平成13年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(金田 眞議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(堀本隆男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十五番金田 眞君。
  〔金田 眞君、登壇〕(拍手)
○金田 眞君 議長のお許しを得ましたので、一般質問を行います。
 まず最初の、和歌山県IT戦略と新宮地域のケーブルテレビ事業について質問します。
 コンピューターを初めとした情報通信技術の発展は、人類の文化、技術の発展の中でも画期的な一段階を開きつつあり、民主主義や文化の発展、国民生活や福祉の向上のために重要な貢献をするものです。特にインターネットの発展と普及は、世界じゅうのコンピューター同士の通信を可能にし、多様な情報を入手し発信する新しいコミュニケーションの手段となっています。このことは日本国民の二十一世紀の生存と生活の基盤を守る重要課題の一つであるだけに、長期的視野に立った本格的な対策が必要であり、この新しい技術を社会全体が活用できる国民の共有財産としてだれもが利用でき、その成果のすべてを受けられるようにすることこそ基本にすべきだと考えます。そして、具体的施策の裏づけが必要であることは言うまでもありません。
 インターネットの普及は目覚ましく、我が国のインターネット利用者数は、平成十二年の「通信白書」によると、平成十一年末の二千七百六万人から、平成十七年末には七千六百七十万人に達すると推計されています。しかし、アメリカの普及率は日本の約二倍であり、その理由は、単に事業者の競争が盛んだからだけではなく、政府がすべての国民に情報へのアクセスを保障しているからだそうです。また、日本には全人口の約四〇%をカバーするだけの光ファイバー網があり、その整備は、国土が二十五倍もあるアメリカの二倍ですが、ほとんど使われていない実態が一方にはあります。しかしインターネットは、まさに画期的な情報へのアクセス手段です。これをすべての国民に保障することこそが高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たって国の果たすべき第一の責務であり、低価格で利用することを国民の権利として保障することが重要との立場から質問をいたします。
 第一に、十一月三十日に和歌山県IT戦略の中間報告がなされました。このIT戦略は本年四月から作業が進められており、本年度末に最終報告が行われますが、あくまで現時点は戦略計画を「作成中」です。にもかかわらず、本県全域におけるバランスのとれたIT化を促進するためのもととなるブロードバンドネットワーク、すなわち高速大容量の情報通信網について、まだ戦略もできていないこの時期に、その情報通信網となるケーブルテレビ事業を新宮地域へ導入することには疑問と不安を持つものです。また、県下のケーブルテレビの対象地域や基盤整備事業はどうなっていますか、お尋ねするものです。
 第二に、この新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業とは、地域に密着した緊急情報、福祉情報など地域の住民生活にかかわる情報や文化・教養情報などの多彩な情報を映像情報として提供し、インターネットも利用できる光ファイバーによる地方公共団体及び第三セクターが行う有線テレビ事業です。この事業は新宮から串本まで一市七町一村の地域を対象とし、全体事業費は約三十億七千万円。その負担割合は、事業主体である株式会社ZTV──昔の津テレビ──が半分の十五億、国は七億七千万、県三億八千万、広域市町村三億八千万で、今回の県の補正予算で一億八千万円が計上されているところであります。しかし、県も各自治体も、住民への情報を提供する事業計画が策定できていないのが実態であり、予算は来年度に繰り越されるだけです。ケーブルテレビをどう活用するかという事業計画を先に示すべきではないですか。
 第三に、山間部は、民間事業者単独では経済性からも基盤の整備が困難ですから、公的整備、支援を実施することも必要かもしれません。しかし、そのことの賛否やその手法についても慎重論や意見があり、特定の民間会社に協力することへの是非も問われます。そして何よりも、住民の中で十分な合意形成がない現状での事業のスタートは時期尚早ではありませんか。
 第四に、紀南地域には、山間部だけではなく市内でもテレビの難視聴地域があり、ケーブルテレビはテレビの難視聴の解消につながります。しかし現在、個人負担が二百円程度で見れたのが最低でも月千円となり、加入料や引き込み工事なども五万円程度の負担が必要で、多くの情報を必要とする者は歓迎ですが、そうでない者には迷惑な話、新たな負担増です。
 また、ケーブルテレビ事業が事業として成り立つには地域世帯の約五〇%の加入が必要ですが、加入率を上げるために行政に新たな財政負担や責任が生じることになっては困ります。経済的弱者に対する救済策や加入押しつけの禁止、情報格差の解消対策、行政の役割など、環境や条件整備は保障されているのですか。
