平成13年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

平成十三年六月 和歌山県議会定例会会議録 第四号
     ─────────────────────
議事日程 第四号
 平成十三年六月二十二日(金曜日)午前十時開議
  第一 議案第八十一号から議案第九十九号まで、並びに報第二号から報第五号まで(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第八十一号から議案第九十九号まで、並びに報第二号から報第五号まで(質疑)
   二 一般質問
出席議員(四十六人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       大   沢   広 太 郎
     五  番       堀   本   隆   男
     六  番       宇 治 田   栄   蔵
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       木   下   善   之
     十二 番       永   井   佑   治
     十三 番       尾   崎   要   二
     十四 番       小   川       武
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       生   駒   三   雄
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       谷       洋   一
     二十 番       山   下   直   也
     二十一番       高   瀬   勝   助
     二十二番       吉   井   和   視
     二十三番       木   下   秀   男
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       金   田       眞
     二十六番       高   田   由   一
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       向   井   嘉 久 藏
     三十 番       野 見 山       海
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       中   山       豊
     三十四番       浜   田   真   輔
     三十五番       鶴   田   至   弘
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       村   岡   キ ミ 子
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       阪   部   菊   雄
     四十一番       江   上   柳   助
     四十二番       長   坂   隆   司
     四十三番       森       正   樹
     四十四番       飯   田   敬   文
     四十五番       新   田   和   弘
     四十六番       松   本   貞   次
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(一人)
     三十一番       平   越   孝   哉
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        中   山   次   郎
     出納長        大   平   勝   之
     理事         安   居       要
     知事公室長      小 佐 田   昌   計
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       垣   平   高   男
     環境生活部長     秋   月   成   夫
     福祉保健部長     白   井   保   世
     商工労働部長     内   田   安   生
     農林水産部長     辻           健
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       増   田   充   孝
     教育委員会委員長   目   黒   威   徳
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員    中   尾   公   彦
     警察本部長      岩   井   良   行
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 北   村   亮   三
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       田   村   徳   美
     次長         佐   竹   欣   司
     議事課長       北 垣 内       敬
     議事課副課長     松   谷   秋   男
     議事班長       露   詰       勤
     議事課主査      尾   崎   善   亮
     議事課主査      井   口   好   晴
     総務課長       梶   本   皓   造
     調査課長       宗   野   幸   克
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課副主査     保   田   良   春
     ─────────────────────
  午前十時一分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第八十一号から議案第九十九号まで、並びに報第二号から報第五号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議案第八十一号から議案第九十九号まで、並びに知事専決処分報告報第二号から報第五号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 二番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
 一般質問も後半戦になりまして、大変熱心な議論が闘わされておりますが、私は後半のトップバッターとして登場させていただきました。私なりに三点ばかりご質問し、当局のご回答を期待したいと思います。
 まず、県議会議員の定数減についてであります。
 平成十二年十月一日に実施されました国勢調査の結果は、皆さんよくご存じのように、百六万九千八百三十九人となりました。百七万人を割った結果となったわけであります。県人口の減少は、県勢の浮揚を願う全県民にとって大変残念なことであります。
 そこでまず、確認の意味を含めて、過日、NHKのテレビなどでも取り上げられ、問題点があるかのような報道もされましたが、和歌山県で実施された国勢調査の精度の問題であります。
 調査に当たっては、国勢調査員が戸別に一軒一軒回っていただき、聞き取り調査をし、その数を積み上げていく方法でなされておりますが、調査を進めていく段階では、どうしても不明なケースや調査拒否をされるケースが全国的にあるとお伺いします。和歌山県においても、わずか百六十一名、率では〇・〇一五%の不足でしかありません。誤差の範囲内ではないでしょうか。また、現在発表されている数値は概数値ということでありまして、ことし十月に発表される確定値──は過去の例では余り誤差はないということですが、その辺の精度について企画部長のご意見を、まずお伺いしたいと思います。
 次に、平成十五年四月に執行される和歌山県議会議員選挙では、この国勢調査の結果、残念ながら一名減されることになります。自治法違反になります。私は、あえてこの場でこの問題を取り上げ、今申し上げますのは、当然ながら議員自身にとって、また対象となるであろう地域、選挙区にとって大変重要な問題でありますので、次期選挙まであと一年十カ月となった今から時間をかけて慎重に論議をすべきと考え、質問させていただいているものであります。
 そこで、過去の県議会の関係資料を調べてみますと、国勢調査後の議員定数の改正に伴う条例の提出は、今までは知事がなされているケースが多く見られました。今、盛んに町村合併の問題が話題になっています。近い将来、必ず幾つかの新しい選挙区が誕生することになるであろうと思われます。したがいまして、現十四選挙区最後の選挙になるかもしれません。県当局としては、今回の対応をどのようにすべきとお考えになっていますか。条例提出をお考えとすれば、その時期と、また考えられる一名減に対する腹案がもしあればお伺いしたいと思います。
 次に、教育問題についてであります。
 戦後、半世紀以上経過する中で、荒廃の中から人々は物質的な豊かさを求め、一心不乱に働き、そのおかげで経済的には世界に冠たる地位を築き、大量生産、大量消費、お金と物に価値観を求める時代となり、反面、人間としての本来の姿、他人を思いやる心、倫理観、道徳性が失われてきた時代であると思います。最近は特に、テレビやラジオ、新聞報道でも見られるように、想像を絶する事件が後を絶ちません。親がおなかを痛めた我が子を殺す、子供は産み育ててくれた親を殴り殺す、他人をバーチャルゲームのごとく簡単に傷つける、殺す、自分さえよければいいという意味の「自己中」という言葉が流行語になるぐらいの時代であります。今の日本には何でもありだが、ただ一つないものがある、それは希望だと言っている人もいるぐらいであります。
 しかしまた、戦後の教育は、経済社会の発展にはそれなりに大きな役割を果たしてきたことは事実であると思います。そして、二十一世紀になりました。今後、ますます社会経済システムが大きくグローバル化、スピード化し、変革していく中、人間として、日本人として忘れかけているものをみんなで再構築する世紀にしなければなりません。国においても、二十一世紀は福祉の世紀、あるいは環境の世紀とも言われておりますが、将来を担う子供たちへの教育内容が、新学習指導要領でも見られるように大きく変わろうとしている今世紀は、まず教育の世紀でなければならないと思います。
 そんな中、新聞等の報道でもご承知のことかと思いますが、貴志川町において、全国のどの自治体にも先駆けて、六月三日を「貴志川教育の日」として条例制定されました。作業に当たられた教育委員会の皆さん、教育長のお話をお伺いしました。今、全国的に、いじめ、不登校、学級崩壊、青少年の暴力等、もはや学校だけでは対応できない状況にある中、子育て不安を抱く若いお母さんたちをどうサポートするか、失われかけている子供社会をどう復活させるか、信頼感が低下した学校教育をどう立て直すか、それぞれの立場にある者がみずから行動を起こすときが来ていると考え、これからの教育委員会は学校教育の場だけという狭い意味だけでとられる委員会ではなく、生涯学習という広い範疇の中に学校教育を位置づける生涯学習教育委員会であるべきとの積極的な熱い思いをお伺いいたしまして、私は深い感銘を受けました。
 小関教育長、「貴志川教育の日」制定をどう評価されますか、ご所見をお伺いいたしたいと思います。
 また和歌山県としても、学校教育と生涯学習の振興の機運を高めるためにも、また家庭、学校、地域がそれぞれの役割を担い、連携を深めるためにも「教育の日」を制定し、県内に広く進められたらいかがでしょう。岡山県が近々、県として初めて条例制定の運びとお聞きしております。小関教育長、どうお考えになっておられますか。
 次に、就学前の幼児教育についてであります。
 「三つ子の魂百まで」という、昔からのことわざがあります。就学前の幼児期には、大方の習慣なり、性格なりが形成されると言われております。家庭においては、教育の原点である家庭教育、すなわちしつけであり、幼稚園、保育所にあっては、団体生活の中でのルール、マナー、モラルをしっかりと反復しながら教えることが大変重要なことであると思います。
 教育委員会として、幼児期における幼稚園児への指導状況はどうなっていますか、小関教育長にお伺いいたします。
 また、同じく幼児期の保育所における指導状況はどのようにされていますか、福祉保健部長にお伺いいたします。
 次に、これは要望でありますが、世界遺産登録に向けての取り組みについて申し上げます。
 世界遺産登録へのプロセスについては、申し上げるまでもありませんが、一九七二年(昭和四十七年)の第十七回ユネスコ総会において、遺産や文化的な価値の高い建造物、貴重な自然環境を保護し、保全し、人類にとってかけがえのない共通の財産を後世に継承していくことを目的に採択され、一九七五年、二十カ国が批准し、発効された条約であります。我が国は、主要国中で世界遺産に関心の低い国と言われてきたそうであります。日本がこの条約を批准したのは、世界遺産採択二十年後の一九九二年のことであります。現在、世界じゅうで遺産登録がされている物件は、文化遺産五百二十九件、自然遺産百三十八件、複合遺産二十三件であります。日本にあっては、平成五年に登録された法隆寺地域の仏教建造物、それからよくご存じの姫路城から平成十二年に登録された琉球王国のグスク及び関連遺産群まで、文化遺産九件、自然遺産二件であります。そんな中、和歌山県として高野・熊野が、関係者のご熱意により、ことし四月にユネスコ世界遺産暫定リストに登載され、今後五年から十年以内に審査を経て世界遺産リストに登録されることになるようであります。今後、関係者の皆さんの一層のご努力を期待いたしたいと思います。
 さて、私たち自民党県議団の有志七名、井出、吉井、大沢、佐田、坂本、生駒各議員、それに私の七名が、四月十一日からオーストラリアのケアンズにあるグレートバリアリーフとクイーンズランドのキュランダ高原の熱帯雨林を見学してまいりました。これは二件とも世界自然遺産でありますが、グレートバリアリーフは、パプアニューギニア近くのトーレス海峡からブリスベーンのすぐ北までに及ぶ長さ二千キロメートル、面積にして三十五万平方キロメートル、日本とほぼ同じ大きさの世界最大のサンゴ礁で、約四百種類のサンゴが二百万年前から成長を始めてつくられたそうであります。特に帰りの飛行機から眺めたそのきれいさは、言葉を失うぐらいの絶景でありました。
 またクイーンズランドの熱帯雨林は、ケーブルカーで横断し、上空から見学いたしましたが、東北オーストラリアの熱帯地域の九〇%を占め、密林に生育する貴重な植物が数多く残され、このように自然がつくり出したスケールの大きさ、不思議さにただただ驚くばかりでありました。
 ただ私は、この二カ所の世界遺産を見学し、そのスケールの大きさや神秘さには驚きましたが、何か感動を覚えることはありませんでした。これは、きっと人々のかかわりがないゆえであろうと思います。頭の中に、すぐ高野・熊野のことが浮かびました。
 高野山金剛峰寺は、平安時代に空海(弘法大師)によって真言密教の根本道場として衆生済世の霊場として開かれ、その後、真言宗の一大メッカとして発展してきたものであり、歴史上でも、また学術上でも顕著な普遍的価値を持つものであります。また、本宮、熊野、那智の熊野三山は、神話の時代にあらゆる生命の源である水に対する信仰から誕生したと言われております。高野と熊野は、仏教と神道の違いはあっても、心に救い、いやしを得られるかけがえのない霊地であり、多くの人々の信仰と参詣を促してきました。
