平成13年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(門 三佐博議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(堀本隆男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 七番門 三佐博君。
  〔門 三佐博君、登壇〕(拍手)
○門 三佐博君 本日は、議長並びに皆様方のお許しをいただきまして一般質問の機会を与えていただきましたことを大変光栄と、心よりお礼申し上げます。
 木村知事が昨年数多くの県民の皆さんのご信頼を得られて県知事としてご当選されて就任後、私から質問するのが初めてでございますので、よろしく適宜ご答弁いただきたいと思います。
 私は、今回、第一点といたしまして道路の整備と充実について、特に阪和間に通ずる国道四百八十号のトンネルの早期建設促進について、第二点といたしまして和歌山県立医科大学附属病院紀北分院の改築による充実について、第三点といたしまして警察行政について、警察官の増強等、交番・駐在所の充実の問題や妙寺警察署の改築促進について、また警察署協議会の設置状況と実態についてお尋ねいたしたいと考えております。
 木村知事は、昨年の夏、自治省(現総務省)の幹部の職籍があり、大阪府副知事を務められ、将来、省内の重要なポストが約束されているような立派な立場でありましたが、西口勇前知事が健康上の理由によりご勇退されました後の候補者として、以前、本県の総務部長を務められ、数々の実績と人脈を有し、本県内事情に精通されているということで、内外の要路の方々の推挙により、退路を断ち切って敢然と立候補されました。短い選挙期間と大変暑い暑い時期で非常に苦しい選挙戦でしたが、それを見事に戦い抜きまして、県内数多くの方々のご支援により、見事初陣を飾られました。それは、九月三日の夜半でしたね。スピード知事の誕生と責任の重さを痛感され、生涯忘れぬ日となったものと推察いたします。
 月日のたつのは早いもので、あの日からはや一年余りが過ぎました。着任後は、緑の雇用事業や道路予算確保など、あらゆるマスメディアに登場し、和歌山発の重要な発言が目立っている中、中国、韓国、アルゼンチン等の諸外国訪問も行い、文字どおり東奔西走、県民の幸せをいちずに日夜ご活躍いただいていることに敬意を表し、感謝申し上げます。
 また、道路問題の質問の前に一言お礼申し上げます。
 懸案でありました高野口野上線のかつらぎ町星山─天野間のトンネルが先般見事に完成し、開通式が去る十二月四日、知事代理として、きょうは公務で不在でございますが大平出納長が出席されまして、盛大に開催されました。本当にありがとうございました。
 また、花園村民の悲願でした県道花園美里線の梁瀬─長谷宮間の延長約二千メートルの地蔵トンネル建設についても既に発注もされまして、本会議で議案百四十二号の「工事請負契約の締結について」ということで上程されておりますが、いよいよ本格的に着工されることになりました。奥地であり、不便な生活に耐えている花園村、清水町の方々は、紀の川筋に出る時間が大変短縮され、一日も早く無事完成を待ち望んでおります。県土の均衡ある発展を主張されています木村知事の思い入れの一つであると信じ、深く感謝する次第でございます。
 道路の整備と充実の質問に入る前に、今になっては知事も余り思い出したくないかと思いますが、これが木村知事の選挙のときの公約の公報であります。こちらは入会申込書でございます。こちらはパンフレットで、こちらの方は選管発行の選挙公報であります。その中には「二十一世紀のトップランナーへ ゴー・ゴー わかやま創造計画」とあり、いろいろ詳しい政策が出ておりますので、また思い出していただくために。(資料を渡す)
 それでは、道路の整備と充実について質問させていただきます。
 国道四百八十号仮称平トンネル──これは阪和間でございまして、那賀町、かつらぎ町と大阪を直結できるトンネルでございます。先ほど渡しました選挙の公約でも、知事は道路整備と充実を柱に置かれておりまして、知事は、当選後、常に本県の発展についてじょうごの入り口を大きく広くしなければならないと言われておりますが、私も、この知事の考え方に全く同感でございます。このことは、府県間道路をよくし、紀北から紀中、紀南へと発展策を考えているものと思います。