 第五に、ケーブルテレビは新たな事業と雇用の場を創出しますが、反面、難視聴地域での共同アンテナなどの保守・点検などに携わってきた事業者の仕事を奪うことになります。ですから、ケーブルテレビの光ケーブルの埋設やその先の電柱の屋外配線、家庭までの引き込み工事や屋内配線工事など、地元に仕事や雇用が保障されるルールづくりを求めるものです。
 第二の項目の、同和行政、教育の終結についてです。
 平成十三年一月二十六日、総務省の「今後の同和行政について」の通達文書は、平成十四年三月三十一日に地対財特法の有効期限が到来し、特別対策の法令上の根拠がなくなることから、それ以降の同和地区の事業は、他の地域と同様に同和地区、同和関係者に対象を限定しない通常の一般対策を講じることを明らかにしました。その主な理由は、一、特別対策は本来時限的なものであり、これまでの膨大な事業の実施によって同和地区を取り巻く状況は大きく変化している、二、特別対策をなお続けていくことは差別解消に必ずしも有効ではない、三、人口移動が激しい状況の中で同和地区、同和関係者に対象を限定した施策を続けることは実務上困難であるというものです。
 私どもは、同和特別対策の法期限が終了することによって同和特別対策も基本的に終了することは、同和対策の過去の多大な成果を評価しつつ、その終了を歓迎するものです。ただし、しばしば行政当局より「特別対策は終わっても同和行政は終わらない」という言葉が聞かれますが、このような姿勢は一般対策と称して一部の同和特別対策をそのまま引き継いでいくのではないかと危惧を抱くものです。そうであれば、特別対策廃止の意義が薄れてしまうことになります。このような不安を抱かせないためにも、「地域や人を特定する特別対策は終了する」との立場を明確にすることが大切です。福祉保健部長と教育長は、この基本姿勢を明確に答弁してください。また、個別施策の廃止について、その具体的な段取りについての答弁を求めます。
 環境生活部長への質問ですが、和歌山県同和教育子ども会への補助制度について、当局は、「同和地区の子供に依然として学力差がある」、「差別に負けない子供の育成に必要だ」と事業を継続してきました。しかし、子供たちの社会にも基本的な差別はなくなってきており、今や学力差においても差別が原因として生まれていると考えられないところであります。
 このような状況にあるとき、同和地区と特定された地域のみ、しかも来年度からはその地域指定も法的に解除されるのに同和子ども会を設置し、たとえそれを隣接地域の子供に開放していても、子供社会全体の中で理解を得られるものではなく、なぜ特定地域だけの子供たちだけがという疑問に大人たちも答えられなくなってきています。必要性から言ってもその必要は認められず、実際に解散したり、解散を決めた子ども会が九十九地区中四十七地区との報告もあります。一方、母親子どもクラブは全体として活動は低調で、行政からの財政的支援も少なく、青少年の健全育成の観点からも、この際、同和子ども会への補助制度を廃止し、ひとしく全県の子供たちの健全育成に予算を配分すべきです。
 教育長への質問ですが、最初の基本姿勢以外に三点お尋ねいたします。
 まず、今までも和歌山県同和教育基本方針の見直しまたは廃止を共産党は主張してきましたが、特別対策が終了するに当たって、改めてこの基本方針の廃止を求めるものです。
 この基本方針は、今から二十八年前の一九七三年に策定され、部落差別をなくすという目的実現のため大きな役割を果たし、国民的、県民的努力の中で同和対策は大きく前進し、その結果、この基本方針の幾つかの規定は現実にそぐわないものになったのです。この基本方針の性格の規定する「はじめ」の項には、「わが国に、基本的人権をいちじるしく侵している部落差別が存在していることは、だれもが否定することのできない事実です。─中略─このため、今なお部落差別が人々の考え方や同和地区の生活実態のなかに生きています」とあります。しかしこの規定は、過去はともかく、今の現実を正しく反映していません。確かに、差別的な発言をする人が存在しても、今ではそれは圧倒的大多数によって批判される、差別を許さない社会情勢が生まれており、生活実態の中に部落差別が存在しているという状態ではありません。ですから、人権教育の振興に当たっても、常に「同和問題を中心として」というような教育行政は、現段階にあっては、差別をなくすという所期の目的にも合わなくなっています。特別対策が終了する時点で和歌山県同和教育基本方針を、「既に歴史的な使命は終わっている」として廃止すべきです。お答えください。
 次に、同和行政は、旧身分に対する差別をなくすために旧身分を公的に区別するという問題を抱えていました。法が終了する現在、旧身分を特定する行為を前提とした、児童生徒を対象とした県教委の「校区に同和地区を含む学校の状況調査」などは中止させるべきです。
 従来、「同和地区」と言われてきた地域は、特別対策と住民の努力によってその環境が大きく改善されました。人と人との交流も進み、県下の混住率は五〇%を超え、ところによっては同和地区に移住してきた世帯の方が多い地域も生まれています。同時に、婚姻の自由が飛躍的に拡大するなど、旧身分を特定することは不可能になっています。さらに、この調査は子供たちの身分を特定する調査であり、少なくとも本人または親権者の承諾や了解がないまま行われてきたものであります。このような科学的根拠と正確さを欠き、かつプライバシーにかかわる調査は、もうやめるときです。教育長、中止を約束してください。
