ居住する必要が出てくるのではないかと思います。少なくとも近い将来には必要になってまいります。したがって、今回の建設に当たってはこのようなことにも配慮しておくべきでありますが、どのように計画されているのでしょうか。
 次に、議会棟については平成元年から、県庁舎は平成七年から将来の建てかえのために基金を積み立ててきましたが、折からの財政悪化で平成十一年時点からはそのままとなっております。この際、建てかえをあきらめて耐震補強することも考えなくてはと思います。とは申しましても、耐震補強をしても、もとがかなり老朽化してきていることも事実でありますから、地震が起きるのが先になればさらに老朽化が進むということになります。大変難しい判断でありますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、今日の自治体を取り巻くリスクは、自然災害に限らず、人為的災害、経済事象など、社会や経済が巨大化、複雑化し激変する中でさまざまなリスクが顕在化しつつあります。あるアンケートでは、自治体の危機管理は自然災害と環境問題には高いが、そのほかには低いという結果が出ました。果たして本県のリスクマネジメントはどのように取り組まれているのでしょうか。
 さらに、リスクマネジメントを担当するリスクマネジャーもそうでありますし、以前質問をしました防災監や医療政策のかなめであります医務課長などのポストは、長年の経験と知識がないと思い切った政策の立案や任務遂行が困難であると思います。しかし、これらのポストはいわゆる登竜門で、大体一、二年で交代してしまいます。そこで、このようなポストでは人を育てる観点から、じっくり任せて、そのかわり責任もとらせる人事をすべきであると思います。
 また、「すまじきものは宮仕え」と言われるように、職員は辞令一つでどこへでも行かねばならないわけでありますが、果たして人間の能力はそう簡単に見きわめることができるものでしょうか。確かに組織上の問題点もあり、上司が評価を行うことの合理性は認めますが、ここはひとつ逆に積極的な人事、例えばプロ野球のフリーエージェント制度のようなものを導入してはいかがでしょうか。既に上場企業でも実施しているところがあり、社員にやる気がみなぎり、上司には緊張感が生まれる制度であると言われております。
 次は、生活排水の問題であります。
 先日の報道によりますと、長年大変不名誉な成績でありました本県下水道普及率が、昨年度実績において徳島県を抜いて一〇・九%となり最下位を脱しました。生活排水対策は市町村の仕事とはいえ、結果的には県の責任のように言われるわけですから、一歩前進ではあります。しかしながら、私は生活排水施策をさらに強力に進めることが大きな課題であると思いますので、県において下水道局を設置し、生活排水対策部局の一元化を図る提言をいたします。
 現在、生活排水を衛生処理するための事業は土木部の公共下水道事業や農林水産部の集落排水事業、環境生活部の合併処理浄化槽設置事業などがあり、採択規模の大小はあっても目的は同じで、問題は監督官庁が違うため補助金の出るところが違うということであります。そのため、国庫補助率が有利な事業、県費補助がどの程度あるかなどが優先され、せっかく生活排水処理計画はあっても有効に機能していないように思います。既に市町村では一元的に取り組んでいるところがあり、一歩進めて、どの事業で取り組んでも住民の負担は同じという住民の立場に立った調整をしているところもあります。知事は、生活排水部局の一元化をどのようにお考えでしょうか。
 三番目は、緑の雇用事業の成功を期して、以下質問をいたします。
 さきに国において森林整備隊などが来年度の概算要求に盛り込まれ、さらなる前進をいたしました。知事が熱心に新しい試みに取り組んでおられる姿に敬服し、引き続きの尽力をお願い申し上げます。
 先日、御坊の地元紙にユニチカの労働組合員が中津村にやってきて下草刈りに精を出す姿が報道されました。このまま村に定住し、それが呼び水となって人口の逆流が始まることを期待いたします。ただ、県内の失業率も高く、できるだけ多くの人を収容できるよう要望しておきます。
 さて、林野率七七%の本県で緑の雇用事業が成功するためには、林産物をいかに経済原則に乗って売るかというのが大切で、林業関係者だけではなく、あらゆる立場の人が一致協力して取り組む必要があると思います。特に役所は、全庁を挙げて取り組むべきでしょう。
