平成14年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(新島 雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時一分再開
○議長(井出益弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 一番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
  〔「ネクタイ、ええな」と呼ぶ者あり〕
○新島 雄君 お許しをいただきました。一般質問も、私が最後になります。凜として、短く、きりりと終わりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 ネクタイの話が出ましたが、きょうのために買ってきました。実は、今までのワールドカップの開催国の国旗であります。ここには「ようこそデンマーク」──和歌山へようこそお越しをいただきましたというバッジをある人にいただきました。つけていかないかんのかなと思いながら、冷やかされながらつけてまいりました。
 八咫烏──日本サッカー協会のシンボルマークです。八咫烏と言えば、日本神話で熊野にお入りになった神武天皇をご先導した戦勝の神様です。なぜ八咫烏が協会のシンボルになったかは定かではありませんが、一説には、日本サッカーの生みの親の一人でもある中村覚之助氏が那智勝浦町の出身であったことに由来するとも言われております。
 私たちの国日本には、何とすばらしい若者たちがいるのでしょうか。景気が悪く、大変暗い話題ばかりのこの時期に、二十三名の若者たちがこの国に光と力を与え、歴史の扉を開きました。
 私は、去る六月九日、ワールドカップサッカーの日本代表対ロシアの勝利の一戦を横浜国際競技場の二階席より、声をからし、しっかりこの目で見てきました。内容は皆さんもご存じでしょうが、なぜか試合終了時には目から汗が出てきました。
 試合当日、関空から羽田に向かいましたが、その飛行機の中には青いシャツを来た若者が数名乗り込んでおり、いやが上にもムードが盛り上がり、羽田から新横浜に移動するバスの中は、大半が応援の人であります。新横浜駅前に着くと、試合開始の五時間前というのに、駅前はジャパンブルーの人の波で埋め尽くされておりました。私たちは早速ホテルに向かい、恥ずかしながら青いシャツに着がえ、競技場へと行ったのを思い出します。実は、和歌山から青いシャツを着ていこうかという話もあったのですが、この年ですので少し恥ずかしくて、それはようしませんでした。会場に着くと六万六千人以上のサポーターで騒然としており、選手が入場するときには、あの大きな競技場が本当に揺れるのをこの肌で感じてまいりました。そしてまたその二日後、この和歌山の地で、そこには知事もおりましたが、私たちの町でキャンプをするデンマークチームが前回の王者フランスを破り決勝トーナメントに進む姿をビッグホエールの大画面で、千人以上の方々と一緒になって喜び合いました。残念ながらデンマークも日本もベストエイトに残ることはできませんでしたが、大きな感動と勇気を与えてくれました。
 聞くところによりますと、デンマークの国旗は世界で一番古くにつくられた国旗だそうでございます。そして、デンマークを和歌山へ招致するのには大変なご苦労があったことと思います。知事、すばらしいチームが本当に来てくれましたね。──何も、直接知事が呼んだわけではないんですが。ただ、ビッグホエールでの勝った瞬間の知事の笑顔、これは一人のサポーターとして本当にすばらしい顔をしていました。教育長、大変な仕事だったと思います。でも、大満足のワールドカップだったのではないでしょうか。しかし、教育長がボール拾いをしたわけでも通訳をしたわけでも、何でもないんですが。ボランティアの人や部下の人たちが裏方として、本当によくやってくれた。そのように思っております。
 そこで、質問です。
 現在、共催国の韓国がベストフォーに勝ち残り、アジア初の快挙をなし遂げ、ますます目が離せなくなったワールドカップ。チケット問題では、開催地の知事が怒りの声を上げていましたが、オリンピック以上と言われるワールドカップに対する知事の感想をお聞かせください。そして、和歌山の地でキャンプを行ったデンマークの地を表敬訪問するのも大変よいことだと考えますが、いかがですか。
 イングランドがキャンプをした淡路島の津名町では、グラウンドの名称を「イングランドサッカー場」にするとか、監督やベッカムなどの像を建てるとか、姉妹提携の話など、たくさんの話題に包まれています。