 府県間道路はたくさんございますが、一に第二阪和国道、二に国道三百七十一号、三に一般国道四百八十号、四として主要地方道泉佐野岩出線などであり、それぞれ大阪府のご協力も得ながら改良が進められているところですが、私が今回質問いたしますのは、国道四百八十号の仮称かつらぎ町平トンネルについてであります。
 かつて本議場におきまして同僚佐田議員からも質問があり、これの完成を強く要望されたところでありますが、このトンネル構想につきましては、私は初当選の後の昭和五十二年十二月十六日──大分以前のことでございますが──この本会議場において、当時の仮谷知事に質問と提案をいたしました。そのときの朝日新聞、毎日新聞の県版には、「かつらぎにトンネル」、「知事、トンネル構想示す」などと大きく掲載されて報道されました。全長三千七百メートルに及ぶ長大トンネルであります。しかし、いまだに緒につかず、ここ数年の県予算政府要望重点項目の中に、国道四百八十号の府県間トンネルの国土交通省直轄代行事業の早期採択についてと要望されておりますが、この路線につきましては、トンネルに至るまで、四郷地区において工事用道路を兼ねたバイパス建設について、滝第一トンネルがただいま貫通され、既に滝第二トンネルが着工の運びとなっている上、用地買収の方も相当進んでいることも伺っていますので、この長大トンネルの貫通は、伊都・那賀地方と大阪との人・物・情報の交流が一層深まり、地域発展の原動力になるものと信じております。
 四郷地区はくしガキづくりの里としてただいま発展しつつありますが、大阪方面との交流の歴史も深く、去る十一月二十三日には、数多くの和泉市の方々や町内外の方々が集い伝統の串柿まつりが行われ、木村知事のご出席も賜り、盛大に実施したところでございます。
 この路線の今後の見通しと強い発言力を有す大阪府との協議内容について、知事と土木部長の見解をお尋ねいたしたいと思います。
 次に、四百八十号志賀バイパスの梨子ノ木トンネルの建設促進についてであります。
 この路線は、世界遺産暫定リストに登録されています、高野山と京阪神を直結する重要路線であります。志賀バイパスと梨子ノ木トンネル建設の今後の見通しについてお伺いいたし、建設を推進していただきたく、お願いいたします。
 次に、和歌山県立医科大学病院紀北分院の充実についてであります。
 紀北分院は、和歌山県立医科大学附属病院の大学病院の分院として、今日まで医療、教育、研究機関としての重要な使命を担っていることは言うまでもありません。また、地域住民にとりまして、健康管理、生命の保持のため、県の施設として大変信頼も厚く、なくてはならない病院でございます。
 ここに、平成四年に刊行されました「紀北分院のあゆみ」という二百三十ページ余にわたる通史・展望、沿革、将来の展望、部門誌、思い出編、資料編等から成る貴重な資料がありますので、一部抜粋して紹介させていただきたいと思います。
 「沿革」としての見出しの中に載っておりますことは、「(一) 紀北分院のルーツは組合立病院 紀北分院の敷地および建物の歴史は遠く昭和十三年まで遡ることができる。すなわち、伊都郡購買販売利用連合会が設立した紀北分院が現紀北病院の母体である。紀北病院設立の社会的背景は次の通りである。昭和恐慌の後、紀北地方も農村地帯として例外ではなく疲弊し、生糸の暴落から紀北分院現在地にあった製糸工場も廃業に追いやられた。当時の医療費の増大は農村窮乏に拍車をかけていたので、地域内に設備の良い病院を持つことが農村疲弊の打開のためにも要望されていた。折しも、中部東海地方で農業組合が名古屋医科大学(現名古屋大学医学部)の応援を得ながら病院を設立する動きがあった。この動きをみた当地の識者達が病院設立を決意し──多くの方々の力で──病院が設立される運びとなった」。昭和十三年三月一日に開院された紀北病院は、ちなみに建設費は五十万円。当時の院長の月給は三百三十円、副院長は三百円であったとのこと。「その後経営機関が和歌山県農業会、ついで和歌山県指導農業共同組合連合会へと代った」。
 見出しの二としまして、「紀北病院から医科大学附属病院紀北分院へ」。「昭和三十年一月一日和歌山県がこれを買収し、和歌山県立医科大学附属病院紀北分院として発足した。買収費は二千六百万円(中略)ちなみに、地域住民は現在のこの病院を紀北分院よりもむしろ好んで紀北病院と呼び、(中略)県が紀北病院を買収したあと県立病院とするか、本学附属病院とするかについてはかなり議論があったが、結局病院側の強い希望で後者──附属病院──となった。大学側としては附属病院の病床数も少なく、分院を持つことによっていささか体裁を整える必要を感じたのではないか」。当時の和医大にとりましてはなくてはならない重要な施設であったことが推察されます。
