平成13年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(鶴田至弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十五番鶴田至弘君。
  〔鶴田至弘君、登壇〕(拍手)
○鶴田至弘君 議長のお許しをいただきましたので、まず最初に故木下秀男議員のご冥福を心よりお祈りいたしまして、質問に入らせていただきます。
 最初に、県財政の中期展望と来年度の予算編成にかかわってお尋ねをいたします。
 地方交付税の一兆円減税が示唆されまして、事態は非常に厳しい状況の中で進行しつつあります。言うまでもなく、地方交付税に大きく依存している我が県にあって、言われるとおりの削減が行われれば、極めて深刻な問題となってまいります。国は、「地方の自立」と言いながら地方の財政的自立への方策は示すことなく、いたずらに削減のみに突っ走っているという感じであります。同時に、国が責任を持つべき社会保障政策においても、医療関係などに端的に国民負担増大の動きが見られるところであります。知事にあっては、地方財政にかかわる国の予算編成の動向について、いかなる所感をお持ちでしょうか。地方交付税制度にも改善すべき点は多々あるでしょうが、地方を成り立たせる基幹的な制度であります。これの削減などは絶対認められないよう一層働かれることを願うところですが、いかがでしょうか。
 二番目、財政の中期展望を読ませていただきました。中期展望は、近年の財政危機は過去最大の七百四十億円にもなった公債費によって義務的経費が膨張したことと指摘しているところであります。その公債費の膨張の原因は、知事が「最前線から地方行財政改革論議に寄せる」という一文で述べられているように、国の責任がその主要なものであります。もちろん、国の方策に諾々と従ってきた従来の県政の担当者の責任も免れるところでありませんが、いずれにしろ、またまた国の方からは、「地方の自立」という言葉を掲げて地方に困難が押しつけられようとしています。そのような中で中期展望が発表されたわけですが、地方交付税の一方的削減が行われたり、あるいは地方財政にかかわる制度の改悪がさらに進められたりするならば、この中期展望はたちまち見直さなければならなくなってまいります。いずれにしろ、トータルして今よりよりよい方向に制度改正が行われるとは考えにくいところですが、その展望をどのように持っておられますか。
 三番目、地方の自立が保障されるためには、それを支える財源が保障されることが当然の前提であるはずです。しかし、地方分権論議の中でもそれは盛んに論じられたものの、結果的にはほとんど考慮されないままでした。小泉改革でも、地方交付税の削減だけが提示され、かわるべき財源が示されず、地方に大きな不安を与えているところであります。
 そのような中で、全国知事会や市長会などで地方消費税の拡充による税源移譲や、本県の国への予算要望に見られるような、法人事業税をその所得にかかわりなく外形標準課税とするような要望もありますが、問題の正しい解決にはならないと考えるところです。地方消費税の拡充は、恐らくさらなる消費税率のアップを呼ぶことは間違いないでしょうし、消費税引き下げの道を閉ざしてしまうでしょう。日本のような社会保障が貧弱で貧富の格差が次第に大きくなってきている国においては、消費税は最悪の大衆課税だと考えられ、その増税に道を開く危険を持つ要求はすべきではないと思います。法人事業税を赤字の中小企業にまで課税する外形標準課税にすることは、中小企業を一層苦しい立場に追いやるものだと思います。
 この夏、私も和歌山県下の中小企業団体を訪問しながらいろいろとご意見を伺いますと、税の問題では、現在では消費税以上に外形標準課税が怖いといずれの団体の方々も言っておられましたが、まさにそのとおりであろうかと思います。地方財源の充実のためにも、やはり租税の民主主義、直接税中心、総合累進性、生活費非課税という原則が貫かれるべきであろうと考えるところです。知事の考え方を聞かせてください。
 さて、来年度も厳しい予算編成を強いられるところです。その編成に当たっては、現下の深刻な不況の中でさまざまな形での生活苦や営業の困難を余儀なくされたり、社会保障制度の改悪で今まで以上に暮らしの困難を味わわざるを得ない方々への温かい視線をしっかりと持って予算編成に努めていただきたいと思うところであります。そのために、県独自で行っている福祉関係の諸制度はしっかりと維持されることを求めたいと思います。本年度予算でのその点に関する努力は、県民の喜びとしたところでした。ぜひ、引き続く努力を求めるところであります。また、景気・雇用対策の一環として進められる事業にあっては、ゼネコン型事業ではなく、地域や暮らしに密着した事業で、小零細企業にも仕事が回るような、また極力雇用の拡大につながるような施策を大幅に展開されることを求めるものであります。いかがでございましょうか。
 以上、知事にお伺いいたします。
 次に、景気・雇用対策についてであります。