 知事、サッカー協会の方や有志、関係者と一緒に行きませんか。時期は早い方がいいと思います。議員の中にも行きたいと考えている人はいらっしゃると思いますし、私もぜひ訪問したいと思っております。連れていってあげますよ。一緒に行きましょう。
 続いて、教育長に質問です。
 これだけサッカー熱が盛り上がっている今、次の目標は、和歌山生まれ、和歌山育ちの日本代表選手にと夢が広がります。ところが我が県は、まだまだ指導者やトレーニング施設が不十分です。それは当局も認識していることと考えます。しかし、そんな中で、デンマークの事前キャンプには百七十六名のボランティアが参加をしてくれました。自主的にデンマークを応援しよう、ワールドカップに参加しようと集まった人々であります。中には、仕事を休んでまで参加をされている人がおり、その人のひとみはきらきらと輝いていました。その人に話を聞いたとき、これには多くの物語がある、そんな感じを受けました。
 このボランティアに集まった人たちの組織は、これからどうなっていくのでしょうか。デンマークチームがいない今、自然消滅の形になっていくのでしょうか。何か考えておられるのであれば、お答えをいただきたい。
 もう一点。ボランティアの人たちとキャンプ実行委員会並びに支援委員会が協力して、この感動を一冊の本として発行してはどうかと思います。和歌山にデンマークがやってきた、そんな財産として、誘致運動の経緯や裏話、汗と涙と失敗と笑顔のいっぱい詰まった本があったらと考えます。いかがですか。答弁をお願いいたします。
 次に、デンマークについてです。
 このワールドカップを契機に、すばらしい関係ができたものと考えます。この関係をどう続けていくのか、また日ノ御埼にあるクヌッセン機関長の碑などを通じた今後の友好関係をどうしていくのか、大変気になるところですが、先日、質問もありましたが、もう一歩突っ込んだ形でサッカー以外のスポーツ交流をどうするか、人的交流を考えているか、また観光・物産の面から定期的なデンマーク物産展、また和歌山からデンマークのコペンハーゲンに物産展を定期開催するとか、そのほかにも日本に進出しているデンマークの企業が行っている事業、例えばノボ・ノルディクスという糖尿病の薬をつくっている企業が毎年日本各地で開催しているウオークラリーを和歌山で定期的に開催していただくとか、またヒュンメルという、デンマークの代表チームのユニホームをつくっている会社ですが、この会社が各地で販売促進のためにデンマーク代表選手も参加してサッカー教室が開催をされています。それを毎年和歌山で開催していただくようにしてもらうとか、いろいろ考えることは出てくると思います。
 皆さんのご存じのデンマークの物産には、おもちゃのレゴ、陶器で言えばロイヤル・コペンハーゲン、またビールのカールスバーグ、これらはすべてデンマークの商品であります。また、ビールのカールスバーグにつきましては、ビールの世界三大発明という特殊な技術を持っておりまして、今、サントリーと共同開発もいろいろしているようであります。
 そのように、いろいろ探していけば、もっともっと深いおつき合いができるものと考えをいたしております。答弁をお願いします。
 次は、これからの青少年に対する一つの考え方です。
 いろんなスポーツ、文化、芸術などの大会で、県代表として高校生や中学生または小学生などが全国大会などに出場しています。そのときにいつも頭を悩ませるのは、遠征費用のことであります。保護者の皆さんは寄附を募るのに走り回り、頭を下げて何とか費用を捻出します。十分できないときは、かなりの出費になると聞いています。今回のワールドカップを見ていても、大きな感動を与え、大きな刺激となり、地域や学校が一つになる大きな要素を持っている青少年の活動に拍手を送るだけでなく、金銭的な援助があれば大変うれしく思います。
 そこで、現在、県代表として出場する場合、県よりの補助金はどの程度出ているのか、また今まで以上に応援すると考えておられるのか、お聞かせください。財政厳しい折ですが、和歌山の名を高めるのですから、冷たいご答弁はご遠慮いただき、未来とあすを担う和歌山の青少年に温かい愛の手を差し伸べていただきたいと思います。