 見出し三として、「宮野分院長の時代」。二代目分院長として活躍されたかつらぎ町在住の宮野義美先生は、後に和医大学長を務められましたが、この草創期に大変ご尽力され、ご功労は筆舌に尽くしがたいことがあることも記されております。私も、この質問に当たり、昨夜先生に電話を入れましたところ、お元気そうな声でお話しされておりまして、そのときの労をねぎらった次第でございます。
 見出しの「将来の展望」といたしまして、「紀北分院は経営状態の悪化から某大学への身売り話さえ出た昭和五十五、五十六年頃の危機的な状態から脱却して順調に再建への道を歩み、近年は和歌山県北部における地域医療の基幹病院として一定の評価を得ているように思われる。しかし、内外の現況を分析すると、紀北分院は大きな転機にさしかかっていると言わざるを得ない。その理由の一つは和歌山県立医科大学の(中略)統合移転に伴って紀北分院の位置付けに変化が予想されることであり、もう一つは完成後三十年近く経過した施設の老朽化が進み、診療レベル向上のための機器や施設の導入が不可能となって、いずれは患者数の減少を来す恐れがあると考えられ、改築を含めた抜本的な対策が必要と思われることである。診療実績の好転に伴い、数年前までの「紀北分院は某大学へ身売りすることになっていた」というような発言は最近では聞かれなくなっているが、再び経営状態が悪化した場合には身売り話などが再燃する可能性は否定できない。紀北分院の将来を考えると常に大学の附属病院にふさわしい診療内容の充実をめざして努力する必要があることは言うまでもないが、それとともに、十年以上先を見通した将来構想を立て、その実現に向かって積極的に行動を開始する時期が来ていると考えられる」など、記述されております。
 このように先人たちのご苦労と情熱がにじみ出ている文献でありまして、和医大にとりまして重要な大学史となるものと信じている書物でございます。
 今までは、この本の抜粋のところでございました。これから質問に入ります。
 特にこの医療につきましては、第三次和歌山県保健医療計画により、橋本市・伊都郡から成る橋本保健医療圏にあり、国保橋本市民病院とともに基幹病院として重要な役割を果たしてきておりますが、現在、病院経営を取り巻く環境は、近年の少子高齢社会の中での疾病構造に大きな変化が見られるなど、先月の国における医療制度改革大綱の発表などを見ましても低迷する経済の中での医療制度改革等が進められようとしており、紀北分院だけではなく病院を取り巻く環境は内外ともに大変厳しく、あらゆる面で改革が求められることは間違いないところであります。
 さらに、紀北分院においては、その施設が約四十年以上も経過し、老朽化しております。また、立地の上で増築できない状況の中で部分的な改修整備がなされ、診療機能の充実が図られてはきているものの、現施設は今日の高度医療に対応した機器整備等が困難な状況になってきており、患者に満足してもらえる医療を提供するには十分とは言いがたいのではないでしょうか。さらには近隣において、公立那賀病院が整備され、橋本市民病院も目下整備が計画中であります。橋本市新市民病院は橋本市北部住宅開発地に移るため、旧市内及び伊都郡の住民から交通上少し不便となり、紀北分院の存在がさらに高まるかと思います。
 こうした社会的、経済的環境の激変する中で、現在、紀北分院にとっては大変重要な時期に差しかかっており、かつ大きな分岐点にあると言っても過言ではございません。また地元の地域におきましても、紀北分院の整備充実につきましては、平成八年、南衛かつらぎ町長らが尽力されまして、かつらぎ町を中心に紀北分院等整備促進協議会が結成され、毎年度、紀北分院の整備充実強化に関する要望書も知事並びに関係者に提出され、地元からその早期な整備実現について強い要望も続けられているところであります。
 これからの病院経営を取り巻く環境は、先ほど申し上げましたとおり、内外ともにさらに大変厳しく、あらゆる面で変革が求められていることは間違いないところであり、紀北分院が今まで以上に橋本保健医療圏においてそれぞれの機能分担を図り、他病院、診療所と連携しながら地域住民の方々に信頼される病院づくり、患者本位の良質な医療を提供できる病院づくり、よりよいマンパワーの育成できる病院づくりを目指していかなければ多くの利用者の期待にこたえることができず、低迷する一方であると考えます。今は、一日も早い紀北分院の改築整備を総合的に行わなければならない時期に来ているのではないでしょうか。