 さらに、教員の同和特別加配はこの状況調査を基準にして行っていましたが、文部科学省財政課は、法期限終了に際し、「同和加配はなくすが、現行の加配教員は確保する。そして、課題を多く持っている学校への加配とする」としており、現在まで行ってきた加配に必要とした状況調査もなくすそうです。
 教育長、和歌山県は教員の同和加配を県単独分も含め廃止し、減員することなく教育困難校へ一般加配するのか、その点をお尋ねいたします。
 三番目の、自然と健康を守る環境行政の実現の松山の産廃について。
 六月議会で、良好な住環境が維持されるべき第一種中高層住居専用地域である新宮市松山の産廃自社処分場で、破砕機やベルトコンベヤーの使用が都市計画法の周辺地域の環境を悪化させるおそれのある工作物であるクラッシャープラントに該当し、違法ではないかと県の見解を尋ねました。部長は、この移動式破砕機の作業内容、使用状況などの報告を業者に求めた上で建築基準法を所管する国土交通省に工作物に当たるかどうか見解を求めるなどし、早急に判断するとお答えいただきました。しかしこの間、業者に作業内容、使用状況などの報告を求めてもいまだ報告がないそうですから要望にさせていただきますが、県は昨年の四月に、一般車両に搭載されたコンクリート破砕機であっても同一敷地内のみの使用である場合は土地に定着するものとみなされ、建築基準法で規制される工作物となることがありますと文書を出しており、県のこの判断は当然です。しかし、そもそも今回の破砕機の問題を建築基準法の狭い範囲で論じることは、間違いです。やはり原点の和歌山県の自然と人間を大切にする環境行政の根幹から、都市計画法で、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保する住居専用地域に指定された地域では、法の不備をついたような、環境破壊のおそれのある産業廃棄物の処理を許してはならないということではないでしょうか。
 他の都道府県に問い合わせても、法に抵触する以前の問題として行政指導の中で解決される事柄であり、問題になっていないのではありませんか。行政は、みずから住環境を守るために、定めた地域において少しでもそれを脅かすと考えられる場合には毅然とした行政姿勢を示し、行政指導するのが当然だと思いますので、その点を強く要望しておきます。
 次に、環境生活部長は、この松山の産廃処理場の焼却灰について、九月議会で、「(焼却灰の)長期間の保管は廃棄物の適正処理の観点から望ましくないため、適切な処理業者に処理を委託するよう指導している」との答弁でした。その後、適正に処理されていますか。
 この項二番目の、南谷の破砕の中間処理業の事前調査ですが、平成十二年四月十二日付で新宮保健所長から新宮市長あての「産業廃棄物に関する調査について」の書類が出され、五月一日付で市長の意見書が出されました。しかし、本申請がなされないまま、この間に廃棄物処理法が改正され、木くずまたは瓦れき類の破砕施設であって一日当たり処理能力が五トンを超えるものが廃棄物処理法第十五条に抵触する産業廃棄物処理施設となり、許可が必要となりました。こうした法の改正が行われた場合、当然、今までの意見書は無効とし、本申請があれば再度地元の意見を確認すべきではありませんか。また、意見書や申請書の有効期限を一年とするなど、一定のけじめある厳正な事務手続に改めるべきではありませんか。そして、産業廃棄物処理施設については、地元住民と業者の間で産業廃棄物施設の運営に関する合意事項などが保健所長と地元首長を立ち会いとして締結されている場合がありますが、もっと県としてもこれを奨励すべきだと考えますので、県の見解をお聞かせください。
 この項三つ目の、熊野川沿いの白見の滝付近での昭和六十三年から長年解決されない川沿いの不法投棄、埋め立てについて、土木部長は、六月議会で「その一部が河川区域内の盛り土の許可を求めた河川法第二十七条などに抵触しておりますので、現地で河川区域を明示するなど、除去に向けた取り組みをしております」と答弁されました。以前から、法に照らして厳正に対処するとのご答弁があり、今、熊野の世界遺産が叫ばれているときに、自然公園法が踏みにじられ、河川法に抵触しているにもかかわらずいつまでも解決できないのでは、世界遺産の登録は夢に終わってしまいます。現状をお尋ねするものです。
 第四項目ですが、十月二十九日、県教委は、二〇〇三年の入試から、県立高校全日制普通科の通学区域を全県一区にするという学区撤廃の方針を発表しました。余りにも突然のこの発表に県民の多くは驚き、中学校や高校の学校現場だけでなく、子供たちや保護者の中でも怒りと不安があり、同時に期待と、また疑問の声もありました。
 まず第一の疑問は、十分に県民の論議が尽くされたのか、県民の声を聞く努力がされたのか。県教委は、通学区のあり方について、通学区域を見直す必要があるとの意見やきのくに教育協議会からの報告を十分に参考にしながら検討を進めてきたとしました。しかし、どれだけ現行の通学区を見直す意見が出されたのですか。慎重論、反対論も、賛成と同じようにあったのではありませんか。お答えください。
