平成13年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(町田 亘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十四番町田 亘君。
  〔町田 亘君、登壇〕(拍手)
○町田 亘君 村の長は村長、町の長は町長、市の長は市長、県の長は本当は県長になるべきが、「知事」と言います。どうして「知事」と言うのか調べてみました。もとは寺院の役職で、お坊さんの雑事や寺院の事務を取り扱う役を言います。大衆に奉仕するところから「悦衆」などとも呼ばれたそうです。この知事が中国の地方長官の名称に転用され、それが日本の知事の語源ともなったそうです。大きな寺院でたくさんの僧侶がいると、やはり行政のような仕事も必要になったのでしょう。
 知事とは、知る事と書きます。あなたは、まだ県内で行ったことのないところもたくさんあると思います。そして、県民の心を知らなくてはなりません。あなたは昨年、炎天下に県内各地を回られ、汗をふきながら、また雨の中、傘を差しかけられてもそれを断り、真っ黒になりながら、小さな街宣車で県民に訴えられました。選挙とは、いかに人に迷惑をかけることかという苦しみも味わわれたことと思います。また、人情の機微にも触れられ、人の心の温かさに涙されたこともあったと思います。前西口知事が任期半ばで病に倒れ、その後任の知事になりたい人も大勢おられました。立候補した人を含め、県庁の中から、国会議員の中から、この県議会議員の中から、市町村長の中から、またあなたのように和歌山に縁のあった方々の中からも、うわさに上りました。
 あなたは、四十九年の人生の中で平成五年から平成八年までたった三カ年和歌山に、それも自分の意思ではなくて一枚の辞令で総務部長として来られたあなたが候補者に選ばれました。短い日時の間に、ポスター、パンフレットを作成し、立候補されました。パンフレットの「木村よしきプロフィール」に、小学校四年のとき父を亡くし、母子家庭で育ち、福祉、奉仕を真に理解できる心で人格を形成し、若手の中で行政経験はピカ一、大阪の財政危機を救ったスーパースター、和歌山にも大幅な財政支援が期待されると書かれているのを見て、県民は期待を込めて二十一世紀のトップランナーとして、和歌山丸の船長として就任させたのであります。
 また、あなたの総務部長時代の力量と、人との出会いを大切にする人柄──あなたが総務部長時代、魚釣りが好きだというので、後ろにおられる尾崎副議長、大沢県議と白浜の海に案内しました。そのときは一匹も釣れずに、「木下秀男議員はいい人だ。木下先生はいい人だ」と、ぶつぶつ言って船で寝ているので、「どうして木下議員はいい先生か」と聞くと、「先生と行ったときはよく釣れたし、親切だった」とぼやかれました。そのとき、あなたが知事になるとわかっていれば、もっと釣れる場所に案内すればよかったと反省をしております。そのような庶民的な性格がこの結果を生んだのだと思います。ある意味では、幸せな星の下に生まれたのかもしれません。当選されて、知事室で初めて座った知事のいすの感想はいかがでしたか。
 知事は、立候補するに当たり、二十一世紀はふるさと和歌山の時代と──しかしこのふるさと和歌山の時代は、待っていてもやってくるものではない。県民の皆さんとともに、大切に受け継がれてきた資源を生かしつつ、我が紀州の先人を見習い、積極果敢に新しい世界に挑戦していく。私にとって和歌山は、まさに人生のふるさとであります。私は、あらゆる人々の声に耳を傾け、公正中立に対処し、常に逃げることなく前向きに立ち向かい、日本に、世界に開かれた和歌山を目指すふるさと和歌山創造計画を提案しますと訴えられました。そして、就任されてから六カ月がたちました。知事として今日までの感想があればお聞かせ願いたいと思います。
 また、初めての予算を組まれ、今後の和歌山丸の進路をお示し願いたいと思います。
 知事の好きな言葉に「一期一会」と書かれていますが、何か感じるところがあるのですか。
 平成十二年度事業評価で、紀南地方の主な事例を見ても、嫌でしょうが、和歌山工科大学の凍結、白浜・椿地区の真静荘の閉鎖、白浜山荘の閉館、土木予算、農林業の予算等、寂しい限りであります。西口前知事は一三六の項目をうたわれ、木村知事はGOGOプラン二十五を提唱されていますが、特に私の住む西牟婁に何か夢がありますか、お教えを願いたいと思います。
 大塔村平瀬の障害者の施設については、積極的なご配慮をいただきましたことを心から感謝申し上げます。