 次です。先ほども申し上げましたが、私は横浜国際競技場で六万六千人以上のサポーターが試合開始の前に大きな声で国歌を合唱するのを、自分も含め、この目で見てきました。一緒に歌ってまいりました。もちろん、選手たちも歌っていました。あの熱狂しているサポーターが全員、大きな声を張り上げて国歌を歌うのです。それは、埼玉の競技場でも、長居競技場でも、仙台でも同じだったと聞いています。なぜなのでしょうか。私は、ここに教育の原点があるように感じます。顔には日の丸をペイントして国歌を歌うのです。若者たちにとって一種のファッションかもしれませんが、皆が国歌を歌うことによって一体感が生まれ、力を合わせて頑張ろうと感じてくるものです。学校教育の中で歌えと強制してもあれだけ歌わない国歌が、サッカーを行う競技場では皆が大きな声で合唱するという現実をどう考えるか。そして、そんなすばらしいモチベーションを教育の現場にも望むものであります。答弁をお願いいたします。
 次の質問に移ります。「夫婦別姓を考える」。
 平成八年二月二十六日、法制審議会総会にて、民法の一部を改正する法律案要綱が決定をされています。その中に、結婚の際に希望すれば夫婦は別々の姓を名乗ることを認めるという選択的夫婦別姓制の導入を採用したことから始まります。そのときまさに国会に上程されよとしていたこの改正案は、反対意見も根強く、上程されないまま現在に至っております。この法案は、民法改正を考えている法務省とは別に、男女共同参画会議が平成十二年暮れに提出した答申の中に、十年以内に夫婦別姓制を導入することを求めています。
 昨年七月に国の行政機関において職員の旧姓使用が通称として広範囲に認められるようになり、現在、和歌山県庁においても認められております。あくまで通称としてであります。
 本日は、議場にいらっしゃる先輩・同僚議員とともに、また当局の関係者だけでなく、国家、地域、家族を考える上で大変重要なことと考えますので、一緒に考えたいと思います。
 アリの穴から堤の崩れ──この法案に対して、私はそんな思いを持っています。そんな大げさなと思われるかもしれませんが、ちょっとしたことで事態は大きく変わります。男女共生は崇高なことです。しかし、男と女は同じではありません。本当に女性は男と同じになりたいと思っているでしょうか。私は、そうは思いません。多くの女性はそんなことを考えていないと思います。我々男性から見れば、愛すべきは女性です。
 平成十三年五月に内閣府が「選択的夫婦別氏制度に対する世論調査」を行い、八月五日付の各紙にて発表されています。各紙とも、国民世論が夫婦別姓制度の導入に大きく踏み出したような印象を与える紙面となっています。では、今回の調査の内容をよく読んでみたいと思いますし、大変僣越ですが、皆さん方に同じ質問をさせていただきますので、お考えをいただきたいと思います。
 四つの項目があります。一番、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名乗ることができるよう法律を改めても構わない、二番、夫婦は同姓を名乗るべきだが、婚姻前の名字を通称として使えるように法律を改めることは構わない、三番、夫婦は同じ姓を名乗るべきであり、現在の法律を改める必要はない、四番、わからない。この四項目であります。各項目の割合を申し上げます。一番四二・一%、二番二三・〇%、三番二九・九%、四番五・〇%。
 ここで、内容を考えたいと思います。私は、一と答えた人の中には、法律を改めてもよいけれども、私は夫婦別姓をしませんと考えている人が何割かいると思います。また、考えの中には、必要としている人があるのならばその人たちのために法律を改めても構わない、そう考えた人が多いと思います。また、二番を選ばれた方。通称なら認めてもよいが私には関係ない、だから通称は認めてあげてもいいよと考えている人が多くいると考えます。ところが、新聞の紙面は、一と二を足して六割以上の方が容認をしている、夫婦別姓制に賛成しているという論調が各紙の紙面をにぎわしております。質問の問題点は、私はここにあると思います。世論調査は本当に国民の意見なのかと考えてしまいます。なぜ、夫婦別姓についてあなたは賛成か反対かと質問しなかったのか。おかしな世論調査と言わざるを得ません。
 こんな質問もあります。婚姻により名字が変わった場合、不便が生じると答えたのは四一・九%、生じないは五二・九%となっています。その内容を未婚・既婚で分けると、未婚者では不便が生じると答えたのが五〇・三%、既婚者では不便が生じないが五四・四%と逆転します。ということは、未婚者では将来不便が生じるのではないかなと考えるが、既婚者はそんなことないよという結果だと私は見ます。
 次に、家族という観点からの調査結果では、別姓の場合、夫婦間の子供に何か影響が出るかとの質問では、出ると答えた人は六六・〇%、出ないは二六・八%、子供同士の名字では、異なっても構わない──二人子供がおれば、別姓の場合、選択が二つできるということでありますので、異なっても構わないが一二・二%、同じにすべきが六七・五%。しかし、この法案が通ると、夫婦別姓は親子別姓になるわけです。家族そのものに悪影響が出ると考えられ、また親子関係に悪い影響が考えられます。国民の大半が危惧する夫婦別姓は、文部科学省がよく言う家庭での心の教育と相反するものであります。
