平成14年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(神出政巳議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(井出益弘君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに報第一号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(井出益弘君) 日程第一、議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 二十七番神出政巳君。
  〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○神出政巳君 おはようございます。議長のお許しを得ましたので、通告に基づき質問に入らせていただきます。
 すっかり春めいた気候になってまいりました。平成十四年の奈良東大寺二月堂お水取りのきょうのよき日、まず冒頭、本席をおかりし、皆様に御礼とお願いを申し上げます。
 私こと、都合により、本定例会を最後にこの議場とお別れしたいと決意をいたしました。平成七年の春の統一地方選挙県議選におきまして、郷土の有権者の期待と負託を背に、中山豊議員とともに海南市よりこの歴史と伝統ある和歌山県議会にお送りいただきました。先輩・同僚議員初め、知事を筆頭に県関係職員の皆様には大変お世話になりました。ご指導いただきましたことに対し、まずもって衷心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 思い起こせば、初当選直後、有田の松本泰造様のお申し出にこたえ、和歌山の山下直也君にお声をかけ、新人三人で新保守クラブを結成し、はや今日まで七年の月日が流れました。感慨無量であります。故仮谷志良元知事、西口勇前知事、そして木村良樹知事と県のトップが目まぐるしくかわられたときに陪席でき得ましたこと、重ねて感謝申し上げます。本当に貴重な体験をさせていただきました。勉強させていただきました。世の移り変わりの速さをつぶさに実感させていただきました。まさに、木村知事が知事選挙のときに言われたドッグイヤー、マウスイヤーの時代であります。今となってはいろいろな思いは千々に乱れるわけでありますが、私自身の今後と同じく、同志山下直也君、原日出夫君の行く末も心配であります。御一同様には今後ますますのご活躍をお祈り申し上げますとともに、私どもへの変わらぬご厚誼、お願い申し上げます。
 そして、きょうは県議会での私の最後の登壇、勇姿ということで、この世に私を送り出し、「政巳」という政治の「政」──まつりごと──という名をつけてくれた、ことし八十歳になる両親もそろって傍聴席で不安げに見守ってくれております。私同様、あわせてお見知りおきのほどをお願い申し上げます。それでは、海南市民のためにも知事並びに関係部長の力強いご答弁を期待申し上げ、これより順次、限りなく要望に近い質問に入らせていただきます。
 まず最初に、新年度予算編成についてお尋ねします。
 時代の潮流にマッチした二十一世紀型積極的予算にされたということで、約二十八億円、百に上る新規事業を打ち出されたわけであります。要求基準を設けないで取り組まれたということでありますが、どこが窓口となり、提案の集約をされ、知事公室政策審議室、総務部財政課等がどのようにかかわって選定作業をされ、最終的にどのように知事が決断されたのか。また、今回の予算編成において知事自身の自由になった予算枠はどれくらいの金額になったのか。後学のためにもお教えいただきたく、まずお尋ねします。
 続きまして、公共事業の考え方についてお尋ねします。
 新年度予算において、特に職員の斬新なアイデアを生かした取り組みの中で、わかやまの道基準づくり事業が盛り込まれています。これは、全国で統一的、画一的な道路整備が行われているのに対し、地域の実情に合った整備を行おうということのようですが、どのようなお考えで行われるのか、知事にお尋ねします。
 一方、税収が大きく落ち込む中、財源確保のために徹底した財政改革の断行ということで既存事業について行政の棚卸しをされ、特に旧来型事業や県単独補助金の徹底した見直しや、全職員を対象とした給料の削減を実施されました。大変な作業、大変な交渉だったのではと敬服し、大いに評価するものであります。
 そこで、昨年の骨太の方針発表以来、地方交付税の削減が大きく論じられていることに関して、国の交付税制度の動向と市町村への交付税配分の見通しについて総務部長よりお答えください。
 続いて同じく市町村の問題で、喫緊の課題として一番大きな市町村合併についてお尋ねします。