 平成八年に議長をさせていただいたとき、近畿議長会に出席し、会議が終わって雑談しているときに三重県の議長が、「町田さん、和歌山はうらやましいですね」と言うので、「何もしてなく、自然がいっぱいあるからですか」と聞くと、「何を言うのですか。近畿地方でジェット機の飛び立つ空港は幾つありますか。伊丹空港、関西空港と和歌山の白浜空港の三カ所しかないではないですか。私の三重県にも、奈良県にも、京都府にも、滋賀県にもなく、今からつくることも不可能でしょう。すばらしい宝ではありませんか」と言われて、初めて先輩たちがこのすばらしい宝を残していただいたことに我々は感謝するとともに、この宝は今後もっともっと活用し、発展させ、次の世代に引き継いでいく義務があるのではないでしょうか。
 昨年九月から滑走路二千メートルの供用も開始され、今春三月、ジェット化五周年を迎えようとしています。和歌山県新空港建設・利用促進議員連盟の会長として、先輩たちが残してくれたこの空港の足跡を総括してみたいと思います。
 記録によりますと、空港建設が決定された昭和三十八年、当時、田辺市出身の早川代議士が自治大臣のときでありました。空港適地として白浜町地内に決定、白浜町より設置賛成の意見書が出され、四十年四月に県議会で可決、四十一年七月着工、四十三年四月二日、小さい千二百メートルの空港でありましたけれども、白浜空港が東京へYS11型六十四人乗りで誕生したのであります。その翌年には、大阪便と名古屋便が就航したのであります。その後、昭和五十二年にYS11型機以降のジェット化対応について、今後の航空機の需要等の動向を見据えて空港整備を検討していくこととして、ちょうど私が県議会議員に初当選した昭和五十四年から基礎調査が行われるようになりました。まさに私は、白浜空港のジェット化とともに歩んできたのだと思います。だから、なおさら感慨深いものがあります。
 二十年前の五十六年、県議会に議員全員で和歌山県新空港建設・利用促進議員連盟が発足いたしました。初代会長は、新宮市選出の下川議員のお父さんの下川舜三先生でありました。五十七年、五十八年に新空港適地決定のための調査費が計上され、県内二十三カ所を選び、消去法によって十カ所に絞られ、さらにその十カ所の候補地から三カ所に絞り込んで、綿密な調査をしたのであります。その三カ所は、芳養湾、南部西、白浜町南、すなわち白浜町は椿から日置川町田野井にかけてのところであります。そのとき白浜空港付近は、物理的に二千メートルは不可能だと消されてしまいました。しかし、何日かたって町で再度調査したところ、二千メートルは確保できるので何とかしてほしいということで、西牟婁、田辺市選出の県会議員が集まり、バス五台を連ねて県庁に押しかけ、白浜空港付近を再度加えてほしいと陳情を繰り返したのであります。そして、消されていた空港適地を、敗者復活により四カ所としてもらい、知事は南紀空港建設審議会に諮問したのであります。それから、日高と白浜との誘致合戦が始まったのであります。
 六十年一月、仮谷知事は四カ所の中から、一度消された現白浜空港を候補地として正式に発表したのであります。これに対し当時、大先輩の藁科先生が一般質問に立ちました。内容は、おおむね次のとおりであります。「五十四年、五十五年両年にかけて調査した結果、白浜空港付近は千二百メートルを二千メートルにする拡張は難しく、方法を変えても大工事となり、騒音問題、また工事中現空港の閉鎖等もあり困難であることから三カ所に絞り、そして最終的に決めたこの三カ所から選ぶとされていた。このような過程の中に現白浜空港は入っていなかったのではないか。調査した結果、南部西、白浜町南、芳養湾の三カ所の候補地に決定したと議会に報告されているのに、また県が二年も三年も調査委員会を設置して三カ所に決定されたという県の権威は一体どこにあるのか。調査費の予算の要請を受けての議会の議決というものをどのように考えているのか、知事のお考えを聞きたい」というものでありました。そのとき、仮谷知事は有名な言葉で答弁されたのであります。いろいろ説明した終わりに、「青い鳥を求めたが、結論は家の内にあったという場合もあるわけでございます。だから、そうした結論であった」と答弁されました。そして、平成四年四月起工式、八年三月九日ジェット化供用開始、YSで東京まで百分かかった時間が五十分ほどで飛べるようになったのであります。
 長々と述べてまいりました。県当局、地元の皆さん、特に鴨居地区、湯崎地区関係者の方々のご理解で、近畿に三カ所しかないジェット空港を完成させることができました。私たちは、この空港を生かすことが、紀南、否和歌山の発展につながるものと確信するものであります。
 そこで、お尋ねいたします。
 知事は、紀南の発展と観光について、この県営白浜空港をどのようにとらまえているのか。