 深刻な不況がさらに深刻となって、県民の生活にとって本当に厳しい時代になってきています。歴代政府は、大型公共投資を積み増すことによる景気刺激策をここ数年来際限なく続けてまいりましたが、当然のこと、その効はなく、結果は国と地方自治体に莫大な債務を背負わせることになって、一段と我々を苦しめているところであります。企業倒産は次々とその数と規模を拡大し、完全失業者もついに五%を超え、近畿では六・三%と、統計史上最悪を記録するに至っています。県下の倒産件数は、昨年の統計でも百六十八件を数え、有効求人倍率は〇・四五倍にとどまり、全国でも最悪のグループに位置してきています。それは、そのまま県民生活の厳しさを反映したものであろうと思いますが、事態はまだ一層深刻なものになろうとしています。
 政府が有効な景気対策を講じずに適切な雇用対策を提起しないまま、ただいたずらに構造改革を唱え、中でもその切り札として不良債権の早期処理を強引に進めようとしているところに最大の問題があります。我々も不良債権の放置を認めるものではありませんが、現在の主要な不良債権問題と言えば、かつてのバブル期の放漫経営による大手企業の不良債権というよりも、この不況によって中小企業の中に蓄積されてきているものです。そこに情け容赦なく不良債権の早期処理というものを持ち込むということは、当該の中小企業をたちまちにして破産に至らしめるものであります。
 幾つかの調査研究機関がその結果を予測いたしております。大手銀行の持つ不良債権処理の対象になる企業は二十万から三十万社の中小企業があると言われ、それらが淘汰されることによる失業者の発生をニッセイ基礎研究所は百三十万人、第一生命経済研究所は百十一万人、ドイツ証券では百一万人と予測しています。地方銀行にそれが波及するときに、それがさらに規模を拡大することは十分に予測されるところです。当然のこと、和歌山県下にも大きな影響が出てくることでしょう。荒っぽい試算ではありますが、県下でも千件をはるかに上回る倒産、あるいはさらに一万を前後する失業の増大という話もあります。平年の数倍の倒産、三万人をはるかに超える失業──二、三年の間にそんな事態が生じたら、経済的基盤の総体的に弱い本県にあって、本当に事は深刻だと思います。県民生活と福祉の向上を進める責務を持った自治体・和歌山県として、どのような予測を持っておられますか。
 二番目、政府の方は、雇用に十分なセーフティーネットを持って対処するとしています。経済財政諮問会議は、五百三十万人の雇用創出を図るとしています。しかし、五百三十万という数字を消化する裏づけはありません。新しい産業の創出やサービス産業への期待が見込まれていますが、それ自体、リストラ旋風です。和歌山のサービス産業の厳しさは、銀行の倒産や大手小売店の撤退などに、絵にかいたようにあらわれています。新しい雇用の創出も極めて厳しい状況で、予想される大量失業の受け皿になるとは到底考えられないところであります。
 国の方は、今までに幾度か雇用対策を実施してまいりました。九八年の緊急雇用開発プログラムを初めとして、これまで四回の雇用対策を打ち出してきました。そのうち三回は、具体的な雇用創出目標を掲げ、その合計は二百五万人になりましたが、しかし厚生労働省のことし四月現在の集計では、雇用に結びついたのは二十七万人だとされています。和歌山県下の実績はどうだったのでしょうか。五百三十万人の雇用創出プランに我々がどれだけ期待を持てるのか、関係当局が今どう考えているのかをお示しください。
 三番目、地方自治体の景気対策、雇用対策は、事の性格上、おのずと限界があります。しかし、このような状況にあって自治体として何ができるか──できることは精いっぱいやって県民の生活の安定に資することが重要だろうと思います。昨年度来の景気・雇用対策の実績は、いかがなものだったでしょうか。特に青年や高齢者の雇用対策など、どのように対策されたでしょうか。中高年の失業者は、住宅ローン、子供の就学資金、雇用保険の切れた後の生活など、実に深刻な問題を抱えていたと思います。これらの点で、特にどのような対策がされてきたでしょうか。総括されている点があればお示しください。
 今後はさらに、不良債権早期処理という政策から、金融対策で大きな困難に直面する中小零細企業がふえてくると思われます。融資枠の拡大や返済期限の延長、信用保証協会の保証条件の緩和、さらに失業者の生活相談、それ以前に失業の危機にさらされている方々の相談窓口の設置、県独自の雇用の開発、さらに来年度予算における景気・雇用対策の充実など、積極的な対応を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。今考えている点があれば、お示しいただきたいと思います。
 四番目、かねがね私は、不況や雇用問題に対する県の対応と社会の現実の厳しさとの間に相当の乖離があるように思ってまいりました。経営難に苦しむ小零細企業の思い、解雇あるいは不当な配転による労働者とその家族の気持ち、そういうものを行政機関としてそのままに体感することはできないとしても、その現実と心情がそれに近く理解できるようになってこそ血も涙もある行政になるのだろうと思っております。それで、幾度か、中小零細企業の実態やそこで働く人々の生活実態の悉皆調査などをやってみてはとの意見を述べたところでありますが、かなえられないところでありました。