 そこで、設置者としての知事にお伺いいたします。
 知事が本県総務部長としてご在任されていたころ手がけてこられました大学附属病院は、今は統合移転し、名実ともに立派に運営されている今日、医科大学として紀北分院の改築整備について、今後の取り組みと、関係地元自治体の協力体制と役割についてお伺いいたします。
 次に、学長に対し、紀北分院の今後の位置づけと診療科等の再編整備についてどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いいたします。
 次に、県民に信頼される警察行政の推進についてお尋ねいたします。
 一つ、警察官の増強と支援機材の充実についてお尋ねいたします。
 私どもが日常生活の中で人命、財産保全が一番重要な課題であり、県行政の適切な対応や警察行政の役割が非常に大きいものであります。本県治安対策については、岩井本部長のもと、万全を期されていることと思います。しかし、警察を初め関係者の懸命なご努力にもかかわらず、近時、刑法犯罪はさらに増加の傾向にあります。
 本県の治安情勢につきましては、平成十二年の資料を見ましても、刑法犯は五年前よりも三二%増、二万一千九百六十一件発生し、全国で第七位であり、うち重要犯罪(殺人・強盗等)は五年前の七二%増であります。通り魔的犯罪、路上強盗、ひったくりなども倍増されている現状です。覚せい剤検挙も二百九十三人と全国第二位を占め、少年犯罪も例年の倍増や、交通事故の人身事故も九年連続で増加しております。
 本県だけではなく全国的な問題ですが、少年非行の粗暴化、低年齢化、来日外国人犯罪組織や密入国、暴力団事件など、連日、新聞紙面を見ても目を覆うような事件が多発しているのが現状であります。こうした犯罪の多発の原因についてはそれぞれ種々雑多であると思いますが、こうした事件の発生は、県北部地域で七五%も発生している現状から、京阪神に近接し、大阪南部地域と接近しているために人・物・車の交流が頻繁であり、やはり都市化が進み、匿名化社会となりつつあり、従来地域社会が伝統的に持っていた防犯意識が低下するなども一つの要因でないかと思います。
 このような現状を見て、犯罪や事故から県民の生活の安全を守っていくため、マンパワーの強化が必要であると思います。警察官の増強と捜査支援機材の充実について、本部長のご見解と抱負をお伺いいたします。
 第二点といたしまして、交番・駐在所の充実についてであります。
 交番・駐在所は、地域住民から最も信頼され、親しまれている警察の施設であると思います。地域住民の安全を図り、平穏を確保するためにはなくてはならない重要な組織です。その歴史も長く、地域住民から大変な評価もされているところであります。また、諸外国も日本の交番・駐在所の制度を取り入れ、実効を上げているというようなニュースを伺ったこともあります。
 最近、私どもの近くでも、空き巣、こそ泥、痴漢、浮浪者の出没、放火などがあり、身近に不安を感じている方が多いと聞いております。一番相談に行きやすい交番・駐在所に警察官がいなかったために事件を未然に防ぐのがおくれたとか、夜間に宿直者がいないので不安であるとかの声が聞こえてまいります。
 私は県下全般のことについてわかりませんが、私の住む妙寺署管内をとってみましたら、高野口の交番は四名です。笠田の交番は三名です。そういう体制と伺っておりますが、人口も多く、地域も広いこういうところで、二十四時間、この陣容で受け持つのは大変ではないかと思っております。また駐在所においても、奥様に同居いただき、地域住民との触れ合いの中から信頼される警察づくりの規範にしていただきたいと考えておりますが、県警本部長のご所見をお伺いいたします。
 第三点といたしまして、妙寺警察署の改築についてお尋ねいたします。
 警察署の改築問題につきましては、歴代本部長の肝いりによりまして計画的に適時取り組まれ、和歌山西署、岩出署、海南署、有田署など、以前とは見違えるような立派な近代的な庁舎が建設なされております。
