平成13年12月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

平成十三年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第七号
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議事日程 第七号
 平成十三年十二月十九日(水曜日)午前十時開議
  第一 議案第百三十号から議案第百五十一号まで、報第七号から報第十号まで、並びに請願九件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
  第三 特別委員会閉会中継続審査の件
  第四 議員提出議案第三号
  第五 意見書・決議案
会議に付した事件
   一 議案第百三十号から議案第百五十一号まで、報第七号から報第十号まで、並びに請願九件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
   二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
   三 特別委員会閉会中継続審査の件
   四 議員提出議案第三号
   五 意見書・決議案
出席議員(四十六人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       大   沢   広 太 郎
     五  番       堀   本   隆   男
     六  番       宇 治 田   栄   蔵
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       木   下   善   之
     十二 番       永   井   佑   治
     十三 番       尾   崎   要   二
     十四 番       小   川       武
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       生   駒   三   雄
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       谷       洋   一
     二十 番       山   下   直   也
     二十一番       高   瀬   勝   助
     二十二番       吉   井   和   視
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       金   田       眞
     二十六番       高   田   由   一
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       向   井   嘉 久 藏
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       中   山       豊
     三十四番       浜   田   真   輔
     三十五番       鶴   田   至   弘
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       村   岡   キ ミ 子
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       阪   部   菊   雄
     四十一番       江   上   柳   助
     四十二番       長   坂   隆   司
     四十三番       森       正   樹
     四十四番       飯   田   敬   文
     四十五番       新   田   和   弘
     四十六番       松   本   貞   次
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
 〔備考〕
     二十三番欠員
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        中   山   次   郎
     出納長        大   平   勝   之
     理事         安   居       要
     知事公室長      小 佐 田   昌   計
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       垣   平   高   男
     環境生活部長     秋   月   成   夫
     福祉保健部長     白   井   保   世
     商工労働部長     内   田   安   生
     農林水産部長     辻           健
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       増   田   充   孝
     教育委員会委員長   赤   松   壽   男
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   中   尾   公   彦
     警察本部長      岩   井   良   行
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 北   村   亮   三
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       田   村   徳   美
     次長         佐   竹   欣   司
     議事課長       北 垣 内       敬
     議事課副課長     松   谷   秋   男
     議事班長       露   詰       勤
     議事課主査      尾   崎   善   亮
     議事課主査      井   口   好   晴
     総務課長       梶   本   皓   造
     調査課長       宗   野   幸   克
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課副主査     保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(井出益弘君) これより本日の会議を開きます。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時三分休憩
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  午後三時二十八分再開
