平成14年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(江上柳助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(井出益弘君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに報第一号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(井出益弘君) 日程第一、議案第一号から議案第二十号まで、議案第二十三号から議案第六十五号まで、議案第六十七号から議案第八十八号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 四十一番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕(拍手)
○江上柳助君 皆様、おはようございます。
 ただいま、議長のお許しをいただきました。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。限られた時間での質問であります。どうか、答弁は明快かつ簡潔にお願いしたいと思います。
 それでは、最初に本年四月からのペイオフ解禁についてお尋ねいたします。
 銀行などの金融機関が万が一破綻した場合、預金者一人当たり元本一千万円までと、その利息のみの払い戻しを保証するペイオフ制度が本年四月一日から解禁されます。当座預金、普通預金などの解禁は平成十五年四月からとなっております。ペイオフが凍結されている現在は、預金などが全額保護されています。解禁後は、保護対象の範囲が変わります。預金者には、より自己責任が問われてくるわけであります。したがって、複数の金融機関に分散して預金することはペイオフ対策の一つの手段であると思います。しかし、ペイオフの解禁が決定した中で、本当に大切なことは、経営内容が健全かどうか、困ったときに頼りになるかどうか、取引している金融機関の健全性を知ることであります。ペイオフの対象となるのは、あくまで経営破綻した金融機関だけでありますから、健全な金融機関と取引をしている限り、今までどおり全額安全ということになります。経営内容が健全な金融機関とは、経営破綻という事態に陥る可能性が少ない金融機関と言いかえることができます。金融機関が経営破綻してしまう状況は、自己資本比率がマイナスの状態を指す債務超過や債務支払い能力の低下が挙げられます。金融機関の破綻によりペイオフが発動された場合、県の公金預金についても一般預金と同じに取り扱われ、一千万円を超える部分に保護措置はなくなってしまいます。県の公金預金は、申すまでもなく県民の税金、収納金などであります。しっかり公金預金を管理しなければなりません。しかしながら、本県の指定金融機関であります紀陽銀行を初めとする金融機関に預金されております公金が分散されたりしますと、資金繰りなどに重大な影響を及ぼしかねないわけであります。金融機関の県経済に果たす役割の大きさを考えるとき、本県金融市場の五〇%を超える紀陽銀行を初めとする金融機関に対し、県民ひとしく運命共同体の認識を持って節度ある対応が切に望まれるところであります。
 以上のことから、出納長にお尋ねいたします。
 第一点は、県の公金預金にかかわる指定金融機関、指定代理金融機関などの財務状況をどのように把握しているのか、お伺いいたします。
 第二点は、県内の金融機関の経営が破綻した場合の県経済に及ぼす影響の重大さにかんがみ、県内の金融機関への支援策について何か妙案はないのか、お尋ねいたします。
 第三点は、本県の公金管理の現状とペイオフ解禁に備えた対応策はどのようになっているのか、伺っておきます。
 第四点は、激変する金融情勢の中で公金管理の業務を的確に行うために仮称・公金管理委員会を設置し、金融分野の専門家の経験と識見を活用していく体制を構築する必要があると考えるが、どうか。 以上、四点についてお答えください。
 次に、県立医科大学跡地利用のための提案競技、いわゆる事業コンペについてお尋ねいたします。
 医大跡地利用については、県立医科大学跡地利用に関する基本方針の趣旨にのっとって、商業施設、宿泊施設等を含めた都市型複合施設の整備に向けての取り組みが進められているところであります。そして、民間事業者のすぐれた企画、運営ノウハウを導入するため、事業コンペ方式により事業者を決定することとしています。なお、応募提案書類は昨年十一月十五日、十六日に受け付け、ダイワロイヤル株式会社、シーアールエスジャパン株式会社の二企業グループから提出がありました。その後、何回か審査委員会が開催されております。今後の提案競技のスケジュールと、いつ結論を出し、着工の運びになるのか、お聞かせください。