 この四月に白浜空港へ韓国から初めて観光団が来られ、南紀観光を楽しまれ、県は入れかわりに知事を団長に韓国に行かれる。まさに、トップセールスであります。この計画は、昨年十月、県がソウルで和歌山県観光フォーラムを開催し、南紀観光をPRしたのがきっかけであります。私たち県議会経済警察委員会の委員も出席し、委員会を代表してレセプションで私もあいさつをさせていただきました。委員会としてもいささかお手伝いをさせていただいたことをお忘れなく。
 次に、農林水産部長にお尋ねいたします。
 長期総合計画の中で、臨空農業の推進、燦黒潮園芸産地の形成としての位置づけ、積極的に生産団地の育成に努めているところであるというジェット化に向けての農林部長の答弁がありますが、ジェット化による農産物や水産品の輸送の現状はどうか、今後の見通し、取り組みについてお聞かせ願いたいと思います。
 空港議員連盟として、ご報告をさせていただきたいことがあります。
 この三月でジェット化されてちょうど五周年、また昨年九月に二千メートルの滑走路が供用開始された記念事業として何かよい計画はないか、港湾課、振興局等の皆さんと検討を重ねてまいりました。議員連盟の皆さんとも検討を重ねてまいりました。紅白の幕を張っての五周年記念の式典では、芸もなく、利用促進の効果もない。何かよい知恵はないか。そこで、子供たちの思い出はきっと将来の空港の活性化につながるという点で一致し、それではぜひ、三宅島噴火で被災し、現在首都圏で避難生活を余儀なくされている児童を励ますため、南紀いやしの旅をプレゼントすることに決定しました。ご承知のとおり、三宅島は五十五・五平方キロメートルの面積の島であります。私の住む上富田町とほぼ同じ面積であり、人口約三千八百五十人。昨年八月十八日の大規模噴火活動で九月四日、全島民が避難しているのであります。早速、東京事務所を通じて小学校六年生を対象に六十名程度で三宅島関係者に打診したところ、快くお受けくださいました。先日、私と東京事務所長及び港湾課の職員とで東京都庁の中にある三宅島役場を訪ね、社会福祉協議会会長寺本達さん、野村忠司助役さんにお会いし、正式にご案内申し上げたところ、本当に喜んでお受けいただき、お礼の言葉もいただいて帰ってまいりました。予定は三月二十九日、三十日の二日間でありますが、アドベンチャーワールドでパンダの赤ちゃんとの対面、世界遺産に登録されるであろう熊野古道の散策などを楽しんでもらいます。余り盛りだくさんのこともせずに、私たちも干渉もせずに、白浜のあったかい湯につかって本当にのんびりと、まさにいやしの旅になるように願っています。東京事務所、港湾課、振興局の職員の皆さん、本当によくやってくれました。心から感謝したいと思います。知事、感想があればお聞かせ願いたいと思います。
 最後に、近ごろ、動物たちの世界にいろいろなことが起きていると言われます。祭りの縁日で売られているミドリガメが大きくなって池に住みついたり、時にはワニや大きな蛇が見つかり、また毒グモが見つかり、本来いないはずの動物がいつの間にかそこここにすみつき、日本本来の自然が変えられようとしています。この移入種の動物たちのもとはと言えば、人間が勝手に持ち込んだもので、すべて私たち人間がもたらしたものであります。むしろ、駆除される立場にある動物こそ被害者であります。人間の勝手で駆除するというのは、余りにもひどい話であります。動物を飼うのなら、絶対に逃がしたり、逃げられたりしないように、最後まで責任を持って飼うべきであります。
 北海道のアライグマは、一九七〇年、人気のアニメ「あらいぐまラスカル」によるブームで独特の姿やしぐさで人気を呼び、一時はペットとして輸入されたのであります。子供のときは人間に懐いてかわいいものの、成獣になると気が荒く、凶暴になり、ペット向きの動物ではなくなり、もてあまして捨てるのであります。アニメの中でも、最後に人間の手に負えなくなり、アライグマを森に帰す場面がありますが、舞台の上では野生に帰せても、日本にはいない動物のアライグマは移入種問題を引き起こしているのであります。
 日本一の琵琶湖のブラックバス、しかりであります。本来はいないはずの魚がいる。違法と知りながらも、釣りの楽しみから現在は全国に広がり、肉食性でエビやカニ、カエルまで捕食し、稚魚は瞬く間に食い尽くされてしまうのであります。奄美大島で、ハブ対策のために島にマングースを三十頭ほど放され、それが自然繁殖し、今では島の広範囲で見られるほどふえたそうであります。ハブを退治するために人間が持ち込んだ動物が、結果的にハブをとらまえずに、農作物や希少動物を危機に追い込んだのであります。結局、人間の行為が生態系を脅かす結果を招いているのであります。手をこまねいている間に日本の生態系が各地で改変され、私たちは「うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川」をいつしか失いかけているのではないだろうか。