 私の住む管内の妙寺警察署でありますが、かつらぎ町妙寺の国道二十四号直近のところに位置しまして、築後四十年近くもたった大変老朽庁舎でございます。警察庁舎の中には、中島幸弘署長さんを初めとして立派な警察官や職員の方々が働いてくれておりますが、庁舎内は大変狭隘なため、仕事にも支障するような実態でございます。外来者に応対するところもありません。加えて、国道二十四号の拡幅により、道路が警察署の軒下を通るようになりました。また、免許証更新の講習の日などは、駐車場も少なく、大混乱を招いております。このような状態の中で、住民に利便のよい妙寺署の改築は急務であります。妙寺署の改築につきましては、あと何番目にご計画されているのか、いつごろしていただけるのか、岩井県警本部長のご見解をお伺いいたします。
 次に第四点といたしまして、警察署協議会の設置状況と実態についてお尋ねいたします。
 警察署の業務運営に住民等の意見を反映させるために、各警察署の所轄区域内における警察事務の処理に関し、各警察署長の諮問に応ずるとともに、警察署長に対し意見を述べることを目的とした和歌山県警察署協議会条例が去る六月一日付をもって施行されたところでありますが、設置の状況や委員にどのような方が委嘱されているのか、また運営の実態についてお尋ねいたしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。皆様、ご清聴、どうもありがとうございました。
○副議長(堀本隆男君) ただいまの門三佐博君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまはいろいろな資料を見せていただきまして、本当にどうもありがとうございました。
 まず最初に、国道四百八十号線の平トンネルについてのご質問でございます。
 私は、選挙のときの公約でも、そしてその後もずっと、開かれた和歌山県をつくっていく、そのためには京奈和自動車道であるとか府県間道路であるとか高速道路の南伸、こういうふうなものが非常に大事だということは常に言い続けているところでございます。
 そういう中で、この国道四百八十号線は府県間道路の一つとして、京奈和自動車道と関連を持って和歌山県にとって非常に大事な道路であるという認識を持っているところでございまして、直轄代行の制度の採択も含めて、大阪府と協力して早期に整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
 ただ実は、大阪府の方とこの府県間道路についていろいろ協議を進めているんですけれども、あちらも非常に財政が厳しくて、この間、ちょっと後ろ向きの話があったときも大分いろいろな協議を進めたということで、より以上に大阪と連携してということが大事だと思いますので、そういう点も力いっぱい頑張っていきたいと、このように思っております。
 それから次に、紀北分院の問題でございます。
 私も紀北分院の重要性については十分認識しているところでございまして、平成十二年度から県の方でも検討委員会を設けて、診療体制でありますとか経営のあり方について鋭意検討を進めているところでございます。
 近年、医療制度全体の見直しの問題が一つあるのと、それから国立大学の医学部について独立行政法人化の問題が出てきておりまして、これは公立医科大学についても同じような形ということになってくると思います。
 そういうふうな中で、この紀北分院があるべき姿としてどんな形がいいのか──やはり建物も老朽化してきているので早急に考えていかないといかんということを思っておりますし、それからこの病院ができたいきさつを今お伺いしたわけでございますけれども、そういう中から地元の自治体との間の協力関係というふうなものをどんな形で構築していき、そして地域の方々に一番喜ばれるような診療を行う体制はどういうのがいいのかということについて、やはり真剣に鋭意検討していきたいと、このように思っております。
○副議長(堀本隆男君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 道路の整備と充実についてでありますが、先ほどご質問の中でもありましたように、かねてから議員も提唱してこられました国道四百八十号の府県間トンネルにつきましては、府県境をまたぐ長大トンネルであり、高度な技術を要するため、直轄代行事業の採択を国に強く要望しているところでございます。今後とも、トンネルへの取りつけ道路となります平道路の整備を進めるとともに、大阪府側の事業促進を働きかけてまいります。