 今、この大不況に苦しむ県民がますますふえていく状況にあるとき、その状況をできるだけ具体的につかみ、対策を考え、その方々に希望の持てる生活の展望を指し示す必要があります。その部署として、仮称「緊急景気・雇用対策本部」をつくって対処する必要があろうと思います。幹部だけの、形だけの会議ではなく、実態が反映されるような、実効の伴うような対策機構をぜひ立ち上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 さて、さきにも述べましたが、不況対策、雇用対策というのは、そ根幹のところは国の仕事であります。自治体としては大きな限界があります。国がその責務を果たし得ていないとき、地方自治体から積極的な提言や働きかけが求められるところです。
 現在の不況打開には、何といっても消費の六割を占める国民の購買力を高めることが必要だということは、さまざまな研究機関でも明らかになっています。そのためには、消費税の引き下げ、社会保障の充実、大手企業の野放し状態の解雇の規制、サービス残業の規制、あるいは労働時間の短縮による雇用の拡大などが緊急に求められるところです。
 国民の消費意欲を刺激する消費税減税が最も効果的だということは、国の機関の中でも認め、提言されているところでもあります。たび重なる社会保障制度の後退は将来不安を惹起させ、財布のひもは必然的にかたく締められました。その上、昨今の失業者の未曾有の増加です。加えるにサービス残業は底知れない状況で、しかも不良債権の早期処理による倒産と失業の波がさらに押し寄せようとしています。これでは、景気回復も雇用の拡大も望めるところではありません。リストラよる解雇規制やサービス残業の規制による雇用の拡大などは、個々の企業努力ではできないことです。国の景気対策・雇用対策の転換を県として腰を据えて求めるべきだと思います。
 知事にあっては、小泉改革に期するところ大であったとしても、県民のこの厳しい生活実態の改善のためには、しっかりとした、実効性のある対策を求めるべきだと考えます。知事の緑の雇用事業に大きな期待を寄せるものであります。ぜひ実現方を図られるようご努力を求めるところでありますが、しかし、それだけでは追っつかないという事態だと思います。消費税減税、大企業の横暴な解雇の規制、サービス残業を規制して労働時間を短縮し、その分で雇用の拡大を図ることなどを政府に求めるべきであろうと思いますが、いかがでございましょうか。
 次に、過日、和歌山下津港へアメリカの戦艦が入港いたしましたが、その件についてお尋ねをいたします。
 去る八月二十八日から三十一日、和歌山下津港にアメリカの戦艦二隻が入港いたしました。アメリカの戦艦がこの港に入るのは、日本の敗戦時の一時期、占領目的での入港を除いては初めてのことだそうであります。五十六年ぶりです。
 私は、幾つかの点から、今回の目的がこの戦艦の入港の目的である休養、補給、ボランティアだけではないように思います。と申しますのも、この入港が和歌山だけでなく、他の三港の姫路、名古屋、清水への同時入港──姫路と名古屋は初寄港──という形で、全体として非常に計画的な入港であろうということです。また、入港前には第七艦隊の訓練として、海上自衛隊とともに訓練に参加しての帰途となっています。そして、このような民間港湾への入港がこの四港だけでなく、あちらこちらでも最近は行われ始めているということです。さらに、入港目的の補給や休養ということについては、これは母港で当然やれることであります。この背景に周辺事態法との関連があるのではないかと考えると、今回の寄港が表向きの理由とは別のところにあるのではないかと考えざるを得ないのであります。
 ご承知のように、一九九九年、日米新ガイドライン関連法として周辺事態法が成立をいたしました。そこでは、アメリカ軍の出動に対して地方自治体や民間企業に必要な協力を求めることができるし、協力しなければならない旨の定めがありました。港湾の軍事利用は、最も一般的な協力として求められるところでした。私は、その懸念の上に立って同年の二月議会で、周辺事態の宣告がなされたら和歌山下津港も軍艦の寄港による軍事利用が想定されるところだから、同港の軍事利用はきっぱりと拒否されるよう求めたところでありました。
 今回の寄港は、一概に軍事利用とは申しませんが、軍事演習後の物資の補給、休養となれば、軍事性がないとは言い切れない性格のものであります。そういう面も含めて考えるなら、今回の寄港は周辺事態法の発動の地ならし、あるいはそれに関する必要な調査のための寄港ではなかったかと考えているところです。
 かつて、舞鶴港にアメリカ戦艦ブルーリッジ号が、表向き今回と同じような目的で入港したことがありました。そしてその際、港湾と町の機能を細かく調査していたということがわかりました。アメリカ海軍の公文書「太平洋地域港湾案内(第五巻)」という文書があるそうです。私は直接読んだわけではございませんが、その内容が報道されておりました。その報道によりますと、調査は、港の水深、それから海流、艦船収容能力、修理整備能力、寄港に適した港かどうかを中心に軍需品、食料、通信、医療、衛生などの供給補充、輸送機関の情報収集など、兵たん支援の調査も命じられています。港湾関係だけでなく、ホテル、レストラン、バーなどの施設や能力なども調査対象となり、レストランには英語のメニューがないとか、クラブやバーはどこも一様に高かったとか、外国人ということで断る店もあったとかいうようなところまで調査をしていた事実がありました。そのときには、二十八港を指定して調査されました。現在では和歌山も当然対象になってきたと思いますが、このようなことを考えますと、唐突な親善友好は表向き、実際はガイドライン関連法、周辺事態法の地ならし、調査などが目的ではなかったかと思いますが、知事の所感をお示しください。