 本論に入ります。従来、ニホンザルの群れが生息していなかった和歌山市南東部、海南市に移入種であるタイワンザルが野生化して、既に在来種のニホンザルとの交雑が進んでおり、また農作物被害を引き起こしているのであります。和歌山県のタイワンザルは、聞くところによると、四十四、五年前に私設動物園から逃げ出したのが野生化したもので、約二百頭の群れをなしているそうであります。条約には「生態系、生息地若しくは種を脅かす外来種の導入を防止し、又はそのような外来種を制御し、若しくは撲滅すること」とあります。
 そこで知事は、和歌山県サル保護管理計画の樹立について県自然環境保全審議会に諮問され、公聴会、鳥獣部会等、今日まで検討を重ねてこられました。公述人の主な意見は、移入種であるタイワンザルが野生化して繁殖し、在来種のニホンザルとの交雑が進み、このまま繁殖が続くとニホンザルの遺伝子が攪乱され、紀伊半島やがて本州全域に拡大していく心配があると、この計画に賛成されています。しかし、条件として、捕獲した個体の処分について配慮してほしいとあります。
 仄聞するところによると、県は捕獲した個体を無人島に移すべく検討していたが、島の生態系が壊される等でこの案を断念したと聞いています。残るは、二つの選択肢であります。その一つは、施設をつくり、そこに捕獲したサルを避妊や去勢手術をして隔離管理する方法であります。しかし、えづけされたサルは二十年以上生きると言われています。施設費、えさ代、人件費等、単純計算しても十億円ほどかかるそうであります。サルのために税金十億円は県民の理解を得られるでありましょうか。最終判断は知事でありますが、今日まで取り組んでこられた環境生活部長の意見を伺いたいと思います。
 また、以下の点について、担当部長から答弁願います。
 近年のサルの有害駆除についてお教え願いたい。
 タイワンザルは和歌山県内にどれくらいいるのか。他府県にはいないのか。他府県の取り組みについて。
 ニホンザルとタイワンザルの見分け方。また、四十五年ほど前と聞くが、ほとんど血がまじっているのではないだろうか。
 県では環境生活部が担当しながら、振興局では農林水産振興部が担当しているのはどうしてか。
 ブラックバス釣りは違法なのか。どのような指導をしているのか。子供たちへの指導はどのようにしているのか。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの町田亘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまの町田議員の質問ですが、あの町田議員、大沢議員、尾崎議員のお世話になって、田辺湾のいかだの上で気持ちよく釣りをさせていただいたことが、私が今日この和歌山県へ来て知事の仕事をさせていただいていることの遠因の一つにもなっているのではないかと、改めて御礼を申し上げる次第でございます。
 まず、今後の和歌山の進路ということでございますが、二十一世紀を迎えた今、長引く不況の影響や県経済が抱える構造的な問題により、本県を取り巻く環境は非常に厳しいものがあり、ますます真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。私は、これらの状況を乗り越えるために、新しい発想を持って政策を展開していくことが重要であると考えております。
 本県は、豊かな自然と恵まれた歴史、文化資源や大都市圏との近接性、関西国際空港のアクセスのよさなど、他府県にないすぐれた地域特性を持っていると考えております。私は、これからは「いやし」という言葉をキーワードに、本県を県民の方々だけではなくて、厳しい自然環境の中に身を置く都会人の方にとっても、新しいふるさとと考えていただけるような形で和歌山を全国に発信していくという仕組みをつくるなど、この和歌山県を二十一世紀の先進県と言われるような形でいろんな行政を進めていきたいと思います。
 議員ご出身の西牟婁地域につきましては、この地域は温暖な気候や温泉、そして熊野古道など資源に恵まれた魅力ある地域であり、観光立県和歌山の中心地域としての発展を図る必要があると考えております。とりあえず、来年度はこのすぐれた観光資源を活用して、農林漁業体験などのオプショナル観光ツアーの開発やインターネットによる情報発信などに積極的な取り組みを進めてまいります。また、この地域には梅、備長炭を初めとする特色のある農林水産業等が発展しており、この全国に誇れる資源をより生かすため、ITを生かした特産品の販路開拓などによる産業振興を図ってまいりたいと考えております。
