平成14年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)


県議会の活動

平成十四年二月 和歌山県議会定例会会議録 第六号
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議事日程 第六号
 平成十四年三月十一日(月曜日)午前十時開議
  第一 議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに報第一号(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに報第一号(質疑)
   二 一般質問
出席議員(四十六人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       大   沢   広 太 郎
     五  番       堀   本   隆   男
     六  番       宇 治 田   栄   蔵
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       木   下   善   之
     十二 番       永   井   佑   治
     十三 番       尾   崎   要   二
     十四 番       小   川       武
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       生   駒   三   雄
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       谷       洋   一
     二十 番       山   下   直   也
     二十一番       高   瀬   勝   助
     二十二番       吉   井   和   視
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       金   田       眞
     二十六番       高   田   由   一
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       向   井   嘉 久 藏
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       中   山       豊
     三十四番       浜   田   真   輔
     三十五番       鶴   田   至   弘
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       村   岡   キ ミ 子
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       阪   部   菊   雄
     四十一番       江   上   柳   助
     四十二番       長   坂   隆   司
     四十三番       森       正   樹
     四十四番       飯   田   敬   文
     四十五番       新   田   和   弘
     四十六番       松   本   貞   次
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十三番欠員
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        中   山   次   郎
     出納長        大   平   勝   之
     理事         安   居       要
     知事公室長      小 佐 田   昌   計
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       垣   平   高   男
     環境生活部長     秋   月   成   夫
     福祉保健部長     白   井   保   世
     商工労働部長     内   田   安   生
     農林水産部長     辻           健
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       増   田   充   孝
     教育委員会委員長   赤   松   壽   男
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   中   尾   公   彦
     警察本部長      岩   井   良   行
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 北   村   亮   三
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       田   村   徳   美
     次長         佐   竹   欣   司
     議事課長       北 垣 内       敬
     議事課副課長     松   谷   秋   男
     議事班長       露   詰       勤
     議事課主査      尾   崎   善   亮
     議事課主査      井   口   好   晴
     総務課長       梶   本   皓   造
     調査課長       宗   野   幸   克
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課副主査     保   田   良   春
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  午前十時三分開議
○議長(井出益弘君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第二十四号から議案第二十九号まで、議案第五十五号から議案第五十七号まで、及び議案第六十一号は、いずれも職員に関する条例案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、ご了承願います。
  〔巻末の「参考資料」を参照〕
  【日程第一 議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに報第一号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(井出益弘君) 日程第一、議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 四十三番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 皆さん、おはようございます。
 お許しを得て、通告に従いまして一般質問を行いたいと存じます。
 まず初めに、関西国際空港と関西三空港をめぐる諸問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 昨年十二月定例会で関西国際空港に関する諸問題に言及をいたしましてから、きょうで八十八日が経過をいたしました。約三カ月弱であったわけでございますが、この間、関西国際空港をめぐってさまざまな動きがございました。私も、たまには関西国際空港問題抜きで一般質問をしたいのでありますが、これだけ多様な動きがあり、情勢に変動がございますと、和歌山県の県益にかんがみ、やはり関西国際空港問題に触れないわけにはいかないのでございます。また、本県議会関西国際空港対策特別委員会の尾崎要二委員長からぜひ関西国際空港問題について触れてほしいという要請がございましたので、さきの本会議に続いて取り上げたいと存じます。よって、先輩・同僚議員の皆様にはご清聴賜りますことを、また木村知事初め当局の皆様にはしかとした答弁を賜りますように、あらかじめお願いを申し上げるものでございます。
 第一点目。関西国際空港、大阪空港、神戸空港、いわゆる関西三空港をめぐって本年一月二十日付「朝日新聞」に掲載されました野中広務・自民党元幹事長へのインタビュー記事の中で、野中氏は一貫して「関西空港は必要であり、国策として国が責任を持って整備すべきだ。経営形態も見直さなければならない。関西空港をつくるときに大阪空港をなくすはずだった。神戸をやるなら伊丹をなくすとか、何かしなければお荷物になると思っている。関西、大阪、神戸の三空港の共存は需要などの面からも無理だ」と、明快に語っておられました。
 続いて、二月五日、知事就任三カ年を前にした記者会見で、太田房江・大阪府知事の発言が翌六日付の新聞各紙で一斉に報じられました。その発言とは「関西国際空港二期工事の事業スキームを見直した。神戸にも当然求められるのではないか」というものであり、その内容は神戸空港建設を見直す必要があるとの考えを示したことになります。さらに二月八日、閣議後の記者会見で扇千景・国土交通大臣は「同じ地域に三つも空港は必要ない。三空港の関係はどうあるべきか、何が必要で何が不必要かという姿勢を国交省としては持ち続けるべきだ」と語ったことが各紙で報道されておりました。
 私は、野中、扇、太田の三氏の発言はいずれも至極当然で、正鵠を得た意見だと思います。と申しますよりも、三氏の意見が本来の当たり前の意見でありまして、成田の空港公団や関西空港株式会社という方式を編み出した当時の運輸省幹部の取り組み方の方がまともではないと私は思うのであります。このことは後の項目で触れますので、これ以上ここでは申し上げませんが、これら三氏の発言は私が口を酸っぱくしてこれまで何度も申し上げてきたことでもあります。
 それぞれ関西国際空港をめぐって重要な立場におられる野中、扇、太田の三氏の発言についてどう思われるか、また、不必要な神戸空港と大阪空港のあり方を含めて関西三空港の問題についてどのように考えておられますか、もう一方の重要な立場におられる木村知事にそのお考えをただすものでございます。ぜひとも率直なご意見を聞かせていただきたい。
 第二点目、太田知事の発言の中に気になる部分がありますので、あえて木村知事にお尋ねをいたします。
 その気になる発言とは、「関西三空港のあり方について議論すべきであり、近く三府県知事会談を開きたい」というところであります。私は最初、三府県知事会談と聞いたときに、結構なことじゃないか、木村知事が太田知事と兵庫県知事を交えて関西三空港問題を話し合うのは、大阪空港のあり方──私はもちろん廃止すべきだと思っておりますが──や神戸空港建設を見直す絶好のチャンスだと思ったのであります。ところが、よく聞いてみますと、太田知事が考えている三府県知事会談とは大阪、京都、兵庫のことであり、和歌山県は入っていないというではありませんか。太田知事は何を考えているのか。他の問題ならいざ知らず、事、関西国際空港問題に関して和歌山県が含まれていないというのはどういうことか。言いかえれば、太田知事は和歌山県を外して、すなわち木村知事抜きで関西国際空港と関西三空港問題を話し合おうとするわけで、その意図は一体何なのか、この太田発言に対する木村知事の率直なお考えをこの際ぜひとも聞かせていただきたい。
 第三に、二期工事の進展についてであります。
 昨年十二月定例会での質問でも申し上げましたが、国交省、航空局幹部の腰の引けた発言をめぐって種々議論が巻き起こったことは皆さんご承知のとおりであります。二期工事完成を先送りするとか、事業規模の見直しとか、いろいろと無責任な発言が相次ぐ中で果たして二期工事は当初の予定どおり進められていくのか、企画部長にお尋ねをいたすものであります。
 第四に、関西、成田、中部の三国際空港について、空港の管理・運営を行う上物法人と建設・整備を担当する下物法人に分離し、下物は一つの公的法人にまとめ、上物は三つをそれぞれ民営化するという昨年九月に国土交通省が打ち出した試案についてであります。
 野中氏は、先ほど申し上げたインタビューの中で「関西空港の空港島と対岸との連絡橋を道路として所管するなどして関空会社の負担を軽くすることも考える必要がある」と発言をしておられます。私は、上物法人と下物法人に分離する案は、最善策とは申しませんが、現状の中では次善の策として現実にとり得る方策としてこれでも構わないと考えます。企画部長はどう思われますか、ご答弁をいただきたい。
 この項の最後に、空港整備法についてであります。