 二番目、今回寄港の戦艦は核弾頭発射機能を持った戦艦でした。当然、核兵器登載の有無が問題になります。知事にあっては、そのことを外務省に問い合わせ、事前協議がないから搭載されていないという外務省の回答をもって入港を是とされております。
 知事にお伺いいたしますが、核兵器の搭載が確認されれば寄港は恐らく拒否されるのだろうとは思いますが、核兵器の搭載の疑惑のある場合はどうされるのか。知事として、国是である非核三原則──持たず、つくらず、持ち込ませずの原則を遵守するならば、当然疑わしきは入港させずとの方針になると思います。事前協議がないから搭載していないという外務省の見解や、我が国の方針として搭載の有無は明らかにしないというアメリカ戦艦の艦長の言明は、搭載していないということを裏づけるものではありません。
 和歌山市長が非核証明を求めるよう知事に要請をしたそうでありますが、知事はそれを行わなかったようであります。本気で真剣に「持ち込ませず」を願うなら、非核の証明を求めるべきではなかったでしょうか。国の方がグレーゾーンはシロとしている現状で、それは勇気の要ることでしょうが、神戸港がしっかりとその立場を堅持していることを考えれば、知事として和歌山市長の要請にこたえるべきではなかったかなと考えますが、いかがですか。
 今回の寄港は、通告による寄港だそうであります。入港の許可について、協議などの余地がない地位協定による通告と聞いております。もしそうだとすれば、それは余りにも屈辱的な話ではありませんか。港湾管理者としての知事の立場も、あったものじゃありません。そんな姿勢から友好親善が語られるなど、まことにおこがましい話ではありませんか。そこには、アメリカとの対等・平等の姿勢は全くありません。完全な軍事的従属の姿です。また、二隻の戦艦の和歌山下津港の岸壁使用料は、日米地位協定によって和歌山県が徴収できないそうであります。県が防衛庁に請求すれば損失補てんとして支払われるそうですが、アメリカが日本に支払うことはないとのことです。これらのことは知事の責任ではありませんが、日本の主権の問題として考え直すべきだと思いますが、いかがお考えですか。
 私は、日本とアメリカは対等で平和的な友好関係であって、そういう立場での交流が和歌山下津港で進められるということならば、大いに望むところであります。したがって、和歌山下津港をいささかでも軍事色に染めたくないと思っているものです。周辺事態法は、アメリカの指揮のもと、日本がさまざまな形で米軍に協力していくことを定めています。地方自治体もそれに協力するということが求められ、それは港湾だけにとどまらないものです。和歌山下津港が平和的な日米友好の場になることを大いに歓迎するところですが、砲身を高々と掲げ、ミサイル発射装置のデモンストレーションを行う戦艦との友好はあり得ないことだと思います。核の問題については、入港に当たって非核証明の提示を前提とし、県下の港湾は軍事利用には供さないということを知事として宣言すべきだと思いますが、知事のお考えをお伺いするものです。
 教育関係について、二点お尋ねをいたします。
 今、「米百俵」の逸話が小泉総理によって随分と有名になりました。本来の意味から離れて、単に我慢せよという話のネタにされている嫌いがありますが、本来の意味での「米百俵」を教育委員会の皆さんは十分おわかりのことと信じます。
 さて、財政運営プログラムIIによって平成十一年から十五年にかけて教職員の五百名削減の方針が打ち出され、目下進行中のところであります。私は、現下の教育の状況から見て三十人学級の実現を切望する立場から、教職員の削減は何とか思いとどまってほしい、差し当たりふやさなくても結果的にはふえることになるのだから、そこは頑張ってほしいと訴え続けてまいりました。残念ながら、今のところ、かなえられないところとなっています。
 ところで、過日、山形県が二、三年かけて三十人学級を実現したいと発表いたしました。なかなか財政力もあるところかと調べてみましたが、そうでもないようであります。ただ、一般会計における教育費の割合は和歌山県よりもまだ低く、和歌山の方がその点努力しているのかなという思いを抱いたりしたのですが、そこはそれぞれの団体の事情もあろうかと、単純に比較できないところでしょう。しかし、三十人学級を目指すということは、まさに英断であろうと思います。それに比べて和歌山県は、どうも意気込みが足りません。気迫が見えてまいりません。国の制度内でいろいろ工夫される努力も結構ですが、もっと大胆な、計画性のある三十人学級へのプランでも作成してはいかがでしょうか。片や三カ年で三十人学級、片や五カ年で五百人の削減──大きな格差を感じざるを得ないのであります。ついては、来年度の削減は見合わせ、小学校の一年とか中学校の三年とか、教育上最も増員が求められているところから考える余地はありませんか。同和事業の特別対策が終了するときでもあります。同和加配の二百八十五人を一般の方に回すことも考えれば、相当の仕事が可能であろうと思います。山形は知事のトップダウンで決まったようですが、こういうことは教育委員会の主体性が何よりだと思いますので、教育長に所見を伺いたいと思います。