 きのくに教育協議会からの報告を理由に上げていますが、きのくに教育協議会は、そもそも限られた委員と時間に拘束された協議会であり、全県の意見が集約できたとは思われません。その報告は平成十二年三月末に出され、その内容は、廃止だけではなく、反対も慎重論も含まれておりました。ですから、通学区域は中学校の進路指導や高等学校教育のあり方と深くかかわって検討すべき問題であり、県教育委員会においてはこれらの意見を参考にしながら、生徒や保護者の願いや地域の実態などを考慮し、幅広く検討されることを期待するとしています。それを県教委に判断をすべて任されたような誤った認識で庁内プロジェクトチームをつくり、そこで廃止の結論を出したのではありませんか。
 さらに、廃止の法的根拠である地方教育行政法の改正はことし六月二十九日であり、全国でも東京都以外まだ例がない状況からすれば、まだまだ論議に時間をかけたとしてもだれもが納得できるものであり、なぜこんなに急いで結論を出す必要がどこにあったのか、疑問です。教育長、十分な県民の論議が尽くされたと思いますか、お答えください。
 二つ目の疑問は、学校区がなくなったらどうなるかということです。私は、通学区について、もっと柔軟に、学区数も含めて県民の論議が必要で、不安や疑問、提案、要望にも耳を傾ける姿勢が求められていると、今でも思っております。
 例えば、県教委は通学区を撤廃することによって高校選択の自由が広がるとしていますが、果たしてそれだけでしょうか。確かに、どこにでも行ける力のある生徒にとっては選択の自由の広がりと言えるかもしれません。しかし、すべての生徒が行きたい高校に行ける保障はどこにあるのでしょうか。逆に、学区が広がることで地元の高校へ行きたくても行けない生徒がふえる心配はないのでしょうか。お答えください。
 また、県教委は、各高校がさらに特色づくりで競い合い、魅力ある学校になると言います。しかし、今ある学校間格差がさらに広がり、受験競争の一層の激化につながるのではないかとの不安もあり、生徒にとって本当に魅力のある学校づくりは別のところにあるのではないかと思います。また、受験競争は学校教育の大きな弊害となっていると思いますので、あわせて教育長の考えをお聞かせください。
 三つ目ですが、高校の通学区の問題は、これからの和歌山の教育を考える上で大変重要な位置を占めると思われます。にもかかわらず、賛成・反対がある問題について、県民の十分な論議の裏づけもなく、いろんな不安、疑問、批判、提案にこたえていません。今必要なことは、高校通学区を撤廃することではなく、撤廃を白紙に戻し、県民の関心の高まりを生かして県民の声や願いに耳を傾けることだと思います。今後のあり方について教育長にお尋ねをいたします。
 五項目の、安心して暮らせる地域づくりですが、近い将来発生が予想される東南海と南海地震の対策です。
 地震調査委員会は、七日、東南海と南海地震を想定した試算結果を発表し、東南海地震、南海地震とも、串本は最高クラスAの震度六弱以上としました。これらの地震は百年から百五十年の周期で繰り返し発生する海溝型の大型地震ですが、地震調査委員会が九月にマグニチュード八クラスの地震が三十年以内に発生する確率について、それぞれ五〇%程度、四〇%程度とする予想を発表しました。地震と津波の二重の被害が予想される地域でもある新宮では、その話題が地元新聞に詳しく報道されたこともあり、今回の震度の予測発表に大きな不安と地震対策に関心が高まっております。
 新宮では、一九四四年の昭和の東南海地震では死者八名、負傷者十一名、一九四六年の南海地震では死者五十八名、負傷者二百四十五名の犠牲があり、実際に遭遇された方もたくさんおられるわけですから、当然のことだと思います。国も、中央防災会議が専門調査会でさらに詳しい各地の震度や津波の高さ、被害予測を立てて来年度中にこれらの地域の防災強化策をまとめる方針です。
 和歌山県も、地域防災計画の見直しが迫られると思います。同時に、実際に熊野川流域の住民の中には、真剣に地震によるダムの崩壊を心配する人もおられ、住民の不安を少しでも和らげる対策や情報公開が必要であり、県の今後のあり方をお尋ねするものです。
 最後の佐野川、荒木川の河川改修についてですが、ことしも二回の洪水で生活道路の通行どめや農地への被害が繰り返されています。佐野川は、一九七四年から河川改修が進められています。しかし現在、河川改修の計画約三キロに対して半分程度の進捗状況であり、荒木川の改修についても、九百メートルの計画に対して三分の一程度しか改修が進んでいない状況です。この調子ではあと何年かかるのか、余りにも遅過ぎるのではないかという声が聞かれます。
 水害をなくし、安心して生活するために、河川改修は緊急の課題です。住民の長年の願いである佐野川、荒木川の河川改修を早急に進められるよう要望し、これからの改修計画をお尋ねするものであります。
 これで、一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(堀本隆男君) ただいまの金田眞君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) ケーブルテレビに関する五点のご質問につきまして、一括してお答えを申し上げます。
 インターネットを中心としましたIT革命がもたらす社会経済上の便益をすべての県民が享受可能とするためには、早急に県下全域において低廉な高度情報通信ネットワークの利用機会を確保していくことが必須条件であると認識してございます。このような考え方に基づき、さきのIT戦略の中間報告におきましても、二〇〇五年までに県下全域においてブロードバンド環境を構築していくことを重点戦略の一つとして位置づけたところであり、今回の本事業はその先導的な事業でございます。