○議長(井出益弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  【日程第一 議案第百三十号から議案第百五十一号まで、報第七号から報第十号まで、並びに請願九件】
○議長(井出益弘君) 日程第一、議案第百三十号から議案第百五十一号まで、知事専決処分報告報第七号から報第十号まで、並びに今期定例会の請願四件及び継続審査中の請願五件、計九件を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 文教委員会委員長長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(長坂隆司君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三件、前会から継続審査分の請願三件であります。
 委員会は、十二月十四日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百三十九号、第百四十六号及び第百四十九号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第三号は請願者から取り下げ願があったのでこれを承認すべきものと決し、第八号及び第十三号は継続審査すべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項は、本県独自の教育改革について、教員の指導力向上について、学校五日制への対応について、クラブ活動の実態把握について、埋蔵文化財専門職員の充実について、総合学科の設置について、県内高校生の就職状況について、学区制撤廃への対応について、ワールドカップサッカー大会デンマークチームの受け入れ体制について、世界遺産登録の進捗状況について、高野山町石道の整備について、人づくりを担う教育委員会の役割についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願いいたします。
○議長(井出益弘君) 総務委員会委員長小原 泰君。
  〔小原 泰君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(小原 泰君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案八件、専決処分報告一件であります。
 委員会は、十二月十四日、第一委員会室において開催し、医科大学、看護短期大学部、出納室、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、知事公室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百三十三号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第百三十号から議案第百三十二号まで、議案第百四十号及び議案第百四十六号から議案第百四十八号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。知事専決処分報告報第七号につきましては、全会一致で承認されました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項は、医科大学関係では、医科大学紀北分院の整備計画について、医師、看護婦等の患者に対する説明不足の問題について、医科大学職員の年次有給休暇の取得について、医科大学の授業料の値上げについて、選挙管理委員会では、国勢調査と公職選挙法の問題について、人事委員会関係では、職員の超過勤務手当に関する当局の対応について、知事公室関係では、ベンチマークの策定について、企画部関係では、ビジョンの策定について、IT関連産業について、土地開発公社に係る債務保証問題について、関西国際空港二期事業に係る供用開始延期問題について、和歌山線のダイヤ改正に伴う減便について、海洋深層水の取り組みについて、国道四十二号及び高速道路延伸について、青木建設のJVについて、国勢調査に見られる人口減少問題について、携帯電話が利用できない地域の対策について、総務部関係では、ビジョンの策定について、市町村合併について、不動産取得税の評価額について、それぞれただされました。
 なお、十二月十八日、十四年春改定が予定されているJR和歌山線及び紀勢本線の運行本数の減便等について、JR和歌山支社を訪問し、ダイヤ改正に当たっては利用者の利便性に十分配慮されるよう要望を行ってまいりました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(井出益弘君) 福祉環境委員会委員長浜田真輔君。
  〔浜田真輔君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(浜田真輔君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三件、知事専決処分報告一件、請願の新規受理分一件、前会からの継続審査分一件であります。
 委員会は、十二月十四日、第二委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百三十四号、議案第百三十五号及び議案第百四十六号については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。次に、知事専決処分報告報第九号については、全会一致で承認されました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二十一号については全会一致をもって採択すべきものと決し、議請第七号はさらに継続審査すべきものと決しました。
 なお、議請第二十一号の採択に伴い、当委員会から「骨髄バンクの利用にかかわる医療保険の適用を求める意見書(案)」が提案される運びとなっていますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項は、福祉保健部関係では、国の緊急地域雇用創出特別交付金を利用した福祉関係事業の実施について、生活保護費増額の要因について、県衛生公害研究センターの検査について、紀南地域の救急医療体制並びに県立医大附属病院紀北分院の役割について、児童扶養手当の支給基準の見直しと今後の見通しについて、人権条例制定に向けた取り組みについて、病院で発行する領収書について、国民健康保険の保険料滞納者に対する資格証明書発行等の取り扱いについて、県庁舎における喫煙対策について、また骨髄バンクの利用にかかわる医療保険適用についてただされました。