 土木部の「土木」は「土」と「木」と書きます。恐らく、かつての土木事業が土と木で行われていたあかしであります。ところが、現在、土木工事現場へ行ってもほとんど木材は見られません。あるのは合板の幕板と定規、看板の枠ぐらいで、これでは「土木」と言うよりも「土鉄」あるいは「土コンクリート」という感じであります。決して鉄やコンクリートを否定するものではありません。鉄やコンクリートなしで土木工事は成り立ちません。しかし、木を使えるところは随所にあります。例えば、幕板やバリケード、さらにガードレール、防護さく、土砂どめ、防音壁などがあります。木製防音壁などは、百メーター分で木造家屋一軒分の木材を使うと言われています。
 かつて、「鉄は国家なり」と言われていた時代がありました。ですから、土木工事現場だけではなく、何でも鉄や樹脂でつくることを前提にした基準になってしまっています。時計の針を少し戻して、土木工事の現場、農作業の現場、身の回りに温かみがあってリサイクルがきく木材を使うことによって、かつての山と地域の共生関係を取り戻していこうではありませんか。
 既に、県においては農林水産部、土木部において木材の利用が始まっていますが、この際、ボリュームの大きい土木部のさらなる取り組みを求めるものであります。土木部長はどのようにお考えでしょうか。
 次は、紀州材のブランド化についてであります。
 「沖の暗いのに白帆が見える、あれは紀の国ミカン船」と歌われたのは紀伊国屋文左衛門ですが、紀伊国屋がもうけたのはミカンだけではなく、紀伊山地に生い茂る紀州材、杉、ヒノキを火事とけんかが華の江戸に送ったからだと言われています。しかしながら、今日の紀州材は、ヤング係数などが他産地に比べすぐれており、値段も高く取引されていて玄人受けはしているものの、まだ広く一般消費者には知られておりません。昨今、中国製が工業製品、農産物にかかわらず洪水のように流れ込んできていますが、幾ら中国で努力をしても日本製はつくれません。そこに国産の生きる道があると思います。つまり、国産の紀州材のブランド化が有効であると考えます。
 まず、そのためには品質を確保することであります。紀州の山で生産される木材はすべてよいというわけではありません。紀州材の特性であるヤング係数や光沢などの品質を持つ材だけが名乗れる確かな基準をつくるのです。またPRも、問屋や工務店だけの専門家だけではなく、広く一般の消費者つまり施主となる人にこそ紀州材のよさ、すばらしさを知ってもらわなければなりません。そういったブランド化が必要であると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 さらに、今度は経済発展著しい中国に逆に攻め込んではと考えます。中国の住宅事情を観察いたしますと、木は余り使われてないことがわかります。コンクリート、石、レンガばかりで、木を使う習慣が余りないのか、はたまた大方の中国の山に木が生えていないように、木が少ないからかもしれません。私の町・御坊市は木材の町ですが、主要な外材の製材所は今や国産杉をひいております。杉が安いということと、北米からの原木が中国へ流れているという事情のようであります。まだまだ木材に親しむという習慣がない中国市場ではありますが、既に富裕層が多く発生している中国へは、木材そのものだけを売るのではなく、ライフスタイルともども売ることによって大きな市場になる可能性があります。カラオケという文化は、既に浸透しつつあります。山東省との長年のおつき合いを生かしてチャレンジすべきであると思いますが、いかがお考えでしょうか。なお、宮崎県が中国への輸出に取り組んでいることを報告しておきます。
 四番目は、少子化対策と不妊治療についてであります。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、我が国の人口は数年後にピークを迎え、その後は減り続け、今世紀末には今の半分以下の約四千六百万人、多く見積もっても八千百万人程度になるとの報告がされています。このため、高齢化とともに少子化対策は国の大きな課題となり、さまざまな政策が打ち出されています。しかしながら、個人的な経験から考えますと、少子化対策が有効に作用するのは大変困難に思います。最近の報道では、一人っ子政策をとる中国でも人口の伸び悩みを心配して政策の見直しが行われると言われていますが、富裕層が集まる都会では、もう見直しをしても子供はつくらないという家庭が多いと聞きます。本当に難しい問題であります。
 一方、世の中には子供が欲しくてもできない家庭があります。日本では、健常に性行為があっても二年間妊娠しない場合を不妊症と定義していますが、最近では不妊症の原因になりやすい病気も増加しており、十組に一組は不妊症と言われております。幸い、不妊治療は年々確実に進歩しており、少し前まで原因不明と片づけられていたものも原因が究明され、体外受精の技術が根づき、治療が受けられる病院施設も全国に広がっています。