 県は昨年七月、自主的な市町村合併推進のため総合的で効果的な支援を行おうと、知事を本部長に県市町村合併支援本部を設置。この三月四日の本部会議で県市町村合併支援プランの策定などについて協議され、県も傍観者的に一般論を語るのではなく、市町村と同じ土俵に乗って進めていきたい、県独自の支援策を策定していく必要があると言明されています。平成十七年三月末の合併特例法期限まで約三年となり、県は合併推進の立場で順次合併重点支援地域の指定を進め、関係市町村と一体となって考えていくということであります。県下五十市町村、温度差はさまざまで、私どもの身近なところでは住民にはせっぱ詰まった感じがないのが実情であります。
 また知事は、先日の同僚議員の質問に対して、理念、数の問題、地域の実情、住民の気持ち、高まりを考慮し、県としても悩みながら真剣にアドバイス、助成したいとのことであります。特にハード面の整備についても、法定合併協議会を立ち上げる前の任意協に対してでも二分の一補助を実施されるという思い切った予算を計上された市町村合併事業について、具体的にどのような事業がなされ、市町村に働きかけるおつもりなのか。また反面、それぞれの市町村が合併前に駆け込みで実施しようとするかもしれない地域エゴと認められるような事業については、歯どめをかけられるようなこともお考えなのか。そして、合併後の市町村と県の組織である振興局等との関係はどのようなものとなるのか、将来像についても知事にお尋ねします。
 海草・海南地域では、道路や上下水道というインフラ、社会資本整備の問題もありますが、特に公立病院の問題があります。野上町の厚生病院と海南市民病院について、県としての現状認識と近い将来に対する見通し、お考えを総務部長よりお答えください。
 次に、知事の専権事項であります人事について、二点お尋ねします。
 知事は、昨年六月上旬の中国山東省での北東アジア首長会議出席の際の感想を産経新聞「知事のリレーエッセイ」の欄に寄稿されていました。「中国で日本の構造改革の必要性実感」というタイトルで、その中で、公務員の育成方法で感心したことが一つ、山東省では前年初めて約四千人の職員の中から職場推薦と厳密な試験により数十人の幹部候補を選び、これらの人名を一般に公示して意見を求め、最終的に十数人に絞り込み育成しているとのことであり、知事自身、この候補者の一人と会って話したということでありました。年齢は三十歳後半くらいか、受け答えの物腰、内容とも実にしっかりとした、なるほどと思わせる人物であったとのことで、人材選抜育成法としては科挙をほうふつとさせる徹底したやり方だと思うが、十三億人という人口を擁する国の奥の深さを改めて感じさせられたとも載せられていました。
 私は、昨年より、本県の職員の昇任・昇格年限や知事の前任地大阪府の主査級昇任考査制度、四十七都道府県の職級別の昇任の実施方法、そして本県の警察本部警察官の昇任制度や教育委員会の教頭・校長選抜制度についても調査研究させていただいてきたところでありますが、これも後学のため知事にお尋ねするわけですが、理想とする人材選抜育成方法についてのお考えはどうか。そして、三月末に迫った人事異動構想については人事課の参考資料と助言をどのように参考にされ、独自の判断をどのように反映されているのか、お尋ねします。
 次に防災問題、大規模災害への対応についてお尋ねします。
 昨年九月、政府は、南海地震については今後三十年以内に四〇%の確率で起きる、東南海地震については五〇%との予測を発表しました。県は南海地震等の発生に備え、県庁舎周辺に防災センターを整備するために予算計上され、防災総合情報システムの基本構想の策定をし、大規模災害対応ということであります。市町村との連携についてどのように取り組まれるのか、総務部長にお尋ねします。
 また、津波対策については避難訓練実施事業について予算が計上されていますが、昭和二十一年(一九四六年)十二月二十一日未明の南海道地震を想定し、和歌山県の約六百キロメートルの沿岸部に対しどのような事業を計画されているのか、総務部長にお尋ねします。
 最後に、緑の雇用事業と相まって、技術習得の面でお尋ねします。
 三重県では、近年の経済状況のもと、間伐等の事業について、従来の森林組合だけでなく土木事業者などにも請負をできるようにするため、請負のための必要条件として間伐技術指導員の制度を平成十二年に創設、年間十人程度認定し、現在は約三十人の認定者がいます。これまで森林組合などの実施する間伐材等の技術に対して何も評価がなかったので、一定の技術に対して認定を与える意味もあるということであります。
 そこで、本県でもこのような間伐技術員の制度導入を検討されてはいかがでしょうか。農林水産部長にお尋ねします。
 以上で、終わりといたします。ご清聴、ありがとうございました。ごきげんよう。