 さて、目下、高校受験を目指して中学三年生たちは懸命の努力をしている秋であろうと思います。毎年、受験生を持つ父母の皆さんから教育委員会へ要望の出されるところでもあります。地域によって要求はさまざまで違う点もあるでしょうが、共通する一番は、やはり希望する高校にぜひ全員を受け入れてほしいという願いであります。高校入学は選抜であって初めから全員入学は考えていないというのが当局の態度のようでありますが、全員を受け入れていくというのが本来のあり方ではなかろうかと思います。
 昨年も、数百人の子供たちが涙を流しました。幾つかの高校では相当数の不合格者を出しました。昨年の例では、募集定数よりはるかに多い受験生があった有田地方で、当該の高校や隣接校の学級をふやして受け入れるという特例措置をとられましたが、来年も同様の事態が予測されそうな同地域やその他幾つか大幅オーバーが見込まれる和歌山市部なども含めて、必要なところは募集定員の増員をする必要があろうと思いますが、教育長の見解を伺うものであります。
 以上で、第一問を終わります。
○副議長(堀本隆男君) ただいまの鶴田至弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 財政の中期展望と来年度の予算編成についてのご質問でございます。
 まず、地方財政にかかわる国の動向についてでございますが、近々にも発表が予定されている改革工程表など、これからの国の動向等を見守りつつ、引き続き事務事業の見直しに取り組み、今後の改革に柔軟に対応できる財政構造の確立に努めていくことが肝要と考えております。
 また、地方交付税の見直しに当たっては、地方の実情や意見に十分な配慮が必要であると考えており、先日も鳥取県知事と共同で緊急アピールを行ったところでありますが、今後とも機会あるごとに、国に対して地方の生きた意見を申し上げていきたいと考えております。
 次に県の財政の中期展望に関連してですが、この中期展望は、ご指摘のように今後進められるであろう地方財政制度の改革の影響が反映されておりません。したがいまして、今後、改革の具体的内容等を踏まえ、見直しの必要が出てくるものと考えておりますが、現在行われている交付税の縮減議論などを踏まえると、より厳しい内容になるものと認識をしております。
 次に、地方消費税の拡充による税源移譲につきましては、さきの地方分権推進委員会の最終報告において、地方税充実確保の一方策として地方消費税の充実がうたわれているところでありますが、本県といたしましても、地方分権を推進する上で、国から地方への税源移譲に当たっては、税源の地域的偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築が必要であると考えております。
 次に、法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、それに何よりも地方分権を支える基幹税の安定化を図るものであり、増税を目的として導入するものではありません。また、その導入により新たに税負担の生じる法人のあることは事実でございますが、昨年十一月に発表された旧自治省案では、中小法人には軽減税率の適用や簡易事業規模額の選択、さらに赤字法人には新たな徴収猶予制度の創設が盛り込まれる等、中小法人及び赤字法人に配慮されたものとなっております。今後、地方税制改革のファーストステップとして税負担の激変緩和や中小法人の負担に配慮しながら、全国的な制度として、早期導入に向け、議論されるものと考えております。
 最後に、来年度の予算編成と景気・雇用対策についてでございます。
 まず、福祉関係の事業の見直しに当たっては、その特性に十分配慮していくことが重要と考えております。また、景気・雇用対策に係る事業につきましては、従来の公共事業の形態にとらわれることなく、例えば緑の雇用事業のように、自然環境の回復・再生事業と景気・雇用対策を両立させるような工夫した事業の創出について検討してまいりたいと考えております。
 次に景気・雇用対策について、国への要望関係でございます。
 大変厳しい経済社会情勢のもと、大企業、中小企業を問わず、工場等の統廃合や人員削減を伴う事業の再構築が行われている実情等、ご指摘のように労働者を取り巻く雇用情勢は非常に厳しいものがございますので、現在国が進めているセーフティーネットの構築等、雇用対策の充実や実効ある実施を働きかけてまいりたいと考えております。また、私が先般提唱いたしました緑の雇用事業もそういう趣旨に沿ったものであり、国に働きかけているところでございます。
 なお、国税である消費税の減税につきましては、現下の経済・景気動向や国の財政状況の中、国政の場で議論されるべきものであると考えております。
 次に、今回の米軍艦船の入港目的についてのご質問でございます。
 今回の入港の目的は、日米地位協定に基づく通常入港であり、乗組員の休養や水等の物資の補給であると理解をいたしております。
 次に、核兵器の搭載と非核証明書についてのご質問でございます。
 外務省に確認いたしましたところ、日米安全保障条約上、いかなる核の持ち込みについても事前協議の対象であり、核の持ち込みについての事前協議が行われた場合、政府としては常にこれを拒否する所存であるので非核三原則を堅持するとの我が国の立場は確保されているとの回答を得ており、核兵器を搭載しての寄港はあり得ないものであり、これ以上の対応は考えていないところでございます。