 次に環境生活部関係では、牛海綿状脳症いわゆる狂牛病検査費用と牛の屠殺解体時における安全性の確保並びに危険部位の焼却について、牛海綿状脳症検査マニュアル作成と本県産牛の安全性のPR、また風評被害対策について、同和教育子ども会の今後のあり方について、橋本市における残留ダイオキシン処理に係る業者の選定について、児童生徒の携帯電話・メールの使用制限指導など、今後の県の取り組みについてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(井出益弘君) 経済警察委員会委員長大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(大沢広太郎君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案四件、請願の新規受理分二件であります。
 委員会は、十二月十四日、第三委員会室において開催し、公安委員会、商工労働部・地方労働委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百三十六号、議案第百三十七号、議案第百四十六号及び議案第百五十号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、全会一致をもって議請第十八号については採択すべきものと決し、議請第十九号については不採択すべきものと決しました。
 なお、議請第十八号の採択に伴い、当委員会から「雇用危機打開に向けた対応と雇用の確保・創出を求める意見書(案)」が提出される運びとなっておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項は、公安委員会関係では、交番・駐在所の設置要望及び新設、統廃合の状況について、警察官の増員及び配置先について、自治体との人事交流や警察業務の民間委託について、外国人犯罪等、新たな犯罪に対する対策について、和歌山東警察署の状況及び庁舎改築について、年末年始の暴走族対策について、警察本部庁舎内の喫煙対策について、商工労働部・地方労働委員会関係では、訪日観光客に関する本県の取り組み状況及びその課題や問題点について、姉妹提携都市の在外県人会に対する働きかけについて、県産品の優先使用について、バーチャル和歌山の広報について、本県の有効求人倍率の推移及び雇用対策について、競輪事業の現状について、学校週五日制に伴う空き教室等の利用について、県信用保証協会の業務状況及び対応について、中小企業金融対策について、松下電池工業和歌山工場の状況について、工業技術センターにおける研究職員の評価についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(井出益弘君) 農林水産委員会委員長坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(坂本 登君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案一件、知事専決処分報告三件、請願の新規受理分が一件であります。
 委員会は、十二月十四日、第四委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百四十六号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。知事専決処分報告報第七号、報第八号及び報第十号は、全会一致で承認されました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二十号については賛成少数をもって不採択とすべきものと決しました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項は、備長炭の振興について、輸入農産物の残留農薬検査について、牛海綿状脳症いわゆる狂牛病問題について、漁業振興策について、漁業補償について、農産物のセーフガードについて、無線漁業協同組合について、山村振興等農林漁業特別対策事業について、緑の雇用事業について、県産材利用促進について、ミカンの消費拡大について、ミカン政策について、カキの消費拡大について、森林モデル林について、農業試験場の整備について、農協・漁業の信用事業について、紀の川左岸広域農道についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(井出益弘君) 建設委員会委員長山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(山田正彦君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案八件、請願は前会からの継続審査分一件であります。
 委員会は、十二月十四日、第五委員会室において開催し、企業局、土木部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第百五十一号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第百三十八号及び議案第百四十一号から議案第百四十六号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第一号は継続審査すべきものと決しました。
 なお、当委員会から「近畿自動車道紀勢線の整備促進に関する意見書(案)」が提案される運びとなっておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、所管に係る各委員の主な質問事項は、企業局関係では、電気事業の料金単価について、紀の川第一工業用水道施設の海南市への移管について、統括管理体制の概要について、土木部関係では、議案第百四十五号に係る工事委託契約のあり方について、県有建築物の図面デジタル化事業の概要と今後の計画について、県事業の県内業者優先発注について、都市公園法の運用に係る和歌山市への指導・助言について、市街化調整区域の見直しについて、来年度の土木部予算の重点的な視点とその内容について、日方川改修の取り組み状況について、紀三井寺公園競技場改修状況についてただされました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(井出益弘君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 まず、鶴田至弘君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 三十五番鶴田至弘君。
  〔鶴田至弘君、登壇〕(拍手)
○鶴田至弘君 日本共産党県議団を代表いたしまして、議案第百三十三号、百五十一号に対し、また委員長報告において議請第十九号、二十号を不採択とされたことに対して、反対の立場から討論を行います。