 次に、医大跡地の別館病棟の再利用についてお尋ねいたします。
 このテーマにつきましては、昨年の予算委員会でも先輩議員の小川武議員の方から質問がなされております。この別館病棟については、済生会和歌山病院から利活用したい旨の要望が出され、地元でも大変歓迎、期待していると聞き及んでおります。その後どのような協議がなされているのか、これまでの経過、見通し及びその対応についてお伺いいたします。
 次に、河川環境の整備と保全についてお尋ねいたします。
 このテーマにつきましては、一昨年の十二月にも質問をさせていただきました。引き続き質問させていただきます。
 「川が文明をつくり、文明が川を壊す」との言葉があります。私は、あえて「国栄えて山河なし」と申し上げたいのであります。と申しますのは、後でも述べますけれども、和歌山市内を流れる川はBODという溶存酸素が環境基準を超えておりまして、ヘドロもたまり大変な状況でございます。きょうは、知事もお忙しいでしょうから、写真を撮ってまいりましたので、議長のお許しを得まして、知事にひとつ見ていただきたいと思います。(写真を渡す)
 近年の文明の発達は、安い外材、輸入材によって国産材の値段が下がり、売れずに山に手が入らなかったため森林を荒廃させてしまいました。山は緑のダムとも言われます。健全な水源涵養には、除伐、間伐などの手入れが必要であります。知事の提唱されております、そして本年度からさらに事業化が進められております緑の雇用事業によって、山に再び手が入れられようとしております。まことに喜ばしい限りであります。
 一方、都市化の進展は、宅地の開発や雨水が浸透しない住宅、工場、道路へと変貌し、不浸透域の増加は洪水時の川の流量を増大させました。洪水を防ぐための河川改修工事により川は直線化され、深く掘り下げられ、コンクリートで要塞のように固め、高い堤防が築かれ、人と川とのつき合いは疎遠となってしまいました──知事、写真をごらんになっていただくと、そのようになっていると思います。そして、川は水を流すだけの水路となり、もともと川が持っていた生物をはぐくむ潤いのある自然環境は消滅し、情緒のない川の景観へと変貌し、川の魅力は失われてきたのであります。
 かつて、文部省の唱歌の中に「春の小川」さらには「めだかの学校」という歌がございます。「めだかの学校は川のなか だれが生徒か先生か」と言いますが、今その川のほとんどはメダカが生育していない状況でございます。そういう自然が失われてきているわけでございます。
 そこで建設省──現在の国土交通省では、平成九年五月、今まで治水、利水とした河川法に、初めて「河川環境の整備と保全」というキーワードを挿入し、大改定を行いました。本県では、近年、河川が持っている生物の良好な生育環境を保全し、美しい景観を創出するための多自然型川づくりが進められているところであります。この多自然型川づくりは、ドイツやスイスの河川の自然復元手法が紹介されたことなどをきっかけとして、平成二年度以降試行的に用いられてきた河川整備手法であります。
 今から約三百年も昔に、紀の川流域では高度な土木技術を使って紀の川の水を引き、農業を発展させていました。この紀州流は、連続する堤を築き、川を直線的にして洪水を海に真っすぐ流すものでありました。紀の川流域の村々では、この工法によって洪水を防ぐとともに、これまで洪水のため荒れ地だった土地を新たに水田にすることができました。この紀州流を確立させたとされる井沢弥惣兵衛は、その功績を認められて第八代将軍徳川吉宗に召し出され、江戸幕府の新田開発部長として日本各地で活躍しました。また、井堰の工事に大きく貢献したのが大畑才蔵でありました。
 しかしながら、川を直線的にして、洪水を海に真っすぐ流す江戸時代の工法は、今日の河川環境の整備と保全という観点から、その見直しが迫られてきております。今、再びの全国、全世界へのモデルとなるような和歌山流の多自然型川づくりや河川環境の整備と保全のための地域の意見を反映した河川整備計画の策定を積極的に進めるべきだと考えます。知事並びに土木部長のご見解を承りたいと思います。
 次に、環境基準を超えている五河川がございます。その中でも七つのポイントがございます。この原因究明とその対策についてお尋ねいたします。
 本県の平成十三年版「環境白書」によりますと、河川の有機汚濁の代表指標であります、先ほどもちょっと触れましたがBODについて、環境基準を超えている河川は五河川、七地点でございます。紀の川の藤崎井堰、船戸、南部川の古川橋、和歌山市内の土入川の河合橋、土入橋の二ポイントと大門川の伊勢橋、和田川の新橋であります。和歌山市内の河川については、先ほど写真をお見せしたとおりでございます。BODというのは生物化学的酸素要求量で、水中の汚染物質を微生物が分解する際に必要とする酸素量のことで、この数値が大きくなれば、その河川などの水中には汚染物質、有機物が多く、水質が汚濁していることを意味します。河川の改修、しゅんせつ、浄化は、そのほとんどが県の管理河川でありますので、県の事業であります。