 空港整備法は、我が国の空の交通網の整備を推進するため、昭和三十一年四月二十日、制定されたものであります。同法第二条には空港の定義と種類が記載されており、第一種から第三種に空港が分離されております。そのうち最も重要な空港であり、いわば我が国の空の表玄関とも言うべき空港として、条文の中に新東京国際空港(成田)、中部国際空港、関西国際空港と明示されており、このほかに「国際航空路線に必要な飛行場であって政令で定める」空港として、東京国際空港(羽田)、大阪国際空港(伊丹)の二空港が第一種空港に位置づけされているのであります。ここまでは何も問題はありません。問題は、この五空港の設置管理者を規定している第三条にあります。本文では「第一種空港は、国土交通大臣が設置し、及び管理する」となっております。すなわち、国の責任において建設・運営するということであります。
 今、世界各国は、おおむね国の表玄関たる国際空港は国の責任のもとに建設し、運営をしております。当たり前のことであり、子供でも理解できるところであります。ところが同法は、第二項、第三項にただし書きがあり、「前項の規定にかかわらず、新東京国際空港は新東京国際空港公団が、関西国際空港は関西国際空港株式会社がそれぞれ設置し、及び管理する」となっているのであります。そして一方で、名称は国際空港ですが、国際便が離発着していない大阪国際、東京国際の設置管理者は国土交通大臣となっているのであります。加えて、同法第四条の規定にある第二種空港、これは全国に二十六空港がございますが、いずれも一つも漏れなく設置者は国土交通大臣となっているのであります。一部、管理者はそれぞれ地元の自治体というところはございますが、設置者に関しては一つの例外もなく、二十六空港すべてが国土交通大臣の設置となっております。
 これは本末転倒も甚だしいのではないか。例えば、この二十六空港の中には八尾空港、北九州空港、稚内空港など、とても、だれが考えても重要空港とは言えない空港まで入っているのであります。このことについて、企画部長どう思われますか。率直なご意見をいただきたいと思います。
 次に、IHS構想についてお尋ねをいたします。
 木村知事は、本定例会初日の提出議案説明の中で、「IT関連産業の立地を促進するため、助成制度を拡充するとともに、田辺、白浜周辺地域をIT関連産業の集積地とするIHS構想を推進するため、新たな補助制度の創設を初め、IT総合センター(仮称)との連携促進など、さまざまな支援施策を実施いたします」と申されました。私は、我が意を得たりと思いました。なぜなら、平成八年二月定例会での一般質問で私は同趣旨の提案を申し上げたところであり、当時、知事は総務部長としてこのひな段に座っておられました。そのとき、私のほかの項目の質問に総務部長としてお答えになっております。記憶力のいい知事は、私の提案に肉づけをしていただきまして今回こういう形で立ち上げてくれたのではないかと、私は自分勝手に想像しておるわけでございますが、知事、やっぱり私の勝手な思い違いでありましょうか。
 皆さんに私の言わんとするところを正しく理解していただくために、六年前の質問をちょっと要約して申し上げたいと思います。
 「先週三月九日──これは平成八年でございます──南紀の人々はもちろん、私たち県民の待望久しい南紀新空港が開港いたしました。これによって、東京─南紀白浜間が一時間で結ばれ、今までのYS一一型機からMD八七型ジェット機へと変わったことで、搭乗定員も倍増したのであります。さらに、今月三十日には、近畿自動車道広川インターチェンジ─御坊インターチェンジ間が開通する運びとなりました。これまた百八万県民が待ち望んでいたところであり、県土の南北幹線が飛躍的に機能を拡大し、その波及効果が今後期待されるところであります。このように、南紀への海・陸のアクセス改良が進む中、今後は南紀の発展のための処方せんが求められていると思うのであります。時あたかも今、急速にコンピューターによるインターネットの普及が広まっておりまして、機種によっては五万円台でも手に入る時代となりました。五万円と言えば最近の小中学生でもお年玉なんかで手の出る金額であり、一気に今後普及が進むと思われます。企業にありましても、事務処理、情報収集等のコンピューター化が激しい勢いで進んでおりまして、また企業、学校、県や市町村などの公共団体、各種団体、個人などが争ってホームページの開設を始め、今や世界同時にいながらにしてあらゆる情報を手にすることが可能な時代に突入いたしました。まさにインターネットの普及は都市と農山漁村、東京と地方の格差をなくし、企業のありようも今後大きく変化することは間違いないところであります。ところで、東京、大阪といったごみごみした大都会で、しかも土地代が高く、スペースに大きな制約を受ける中で研究開発に従事する人たちに、いい知恵やアイデアは非常に生まれにくいと私は思います。研究開発に疲れたら大海原に出てヨットを走らせるもよし、釣りに興じるもよし、熊野古道などを散策しながら森林浴をするもよし、また温泉につかったり、ゴルフに興じたり、熊野の歴史文化に浸ったり、英気を養う材料に事欠きません。自然に触れ、リフレッシュした心と体で改めて研究開発に取り組めば、必ず大都市では生まれるはずもない新たな発想やアイデア、知恵がこんこんとわいてくるというものであります。種々の社会的条件が整いつつある今こそ、そして白浜を中心とした南紀の地こそ企業の研究開発部門の立地の最適な場所であると言えると思います。地元市町村との連携の中で、この際県として積極的にその受け皿づくりを進め、企業の研究開発部門の誘致を進めるべきであると思いますが、知事のお考えを聞かせていただきたい」という質問をさせていただいたところであります。
 そこで、木村知事にお尋ねをいたします。このIHS構想について将来図をどのように描いておられるのでありましょうか、この際、ぜひともお聞かせをいただきたい。
 関連して、この田辺・白浜地域における空の玄関である南紀白浜空港をもっともっと活用すべきではないか。五百億円もの巨費を投じてつくった同空港は今、その機能を十分に発揮しているとは言いがたい。ポートセールスに今以上に力を入れ、現在の東京便以外の定期便の就航を目指していただきたい。
 加えて、FAZ(フォーリン・アクセス・ゾーン)──日本語訳は「輸入促進地域」でありますが──の国の承認を受け、整備を進めていってはどうか。南紀白浜空港を核として、田辺・白浜周辺地域を国の内外に大きく開かれた輸入関連ビジネスの集積地と位置づけ、将来への布石としていくべきと思いますが、どうか。それぞれ、担当部長の答弁を求めたいと思います。
 昨年、二月定例会予算委員会で私は、わかやま館を本県が生んだ先人や本県に極めてゆかりの深い先人の顕彰館としてリニューアルして生かしていってはどうかと提案申し上げました。新年度予算では四百五十四万余円が計上されております。平成十四年度においてどのような事業を進め、また今後数年のうちにいかにこの事業を展開していく方策であるのか、あわせて知事公室長にお尋ねをいたします。
 加えて、先人顕彰館の立ち上げはいつごろになるのか、明快にお答えをいただきたい。
 もう一点、平成十三年度において紀の国先人顕彰検討委員会が数度にわたって開催されていると聞き及んでおりますが、その議論はどの程度煮詰まっているのか、ご報告をいただきたい。
 第四点、新ふるさとづくりについてお尋ねをいたします。
 木村知事は、この事業を提唱されるに当たりまして、さまざまな思い入れや着想がおありだと存じます。この部分に関して、たっぷり時間を差し上げますので、この際その意気込みを語っていただきたい。あわせて、新ふるさとづくり関連の事業を企画している商工労働、農林水産の両部と教育委員会の方から簡略に事業の概要をお聞かせいただきたい。
 最後に、高速道路及び幹線道路網の整備に移りたいと思います。
 小泉内閣発足以来、いわゆる聖域なき改革のかけ声のもと、日本道路公団を初め四公団の民営化・廃止が叫ばれ、これから社会資本の整備に力を入れて取り組まなければならない地方の県にありましては冬の時代に突入かという危機感を、私どもは一様に抱いたのであります。
 このような認識のもと、当局は知事を先頭に、そして私どもは県議会一丸となって、国土交通省初め関係方面への働きかけや道路整備促進大会の開催など、さまざまな運動を行ってきたところであります。マスコミには、守旧勢力とか改革を妨げる集団といったレッテルを張られる中、私たちはひたすら県益を守るために、社会資本整備の面で後塵を拝してきた地方の県の悲哀を感じつつも、正当な要求を極めて民主的かつ紳士的に行ってきたと申し上げたいと存じます。この点に関しまして、皆さんご同感だと思いますが、いかがでございましょうか。いわゆる小泉改革の影響で若干のおくれはありますものの、着実に今、道路網の整備に取り組んでいると確信するものでありますが、以下、六点にわたり土木部長の答弁をお願いするものでございます。
 なお、この道路網の整備が遅滞なく行われるよう用地買収に汗を流して苦労していただいた土木部の高速道路推進室や道路建設課を初め各課、そして各振興局建設部、紀南高速事務所などの幹部と担当職員の皆さんの目に見えないところでの営々たる努力、労苦があったことをここにあえて申し添えたいと思います。
 まず第一に、昨年十二月定例会一般質問の中での私の質問に対する答弁の中で、近畿自動車道紀勢線御坊─南部間の供用開始は平成十五年中と明言されておりますが、現時点でその実現に支障はありませんか。
 第二に、同じく南部─田辺間、田辺─白浜間、白浜─すさみ間の事業の進捗状況とその推進方法について。
 第三に、同じく海南─吉備間の四車線化について、それぞれお答えをいただきたい。
 四点目に、国道四十二号田辺西バイパスの早期整備について。
 第五に、京奈和自動車道橋本道路、紀北東道路、紀北西道路の進捗状況について。
 最後に、第二阪和国道の進捗状況について。
 それぞれ、土木部長から簡略にして明快なご答弁をお願い申し上げまして、第一質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、関西の三空港のあり方についてのご質問でございます。
 現在、ご案内のように、関空については国際ハブ空港として大発展を遂げる、伊丹空港については国内基幹空港として発展をしていく、そして神戸空港は地域の空港としてつくっていくということで一応の合意がなされ、そして進んできているところでございます。
 私も時々、伊丹空港へおりることがあります。そしてまた、住宅密集地の中へおりていくというふうなことについて、私、そのあり方について個人的には言いたいことはいろいろあるわけです。しかしながら、こういうことについて、三つの空港のあり方について議論を尽くすのは議員のご質問にあったとおり私はいいことだと思いますけれども、今のこの時期に地元から不協和音が出ているというふうなことが関空の二期工事のあり方について逆に足を引っ張ることがあっては困るというふうなことを私は強くこの問題については思っているというところでございます。
 それから、この関西の三空港のあり方についての検討をどういう団体がやるかということについて報道があるようでございますが、この三空港のあり方について関西一丸となって検討を進めるべきことは当たり前のことでございまして、和歌山を抜きにこの問題を考えていくというようなことは基本的には考えられないわけで、私は個人的には何かの間違いだろうというふうに思っております。
 それから、さきの関空の事業を平成二〇〇七年から二〇一〇年にするということで、議会ともども私どももそれを二〇〇七年にちゃんとでき上がるようにということについていろいろ運動したわけですが、このときにも和歌山県の関係者の力があったこと、これはもう間違いのないことであるということをこの際つけ加えておきたいと、このように思っております。
 それから、IHS構想でございます。
 これについては、議員の思い違いではございません。議員の以前のご発言も踏まえ、私としてこの地域を何とかイノベーション・ホット・スプリングス──この間まではITホットスプリングと言っていたんですけれども、ITよりはイノベーションの方がいいだろうということで、今、イノベーション・ホット・スプリングス構想ということで進めようとしているわけでございます。
 一つは、ここで今現在つくっておりますIT総合センターでありますとか和歌山大学のサテライト大学、こういうふうなものを中心にして、研究とかいろんな地域普及、ITの地域普及を図っていく。それから、今非常にあれになっているんですけれども、こういうふうな時期に企業の保養所が白浜地域──これはまあ日本全国、ほかでも六甲なんかでも余っているとこの間テレビでやっていましたけれども、こういうものが割とサテライトオフィスに好適であるというような話もあって、そういう面もあると。
 それから、こういうところに進出しようという人に聞きますと、やはり飛行場があるということは非常に有利なことなんだというふうな話がありまして、既に幾つかの企業の方がもう見学に来たり、そしてまた具体的に進出の考え方を示して案を練っているというようなこともありますので、何とかこの地域を和歌山県のITとかイノベーションの中心にしていこうというふうな考え方を持っているところでございます。