 新宮周辺広域市町村圏におけるケーブルテレビ事業につきましては、三重県側と連携しつつ、地元市町村においても関係者との協議を重ねながら構想を進めてきたところでございます。
 本事業につきましては、テレビ難視聴対策への活用や来るべきデジタル構想への対応に加え、高速インターネットの利用や医療、福祉、防災、教育等の公的サービスへの活用等により当該地域における広域情報基盤としての利用が見込まれることなどから、今後ITを活用した地域活性化の核として期待しているところでございます。このような状況の中で、今般、国の補正予算において措置されることとなり、県といたしましても積極的に支援してまいることといたしました。
 今回のケーブルテレビの整備対象といたしましては、新宮周辺広域市町村圏の各市町村を対象に、新宮市に行政番組の制作スタジオや伝送装置等が設置されるセンター施設を整備し、周辺市町村に対しては光ファイバーによるケーブルネットワークを構築していくことが計画されております。
 新宮周辺地域以外の地域につきましては、ケーブルテレビを初め、今後の普及が期待されます無線アクセス、次世代携帯電話、さらには超高速通信が利用可能な、家屋まで配線される光ファイバーの活用を視野に入れつつ、各通信メディアの特性や民間事業者による整備の動向、国の支援策の活用、可能性等を総合的に勘案し、早期導入を目指して取り組んでまいる所存でございます。
 次にケーブルテレビの加入負担料等についてでございますが、共聴施設によるテレビの視聴に際しましては、通常時の個々の負担金は低額であるものの、新規加入や設備更新時の費用、それ以外にも共聴施設やケーブル周辺の草刈りを初め、災害時の復旧や施設の老朽化に伴う維持管理業務の増大などが利用者の負担となっているところもあります。加えて、地域の過疎化、高齢化に伴い、共聴施設管理組合の管理者が不在となっているところもあり、その維持管理の対応が懸案となっていると聞いてございます。したがって、ケーブルテレビの導入は、共聴組合の運営上の問題解消に資するとともに、今後におけるデジタル放送への対応に際しても有効な手段であると認識してございます。
 加入率を上げるため行政の新たな負担等につきましては、現在のところ、住民に対し、行政情報の提供を初め、防災、福祉、教育等の各分野にわたる行政サービスの提供を行うとの観点から、基本的には地元自治体の判断によるものと考えております。
 最後に、ケーブルテレビ事業に係る地元事業者への対応につきましては、ケーブルテレビ事業者は地元事業者と代理店契約を結び、一部ケーブルの敷設、宅内工事、後年度での機器増設への対応、保守・管理などを委託する意向であると聞いております。
 今後、具体的な事業展開に際しましては、地域の活性化を図る観点から、できる限り県内事業者への配慮を要請してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 同和行政についての基本姿勢と個別施策について、お答えを申し上げます。
 現在、県では、すべての同和対策事業について、施策ニーズを的確に見きわめながら事業の見直し作業を進めてございます。特別対策につきましては、事業実施の緊要性等に応じて講じられるものでありまして、状況等が整えば、でき得る限り早期に一般対策へ移行することとなります。
 県としましては、既に貸し付け等が行われている事業につきましては、要件の終了までの経過措置として現行事業の継続を行いますが、原則として、地域や人を特定した特別対策は終了し、県内全体の水準の向上に努める中で、必要とされるそれぞれの施策において人権文化の創造に向けて積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 環境生活部長秋月成夫君。
  〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 同和教育子ども会についてですが、現状を見ますと、現在も活発に活動している地域も多く見られます。また一方、完全学校週五日制を間近に控え、地域で子供を育てることがますます重要になってきておりまして、子ども会活動のような、地域の子供集団の活動を活性化させる必要があると考えております。そのため、子ども会活動が県下全般に広がるような観点を視野に入れながら、現在の補助要綱を廃止し、新たな補助制度の検討をしているところでございます。
 次に、新宮市松山の産業廃棄物処理関係のご質問にお答えします。
 焼却灰の保管につきましては、保管基準に適合しておりますが、保管が長期間に及ぶことは好ましくないため、事業者に対して適正に処分するよう指導してきたところでございます。
 なお、現在においても処分は実施されていないため、最終処分場において処分するよう引き続き指導してまいりたいと考えております。
 次に、南谷における中間処理業の事前調査と意見書に関するご質問ですが、平成十三年二月一日の改正廃棄物処理法施行令の施行により、一日当たりの処理能力が五トンを超える木くずまたは瓦れき類の破砕施設が設置許可対象施設となったことから、当該施設の設置許可申請に当たっては、行政指導で地元首長の意見の添付を求めることになります。