 このことから、高野・熊野は日本を代表する文化遺産であり、我が国で既に世界遺産として登録されている物件にまさるとも劣らない世界遺産であると確信いたします。また、観光立県和歌山としても観光の大きな吸引力となり、観光産業としての大きな起爆剤となることは間違いないことであると思いますが、結果には大いに期待しながらも、ユネスコ条約の本文を最大限尊重しながら、これからの審査基準は大層厳しくなっている様子でありますし、余り華美にならず、環境保全に努め、慎重に対処していただきたいと思いますので、関係各位のご奮闘を期待しながら、今回は要望にとどめておきます。
 以上、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) 国勢調査の精度はどうかとのご質問でございますが、平成十二年国勢調査の実施に当たりましては、あらかじめ県下全世帯に調査票を配布し、国から委嘱された七千八百十八人の国勢調査員等により、聞き取り調査を含め、厳正に実施したところでございます。加えて、万が一調査漏れがあった場合には、当該市町村に届け出なければならないことになってございますが、県下各市町村からは調査漏れの報告はございません。こうしたことから、発表された速報値につきましては適正かつ精度の高いものであると確信をいたしているところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 県議会議員の定数減への対応につきましてお答えを申し上げます。
 平成十二年の国勢調査の速報値によりますと、本県人口は百六万九千八百三十九人となってございまして、地方自治法第九十条の規定により本県議会の議員定数の上限は四十六となり、現状より一減となりますので、次回一般選挙までに定数を変更する必要がありますことはご指摘のとおりでございます。したがって、次回一般選挙までに和歌山県議会議員の定数及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定める条例の改正が必要となっております。また各選挙区ごとの議員数は、公職選挙法第十五条第八項の規定により「人口に比例して、条例で定めなければならない」とされておりますので、単純に人口比例配分をいたしますと四増五減の変更となります。しかしながら、同項ただし書きの規定により、「特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができる」とされておりまして、このただし書きの適用は議会の裁量事項であるとの判例がございます。
 本県におきましては、従来、このただし書きの規定を適用しまして、県議会において各選挙区ごとの選挙すべき数を定めていただいております。こうしたことから、今回の定数変更に際しましても、県議会の構成の基本にかかわる重要な事柄でございますので、まずは県議会においてご検討いただきたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 保育所における就学前教育の取り組みについてお答えをいたします。
 保育所は、保護者の就労または疾病等により保育の必要なゼロ歳から就学前の児童の保育を実施する児童福祉施設でございます。議員ご指摘のように、社会の一員として守るべきルールやマナーにつきましては、基本的に幼児期から家庭や地域の生活を通して身につけていくものでありますが、家庭の補完としての保育所での指導も極めて重要であると考えております。特に三歳児から就学前の児童については、保育所保育指針に基づき、自主協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うことを目標として保育に取り組んでいるところであります。
 今後とも、地域に根差した保育所として、指導に当たる保育士の資質の向上を図るとともに、地域の人々との交流や幼稚園等関係機関との密接な連携を図り、地域の子育て支援機関としての役割を果たすよう指導してまいります。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題三点についてお答えいたします。
 県民一人一人がゆとりある充実した生活を送るとともに、よりよい地域づくりを進めていく上で生涯学習を推進していくことは非常に重要な課題であると考えております。
 貴志川町においては、早くから生涯学習の町を宣言し、その核となるセンターを建設するなど、大変尽力いただいているものと理解をいたしております。また、このたび全国で初めて「貴志川教育の日」を制定されたことはまことに意義深いものと考えており、これを契機にほかの多くの市町村で取り組みが広がっていくことを期待いたしております。
 次に、議員ご提言の県としての「教育の日」の制定についてでありますが、各市町村の生涯学習の振興に対する県としての支援を十分行いながら、種々研究を進めてまいりたいと考えております。
 最後に就学前教育についてでありますが、幼児期は人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期であり、家庭と幼稚園等が十分な連携を保ち、幼児一人一人の望ましい発展を促していく必要があります。
 そのため幼稚園では、三歳児からの保育を通じて、異年齢での集団活動を重視しながら、例えば田植えや芋掘り体験など、幼児の発展に応じた主体的な活動としての遊びの中で自立心や道徳性の芽生えを培う教育を行っております。また現在、公立、私立幼稚園の新規採用教員の研修や保育所関係者を含めた各種研修などを県教育委員会が実施しているほか、幼稚園教員と保育士との人事交流、施設の共用、子供たちが一緒になった行事などを行っている実態がございます。
 今後とも、福祉行政との連携を一層深めながら、幼稚園教育の充実に取り組んでまいります。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二番山田正彦君。
○山田正彦君 定数削減の問題でありますが、この質問をするにつけ、担当部局といろいろ協議する中で、大変答えづらい質問をいたしました。総務部長、大変答えづらい質問にお答えいただき、ありがとうございました。
 私も、関係資料をいろいろ調べる中では、単純比較すればこういう答えになるしかないんかなと思っています。それから、自分らのことであるので県議会で検討せよというお言葉、まことにもっともなお話であります。ただ、四増五減と言いますと、十四選挙区のうちの九つの選挙区に関係する大変重要な問題であると思います。お互いに真摯に協議をしなければいけないと再確認いたしました。
 それと、一点だけ、ちょっと確認させていただきたいことがあります。公職選挙法第十五条の中の三項と四項の解釈でありますが、現在、十四選挙区の中でこの条件に合う選挙区があると、私は思っています。それは、海草郡と海南市の場合であろうかと思います。当選挙区の議員に対してはまことに失礼な、迷惑千万なことであろうとは思いますが、仮に可能であるとすれば、九つもある選択肢の中の一つに加えられることではないかと思いますので、法解釈におけるご見解をお尋ねしたいと思います。
 それから、教育問題についてであります。
 将来の和歌山県を託す青少年を育てるのは、私たち和歌山県の大人の責任であります。就学前の幼児期の子供たちは、みんな和歌山県の子供たちであります。今お話をお伺いしますと、公立幼稚園については教育委員会、私立幼稚園については窓口が総務部総務学事課、それから保育所についての窓口は福祉保健部子育て推進課が、それぞれの立場で適切に対処していただいているとは思うんですけれども、縦割り行政の弊害が出ることはありませんか。出ていませんか。大丈夫でしょうか。何か事件や事故が発生し、問題化してから慌ててその対策を迫られる治療的教育ではなく、予防教育に今後知恵を絞るべきではないかと思います。お互いの領域にとらわれることなく、連携を密にしてお取り組みをいただきたいと思います。
 知事にあっては──知事は和歌山県のお父さんでもあります。すなわち、子供は知事の子供であります。連携を密にして今後お取り組みいただきますよう、各部局に対してもいま一度改めてご指導いただくよう、この件については要望しておきます。
 以上です。
○議長(阪部菊雄君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) お尋ねの海南市選挙区と海草郡選挙区の合区につきましては、ご指摘にありましたいわゆる飛び地特例等を適用いたしまして法律上は可能でございますが、選挙区割りの変更につきましては県議会の今後のご検討にゆだねるのが適切であると考えておりますので、是非に関する見解は差し控えさせていただきたいと存じます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十二番永井佑治君。
  〔永井佑治君、登壇〕(拍手)
○永井佑治君 議長のお許しをいただきましたので、当局に二、三お尋ねをしたいと思います。
 交通問題についてお伺いをいたします。
 まず初めに、和歌山─大阪間の道路及び鉄道についてお伺いをいたします。
 私が和歌山市職員として勤めていた当時の和歌山市の宇治田省三市長は、「関西国際空港ができた後、和歌山市は扇風機の裏側になってはならない」と、各方面で何度も訴えておられました。しかし、バブル経済の崩壊後、現実はその扇風機の裏側になりつつあることが大きく懸念をされております。関西国際空港が平成六年に開港して以来、南海やJRは臨空線の整備充実を図るとともに、南海では、関空直通の特急ラピートを初めとする新型車両を導入し、JRでも、京都、新大阪から関空直通の特急はるかや関空快速を導入するなどして、大阪方面からの利便性の向上に努めてきています。しかしその一方で、和歌山─関空間の直行便はまだ実現には至っておりません。また、大阪圏の鉄道旅客数の推移を見ますと、運輸政策研究機構がまとめた「二〇〇〇年版数字で見る鉄道」のデータでは、昭和五十年度を一〇〇とする指数で見ると、昭和六十年度には一〇七となり、その後、バブル経済崩壊後の平成五年度までは一〇五の指数を保っており、平成十年度、十一年度においても一〇〇と、一定の水準を維持しております。
 しかしながら、かつて大阪から和歌山市への玄関口であった南海和歌山市駅における一日の乗降客数は、最も多かったピーク時の昭和四十五年度の五万九百九十一人に比べて、平成十二年度には二万三千八百四十四人と半減し、京阪神の都市を走る鉄道との格差が大きく生じてきています。南海では、昭和六十年十一月から乗降客の増加対策として特急サザンを導入するなどしましたが、特効薬とはならず、乗降客は年々減少傾向にあります。また、特急サザン自体の乗車率も低迷しており、そのためこの春からは、これまでの停車駅以外に尾崎や天下茶屋にも停車しています。
 それでは、なぜこのように南海和歌山市駅での乗降客が減少したのでしょうか。
 その原因の第一点目として、路線が中途半端になってきている点を挙げたいと思います。この点については、後ほど詳しく述べたいと思います。
 次いで第二点目として、大阪の泉州の南部地域がバブル経済の崩壊後、まさに扇風機の裏側状態となっている点であります。阪南市から岬町を経由する和歌山市への道路は、国道二十六号線一本しかありません。土曜、日曜には大渋滞が生じており、平日も通勤ラッシュ時を中心に渋滞が頻繁に起きています。こうしたことから、コスモパーク加太を持つ和歌山市の河西地区も含めて、企業進出はもちろんのこと、イトーヨーカ堂を初めとする大手スーパーなど集客力のある店舗や事業所の進出が見送られているほか、みさき公園の経営見直しや深日港からのフェリー乗り場の撤退などといった悪循環を生み、南海和歌山市駅の乗降客数にも少なからず影響を与えているものと思われます。こうした状況から考えますと、交通網の整備充実こそが急務であります。
 しかし、現在、我が自由民主党総裁の小泉総理が打ち出した聖域なき構造改革の一環として、道路特定財源の見直しが論議をされております。私自身は、道路特定財源の見直しそのものについては異論を唱えるものではありませんが、都市部で払った税金は都市部で使うといった論理には大きく疑念を抱かざるを得ません。まだまだ、地方には道路整備が必要なところが多くあります。和歌山県にとりましても、第二阪和国道の早期建設や大阪湾岸道路の南伸を初め、木村知事が進めておられる府県間道路などの道路網の整備こそが、和歌山市を中心とする鉄道やバスといった公共交通の輸送力のアップにつながることは必至であり、和歌山市やその周辺の経済発展の大きなかぎを握っていると思います。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 和歌山県の発展のかぎを握るこれらの道路網の整備について、一般質問の初日での同僚の木下善之議員からの質問と重複いたしますが、道路特定財源の見直しの問題も含めて、県当局の見解と取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、さきに申し上げました中途半端な路線についてであります。
 一例を挙げますと、東京に住む大学時代の友人が和歌山市を訪れ、和歌浦に一泊した際、次のように話してくれました。「新幹線をおりて、難波に立ち寄り、それから和歌山に来ましたが、その間、地下鉄を乗り継ぎ、しかも長い距離を歩いたので大変疲れました。なぜ地下鉄が南海線と相互乗り入れをしていないのか。首都圏では相互乗り入れはどんどん進んでいるのに」。
 この相互乗り入れですが、私の若いころ、南海と当時の国鉄が相互乗り入れを行っていました。当時の南紀連絡ディーゼル急行きのくに号は、難波から和歌山市駅、紀和駅を通って白浜や新宮まで一日二往復運行されておりました。現在も、南海はJRの在来線とレールの幅が同じであります。これに対し近鉄、阪急、京阪、それに大阪市営地下鉄などはレールの幅が南海より広く、揺れも少なくスピードアップが図られているほか、大阪、京都、神戸では地下鉄との相互乗り入れが行われております。もし、南海がこのレールの幅を見直し、地下鉄を初め近鉄や阪急などとの相互乗り入れが実現すれば、和歌山から神戸や京都、名古屋まで乗りかえの必要がなく、しかもJRより安い料金でゆったりと行けるようになります。そして、本県が目指している観光振興がより一層図られ、通勤通学の利便性も大きく向上し、学生の下宿生活やサラリーマンの単身赴任も減少するといった効果が期待できます。
 JRでは、既に故仮谷知事や西口前知事らのご尽力により、特急くろしお号の新大阪、京都乗り入れを初め、紀勢線、阪和線からの大阪京橋乗り入れが行われました。また、JRは関西各地に線路を広げ、紀州路快速や大和路快速など乗客の利便性が図られております。
 「鉄道」という言葉を辞書で引いてみますと、「レールの上を走る汽車、電車などの交通機関」とありますが、これからの電鉄会社には、これまで敷かれているレールの上に電車を走らせるだけでなく、時代のニーズを追い求め、乗客の利便性の向上や沿線地域の活性化をともに求めていくといった公益企業としての責務があると思います。
 そこで、企画部長にお尋ねをいたします。
 厳しい経済情勢の中、南海では平成十一年度から経営三カ年計画を発表し、狭山遊園の閉園を初め、ホテル、レジャー、不動産の三事業でグループ会社の再編を行うなど、財務体質の健全化を進めているところであり、新たな設備投資を伴う都市圏の他社路線との相互乗り入れの事業化はなかなか実現が難しいと思います。しかし、本県としては、公益企業としての役割を担う南海電車に対し、乗客の利便性の向上と地域の活性化のために何らかの施策を実施するよう働きかけをすべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、路線バスの運行についてお伺いをいたします。
 私の住む和歌山市の宮地区にある県道鳴神木広線、通称・宮街道は、平成五年七月に国道二十四号岩出バイパスが全面開通したことや、さらにそれまで片側一車線だった三年坂通りの一部が世界リゾート博を契機に二車線化されたことなどに伴い、交通量が大幅に増加いたしました。一昨年の十月調べでは、田中町交差点の東西走行は、昼間の十二時間で三万六千百十二台を数え、和歌山市内でも一、二を争う交通量となり、十年前と比べますと、和歌山東署前の栗栖の二万一千九百十五台のおよそ一・五倍となっています。朝の通勤ラッシュ時には、花山交差点付近から県庁周辺までの所要時間は通常のおよそ三倍の三十分余りもかかるといった混雑ぶりが毎日続いております。地方公共団体や大手企業などでは、交通渋滞の解消や通勤者の健康増進対策、それに地球環境の保全といった点を踏まえて、マイカー通勤を自粛して公共交通機関の利用を呼びかけているところがあります。