 高速道路もいずれこの地域に来ることになりますし、非常に自然にも恵まれた、温泉もある、飛行場もある、高速道路も来ると、こういう恵まれた地域になるというふうに考えておりますので、この構想を力いっぱい進めていきたいと、このように思っております。
 それから、新ふるさとづくり、ゆっくり話をしなさいというお話でしたけれども、私自身、やはり日本の国が十全の発達を遂げていくためには、都市と地方のお互いの理解、都市の人は地方でずっと住んで地域を守っている人に対する優しい心が必要だし、地方の方も都市の人があくせくやっているということに対しての理解が必要と、こういうふうなことを基本的に考えているわけでございますけれども、今の時代なかなか、昔と違って集団就職も余りありません。いろんなことで人的な交流が減ってきている。江戸っ子は三代続かないと江戸っ子と言わないという言葉がありましたけれども、今はほとんど江戸っ子になってきているような状況の中で、人為的にもこの都市と地方の間の理解を深めるようなことをしていかなかったらこれは大変なことになるなというのが、私が新ふるさとづくりということを提唱した動機でございます。
 そのことの一環として、例えば緑の雇用事業もそういう形のことに役に立つだろうというふうに考えているわけでございますし、それから体験型の観光でありますとか、インターネットを利用しての和歌山県の産品を都市とかいろんなところへ普及していくということも一つでございますし、それから今年は、後で話があるかもしれませんけれども、「あさもよし紀伊国スクール」といって、都市の子供たちに和歌山へ来ていろんなことをしてもらうというようなことを始めていく。これはやはり、別に血縁とか地縁とかはなくても、子供のときから例えば和歌山へ来ていろんなことを知って、自然に触れたりしていれば、大人になったときにどこをふるさとと思うかということになると、その人たちは和歌山をふるさとと思ってくれるかもしれない。そういうふうなことも含めて考えているわけでございます。
 そして、もっと大きく言えば、和歌山県のこれからの発展、新しい工場を誘致してきて生産性を高めていくということは非常に、これは和歌山だけじゃなくて、今の地方の県、これからだんだん難しくなってくる中で、やはり観光とか自然とかいうものを大事にしながら、都市との交流の中からいろんな価値を生み出していく、そしてそれに付加価値をつけたりすることによってこの地域が富み栄えるようにしていくということが私は非常に大事だろうというふうに思っておりますので、こういうふうな観点から新ふるさとづくり、これは非常に大きないろんな事柄にかかわってくることでございますけれども、そういうふうな基本的な理念でこの構想を進めていきたいというふうに思っている次第でございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) 関西国際空港に関連しまして、三点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず最初に関西国際空港二期工事の進展についてでございますが、米国における同時多発テロ事件による航空需要の低迷を理由としまして、昨年、二期滑走路の供用を三年程度延期してはどうかという議論がなされましたが、影響の大きかった国際線を見ますと、速報値でございますが、旅客数につきましては十一月で前年同月比五七・七%と最も落ち込んだ状態にありましたものが一月には七六・一%となり、発着回数につきましても十一月で八四%となっておりましたものが一月には八八・一%となるなど、順調な回復が見られるところでございます。
 関西国際空港株式会社では、二期滑走路供用開始後の経営見通しとして、仁川国際空港の開港、成田の暫定滑走路供用の影響を考慮した厳し目の将来予測におきましても、二期滑走路の供用予定時期である二〇〇七年には現在の一本の滑走路の処理能力の限界である年間発着回数十六万回を超えるとの見通しを示してございます。また、地元自治体、経済界、関空会社により関空の利用促進、関空を活用した産業活性化などの需要の喚起、創出に向けた取り組みを進めることとしてございまして、さらに関西国際空港株式会社におきましても、平成十四年度において国際線、国内線の着陸料の引き下げを行うなどの営業努力に努めているところでございます。関西国際空港は、将来にわたり本県が発展を続けていくために欠くことのできない非常に大事な空港でございまして、二〇〇七年の供用開始に向け着実に事業が推進されるよう、関係自治体、経済界とともに取り組んでまいりたいと思います。
 次に、いわゆる上下分離案についてでございます。
 国土交通省が示しております国際拠点空港の整備及び管理運営に関する経営体制の見直し案、いわゆる上下分離案につきましては、関空、成田、中部といった国際拠点空港の戦略的整備を進めるとともに、立地条件によるアンバランスや土地造成に係る債務を一括処理する公的法人である下物法人と、空港施設を管理運営する民営化した上物法人に分離するものであります。昨年十二月に政府において策定された特殊法人等整理合理化計画におきまして、三国際拠点空港の経営形態のあり方につきましては、上下分離方式を含め、民営化に向け平成十四年中に政府において結論を得ることとされてございまして、本県といたしましても、関係自治体、経済界とともに引き続き国に対しその具体化を要望してまいりますので、県議会の皆様のご協力をお願い申し上げる次第でございます。
 最後に、空港整備法と関西国際空港についてでございます。
 我が国の国際化を担う重要な社会基盤である関西国際空港は、議員ご指摘のとおり、空港整備法第三条第一項の趣旨からも、本来国が設置・管理すべきものと考えますが、当時、国際化に伴う関西地区の航空輸送需要の増加に対応するため新たな空港の建設が急がれたこと、国の財政状況や民間活力の活用が求められたことなどの時代的な背景により、関西国際空港株式会社法という特別法が定められ、国、地方自治体、地元経済界がともに出資することにより事業推進が図られてまいってきたものと認識をいたしてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、IHS構想に関連して南紀白浜空港の最大限の活用をとのご質問ですが、昨年、田辺市に進出したIT企業の例からも、IHS構想推進のためには南紀白浜空港の活用は極めて重要な要素であります。議員ご指摘の東京便以外の新規路線につきましても、旅客需要を見きわめながら、地元市町村等と連携し、より一層積極的にエアポートセールスに取り組んでまいります。
 次に、高速道路網と幹線道路網の整備についてのご質問に順次お答えいたします。
 まず、近畿自動車道紀勢線の御坊─南部間につきましては、用地買収が実質的に完了し、日本道路公団におきまして平成十五年中の供用を目指して全面的に工事が進められているところでございます。県といたしましては、引き続き日本道路公団に全面的に協力し、一日も早い供用を目指してまいります。
 南部─田辺間につきましては、全部で五地区あるうち、昨年十二月より田辺市中芳養地区及び南部町東吉田地区の二地区で用地買収に着手し、その二地区においては八割強の買収を終えているところでございまして、早期に全区間の用地買収が完了できるよう、日本道路公団に対して平成十四年度の予算措置を強く要望しているところでございます。
 また田辺─白浜間につきましては、現在測量調査を行い、地元設計協議に向けて準備中でございます。
 白浜─すさみ間につきましては、施行命令が出ていない中、今年度、全国に先駆けて用地先行取得制度を活用し、用地の先行買収に取り組んでございます。今後、高速道路整備計画の見直し等、国の動向に応じて事業促進に努力してまいります。
 次に海南─吉備間の四車線化につきましては、現在、測量調査を完了しまして地元設計協議中でございます。今後、設計協議の済んだところから用地買収に着手してまいります。
 次に田辺西バイパスにつきましては、田辺インターと田辺バイパスを接続する区間を高速道路と同時供用するとともに、芳養に向けての事業促進につきましても国に強く働きかけてまいります。
 次に京奈和自動車道の進捗状況についてでございますが、奈良県境から橋本道路、紀北東道路、紀北西道路の県内全区間が国土交通省において事業化されてございます。橋本道路につきましては、現在、用地取得率が九〇%となっていまして、県境から橋本インターチェンジの間で既に工事に着手しており、早期供用を目指しております。
 紀北東道路でございますが、全区間において予備設計を行っているところであり、このうち高野口インターチェンジからかつらぎインターチェンジ間につきましては地元設計協議に着手しております。
 また紀北西道路につきましては、早期に測量調査に着手するため、地元立ち入り了解の説明会の準備をしており、紀北東道路と合わせた西からの事業展開を国に強く要望してまいります。
 次に、第二阪和国道のうち和歌山北バイパスにつきましては、用地買収もほぼ終わり、紀の川を渡る橋梁や楠見高架橋の工事が鋭意進められてございます。今後、紀の川左岸部の取りつけ道路の工事を進め、平成十四年度末供用予定と聞いてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) FAZについてお答えをいたします。
 輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法、いわゆるFAZ法は、平成四年に輸入促進策として施行されたものでございます。近年、経済が長期にわたり低迷する中で、物価下落、生産活動の縮小が同時に進行するいわゆるデフレスパイラルの傾向や、中国からの輸入拡大による国内産業の空洞化が懸念されるなど、経済情勢が大きく変化してございます。
 議員からご提案のありました南紀白浜空港を核にFAZの指定を受けるためには、輸入貨物の流通状況や輸入貨物を取り扱う物流事業者、製造事業者の集積の状況などの要件を満たすことが必要となることから大変厳しいものがあると考えておりますが、南紀白浜空港を活用した地域産業の活性化の一つの方策として可能性を探っていきたいと考えてございます。
 次に、新ふるさとづくりの具体的な事業についてでございます。
 本年度、西牟婁・東牟婁地域におきまして豊かな自然、農林漁業や伝統文化等、地域資源を活用した体験交流型観光の振興に取り組んでまいりました。新年度はそれを県内全域に広げて推進し、精神的な充足感の高い観光地域づくりを目指してまいります。
 具体的には、観光客と地元住民との触れ合いを大切にした受け入れ態勢づくりや人材養成を行うとともに、特色ある新たな体験メニューの開発に取り組むことといたしております。また、地元の人々にとっては生きがいや誇りを持てるふるさと、都市住民にとっては本県を第二のふるさとと感じていただける新ふるさと観光づくりを進め、加えてふるさとのすばらしさを最大限にアピールするため、今年度は熊野の森と清流PR事業に取り組んでまいります。
○議長(井出益弘君) 知事公室長小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事公室長(小佐田昌計君) 紀の国先人顕彰事業についてお答えをいたします。
 紀の国先人顕彰事業につきましては、今年度、さまざまな分野でご活躍の有識者の皆さんによる紀の国先人顕彰検討委員会を設置し、顕彰する先人たち百六名を選考していただいたところでございます。
 今後の事業の進め方につきましては、来年度から二年間にわたりこの先人たちに関する資料を収集、整理していく予定でございます。あわせて、多くの県民とりわけ今世紀を担う子供たちにふるさと和歌山への誇りや愛着を持ってもらえるように、その展示方法を検討してまいりたいと考えてございます。
 紀の国の先人たちを顕彰する場所の選定につきましては、展示方法を検討していく中で考えてまいりますが、現時点では平成十六年度に向けて、議員ご提案のわかやま館を含む県有の既存施設に設置したいと考えてございます。
○議長(井出益弘君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 新ふるさとづくりの具体的な事業の推進についてでございますが、農林水産部といたしましては、新ふるさとづくりに関連する施策として、Iターン者などへの情報発信や都市との交流、豊かな自然などの地域資源の活用、緑の雇用関連事業などに取り組むこととしてございます。
 その中で、既存の事業に加えまして平成十四年度に新たに取り組む主な事業といたしましては、緑の雇用事業にも位置づけられておりますIターン希望者などに総合的な情報を的確に発信するための緑のふるさと暮らしインフォメーション事業のほか、都会の人々に和歌山の持つすばらしい環境や自然を満喫していただくため、これまでと発想を変えた都市部との交流事業として海遊モデル事業やいやしの森体験事業を実施することと考えてございます。
 海遊モデル事業は、漁協の協力を得ながら、漁業権が設定された漁場の一部を一定期間開放して貝類の漁獲体験などを実施したり、ヒオウギ養殖のオーナー制を導入するなど、自然海岸や水産資源のすばらしさを実感していただく事業でございます。