 また、事前調査書の有効期限については、現在改定作業中の事前調査事務取扱要領で、有効期限を設定する方向で検討中でございます。
 最後に、地元住民との協定等に係るご質問でございますが、地元の意見として生活環境保全上の見地から要望がございますれば、事業者に対して地元住民と協議するよう指導してまいりたいと考えております。
 以上です。
○副議長(堀本隆男君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 白見の滝付近の廃棄物の投棄につきましては、その盛り土の一部が河川区域内にあり、河川法第二十七条などに抵触しております。現在、除去に向け、監督処分など、さらに強い法的手段を含めた取り組みを行うため、和歌山地方法務局など関係機関と協議しているところでございます。
 次に、佐野川、荒木川の改修につきましては、昭和五十五年に中小河川改修に着手し、下流部より河道拡幅を行っております。今後とも、第五佐野橋上流の護岸工と用地取得の促進を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 東南海と南海地震対策についてでございます。
 ご指摘のとおり、本年に入りまして国において、長期評価の発表や中央防災会議での専門調査会の設置と、一連の重要な動きがあったところでございます。このような状況のもと、本年十一月に、本県を初めとした関係三十府県により東南海・南海地震に関する府県連絡会を設立し、国の地震対策に関する情報収集や情報交換を行うとともに、関係府県の地震対策の現状分析と今後の課題検討を行うこととしたところでございます。
 県といたしましては、これまでも震災対策計画の策定や地震被害想定システムの整備や自主防災組織の育成強化策を初め、種々の地震防災対策を講じてきているところではございますが、今後、国の専門調査会における検討状況などを踏まえながら、防災センターの整備や市町村とともに住民に対する防災知識の普及啓発を進めるなど、地震防災対策の強化に一層努めてまいりたいと考えております。
○副議長(堀本隆男君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 最初に、同和教育についてお答えいたします。
 県教育委員会は、「部落差別を取り除く人間を育成する」ことを目的とした和歌山県同和教育基本方針に基づき、一日も早い解決に向けて、学校、家庭、地域と一体となってこれまで取り組んでまいりました。この間、多くの県民の方々の努力により、地区児童生徒の学力や意識の面において、解決に向け、相当の成果を上げてきました。しかしながら、学校での差別事象等の発生や、大学や短大への進学率に依然として大きな格差があることなど、今なお残された課題が存在しております。
 教育委員会といたしましては、教育の果たす役割を重く受けとめ、特別措置法の期限後においても、一般対策に工夫を加えつつ、必要な取り組みを推進してまいることを基本認識といたしております。
 次に、校区に同和地区を含む学校の状況調査についてのご質問でございますが、同和教育を進める上での基本的な調査であると認識をいたしております。
 加配教員の件につきましては、現在、各学校の教育課題を把握するとともに、国の動向も踏まえて慎重に検討を行っているところです。
 次に、二つ目の高等学校の学区制についてお答えいたします。
 平成十年、十一年の二カ年にわたって協議をしていただきましたきのくに教育協議会の報告や各方面からのご意見等を十分参考にしながら、平成十二年五月から、庁内に設置したプロジェクトチームにおいて幅広く検討を進めてまいりました。この間に国において法改正が行われ、通学区域の設定は教育委員会の判断にゆだねられることになりました。
 種々検討を行った結果、学区制が持っている歴史的役割は終えたと考えられることから、また生徒の学校選択幅を拡大するとともに、高校教育の個性化、多様化を一層推進するため撤廃するという結論に達したものであり、平成十五年度入学者選抜から実施することといたしました。
 生徒や保護者の不安ということでございますが、このことに関しては、十分にその点を考慮し、実施までに一年半という期間を設けるとともに、現在、県のホームページにもこのことについての意見の提示をお願いするページを掲載し、ご理解をいただくよう努めているところであります。
 また、プロジェクトチームは引き続き存続させ、生徒、保護者への情報提供等について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 さらに、各高校の特色づくりについては、神出議員にも昨日お答えいたしましたように、これまでも総合学科や専門学科の設置、単位制への改編など、さまざまな改革を進めてきたところでありますが、今後とも高校教育の個性化、特色化をより一層推進してまいりたいと考えております。
 終わりに、高等学校入学者選抜につきましては、偏差値偏重など過度の受験競争の弊害が課題となる中で、生徒みずからの進路希望や適性等を踏まえた適切な進路指導を進めるとともに、推薦入学の拡大や学校、学科の特色に応じた選抜方法の改善を行ってきたところであります。