 岩出町から通う私の知人は、JR和歌山線と和歌山バスを乗り継いで通勤しています。この方は、岩出町荊本の国道二十四号近くに住み、JR岩出駅まで二十分余りかけて歩いた後、県庁前のバス停まで一時間十分から一時間二十分をかけて通勤をしております。この方いわく、岩出バイパスの完成により県庁や和歌山港まで大動脈となる道路ができているのに、なぜバスが運行されないのか、バスの運行により通勤時間が大幅に短縮されるほか、マイカーでの交通渋滞も解消されるのにと、素朴な疑問を投げかけております。
 私が調べたところ、県庁正門前を走る三年坂通りから、宮街道、国道二十四号バイパスへと通じる幹線道路には、残念ながらバスは運行されておりません。県庁正門近くにバスの停留所があり、そのバスの時刻表を見ると、和歌山港から県庁前大橋を経由してJR和歌山駅行きの路線が設けられていますが、一日二・五往復しかありません。せっかく和歌山と紀北を結ぶ太い幹線道路があるのに、平成五年の岩出バイパス全通以後、今日まで路線バスは運行されておりません。那賀、岩出や紀伊、川永方面へのバスの運行は、県道粉河加太線や旧国道二十四号を通って運行されているのが現状のようであります。この県道粉河加太線や旧国道の沿線の住民の方々にとっては、バス路線の確保が必要不可欠でありますが、岩出町や川永方面から県庁やその周辺に向かう利用客にとっては、何もすべての便が渋滞の著しい県道を通る必要がないのではないかと思います。
 この県道粉河加太線での交通渋滞を取り上げてみますと、鳴滝団地のある善明寺から梶取を経由して和歌山市駅へ向かう路線では、平成十年九月の調査によると、通常時では二十三分で運行されています。しかし、ラッシュ時には最もひどい便では一時間余りもかかるといった、お粗末というかあきれる事態が生じております。また、川永団地や鴨居川団地等に住む粉河加太線沿線の人たちも、この県道を通るバス路線以外にも国道二十四号バイパスから県庁方面へと向かうバス路線があったらどれだけ便利か、さらに花山団地周辺の住民の方々からも新路線の設置をと、私の方に要望が寄せられてきています。
 次に、和歌山市と岩出町の一市一町の取り組みについてご紹介をしたいと思います。
 まず和歌山市では、県立医大の移転などで訪れる人が減少したぶらくり丁やその周辺の活性化対策として、三月二十五日から市営の城北や本町駐車場を起点とする無料のぶらくり丁ループバスを走らせております。このバスは二台で運行され、パンダの絵柄が採用されたパンダバスと、路面電車をイメージした路面電車バスがあります。しかし、スタートの直前に丸正百貨店が破産し、和歌山ビブレも撤退してしまい、利用客は伸びていないのが現状のようで、朝日新聞の記事では一便の平均乗客数は三・五人と当初の予想を大幅に下回り、千七百万円の税金が一年間の維持費として使われていると紹介されておりました。和歌山市の商工振興を目的に発車したバスですが、丸正やビブレがなくなるといった時代の流れを読み取れなかった点では、残念に思う次第であります。
 また、人口増加が続いている岩出町では、人口約四万八千人のうち、大阪府への通勤者が三千五百人を超えていることから、大阪への通勤、通学者の利便性を図ろうと、JR岩出駅と泉南市の南海樽井駅の間に年間三千万円を投じて路線バスを走らせ、根来バス停近くにはマイカーで乗りつけ、無料でとめられる駐車場を整備し、平日三十六便、土日二十四便を運行しております。しかし、三月末までの平均乗客数は一便当たり約一・七人と少なく、事態を重く見た町では、四月からルートを快速電車が停車するJR和泉砂川駅を経由するように一部変更し、また一日の便数は同じでも朝夕は運行間隔を短くするなどの改善をした結果、利用者数もふえ始めたということであります。
 この和歌山市と岩出町の取り組みについては、朝日新聞に、和歌山市が「無料売り物、利用は伸びず」と、岩出町が「ルート変えても不振、朝夕以外がらがら」との見出しつきの記事が掲載されておりました。買い物客や通勤、通学者らの利便性の向上を図ろうとした行政努力は認めるものの、時代のニーズや経済情勢の先見性を欠いたり、深く分析できなかった点が二つの記事としてあらわれたものと言えると思います。それらの点を踏まえて市民や県民の要望をいかに酌み取るかが、常に行政や公共機関に求められているところであります。
 本年一月現在、和歌山市には、大十バスや有田鉄道、御坊南海バスを除き、和歌山バスと和歌山バス那賀を合わせて六十一路線があり、これらの往路と復路を合わせた平日一日の通行回数の合計は千四百三十六回を数えます。このうち、過去十年間に新設された路線は十五ありますが、その大部分が県立医大やマリーナシティの関連路線であります。これでは、高齢化社会が進み、また振興住宅地等もできる中、時代のニーズを的確に酌み取っているとは言えません。その証拠に、和歌山バスでは年々乗降客が減少し、平成十一年度には一千万人を割り込み、平成十二年度では八百七十一万二千人となっております。
 ただし、バス会社は国の許認可のもとに事業を展開しておりますので、迅速な対応が容易でないのは理解できるところであります。例を挙げてみますと、これまでは停留所を三十メートル移動するのに、担当の職員らが東京まで泊り込みで出向いて、運輸省や現在の国土交通省にお願いして決裁をいただくといった、大変時間のかかる作業を行ってまいりました。しかし、これらの許認可行政のゆがみをなくすべく、地方分権が叫ばれております。また、「らいおんはーと」のホームページへのアクセスが百万件を超えた我が自由民主党総裁の小泉総理も、聖域なき構造改革を前面に掲げて奮闘され、諸施策を展開している昨今、住民のニーズに合った公共交通のあり方について積極的な議論、かつ実行が重要であると思います。
 県警察本部が中心となって、和歌山市内の路線バスをコンピューターを使ってスムーズに運行させるシステムが二月下旬からスタートし、ある程度の成果を上げていると聞いております。このシステムは、公共車両優先システム(PTPS)と呼ばれ、道路上方に設置された装置がバス車両を感知し、バスの走行先にある信号を制御することにより、渋滞時にもバスを優先して定時走行を確実にするもので、現在、布引交差点から国道四十二号線を通り南海和歌山市駅までの路線や、同駅からJR和歌山駅にかけてのけやき大通りなどで実施されており、今年度事業として国体道路にも設置が進められています。和歌山バスでは、バスの待ち時間の短縮やバスの発着のおくれが解消されるなどの効果が出ており、バス利用者の増加につなげたいと話しております。
 このほか、バスの運行につきましては、海南市の石田市長が初当選直後に導入した、過疎地域を中心に運行しているコミュニティーバスも好評を呼んでおりますし、東京武蔵野市では道路幅の狭い地域に小型バスを巡回させる料金百円のムーバスも人気を呼んでいます。またバリアフリー化が叫ばれる中、ノンステップ低床式バスや低公害バスの導入も求められております。
 このように、バス輸送につきましては、県内外を問わずさまざまな取り組みが行われ、また多くの課題がありますが、バスの利用者の核となっているのは、高齢者や児童生徒といったいわゆる交通弱者であります。高齢化社会を迎えた今、バス輸送の重要さをいま一度見直し、バス路線の整備充実を図らなければならない時期に来ているのではないでしょうか。県当局の見解と取り組みについて、企画部長にお尋ねをいたします。
 以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの永井佑治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 道路整備に関する永井議員のご質問、私も全くそのとおりだと思いました。
 私は知事になりましてから、開かれた和歌山をつくろうということで、京奈和自動車道とか府県間道路について言及してきたわけでございますけれども、当然のことながら、第二阪和や湾岸道路の南伸、これも大変重要なことだと思っております。
 そうした中で、小泉内閣の構造改革ということで、私自身も先ごろ表明いたしましたように、構造改革は非常に大事なことだけれども、和歌山県にとってはまだ道路が要るんだということを言ってきているわけでございます。そして、きのう骨太の方針というものが示されまして、なかなか厳しい内容になってはおりますけれども、道路が重要だということについては認められたような感じがあります。そしてその中で、一つには大都市圏を整備するような方向での重点的な扱いということも考えていかないといかんということも言われております。
 和歌山県の場合、和歌山市とか紀の川筋のような近畿の大都市圏の中に入る地域と過疎地域の二つの地域がございます。これは、どちらも大事です。過疎地域の方は、この間も言いましたように、環境等の問題から重要性をどんどん訴えていきたいと思いますし、和歌山市を中心とした地域と大阪との交通なんかについては、大きく近畿都市圏ということでの重要性があるんだという形で道路整備の重要性を今まで以上に訴えていくことも考えていかないといかんと思っております。そしてこの問題については、国土交通省近畿地方整備局長とも頻繁に会いまして、とにかく大事なんだ、和歌山県としては協力できることは思い切り協力していくので、ぜひ県の強い意向を酌み取って対応してもらいたいということを申し上げております。そしてまた、東京の方でも道路局長などに会いましてそういう話をどんどんしておりますので、すぐに効果が出てくるかわかりませんけれども、今は何といいましても激動の時期ですから、適宜適切に和歌山県からいろんな要求とか要望を出していけばそれが成ることも、今までよりは可能な場合もあると思っておりますので、そういうふうな積極的な姿勢で臨んでいきたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) 南海電鉄の利便性向上についてでございますが、南海電鉄など民間鉄道の相互乗り入れにつきましては、会社や路線により異なるレール幅の見直しとか、各路線をつなぐ新線建設等の問題があり、鉄道事業者を取り巻く経営状況を勘案すれば非常に厳しいのではないかと考えております。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、本県の発展には地域を代表する公共交通機関である南海電鉄の利便性の向上は欠かせないものでございまして、県といたしましては、南海電気鉄道株式会社に対し、和歌山市─難波間の時間短縮、南海県内主要駅のバリアフリー化、泉佐野駅における連続立体交差事業完成に合わせての関西国際空港への同一ホームの乗りかえ、南海電車の和歌山駅への乗り入れ等について、今後とも要望してまいりたいと考えております。
 次に、バス路線の整備充実についてでございます。
 乗り合いバス事業につきましては、年々利用者が減少し、その結果、ほとんどが不採算路線となり、事業者は経営改善を図りながら運行に努めているところでございまして、県といたしましても、生活路線の維持を図るべく、国庫補助制度を活用し、不採算路線に対し補助を行っているところでございます。
 このような状況の中、平成十四年二月には乗り合いバスの需給調整規制が廃止されることとなります。このため、本年三月には、国、県、市町村、事業者で組織する地域協議会を設置し、効果的な生活交通のあり方について協議を行っているところでございます。
 なお、和歌山市におきましては、市内のバス路線のあり方について検討会を設置する予定と聞いており、県といたしましても、この検討会に参加し、協力してまいりたいと考えております。
 次に、高齢者等に対応できる低床バスの導入につきましては、平成十一年度及び平成十二年度に和歌山バス株式会社が導入した低床スロープつきワンステップバス十台に対し、補助をいたしました。さらに、平成十三年度におきましても、低床ノンステップバス三台の導入に対し補助を行う予定でございます。また、平成十三年二月から県警察本部が和歌山市内の主要道路での公共車両優先システムを運用開始したことに伴い、本年度において同システムに対応した車載機を設置する和歌山バス株式会社に対し助成することといたしてございます。県といたしましては、関係機関とともに引き続きバス輸送の整備充実に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 以上で、永井佑治君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時五十九分休憩
     ─────────────────────
  午後一時二分再開
○副議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十五番金田 眞君。
  〔金田 眞君、登壇〕(拍手)
○金田 眞君 議長のお許しを得ましたので、一般質問を行わせていただきます。大変質問項目が多くて恐縮でございますが、ご協力のほど、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 最初の、世界遺産登録について質問いたします。
 私は、世界遺産の登録は自然現象や人的な問題を原因とする文化遺産の破壊や喪失の脅威からこれらを保護、保全していくところに本来の目的があり、日本文化の意義ある民族的伝統を受け継ぎ広める立場から、乱開発や産廃問題などによって危機にさらされている紀伊山地の霊場と参詣道を世界遺産登録することは、価値ある文化遺産を積極的に保全、継承していく上で重要な意義を持つと考えます。そして、何をどういう理念で登録するのか、また登録された後の保護、活用のあり方についてよく研究、検討していくことが必要であり、そのために、関係する自治体の住民はもとより広く県民の意見を聞くなど、充実した保存と登録の実現を目指した共同を広げる努力が求められていると思っております。
 さて、世界遺産に登録される基準では文化財保護法や自然公園法などの国内法で保護されていることが必要であり、史跡未指定物件の指定や緩衝地帯の設定が必要です。特に、熊野速玉大社と本宮大社の間を熊野川を利用した水上の参詣道として今回遺産登録を目指しておりますが、そのためには熊野川が史跡に指定されることが必要であり、全国で川の史跡指定がなかっただけに苦労があると思います。また、地元自治体の熊野古道を対象とした新たな保護条例をつくることも求められており、熊野川の史跡指定や市町村の保護条例の現状と今後の見通しをお知らせください。
 次に、世界遺産に登録されれば、メリットとして知名度アップ、観光への寄与も予想されますが、財政的支援はなく、恒久的保護の義務を果たすことが求められ、ごみ問題や環境破壊など、新たな環境問題も生まれることが予想されます。言うまでもなく、世界遺産を保護することは国際社会全体の責務です。世界遺産条約では、条約締結国の保護・保存、国際的な援助への義務や教育活動の強化が明記されており、大切なのは世界遺産リストに登録されることがゴールではなく、そこから保護、保全の新たなスタート地点とすることであり、保護のための準備も登録推進とともに考える必要があると思います。
 もともと紀伊山地の多様な信仰はこの地域の豊かな自然を舞台に成立し展開してきたもので、紀伊山地の霊場と参詣道は何よりも周辺の自然と一体のものとして保存措置をとることが求められ、地域住民の暮らしを守る問題と結合した取り組みが大事だと考えています。そのために、世界遺産に登録した後の保護、活用のあり方を衆知を集めて編み出すことが大事と考えますが、知事の考えをお聞かせください。