 また、いやしの森体験事業は、県内七カ所におきましてだれもが参加できる森林ボランティアを募集して広葉樹を植栽する事業でございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 新ふるさとづくりに関連してお答えいたします。
 まず最初の「あさもよし紀伊国スクール」でございますが、「あさもよし」とは、かつて万葉集などで紀の国に係るまくら言葉として使われた言葉でございまして、このネーミングをとってふるさとをもう一遍見直そうという考え方でございます。
 これは、他府県の子供たちが和歌山の豊かな自然の中で農林業などさまざまな体験を行うとともに、地元の子供たちと交流することをねらいとしております。この事業を通して、都会の子供たちが和歌山を心のふるさとと感じ、本県の子供たちも和歌山のよさを再認識し、ふるさとに誇りを持ち、互いを思いやる豊かな心をはぐくめるよう努めてまいります。ちなみに、和歌山県教育委員会の大きな柱の一つをふるさと教育に置いております。
 次に、「ミュージアムKOYASAN─空海体験─」事業でありますが、和歌山が世界に誇る霊場高野山を広く発信することをねらいとして、県外を中心に参加者を募り、金剛峯寺境内一円を会場にして歴史体験型のイベントを春と秋に実施いたします。
 春季は高野山町石道ウオークで、慈尊院、壇上伽藍などの文化財に触れながら、自然、人、文化をテーマにした写真コンテストを開催いたします。秋季は一泊二日の日程の本イベントで、春季写真コンテストの表彰、女人道ウオーク、転軸山自然公園で高野に伝わる伝統文化の体験などを行うこととしています。また同時に、国宝不動堂で運慶作の国宝八大童子立像を特別公開するなど、高野山のすぐれた歴史と文化財に理解を深めてもらうことにいたしております。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「企画部長の答弁、答弁になってないんやけどな。まあい
   いわ、議長四十三番」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) 再質問を許します。
 四十三番森 正樹君。
○森 正樹君 許された時間の中で再質問をいたします。
 土木部長、「南紀白浜空港のエアポートセールスに一生懸命に取り組んでいきます」と、そういう答弁は僕、たしか何回も聞いた記憶があるんですよ。委員会でも聞いたし、この本会議でも聞いたし。何遍決意したらやるんですか。
 かつて、例えば半年雪に埋もれる東北、北海道の人だって、ゴルフの好きな人はいっぱいいると思うんです。そういう人に一年じゅうゴルフができますよ、青々とした芝の上でゴルフができますよ、温泉にも入れますよというポートセールスをすれば、絶対に東北六県、北海道、新潟、あのあたりの人たちの中にもゴルフの好きな人は何万といるはずです。そういう人たちが喜んで来るはずだと。だから、そういう企画を組み、定期路線の就航を目指せということを申し上げたこともありました。一々全部ここで繰り返しませんが、決意はもうきょうで最後にしていただいて、本当にエアポートセールスに幹部みずからが積極的に取り組んでいただきたい。強く申し上げておきたいと思います。
 それから、太田知事の発言、私も何かの間違いだと思いたいんです。和歌山を外して関西空港のことを語り合えるはずがありませんし。木村知事は非常に他への配慮をされて、関西は一つという立場で発言をされておりましたけれども、ぜひとも和歌山県益も和歌山県知事として、県民の代表としてぜひとも訴えていただきたい、考えていただきたい。したがって、関西国際空港が本当にアジアのハブ空港としてその機能を十分に発揮するためには、やはり神戸空港とか大阪空港の問題というのは切り離して考えられない問題でございますから、関西全体を考えていただくことも大事でございますが、まず和歌山県益をぜひとも考えて発言をしていっていただきたい。四府県知事会談になるはずでございますので、その席にはぜひとも知事、一人でマイクを握ってしゃべりまくるぐらいによろしくお願いをしたいと思います。
 それから、空港整備法というこの法律、まあ私がここで幾ら力んでも国土交通省の航空局の幹部に届かないと思うんですけれども、今度機会があれば思い切り、直接本人に対して、航空局長なり航空局の幹部に申し上げますが、稚内というのは、私も一回、礼文島へ行くのにここから飛んだことがあります。十八人乗りか十九人乗りの飛行機で飛んだんですけれども、操縦席と客席の間に仕切りのない、ちっちゃい飛行機ですわ。滑走路は二千メーター、南紀白浜空港と一緒ですよね。
 それから八尾空港。これはもう皆さんご承知のとおり、セスナ機しか飛んだりおりたりしないような、滑走路も千四百九十メーター、白浜よりちっちゃい飛行場なんです。これが国土交通大臣の設置なんです。国の設置なんですよ。何でそれで関西空港と成田空港が国じゃないんですか。こんなばかな話ないですよ。本末転倒も甚だしいんじゃないですか。
 それから北九州空港。これも私、ここを使ったことありますけど、千六百メーターの飛行場です。これがどうして重要な飛行場なんですかね。
 こんなこと言うと地元の人に大変失礼ですけど、少なくとも国土全体のありようから考えて、今、私が仮に例として申し上げました稚内、八尾、北九州の三つの空港、それぞれとても日本の空の交通網の発展のために、整備のために拠点となる重要空港だとは私は思いません。それが国土交通大臣、すなわち国の責任でつくって管理・運営しているわけですね。片や、日本のまさに空の表玄関であり、関西空港はアジアのハブ空港を目指そうとしております。そういう重要な空港を何で国が設置しないんですか。国が管理・運営しないんですか。それはおかしいじゃないですか。逆でしょう。
 ましてや、この関西空港ができるときに大阪空港は、野中元幹事長もおっしゃっているとおり、廃止するはずだった空港であります。この十年間で一兆円になんなんとする補償費が払われているわけですよね。これは、あの大阪空港という空港の滑走路の整備だとか、ターミナルの整備だとか、そういうことには一切使われていない金ですよ。周辺に消えていっている金なんです。その一兆円の金があれば、前にも申し上げましたけど、第二種空港で九つぐらいつくれるお金であります。第三種空港なら十幾つつくれるお金であります。関西空港の二期工事だって、十分に地元負担なしでできます。さらには全体構想だって前倒ししてできるはずのお金であります。それだけの消えていく金が使われている、そんな空港が国の設置なんですよ。国内空港ですよ、大阪空港は。その空港に国のお金が投じられて、国の管理・運営・設置であって、それで何で関西空港が株式会社なんですか。こんなおかしな話ないじゃないですか。
 もう嫌というほど私、ここでも申し上げましたし、委員会でも申し上げましたし、それから、当時の運輸省の幹部に対して机をたたいて申し上げたこともあります。また次の機会があったら、今度は机をひっくり返すぐらいの勢いで言いたいと思いますけど、そういう声が国土交通省の方へ届けとばかりにここで申し上げておきたいと思います。
 時間がありませんのでこれでとどめますが、ぜひとも県益のために、県勢発展のために取り組んでいただきますことをお願いして、すべて要望といたします。
 ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十三番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 お許しを得ましたので、質問を進めます。
 ワールドカップが近づくにつれて、ワールドカップとは何なのか、我々にとってどんな意味合いがあるのか問われないままに推移している事態をどう見るかというふうに思うにつけ、県会の場で取り上げ、県内はもちろん全国に向け和歌山県が発信していただく必要があろうと、こういうふうに考えて取り上げてみた第一点であります。
 一方においてオリンピックがあり、それよりも世界の人々がワールドカップでフィーバーすると言われますが、それは何ゆえなのか、これも問うてみたいところです。オリンピックは都市の開催であるのに対して、ワールドカップは国の開催となります。第十七回の今回は、しかも日韓共同、二カ国間で共催するということであります。それに向けてデンマークチームを迎え、キャンプ地と決定され、県実行委員会が組織されて歓迎行事が企画され、民間でも青年会議所など各種の取り組みが進められているところですけれども、実行委員会のもと、どうも組織立った取り組みになっていないように見受けられるのは私だけでしょうか。これも、W杯の意義を県民全体に明らかにされていないというその弱さのあらわれではないかというふうにさえ思ったりするわけであります。
 以下、そのことに視点を据えたところで、幾つか申し上げてまいりたいと思います。
 とにもかくにも、本ワールドカップは東北アジアで開かれる初めてのワールドカップであります。しかも、二カ国が共同で開催するやり方はワールドカップの歴史始まって以来のことであります。このことの意味をFIFAは公式にコメントしているようにもうかがえないのですが、開催国の我々にとって主体的にどう受けとめるのかを明確にして取り組む必要があろうかと思います。ワールドカップの意義と功績を見るとき、FIFAが日韓共同開催の決定に何を期待しているのかを知ることができるのではないか、このような立場で以下、考えてみたいと思うんですが、第一回大会から開催国の命運をかけた大会になっているように見届けられます。その主なところだけを追ってみたいと思いますが、そのことによって本大会の意義を浮き立たせてみたいという試みからであります。
 第一回は、ウルグアイ大会であります。目立った資源もない小さな国が、第一次世界大戦や世界恐慌に巻き込まれた欧米の大国が疲弊していたところ、羊毛や食肉産業で静かな繁栄を迎えていました。国家の威信をかけ、大会の五カ月前、首都モンテビデオに十万人収容のスタジアムを建国百周年に合わせて建設し、迎えられたということであります。世界じゅうが注目するワールドカップはここで生まれ、南米のウルグアイという小さな国が「やればできる」ことを宣言し、人類に自信と希望をもたらした大会であったわけであります。
 しかし、第二回イタリア大会はムッソリーニの思惑に支配されて、ファシズムの威光を示す場として利用されました。このことから、スポーツなかんずくサッカーはフェアでなくてはならないとの理念が打ち立てられていくわけであります。まさに近代スポーツの基礎を築いたのが第二回イタリア大会だと、今日言われているところであります。
 一九三八年、第三回フランス大会も国威発揚に利用されるヒットラーのねらいどおりにされかかったわけですけれども、永世中立の小さなスイスの活躍がその芽を断ってしまいました。ところが、翌年ドイツはポーランド侵攻、第二次世界大戦が始まり、W杯は中断されました。
 戦後の一九五四年(昭和二十九年)、第五回スイス大会に韓国が初出場するわけですけれども、初出場する権利を得た極東予選が日本で行われました。植民地支配から独立して九年、日本と韓国の代表が東京──以前は「神宮競技場」と言われたらしいんですが、現在は国立の競技場です──で対戦をしました。後にも先にも、戦後初めての日韓戦でありました。当時の李承晩大統領は、日本代表の韓国訪問を認めなかった。それで、韓国代表は、植民地支配の屈辱をはね返し、日本に勝って帰国することが至上命令だというふうなことで、日本代表と神宮競技場で対戦されたわけであります。そのときは寒さと雨でぬかるんだ泥が敵だったと言われるほどに、日本は敗れて、韓国はワールドカップの本大会への切符を手にして初参加をしたわけであります。
 その韓国チームの中に、日本の植民地時代、日本代表として戦った経験を持つ早稲田大学のサッカー部のOBや現役が選手として何人も含まれていたというわけであります。それから半世紀、本大会で両国がW杯を共同開催するわけでありますが、その苦難の歴史を乗り越えてからの十七回大会であります。これに中国も参加します。朝鮮の南北統一が、東北アジアの平和と友好が、とめどもなく発展することの意義は極めて大きいと見なければならないでしょう。
 一九六二年(昭和三十七年)、第七回チリ大会というのがあります。この大会の二年前に、チリは大地震に見舞われました。すべてを失ったからこそ全力で開催しようと、真の復興を果たすには国民が一つになることが必要だというふうにして、チリ大会にチリの国民が団結して取り組んだわけであります。そのスローガンのもと団結して成功させた大会が、チリ大会であります。国の復興のためにはあの六二年が必要だったと、今日も語りぐさのように語られているということであります。
 以下ずっと続くわけですけれども、飛ばしまして、三十六年余の独裁政権フランコ総統の死後六年、その翌年に開いたスペイン大会、これが一九八二年(昭和五十七年)です。これは、サッカーの祭典という枠を超えた使命を負っていたと言われます。ワールドカップは、民主国家になったスペインを世界にアピールする晴れ舞台であったと言われます。生前ピカソが望んでいた姿であった。ピカソが描いたゲルニカが、スペインに民主政府が樹立されるまでとの思惟に基づいてニューヨークの近代美術館に寄託されていたわけであります。スペインW杯大会を期して、ゲルニカはスペインに返還されました。その返還は新生スペインの民主化政策をアピールするものであり、それを祝福するワールドカップであったと言われております。