○議長(井出益弘君) ただいまの神出政巳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 神出議員には、この激動の時代にくれぐれも健康に留意されまして地方自治振興の場でますますご活躍されること、心から祈念をいたしているところでございます。
 私に対するご質問に順次お答えを申し上げます。
 まず、予算編成についてでございます。
 予算編成につきましては、この二十一世紀は大変な時代でございます。今、和歌山県は財政的に非常に厳しい状況ではございますけれども、一方で県に勢いをつける新しい仕事をたくさんしていかなければならないということで財政課等々と打ち合わせをした結果、シーリング制度、要するに前の年の分をちょっとずつ下げていくという、これはまあどこでもやっていることですけれども、こういう制度をやめにしよう、すべての事業をゼロから考えていこうということにいたしました。しかしながら、昔と同じように貯金を取り崩したり新たな借金をするという形では好ましくないということで、職員に非常に負担のかかることでありますけれども、給与をカットしたり職員の数を削減したり、それから長い間行ってきた県単の補助金を見直したり、すべての事業を棚卸しすると。こういうふうなことから財源を生み出して、百の事業と言っておりますけれども、新しい和歌山発の事業をつくってきたということでございます。そういうことでございますので、総額的には少なくはなっておりますけれども、非常に筋肉質の予算になったと自負しているところでございます。
 そして、ご質問の中にもありました、それでは知事として裁量のきく部分はどれぐらいあるのかというお話でございます。これはなかなか難しいことで、よくそういう話をするんですけれども、今回のような予算編成を行いますと、例えば人件費。これは固定的な経費でどうしようもない部分があるんですけれども、それについても一応最初から見直しをしているということがあって、これもやはり見直しの対象にはなってきている。それから公共事業についても、やはり削減の中で、例えば十三カ月予算ということを考えたり、それから配分について、地域配分であるとか、用地費を使うよりは事業に回していくとか、大規模なものよりはできるだけ住民の人が願っている地域の中小のもので役に立つものに厚く配分するとかいうことも考えて行っております。そういうふうな固定的な部分もある意味ではすべて見直しの対象にしているということでございますから、こういうやり方をしていきますと、幾らが知事の自由になるというふうな考え方ではなくて、トータルな予算の編成の中で、手間はかかりますけれども、すべてを見直したということでございます。予算をつくるとき、よく、知事のつかみ金は、市長のつかみ金はこれぐらいで、こういうものについては自由に配分してもらってもいいというような発想がありますけれども、和歌山県の今回の予算はそういうふうなやり方は行っていないということでございます。
 次に、わかやまの道基準づくりということでございます。
 今、緑の雇用事業というのを打ち出しておりますけれども、私は来年度のもう一つの大きな和歌山からの発信の柱にしていきたいと考えて、これからもっと大きく提言をしていこうとも思うのでございますが、例えば北海道の平野でも和歌山の山の中でも、道路は七メーターというふうな形。こういうことが基準で決まっているわけだけれども、山の中の人にしてみたら別に七メーターの道は要らないんだ、五メーターで車が行き合えれば十分なんだと。それから、無理に歩道をとることによって山を何メーターも削るというふうな形で、都会の人から田舎の道はむだなことをしているなんて痛くもない腹を探られるのは望ましくないんだと。これはもう、私もそういうことだろうと思います。
 そういうことから言いますと、国土交通省も非常に立派な基準を設けて今まで日本の国づくりを進めてきたわけですけれども、これからは地方分権の時代でもあるので、地方の方から道路のつくり方の基準なんかについても提言していくべきではないかと考えましたし、そのことが、例えばこの道はこれぐらいの幅がなかったら、この橋はこれぐらいの大きさがなかったら国の補助制度に乗らないから、だから大は小を兼ねるということで大きいものをやっておくということが仮にあるとすれば、その地域にとってはプラスにはなるわけですけれども、国民経済的には非常にマイナスになると。そしてまた、そのことが都市が地方に対して非常な不信感を持つということの原因にもなってくると。そういうふうなことはやはり改めていって、本当に地域のためになる公共事業をどんどん進めていこうということから、昔、井沢弥惣兵衛さんが紀州流ということをひっ提げて江戸へ行って大活躍したわけですけれども、そういうふうな現代版の紀州流的な公共事業のあり方というものを和歌山県から提起していくと。これはまあ非常に気宇壮大な考えではあるんですけれども、これをひとつ打ち出していきたいと考えているわけでございます。