 和歌山市内を流れる内川と言われる和歌川でありますけれども、かつては魚がすみ、人が泳げる川でありました。その後、工場排水や生活雑排水、さらには貯木場となってメタンガスが発生するようなどぶ川になってしまいました。県が長い年数と五十億余りの予算を投じまして改修、しゅんせつに取り組む中で、一方、公共下水道の整備や工場からの排水の排出規制によって、まだまだ十分とは言えませんが、かなり浄化され、魚がすめる状況になってきております。この点は、高く評価をさせていただきます。
 そこで、環境基準を超えております五河川、七地点の水質汚濁の原因を究明するとともに、その対策についてお伺いいたします。
 また、しゅんせつ、浄化を初めとする河川環境の整備と保全に積極的に取り組み──最近でも河川のあちこちで船が入り、しゅんせつをされている様子が見受けられます。積極的に取り組まれていることも評価をさせていただきますが、矢板を打ち──水面に接している矢板は、鉄ですのでさびてきます。矢板を打って、コンクリートで要塞のように固めた高い堤防を、環境に優しい、美しい景観を創出する河川へと整備すべきだと考えます。私は、矢板でさびの出ているところに、間伐材の焼きを入れたのをきれいに張りめぐらす、そこにシダなどを植える、そしてまたアシとかヨシをたくさん植えるということも一つの方法じゃないかな、また花壇をきれいに並べてみる、そういったことも美しい景観をつくり出すことになるのではないかなと思っております。ご所見を承りたいと思います。
 次に、合併処理浄化槽設置の促進についてお尋ねいたします。
 本格的に河川を浄化しようと思えば、最終的には公共下水道の完備にまつしかないわけであります。それまでは、莫大な費用と何十年という歳月がかかります。公共下水道、農村集落排水、流域下水道がなくても、戸別に合併処理浄化槽を設置すれば、トイレを水洗にできるだけではなく、すべての家庭雑排水を下水処理場並みに浄化できます。しかも、費用は公共下水道の十分の一以下であります。最近では、コンパクト型の合併処理浄化槽もできてきています。公共下水道には巨額の費用がかかります。基本的には雨水と汚水が一緒になっておりますけれども、汚水につきましては受益者負担ということになります。したがって、終末処理場をつくりましても、本管を入れましても、自分の敷地内の支管と申しますか、管をつないでトイレを改造するには八十万、百万かかるわけで、それで高齢者の方やひとり暮らしの方がなかなかできない。そうなってきますと、下水道事業をやった分だけが負担として残るわけで、恐らく和歌山市も財政再建計画を立てなければ下水道会計の起債を組めないというふうな状況にまで今なってきているわけでございます。一見費用もかからないと思える農村集落排水事業でさえ、一戸当たり数百万円以上かかるそうであります。河川等の水質汚濁防止のため、合併処理浄化槽の設置を促進すべきであると考えます。ご見解を承りたいと思います。
 次に、二〇〇二年ワールドカップサッカー大会、デンマークチームのキャンプについてお尋ねいたします。
 私は、一昨年十二月定例会の一般質問で、ワールドカップ出場の強豪チームのキャンプ地として、県営紀三井寺公園への招致に向けての知事の意気込みについてお尋ねいたしました。知事からは、「和歌山県を世界にアピールする絶好の機会となるとともに、スポーツ振興はもとより、県の活性化に大きな効果が期待されるところでございます。今後、各界諸団体を初め幅広く県民の皆様のご支援をいただきながら、積極的に取り組んでまいりたいと思います」と、キャンプ地の招致に向けての並々ならぬ決意をご披露していただきました。そして、昨年十二月三日、皆様ご承知のとおり、欧州の強豪国デンマークチームが本年五月二十日から二十七日まで本県でキャンプを行うことを決定いたしました。知事を初め担当者の必死の招致活動に心から敬意を表したいと思います。
 和歌山に決定した理由を聞かれたデンマークサッカー協会代表のスティーン・ダラップさんは、「キャンプ地で大事なのは、選手が練習以外の時間をいかにリラックスして楽しく過ごせるかということ。初めて和歌山を視察したときは、まさにパラダイスという印象で、自然環境も施設も交通アクセスもすばらしいし、何より迎えてくれる人の温かさを感じた。ここなら家族というような気持ちで過ごせると思う」と話されておりました。同チームは、韓国での予選を突破して決勝トーナメントに進めば、再び本県でキャンプをする予定になっております。日本チームともどもにデンマークチームが決勝トーナメントまで勝ち進んでいくことを願うものであります。