 一九九四年、第十五回米国大会では第一回から六十四年、ワールドカップは初めて中南米と欧州以外の大陸に渡って、既存のアメリカンフットボール競技場を用いて観客動員は大会史上最高となったと言われます。ローゼンバーグ大会組織委員会会長は「スポーツを商売と結びつけないでいることはできなくなった」と、このアメリカ大会がそのように位置づけられたということであります。スポーツビジネスの始まりを築いたとさえ言われるのがアメリカ大会だったと言われます。
 このようにして見てくれば、ワールドカップの歴史と実績は、人類が築いてきた文化をその節々でしっかりと裏打ちしてきていることがうかがえるというものであります。あるときはファシズムと闘い、あるときは東西分断された中でサッカーを通じて平和を希求する力としたり、あるときは人種差別を大きく乗り越える力となり、さまざまな苦難を乗り越えてきた歴史を持つワールドカップであるのであります。
 日韓両国開催が決定してから朝鮮において統一の兆しが大きくなり、北東アジアの平和を構築しようとのFIFAの秘めた願いが十七回開催に隠されていると見るのは、あながち私だけではなかろう。ワールドカップの歴史を見るとき、当然の帰結と見られるのではないかと私には思われるわけであります。そう思えてならないのであります。その願いのもとに、歓迎活動をもっと表にあらわに出してほしいのであります。横断幕や看板を駅前に、あるいはまたキャンプ地周辺に掲げてもおかしくないのではないか。それほどの意義と実績を持つワールドカップを、県民一人一人の心の中に自信を持って迎え入れられるというふうなところまで高める必要があるであろう。ポスターの掲示、ワールドカップの意義や歴史的な功績を「県民の友」などに掲載して深く理解を求める必要があるのではないかとさえ思うわけであります。
 三月の「県民の友」は、国際理解の問題をテーマにして大きく掲載されておりました。あのときになぜ、このワールドカップの歴史的な意義や功績などを例記して県民に知らすようなことにならなかったんだろうか。そのような認識の低さが今日のワールドカップを迎えるデンマーク歓迎の行事の中にもあらわれているのではないかとさえ指摘したいところであります。歓迎活動をもっと表にあらわに出して、はばかることなくそれを迎え入れよう、そして歴史を、平和と民主主義と人種差別というふうなものを乗り越えていける力にしていこうと、こういう国際親善と国際交流の場にしてはいかがなものかと申し上げたいところであります。
 国際イベントであることから、未経験も考慮に入れなくてはならないと思うわけですけれども、日本サッカー協会の記章は、もう皆さんもご存じのように八咫烏──三本足のカラスであります。足が三本もあるというのは考えもつかない話なんですが、ある大学生に鳥の絵を描かせたら三本足の鳥を描いたというふうな笑えないお話が過去にあったことを思い出しますけれども、それとは全く違うんです。八咫烏。これを日本サッカー協会の記章にするには、よその人たちだけの発想によってでき上がったものではなくて、あれが日本協会の記章に取り入れられるには和歌山県人の先輩たちの功績のあったことを思い出さなくちゃなりません。
 もうくどくどとは言いませんけれども、そのようにして考えたとしたら、そのワールドカップ、日韓両国開催、なかんずくデンマークチームの歓迎というふうな意味合いから言うたら、知事が常に提唱している緑の雇用の問題や連続テレビドラマの「ほんまもん」からしたら、今、和歌山県は打って出て全国に発信する、こういうことの中でなぜワールドカップが、和歌山県から大きくその意義や功績を発信するということにならないのだろうか。今、知事が積極的にそういう取り組みをなされていることに上乗せしてこの課題も全国に発信するよう、和歌山県の立ち働きを望むところであります。
 デンマークチームを歓迎することによってどれだけのもうけがあるとか、あれやのこれやのというふうな試算、商業主義、エコノミックに流れるような側面だけでは、ワールドカップに参加するデンマークチームを和歌山県に歓迎するには事欠くのではないかと思われてなりません。もっともっと、そのことの意味合いや歴史的、文化的な評価を県民とともにしていけるような取り組みをお願いしたいところであります。いかがなものでしょうか。そういうふうな立場で、一つは、先ほど申しましたように、もうちょっと歴史的にも文化的にも、国際理解の観点からの迫り方を急いではどうなのか。そのあたりに心配りをしていただいてはどうだろうか。まさにサッカー協会の記章にもあるように、和歌山から発信してワールドカップを大きく成功させるんだと、こういう立ち働きを和歌山県が大きく行って不思議ではないというふうに思われるところです。それが一つ。これは知事に所感を述べていただきたいと思います。
 二つ目には、デンマークチームのキャンプ地としての練習場や宿泊所に係るもろもろの対策。これは、かつて登壇した二人の議員からも述べられておりましたけれども、ただ単に交通規制だとか、あるいはまた雑踏警備とか、そういう側面からだけではなくて、あそこにたくさんの人が集まってくるときに、あの競技場周辺の地域住民が随分と迷惑をこうむるであろう。余りサッカーにも関心はないけれども、こんなに人が来て大変だったということだけが残るというやり方ではなくて、デンマークチームを歓迎し、フレンドマッチをやったり、たくさんの人たちが和歌山県に来てくれたというふうなことをワールドカップを通じてともに喜び合えるような歓迎の仕方が他にあるであろう。警備や交通規制だけではなかろう。そういうことに心配りをしていただけるように、警察を中心にしながら関係機関がもろに力を合わせて対策を練ってほしい。こういうふうなことを申し上げて、県警本部長の所感を述べてください。
 次に、先ほども申し述べましたけれども、「県民の友」などを通じながら広報活動をもうちょっと積極的にやってください。もちろん、横断幕とかポスターとか、いろいろあるでしょう。次に述べるジュニアの駅伝大会の表彰式の会場に横断幕が一つあったよ。ああ、外にないけど中にあるわいと、不思議に思ったくらいです。よその県を視察に回ったときに、たまたま開催県であったこともあるんでしょう、駅や中央の目抜き通りなどにはそういうものがやたらと見えたことが記憶にあるんですけれども、それに置き比べて和歌山県にはこれがないのはなぜだろうと、そういうことをすごく気にしてきたこととのかかわり合いで、大いにこの側面からの取り組みを要請したいと思うんですけれども、関係部長及び教育委員会あたりからのご答弁をいただけたらありがたいと思います。
 次に、二つ目の問題に入りたいと思うんですが、ジュニア駅伝大会の問題です。
 これは、多くはもう述べる必要もないんじゃないかと思います。いかにどんなものであったかということは当局の皆さんもよくおわかりのことですから、シビアに反省をして、次からも続けていこうとするならば、そのような総括を的確にしなさって次に備えるという基本的な姿勢を明確にしていただくことが大事であろうと、こういうふうに思うわけです。なぜならば、県民総参加の取り組みをやめられてから、多くの県民がスポーツを通じて県勢活力に大きくフィーバーし合おうというふうなことがなくなってから、どういうもんだろうということを常々気にしていたところ、これを県が立ち上げて実行するということになったので、それなりの意味があるというふうに受けとめながら、開催要綱を見せてもらいました。「スポーツ振興と青少年の健全育成を図るとともに各市町村の活性化に資するため」と、目標に掲げられました。こうあってほしいものだというふうにして、さらに継続して開催されることをお願い申し上げながら、以下、申し上げたいところです。
 記録がしゃんととれていなかったという不手際がもろに出た大会ですよね。具体的に申し上げると、県庁前からずっと大浦街道を通って、和歌浦をずっと回って、そして毛見の湾岸道路へ行ってマリーナシティへと、そこまではつつがなく行けたということなんですけれども、最後のマリーナシティへ入ってから、七コース、八コースがお互いにダブり合うことになってしまったわけですね。先に行った者と後に行った者が重なって走らなならん。中学生と小学生がお互いにダブり合って走るというふうなことになって、記録がとれなくなったということなんでしょうか。
 開会式のときに知事は、予想以上に盛り上がる大会であったというふうな評価をなさっておりました。そのとおりだったと僕も思います。それなりの意味があったと思います。なのに、結果として、せっかく県下各地から小・中学生が参加して一生懸命走ったのに記録もとってもらえない、表彰もしてもらえないという事態が起こるという、こういうふうな不手際はもう金輪際起こすべきでないんじゃないか。だとしたら、今次の大会は何であったのか、何でこんなことになったのかということを、目的に照らし合わせながら的確に総括をして次に備えていただくというふうなことにしていただきたいと思います。そういう立場からご要望やらご意見などを幾つか申し上げて、ご回答などをいただければと思います。
 一つは、子供たちを送ってきたそれぞれの市町村、「参加してよかった」ということから始まって、「何な、あんな大会」というふうな意見もあったに違いない。そういう意見を選手を送ってきた各市町村、自治体から酌み尽くしてほしいというのが一件であります。
 二つ目は、あの記録は正式な記録として使えるほど正確なものではなかったのではないか。チームの記録はあるけど個人の記録がないなどというのは、どう考えてもおかしい話であります。だから、あの記録の扱いについてもしゃんとせなならんのやないかと思います。
 三つ目、コース決定のときに当然ああいうところであんなことになるであろうというようなことを予想したに違いないと思うんだけれども、予想もしないでそのまま突っ込んでしまったのか、予想したけどうまいこといかなんだということなのか、うまいこといかなかった理由を明確にし合う必要があるであろう、こういうふうに思われます。
 続けて開催するとするならば、一個でも欠けることがあってはならないというふうな意見を僕の周りに寄せてきてくださっていることもあります。そういう意味合いから、次に続けるとするならば五十市町村が参加するというのは必須の条件だと言われていることなどについても、はっきりとした態度をお示しいただきたいなと思います。
 そういうことであるだけに、当初から計画して、自治体が選手を送ってきて参加していくというふうな取り組みにはなっていなかったようであります。中途から立ち上げてきて、市町村に選手を派遣させるというふうなことの経緯から、予算やらいろいろな問題で苦労したというお話も聞くにつけ、小さな自治体、特に遠隔地の自治体などでは大変だったと思います。だから、五十市町村のチームを参加させるとするならば、それが大会成功への不可欠の要因であるとするならば、県が交通費ぐらい補助してもいいのではないか、こういうふうにさえ思うわけですが、それらも含めて。
 さらに、実施した後、和歌浦の方でのあの急な坂道を小学生などに走らせるのはちょっと無理なのではないか、子供の正常な発育を考えたときに一考すべきではないかというふうな意見も寄せられてきていることを申し添えておきたいと思います。
 最後にこの項について申し上げたいんですけれども、駅伝をあのように実施したことによって、県内の小・中学生の中に極めて能力のすぐれた選手もたくさんあることを発掘したに違いないと思います。そのようにして発掘した能力のある子供たちをどのようにして伸ばしていくかということが、あの大会が今後も生き続け、開催し続けていく一つの責務ではないかと思います。それらに対するしかとした、選手育成と将来へ向けての発展の基礎になるであろうそのような保障を与えてあげてください。(「ええ意見や」と呼ぶ者あり)ありがとう。
 そのこととのかかわりで言うたら、やっぱり学校教育に依拠することを抜きにしては考えられないんじゃないかと思います。今の中学校の体育活動、クラブ活動というのは、まさに残念至極な話ですね。これを今どうあの事業との関係で立ち上げながら、子供たちが能力を伸ばし、中学校の活動の中で生き生きと育ち上がっていくというような教育保障をすべきでないか、今やるべきじゃないかと思います。学校の先生だけに依拠できないとするならば、社会人もそういう活動に大きくかかわりながら、学校のクラブ活動や体育活動を旺盛にさせていく必要があろう。
 ちょっと横道にそれますが、正月が明けてから、よそへ出て行ってうちへ帰ったんや。家に入っている新聞を見たら、ある中学校の中学生が、十九歳の男の子に乗せてもらった自動車が夜中に走っていて交通事故を起こして死んじゃったというような記事が載っているんや。これについてもようけ語りたいんだけれども、あれこれしゃべっていたら時間がないんでな。もう、ここだけにしますけれども。