 それから、市町村合併についてでございます。
 昨年の十二月に三カ所の合併重点支援地域を指定いたしまして、来年度もこの合併協議会の運営に対する補助を行うとか、シンポジウムを行うとか、連携のための会議を行うとか、その市町村の身になった立場で県としても合併について一緒に悩み苦しみ進めていこうというふうな立場に立っているわけでございます。実際問題といたしまして、今、合併して何のメリットがあるのかというようなことがよく言われますし、そしてまた地元の方がそういう気持ちを持たれるのも無理もないところだと思う面もあるんですけれども、例えば観光でありますとか福祉でありますとか、いろんな面で今の市町村の枠組みがもしそういうことの制約になっている、要するに町が違うからこういうことでむだがあるとか重複があるとかというようなことがあれば、やはり二十一世紀になっているわけですから、もう少し大きな範囲で行政のあり方をこの際考えてみることも私は必要であろうと考えているわけでございます。
 そして、そういうふうな中で、駆け込みで、今までのそれぞれの市町村の懸案をこの際解決しておこうという動きがあることは、これは事実でございます。そしてまた、そうしようというふうに思う市町村長さんとか地元の人の気持ちも、それはなるほどと。お金もためていたかもしれませんし、もっともなところもあるわけですが、ここはひとつ大局的な立場に立って、仮に大きな町ができた場合に全体的な視野からそういうふうな施設のことを考えていくべきじゃないかと。これはまあ強制はできませんけれども、大所高所に立った考え方でやってほしいというようなことを県として適宜アドバイスをしていくべきなのかなというふうに考えているわけでございます。
 そしてまた、この市町村合併と県の組織ということでございますけれども、都道府県制度につきましても、再三再四総務大臣が言っておりますように、市町村合併の次は都道府県の合併、連携だというようなことがもう既にマスコミなんかにも出てきております。いずれにせよ、この二十一世紀というのは大きな変革が要求される年でございますので、県としても市町村の合併について、ただ単に市町村がひっつくというだけの物の考え方じゃなくて、大きな構造改革の一環だというとらえ方の中で県のあり方についても真剣に考えていきたいと考えております。
 それから、第四点の人事の問題でございます。
 先ほど、私が前に新聞に書いておりました中国の育成方法ということが出ておりました。中国に関しては、このごろ毀誉褒貶相半ばするような本が何冊も本屋へ行ったら出ておりまして、日本の国における中国の関心が大変高まっている時期でございます。そういう中で、確かに数千人の中から何人かの人間を選抜して優秀な人をつくっているというやり方、これもひとつ傾聴に値するものがあると思って前に書いたんですけれども、和歌山県に関して言いますと、和歌山県は今こういう不況時でありますし、職員の採用は非常に競争率も高く、そしてまた少子化の時代でもありますので郷土へ帰って県のために働きたいという若い人も非常に多いと。そういう中から選抜しておりますので、私は大変力のある人たちがあると思います。
 この間、中堅の人と話をしていたら、和歌山県の職員は自分たちもよくできると思うし、しかもその上に郷土愛の気持ちが非常に強いんで、この二つが一緒になれば相当な力が発揮できるんだというようなことを言っておりましたけれども、私もその点、大いに共鳴したところでございます。そしてまた、そういう人たちの力を最大限に発揮するということが知事としての私の仕事だと考えておりまして、人事に関しては能力主義、また若手とかやる気のある人の抜てき、そして女性職員等の登用というようないろんな事柄で、情実を排して能力や合理的な判断によっていろんな選考を進めているところでございます。こういうふうな形でやっていけば、当然人々の意欲も高まりますし、それこそ百の事業というような新しいものをやっているわけですけれども、こういうものについても職員の人の意見を入れてつくっているものですから、きっと皆が自分の仕事として県をよくするために頑張ってくれるんじゃないかなというふうに考えているような次第でございます。
 非常に簡単ですけれども、私からは以上のようにお答えします。
○議長(井出益弘君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) まず新年度の予算編成に関連しまして、交付税制度の動向と市町村への配分見通しについてでございます。