 しかし、不妊治療において、普通、一般治療の段階で妊娠にこぎつけるのは二年で四割、そして残りの多くが高度医療に進み、数回以上の治療で妊娠できるのがまた四割といったぐあいであります。さらに、不妊治療の一部は保険が適用されるものの、ほとんどは適用外で、一回数万円から四十万円前後の費用は妊娠適齢期の若い世代には二重の重荷になっています。
 このような状況下、去る七月十三日、坂口厚生労働大臣が記者会見で、不妊治療について少子化対策の観点から公的支援の対象とし、九月に取りまとめる政府の少子化対策に患者の負担軽減などを盛り込むとの考えを明らかにしました。私もこの県議会で質問をする予定にしておりましたので、坂口大臣の発言はまさに我が意を得たりとの感がいたしましたが、その後、政府ではどのように取り組んでいるのでしょうか。
 また、高齢化が先駆けて進む本県では独自の施策を考えてはと思いますが、どうでしょうか。「子供を産まない」と言っている人に「さあ、産め」と言うよりも、欲しいと念願している人を助けてあげるのが政治や行政の仕事であると思います。
 五番目は、青少年補導センターについてであります。
 最近は、毎日のように議会に提供のあったペーパーが送られてきます。県政の動きが刻々わかり、大変親切な制度であると思いました。
 さて、その中に就職啓発のリーフレットとともに「見つめよう 今の自分! 考えよう 自分の未来!!」というリーフレットがあり、高校生や父兄に対して携帯電話についての諸注意ですが、最後に何かあったときの相談は教育委員会関係の教育相談窓口、県警本部の少年サポートセンターとともに、やはり最寄りの青少年補導センターへとありました。身近な補導センターの利便性、重要性を再認識いたしました。
 ところが、今度、派遣教員が引き揚げられて、とうとう補導センターが閉鎖するというような話が聞こえてまいります。果たしてこんな時期にまさかと思いますが、一体どうなっているのでしょうか。
 そこで、青少年補導センターの目的は何だったのか。これまでどのような活動をしてきたのか。その活動を県はどのように評価し、今後をどう展望するのか。また、センターでの派遣教員の役割や必要性についての見解はどうでしょうか。さらに、国へ要望していくことはないのでしょうか。それぞれ所見を伺いたいと思います。
 最後に入札制度について、一点は要望を、一点は質問をいたします。
 まず、公共工事の入札についてであります。
 今年度入札及び契約手続改善方針が示され、一連の制度改革が行われ、一層の競争性、透明性が確保されました。しかし、公平性という観点では疑問もあります。具体的には、工事実績対象期間の二年間に受注がなければ工事成績評価を零点としていますが、そもそも主観点数とは、業者の施工能力、技術力、賞罰、社会性など、経営事項審査だけではわからない全体像を主体的に判断するためのもので、二年間に直接受注がないからといって、その施工能力、技術力がにわかに零点とするほど著しく劣化するとは考えにくいものです。現に、国土交通省において、期間を二年間としていた旧運輸省の方式を四年間とする旧建設省の方式に統一する準備が進められていると聞きます。また、加点についても最高百点とされていますが、ことしから導入された国際標準基準のISO取得点数がわずか十五点であることに比べると、偶然の支配する受注が前提となる工事成績評価の百点は過大であります。さらに、市町村などが行う国費、県費の補助事業の完成検査を県工事と同様の和歌山県工事検査規程に基づいて県が行っているのであれば、これも対象とすべきであります。また、障害者の雇用などの項目を追加し、多面的に判断してはどうかと思います。
 土木部においては、今後の見直しを入札監視委員会などにおいて検討するとしていますが、役所の事務の透明性、説明責任も含めて早急な改善を要望するものであります。
 次は、IT関連の発注についてであります。
 県ではIT戦略を策定し、県政策へのITの積極的な導入を図ることとしており、それに沿って最近IT関連の委託が各部各課から発注されております。県報掲載案件を見ますと、税務事務管理のような高度の技術を要するものもあれば、ホームページ制作のような簡単なものもあります。しかし、発注の方法は、金額が大きくても随意契約であったり、小さくとも一般競争入札であったりと、さまざまで統一されたものがありません。また、県報に掲載されただけで、鳴り物入りで誘致したIT企業でさえ知らないということもありました。それでは、インキュベーターに入っている零細業者やSOHOの皆さんは知る由もないでしょう。せっかく立派な畑を用意し、種をまいても、水や肥料をやらなければ作物は育ちません。