 二番目の質問項目の自然と健康を守る環境行政の実現についてですが、最初の新宮市松山での建設業者の産業廃棄物の自社処分は中止させるべきだと思います。この問題は毎回取り上げておりますが、建設業者が住居専用地域で産廃の自社処分を行っている上に、中間処理業の申請を行いました。もちろん住民も新宮市も反対し、県も「良好な住環境が維持されるべき第一種中高層住居専用地域での産業廃棄物処理業の立地は好ましくない」と不許可の方針を打ち出す中で、業者は申請を取り下げました。しかし、住民は以前から「自社処分でも騒音や煙などで生活環境が脅かされている」と訴えており、県も「不適正な自社処理は廃棄物処理法に定められた処理基準を満足させるよう強く指導する」と、九九年九月議会から答弁されながら、一向に改善されません。たとえ自社処分であっても、第一種中高層住居専用地域での産廃の焼却や破砕行為を許すべきではないと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
 焼却炉のダイオキシン類測定結果報告書の提出が義務づけられており、さきの議会で報告を求めても、いまだ報告されていません。どうなっていますか、お尋ねいたします。
 焼却した後の焼却灰などは、最終処分場での処理が廃掃法で定められており、その焼却灰のマニフェストや最終処分業者との委託契約書の確認をお願いしましたが、どうなっていますか。また、報告を求めてもそれに応じない行為は廃掃法の報告の徴収に抵触すると考えますが、県の見解をお尋ねいたします。
 そもそも焼却炉がこの場所に存在すること自体が疑問ですが、直ちに撤去できないなら、最低ルールは守るべきです。二年以上にも及ぶ野焼き同然の焼却炉の焼却方法は廃掃法に抵触するのではありませんか。また、焼却炉の改善修理を指導しても実行されずにいます。いつまでも行政の指導に従わない者には、住民の命と暮らしを守る立場から直ちに廃掃法第九条の改善命令や措置命令で作業の一時停止を命ずることは当然です。今後の方針を含め、ご答弁ください。
 一般に、破砕機などの使用は騒音規制法等にかかわる特定施設設置届け出が必要です。もちろん、この場所での届け出は受理できないと思いますが、無届けで操業が行われています。この場所の破砕機、ベルトコンベヤーなどは、この間の使用状況から都市計画法の「周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物」のクラッシャープラントに該当し、使用できないと思いますが、県の見解をお尋ねいたします。破砕機やクラッシャープラントに対して県はこの間、一貫した方針で指導を行ってきたのか、極めて疑問です。住民の中に不信を抱かせる原因にもなっています。ご答弁ください。
 廃棄物保管施設の囲いがない、廃棄物置き場の床面にシートまたはコンクリートがされていない、里道を埋め立てて使用している、また、廃車が置かれていたり、黒い土が運ばれて埋められており、保管・管理処分に関しても幾つかの問題点があると思いますが、どのように認識し、対処をしていますか、お答えください。
 さらに、難しい判断ですからご答弁は要りませんが、都市計画法にも抵触する開発行為にならないか心配でもあります。
 この問題の最後に、新たな土地利用計画や用地買収計画はありませんね。また、移転補償などもありませんね。明確なご答弁をお願いいたします。
 この項二つ目の、世界遺産登録にふさわしい熊野川とする対策についてです。
 吉野熊野国立公園第二種特別地域内の白見の滝付近での長年解決されない川沿いでの不法投棄・埋め立ては、昭和六十三年四月の口頭注意から始まり、平成六年十月に行為者との協議が行われたまま放置され、平成十一年一月に口頭注意、平成十二年二月から議会でも取り上げておりますが、一向に改善されません。この案件は河川法や廃掃法に抵触するのではありませんか、見解をお尋ねします。
 自然公園法第十七条三項の規定に基づく許可を受けずに土地の形状変更が行われたことに対して、官民境界がはっきりしていなくても直ちに始末書の提出や第二十一条の原状回復命令ができたはずです。なぜそれを行わずに長年放置してきたのか。以前にも「法に照らして厳正に対処する」との部長答弁もあり、その理由と今後の対策をお聞かせください。
 また、不法投棄を許さないルールと体制の確立が求められております。お尋ねいたします。
 河川管理について私は昨年の九月議会で、平成九年の河川法の改正によって県の河川整備計画の策定が求められているのになぜ策定されないのか、その原因と今後の方策を質問しました。その後どのように取り組まれているか、お尋ねいたします。
 次に、新宮市営球場のダイオキシン再調査と汚泥処分について質問します。
 ことし一月に土地開発公社が所有していた新宮市の野球場予定地のダイオキシン土壌調査が実施されましたが、二万六千平米の広い場所で、埋められた物質も場所も確認せず、たった二地点だけの調査結果にどれだけの説得力と住民の安心が得られるのでしょうか。国のダイオキシン土壌調査マニュアルに基づかずに調査地点を決め、資料等調査も行わなかったことの明確な根拠を示してください。
 工事の進行に伴って土壌調査が必要になると思われますので、再度土壌調査を実施してください。
 河川しゅんせつの汚泥が約九千八百立米山積みされていますが、この汚泥を野球場に敷きならす計画のようです。中止し、撤去してください。
 平成十一年九月議会で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が大幅に改正されたのに県の産業廃棄物の処理に関する事務取扱要領は昭和六十二年のままであり、これでは現在の状況に対応できるものではなくかえって現場に混乱を起こすと、早急に策定することを要望しました。部長は、「県におきましては既に見直し作業中でございます。できるだけ早期に策定してまいりたい」と答えています。橋本の教訓を生かす上からも早急に策定が求められています。状況をお知らせください。
 第三項目の、障害者対策です。
 雇用対策の中で、比較的重度の障害者に対して一般雇用という形ではなく福祉的就労として授産施設や小規模作業所がありますが、今、県下の障害者の共同作業所では、不況の影響を受けて従来の下請の仕事がなくなったり、一般の職場で解雇され、共同作業所に職を求める例が多く見られます。例えば、授産施設で働く力を高めて自立しようと一般企業で働き出しても、困難な労働環境の中で働けなくなり、Uターンしてしまう例もあります。また、障害者職業センターでの職業訓練終了後、採用先の企業がなく共同作業所へ来る人も多くいます。
 現在の県下の作業所の障害者の月給は三千円から一万円程度であり、この給料の低さは、稼働能力の問題よりも賃金を得る仕事がない状況に放置されていることが原因です。共同作業所自体の努力だけでは生活していけるだけの給料保障は不可能です。今こそ希望の持てる仕事と給料の確保のために、県行政の中で障害者の働く環境を常に支援してつくり上げる姿勢が強く求められています。
 今、全国各地で行政と共同作業所の連帯が生まれ、不況下でも新たな仕事づくりが起こっています。例えば、大阪のさつき作業所では、委託による高齢者の給食宅配、公園清掃、道路わきの花壇の水やりや植えかえ、側溝清掃を行っております。長野や神奈川では、社会就労センター協議会、通称「セルプ」を通じて記念品作成、愛知では公園清掃、京都では職員の名刺や各課封筒印刷などを行っています。和歌山県でも、田辺市はペットボトル再生利用で選別と洗浄作業を障害者福祉団体に委託しています。滋賀県の例で、九八年に社団法人滋賀県社会就労事業振興センターが設立され、県下百二十カ所、二千名の障害者に向けて作業所製品や仕事そのものの開発、開拓、普及、調査、相談を含む情報提供、企業や団体向けの広報、連絡、資金融資の紹介を行っています。単に授産施設や小規模作業所がつくったものだから買い上げるというのではなく、商品価値の高いものの開発や受注に際して作業所と一般のジョイントで受けられる体制をとり、仕事の範囲も広げる方法がセンターでは工夫されています。また、県や市町村の受託作業の入札業者にセンターがなり、入札とともに随意契約も積極的にとっています。今、全国十九カ所に振興センターがあり、不況の中で障害者の福祉的就労の開拓に大きな役割を果たしています。
 和歌山県も、社会就労センター協議会や県共同作業所連絡会などの関係者と一緒に、県行政の責任で滋賀県のように専従職員を置くなど、現在のセルプを和歌山県社会就労事業振興センターに発展強化させる設置構想を検討してください。ご答弁をお願いいたします。
 第四項目めの、県営住宅の合併浄化槽についてです。
 村岡県議が二〇〇〇年七月十日、県営住宅の実態調査のために県営住宅の入居者代表と合併処理浄化槽維持管理業者との契約書と見積書の公文書開示請求を行いましたが、県から七月二十四日、不受理の通知を受けました。もちろん、九月十八日付で異議申し立てを行い、二〇〇一年四月二十五日、公文書開示審査会は県に対して「契約書については入居者代表の住所や氏名、電話番号などを除き開示すべき」と答申しました。この結果について、県の見解をお尋ねいたします。
 県営住宅三十五団地のうち二十団地は契約書が開示されましたが、十三団地は契約書の保存期間が経過したので廃棄したとして、文書が開示されませんでした。浄化槽が現存して使用されており、その契約に基づいて維持管理されているのですから、団地の所有者、管理者である県は、団地住民と業者の間の契約書はその浄化槽がなくなるまで保存すべきではありませんか。一度契約を交わした後も、契約内容に変更がなく書きかえが不要だったのですか。例えば業務委託料が十年間も変わらなかったのでしょうか、お尋ねをいたします。
 契約書の中の消費税ですが、いまだ三%であったり、消費税が導入される以前からある団地は消費税自体うたわれていない契約書のままです。消費税は重大な契約内容であり、契約書の書きかえが必要ですが、廃棄されたということは書きかえが実行されなかったのですか。
 同じ県浄化槽協会との契約でも、各団地によって契約内容が違っています。例えば、保守点検のための管理委託契約であるのに清掃料金の額を含んでいるのもあります。本来、保守点検と清掃は別のものであり、この契約内容は不適切ではありませんか。
 次に見積もりについては、平成十年五月以降は見積もりの提出を求めておらず、保存期間も一年で廃棄していると、全面開示はされませんでした。しかし、平成十年以前の県と浄化槽協会との汚水処理施設管理委託契約書には、維持管理の経費は県が査定した見積書に基づいて業者と住民が定めることが明記されており、契約の変更がなされていない以上、見積書は必要だと思います。県のお考えをお尋ねいたします。施設維持上確実に必要な保守点検が実施されているか確認する上でも、浄化槽契約の今後の研究からも、見積書は必要と考えます。県の見解をお尋ねいたします。
 平成十一年九月議会で、私の「他の業者からの見積もりが新たに更新時に提出された場合はどうなのか」との質問に土木部長は、「これについては積算内訳を分析してみないと何とも言えないところでございますが、今後の研究課題の資料にはなり得る」と答弁し、研究課題の資料と認めています。さらに、村岡県議も見積書について質問をしております。少なくとも、見積書が問題になっているとき、この時点で見積書をとっていないことを明らかにすべきではなかったでしょうか。なぜ知らせなかったのか、説明を求めます。
 「浄化槽の維持管理業務の契約につきましては、より適切な方法があるかどうか今後の研究課題として取り組む」と再三、部長は答弁なされており、その成果をお知らせください。
 最後の項目の質問です。
 新宮市立医療センターが五月にオープンしました。しかし、ヘリポートは使えませんでした。本当に残念であり、怒りを覚えます。
 そもそも、私はさきの二月議会で、財政問題がすべての原因ではないが、せっかくつくったヘリポートが使えない事態になることを訴え、市の責任と同時に県にも指導監督責任があるからと、財政支援を含め対策を求めました。すると、福祉保健部長は「予算がかからない方法で市とも協議、指導をしていきたい」と答弁されましたが、現在ヘリポートは駐車場に変わり、当初の計画のヘリポート施設はなく、県民の税金をむだに使っただけです。これがお金のかからない解決方法ですか。こうした結果を招いた責任は重大です。ご答弁をお願いいたします。
 県は、本県の地理的ハンディを補うため、紀南地方や山間部の救急患者には県防災ヘリコプターなどによる広域搬送で対応を図っているとしており、ヘリポートの病院敷地内への設置は機能強化となるはずでした。ヘリポート整備が実現しなかった原因と影響をどのように認識されているのですか、お答えください。
 また、新たにドクターヘリの構想もありますが、こんなお粗末な結果を招いたのですから、災害拠点病院として防災ヘリ及びドクターヘリの離発着場を整えるためにも、紀南地域に住む県民の命を守るためにも、県としても財政的支援も含めて新宮市と一緒になって汗を流すことは当然であると思われますが、最後に部長の決意をお聞かせください。
 以上です。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの金田眞君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 高野・熊野の世界遺産登録後の保存と活用ということについてのご質問でございます。
 先ほど来申しておりますけれども、今、構造改革の時代ということになってきている中で、やはり和歌山県は、特にこの高野・熊野地域が環境という面から新しい価値というものを提起していかなければならないと私は考えております。
 世界遺産登録は非常に大事なことで、力いっぱいやっておりますけれども、この登録ができた暁には、環境という観点からそれをまた売り出して和歌山に対しての意識を高めてもらうことが非常に大事だと思いますので、今ご質問にありましたような衆知を集めてこういう環境を保存していく体制を整えていきたいと考えているところでございます。
 次に、新宮市松山での産廃処分の関係でございます。
 新宮市での産業廃棄物の処分については、廃棄物処理法では自社処理の立地に関する規制はありません。しかしながら、焼却炉の構造及び使用方法により周辺地域住民の生活環境に影響を及ぼしている場合は改善を求めるなど、早急な対応が必要であると考えております。また、この地域は第一種中高層住居専用地域であるため、建築基準法に照らし、移動式破砕機が工作物であると判断されれば規制してまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、早急に判断して対応していくことが大事だという感じを持っております。
 次に、県営住宅の合併処理浄化槽の保守点検についての文書開示の不受理と開示答申に対する県の見解ということでございます。
 当該開示文書は、第三者間の契約書であり個人情報が含まれていることから実施機関として非開示と判断したところでございますけれども、公文書開示審査会の審議をいただいた結果、特定の個人が識別され、または識別され得る個人情報の部分を除いて開示すべきとの答申がなされたため、部分開示を行ったということでございます。
○副議長(尾崎要二君) 環境生活部長秋月成夫君。
  〔秋月成夫君、登壇〕
○環境生活部長(秋月成夫君) 新宮市での産業廃棄物処分関係、四点のご質問にお答えします。
 まず、ダイオキシン測定結果報告についてでございますが、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく特定施設の届け出につきましては、平成十二年四月に当該事業者から受理しており、受理通知書で燃え殻、ばいじん、排ガス中のダイオキシン類濃度を測定し、報告するよう指導してございます。
 なお、平成十二年九月にはすべての特定施設設置届け出者あてに自主測定結果の報告義務について文書指導を行うとともに、平成十三年三月には未報告者に対し再度督促してございます。しかし、新宮市の当該事業者からは現在まで報告はなされてございません。今後、当該事業者を含め、未報告事業者に対しましては、早急に自主測定を実施し、結果を報告するよう強く指導してまいります。
 次に、マニフェスト及び最終処分業者との委託契約書の報告書についても、事業者に再三にわたり指導を行ってまいりましたが、いまだ提出に応じない状況でございます。今後、廃棄物処理法第十八条に基づく報告徴収を求め、焼却灰等の処分方法等を確認してまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物の保管等についてでございます。