 デンマークを初め、世界各国からサポーターやファン、マスコミ関係者、観光客など多くの人々が訪れ、和歌山県が世界から注目されることになります。また、五月二十六日には紀三井寺陸上競技場でチュニジアとテストマッチを行う予定になっております。このチュニジアは奈良県でキャンプを張る予定になっておりまして、皆様ご承知のとおり、日本代表との対戦も予定されているチームでございます。スポーツ振興はもとより、青少年に夢と希望を与える絶好のチャンスであります。デンマーク代表チームが日本チームともどもに上位進出を果たすよう、最高のコンディションで試合に臨めるよう、万全のキャンプ環境を整えたいものであります。
 本県では、キャンプ実行委員会を設置し、受け入れ準備を進めておられます。デンマークチームと県民や青少年とが触れ合えるスポーツイベントの実施など交流を図ることも大変重要であると思いますが、選手のコンディション調整のため、交流する機会には当然配慮が必要であると思うわけでございます。デンマークチームの本県でのキャンプ地決定について、知事のご感想と、このキャンプにどのような期待を寄せておられるのか、お尋ねいたします。
 次に、ワールドカップを生かした地域振興策についてお尋ねいたします。
 ワールドカップを利用して地域振興策を推進するためには、ワールドカップ開催時のみの地域活性化ではなく、ワールドカップがきっかけとなって長期的なビジョンに基づく地域づくりを考えなければなりません。例えば、地域経済活性化の方策として、企業や観光客を誘引したりすることであります。幸い本県は、幾多の観光地を有しております。また、インターネットを最大限に利用して、公開練習の予定、変更などを瞬時に情報発信できる体制を整え、マスコミ関係、メディア関係者、サポーターやファンの誘引力や利便性、快適性を高める必要があります。さらに、地域の特性を十分にアピールし、地域から情報を発信するという意識が常に必要で、サポーターやファンを呼び込むイベントの企画力や集客力が問われるわけでございます。幸い、五月二十六日にはチュニジアとのテストマッチも行われますから、相当の集客力ではないかなと想像するわけでございます。そして、前回のフランスでのワールドカップの大会のときに、キャンプ地として提供した二つの都市が地域振興策を掲げて大きく花開き、発展を遂げている例があります。デンマーク代表の五月二十日から二十七日の準備キャンプでの情報発信の体制と集客予想人数についてお尋ねいたします。
 また、地域振興策をどのように考えているのか、お伺いいたします。
 最後に、キャンプ地の警備体制と駐車場対策についてお尋ねいたします。
 世界最大級のイベントであるワールドカップサッカー大会のデンマーク代表の練習は、県営紀三井寺公園内の競技場、球技場で行われ、宿泊は和歌山マリーナシティ内のホテルであります。デンマークチームのキャンプは、五月二十日から二十七日までであります。この間、先ほども申し上げましたようにチュニジアとのテストマッチも行われるわけでございます。デンマークを初め世界各国から多くのファン、サポーター、マスコミ関係者、観光客などが本県を訪れ、和歌山県が世界から注目されることになります。
 兵庫県津名町に滞在いたしますイングランドは、フーリガンへの不安があります。サポーターは元気がよ過ぎる方たちのようでございます。デンマークチームは、小関教育長も述べておられますが、極めてフレンドリーで紳士的な国のようでございます。デンマークのサポーターはローリガンとも言われます。「ローリ」は、デンマーク語で「静か」の意味だそうでございます。ワールドカップサッカー大会は国際的なイベントであり、昨年のアメリカ・ニューヨークでの同時多発テロも起きたことでありますから、キャンプ地の警備体制には万全を期す必要があると考えます。警察本部長のご所見を承りたいと思います。
 また、駐車場の確保は大丈夫でしょうか。特に、五月二十六日のデンマークとチュニジアとのテストマッチの日やイベントを行う日などは相当の混雑が予想されます。キャンプを成功させ、競技場周辺の住民に迷惑をかけないためにも、できるだけの駐車場を確保する、そしてまた交通手段も含めて交通体制を整えていくということが大事だと思います。その対策について教育長にお尋ねをいたしまして、私の第一回目の質問とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまのご質問の第一点目、多自然型の川づくりを進めることが大変重要であるとのご指摘、私もそのとおりであると思います。
 和歌山県の都市を多自然型にすることによって都市の魅力を高める、そしてまた観光面でも非常に大きなインパクトがあるということを図っていくことは大事でございますので、緑の雇用事業の中でも緑の流域環境保全事業というのを行うことにしておりますけれども、しかしながら、こういうふうな部分的なものでなくて、基本的には公共事業全般について、先ほど紀州流という話が出ておりましたけれども、新しい形のその地域に合った本当に意味のある公共事業のやり方ということを、和歌山県の方から新紀州流というふうな形で提唱していきたい。それは道のつくり方でもあるし、そしてまた河川を多自然型にするということでもあろうと思いますので、来年度からこの点、非常に重要な問題と考えて対応していくということにいたしたいと思っております。