 次に、国道四百八十号志賀バイパスと梨子ノ木トンネルにつきましては、両工区を統合しまして梨子ノ木バイパスとして新規事業採択されたところでございます。今後は、トンネルを先行して施行するため、調査・設計を進めるとともに、地元の皆様にご協力をいただきながら坑口までの用地買収を促進し、早期着工を目指して努力してまいります。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 医科大学学長山本博之君。
  〔山本博之君、登壇〕
○医科大学学長(山本博之君) 医科大学として紀北分院の位置づけと充実対策についてお答えいたします。
 紀北分院につきましては、大学内の紀北分院整備検討委員会におきましてその存在意義を含めて真摯に点検いたしまして、今後のあり方について検討しているところでございます。
 紀北分院には、社会の要請に対応した医師の育成のためにも、また大学附属病院としての機能を全うするためにも担うべき役割がございます。さらに橋本・伊都地域の保健医療におきましても、紀北分院には果たすべき重要な役割があると考えてございます。
 議員ご指摘のとおり、近年の高度化、多様化する医療ニーズ、近隣の医療機関の整備状況等から見まして、紀北分院がその使命を果たすためには分院の施設、設備は十分とは言いがたい状況がございまして、整備が必要であると認識してございます。
 大学といたしましては、これからの保健医療のあり方や那賀保健医療圏を含めた橋本保健医療圏における医療ニーズ、この地域における医療機関の機能分担等を勘案いたしまして、紀北分院を特色ある、地域貢献度の高い診療機能を持つものに整備充実し、大学全体として総合的なパワーアップにつなげてまいりたいと考えてございます。
 しかしながら、ご承知のとおり、昨今の病院の運営・経営環境には厳しいものがございまして、国においては大学は独立法人化の方向にございますし、本学でも、本院、分院をあわせて健全な経営を視野に入れて考える必要がございます。
 分院の整備につきましては、現在、このようなことを踏まえて具体的、計画的な整備充実策の検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕
○警察本部長(岩井良行君) 県民に信頼される警察行政の推進についてお答え申し上げます。
 まず一点目の、警察官の増強と支援機材の充実についてでございます。
 最近の治安情勢は、議員がご指摘になられましたように極めて厳しく、治安指標と言われております刑法犯の認知件数は三年連続して二万件を突破し、本年におきましても十一月末現在で昨年を既に上回っておる状況であります。
 また、その内容を見ましても、先月、御坊市で発生したけん銃使用による殺人事件を初め、強盗、放火などの重要犯罪が多発していることに加えまして、インターネットを使用した詐欺事犯やストーカー犯罪、さらには産業廃棄物の不法投棄事案などの新たな治安事象が相次いで発生しているところであります。それらに加えまして、交通事故の増加や暴走族の跳梁、ひったくりなどの路上強盗の増加、さらには日常生活をめぐる各種トラブル等が多発し、県民の方々から、凶悪犯罪の解決はもとより、身近なところで発生する各種事案の解決を求められているところでございます。
 警察といたしましては、県民の意見、要望にこたえながら、複雑、多様化する警察事象に的確に対応するため、これまでは、警察職員の増員が困難であることから、実質的な増員効果をもたらす交番相談員や警察安全相談員の配置を進めるほか、新たな犯罪等に対応できる警察官の育成を図ってまいりました。また、組織の抜本的な見直しと徹底した業務の合理化を推進し、事件・事故が多発する県北部地域への警察力のパワーシフトを図るとともに、警察相談課、少年課などの新設、さらには環境機動捜査隊の編成などの組織基盤の整備に努めているところであります。
 しかしながら、こうした工夫も、限られた人員では既に限界に達しており、各方面から具体的に警察官をふやしてほしいというご要望をいろいろいただいておりますけれども、こうしたご要望におこたえできない状況が続いております。
 申すまでもなく、良好な治安を維持し、県民が安全で安心して暮らせる生活環境を保持するためには人的基盤の整備が不可欠でありますので、警察官の増員を中心とした体制の強化を国及び県当局に要請しているところであります。先月は知事が上京され、警察庁長官に対して直接増員要望を行っていただいたところであります。