 私は、少数意見を切り捨てると言っているのではありません。どうしても仕事上不便が生じたり、何らかの問題がある場合は通称使用を認めることで解決することであり、原則として夫婦・親子は同姓であると考えますし、また一般の国民意識とはかけ離れたところで物事が決まっていくことに大変不安を覚えています。
 そこで、質問というより当局に意見を求めます。
 県庁内にも通称名を使用している人がいると思いますが、和歌山県の方針をお示しください。また、県民世論はどう考えていると思うか、世論調査はするのか、国に対する対応はどうするのか、答弁をお願いいたします。
 最後に、夫婦別姓の民法改正に対する反対・慎重の意見書決議や請願・陳情を採択した議会数は、全国で七県議会、六十四市議会、二百八十九町議会、六十七村議会、合計四百二十七議会となっていることを申し添え、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまのワールドカップ、そしてデンマークが和歌山でキャンプを張ったことについての感想ということでございます。
 今回のワールドカップ、和歌山県は非常な努力の結果としてデンマークのキャンプ地招致に成功したわけですけれども、これは本当に心の底からいい国が来てくれたなと。そしてまた、その国を迎えるのに県民の人、いろんな形──通訳であるとか、サポーターであるとか、ローリガンというのを組織した人たちもいました。いろんな形で交流が深まった。そして、その和歌山県民の気持ちをデンマークのチームの人たちも受けとめてくれた。中でも私が一番うれしかったのは、一次リーグを戦った韓国の地で、自分たちは和歌山へもう一回帰りたいから頑張っているんだということを記者会見なんかで言ってくれたと。これは本当にお互いの気持ちが、相思相愛というかつながったんだなというふうな感じがしました。私も、そういうことで何度も練習しているところへも足を運びましたし、二万人の人が来てくれたテストマッチにも行きました。そして、デンマーク大使館でのレセプション、それから新潟へも応援に行ってきました。新潟は、本当に残念でした。実は、新潟で応援したとき、ちょうどイングランドの国旗とデンマークの国旗は逆さまにしたような形なんですけれども、その新潟の競技場は九九%までイングランドの応援という中で、和歌山から百何十人ぐらいの人が応援に行ったと思うんですけれども、そういう人たちがデンマークの国旗を垂らして、まあ多勢に無勢でしたが、一生懸命応援をして、そして武運つたなくデンマークは敗れたわけですが、敗れた後も、ここが本当に立派だと思うんですけれども、選手たちが疲れているのに和歌山の応援団の前まで行って、よく応援してくれたというふうな形で対応をしてくれました。
 本当にいろんなことで、私はこのデンマークが和歌山でキャンプを張ったということは大きな意味があったと。和歌山のサッカーの歴史にも一ページを築くことになったと思います。そしてまた、国際交流という面でも非常に成功した例だというふうに考えているわけです。
 そして、そのデンマークのことだけ言ったらいけません。日本のチームも非常によく頑張りました。ベスト十六まで行って、今後のワールドカップでのアジア勢の活躍に大きな期待が持てるような状況になりましたし、そしてまた共催国である韓国が今ベストフォーまで来ている。これも本当にうれしいことです。私は、できたら決勝まで進出して、場合によって優勝もしてくれたら、アジアのサッカーの力がこんなにすごいんだということを全世界に発信できるということで非常に喜んでいるわけです。
 こういうふうなことで、県民の努力もあって非常に成功した和歌山県のデンマーク招致ですけれども、これを一過性のものに終わらせることなく、非常にいい国なんで、何とか今後もつないでいくというふうな方向を私は考えたい。
 先ほどご提言にありました、こっちへ来てサッカーの指導をしてもらうなんていうのも非常にいい考えだと思いますし、どんなやり方があるのか考えていきたいと思いますけれども、本当に意味のある、こういうふうなみんなの中から盛り上がった国際関係というものを今後ますます育てていくような努力をしていきたいと思いますし、また私自身も機会があればデンマークの方へ行って、そういうふうなことの話をしていきたい、そしてまた大使館の大使の方などとももう友達になりましたので、そういうふうな話もしていきたいと、このように思っております。