○副議長(堀本隆男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十五番金田 眞君。
○金田 眞君 土木部長、白見の滝の不法投棄の件ですが、今回、中央法務局と協議をしているということであります。現場の測量もしていただき、また航空写真も利用していただくなど、いろいろとご苦労していただいているようでありますけれども、こうした厳しい姿勢を示すことによって、その行為を行った者が反省し、みずから撤去すると、そういうことを私は基本的には望んでいるわけで、あえて、別に法律で裁いてもらおうと、そんなことは必要ないと思っているんですが、残念ながら長い間放置されている状況でありますので、ぜひ強い姿勢で最後まで指導していただいて、本当に、熊野川きれいやな、ほんまの自然があるなと、こう言っていただけるような熊野川にぜひしていただきたいということを強くお願いしたいところであります。
 さて、教育長、私は「教育は合意によって進める」という言葉が好きです。また、「民主主義は手間と時間と金がかかるもの。それを惜しんだらよい結果は望めない」と教わりました。
 再質問ですが、四点あります。
 学校区については、賛成も反対も、推進論も消極論もあっていいと思います。しかし、それを決定する経過、それが大事だと思うんです。例えば、きのくに協議会での論議についても、その協議会の中に設置されている通学区域専門委員会の委員が九名、三回の論議、そして十九名の全体会議を行ったと。そういうことですね、この間。いろんな意見もあり、学区についての方針がまとまらず、学区制をどのようにするか結論が出なかったのではありませんか。
 また、庁内のプロジェクトチームのメンバーは、二人の次長と五、六人の課長であり、平成十二年五月から九回の会議をしたそうですが、校長会の校長も、保護者の方もメンバーには入っていません。これでは、県教委の身内だけで、学校現場の生の声も、保護者の声も、子供たちの声も反映されているとは思いません。これで論議を十分に行ったとは思えませんので、もう一度お答えください。
 次に、同和教育の基本姿勢について、はっきりとお答えください。今、国も、そして先ほど知事部局も、「地域や人を特定する特別対策を終了する」と明確にしているのに、教育委員会はなぜそのことを言えないのですか。理解できません。私の質問の仕方が悪いから意図がわかってもらえていないのでしたら、私の責任ですから、もう一度お尋ねいたします。地域や人を特定する特別対策は終了するのか、このことをお答えください。
 三つ目の質問は和歌山県同和教育基本方針の廃止についてですが、この基本方針の「はじめ」の部分に、「「同和対策審議会答申」の精神及び「同和対策事業特別措置法」の趣旨にのっとり、教育行政機関の責任を自覚し、この基本方針を作成しました」とあり、その別記にも、「「同和対策審議会答申」と「同和対策事業特別措置法」に基づいた長期計画による年次計画をたて、すべての人々が納得できるすすめ方で、同和教育の効果を高めるようつとめること」と基本方針に書かれているわけですから、その根拠とする特別措置法がなくなるわけですから、それに基づく基本方針を廃止するのが道理ある姿ではないかと思います。お答えをお願いいたします。
 最後の質問は、状況調査についてです。県教委は、地対法が廃止されるのに、何を根拠に子供たちの旧身分を暴くような行為がなぜ許されるのか。その法的根拠と特定する基準をお答えください。
 以上です。
○副議長(堀本隆男君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 金田議員の再質問にお答えいたします。
 最初に、学区制にかかわる合意形成というか、多くの県民からの意見を聴取したのかという点でございますけれども、最初に根拠といたしましたきのくに教育協議会は、まさに、お話ありましたように十九名の各界各層からの極めて幅広い委員の皆様方を委員に委嘱してご議論を願ったわけでございます。
 確かに、最終結論が一本になってはおりませんでしたけれども、この議論の過程の二年間、私もずっと傍聴させてもらい、時には論議に参加させてもらってきておりますから、そのプロセスはつぶさに知っているつもりでございますが、その中で随分活発な議論が交わされました。圧倒的多数は、学区は現状のままではぐあいが悪い、拡大あるいは廃止という意見が多かったというふうに記憶しております。ただ、少数意見ということも尊重するという協議会の趣旨から、最終報告にはそのこともあわせて記載されているということでございます。
 それから、協議会終了後、これを受けて県教育委員会として一定の結論を出すようにということでありましたので、平成十二年の五月に庁内にプロジェクトチームをつくって、お話ありましたように約一年半にわたり幅広い検討を重ねてまいりました。
 その過程で、多くの皆様方の意見を聞く方法は種々あろうかと思いますが、私どもは、例えばインターネットで広く意見を聞くと。今の社会の一つの方法であろうと思います。それから、中学校の校長会に対して投げかけてこのことについての意見を聞くということを各地方ごとに行いました。もちろん、高等学校の校長会にも、受け入れる側でございますから提起をして、この学区制の問題についての意見を出してくれということを申し上げました。さらに、PTAにも重ねて呼びかけて意見をいただいたところでございます。が、それよりも一番大事なのは、この間において県民の代表である県議会においてこのことが随分論議がされてきたということが挙げられると思います。正確な数字は覚えておりませんが、四回ないし五回、本会議並びに文教委員会でこのことが論議をされ、ご意見をちょうだいしているわけであります。その中で、学区制は現状のままでいいとかという意見は全くなかったというふうに私は記憶をいたしております。