 次に、ワールドカップの話でございます。
 先般お答えしましたときは、まだ決まっていないで頑張っている状況であったんですけれども、担当者等の非常に誠心誠意の努力もありまして、デンマークが和歌山でキャンプを張ってくれるということになりました。ワールドカップはこれからますます注目が高まってくるということでございますけれども、これを受動的に受けていくということではなしに、和歌山県からこういういい機会を特に利用して、その前の期間も含めていろんなことを発信するようにしていきたいと思います。それから、韓国で戦っている間も、和歌山県は、もちろん日本は応援するんですけれども、デンマークもあわせて応援する、そしてそれがまた帰ってきてもらうような努力、試合には出れませんけれども、いろんなことをして盛り上げていくということが必要だというふうに考えております。
○議長(井出益弘君) 出納長大平勝之君。
  〔大平勝之君、登壇〕
○出納長(大平勝之君) 四月からのペイオフ解禁に関するご質問にお答えいたします。
 一点目の、指定金融機関、指定代理金融機関などの金融機関の経営状況の把握でございます。
 これにつきましては、自己資本比率、総資産業務純益率、預金量の推移といったことなどから、金融機関の健全性、収益性、流動性の把握を行うため、決算書、中間決算書及びディスクロージャー誌などを通じまして、その状況の把握に努めているところでございます。現在のところ、これらのことを総合的に判断いたしますと、県内の金融機関につきましては、財務状況等に懸念のあるものはないと理解しております。
 二点目の、県内金融機関への支援策はないかということでございますが、議員ご指摘のように、県内金融機関の経営が破綻した場合には、県経済へ及ぼす影響はまことに重大であると認識してございます。金融機関への直接支援は国からの公的資金の注入がございますが、他の県では第三者割り当てによる増資に協力しているところもあると聞いてございます。現在のところ、本県に金融機関から支援も求められておりませんし、また支援が必要な金融機関はないと認識しておりますが、そのようなことが生じた場合には、他県の対応なども参考に検討してまいりたいと考えてございます。
 最後に、公金管理の現状とペイオフ解禁への対応についてでございます。
 公金については、主に歳計現金と基金がございます。歳計現金につきましては、一日平均で約三百六十億円の残高がございますが、その性格上、指定金融機関を中心に普通預金や定期預金などで運用してございます。基金につきましては、現在約九百億円ございますが、これについては県内に本支店のある金融機関で定期預金を中心に運用してございます。今後も、基本的には同様の運用を行ってまいりたいと考えてございますが、ペイオフ対策として、金融機関の経営状況の確認を十分に行うことや、県債との相殺、元本が保証されている国債、地方債などの債券運用も行ってまいりたいと考えてございます。
 仮称と申しますか、公金管理委員会的なものの設置についてはどうかということでございますが、ペイオフ解禁後の金融機関に関する情報を十分把握するための方策として、金融関係の知識を有する人材の育成、専門家の活用などが考えられますが、当面、金融知識を備えた職員の人材育成を図ってまいりたいと考えてございます。今後、金融の専門家の識見をいかにして活用していけるかなど、体制の整備に向けた研究を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) 医科大学跡地に係る事業コンペの今後のスケジュールについてお答えを申し上げます。
 現在、医大跡地利用事業計画提案競技審査委員会におきまして、提案された事業計画について経営計画の確実性を初め、宿泊施設や商業施設等の内容、デザイン等について審査をしていただいてございまして、三月二十六日には第五回の審査委員会が開催される運びとなっております。
 跡地利用事業の着工の見通しについてでございますが、県といたしましては、旧施設の解体撤去工事が本年秋にも完了する見込みであり、また空洞化の続く中心市街地の活性化のためにも、更地として置く期間をできるだけ短縮し、来年度中には工事に着手できるよう作業を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 県立医科大学の別館病棟の再利用についてお答えいたします。