○議長(井出益弘君) 商工労働部長石橋秀彦君。
  〔石橋秀彦君、登壇〕
○商工労働部長(石橋秀彦君) デンマークとの物産・観光面の交流についてお答えをいたします。
 商工労働部といたしましては、デンマークのキャンプ受け入れにおいて、デンマーク語の観光パンフレットを作成するとともに、デンマークプレスを対象とした観光案内などを実施し、本県の魅力を積極的にアピールをいたしました。また、受け入れ側の意識を高めるために、タクシーを初め観光事業者に「おもてなしミニ会話集」を配布いたしました。さらに、キャンプ期間中には、神戸にあります在日デンマーク通商代表事務所長が来県され、案内いたしましたところ、和歌山に大変興味を示されました。
 こうしたワールドカップを契機に芽生えたきずなを大切にはぐくみながら、今後、議員ご提言のように、和歌山の観光や物産をデンマークに紹介したり、北欧の風土が感じられるデンマークの物産を県民の皆様に紹介するなど、幅広い交流ができるよう考えてまいります。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 環境生活部長秋月成夫君。
  〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 夫婦別姓に関する県の方針並びに国に対する対応等についてのご質問にお答えします。
 社会の制度や慣行が男女いずれかに不利な影響を及ぼすことのないよう配慮を行うことは必要なことですが、夫婦別姓の問題は国民生活に広く深くかかわるテーマであり、男女の平等や社会参画といった観点だけでなく、これまで日本が培ってきた文化、家族や親子の関係を初め、さまざまな角度からの国民的議論が必要であると考えるところです。県といたしましては、その推移を見守ってまいりたいと考えます。したがって、国等に具体的な働きかけを行う予定はしておりません。
 なお、県職員から職場での旧姓使用についての申請があった場合は、名刺、出勤簿、起案文書等での旧姓使用を認めているところです。
 次に県民世論及びその調査に関するご質問ですが、この問題に関しては、県民の方々にもさまざまな考え方があるものと思います。夫婦別姓の問題のみを取り上げた調査の予定はございませんが、この問題に限らず、県民ニーズを把握することは施策を進める上で必要と考えております。
 夫婦別姓の問題につきましては、今後、県民の皆様の関心の高まりを見ながら、必要に応じて県民意識調査等を行う際の検討事項として考えてまいりたいと考えます。
 以上です。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) ワールドカップサッカーについてでありますが、今回のデンマークチームの本県でのキャンプは、県サッカー協会を初め多くの関係団体、さらにボランティアの皆様方のご支援をいただいて大成功のうちに終了できたと思っております。公認キャンプ地としての責務を全うできたと考えております。
 特に、遠くは東京や埼玉などからも参加した百七十六名という多くのボランティアの皆様には、暑い中、献身的に活動していただきました。
 デンマークチームはすべての練習を公開したことから、連日多くの見学者が詰めかけ、その整理・誘導等に大変ご苦労をおかけいたしましたが、デンマークチームのオルセン監督からもその行動に高い評価をいただいたところでございます。
 ボランティアにつきましては、今回限りということで募集した経緯もありますが、キャンプ終了後、このうちの約二十人の方々は引き続き通訳ボランティアとして世界少年野球大会に協力していただくことになっているなど、今後、さまざまな機会にお願いをしてまいりたいと考えております。
 また、議員ご提言のさまざまなエピソード等についての本の出版につきましては、今後、報告書など、何らかの形で今回のキャンプの経緯や裏話等を含めた記録を残していきたいと考えているところでございます。
 次に、キャンプ終了後のこれからのデンマークとの友好関係をどのに発展させていくかということでございますが、スポーツ面、人的な交流について極めて重要であるというふうに考えております。
 これまで、このキャンプの招致に当たって、例えばデンマークという国がどういう国なのかということについて県民の皆様方に知っていただくという意味で講演会を開催したり、PR用チラシや国際Aマッチの際に発行しましたパンフレットにデンマークについての紹介を入れたほか、さまざまな活動を通じてデンマークについての理解の深まりをやってまいりました。