 廃棄物処理法による産業廃棄物の保管については、周囲の囲い、汚水が生じるおそれがある場合の底面、高さ制限などが定められております。当該自社処理場における保管状況はこの基準に違反しているため、改善を指示していますが、今後、焼却施設の改善とあわせて対応を検討してまいります。
 また、廃車を自社管理地に放置していることや、黒い土で覆土することにつきましては、今後実態を把握してまいりたいと考えております。
 次に、操業停止の件でございます。
 自社焼却処理は、廃棄物処理法に基づく処理基準を満足していないものと判断してございます。そのため、昨年九月には改善を指導し、改善する旨の回答を得ましたが、いまだに改善されていないため、事業者に対し期限を定めて再度文書で警告するとともに、改善されない場合は改善命令等、厳しい対応の検討をしてまいります。
 続きまして、世界遺産登録にふさわしい熊野川にとのご質問のうち、廃棄物の不法投棄に関する三点についてお答えします。
 初めに、白見の滝付近の不法投棄についてでありますが、廃棄物処理法では産業廃棄物処理基準に従わなければならないことや、みだりに廃棄物を捨ててはならないこと等の規定があります。熊野川沿いの廃棄物埋め立てはこれらの規定に違反している可能性があり、現在、保健所が文書による報告を求めるなど、指導を行っているところであります。
 次に、原状回復についてでございますが、自然公園法上、風致の保護に支障が大きく放置できない場合は、原状回復命令やそれにかわる措置を命ずることができることとなっておりますが、法律上の限界もあり、行為者に対し従来から口頭による指導を行ってまいりました。しかし、指導が十分行き届かなかったこともあり、昨年九月から経過報告を求めるなど、文書による指導を三回行ってまいりました。今後とも風致の保護等について指導を行うとともに、引き続き関係部局とも十分調整を行い、厳正に対処してまいりたいと考えております。
 次に、不法投棄を許さないルールと体制についてでありますが、本年五月二十三日付で環境省から違反行為等に対して厳正かつ迅速な行政処分を行うよう行政処分の指針が示されたところであり、県としてもこれを踏まえ、廃棄物不法処理対策マニュアルを策定すべく準備中です。このマニュアルが不法投棄を許さないルールとして機能するよう努力してまいります。
 なお、本年度配置した廃棄物監視指導員との会議や地域廃棄物適正処理連絡会議を通じ、警察及び地元市町村等との連携を密にして廃棄物の不法投棄等の環境犯罪に厳正に対処してまいります。
 最後に、産業廃棄物の処理に関する事務取扱要領につきましては、廃棄物処理法の大規模な改正や社会情勢の変化にも対応し、また必要な廃棄物処理施設の確保の観点から、事業者と地域住民とのコンセンサスが十分図られるような手続を盛り込んだものにするためさらに検討を行い、できるだけ早期に策定したいと考えてございます。
 なお、廃棄物事務処理マニュアルについても策定すべく現在準備中であります。
 以上です。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、新宮市松山での破砕機に関する三点のご質問にお答えいたします。
 この移動式破砕機につきましては、建築基準法上の工作物に該当するものでなければ規制の対象になりません。建築基準法上の工作物は、国の通達により土地に定着するものとされていますので、この移動式破砕機が土地に定着しているかどうか判断する必要があります。このため、作業内容、使用状況等の報告を業者に求めた上で、建築基準法を所管する国土交通省に工作物に当たるかどうかの見解を求めるなどし、早急に判断してまいります。いずれにしましても、工作物であれば規制するという考えに変わりはありません。
 次に、新たな土地利用計画や移転補償などの有無についてのご質問ですが、昨年の六月議会と九月議会で答弁申し上げたとおり、県としては当該地の利用計画やそれに伴う用地買収はありません。したがって、これに伴う移転補償などはありません。
 次に、世界遺産登録にふさわしい熊野川についてのご質問でございますが、白見の滝付近の廃棄物の投棄につきましては、その一部が河川区域内の盛り土の許可を求めた河川法第二十七条などに抵触しておりますので、現地で河川区域を明示するなど、除去に向けた取り組みをしております。
 次に、新宮川河川整備基本方針につきましては、現在、国土交通省において策定作業中であり、機会あるごとに早期に策定するよう働きかけております。
 次に、新宮市営野球場につきましては、フェンスやバックネットと観客席二百名程度で、大きな構造物を伴わない簡易な施設であります。また、造成工事も盛り土を中心とした工法であることから、大規模な掘削を伴うものではありません。そのため、環境部局である新宮保健所及び野球場建設の主体である新宮市と立ち会い協議の上、バックネット側とセンター側の二地点を調査地点として選定しました。調査では、土壌調査マニュアルに基づき、試料採取と分析を行った結果、重金属類、ダイオキシンとも環境基準を満足しており、安全であると確認しております。また、工事進行に伴う環境調査につきましては、工事実施主体である新宮市と協議しております。
 次に、河川しゅんせつ土砂については、土壌環境調査の結果安全と確認しましたので、リサイクルの観点から現地において適切な方法で敷きならしをいたします。
 次に、県営住宅の合併浄化槽についてですが、県営住宅の施設維持管理に係る契約書については保存期間を十年と定めており、契約が確実に締結されたことを確認するという目的を達していることから、保存期間の経過をもって廃棄処分を行ってございます。
 次に、団地住民と保守点検事業者との契約の疑義に関する三点のご質問でございますが、契約当事者間で協議されることであり、県が関与することは適切でないと考えております。
 次に、見積書についてでございますが、平成十年五月以降は住民と保守点検事業者との民民間の契約に関する事項であることから提出を求めておらず、その旨を保守点検事業者に伝え、了解済みであることから、あえて見積書に関する変更契約までは行ってございません。平成十一年九月議会の答弁では、新規参入意欲のある業者から見積書の提出がなされた場合についてのご質問であったため、それは研究課題の資料となり得るとお答えしたものであります。
 次に、浄化槽の維持管理業務の契約方法の研究成果でございますが、本年二月議会でお答えしたとおり、県営住宅の浄化槽は汚水の処理方法もさまざまであり、多様な維持管理業務への対応、あるいは緊急時における対応等について検討しているところであり、成果をご報告できる段階ではないと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) まず、障害者関連の社会就労事業推進センターについてお答えをいたします。
 授産施設、小規模作業所は地域に住む障害者に働く場、活動の場を提供する上で重要な役割を果たしておりますが、その運営の安定化が課題となっていることも事実でございます。こうしたことから、県では県、市町村、社会福祉法人等が主催する各種大会、イベント等での製品の利用促進、展示販売等を図り、また昨年には授産施設の商品等を「県民の友」十二月号に特集して広報を行うなど、取り組んでまいりました。
 ご質問の県社会就労センター協議会の発展強化についてでございますが、個々の授産施設等では仕事の受注が難しいことから、現在、授産活動活性化に向けた取り組みについて県社会就労センター協議会の関係者とともに協議を重ねているところであります。いずれにいたしましても、県社会就労センターの機能強化については他府県の例をも参考にしつつ協議をしてまいります。
 次に、新宮医療センターのヘリポートについてでございますが、結果として使用できないことから、県として指導の行き届かなかった面があったことにつきましては今後十分留意をしてまいりたいと考えております。
 新宮市では現在、離発着場の位置変更を含め、整備方法を検討してございます。県といたしましては、災害時の対応のみならず、圏域の救急医療体制の整備充実に向け、防災ヘリ等を活用するためにも、新宮市立医療センターでのヘリポートの整備は必要である、こう考えてございます。新宮市に対しては早期に改善整備に努めるよう、引き続き指導してまいります。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 世界遺産に関連してお答えいたします。
 まず、熊野川を史跡に指定する件についてですが、熊野参詣におきまして、本宮と新宮との間の熊野川は重要な歴史的役割を果たしてきたことから、文化庁では熊野川を世界遺産の一部として史跡の指定を検討しているところであります。今後の河川改修等との関係もあることから、現在、文化庁及び国土交通省において協議がなされているところでございます。
 次に、市町村条例につきましては、現在、登録予定地の周辺の文化的景観を保持するための規制基準づくりに国、県、市町ともども取り組んでおります。平成十六年六月登録に向けて、推薦書提出予定の平成十五年二月までに間に合うよう、このスケジュールのもとに関係市町に対し条例の制定をお願いしているところでございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十五番金田 眞君。
○金田 眞君 まず松山の自社処分について、いろいろと言いたいことはありますが、破砕機についてのみ再質問をします。
 この事業者は、車に破砕機を乗せているから移動式でありクラッシャープラントに該当しないと県の確認を得たとして、二年以上もこの場所でコンクリートの破砕行為をしております。これは、証拠になる文書もちゃんとあります。
 この破砕機は九九年六月ごろからこの場所から移動した形跡がなく、他の場所で操業したならば当然その移動した場所での騒音規制法等にかかわる騒音、振動の特定施設設置届けがなされているはずですが、そうした報告がございますか。この破砕機は、都市計画法の「周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物」となるクラッシャープラントに該当するものではありませんか。
 実際、住民は泣いています。さすがに県も、昨年の四月にはこの業者に対して文書で連絡をしております。これは、平成十二年四月二十五日付ですが、「なお、一般車両に搭載されたコンクリート破砕機であっても、同一敷地内のみの使用である場合は、土地に定着するものとみなされ、建築基準法で規制される工作物となることがあります」、このように記しております。これは、県の土木部建築課の指導班が出した文書であります。
 しかし、先ほどのご答弁では定着しているかどうか判断する必要があるとしており、一体この一年間、何をしていたんですか。住民が早く助けてくれと叫んでいるんですよ。あなた方も、法に抵触すると警告しておきながら、放置していたのは明らかではありませんか。今すぐにでも行動を起こすべきです。部長、放置していたのは明らかではありませんか。住民に対して謝罪するお気持ちはありませんか、まずお尋ねをしたいと思います。
 次に、新宮市営球場のダイオキシンについてですが、せっかく国がダイオキシン調査のために策定したマニュアルがあるにもかかわらず、支障のないところ、都合のいいところしか使わなかったとしか理解できません。
 再質問ですが、この場所で河川しゅんせつの汚泥を保管するために矢板を打ち込んで囲っていましたが、この矢板が不要になり、最近引き抜かれて撤去され、地中の廃棄物が地表に出てきた可能性もあります。このように、今後の野球場のための整地や建設工事によって地中の廃棄物が地表に出てくると思われます。今回、廃棄物そのものをダイオキシン調査したわけではありませんから、工事の進行に伴って土壌の調査が必要と思われます。また、同じ敷地内の汚泥を「しゅんせつ土砂」と言われますが、実際は生活排水を流している下水路と言ってもおかしくない河川、どぶ川からのもので、いろいろなごみ、廃棄物もまざっており、埋めれば廃掃法に違反します。適切な措置とは、これらを完全に取り除くということですね。この二点、お尋ねします。
 次に、県営住宅の合併浄化槽の契約と見積もりについての再質問です。
 一点目の情報公開について、全面非開示とした県の決定が審査会ではほぼ全面開示となったのです。非開示とした県の最初の決定が条例に照らして誤った判断だとされたのですから、県行政は、公開条例の県民の公文書の開示を求める権利、県民に説明する責任、「県民の県政に対する理解と信頼を深め、公正で民主的な開かれた県政を一層推進することを目的とする」という精神から外れた判断であったことに反省すべき点があると思いますが、知事、再度ご答弁をお願いいたします。
 土木部長、契約が一度結ばれたら十年間も契約内容の変更がないとは考えられません。この間に消費税の導入や五%への引き上げなど、料金にかかわる変更があれば契約内容が変わり、新たな内容に更新された契約書が保管されていて当然ではありませんか。その更新すべき契約書がないことは、行政の指導責任が果たされていないということをみずから認めることではありませんか。答弁を求めます。
 さらに、契約内容について県が関与することは適切でないとの答弁でしたが、この答弁こそ適切でないと思います。なぜなら、この契約で県が所有する浄化槽が安全・適切に管理されているかどうか、県民である団地住民が適切な維持管理費を設定しているかどうか、県行政として管理監督する責任があるのではありませんか。県と業者の契約の中には県が見積書を査定するとの項目があります。査定するということは適正なものか審査することではありませんか。その責任すら放棄するということですか。お答えください。
 浄化槽の維持管理業務の契約については、この間ずっと研究中であり検討しているが成果を報告できる段階ではないそうですが、いつまでも検討しているわけにはいきませんから、いつごろまでにまとめる計画で、いつごろからどんな組織で今までに何回ほど会議をしているのか、住民の代表も入っているのか、お答えください。
 次は、要望です。
 松山の産廃焼却炉や破砕機などの現状を、住民の方から何度もこのようにして県に提出されております。知事、ぜひ一度ごらんになっていただいて、住民の苦しみ、怒り、本当に大変な状況を見てやってください。これは心からお願いするものであります。
 そして、知事、医療センターのヘリポートの件ですが、新宮市に「やれ、やれ」と言われるのは結構ですけれども、それだけではやはり酷な話だと思います。県も大変厳しい財政状態でありますが、新宮市も同じです。財政支援も含めて、ぜひご検討なされることを心からお願い申し上げます。
 こうした一連の、特に環境、産廃にかかわる多くの住民は、なぜかしら行政不信に陥り──ここにも本がありますけれども、この中にも書かれております。非常に残念ではありますが、教訓として「県行政は、廃棄物処理業者の代理人であり、その「渉外担当者」である」、「教訓その二 県行政が、地域住民の立場を考慮してくれるという幻想は、如何なる事態にあっても絶対に捨てなくてはならない。県は、常に廃棄物処理業者の利益を代弁し、地域住民の利益は眼中にない」、こんなことを書いているわけですけれども、これは行政としては非常に不本意な話だと思います。(「何という本や」と呼ぶ者あり)──「廃棄物紛争の上手な対処法」でありますが、こんなものは誤解や、そんなことないよと住民が言えるような、そんな行政をぜひ実現していただきたい。このことを心から要望する次第であります。
 以上です。
○副議長(尾崎要二君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 文書開示の問題についての私に対するご質問でございます。
 当然、情報公開ということはもう一番大事なことでございまして、私どもとしては、その条例の手続にのっとって、まず一応、自分たちで実態的な判断をした、そしてそれが開示審査会でそうではないんですよというふうに判断され、それに従っているということで、これはそういう手続の中で判断していることでございますので、間違ったとかどうこうということではなくて、非常に公正な手続が和歌山県で維持されているというふうに考えるのがいいんじゃないかなと僕は思っておりますけれども。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 金田議員からの再質問にお答えいたします。