 IT産業の振興なくしてIT先進県たり得ないと私は思います。なぜこんなことが起きるのか、よく考えてみますと、IT政策を担当するところと発注するところが別ですし、産業振興をしているところがこれまた別といったぐあいであります。これは配慮が足りないといった問題ではなく、組織のあり方の問題であると思います。この際、IT戦略が実効あるものとするため、発注方法の改善と一元化を望むものでありますが、どのようにお考えでしょうか。
 以上であります。
○副議長(小川 武君) ただいまの中村裕一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 南海道地震との関連での県庁の耐震補強についてのご質問でございます。
 ご質問にありましたように、県庁舎、そして議会棟、警察、これの建てかえということで、平成二年から議会棟について進めて、平成七年度から本格的にお金を積み立ててきたところでございます。平成十一年度に積み立てを一応とめておりますけれども、今のところ百億近いお金が基金としてたまっているというところであるわけでございます。
 これは条例で定めておりますので、にわかにこの使途を変更するということはなかなか──また議会等とご相談しながら進めないといかんことでございますけれども、地震に対する耐震設計というのは大変大事なことですし、特に警察庁舎等、非常に危険性の高い建物もございます。そういうふうなことも含めて、人命のことが一番大事でございますので、どういうふうな対応をしていくのが一番合理的であるかということを真剣に考える時期が来ていると私は思っております。
 そしてまた、庁舎につきましても、これは私が以前総務部長をしていたときに大幅に基金をつくってやっていこうということで進めた経緯もあるんですけれども、やはりなかなかこの厳しい状況の中で新しい県庁舎をつくっていくということについて県民の理解が十分得られるものかどうかというふうな諸般の情勢もあります。そういうふうなことも踏まえて議会の方と相談をしていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
 それから、下水道の整備について一元的な組織にしたらどうかというふうなご質問でございます。
 これは私も以前、国の方で担当の室長をしていたことがありまして、公共下水道、そして農集、漁集、合併処理浄化槽、そしてコミュニティープラント、いろんなものがあって、結局これがすべて衛生処理率という形では統合されるんですけれども、下水道普及率ということになるとまた別々ということもありまして、何か一元化できないかというふうなことを東京にいたときも考えていた経緯がございます。
 やはり、地方公共団体というのは、そういういろんな施策を首長のもとに一本化してできるところがある意味ではメリットということも言えようかと思いますので、こういうふうなものを統合して和歌山県の──今ようやく下水道処理率についてはびりから二番目になったということでございますが、これで満足できるような状況ではございませんので、ご提言の趣旨も含めて組織のあり方について前向きに検討してまいりたいと、このように考えております。
○副議長(小川 武君) 総務部長宮地 毅君。
  〔宮地 毅君、登壇〕
○総務部長(宮地 毅君) 防災関係のご質問のうち、防災センターの機能と専門家の養成についてお答えを申し上げます。
 防災センターの機能についてですが、災害の発生時、迅速かつ的確な被害情報の収集、適切な応急・復旧対策の実施は、災害による被害の軽減を図るために大変重要であります。このため、防災センターにおいては、まず職員数名が夜間も常駐する二十四時間即応体制をとる必要があると考えております。また、いざ災害が発生した場合は、半径二キロ以内に居住しております職員約百名が緊急参集し、初動態勢の確立を図ることとしております。さらに、防災センター内には常設の災害対策本部室と県及び防災関係機関の職員約二百名が災害対策業務に当たる防災対策室を設けまして、速やかに災害対策活動を実施できる体制を整備する必要があると考えております。
 ご質問にございました当直体制等の強化につきましては、職員の近隣への居住も含め、防災センターの整備にあわせて検討してまいりたいと考えております。