 日米地位協定に関してのご質問でございます。
 日米地位協定は国家間の条約であり、基本的には外交や防衛は国の専管事項でございまして、意見を述べる立場にはございません。
 なお、入港料及び港湾施設使用料につきましては、防衛施設庁に対し、既に請求することで事務を進めているところでございます。
 県下の港湾の利用についてのご質問につきましては、米軍艦船は、日米安全保障条約第六条に基づき締結されている日米地位協定第五条で、入港料を課されないで日本の港に出入りすることができるとなっており、水深が足りないとか、係留施設にあきがないなど、物理的に港湾施設が利用できないといった正当な理由がある場合を除いて制限することができないこととなっております。
 また、周辺事態安全確保法に関連した県内の港湾施設等の利用でございますが、現段階では具体的な協力依頼の内容も明らかでない状況であり、仮定の問題にお答えするのは難しいところでございますが、私といたしましては、県民の安全と幸せを守ることを常に念頭に置いて県行政を進めているところでございまして、この立場を堅持してまいりたいと考えております。
○副議長(堀本隆男君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 景気・雇用対策について、私の方から四点お答えをさせていただきます。
 まず、県下の景気・雇用の状況の見通しについてでございます。
 内閣府の試算によれば、不良債権最終処理によって離職者は三十九万人から六十万人、うち失業者は十三万人から十九万人発生すると見込まれています。また倒産については、民間の調査機関の調査によりますと、平成十二年は全国で負債総額が約二十四兆円で戦後最悪となり、倒産件数も約一万九千件と戦後四番目の高水準となりました。本年上半期でも、負債総額が約七兆二千億円、倒産件数は約九千四百件と、いずれも昨年の上半期を若干上回っている状況にあります。
 県内の倒産につきましては、平成十二年は負債総額が約三百六十三億円で、過去五年間では二番目に少ない金額でありましたが、倒産件数は百六十八件と、過去二十年間で最悪の数字を記録しました。本年一月から八月の負債額の累計は、大型倒産の影響もあり、約五百八十九億円と昨年同期の約二倍、倒産件数は九十五件と昨年同期を約二〇%下回っている状況であります。
 今後、景気の低迷の長期化や不良債権最終処理の影響により、破綻する企業の増加が予想されているところでございます。連鎖倒産、失業者の増加をできる限り抑制するため、金融を初めとする支援策を強化するとともに、和歌山労働局との連携を密にしながら雇用対策の充実に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、政府のセーフティーネットと和歌山での見通しについてでございます。
 平成十年の緊急雇用開発プログラムを初めとして、今まで国において七つの雇用対策を実施しており、和歌山県下における実績は、失業の予防を目的とした雇用調整助成金が千三百三十六件、四十一億五千九百十八万円で、また雇用機会の増大等を図ることを目的とした特定求職者雇用開発助成金など六種の助成制度が六千七百二十二件、三十億四千四百二十五万円で、これにより新たな雇用者数が約五千八百人、IT化等に対応した職業訓練等が入所者数で七百九十九人となってございます。
 五百三十万人の雇用創出プランですが、例えば子育て支援、高齢者向けのケアハウスの創設等、今後、雇用機会の拡大が見込まれるサービス部門への労働力移動を円滑に促進するなど、産業構造の変化に対処した諸施策の実施により五年間で新たな雇用を創出するものであり、大いに期待しているところでございます。
 三番目として、県としての対策の強化をということについてでございます。
 景気対策は、これまで国の経済対策とあわせて実施しているところでありますが、本県の景気動向の一致指数は本年二月から五〇を下回り、また鉱工業生産指数も本年一月から対前年を下回り、引き続き悪化しています。有効求人倍率も〇・四五と、引き続き全国平均を下回ってございます。
 このように、本県を取り巻く経済環境が一層厳しさを増す中で、総合的な経済対策を行う必要があるため、有識者による委員会を近く設置し、新産業の創出支援等、具体策を進めるとともに、積極的な来年度予算編成に取り組みたいと考えてございます。
 現在、金融対策では、県制度融資の融資枠の拡大や金利の引き下げ、融資期間の延長等の措置を講じるとともに、信用保証協会においても無担保枠の拡大等、保証条件の緩和に鋭意取り組んでいるところでございます。
 なお、最近の景気動向の悪化により、中小企業の資金繰りは一段と厳しい状況になることが懸念されるため、不況対策特別資金制度を拡充することといたしてございます。
 また、雇用対策といたしましては、本年度も実施しておりますが、平成十二年度の実績では人材Uターンフェア及び合同面接会を開催し、総来場者数は三千八百二十三人で、合計三百八十九人の採用内定がありました。高齢者の雇用対策といたしまして、十月の高齢者雇用促進月間を中心として、国及び関係機関とともに事業主に対して求人の開拓を働きかけてまいります。
 今後とも、求職者と求人事業主とが一堂に会し、効率的な面接の機会を設けることが非常に有効な手段であると考えており、和歌山労働局と緊密な連携のもと、これからも一層積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、仮称「緊急景気・雇用対策本部」の設置についてでございます。