 まず、移動式破砕機についてのお尋ねでございますけれども、まさにお尋ねの点が議論のある点でありまして、長期間にわたって一定の場所に存置される場合は土地に定着するものと考えられるとなっておりまして、「長期間」とは、また「一定の場所」とはということについて議論のあるところでありまして、作業内容、使用状況等の報告を業者に求めた上で、建築基準法を所管する国土交通省に見解を求めるなどして早急に判断をしてまいります。
 次に、新宮市営野球場の件でございますけれども、河川のしゅんせつ土砂につきましては、土壌環境調査の結果、安全と確認しておるところでございます。また、しゅんせつ土砂以外のものについては分別処理などをして適切に処理していきたいと考えてございます。また、工事の進行に伴う環境調査に関しましては、工事実施主体である新宮市と協議しているところでございます。
 次に、県営住宅の浄化槽の問題に関する再質問にお答えいたします。
 まず住民と業者の契約書に関するお尋ねでございますが、住民と業者の契約であるわけでございまして、県としましては、県の施設である浄化槽の適正な維持管理に支障がない限り、住民と業者の契約に関与すべきではないと考えてございます。
 また、研究成果がいつ出るのかというめどのお尋ねでございますが、よりよいサービスをより安くというのが基本ではございますけれども、一般に費用が安くなればサービスの質が低下するリスクもふえるわけでございまして、費用についてだけではなく、維持管理業務が適正に実施されているかどうかという観点からも慎重に研究する必要があると考えているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 二十五番金田 眞君。
○金田 眞君 文書開示については、開示請求をしたとき、それはこういう理由でだめですよと、その行為についてあれしているのではないんですよ。我々が調査をしようと開示請求をしたわけです。しかし、そちらはだめだと言った。しかし、結局、最終的な判断はそれは誤りであるというふうになったわけですから、少なくとも、迷惑をかけたとか、これからこれを教訓にしてより一層あれしていくとか、そのぐらいのお答えがあっても当然ではないかなと僕は思うんです。
 土木部長、もう時間がないのであれですけれども、(「まだある」と呼ぶ者あり)──まだやりますよ。質問に対するご答弁、はっきり言って、かみ合っていないと思うんです。これは質問方法が悪いのか答弁が悪いのかといえば、私は答弁が悪いと思いますけれども、消費税がどうだこうだと具体的に質問しているのに、それについてはさっと答えてくれない答弁で、非常に歯がゆい思いがするんですよ。
 「見解の違い」という言葉を僕は使いたくないんです。だから、そういうことがないようにしたいと。この間も、担当の方ともいろいろお話をさせていただきましたが、最終的に決裂するというか、話にならないなということになってしまいました。非常に残念であります。我々は別に、県行政をいじめようとか、そんなつもりは全くありません。常に住民の立場に立って、いかにして住民が安心して暮らしていけるか、快適に暮らしていけるか、そのことを求めているわけであります。
 また、私ども、すべて正しいとも思っておりません。誤りも犯すことはあると思います。そのときは素直に認めるつもりもあります。それと同じように、県行政もその姿勢は持ってほしいと思います。そういうことを本当に心からお願いするものであります。
 さて、最後の一点だけ、契約について非常に大切ですから、お尋ねいたします。
 契約書を保管する必要性について、基本的見解を教えてほしいんです。先ほどの答弁の中で、廃棄したことについて、契約が確実に締結されたことを確認するという目的を達しているとしています。私は、契約書は契約に基づいて契約内容が確実に実施されているかどうか確認し、もし実施されていないときはそれを実施させるための大切な証拠書類だと思います。特に今回の契約書には、委託事業計画書も含まれているわけで、どのようにして管理していくかということが含まれているわけであります。そうしたことを考えるならば、浄化槽がそこに存在する限り、その業者との契約がある限り──十年たったから廃棄してしまう、第三者間の契約書だから廃棄してしまう、その考えは僕はおかしいと思います。なぜなら、そこに介入しているのは県なんです。県の持ち物なんです。管理責任は最終的にはやはり県にあるはずです。その責任者が契約内容について把握していなくてどうするんですか。そこが僕、非常に心配なんですよ。契約書は十年たったら廃棄してしまうんだと、そんなことを土木行政でやられるんですか。契約書の意味、保管するという意味、もう一度答えてください。
○副議長(尾崎要二君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 金田議員の再々質問にお答えいたします。
 この契約書は住民と業者の契約書でございまして、県としましては、契約が確実に締結されたことを確認するという目的をもって契約書を提出していただいておるところです。その締結が確実になされているということはもう既に確認して、目的を達しているところであります。また、契約当事者において契約書原本が保管されているところでもありますので、保存期間の経過をもって廃棄しても支障がないというぐあいに考えているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──以上で金田眞君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 お許しを得ましたので、質問をさせていただきます。
 最初に、梅産業の二重の苦しみというテーマで出させていただいております。今この時点に立って梅産業の二重の苦しみをどう克服するかについて、私が強く感じていることを述べさせていただく中で、順次、県当局の見解をお聞きいたしたいと思います。
 一つの苦しみは、以前から続いております梅の立ち枯れによる収入減と、何とか梅の木を再生しようと肥料、改植等への資材投入に係る大きな投資、パイロットへの負担金支払い、防霜設備、スプリンクラー設備等への投資の支払いは、生産農家にとって今になって大きな負担となっております。
 二つ目の現時点での苦しみは、中国梅の輸入により、昨年からさらに今年にかけて梅の価格変動が厳しく、価格の暴落が続いています。干し梅十キログラム価格が昨年に比して二分の一から三分の一とかで動いて、農家の生命線を超えた値段になっています。さらに今年は、昨年の漬け梅の在庫を抱え、先行き不安定を予測して農家も農協も青梅出荷に重点を置いたこともあって、市場ではキログラム当たり、一番いいもので昨年の二分の一の価格、B・C級という品物については値がつけられず、よくてキログラム当たり四十円といった値で取引されているのが実態であります。いかに消費の低迷とはいえ、市場価格に私たち生産農家は唖然としています。
 それでも、集中した期間中に手取りで──手で梅をとるという意味です──梅を出荷するために人を雇って一気にとらざるを得ず、その賃金と出荷手数料を引くと手に残るのはどれだけか見当もつかず、一年間投資した資材、機械、人件費等の経費に充当できるかどうか苦しんでいます。しかし、私たちはこれを一つの試練として、二重の苦しみを何とか克服するために、生産農家、農協が一丸となり、梅加工業者、行政も含め、知恵を出し合って生き残り戦略を立てて頑張る以外ないと考えています。
 そこで、まず梅の立ち枯れ対策の取り組みの中から、第一点として大気環境調査等への取り組みについて、ご質問を具体的にさせていただきます。
 一つは火力発電所のばいじん調査について、私たちは一貫して関電からばいじんの提供を求め、県独自で調査することや、それができなければ私たちに提供してほしいと主張してきました。そこで県は、一応はばいじんの提供を求め、その含有物調査をすると約束しましたが、その調査はどこがどのように調査分析をするのでしょうか。私たちは、あくまでもばいじん暴露試験をすべきだ、以前からある秋津川の暴露施設を活用してやってほしいということを主張していますが、いかがなものでしょうか。
 二つ目は、大気環境調査、県がやる降下ばいじん分析調査は十二カ所で行われるとしているが、その場所設定と、何を調査し、どこの機関が調査分析するのか、お尋ねします。
 三つ目は、県うめ対策研究会の最終報告によると、梅生育不良の発生のメカニズムは、栽培、土壌、気象要因などが複合的に絡み合って樹体内に養水分ストレスを引き起こした結果であるとされているが、ことし一月から五月下旬の雨量の実績を見ると、乾季が続き、約四百ミリを切っている状況であります。JA紀南での立ち枯れ発症本数が多かった平成九年、一万七千五百本ですが、そのときの雨量は六百ミリを超えていました。そして平成十一年、発症が一万八千本のときは四百ミリを少し超えていた状況です。四百ミリを切った過去二番目の乾季のことしは、またもや立ち枯れの症状が一気に出るのではないかと心配しました。昨年から重症樹やそれに近いものは立ち枯れ症状を起こしていますが、例年なら、この乾季で本来なら軽症樹にも立ち枯れ症状が出て当然ですが、秋津川を初め一部の地域ではそれが昨年より少し少ない状況がうかがえるわけであります。軽症樹や健康樹の状況は、徒長枝といい、葉の色といい、健康的な症状に今見えております。
 そこで、一つの例ですが、秋津川の支所の前の樹齢五十年の桜の木が、一昨年、昨年にかけて一気に花を咲かせて、その後、枝の先が少し枯れる状態で葉もつけず、立ち枯れ症状を起こしていました。もうほどなく枯れるだろうという地域の皆さんの見方だったんですが、何とことしは、葉をつけ出し、全体の葉の色もよくなってびっくりしてます。これは、肥料もやっていません。水もやっていません。何もしていないのに変化があったわけです。どうしてでしょうか。
 御坊火電の平成十年の稼働率が一〇・四%、十一年度は一一・三%、平成十二年度の平均利用率は六・七%と減少しているわけであります。ちなみに、平成八年までは三〇%を超えていたわけであります。私たちは今、そういうことも見ながら大気、栽培の両面から原因調査をしております。現時点で科学的根拠は示せませんが、この事実。実際に、水不足、水分ストレスで枯れるんだと──一月から五月までは少なくとも過去二番目の乾季で、なおその状況の中でも、ある程度軽い軽症樹が生き返ってきている実態を見たとき、やっぱり梅と大気の関係を究明する非常に大切な状況に来ているのではないかということで、今ご質問をさせていただきました。
 第二点としては、平成十四年度からの御坊火力発電所の稼働体制について、これまで述べてきたことからも、私たちは、御坊火力発電所の三号機に脱硫装置を平成十四年以降つけるのに関係して、一号機、二号機の運転を一たん停止してほしいという要望をしてきました。再度この議会でも、十四年度から三号機に脱硫装置をつけた段階で県は関西電力にそのことを申し入れるべきではないかということをお伺いしたいと思います。
 次に、御坊第二火電の着工延期の中でこそ、今、県のエネルギー政策は転換すべきと考えます。政府は石炭、石油から天然ガスへの移行を打ち出しております。また、御坊第二火電の延期で、五年後、十年後は地球温暖化防止の京都議定書が世界的な趨勢になりつつあります。少なくとも、化石燃料で一番大気を汚染させるおそれのあることが科学的にも実証されているオリマルジョン燃料の復活をさせないことを県は関西電力に強く要望していただきたいというのが、我々の率直な願いであります。和歌山県の自然環境と地理的条件から見て、新エネルギー政策の具体的指針を、これを機会に示す必要があるのではないでしょうか。
 とりわけ、私が前回も言いました森林、林業を生かしたバイオマスエネルギー実験所の設置を大学機関や政府関連機関(NEDO)等へ働きかけ、誘致を進めていってはどうでしょうか。これはまさに、先ほどから述べられています、いわゆる世界遺産、高野・熊野の自然環境をよくする、そしてその自然に似つかわしい自然エネルギーという意味からも、ぜひとも和歌山県がそれを全世界に実証していくべきではないかと考えております。田辺を中心とした紀南の日照時間が最も長いことから、太陽光、太陽熱への積極的な政策を策定すべきではないかと思います。県のご見解をお聞きします。
 第四点として、ここに書かせてもらっています紀州梅ブランドを守るための流通販売システムについてであります。
 一つは、中国梅の輸入の現況であります。これは詳しく述べられませんが、少なくとも一九九一年に五百十トンの輸入であったのが、二〇〇〇年、十年足らずで三千七百トン、いわば七倍強に輸入がふえてきている実態であります。しかも、現在においては九十億円の貿易取引であります。二〇〇一年以降、この一、二、三月までの状況を見ても既に前年同月比で一二四%と、さらに伸びてきています。だから、平成十三年、二〇〇一年はさらにこの量がふえてくるのではないかという心配もあります。
 中国梅の商品価格は、十二キログラム当たり、昨年は三千円から三千五百円していました。ことしは何と皆さん、千二百円の状況なんです。これはもう大変なことなんです。しかもそれらは、干し梅(塩の梅)で干したものが入ってきていたのですが、昨年からはシソ漬け加工商品で入ってきております。これは一キログラム当たり五百八十円。紀州梅は安くても平均二千五百円から、いい物で三千円という価格で市場に出回っていたのに、一キログラム五百八十円という値の中国梅が大量に国内に出回っています。これは非常に大切な時期であります。
 ──知事にちょっと持ってきたんです。これは一キログラムのシソ梅で、これが直接入ってきているんです。(現物を渡す)そのシソも中国のシソです。それも全部セットで加工されて、シソと梅でそういうケースで輸入されております。これは、検疫等の関係もあって、どんどん入ってきているのに私たちは非常に疑問を感じているわけです。検疫の問題も含め、今後課題があると思います。
 皆さん、これは業務スーパーというところで、神戸のある物産会社が大量に中国から輸入をして販売しております。しかも今度は、我々がUR議連の木下会長を中心にうめ部会で研究もしている中で、神戸の物産会社以外に、ある和製キムチを製造している会社が、ことしから中国で加工して全国のキムチを売っているシェアの中にセットで置くという状況も今生まれております。それから、ユニクロが、服だけではなくて来年から具体的に食品関係も売り出すという状況も生まれております。まさに中国梅が日本の紀州梅を脅かし、そのシェアを取ってかわろうとしているわけであります。
 干し梅の段階から、今見せました完成されたシソ漬け梅が加工商品として直接輸入される状況が生まれるとしたら、梅生産農家だけでなく、加工場、加工場で働く数万人の職場が本当に脅かされることになります。段ボール、通信、運送、容器製造業等、梅産業にかかわる関連業への直接影響は必至であり、間接的には梅産業七百億円の地域経済に及ぼす影響ははかり知れない。まさに沈没しかねません。紀州梅産業にとっては大きな試練を迎えることになった中で、これを守り発展させるためにどうするのか。梅生産農家、農協、加工業、行政が現状を分析し、将来に向かって梅産業の、とりわけ紀州梅のブランドのシェアを国内外に広げるために、お互いの立場を尊重しつつ共同して紀州梅のブランド商品を守るテーブルをつくっていくことが当面の大きな課題であり、県行政の果たす役割は大きいと思います。
 そこで、第一は、果樹園芸課は農産物の生産技術指導や流通、消費拡大等の推進を行っていただいてはおりますが、これからは、梅、ミカン、カキ、桃を含め、流通、市場調査、販路拡大等、和歌山の果樹をどう売り込むか、しかも流通コストを低くしていくことを含めて検討し、営業活動を含め、農協、市町村と連携・合同したシステムをつくる必要があると考えるがどうか。農林水産部長にお聞きしたいと思います。
 五点目としては、紀州梅の戦略方針についてです。