 その子供の親に会うて聞いてみたら、小学校の時分はサッカークラブや何やいろいろあって生き生きと育って、中学校へ行っても立派に育ってほしいなと思っていたけれども、中学校へ行ったらそういうクラブがなくなっちゃった、もう中学の生活に張りがなくなっちゃったということで、崩れ始めて学校へも行かなくなったし、夜な夜な外へ出て夜遊びするようになっちゃったんや。あげくの果てに、そういう人たちの車に乗せてもらって死んじゃった。そこまでの間に、学校へもいろいろ言いたかったし、言うてきたけれども、聞いてもらえなんだ。もう死んでしまった後、生き返ることができないとするならば、言う気力もないし言う気持ちもないと、投げ捨てるように僕に言うわけやね。それを思い浮かべるにつけて、今申し上げる。優秀な潜在能力のある子供たちを発掘しておきながら、あれでとまりだ、あれでしまいだなどというような取り組みは県政のとるべき立場ではないんじゃないかと思います。これは教育委員会のみならず、県政全体でそれをどうフォローするかということで、中学校及び社会活動とのかかわり合いの中でそこのところを裏打ちしていくようにお願い申し上げたいところであります。
 次は、広域ごみ化の問題や。
 海南・海草・那賀の広域計画と橋本広域計画を見せてもらいながら、大量消費、大量廃棄の社会経済活動を転換させることを基礎にしてこのことを考えなかったら、正しいごみ処理の広域化の計画がうまいこといかんのやないかと。海南・海草・那賀で進められているその進め方も、あるいはまた橋本でやられているそのやり方も、多かれ少なかれ、そういうふうな観点からは少し大きくずれているし、県のごみ処理広域化計画も国の意向に合わなくなってきているんではないかというふうに申し上げたいんですが、これについて当局のご意見をお聞かせください。
 まだしゃんと用地も決まってないし、計画も立ててないから、皆さんにお知らせするということになっていないんだとか、あるいはまた何だとかということではなくて、もうすべてこういうふうに進めましょうという計画が立てられて、内部でかなり検討され立ち上げようという準備が進められているところなので、はっきりとしたご返答を願いたいと思います。
 さらには、広域化計画の基本方針の中では、ごみの減量化、資源化施策を踏まえたごみ量を基礎とすると計画はうたわれているところですけれども、これらの立場から、これらについての情報公開と住民参加の計らいが一向に打ち出されているようには思えないので、それらについてもあわせてご答弁を願えたらと思います。
 次に、農業振興地域の整備についてであります。
 和歌山県の農業は国の農業政策と切り離して語ることはできないということは承知しております。とはいいながらも、国の農業政策は和歌山県の農業の隅々にわたって合致したものかどうかということになってくると、これはそうではないということを前の機会にも登壇して申し上げたことがありましたけれども、今回はその観点からさらに地域の実情に合わせながら、農業振興地域整備にかかわるところで主なところをただしてみたいと思います。
 これに伴って、一九八〇年代、地域の兼業化や過疎化が進み、耕作放棄地がふえて担い手の減少があったりして、直撃されて農業が著しく不振に陥っていくわけであります。これらの農業を取り巻く環境の変移を経ながら、農地を保全するための制度としてのよりどころは農業振興地域の整備に関する法律に基づいてきて、今日までがあるわけであります。この法律に基づいて農業振興地域制度がつくられて、地域指定がされて、市町村は整備計画を作成することになるわけであります。農業振興地域整備計画の策定に当たっては、知事との協議をすることとなっているわけであります。昭和四十年代から取り組まれてきている事業でありますが、海南市は計画を四十九年に策定して平成三年に第一回の変更をし、平成十三年に第二回の変更をしているわけであります。そのときの知事との協議の過程で、海南市の農業振興地域指定にかかわって、指定された地域でどのように農業を振興させるかというふうな意味合いで、多分、こうしたらどうや、こうしたらどうやという意味合いで県から指導もし、助言もされたに違いない。ところが、昭和四十年代からこの方、海南市の農業振興地域指定をされた振興地域で農業が盛んになったというためしは一つもない。まさにこれが形骸化されてきているというふうなことを顧みるときに、今、都市近郊の農業をどうするかという点の瀬戸際に立たされているのではないかという立場から、今までどのように助言し指導してきたかということをあらかじめお聞かせ願いながら、地域でさらに一層の奮闘と努力をしながら農業振興のために力をかしていきたい、こういう決意を込めながらお尋ね申し上げて、第一回の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま、ワールドカップサッカーが歴史のいろんな場面で非常に大きな役割を、その地域そしてまたその国、関係国との間において果たしてきたというお説を承りました。
 今、日本の国、二十一世紀を迎えて北東アジアとの関係、中国でありますとか韓国でありますとか、こういうところとの関係がこれからますます重要なものになってくるというふうな中で開かれる日韓共同開催のワールドカップということで、これは歴史的に見ても非常に僕は意義のあるものであると考えておりますし、ただいま議員ご指摘のとおり、そういうふうな意義ということを県民の皆様にもいろんな形で知っていただく必要、これは重要なことであろうと思っております。
 そしてまた、その日韓開催のワールドカップの一翼をこの和歌山県が担うことができたということ、デンマークを誘致することができたということをもっともっと、その意義について県民の皆様に広報していく必要があろうかと思います。そしてまた、ちょっとまだ十分な盛り上がりには欠けていると思いますけれども、この南国和歌山の特色を出した歓迎の仕方、そしてまた盛り上げ方というふうなことを今後考えていきたいと思います。
 そして、あわせてまた、このデンマークにつきましては、先般も申し上げましたけれども、クヌッセンという船員の方が徳島の船員の人を救うために命を投げ出したというふうな和歌山との関係も深い国ということもありまして、これも非常に国際関係ということでは大きな問題であろうと思いますので、こういう点も強調しながら何とか、この和歌山が練習場になったということをもっともっとこの地域の発展に役立てていく努力を積み重ねていきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 環境生活部長秋月成夫君。
  〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 広域ごみ処理計画について、お答えします。
 まず初めに、県のごみ処理広域化計画が国の意向に合っていないのではないかということについてでございますが、本計画は国が示したガイドラインに基づき策定したものでありますが、その後、ごみ処理をめぐる社会経済情勢が大きく変化してきておりますので、施設整備に当たっては、リサイクルの推進による減量化等も勘案した上で、適正な施設となるよう市町村に対する指導を行ってまいります。
 次に住民参加と情報公開についてでございますが、海南・海草・那賀ブロックの場合、まず用地が選定された後に焼却するごみの量、減量化目標、分別の種類、適正な施設規模などに関する基本計画が策定されることになります。この際に住民を初め各界の意見を広く取り入れる形で議論を行い、その情報を公開するよう、関係市町村を指導してまいりたいと考えております。
○議長(井出益弘君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 農業振興地域整備についてでございますが、農業振興地域制度は、将来にわたって農業振興を図るべき地域を明らかにし、その地域に必要な土地基盤や近代化施設などの整備を総合的に進めることを目的とした制度でございます。現在、県内では四十七の農業振興地域を知事が指定しており、その整備計画を市町村が策定することによりまして、地域の農業振興や秩序ある土地利用を図るなどの点で一定の成果をおさめてきたところでございます。
 議員ご質問の整備計画の策定、変更に際して県が行う助言、指導といたしましては、おおむね十年先を見通して、優良農地の保全を目的とした土地利用計画の妥当性や、効率的で重点的な農業投資が計画されているかどうかなどでございます。県といたしましては、今後とも本制度を十分活用しながら、地域農業の発展のため適正な運用と指導、助言に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツに関する二つのご質問にお答えいたします。
 まず、ワールドカップキャンプについてでございますが、デンマークチームを迎えての和歌山キャンプを成功裏に進めるために、既に実行委員会並びに運営委員会を立ち上げ、関係方面等、多くの連携のもとに着々と準備を進めているところでございます。
 まず練習場や宿泊所の安全対策等についてでありますが、これは日本組織委員会の警備及び交通対策に関する指針というのがございます。これに基づきまして、県警察本部等と連携を密にしながら安全の確保のために準備を進めております。
 次に県民への広報活動についてでありますが、現在、歓迎横断幕やポスター等を製作しているところであり、完成次第、県内の効果的な場所へ掲示したいと考えております。さらに、幾つかの民間団体からものぼりやステッカー等を製作して交通機関などへ広く配布する計画が出されてきております。今後とも、広く県民の皆様のご支援のもとにデンマークチームをお迎えできるよう、さまざまな方策を講じながら積極的に広報活動にも取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、第一回市町村対抗ジュニア駅伝競走大会についてお答えいたします。
 このたび初めての大会でありましたが、幸いなことに、全市町村の参加のもとに、県警察や陸上競技協会、さらには七百三十名に上るボランティアの方々や沿道の住民の皆様方のご協力によりまして、盛大に実施することができました。関係の皆様方に改めて厚くお礼を申し上げます。
 しかしながら、議員ご指摘のように、一部に競技運営上の不手際があり、課題を残す結果となりました。特に七区と八区の周回コースについては、これは観客が応援しやすい場所として設定したものであったわけでありますが、七区と八区とのゼッケンの色を変えるなどの工夫をしたにもかかわらず、当日あいにく雨天であったこと、さらに多くの観衆がコースの上に立ち入ったことなどがあり、結果として混乱が生じました。現在、各市町村に対して今大会についての意見を今月末をめどに求めておりまして、今後これらを今回の反省の材料として関係者と十分協議し、来年度以降、充実した大会として定着させてまいりたいと考えております。
 なお、順位の確定作業の関係上、当日閉会式の場で表彰できなかったチームについては、後日、和歌山県スポーツ賞表彰式の席上において表彰いたしました。
 また、選手の育成についてでございますが、走るということはすべてのスポーツの基本でございます。県体育協会と競技団体とで現在ジュニア一貫指導システム構築事業を実施しているわけでありますが、今回のように大会に参加した選手が陸上競技を基本としながらもそれ以外のさまざまなスポーツの種目にも進んで参加していけるように、そのきっかけづくりになるように幅広い指導を行ってまいることが大切であると考えております。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕
○警察本部長(岩井良行君) ワールドカップのデンマークチームのキャンプに関しましては、チームの安全確保や観戦者等による雑踏事故の防止、交通渋滞対策などを重点とした警備対策に万全を期することが私ども県警察の任務でありますが、これ以外にも、教育委員会を初めとする他の関係機関により講ぜられることとなる諸対策につきましても緊密な情報交換を図るなど、連携を維持してまいる所存でございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十三番中山 豊君。
○中山 豊君 ワールドカップの実績や功績、これらに対する評価及び認識について知事からいただきましたけれども、非常に柔軟に対応し受けとめられて、的確なご判断をいただいたものだというふうに評価したいと思います。そういう立場から、ワールドカップ日韓共同開催が極東アジアの平和のためにも大きく役立てられるように国内での取り組みに一層の努力を、全国に向けてアピールするようにこれからも立ち働いていただくことをお願い申し上げておきたいと思います。
 そして、デンマークチームを迎えての取り組みの上で、和歌山は和歌山ならではの特色ある取り組みという話も申されておりましたけれども、まさにそのとおりだと思いますので、よそがしていることなども情報を収集しながら、和歌山の特色はどういう形で出したらいいものなのかということを事務当局にも申しつけ、ご検討くださるようお願い申し上げておきたいと思います。