 国の緊急雇用対策への対応等に関して協議するため、平成六年に全庁的な和歌山県景気・雇用対策本部を設置してございます。現在の厳しい状況に対処する必要があるため、近くこの対策本部を開催することにしてございます。今後も、国の施策等を注視し、関係団体等の意見や要望を十分聞きながら、効果的な実施に向けて努めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育関係のご質問にお答えいたします。
 教職員定数の確保及びその配置に当たっては、学力の向上やいじめ、不登校、問題行動の増加などの教育課題に対応するため、チームティーチングや生徒指導のための教員加配など、改善を行ってきたところです。さらに本年度は、算数、国語、英語などの教科を中心にして二十人程度の学習集団で指導ができるよう、少人数指導のための教員を配置いたしました。
 今後も児童生徒数の減少が見込まれるため、教職員定数が減少するのは避けられませんが、限られた数の中で個に応じたきめ細かな指導など効果的な教育を推進するため、教職員定数の確保について引き続き努力をしてまいります。
 次に高等学校への入学者選抜に関して、来年度の募集定員でございますが、現在、県内各地域における中学校卒業予定生徒数や学校の規模、進学率、各学科への志望状況、さらに最近の保護者や生徒の希望状況を反映した県立高校への戻り傾向をも十分考慮しながら、総合的な観点に立って慎重に検討を行っており、今後、関係当局と協議しながら決定をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十五番鶴田至弘君。
○鶴田至弘君 それでは、再質問や要望を幾つかさせていただきたいと思います。
 まず、知事に。日米地位協定の問題です。
 これはもう国の専管事項であるので意見を申し上げるべき立場にないとおっしゃいましたが、私は、必要なときには言っていただかなければならんというふうにも思うんです。例えば、先ほどご答弁をいただきましたけれども、アメリカの戦艦が入ってくるときに、水が足りない──水深です──それから係留施設にあきがない、物理的に港湾施設が利用できないという以外は、これについてはもうとやかく言えないんだということなんですね。ところが、知事としては、港を軍事利用に供さないようにしてほしいという私の質問に対してやはり、県民の安全と幸せを守ることを常に念頭に置いて県行政を進めていきたい、この立場を堅持したいとおっしゃられるんですね。そうすると、最初に言ったことと県民を守っていくという立場の間に矛盾が起こることだってあるでしょう。
 例えば、戦艦が明らかに軍事利用を目的として入ってくるということは、和歌山下津港にとっては非常に不幸なことです。県民にとっても、いただけない話なんですね。安全を守るという立場からは、これは明らかに矛盾してくることです。そういうときには、知事として、やはり一言物を申していただかなければならない。無言でおるということは、これは無責任だと思うんですね。そういうような点をどのように考えておられるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
 それから、もう一つ知事に質問します。例の、緑の公共事業です。
 私も、その結果を楽しみにさせていただいて、和歌山県勢の発展のためにも、全国の農山村あるいは漁村を抱える地域の方々の改善のためにも大いに役立ってもらえればと願っているわけですが、知事の方も心配されておりましたように、一時的な失業対策ということになっては、それこそ本当に本来の思いと別なものになってしまうわけです。そこで、結果としてはどういうふうになるかわかりませんけれども、これこそが木村知事の言う緑の公共事業なんだ、これが和歌山県での農山村あるいは地域全体を発展させていく大きな力なんだというような見本をひとつ実際に行政の中において示す、そしてさらに内容を発展させていくということが大事じゃないかと思うんですが、そういうおつもりはないか、お聞きしたいと思います。
 次に、商工労働部長にお尋ねをいたします。緊急景気・雇用対策本部の設置の問題についてです。
 そういう本部があるというのは私は知りませんでして、全く同じ名前でした。いつ開かれたのかというのを担当課の方に聞きますと、平成十一年に開いたなり、開いてないそうです。これじゃ、緊急性もないし、景気・雇用対策にもなっていないんですね。なぜかと言うと、国のいろんな景気・雇用対策事業が提示されたとき、県としてそれをどう消化するかというために各部長の皆さん方などが集まって協議をするという、そういう組織にしかなっていないんですね。私が求めたのはそういうことではなくて、県民の方々が今この不況の中で雇用問題あるいは景気の問題でどのようにご苦労しておられるか、苦しんでおられるかということをまずしっかりつかんでいただけるような組織にしていただきたいと思うんです。そういう思いがないと、本当に血の通った仕事ができないと思うからなんです。そういう点で、先ほど幾つかやっていただきたい仕事を挙げましたけれども、そういうような仕事ができるように組織も充実し、必要な職員も配置をしてこの不況対策、景気対策に当たっていくということにしていただきたいと思うんですが、そういう方向で拡充し、仕事の内容も見直していくというおつもりはないかどうか。そこをひとつお聞きをしたいと思います。