 せんだって、農水省は六月十四日、輸入野菜に対抗する野菜政策基本方針を示しました。そこで、低コスト化、契約取引推進、高付加価値化の三つの戦略モデルを提案し、その上で生産能率化、流通システム改革、コスト削減の今後の方向を示しております。私は、いわゆる今のセーフガードは中国の野菜農産物に限定された対策ではあっても、その中身は今まさに梅が抱えている中国梅と同じ立場で──セーフガードになるとかならんとかは別にして、そういう共通の悩みを抱えているということについてご理解をいただきたい。
 そこで、政府・農水省が示したこの三つの戦略は、まさにそのまま梅に関しても適用すべき課題であると考えます。政府がこれを適用する、せんにかかわらず、県行政はその基本方針を取り入れていく努力をすべきではないか。このことは詳しく言えませんが、非常に大切な指摘をされています。我々がずっと考えていたことを、農水省も積極的にこの三つの観点、戦略で提案をしてきました。日本の農業を守るという観点からいい方針を出されたな、タイミングがよかったなと私は思うんですが、梅に対してもこのことを積極的に取り入れてほしい。
 県は、農協、加工業者等、関係者と梅に関して現状分析をし、基本戦略方針を策定することが当面の緊急課題と考えますが、農林水産部長のご見解をお願いしたいと思います。
 次に大きい二点目ですけれども、県行政の改革大綱の具体的な実践について申し上げます。
 国の行政改革大綱は聖域にまで立ち入り、しかも今までと違って、えらいスピードで行革断行の具体的実施を行おうとしています。県は平成十一年に行革大綱を発表しているが、基本的視点にとどまっているのではないか。私は、木村知事のもと、行革大綱は個々の分野まで立ち入って具体的行革方針を示す時期に来ていると考えます。そこで、私から幾つかの点を指摘して県当局の見解をお聞きしたいと思います。
 まず第一点は、公益を初め公社、財団等の外郭団体の見直しは、廃止か縮小か統合かの方針を具体的に示す時期に来ていると思います。県行革大綱に行政と民間の役割分担の明確化と示されているとおり、公共的事業でない本来民間がすべき事業にまで立ち入った問題が国においても議論されているわけであります。とりわけ、開発公社が土地不動産業的なことをしたり、住宅公社が土地、建物、不動産業をしたこと、これらをはっきり見きわめる必要があります。行政は、民間活力に刺激を与えることはあっても、民間事業にまでかかわることを今後は見直す必要があります。少なくとも、行政と民間の関係ではPFI導入により事業を発展していくべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。
 これに関係して、政府の行革担当相のもとにつくられた行革断行評議会は、特殊法人、公益法人改革を断行するとしています。とりわけ、年金福祉基金の運営するグリーンピア南紀を含む全国十三カ所について、自治体が責任を持たない場合、廃止または民間委託を含めて見直すとあります。県当局としては、グリーンピア南紀を存続させるのか、廃止するのか、今後どうしていくのか、方針を示す時期に来ていると考えます。当初、十年間ぐらいの余裕があると聞いていましたが、石原行革担当相は平成十八年に方向を決めると、六月二十日発表されました。グリーピア南紀について、県が主体となって関係自治体、民間団体と具体的な方向を、六十名の職員の対応を含めて早急に進めるべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。
 次に、行革の二つ目で、補助金制度の見直しについてであります。
 県行革大綱は、自立的精神と自己責任原則のもと、民間活動への過度な県の関与は見直すとしているが、私は県として、今までの古い慣行に思い切ってメスを入れる時期に来ていると考えております。現在、民間団体への補助金については、数多くの団体に大きな金額を補助されていると思いますが、行政と民間の役割分担について十分検討し、民間団体の自主的、自立的な活動を支援する観点から見直しや整理を行っていくことが重要と考えております。また、補助金制度を見直す中で行政と民間の役割分担を明確にすることは、今知事が積極的に推進しているNPO活動を県民の中に広げることにつながり、県民自身のそれぞれの地域における各分野への活動の参画を促す効果があると私は考えております。
 さらに、県の財政が厳しい中で財政運営プログラムIIに基づく改善方向を打ち出していますが、数字的にどう改善をされて歳出を削減するのかが具体的に不明であります。そこで、まず県行政の足元から思い切って見直し、改善することが今ぜひ必要であります。つまり、まず「隗より始めよ」であります。みずから汗し、身を切り、泥をかぶることをしなければ、改革や歳出削減は断行できないと確信するものです。いずれにいたしましても、非常に厳しい財政状況の中、民間団体等に対する補助金制度の見直しは避けて通れないと思いますが、このことに対して県は今後どのように対応していかれるのか、総務部長にお聞きしたいと思います。
 そこで、三つ目は、市町村合併推進と県組織機構の見直しについてであります。
 平成十七年に向けて各市町村は、合併に関する議論と意見集約がなされております。市町村の合併方針と県組織がどうかかわり、どう変わるのか、具体的に県当局では議論されているのでしょうか。市町村指導では県は合併推進室を設けているが、みずからの県組織がどうあるべきか、どうなっていくのか、議論や方針をどこで策定しているのでしょうか。私は、市町村合併に伴う県組織そのものへの影響の方がかなり大きい、とりわけ振興局の存在を初め関連団体の必要性が問われると思うが、どう受けとめているのでしょうか。こういった行革を具体的に断行していくために、各分野の具体的な方針を策定するために、民間人を含めた行革断行委員会を組織して県への提言を受ける必要はないのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
 大きい三つ目でありますが、公共事業等に対する予算配分の見直しについてであります。
 日本の高度成長、バブル等の好景気の内需拡大での公共事業、バブルがはじけた後の景気対策としての公共事業など、いわゆる国のひもつきの公共事業に依存してきた結果、自治体は食べたくない料理を食べさせられてきたことになり、その反省として国の構造改革の議論の中などで、真に県民生活に直結した公共事業であり得たのかとの問題が今議論されております。そこでは自治体がみずから判断することや県や市町村がより責任を持つことが議論されており、さらに、従来の公共事業から生活関連事業にシフトされていく傾向にあります。これは地方自治体の本旨に戻っていることと、私はよりいい方向に進んでいると思っております。
 和歌山県も、公共事業中心の政策が生活関連事業へシフトし、重点を移す時期にあり、それは日本経済そのものの動向であると私は考えます。地方自治体が目的もはっきりしないまま大規模な土地造成をしたり、海を埋め立てたり、民間がすべき土地や住宅をつくって販売するといった商売をしたことによってどれだけの不良債権や借金を背負ったのでしょうか。今こそ冷静に、地方自治体の果たすべき役割を県民に対して明確にするときではないでしょうか。県民の生命と財産を守ることに対する投資、県民の教育や環境整備に対する投資、県民の福祉や医療に対する投資、県民の生活環境に対する投資、一次・二次産業振興のための基盤整備など、これだけを見ても県民生活関連の事業は大変なものであり、この分野への予算配分が必要とされております。
 ちなみに、私は少し私だけの資料を収集したんですが、例えば県民の生命、財産を守るための河川治水整備の問題についても、和歌山県はまだ三二%しか改修されておりませんし、災害維持管理等の非常に厳しい河川災害や河川維持についても、平成十年度が十八億円だったのが平成十二年度は十一億円と、箇所はふえているのに金額は毎年減らされてきている。しかも、この間も地すべり事故がありましたが、県内の土砂災害対策についても、和歌山県は土石流で到達度一七%、そして地すべりでは七%、急傾斜では二五%で、土砂災害危険箇所が土石流で一千六百十一、地すべりで四百九十五カ所、急傾斜で二千二百八十七カ所といった状態であります。とりわけ、県単独事業の特殊急傾斜についてはどれだけの予算が組まれているか。各地方では、要望してもそれはもう無理だろう、よりゼロに近いという回答を得たという状況であります。
 また、教育予算でありますが──ちょっと飛ばして申しわけない。時間がないので。
 学校教育予算についてでありますが、県下高等学校、盲・聾、養護学校を含めて五十五校あります。これについても、現在の建設から耐用年数を含めて毎年改修をしていかなければならない予算は、少なくとも年間七十四億円が要るという試算を、私なりに聞いております。そしてそれが現実には、平成元年が三十六億三千万、平成十三年には二十三億四千万といった年間の予算であります。必要に対して三分の一弱であります。福祉関係でも、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、ケアハウス等の福祉施設について、平成十六年整備目標で到達するベッド数に換算しても、かなりな額の施設整備の必要が迫られております。
 今、全国の自治体は公共事業から生活関連事業へシフトをしているわけですが、こういった状況を踏まえますと、私たちも今までの発想からまさにそういった発想へ方向転換すべきではないか。和歌山県もその方向にすることによって、これらの投資による地域の事業者や雇用、消費等を含めた地域経済への波及効果ははかり知れないものです。生活関連への予算配分が地域の経済活性化の大きな役割を果たすことに対して、今改めて県政がそのスタンスに立ち返ることを強く願うものですが、知事のご見解をお伺いしたいと思います。
 最後になりますが、介護保険が一年を経過した中での要介護者の声、介護事業者の要望、市町村の要望の中から幾つか取り上げて、県当局の考え方をお聞きしたいと思います。
 要介護者の声として、一つは負担がえらいので利用しない、二つ目は、介護保険をショートステイで使ってしまい、デイサービスを受けるにも受けられない、自己負担での保険外負担は非常に苦しい、こういった事象が起こっております。それから、介護認定、とりわけ痴呆性高齢者への認定は本人と家族には疑問と不満が多い。これに対してどう対応するのか。
 次に、介護事業所においては、訪問介護報酬が低いことにより、そこのヘルパーの皆さんへの適正賃金が支払えない。二つ目は、居宅介護支援事業者のケアマネジャーへの適正賃金が支払えない。和歌山県全体の各認定介護度の利用率の平均は、点数に対して四一%であり、行政機関が目指す在宅ケアへの移行は非常に難しく、施設入所への希望がふえるのではないかという心配。市町村により書類が違うので、非常に煩雑で書類に悩まされる。それから、身体的アセスメントが適正にできるケアマネジャーが少なく、在宅医療が広がらない可能性がある。これらの要望や問題点について、当局の総括的な考え方をお聞きしたいと思います。
 次に、市町村でも幾つかの要望がある中で、一つだけ県にお尋ねします。介護認定事業所への実態を調査するため、指導巡回を行う責任者を振興局単位に配置してほしいということであります。施設入所やデイサービスは一行政区域にとどまらず、広域で利用されております。しかも、事業所認定の許可権、管理監督に関する権限がすべて県にあり、市町村にないことからも、その必要性が求められています。福祉保健部長の見解をお尋ねします。
 最後になりますが、介護保険NPO法人と税制の問題についてであります。
 私はたまたま福祉関係NPO法人の決算を手伝うことがあって、対税務署への申告等を経験することがこの五月末にありました。介護保険NPO法人と税制の関係に疑問を持ち、全国のNPO法人の声を聞いてみますと、私は税制の改善を求める必要を感じました。
 そこで、県当局に二つの点でご質問いたします。
 第一点は、NPOは、本来ボランティア、助け合い活動を基本に組織され、市民運動として認められています。ところが、税制に関しては、介護保険事業は法人税法上、三十三種の収益事業の一つの医療・保健事業とみなされ、所得八百万円以下は二二%、それを超えると三〇%の法人税がかかります。一方、財団法人など公益法人は一律二二%に抑えられ、社会福祉法人が介護保険事業をしても特例で非課税で、収益を本来目的の事業に充てると、みなし寄附金として控除されます。しかし、NPO法人は民間企業と同等扱いで、税制上の優遇はないのです。介護保険NPO法人や福祉関係のNPOの全国組織は、国に対してその改善を求め、論議されてきました。政府は今年度の税制改正要綱で、一定の要件を満たした認定NPO法人に寄附をした個人、企業は所得・法人税などの控除を認め、十月から実施されることになりました。しかし、NPO法人自体に対する法人税軽減税率の適用やみなし寄附などの課税軽減策は今回見送られました。
 そこで、私は県当局に対して、公益性が高いと認められたNPO法人に対し、税制の改善を国に対して求めるよう福祉保健部長に要望したいと思います。
 第二点は、公益性の高いNPO法人に対する法人県民税について、税の軽減策を独自に考えてはどうか、総務部長の見解をお聞かせ願いたいと思います。
 これで、私の第一回質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
  〔「梅の感想から」と呼ぶ者あり〕
○知事(木村良樹君) ただいま、梅の感想からというご発言がございましたけれども、私もいただきました。なかなか、いい味になっている。
 ただ、私、この間も言いましたように、山東省の方へ行ってきて、中国の農業もそうでしたが、工業も大変な規模、スケールでどんどん安い値段でつくっているということで、この梅の問題は和歌山県にとって大変厳しい問題であると、改めて認識しております。そうであるゆえに、まだ今からであれば対応策をある程度とっていけるという面もあると思いますので、販売方法とか品質管理の問題とか、いろんなことで研究を進めて万全の体制で対応していきたいと思います。
 次に、公共事業の配分等の見直しをしたらどうかということでございます。
 先日、経済財政諮問会議の基本方針案が出ました。その中では、公共事業のあり方についてもドラスチックな見直しということが出てきておりますし、国と地方の関係についても、これからは地方にどんどん自立してやってもらうんだという方向が出てきておりまして、これはもうはっきり言って、今までとはさま変わりした方針だと思います。
 そして、このことを、好むと好まざるにかかわらず、和歌山県としても──抗議すべきところは抗議していかなければなりませんけれども──対応していく策も練っていかなければならないということで、これからいろんな施策につきましても、そういう構造改革に対応していく自立した和歌山県をつくっていくという面でどうすればいいかということを真剣に考えていきたいと思っております。
 ただ、和歌山県の場合、ご案内のように、公共事業ももう毎年減ってきておりますし、それから公共事業はほとんど生活関連であるということもあります。それからもう一つは、県の場合、公共事業が非常に雇用の場を提供しているという大きな役割があるということも改めて──こういうことも含めてやっぱり検討していかないといかんという気持ちを深くしているところでございます。
 いずれにせよ、思い切った見直しをしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(尾崎要二君) 農林水産部長辻  健君。
  〔辻  健君、登壇〕
○農林水産部長(辻  健君) 梅産業の二重の苦しみについてのご質問のうち、三点につきましてお答えいたします。
 まず、大気環境調査等への取り組みについてでございますが、御坊火力発電所のばいじんについては、電力需要がふえることしの夏場に採取される予定となってございまして、事業者から試料の提供を受け次第、バナジウム、ニッケルなどの十三成分について、県農業試験場で分析するとともに、あわせて外部委託も行うこととしてございます。
 なお、ばいじんの直接暴露試験につきましては、これまでもお答えしてきましたとおり、科学的評価が可能な研究手法があるのかどうか検討してまいりたいと考えてございます。