 秋月部長、広域化計画ね、よろしいわ、そういう形で。国のそういう意向に真向かいにあれこれついていったら、しまいにひっくり返されるというようなこともよくあるお話なので、柔軟に対応して、公開性や、あるいはまたそういう意味合いでの住民との接点、そのあたりを今後も、かたくなな態度ではなくて柔軟に対応し、地域住民と一緒になっていいものをつくっていく、余り自治体や住民にしわ寄せすることのないような施策のご検討、お願いをやっていただきたいと思います。
 これ、申し上げるのがこっちかな、そっちかなと思うんだけれども、教育長にお願いを申し上げておこうか。ジュニアの駅伝大会でああいう不手際をいたした責任はというたら大会の委員長、知事になってくるんやな。知事にそんなものとれというのも言いにくい話やろ。格好つかなよ、のう。あれ、組織体制上、知事がそういうところへお座りになるのがいかがなものかと思うので、そのあたりも含めて総括しておいてください。知事、格好悪いぞ、あんなの。ああいうふうなことをできるだけさせない、避けて通れるような綿密な組織体制も考えておいて。一つの課題としてお願いしておきます。
 以上、終わります。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十五分休憩
     ─────────────────────
  午後一時二分再開
○副議長(堀本隆男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十一番高瀬勝助君。
  〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 今回は、観光立県、本県の活性化に向けた道路整備及び完全学校週五日制と新学習指導要領への対応の三点についてお尋ねをいたします。
 まず一点目として、観光立県についてであります。
 我が国では、二十世紀の大量生産、大量消費型の工業社会から、生活の質の向上、心の充実を求めるソフト型社会へと方向転換しつつあり、地域経済も競争による活性化の時代に突入しつつあります。このような中にあって、これまでのような工場誘致型から脱皮して、地域の保有資源を十二分に活用することによる新しい産業の道を切り開いていきたいという知事の言葉に私も賛意をあらわすとともに、緑の雇用事業とともに、豊かな歴史、文化、自然を活用した観光振興に大きな期待を寄せるものであります。幸いにして和歌山県は、高野・熊野に代表される奥深い歴史、文化の地であり、すばらしい温泉群、黒潮洗う海岸線とマリンブルーの海、緑なす山々、澄み切った清流など、自然の宝庫であります。観光の語源である「国の光」、すなわち地域の誇るべき貴重な観光資源に事欠かないわけであります。私は、そういった意味で、まさしく観光こそは本県にとって今後の地域活性化の切り札になるものと確信しております。
 初めに、今後の観光政策の展開方向、戦略についてお尋ねをいたします。
 昨年十月から放映されているNHKの朝の連続ドラマ「ほんまもん」によって、本物のみが持つ味わいと魅力、和歌山の「国の光」が全国に紹介され、大いに注目を集めております。県当局では、この機会を逸することなく、「ほんまもん」をテーマにした各種のキャンペーンをタイムリーにかつ積極的に展開されております。しかしながら、人の心は移ろいやすいもので、テレビ番組によって寄せられた注目や関心も、番組が終了するとともに徐々に薄れていくものであります。観光の振興には、タイムリーな話題を十分に生かしつつも、すぐれた戦略性が求められます。
 そこで、たゆまざる観光資源のブラッシュアップと新たな観光素材の開発、着実な観光地づくり、継続的かつ計画的なキャンペーンの展開が必要であり、今後本県の観光振興のためにどのような構想を描かれ、戦略を練っておられるのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。
 次に、ホスピタリティーの醸成、もてなしの心についてであります。
 「観光の本質は、もてなしの心にあり」と私は思っております。旅行に出かけますと、旅館、ホテルなどの従業員は言うに及ばず、その土地で出会った人々と心のこもったあいさつや会話を交わしたり、親切を受けたときの感動は忘れがたいものであります。景気動向などに左右されることなく根強い人気を誇る観光地は、例外なく、もてなしの心がすばらしいところであると断言することができます。
 一方、我が和歌山県の場合はどうかと言いますと、その点では余り芳しい評価を得ていないのではないかと危惧するものであります。もちろん、好印象を受けた場合に比較して、不評、不満の方が口の端に上がりやすいもので、その分を差し引かなければなりませんけれども、ごくまれなケースが世間で言われていることが多いと思います。観光にとってもてなしの心は、それだけでも一つの大きな観光資源であると言えます。基本中の基本であり、本県が名実ともに観光立県たり得るためには、このこともまた見過ごし得ない重要課題であると考えます。このもてなしの心の醸成について、県としてどのように考え、今後どう取り組んでいくのか、商工労働部長にお尋ねいたします。
 観光関係の最後に、東京アンテナショップと観光インフォメーションの機能についてお尋ねをいたします。
 観光振興の第一歩は、まずもって認知度を高めることにあります。その意味では、大きな人口集積を持つ大都市圏、特に東京を中心とする首都圏での観光宣伝活動が極めて重要な意義を持つことになります。県では、東京に観光センターを置き、観光宣伝、観光情報の発信に努めてこられましたが、残念ながら首都圏における我が県の認知度はそう高くない現状にあるというのが私の実感であります。
 新年度予算の中で、首都圏マーケット拡大事業という新規事業を計上しており、その中で東京にアンテナショップを設置することについて検討を進めるとしています。これは、和歌山産品、つまり物産のPRと販路拡大をねらったものでありましょうが、この際、観光インフォメーションの機能を付加した形でのアンテナショップを検討してはいかがでしょうか。
 そこで、物産は物産、観光は観光と別々に、それぞれ違うところでPR活動を展開するのではなく、両者の相乗効果をねらって総合的に和歌山県のよさを売り出していくべきだと考えますが、どうでしょうか。
 観光立県を推進し、このことを実のあるものにしていくためには、今後、県行政のみならず、市町村、関係団体、民間事業者が適切な役割分担のもと、緊密に連携し、協調しながら、その総力を結集して宣伝活動を展開していくことが必要であります。その際、県内の観光関係機関、団体が加盟している観光連盟が、和歌山県の観光集客活動の中核として観光立県の機関車の役割を果たしていくことを、最後に要望しておきます。
 二点目に、本県の活性化に向けた道路整備についてであります。
 経済のグローバル化、国際化がより一層進む中、海上輸送の重要性を知ってもらおうと、和歌山下津港の利用促進を呼びかける和歌山港ポートフォーラムが先月二十四日、和歌山マリーナシティのホテルで開かれました。このフォーラムには、県の港湾空港振興局や企業局の職員を初め、県内の企業関係者、それに海外に多くの航路を持つ荷主企業の担当者らが参加し、昨年五月から週四便の運航が始まった和歌山港─釜山港航路が順調な利用状況であるほか、和歌山本港区は大阪湾の玄関口にあり、大阪や神戸港のように荷役作業に待ち時間が長時間かからず、スムーズに作業ができ、大型のクレーンも新たに備えられるなど、今後、中国やシンガポールなどの新たな航路の必要性が強調されていました。しかしながら、関係者の中には、県内への物流輸送ならさほど問題はないものの、京阪神方面への物流輸送となると、和歌山港から阪和道の和歌山インターまでの道路渋滞の解消や、さらなる道路整備が必要不可欠であるとの要望もありました。
 私は、以前からこの本会議の一般質問でトラック輸送のあり方などについて質問した際、道路整備の重要性を強調しましたが、それ以後も事態はなかなか好転していません。その一方で、県では低迷する経済対策として、政策や課題について提言を受けようと、国の経済財政諮問会議のメンバーでもある大阪大学の本間教授を顧問に加えた県経済活性化プログラムを策定するための活性化委員会を設けて、デフレ経済からの脱却策などの検討に当たっています。また、中山副知事を座長とした景気雇用対策本部会議も開いて、低迷する鉱工業生産や雇用などについて協議を重ね、緑の雇用事業の有効活用や人材バンクの整備などに取り組もうとされています。
 昨年の九月、日本経済新聞が、売れ行きの伸び悩んでいる近畿の自治体が所有する工業団地とその企業誘致に対する取り組みを特集した記事を掲載していました。その中で、各自治体は、土地の販売価格の値下げを検討したり、企業が進出しやすいように環境整備の取り組みが紹介されていました。本県では、主に企業誘致を目的とした用地は、和歌山市ではコスモパーク加太や西浜、雑賀崎の工業団地があるほか、打田町や桃山町、御坊市など二十カ所に上る用地が保有され、セールスが展開されています。しかし、五年間も活用されず、いわゆる塩漬けの割合は残念ながら全国ワーストワンと報じられ、借入金の膨らみも懸念されるところであります。
 こうした中、県企業局では、雑賀崎の工業団地や桃山第二工業用地で進出する企業の初期投資を軽減してもらうとともに、雇用の創出を図ろうと定期借地制度、いわゆるリース制度を導入しています。特に雑賀崎では、先月からリース制度をスタートさせたところ、県内の大手スーパーが物流センターを建設することが決まり、近く着工の運びとなったと聞いております。県企業局では、地元住民の合意を得ながら進出企業の業種拡大を図り、経済振興に取り組んでおります。県の東京事務所でも、企業誘致の推進策として、人材派遣の会社を通じて首都圏に常勤する企業専門員を配置して、経済情報の収集や企業との早い段階での接触に民間のノウハウを活用しながら企業誘致を図ることを来月からスタートさせるということであります。
 ところで、先ほど和歌山市の西浜と雑賀崎の工業団地の取り組みについて紹介しましたが、私が先日、新聞を見て驚いたのは、和歌山港と水軒を結ぶ南海電鉄和歌山港線がこの五月をめどに廃止されるということであります。この和歌山港線は県が路線部分を所有するといった珍しい路線で、旅客鉄道として営業を続けてきましたが、隣を走る臨港道路の完成で木材の運搬がトラック輸送に切りかわるなどしたため利用客が伸び悩んだということであります。この路線、和歌浦温泉街への延伸案なども提案されたということですが、結局廃止となるということであります。
 そこで私は、この廃止されようとする区間を道路に活用してはという提案をいたします。なぜならば、さきの企業局や港湾空港振興局のように、企業誘致や物流経済の振興のために取り組まれているものの、道路事情の悪さが大きな課題として挙げられます。この廃線区間を高架化するなどして整備を図り、西浜や雑賀崎から紀の川にかかる紀の川河口大橋につなげるほか、河口大橋から和歌山北インターに通じる和歌山紀の川ハイウエー構想はいかがなものでしょうか。この構想は、和歌山港から河口大橋を通り、河口大橋から紀の川右岸の河川敷を利用して橋脚を設け、和歌山市の直川地区を中心に整備される和歌山北インターに通じる道路であります。この直川地区は、和歌山市がかつて松下電器の工場を誘致しようとしたり公立大学の候補地として挙げた場所で、塩漬け状態が十数年も続いている土地であります。早急な有効利用が叫ばれており、そういった中、この用地を和歌山北インターの建設用地として利用できるよう和歌山市に働きかけてはいかがなものでしょうか。
 また、コスモパークにおいても、道路整備が早急な課題であります。和歌山インターから加太地区までは、ラッシュ時でない昼間の時間帯で四十五分前後の時間がかかりますが、和歌山紀の川ハイウエーが通る河口大橋から住友金属和歌山製鉄所、この製鉄所につきましては遊休地の活用、設備の整理等の課題がありますが、敷地内を通り抜け、コスモパーク加太地区へ通じる自動車専用道路が整備されればいかに利便性が向上するかであり、これにより加太、磯ノ浦への観光客も大幅にふえることは間違いないものと思っております。
 日本道路公団の改革など高速道路論議が小泉総理のもとで進む中、木村知事は昨年十一月、産経新聞が連載している「知事のリレーエッセイ」の中で高速道路の必要性を強調されています。この中で知事は、「時が移り、今では高速道路が昔の「鉄道の本線」に匹敵するものになっている。(中略)和歌山も高速道路の整備が遅れてきたことで発展の芽が摘まれてきたことは否めないし(中略)高速道路を整備し工業団地を造成して企業誘致をという時代はひとまず去ったが、都市の人との交流を増やし、本県自慢の「ほんまもんの自然」や「癒し」をアピールし地域の振興を図るにも、先ず「現代の鉄道本線」である高速道路を、ということになる。(中略)国際競争に勝ち抜く観点からも、国土の十全な発展を促すという面からも整備を進める必要がある」と結んでいます。