 また、例えば自動車ナンバー自動読み取り装置などの捜査支援システムは、人手によらず事件解決に貢献する重要なものでありますので、今後もこれらを含めた物的基盤の充実に努めてまいる所存であります。
 次に、交番・駐在所の充実についてでございます。
 交番・駐在所は、地域社会の安全と安心を確保する活動拠点であるとともに、地域住民の方々の安心のよりどころとなっていることは、議員ご指摘のとおりであります。その体制等につきましては、管轄人口、面積、事件・事故等の治安情勢を勘案して定めており、警察官の適正な配置に努めてきているところであります。しかしながら、最近の治安情勢を反映して地域住民の方々からさまざまなご要望をいただいており、これらにこたえるべく、例えば特にパトロールの強化を図っているところでありますが、パトロールを強化すれば必然的に交番などに警察官が不在となる時間も増加するということになっております。そこで、不在となっている交番などに対しては、パトカーや隣接交番等の警察官の立ち寄りや待機などにより、できる限りご不便をおかけしないよう努めているところでありますが、現有勢力ではなかなか十分な対応も難しくなりつつあるのが現状でございます。このため、不在対策の一つとして、県当局のご理解のもとに交番相談員制度を導入し、主として事件・事故が多発している十四交番に退職した元警察官を交番相談員として配置するなどの対策をとっているところであります。
 今後とも、交番・駐在所がその機能を発揮できる方策を、ご指摘いただいております増員の問題も含め、多角的に検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、妙寺警察署の改築についてでございます。
 妙寺警察署は昭和三十九年に建設したもので、築後三十七年を経過しており、老朽化もさることながら、議員ご指摘の問題に加えて、高齢者、体の不自由な方の利便を図るエレベーターや自動ドア、障害者用トイレ等の設備や犯罪被害者の方々のための相談スペースなども整備しておらず、地域住民の方々の利用に十分な対応ができていない状況にございます。
 警察署の建てかえにつきましては、予算措置を講じつつ、建築年次が古く、狭隘化、老朽化が著しい警察署から順次建てかえ整備を行っているところでございます。
 現在、昭和三十五年に建設されました湯浅警察署を平成十三年度、十四年度の二カ年で建てかえるべく整備中でございます。また、昭和三十四年に建設されました串本警察署につきましては、平成十五年度から十六年度の二カ年で建てかえる予定で、今年度は地質調査と基本設計を行っておるところでございます。現在、予算上建てかえが決まっておりますのは、以上の二署でございます。
 妙寺警察署の建てかえにつきましても、その必要性は十分認識しておりますので、できるだけ早く地域の方々のご期待におこたえできるよう県当局にお願いをしてまいりたいと考えております。
 最後に、警察署協議会の設置状況と運営の実態についてであります。
 警察署協議会は、警察法の改正により設置が決まったものでありますが、本年六月一日、和歌山県警察署協議会条例に基づき、県下十四警察署全署に設置されたところであります。
 警察署協議会の委員についてでありますが、現在百九名の方が公安委員会から委嘱されておりまして、職業といたしましては、自営業の方、会社員、主婦、農林業関係者、医師、学校関係者、弁護士など、広く各界各層からご参加をいただいております。
 また、女性の割合につきましても約三〇%となっているほか、年齢層も、二十代から七十代と幅広い年齢層に及んでいるところであります。
 次に運営の実態についてでありますが、各警察署協議会は、これまでに既に二回の会議を開催していただいておりまして、会議におきましては、警察署から管内の治安情勢や業務運営についてご説明するとともに、各警察署の抱えている課題等につきまして諮問申し上げ、ご協議をいただいているところでございます。
 これまで警察署の運営に資する有益なご意見をいろいろといただいておりまして、各警察署とも積極的に業務運営に反映させるよう努力しているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(堀本隆男君) 以上で、門三佐博君の質問が終了いたしました。

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