 次に、専門家の養成の関係でございますが、職員の異動は職場の活性化、不正防止、総合的な人材育成の観点から一定のローテーションで行っているところでございますが、一方で複雑多様化する現代社会におきましては専門的な知識、経験を有した幹部職員が不可欠となってきているのは議員ご指摘のとおりであります。このため、今後幹部職員を養成する上で、特定分野における専門的知識を有するいわゆるスペシャリストの養成にも意を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、プロ野球のフリーエージェント制のようなものを導入してはどうかというご提言につきましては、職場の活性化や職員の意欲喚起につながる方法の一つとも考えられますので、今後、具体化に当たってどのような方策が可能なのか、検討してまいりたいと考えております。
○副議長(小川 武君) 知事公室長小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事公室長(小佐田昌計君) 防災に関連しまして、あらゆる危険に対応するためのリスクマネジメントはというご質問でございます。
 県組織の危機管理体制の整備としましては、地震や台風、大規模火災などの災害に対応するため、平成十三年度に総務部に防災監を設置したところでございます。さきには、和歌山市において、カレーへの毒物の混入や住友金属工業株式会社和歌山製鉄所に搬入されたコンテナからの放射線の検出など、これまでにも地方公共団体が想定していない不測の事態が発生しております。
 このような事件、事故等が発生したときの対応といたしましては、知事、副知事、関係部長等への速報体制や対策組織の迅速な立ち上げなどの手続を定めました「県政に影響を及ぼす事件・事故の処理方法」に基づき、適切な処理ができるよう常に徹底を図っているところでございます。
 県といたしましては、県民の生命、財産を守ることを第一に考え、起こり得るであろうあらゆる危機に対応するため、さらに危機管理意識の向上、危機管理体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(小川 武君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 土木工事にも材木の使用をとのお尋ねですが、県内の雇用の維持増大を図るため、県が実施する公共事業において県産品を積極的に活用する「つかおう・つくろう・けんさんぴん」運動を推進しております。この七月からは、県庁ホームページで木製品を含めた県産品の情報検索システムの運用を開始し、設計の段階から県産品の優先使用に努めているところでございます。中でも、紀州材を一層活用するため、土木部紀州材・間伐材活用促進ワーキンググループを本年六月に設け、昨年実績を大幅に上回る目標を設定し、その実現に取り組んでございます。
 今後は、材料が紀州材であると特定できる仕組みづくりや新工法、新材料の試験施工の実施、あるいは入札契約システムの創意工夫などに努め、紀州材、間伐材の積極的な活用に努めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 緑の雇用事業が成功するためにについてのご質問のうち、二点についてお答えいたします。
 まず、紀州材のブランド化についてでございますが、木材の利用拡大を図ることは、植林から保育、伐採、利用に至る雇用を生み出し、活力ある森林を維持するという幅広い波及効果が期待できます。そのため、専門的アドバイザーの活動を通じて、紀州材のすぐれた特性や製品情報をPRするとともに、紀州材流通促進協議会などと連携し、製品の乾燥度合いや強度表示をした製品の販売を促進しているところでございます。
 今後、激化する産地間競争や法令等の改正により従来にも増して製品の品質や信頼性が要求されるため、紀州材流通促進協議会などと連携した品質規格の統一と性能表示をした製品の供給体制づくりに取り組み、さらには建築士、工務店などの関係者が参画した組織づくりを通じて消費者に対する紀州材の情報提供を行い、安心、信頼をキーワードにブランド化を推進してまいります。
 次に、中国への輸出につきましては、本県では昭和六十年に森林組合が取り組みましたが、輸出にまで至らなかった経緯がございます。経済成長が著しく将来の巨大な市場としての可能性が見込まれる中国では、住宅等に木材需要が増加してくることが予想されますが、輸出の検討に当たりましては、中国での利用用途や価格の動向、さらにはロット、航路などの調査研究が必要でございます。現在、本県と友好関係にある山東省へ木材の価格や需給の現状について照会を行っているところでございまして、今後とも広く情報収集に努め、海外市場への販路拡大について研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 福祉保健部長白原勝文君。