 そこで、知事はこの記事で、一つの時代はひとまず去ったと投稿されていますが、今後の企業誘致対策をどのような決意で進められるのか。また、企業誘致や物流経済の振興など本県の活性化を進めるには広域道路等の整備が不可欠であると考えていますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、地域振興に取り組む上で、広域道路を補完する市域の都市計画道路の整備も必要と考えますが、土木部長にお尋ねをいたします。
 三点目として、完全学校週五日制と新学習指導要領への対応についてであります。
 平成十四年という年は、明治五年に近代教育制度の学制が実施されてからちょうど百三十年目に当たります。この記念すべき年に全国の小・中・高等学校などでは完全学校週五日制が導入され、新学習指導要領が小中学校で全面実施されることになっており、まことに感慨深いものがあります。また、今世紀に入り、社会、経済を初めとするさまざまな分野において改革が進められておりますが、学校教育においても、子供たちが変化の激しい社会の中で、心豊かにしっかりと生きていく力をはぐくむことを目指した教育改革が進められていると聞いております。こうした改革の波の激しい時代にあって、教育委員会が教育長を先頭に一丸となって本県教育推進のためになお一層尽力されることを期待しているところであります。
 初めに、学校週五日制については、社会一般における週休二日制の普及を背景に国において昭和六十一年から検討が始まり、平成七年四月から第二、第四土曜日が休業日となり、ことし四月からはすべての土曜日が休みになる完全学校週五日制が実施されようとしております。このことは、学校での生活と家庭や地域での生活との比率が単に六対一から五対二に変わるというだけではなく、学校、保護者、地域社会がいかに連携して子供を育てていくかを問いかけている大変重要な問題であると考えます。そのため、学校だけで教育を行うのではなく、地域社会でも子供を育てるのだということを改めて強く受けとめる必要があります。今までにも、生涯学習の視点から、休みになった二日間について子供を対象としたさまざまな取り組みもなされておりますが、本年四月からはこれまで以上に地域を挙げて子育てをする絶好のチャンスではないでしょうか。現在の子供たちにはさまざまな体験が不足していると言われておりますが、二日間の休みは、ぜひ体を動かしたり、いろいろな体験をしながら、心身ともにたくましく成長してほしいものであります。
 そこで、来年度からの完全学校週五日制の導入を目前に控え、県教育委員会としてどのような施策がなされているのか、教育長にお尋ねをします。
 次に、学力問題についてお尋ねをします。
 生きる力の育成を目指した今次の教育改革は、子供たちがゆとりを持って学び、学ぶことが楽しい、学んだことがわかってうれしいという教育が一層進められると聞き、私は本当にすばらしいと思っております。新学習指導要領では、学習する内容が三割程度削減され、完全学校週五日制と相まって授業の時間数も減ると聞いております。特に、算数、数学、理科の学力が既に落ち込んでいるとさまざまなメディアで報道されており、このようなことではさらに学力の低下を招くのではないかという不安の声もよく聞きます。
 そこで、今回の学習指導要領が実施されるに当たって、我が国の次代を担う子供たちに本当に十分な学力をつけることができるのか、このことについてどのようにお考えなのか、教育長にお尋ねします。
 最後に、絶対評価についてお尋ねをします。
 この四月から、小中学校では成績のつけ方が相対評価から絶対評価というものに変わると聞いております。子供たちや保護者あるいは学校にとって、評価が変わるというのは大きな改革であると考えます。絶対評価になると、教師や学校によって差が出ることがないでしょうか。これまでは、例えば通知簿の五は全体のほぼ何%というように、ある決まった割合によって成績がつけられ、相対評価を基本としているので、一定の信頼が置けると思います。しかし、絶対評価になって通知簿の五は何%でもよいとなると、高い成績を多くつけたり、そうでなかったりと、教師や学校によって差が出て客観性が揺らぎ、公平でなくなるおそれがあるように思われます。また、絶対評価というと、ある基準に達しないと低い評価となり、頑張ってもできない子供は低い評価のままで、意欲をなくしてしまうことはないでしょうか。教育における評価というものは、努力に対する温かい励ましが必要だと考えます。絶対評価ではその部分が抜けているように思われますが、どうでしょうか。これらのことに対し各学校は対応していくことになるのですが、県教育委員会としても絶対評価に対して各学校へどのような指導を行っていくのか、あわせて教育長にお尋ねをいたします。
 以上で、一般質問を終わります。清聴ありがとうございました。
○副議長(堀本隆男君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの、和歌山県におけるこれからの企業誘致についてどのように考えるかというご質問でございます。
 ただいま引用していただきました産経新聞のリレーエッセイの中でも言っていますように、今二十一世紀になりまして急激に中国が伸びてきている中で、生産現場を中国へ移す企業が、これはもう和歌山に限らず全国的にふえてきている中で、今まで工業用地を造成して工場を呼び込んでいた地方の県は、皆どこも非常に厳しい状況に至ってきているところでございます。しかしながら、今議員のご質問の中にもありましたように、和歌山県は既に造成した土地をたくさん持っているわけでございまして、この土地をいつまでも遊ばせておくわけにはいかないわけでございます。もとより、今までの形の企業を呼んでくるということはなかなか難しい面もありますけれども、そういうふうな旧来の企業を呼んでくることとか、それから、最近、情報関係でありますとか、バイオでありますとか、環境関係、こういうふうな新しい時代の状況を反映して、日本の国でどんどん起こってきている事業もあるわけでございますので、こういうふうなところへもアンテナを高くして、そしてまた表に出た情報、そして裏でいろいろ動いている情報、こういうふうなものを的確にとらえて、和歌山県の工業用地等をどんどん売り込んでいって、ぜひいい会社とか企業が来てくれるような努力を今まで以上にしていきたい。そういう意味で、先ほどお話にありました企業専門員、これは初めての試みで、どういうふうな形になるかわかりませんけれども、大きな期待をしているところでございます。
 そして、あわせて当然のことながら、そういうふうな企業を呼び込むときには、やはり道路問題ということが今までネックになってきたということは否めないところでございます。私自身、初めから申し上げておりますように、京奈和自動車道の整備でありますとか、府県間道路でありますとか、高速道路の南伸、それから都市の中での基幹道路の整備、港からつながっていくような道路の整備と、こういうふうなものが企業を誘致するときに一番大事なものになってくるというふうな考えを持っておりますので、これは非常に時間もかかることですし、お金もかかることでございますので、一朝一夕にはいきませんけれども、新しい企業の誘致とあわせて、こういうふうな基幹的な道路網の整備は厳しい中でも鋭意積極的に進めていきたいと、このように考えております。
○副議長(堀本隆男君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 観光立県についての、本県の観光戦略についてでございます。
 今後、本県の観光振興を図る上で、平成十六年に予定されている高野・熊野の世界遺産登録を本県観光の新たな発展への転機ととらえ、それを見据えた環境整備のための戦略的諸施策を継続的、段階的に展開してまいりたいと考えてございます。施策の展開の方向としては、本県の豊かな歴史、文化、自然などを活用した体験型観光を新たな観光素材として確立するとともに、高野・熊野をテーマとした情報発信の強化による集客力の向上を柱としながら、首都圏を中心とした大都市圏の認知度の向上や、地域を主体とした広域連携による商品力の強化、国際観光の振興、ホスピタリティーの醸成、バリアフリー化の推進などによる観光客の受け入れ体制の整備などを進めてまいります。
 ホスピタリティーの醸成について。
 ホスピタリティーは、それ自体大きな観光資源であり、効果的に機能することにより、真の観光立県の実現が図れるものと考えております。古くは、アリの熊野もうでを支えた一つにホスピタリティーの存在があったと思います。観光の目的が、心、精神の充足へと移行するに伴い、その重要性はさらに高まってきており、これまでもパンフレットの作成・配布や観光セミナーを毎年開催するなどホスピタリティーの醸成に取り組んできたところですが、今後は、よりきめ細やかで、かつ対象範囲の拡大を図るなどにより、先ほども申し上げましたが、観光地のバリアフリー化なども含む幅広いホスピタリティーの醸成に取り組んでまいりたいと考えております。
 東京アンテナショップについてでございます。
 東京アンテナショップの設置につきましては、和歌山らしさを全面に打ち出してまいりたいと考えてございまして、民間の皆様に主体的に幅広くご参加をいただき、かつできるだけ機能の多様性を付与することが重要だという認識のもと、夢のあるアンテナショップとするべく、その手法や機能あるいは立地場所等を総合的に検討してまいります。議員ご質問の観光インフォメーションの機能につきましても、その中の大きな機能の一つと考えてございます。
 以上です。
○副議長(堀本隆男君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 広域道路を受ける和歌山市域の都市計画道路の整備については、現在、国、県、市で構成する和歌山市域道路整備推進協議会の中で渋滞緩和に向けた整備のあり方等について協議を進めております。
 港湾や企業用地などを生かし、地域振興を進める上からも、今後とも町づくりや広域道路とバランスをとって、和歌山市の骨格となる東西幹線道路であります南港山東線、湊神前線、西脇山口線などを重点的に整備してまいります。
○副議長(堀本隆男君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 完全学校週五日制は、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を果たし、互いに連携して、子供たちに豊かな人間性やみずから学び、みずから考える力などを身につけさせることをねらいとしております。
 学校では、各教科や総合的な学習の時間などで主体的な学習や生活態度を培い、それらが家庭や地域での活動に生かされるよう現在取り組んでいるところでございます。また、子供を地域で育てる環境を整備するという点では、放課後や週末等に子供がスポーツやボランティアなどさまざまな体験活動を行ったり、高齢者等の幅広い世代と交流するための機会を充実させることが大切であると考えております。
 完全学校週五日制と新学習指導要領の実施を間近に控えたこの時期、議員ご指摘のように、県民の間で教育に対する関心や一方不安が高まっていることから、これからの学校教育について改めて説明し、理解と協力を得ることが肝要であると考えております。そのため、各学校が新しい教育の方向と自分の学校の教育活動について保護者に対して説明する機会を積極的に設けるよう通知をいたしますとともに、二種類の啓発リーフレットを合わせて二十三万部作成し、すべての公立学校の保護者に配布することといたしております。
 次に学力問題についてでありますが、新しい学習指導要領は、これまでの知識の量や記憶力に偏るという弊害をなくし、考え、判断する力など、より質の高い学力を育てることをねらいとしております。このため、観察、実験、調査、研究、発表、討論など、体験的問題解決的な学習を通して探究心や表現力を培うとともに、習熟の程度に応じた指導や、クラスを二つに分ける少人数の指導などにより学力を確実に定着させ、これを一層向上させる取り組みを推進してまいります。
 また、通知表などに示す成績につきましては、集団の中での順位を示すのではなく、目標に到達しているかどうかの観点から絶対評価を行うよう改善されたところであります。その際、子供たちの可能性や努力など、一人一人の進歩の状況も勘案することといたしております。こうした改善が児童生徒の学習意欲の向上につながっていくものと考えております。新年度には、本県独自に各教科ごとの評価方法の事例集をすべての小中学校に配布して、絶対評価の客観性や信頼性をより一層高めていくよう指導を行ってまいります。
○副議長(堀本隆男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(堀本隆男君) 以上で、高瀬勝助君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時三十七分散会

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