 この別館病棟につきましては、昭和五十九年建築の比較的新しい建物であり、公共的な利用を基本として、また地域の活性化につながるような再利用の方向で検討を行ってきたところでございます。
 平成十二年に済生会和歌山病院から買い取りの要望があり、昨年、済生会和歌山病院において内部改修などのための調査を実施し、現在、移転整備についての基本構想を策定中でございまして、平成十五年度中の移転に向けての諸課題の具体的な検討を行っているところでございます。
 県といたしましては、できるだけ早期に別館病棟の土地・建物の売買契約を締結し、計画どおりの移転整備ができるよう関係部局と連携し取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(井出益弘君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 河川環境の整備と保全についてのご質問のうち、二点についてお答えいたします。
 河川整備は、地域の生活環境の向上に資するものであり、治水、利水、環境の三要素のバランスをとり、地域住民の意見を踏まえて進めていく必要があります。このような社会的要請を受けまして、平成九年に改正されました河川法においても、河川整備計画の策定に当たっては、地域住民の考えを反映するよう規定されております。計画の策定に当たりましては、住民へのアンケート調査等を実施するとともに、関係市町村長等の意見を反映して、新紀州流とも言うべき多自然型川づくりの考え方を取り入れ、地域に合った計画の策定に積極的に取り組んでまいります。
 次に美しい河川整備についてですが、水質の保全・回復とともに、景観を阻害している場合においては修景していく必要があります。このため、矢板護岸の前面を修景する工法等の技術開発に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 環境生活部長秋月成夫君。
  〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 河川環境の整備と保全のうち、二点についてお答えいたします。
 まず一点目の、環境基準を超えている河川の原因究明とその対策についてでございますが、環境基準を超えている紀の川の二地点については国土交通省近畿地方整備局が、土入川の二地点、大門川、和田川の各一地点については和歌山市が、古川の一地点については県が測定してございます。これらに共通して言える水質汚濁の原因としては、生活排水等による影響が大きいものと考えられます。なお、古川の水質汚濁の原因については、工場等の排水及び生活排水等が挙げられ、また当河川は流量が少ないため浄化作用が乏しいものと考えられます。これらの対策として、流域の工場等に対する指導を図るとともに、生活排水対策の啓発を行っており、今後とも引き続き指導を図ってまいりたいと考えてございます。
 また紀の川の二地点については、紀の川水質汚濁防止連絡協議会と連携しながら汚濁防止対策を行うとともに、和歌山市内の河川については測定の実施主体である和歌山市と協議してまいりたいと考えてございます。
 次に合併処理浄化槽の普及拡充についてでございますが、県といたしましては、来年度に全県的な汚水処理施設整備構想の見直しを行い、一部市町村におきましては、下水道などの集合処理区域を縮小し、合併処理浄化槽への計画変更を行うなど、地域の実情に応じた整備を進めてまいりたいと考えてございます。
 なお、合併処理浄化槽の設置については、既に補助事業を積極的に推進しており、本県の平成十二年度末の汚水処理施設整備率二七%のうちの過半数を合併処理浄化槽が担っているところでございます。さらに現在、市町村設置型事業の推進に力を入れており、来年度からは高野町と日高町で新たに事業着手を予定しております。今後とも、これらの事業を実施する市町村と十分に連携を図りながら、合併処理浄化槽の設置促進に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(井出益弘君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) ワールドカップ・デンマークチームのキャンプに伴う地域振興策についてでございますが、商工労働部としましては、特に国際観光の推進にとりまして大きなチャンスであると考えており、この機会に観光情報を積極的に紹介し、本県の魅力を国内外のメディア関係者や来訪者並びにチームスタッフにアピールしてまいります。また、受け入れ体制の大きな要素でありますホスピタリティーについても、地元市や関係団体等とも十分協議するとともに、県内観光事業者の接遇マナーの向上を図ってまいります。こうした取り組みにより、和歌山の知名度の向上とイメージアップを図り、今後の誘客につなげてまいりたいと考えてございます。