 それらを種々総合いたしまして、今回の結論に達したわけでございまして、合意を得ることの重要性、さらに手間暇をかけることの民主主義の価値ということは、金田議員と私は基本的な認識に違いはないのではないかと思っております。
 次に同和教育の進め方に関して、基本認識の部分で知事部局と教育委員会が違うのかという趣旨のご質問かと思いますが、同様でございます。先ほど福祉保健部長からお答えありましたことと私どもは、基本的には変わりません。ただ、これは原則としてということでありますから、教育は教育なりの課題がございます。それは先ほどの答弁で申し上げましたように、それを補足させていただければ、同和地区児童生徒の不登校率は一般地区全体の二倍半に上っています。それから、家庭状況、保護者の経済状況を見ても、明らかな違いが存在しております。その中から、結果的に大学、短大の進学率の格差は一六、七%。これを決して小さな無視してもいい格差だと、私も思っておりません。そのような現状認識の中から、確かに地対財特法はこの三月で切れますが、もちろんその中で一般施策という形で行っていきますけれども、同和教育は継続をしていく必要性を感じておりますので、したがって、三番目のご質問にありました和歌山県同和教育基本方針を廃止する考えは現時点では持っておりませんし、同和教育は正確な実態の把握に基づいて行わなければならないという一貫した原則のもとでは、四番目のご質問でございます、校区に同和地区を持つ学校の状況調査は基本的に必要な調査であると、先ほどのお答えになったものでございます。
○副議長(堀本隆男君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 二十五番金田 眞君。
○金田 眞君 私は、学区制について反対意見も賛成意見もあると。私自身も、文教委員会の中で、この学区制の問題について発言をいたしました。それは、そうした前提の中で十分に論議をしていく、そうした声が必要ではないかと、私はその主張をしました。すべてが賛成した、そんなふうにとらえていたのでは迷惑です。その点は、はっきりさせておきたいと思います。
 さて、教育長、同和問題についてでありますけれども、人や地域を特定しない、原則として特別対策はしないと。このことについては、今おっしゃられましたので、そのことを確認してよしとしたいと思うんです。
 しかし、再質問ですけれども、同和地区は大きく変わりました。はっきり言って、「一般地区と変わらなくなった」と言ってもいいのではないかと思っています。したがって、特別対策である同和事業や教育などは終結の時期に来ている。だから、これも国は方針を出したんではないでしょうか。そうしなければ、新しい差別を生むことになります。今、現に、もう生み出してきているんです。同和行政を続けていることによって新たな差別を生むならば、今、同和行政をやめる、教育をやめていく、これは当然のことだと私は思います。しかし、同和問題すべてが問題が解決したとは思っておりません。重要なことは、特別なことをしなくても、自然な交流を続けていけば同和問題が解決するとき──その時代を今迎えたんだ、私たちの力で、みんなの力でここまで来たんだと。そのことであります。そのことをぜひ認識してほしいんです。これ以上同和教育を続けることは、差別をなくす弊害になります。垣根を残してしまいます。
 状況調査を続けるということは、教育長、人や地域を特定しないというそのお話に反することにはなりませんか。その点について、一点お答えをお願いいたします。
○副議長(堀本隆男君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) もうご存じのことだと思いますが、地対財特法の期限切れをもって同和問題は終了するものではないということについては、地対協の意見具申に明確に述べられております。やり方、方法は変わってきても、やらなければならないことは、残念ながらまだあるという立場に私どもは立っております。その中で、どういう正確な、一般施策という形をとるにしても行っていくためには、先ほど申し上げたような実態から学ぶということがなければ方向性を誤ることになると考えておりますので、特定身分を暴くとか、人や地域を特定すると、そのことを目的に行う調査ではございません。当然、プライバシーの問題も配慮しながらやってきておりますし、早くこういうことを行わなくてもいい時代が来ることを願っている点では同じだと思いますけれども、まだそこまで来ていないというのが私どもの認識でございます。
○副議長(堀本隆男君) 以上で、金田眞君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時三分散会

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