 質問は、以上です。
 幾つか要望を申し上げます。
 また知事です。いろいろ言いますが、非核三原則の問題です。
 これは、外務省がそういうふうに言うておるから一県の知事としてそれ以上のことをもうとやかく言ってもというような思いがあるんかもわかりませんけれども、私は、県民の安全ということを責任を持って対応するというのであれば、やはり本当に核が乗っていないのかどうかということをみずから確認するという思いが必要だと思うんですよ。といいますのは、非核三原則が本当に守られているのかどうか、日本に出入りしている艦船の中に核が本当にないのかどうかということは、国会の中でいろいろと議論をされて、本当に限りなくクロに近い灰色だというようなところまで議論が進んできているんですね。そういう段階にあって知事としては、やはり責任ある態度として、みずからがそれを確認するということがぜひ必要ではないかと思います。いろいろとよく勉強される知事でございます。あと、ぜひともそういう点を研究していただいて対応されることを求めておきたいと思います。
 それから、外形標準課税の問題です。これも要望です。
 外形標準課税を求めるということは、税が安定する、あるいは増収になるということなんですね。イコール、それは中小企業への負担の増加ということにつながってくるんです。だから、いろいろと緩和措置をつけようという話がありますけれども、基本的にそういう性格を持っていますから、中小零細企業の方々は本当に今それに対して、えらいこっちゃなというふうに警戒をしているんですね。何とか反対してほしいという話が出てくるんです。
 私も驚いたのですが、先ほどもちょっと言いましたけれども、いろんな中小企業団体がございますね。そこの方々も異口同音にそういうふうにおっしゃる。県の方が説明に来ても、よう聞かんよというような話まで出てくるところもあるんですね。そういうことを考えると、今の段階で知事として、国に対してこういう税を設けるということを求めるというのはいかがなものかと思うんですよ。そういう点をぜひお考えいただいて、きょうまではこういう考えで来たのを直ちにここで変えてもらうわけにはいかんと思いますので、ぜひ研究をして、中小零細企業の方々の気持ちを、それこそ血の通った心で受けとめてやっていただきたいという要望をして、私の質問を終わります。
○副議長(堀本隆男君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの私に対する再質問でございます。
 アメリカの戦艦の入港の問題でございますけれども、今回の場合は、私の方に参ったアメリカ総領事の方からの私信の内容とか、兵庫県の方へ同じ方から行った手紙の内容、そして外務省の判断というもの、そしてまた今のアメリカと日本の置かれている状況とか、先ほど言いましたように外交問題は国の専管事項であるという大原則があるわけですから、そうしたことを総合的に判断して今回こういう対応をとったわけでございますので、当然のことながら、諸般の情勢の中から私が、これはちょっと和歌山県民の生命・財産にかかわると判断した場合には、それはもう何も私には関係ありませんというような態度をとるのじゃなくて、当然、必要な対応はとっていこうと思っております。
 それから緑の公共事業でございますが、これはもう今おっしゃったように、一時的な失業対策的なものになるのであれば、個人の尊厳を守りながら定住を進めたらいいなという私の考えと大きく離れてくるものでございますので、何とか思っていることが実現するように今一生懸命いろんな方面に働きかけているんですけれども、なかなか難しい面もあります。
 ただ、今おっしゃったように、やっぱり国に頼むばっかりではいけないんで、和歌山県として財政的にもゆとりがないのでなかなか思い切ったことができなくても、こういうことの一端はこういうことだというふうな事業をやっていく必要はあると思っております。これは当然、人頼みだけじゃなくて、自分の県でもそういうことを考えていくということは今考えているところでございます。
 私からは、以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 景気・雇用対策につきましては、県の対策では限りがあり、国の施策と相まって総合的に行うことにより一層効果が上がると考えておりまして、このため、国の施策の動向を注視してきたところでございます。
 もう一点、仕事の内容についてでございますが、平成七年に急激な円高に対応するために対策本部が実施した業務といたしましては、融資制度の拡充、巡回指導の強化、相談窓口の設置、実情把握のための産地等のヒアリングなどを行いました。今後も対策本部を開催してこういうような業務を一生懸命頑張ってやりたいと思ってございます。
 以上でございます。
○副議長(堀本隆男君) 答弁漏れはありませんか。──所定の時間が参りましたので、以上で鶴田至弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後三時十五分散会

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