 その上で、この八月に本県の紀南地方を中心に世界少年野球大会が開催されるわけでありますが、当初、デンマークからは参加する予定になっておりませんでした。キャンプ終了後、急遽デンマークからの参加が特別にできるよう主催者側に要請をいたしまして、このほど了解をいただいたところでございます。さらに本年十一月には、本県教職員が海外教育事情視察に際してデンマークを訪問することになっております。その際、現地の学校で野球教室や柔道教室を開く計画をいたしております。
 このような交流を行うことにより友好関係の基礎をつくり上げてまいりたいと考えております。
 なお、お話のありましたウオークラリーやサッカー教室等については、その実現等に向けて研究をしてまいります。
 次に、本県の子供たちがスポーツ・文化面などの各種全国大会に和歌山県の代表として出場し、活躍してくれることは、大変意義のあることでございます。このため、全国大会等への派遣に要する経費の一部を工夫を凝らしながら関係団体を通じて精いっぱい補助いたしているところでございます。
 スポーツ・文化活動は、豊かな人間性や多様な個性の育成に資するものであり、今後ともその振興に努めてまいります。
 最後に、我々国民が、学校教育はもとより、さまざまなスポーツイベントを通して国歌を大きな声で歌うことは大切なことであると考えております。今回のワールドカップにおいて、日本の選手を初め多くの観客が声高らかに国歌を歌う場面が見られたことは大変感動的なことであり、子供から高齢者までの幅広い世代に国歌がより身近なものになったと確信いたしております。
 このように、多くの人々が心を一つにして大会を盛り上げることができたのも、スポーツの持つよさであると考えるものであります。本県のさまざまな大会におきましても、参加者が心を込めて国歌を歌えるよう、今後とも積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 一番新島 雄君。
○新島 雄君 知事、デンマークへ行きますね。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ただ、教育長、私は知事に行け行けと言っていますが、知事だけに行っていただいてもいいんではないんで、教育長もぜひ機会をつくって行けるようにお願いしたいと思います。
 それと教育長、県代表として子供たちが県外へ遠征をします。その折の、補助金という名前で言うんですが、子供らにとったら一種の奨学金ですよね。これは勉強に値する費用なんですから、その辺のことをもう一度──まあ人をつくるために。人をつくらずして国滅びますから、そのことをもう一度ご認識をいただきたいと思います。
 それから、環境生活部長。実は二月の議会でも吉井議員から、男らしさ女らしさというような質問がありました。ちっちゃな話かもしれませんが、そこからどんどん崩れていっている今の我が国であります。このまま行けば国が滅びます。大変なことです。国が言っているからといって地方は知らん顔をできないです。大変大事なことは、地方から責任を持って国に対して意見を述べる。その必要性があると思います。男らしさ女らしさがだめなら、大人らしく子供らしく責任世代として頑張りましょう。もっと十分な議論を望みます。
 以上、要望であります。終わります。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新島雄君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問は、これをもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
  【日程第三 議案等の付託】
○議長(井出益弘君) 次に日程第三、議案等の付託について申し上げます。
 ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 お諮りいたします。六月二十五日、二十六日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、六月二十五日、二十六日は休会とすることに決定いたしました。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
 次会は、六月二十七日定刻より再開いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時四十五分散会

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