 また、現地での降下ばいじん調査につきましては、地元農家の要望も踏まえ、梅産地を中心に県下十二カ所に降下ばいじん捕集装置を設置し、既に六月上旬から調査を開始してございます。この調査に当たっては関係部局の協力を得ながら取り組んでいるところでございまして、降下ばいじんの量や成分、また梅樹の生育などの調査を県の試験研究機関で実施することとしてございます。
 次に、紀州梅ブランドを守るための流通販売システムづくりについてでございますが、梅を含め、これまでの農産物の販売につきましては、卸売市場を核とした市場流通を中心に行われてきたところでございます。また、安心、安全を求める消費者ニーズの高まりに伴って流通形態も変化してきており、近年、ふれあい市場などの直販施設やインターネットでの販売といった生産者と消費者が結びついた新たな取り組みも見られます。
 県といたしましては、こうした動きを踏まえながら、産地での直販施設の整備を促進する一方、ITを活用したロケーションアンテナショップやふるさと和歌山わいわい市場などを通して農産物の情報発信に努めるとともに、今後、生産者団体を初め、流通加工業者等の関係機関が一体となった場づくりに取り組んでまいりたいと考えてございます。
 最後に、紀州梅の戦略方針についてでございますが、県では果樹農業振興特別措置法に基づき、梅など十四品目について平成二十二年度の生産目標を定めた和歌山県果樹農業振興計画を作成したところでございます。さらに、この振興計画をより実効性のあるものとするため、JAを初め消費者や流通加工業者など関係者の幅広いご意見をお聞きしながら、梅、ミカン、カキ、桃など、主要品目ごとに生産から流通加工に至る具体的な戦略プランを本年度中に作成することとしてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 企画部長垣平高男君。
  〔垣平高男君、登壇〕
○企画部長(垣平高男君) まず、御坊発電所についてのご質問にお答えをいたします。
 最近の電力需要の動向から、関西電力では御坊発電所について、今年度から当分の間、二号機を停止し、一号機及び三号機の稼働により電力需要に対応する計画であると聞いてございます。発電所の稼働の計画は事業者が電力需要等を勘案しながら自主的に判断しているものでございまして、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、県のエネルギー政策についてのご質問でございます。
 まず、御坊第二発電所計画の燃料とされているオリマルジョンにつきましては、高性能の排煙脱硫装置など必要な環境保全対策が盛り込まれた上、平成九年七月、国の電源開発調整審議会において承認されたものであり、県としてはこの結論を尊重してまいりたいと考えてございます。
 次に、森林資源などを活用したバイオマスエネルギーにつきましては、その望ましい利用方法を考えていく必要があると認識しているところでございます。ご提案のバイオマスエネルギー実験所につきましては、現在のところ国等においても具体化には至っておりませんが、今後とも乗りおくれることのないよう情報収集に努めてまいりたいと考えております。
 また、紀南地域は良好な日照条件にあることから、本県及び田辺市の新エネルギービジョンにおきましては、太陽光発電や太陽熱利用の導入促進を図ることとしているところでございます。今後とも、より一層の普及啓発に努め、導入促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 県の行政改革大綱の具体的実践についてのご質問にお答えをいたします。
 まず外郭団体の見直しについてでございますが、いわゆる外郭団体は、県民サービスの向上、県内産業の振興など、広範な分野において重要かつ多様な役割を担っております。しかしながら、今大きな変革の時代を迎えまして、国においては特殊法人等のあり方について抜本的な見直しの議論がなされているところでありまして、本県におきましてもその見直しは重要な課題であると認識をいたしております。
 本県の外郭団体につきましては、全国的に見てみますとその数としては少ないものの、今後それぞれの団体の経営分析などを行うこととしており、これらも踏まえながら各団体について根本に立ち返った検討を鋭意進めてまいりたいと考えております。
 次に、補助金制度の見直しについてお答えいたします。
 昨年五月に策定・公表した財政運営プログラムIIを基本といたしまして聖域ない事務事業の見直しに取り組むとともに、県独自の職員の給与カットや公共事業にマイナスシーリングを導入するなどの歳出削減に努めてきたところでございます。
 しかし、最近の地方交付税を含む地方財政制度の見直し論議などを踏まえて今後の財政運営を考えますと、歳出全体についてより一層厳しい目で見直すことが必要であります。その中で、県の補助金制度につきましても、県民の皆様の理解を得ながら、事務事業評価を活用し、ゼロベースの視点に立ち返った見直しを行ってまいりたいと考えております。
 次に、組織機構に関係して市町村合併と県の組織機構の見直しについてでございます。
 今後、市町村合併が進展し、また基礎的自治体である市町村の機能が強化されてまいりますと、県と市町村との役割分担について見直しを検討する必要が生じるものと考えております。あわせて、県民の生活に密着した行政や地域との深いかかわりの事務を行う振興局を初めとする地方機関と本庁との役割分担、あるいは配置のあり方など、これまでとは異なる視点から検討すべき課題も出てくるものと認識をいたしております。
 このような考えのもと、ご提言にもありますように、各界各層の皆様のご意見をお聞きする場を設けるなどしながら、長期的視点に立った県の行政機構のあり方を検討していくことも必要であると考えております。
 介護保険の関連で、介護保険NPO法人と税制の問題についてでございます。
 本県においてNPO法人として認証された団体は、国が認証した四団体を含め、二十五団体あると承知してございます。NPO法人に対する県税の優遇措置として、収益事業を行っていないNPO法人については法人県民税の均等割の課税免除を行っているところでございます。
 ご指摘の介護保険NPO法人の税制問題については、法人税法上の制約もございますが、県といたしましても、ボランティア活動を初めとした民間の非営利団体による社会貢献活動を支援する観点から、他府県の動向、他の公益法人との均衡なども考慮しながら今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
○副議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) グリーンピア南紀についての県としての対応でございます。
 グリーンピアにつきましては、設置主体でございます年金福祉事業団が本年の四月一日に解散をし、同日から年金資金運用基金が承継をしてございます。年金福祉事業団から県に対し、施設の譲渡引き受けの意向確認があり、譲渡引き受けは困難であることから、引き続き国において運営されるよう回答しているところでございますが、議員ご指摘のとおり、現在国においては特殊法人改革に取り組んでいるところであり、グリーンピアもその対象施設となってございます。
 現在、グリーンピア南紀の経営状況は非常に厳しいものがあり、今後のあり方について種々検討しているところでございます。国の動向も見きわめながら、行政と民間の役割分担を考慮しつつ、県としての方向づけを早急に検討してまいりたいと存じます。
 次に、介護保険制度での要介護者及び介護事業所の要望や問題点についてでございます。
 県といたしましては、高齢者の方々が必要な介護サービスを十分に受けられるよう、介護サービスの充実や介護支援専門員など介護に携わる人材の育成、資質の向上、並びに県民への啓発等、さらに努力してまいります。また、国に対しましても、恒常的な低所得者への負担軽減、痴呆性高齢者の適切な要介護認定、介護支援専門員の介護報酬の引き上げなどについて強く要望しているところでございます。
 次に市町村の要望についてでございますが、今年度の組織改正により長寿社会推進課に事業所指導班を設置し、振興局の担当職員とともに順次、実地指導も行っているところです。今後とも、市町村と十分連携を図りながら、よりよい介護サービスの提供に向けて介護サービス事業所を指導してまいります。
 次に、介護保険NPO法人の国の税制についてお答えをいたします。
 NPO法人に対する税制につきましては、さきに行いました政府要望の中でも、NPO法人等の民間事業者の参入を促進するため、税制上の優遇措置の拡大等、参入環境の整備を要望してございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 質問というより要望にとどめさせていただきます。
 先ほど、一点目の梅産業の二重の苦しみについて、知事に特別答弁を求めていなかったんですが、ありがとうございます。
 そこで、一つは紀州ブランド商品の流通の問題と紀州梅の戦略方針であります。
 私たちは、こういった農林水産省の三つの戦略が出る前に、現状の梅の問題について論議をする中で、私たちが生きる道は、やっぱりいかに労働コストを落としていくかとか、それから契約取引──今までのような市場中心の流通システムでは非常に使用料も高くなるし手数料も要るので、そういう意味では契約取引をするとか、先ほども言いましたが、インターネットを使って消費者へ産直でするとか、「通いコンテナ」と言いまして──今は十キロなら十キロの段ボールへ入れて積んでいるんですが、それをデポジット制を活用したいわゆる「通いコンテナ」にして持っていったらそのまま空で戻ってくると。そういう部分で、流通のコストをいかに下げるかという論議も我々ずっとやってきているわけです。
 これについて、県当局も具体的にこれからどうするという方針が示されましたので、できるだけこの点で、現場の農協や加工業者と──今までだったら行政と個々の利益関係もあって案外ばらばらだったんですが、今、加工業者の皆さんも、この時期に来て、自分のもうけばっかり言うておれんと。この際一緒になって、共通のテーブルに着いて、ともに紀州の梅を守るためにどうしていくかと、そういういい時期に来たなということになっておりますので、我々も汗をかきますが、県当局もひとつぜひ汗をかいていただけたらありがたいと思っております。
 それから、火力発電所の問題です。
 いつまでも、平行線はたどりながらも、ここにおる限り言い続けようと思っていますが、一つは、これは僕は全然違うんですけれども、火力発電所を誘致する側の市や町村は、延期されたので早くせえと言うているわけです。僕が言っているオリマルジョンとか三号機に脱硫装置がついたら──二号機は停止しますが──一号機もとめて三号機でやってよという意見は、裏腹に考えれば同じことを言っているのに、それは変に、向こうの企業の立場から言いにくいような言い方の答弁だったので、ちょっとおかしくなれへんかなと。向こうがどう判断するかは別にして、同じことで一応そういうことを申し入れしてほしい。
 例えば、平成十二年度の利用率を見ますと、ほとんど一号機をとめてもいいぐらいですよ。十二年の四月、五月、六月、十月、十一月、十二月、一月、もうほとんど停止しています。一、二、三、四、五、六、七カ月、一号機は停止しているんですよ。だから、実質的に三号機のみで稼働しても何ら関西電力に迷惑をかけないし、問題はないと。しかも稼働率六・七%という状況でありますから、何ら関西電力に遠慮しないで、脱硫装置をつけたところの稼働に絞っていただきたいと、県としての主体性で言っていただきたいなというのが私の考えであります。
 それから、行革の問題であります。
 私は、何もかも削れとか削減せえとか、そういう意味ではなくて、やっぱり見直すというのが基本です。見直すというのは何が基本かと言いますと、我々はどうしても今までの古いしきたり、慣行でずっときたと。しかし、小泉内閣がやろうとしていることは、一面──全部は私、賛成していませんけれども──やる方向の考え方については我々地方自治体もそういう意味で同じ受けとめ方をしていかないと、これからの日本の経済そのものを考えていくと、世界と対等に日本の経済が主体的に生きていくには、それは避けて通れない道だろうと僕は思っております。
 そういう意味では、補助金制度の見直しや外郭団体の見直しといったことに対していかに県民に理解を求めていくか。そこで浮いたお金を県がまた別のところでむだ遣いするのと違いますよ、これだけ浮いたお金は、先ほど言いましたように、県民の皆さんの生活関連の公共事業に回して皆さんに還元されるんですよ、そしてそれによって地域や県民の生活は向上していくんですよということを県民に説明すれば、必ずこれは理解されると思います。私がこの原稿を書いた後、たまたま六月十九日の岩手県知事、そしてきょうの宮城県の浅野知事の話を見ますと、その考え方においては、まさにそのことも含めて書いているように思います。だから、そういう意味で思い切った対応をしていただけたらと思います。
 この宮城県の浅野さんの言うていることは、一つは、国は各県、市町村に補助金絡みで枠を絞っておいて、官僚のええ格好しいの場にしてしまったと。おれに頭を下げなかったらしてやれへんぞと、こういう部分をやっぱり乗り越えていかざるを得ない時期に来たなと。我々県も──僕も市会におったときに思ったんですが、やっぱり市町村は県のご機嫌をうかがって、県の補助金をもらうために何回も頭を下げに来ていろいろ人間関係をつくってと、そういうことも今までは許されたけれども、これからはそれは厳しいな、そのことをわかってもらわないといかん時期に来たなと、こう私は思っているわけです。それをいみじくも、国の官僚が知事になって言っているんですからね。これは現知事も同じだと思うんですが、そういう意味では物すごくいいことを──これからは避けて通れないなと。
 それから、市町村合併の問題と県の関係です。
 市町村合併ばっかりわあっと御旗のごとく県や国が言うていますが、この業務、この業務と見て考えてみますと、自分の足元、県の職員の方がずっと大変やなと。県の職員そのもののこれからの生きる道が、ここで物すごい問題になってくるやろう、市町村より厳しくなるやろうと。
 たまたまこの十九日、岩手県知事は、「県は職員が余り、仕事がふえる。市町村は足りなくなる。それで、県職員を二、三年のローテーションで市町村に送り込む仕組みができないか検討しているところだ」と、こういうふうなことまでもう具体的に出しています。だから、そういう意味では県職員もうかうかしておれやんぞと。やっぱり、市町村合併が推進すると同時に県の職員は非常に厳しくなるぞということの論議を十分して、そこで我々の県の組織がどうあるべきか、広く職員自身も論議をするし、そして広く県民にも理解を求めていく必要があるのではないかということを痛感しています。
 それから、最後になりますが、グリーンピアの問題です。
 この六十名の職員を守るためにどうしていくかということについて、県は本当に一生懸命に考えていかないと。雇用の数から言うと、あの地域では一つの大きな企業ですね。そういう意味もあって──十二年度の決算を見ると、五千万円の赤字を出しているんですね。もちろん、県、市町村も出資金を出しながらやけど、ほとんど紀陽銀行の借り入れを取り崩しながら今のところ経営しているという実態であります。もう今さら「たら」ではあかんから、これから二〇〇五年まで一定の時間がありますので、その間、毎年また同じように単年度で五千万、五千万という負債になると、もう手のつけようがない。後で整理するときに、お互いの出資金の配分で今度は赤字の負担を県もやらなきゃならない。小さい町村もそれを負担していかなきゃいかんという事態を招くのですから、いずれにしても、この経営に対して赤字をできるだけ少なくする方向を目指しながら、二〇〇五年以降の方針をぜひとも組み立てていただきたいと思います。
 以上で、要望を終わりまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で原日出夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は六月二十五日再開し、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時五十七分散会

このページの先頭へ