 議案第百三十三号は和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する案件ですが、その主な内容は、県立高等学校の授業料及び入学金の引き上げ、和歌山県立医科大学の研究生にかかわる授業料並びに和歌山県立高等看護学院及び和歌山県立なぎ看護学校授業料の引き上げであります。これらは三年に一度、恒例のごとく引き上げられているところでありますが、ご承知のとおり、この深刻な不況のもと、県民は極めて厳しい状況に置かれています。学生、研究生、そしてその家庭もまた例外ではありません。かかるとき、このような入学金、授業料の引き上げは認めるわけにはまいりません。
 議案第百五十一号は平成十三年度建設事業施行に伴う市町村負担金についてでありますが、私どもは従来より、市町村の財政事情の厳しい折から県工事にかかわる市町村への負担金を廃止すべきだと主張してまいりました。この種の負担金は、近畿各府県の状況を見ても廃止の方向に進んでおります。今回提案されている災害関連緊急急傾斜地崩壊対策には五%負担金がかけられていますが、この五%というのは三十二年前に定められたまま改善されるに至っていないものであり、この際、廃止すべきだと考えます。災害緊急砂防事業は、災害復旧に県単独事業として当たるという積極性は評価しつつも、災害復旧事業という性格から考えても二〇%の負担金を課すというのは妥当とは思えません。以上のような理由で、本議案には反対いたします。
 なお、この際、議案第百四十七号、百四十八号、百五十号の諸議案について、一言申し添えておきたいと思います。これらの諸議案は、いずれも職員の期末手当の削減を主な内容とするものであります。現下の不況下の県民の生活や県財政の実情からやむを得ないと考えますが、労働の対価としての賃金がカットされることは大変残念なことであります。当局は、削減で得た財源を有効に県民に還元されることを求めておきたいと思います。
 続いて、議請第十九号「雇用確保に関する意見書の提出について」が不採択との報告でありましたが、請願の趣旨にもあるとおり、大企業における大規模なリストラの強行と不良債権の早期処理がもたらす中小零細企業の倒産によって、さらなる大量失業が生み出されることは必至であります。失業者の雇用対策とともに、失業者を出さない対策が切に求められております。そのために、野放し状態になっている大企業のリストラ、人員削減の規制と労働時間の短縮による仕事の分かち合いなど、雇用を守るルールづくりが必要であります。時間外勤務とサービス残業をなくすだけでも、二百万の雇用が可能とされております。雇用を守ることは企業の責任ではありますが、個々の企業の努力には限界があります。そのためにはどうしても法整備が必要だと思われますので、議請第十九号はぜひ採択いただき、しかるべき意見書を提出されたいと考えるところであります。したがって、不採択には反対であります。
 議請第二十号は、「和歌山県農業を守るためのセーフガードの本格発動と品目拡大を求める意見書の提出について」であります。委員長報告は不採択でした。
 セーフガードの発動については昨年十二月議会で意見書が採択されましたが、本請願も同趣旨であり、しかも県内の重要農産物である梅やタマネギ、さらにオレンジなどについて、早急に政府調査をした上でその発動を求めるもので、県民要求に合致したものであると考えます。十一月八日に、ネギ、生シイタケ、イグサの三品目についての暫定セーフガードが期限切れとなり、今政府内部でも本格発動するかどうかをめぐって議論されているところであります。暫定措置が切れた後、それまでの三年間の平均と比べ、ネギは三倍、イグサで二倍、生シイタケで一割の輸入急増となっております。今、JAグループも街頭宣伝などで本格発動を急げと運動を展開しているところであります。このような折、本請願を採択してセーフガードの発動を求める意見書を上げることは、和歌山県のみならず日本の農業と農山村を守る上で必要なことだと信じます。以上のような理由で、議請第二十号の不採択には反対であります。
 以上です。
○議長(井出益弘君) 次に、佐田頴一君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 三番佐田頴一君。
  〔佐田頴一君、登壇〕(拍手)
○佐田頴一君 お許しをいただきましたので、自由民主党県議団を代表いたしまして、本十二月定例議会に提案されている予算関係議案並びに諸議案に対しまして、賛成の立場から討論を行うものであります。なお、県民クラブ、公明党県議団、新保守クラブ、開政クラブ、二十一世紀クラブの各会派も賛成という立場で、同じ認識のもとで私の方から討論させていただきます。
 我が国経済は、バブル経済崩壊後十年の長きにわたって低迷を続け、少子高齢化の進展や諸外国に追い上げられるに伴い、競争力の低下など先行きに対する閉塞感が深まっており、さらに本年九月の米国同時多発テロ事件の影響などによる世界経済減速の影響を受け、大変厳しい状況にあります。
 こうした中、国においては日本経済再生のための構造改革を強力に推進することとし、本年六月には今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太の方針を策定いたしました。さらに、構造改革を加速し、雇用創出効果や民間経済活性化効果が特に高く早期に成果があらわれる施策を実施していくため、十月には改革先行プログラムが策定され、雇用、中小企業等のセーフティーネット充実対策、IT化や少子高齢化などの緊急構造改革加速施策対策などを中心に国の補正予算が編成されたところであります。
 このような中、去る十一月二十一日に木村知事は小泉総理とお会いになり、国における恒久的な緑の雇用事業の一層の推進について提言、要請されたところ、総理から「緑の雇用事業は和歌山発のアイデアとして補正予算に取り入れることとしたところであり、今後、和歌山県がモデルとなるような事業を行ってほしい」と、大いに激励されたところと聞き及んでおります。これも、雇用対策に対する総理の強い意気込みのあらわれではないかと私は思うところでございます。
 今議会に提案されております補正予算案は、このような国の対応と歩みを一にすると同時に、現下の本県の経済・雇用情勢等を踏まえ、当面する課題に対し県独自の施策を積極的かつ効果的に実施するための予算であります。
 そこで、提案されております補正予算案の主な施策について見てみますと、まず雇用・中小企業対策が挙げられます。国からの交付金を原資とする和歌山県緊急雇用創出特別基金を活用しての雇用・就業機会を創出するための予算、失業者の生活安定対策としての離職者支援のための予算、さらに県独自の施策として中小企業融資制度の拡充や県内中小企業の受注機会拡大を目的とした県有施設の維持修繕事業の追加など、現下の県内の厳しい経済・雇用情勢に真っ正面から取り組むための予算が計上されております。また、緑の雇用事業に関する事業につきましても、広葉樹植栽等による雇用創出を図るなど、本県の豊かな森林資源と雇用創出を結びつけた従来にはない発想の事業であり、本県の雇用情勢の回復に大いに期待するものであります。