  〔白原勝文君、登壇〕
○福祉保健部長(白原勝文君) 少子化対策と不妊治療につきましてお答えいたします。
 まず、坂口厚生労働大臣発言のその後についてでございますが、国では、少子化対策を進めるため、厚生労働相の私的諮問機関として少子化社会を考える懇談会を設置しております。この懇談会は、今月十三日、新たな少子化対策の中間報告を取りまとめましたが、この中で不妊治療については、倫理的にどこまで容認すべきかといった問題、技術の有効性、安全性、医療機関の体制整備、さらには経済的な負担、不妊治療を継続して受けられる職場環境の整備など問題があり、そのあり方を検討する必要があると報告されております。国では、その議論を踏まえながらこうした問題について検討されるものと聞いております。
 次に、不妊治療に県単独の制度をについてでございます。
 本県の少子化対策につきましては、平成十三年度に和歌山県少子化対策推進本部を設置するとともに「わかやま子育てスタイル」を策定し、各種施策に取り組んでおります。
 不妊治療に関しましては、厚生労働省に対し医療保険の適用を要望しておりますが、国の少子化社会を考える懇談会等の議論を見守りつつ、引き続き要望してまいります。当面は、県内の不妊治療に不安を持つ方々のニーズの把握に努めるとともに、県立保健所に不妊相談窓口を設置し、不妊治療についての情報提供や相談に応じることのできる体制の整備を検討してまいります。
 以上です。
○副議長(小川 武君) 環境生活部長秋月成夫君。
  〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 補導センターについてお答えいたします。
 青少年補導センターは、昭和三十二年、和歌山市に設立されたのを初めとして、以後、発展的に県内十九カ所に青少年補導センターが設置されております。設置の根拠は、設置主体の市町村や広域事務組合の条例、規則、規約となります。
 青少年補導センターのこれまでの成果についてでございますが、最近の少年人口の減少にもかかわらず、少年犯罪の増加や少年犯罪の凶悪化、いじめや不登校の増加等、青少年問題は複雑・深刻化の一途をたどっている現状であります。十九の青少年補導センターには、教員二十一人、警察職員二十七人がそれぞれ派遣され、市町村職員四十四人とともに地域の青少年補導員等と連携し、補導活動や相談活動、環境浄化活動、広報啓発活動などを通して多くの成果を上げてきたところであります。
 補導センターの評価についてでございますが、三位一体の方式は先進的な取り組みとして他府県からも評価されているところであり、その有効性は広く県民に認識されているものと考えております。
 議員ご指摘の派遣教員につきましては、各学校や市町村教育委員会と青少年補導センター間の連絡調整や指導助言など、青少年問題の現状に対応するためにはなくてはならない存在と考えております。
 国への要望についてでございますが、今後、市町村関係機関とともに青少年補導センターの効率的なあり方などを検討し、国に対し訴えてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(小川 武君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) IT関連業務発注の方法についてお答えを申し上げます。
 ご指摘のとおり、IT関連業務は、企業規模にかかわらず、技術力を有する企業等が実施することが可能な業務でございます。
 IT関連業務の今後の発注のあり方につきましては、業者団体や所管団体等を通じて、中小企業、新規立地企業等に対し、さまざまな方法を通じ十分な情報提供を行うとともに、発注業務の性質に応じて公平さが確保されるよう、企画部IT推進局が中心となって環境の整備を行ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(小川 武君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(小川 武君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時四十三分散会

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