 さらに、スポーツ、文化、国際交流やボランティアの皆さんなど、県民の心のこもった受け入れの結果、芽生えた交流などが大会終了後も長く続くことが期待されるところですが、商工労働部といたしましても、このキャンプを契機として生まれた活動や事業について、一過性に終わらせることなく、継続的、効果的な事業展開を図ってまいります。
○議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) ワールドカップキャンプについてお答えいたします。
 まず情報発信体制についてでありますが、このワールドカップは、前回のフランス大会において日本チームのキャンプの様子が連日報道されたように、和歌山県を国内外へ発信する絶好の機会であります。本県におきましても、キャンプ期間中には、プレスセンターを設置するとともに、英語等によるガイドブックや観光パンフレットの作成、さらにインターネット等を活用した情報発信等にも取り組んでまいります。
 次に、キャンプ期間中には多数の観客が和歌山にやってくることが予想され、特に五月二十六日に開催するデンマークとチュニジアとのテストマッチでは、スタンドを埋め尽くすほど多くの観客や報道関係者等が訪れるものと思われます。平成六年に開催したJリーグプレシーズンマッチの際には二万人を超える観客が紀三井寺競技場に入場しており、今回はそれをしのぐ来場者が予想されていることから、県警察とも連携を図りながら万全の体制をとってまいりたいと考えております。
 具体的な対策として、公共交通機関の利用の促進と最寄りの駅からのシャトルバスの運行、また周辺の拠点となる駐車場からのバスによる観客輸送など、さまざまな方策について検討し、取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(井出益弘君) 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕
○警察本部長(岩井良行君) キャンプ地等の警備体制についてお答え申し上げます。
 議員ご指摘ありましたように、昨年九月の米国同時多発テロをも念頭に置いて、キャンプ地の警戒警備に万全を期する所存であります。
 具体的には、デンマークチームが五月二十日から二十七日までの間、和歌山市内で調整キャンプを行い、またキャンプ期間中の五月二十六日の日曜日には、紀三井寺競技場でチュニジアとのテストマッチが行われることと承知しております。このため、警察といたしましては、本年二月一日付でワールドカップサッカー大会警備対策室を立ち上げ、関係機関との緊密な連携のもと、デンマークチームの安全確保、観戦者等による雑踏事故の防止、キャンプ地周辺の交通渋滞対策等を重点に、国内の治安情勢を見きわめながら、宿泊所警戒、練習場警戒及びチーム移動時の警戒などについて諸対策を推進していくこととしているところであります。また、五月二十六日の日曜日に行われるチュニジアとのテストマッチにつきましても、相当数の観戦者が訪れるものと予想されることから、会場及びその周辺における雑踏事故防止や交通渋滞対策などに所要の警察官を配置するなど、各種の事故防止に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十一番江上柳助君。
○江上柳助君 先ほどは、前向きかつ明快なご答弁をいただきした。
 一点だけ、要望をさせていただきます。と申しますのは、ワールドカップのキャンプの関係ですけれども、一生懸命やっていただいているわけですが、全庁的な取り組みをひとつお願いしたいと思います。と申しますのは、きのうも議論されておりましたけれども、和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝、教育委員会主催ということであったわけですが、知事部局からも百人近くの皆さんがお手伝いをしたということもお聞きしております。これ、かなり大がかりな事業でございますので、ひとつ全庁的な体制を組んでいただきたいなと思います。もちろん、教育委員会が熱心に一生懸命やっていただいていることも承知しております。まだまだいろんな課題があるんじゃないか。例えば、バリアの問題ですね。健常者だけがこの記念すべき大会を観覧するんではなくて、やはり障害者の方も喜んで行けるような体制も一つだと思いますし、また少子化の中でのお子さんたちの夢と希望というものもかなえていただきたい、この点を強く要望いたしまして、全庁的な取り組みをお願いしたいと思います。
 私の質問を終わります。
○議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で江上柳助君の質問が終了いたしました。

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