 次に、緊急構造改革加速施策対策につきましては、地域ケーブルテレビ網の整備に対し助成することにより広域的なIT化の基盤整備を図ろうとするものであり、県のIT化推進の原動力になるものと思われます。
 さらに、緊急テロへの対策や牛海綿状脳症対策、本年十月の秋雨前線活発化により発生した災害への対策など、早急に対応を求められる課題に対し、迅速かつ適正に対応されております。
 このように、いずれの予算も厳しい財政状況の中で真に必要な施策に的確に対応するためのものであり、県民の期待に十分こたえ得るものであります。また、その他の諸議案につきましても、いずれもその内容は適切なものであります。
 この上は、本会議に提案されております諸議案に盛られた各般の施策の迅速かつ円滑な執行を図り、所期の成果を上げていくことによって県民の負託にこたえることが最も重要であります。
 我々自由民主党県議団、そして各会派といたしましては、以上申し上げたような認識に立ち、今議会に提案されております予算関係議案並びに諸議案について、原案のとおり成立することを期するものであります。
 以上をもって、賛成討論とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(井出益弘君) これをもって、討論を終結いたします。
 これより、採決に入ります。
 まず、議案第百三十三号及び議案第百五十一号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第百三十号から議案第百三十二号まで、議案第百三十四号から議案第百五十号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、知事専決処分報告報第七号から報第十号までを一括して採決いたします。
 本件に対する委員長の報告は、いずれも承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立全員であります。よって、本件はいずれもこれを承認することに決定いたしました。
 次に、議請第十九号及び議請第二十号を一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも不採択であります。
 本請願を委員長の報告のとおり不採択とすることに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立多数であります。よって、本請願はいずれも不採択とすることに決定いたしました。
 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願七件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本請願は、いずれも委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、本請願はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
  【日程第二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件】
○議長(井出益弘君) 次に日程第二、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
  【日程第三 特別委員会閉会中継続審査の件】
○議長(井出益弘君) 次に日程第三、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策及び半島振興過疎対策の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
  【日程第四 議員提出議案第三号】
○議長(井出益弘君) 次に日程第四、議員提出議案第三号政治倫理の確立のための和歌山県議会の議員の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議員提出議案第三号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
  【日程第五 意見書・決議案】
○議長(井出益弘君) 次に、日程第五に入ります。
 まず、和議第三十八号「急激な景気悪化から中小企業経営を守るための効果的な事業実施を求める決議(案)」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 和議第三十八号を採決いたします。本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、和議第三十九号「解雇規制や労働時間短縮などの法整備を図ることに関する意見書(案)」、和議第四十号「セーフガードの本格発動と政府調査品目の拡大を求める意見書(案)」、和議第四十一号「骨髄バンクの利用にかかわる医療保険の適用を求める意見書(案)」、和議第四十二号「近畿自動車道紀勢線の整備促進に関する意見書(案)」、和議第四十三号「雇用危機打開に向けた対応と雇用の確保・創出を求める意見書(案)」、和議第四十四号「医療制度改革に関する意見書(案)」、和議第四十五号「食品衛生法の改正と充実強化を求める意見書(案)」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、和議第三十九号を採決いたします。本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立少数であります。よって、本案は否決されました。
 次に、和議第四十号を採決いたします。本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(井出益弘君) 起立少数であります。よって、本案は否決されました。
 次に、和議第四十一号、和議第四十二号、和議第四十三号、和議第四十四号及び和議第四十五号を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本案をいずれも原案のとおり決することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(井出益弘君) ご異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 以上で、本定例会に付議されました諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 年末多端の折、各位の連日のご精励を深く感謝申し上げます。
 どうか、健康に留意され、新しい年を迎えてますます県勢発展のためご活躍されますよう祈念いたします。
 これをもって、平成十三年十二月定例会を閉会いたします。
  午後四時八分閉会

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