 平成十四年度の地方交付税につきましては、大変厳しい財政状況の中で国、地方を通じた歳出の徹底した合理化による地方の財源不足の圧縮やいわゆる赤字地方債による交付税からの振りかえなどによりまして、結果として交付税総額の抑制が図られたところでございます。またその算定方法につきましても、経済財政諮問会議のいわゆる骨太の方針を受けまして、地方団体の自主的、主体的な財政運営を促す方向で事業費補正あるいは段階補正の見直しが行われたところでございます。
 各市町村ごとの具体的な算定方法につきましては現時点では決まっておりませんが、来年度の交付税総額が本年度に比べまして四%の減少となっていることなどを考えますと、市町村への配分は厳しく、またその厳しさも年々増していくことは避けられないのではないかと考えております。
 続きまして、市町村合併に関連しまして、海南市民病院及び国保野上厚生総合病院についてのご質問についてでございます。
 両病院は直線距離で十キロ程度と近く、診療科目も内科、外科など五診療科目が両病院に設置されるなど、隣接した、しかも似通った診療科目を持つ病院となっておりますが、それぞれ和歌山保健医療圏における中核病院、僻地中核病院として地域医療の確保に大きな役割を果たされていると認識をしております。
 しかし、道路交通網の発展、あるいは県立医科大学附属病院の移転や医療機関の整備進展に加えまして、医療保険制度の改革など、これらの病院経営を取り巻く環境が大きく変化してきていることも確かでございます。このため、地域医療計画を踏まえつつ、地域住民の医療ニーズや地域における医療供給体制等を的確に把握することにより、この地域における両病院の役割など公立病院のあり方について不断の検討が必要ではないかと考えております。
 なお、仮に当該地域での市町村合併を考えた場合、両病院のあり方につきましては、これは大変難しい課題であると思いますけれども、広域的な連携や再編などを含め、市町村建設計画の中で十分な議論が行われるものと考えております。
 続きまして、大規模災害への対応に関しまして、まず防災センターの整備、基本構想の策定についてでございます。
 南海地震等の大規模災害が起こった場合には、国、県、市町村、さらにはその他の防災関係機関において情報の収集・伝達機能を確保し、これらの機関が連携して迅速かつ的確な応急対策を講じていく必要がございます。このため、県の防災センターの心臓部とも言うべき防災総合情報システムの基本構想の策定に当たりましては、最新のIT技術を活用して、市町村を初めとした防災関係機関がスムーズに連携できるようなシステムの構築を行ってまいりたいと考えております。
 最後に、津波の避難訓練についてでございます。
 津波につきましては、これをハード対策で防ぐには限界があると言われておりまして、ソフト対策を進めていくことが重要であると考えております。このため、県では津波避難計画策定マニュアルの作成や自主防災組織を対象とした図上訓練などの事業を行ってきたところでございます。
 津波に対しましては、住民みずからができるだけ早くかつ安全な場所に避難することが何よりも大切でございますので、来年度から新たに市町村と住民が主体となった津波の避難訓練を行うこととしたところでございます。
 この訓練の具体的な内容につきましては、今後沿岸市町村とともに検討してまいりますが、現在のところ、県の防災行政無線により津波警報を発令し、あらかじめ指定しておいた沿岸区域の住民が一斉に避難するといったようなものを想定しているところでございます。また、より効果的な訓練にするため、参加される方には事前にパンフレットを配布し、地震や津波の正しい知識、あるいはこれへの身の処し方等を理解していただくことといたしております。この訓練などを通じまして、避難についての問題点や課題の検証を行うなど、ソフト対策の充実を図ってまいります。
○議長(井出益弘君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 間伐技術指導員制度の導入についてでございますが、三重県で実施されている制度は、間伐が健全な森林を育成する上で重要な作業であることから、一定期間の実務経験者を対象として高度な講習を行い、試験の上、認定する制度でございます。本県では、従来より間伐技術指針の設定や間伐技術研修会の開催などにより森林組合作業員などの技術の向上に努めてきたところでございますが、今後はこういった認定制度の導入も含め、新たな発注方法の検討を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) 以上で、神出政巳君の質問が終了いたしました。

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