 また、これらの施策と密接に関連いたしますけれども、韓国等からのチャーター便を誘致するなど、内外の交流窓口としての白浜空港の活用や近畿自動車道紀勢線の早期南伸を初めとした道路ネットワークの整備を進めます。また、過疎地域の物理的距離の解消や地域活性化を図るため、全国でも画期的と思われるIT総合センターを整備するなどいろいろな施策を行っておりまして、来年度予算についても他の地域にまさるとも劣らない配慮をしているつもりでございます。
 私は、このように西牟婁地域を勇気づけ、元気がわき出るような施策を思い切って実施してまいりたいと考えております。
 知事就任から半年が過ぎました。今後とも、県民の負託にこたえ、議員の方々と共同、協調、そしてまた場合によっては切磋琢磨しながら、車の大きな両輪としてご一緒に、県民の皆様とも一緒になって活力ある和歌山づくりを目指していきたいと考えております。
 次に、白浜空港の今後の利用促進についてでございます。
 白浜空港は、国土軸から離れた位置にあるという紀南地域の半島性を克服する大きな手段として、観光の振興や農林水産業の市場拡大等、紀南地域の生活と産業基盤を確立するために非常に重要なものと認識しております。新年度からは、港湾空港振興局を新たに設置し、組織強化を図り、より一層の利用促進に努めてまいりたいと考えております。
 利用促進の一環として取り組んでまいりました国際チャーター便につきましては、県議会の皆様のご尽力も賜り、この四月に海外からの観光客の受け入れが初めて実現することとなりました。私自身も、この機会に南紀白浜空港から韓国へ赴き、和歌山県の観光と南紀白浜空港へのチャーター便の運航についてPRを行ってまいる所存でございます。
 また、このたび和歌山県新空港建設・利用促進議員連盟の皆様が三宅島の火山活動で避難されている児童を南紀へ招待されるとのお話を伺い、これは本当に時宜にかなったタイムリーなことだと、非常に敬意を表している次第でございます。現在、島民の方々は、避難生活の長期化により大変なご苦労をされていると聞き及んでおります。お越しになる皆様が、白浜温泉の温かさや、これを通して南紀の人々の心の温かさに触れていただくことで、ふるさとに帰ったような心身ともにいやされる旅となるよう心から願っているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 南紀白浜空港のジェット化による農水産物輸送の取り組みでございます。
 まず輸送の現状については、平成十一年度で食料品、果実で九十九トン、魚介類で百六トンとなっております。これは、ジェット化前の平成六年と比較すると、積載容量の拡大や航空機利用による通信販売が増加したこともあり、梅干しを中心とした食料品、果実で約三十倍、魚介類ではマグロ、カツオ、イセエビ等で約五十三倍となってございます。
 なお、期待しておりました生鮮農産物は伸び悩んでおりまして、その要因は、道路網の整備に伴う輸送時間の短縮や鮮度保持技術の向上に加え、近年の価格低迷などにより、コストの高い航空輸送に向かなかったのではないかと考えております。
 また、地域の市町村や農協等で構成する西牟婁地方農業振興協議会では、平成十一年八月から空港ロビーに梅干しやミカンをPRする展示コーナーを設置するなどの取り組みを行ってございます。今後、こうした取り組みを支援するとともに、通信販売の拡大などに対応し、ITを活用した県産品のPR促進や北海道等の遠距離マーケットの販路拡大に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 和歌山県サル保護管理計画策定の考え方についてお答えいたします。
 和歌山市南東部及び海南市北東部に、移入種であるタイワンザルが野生化、繁殖し、ニホンザルとの交雑を引き起こしている問題についてでございますが、このまま放置すると交雑が進行し、県内に純粋なニホンザルがいなくなり、将来、本州全域に広がるおそれがあります。日本も批准している生物多様性条約に基づき、タイワンザル等の捕獲を実施する和歌山県サル保護管理計画を策定するために検討会を設置し、議論を重ね、その後、公聴会の開催、自然環境保全審議会での審議等を行ってまいりましたが、捕獲個体の措置については慎重に検討するべきとの意見が出されているところです。
 捕獲した個体の措置につきましては、安楽死案とあわせ、無人島放逐や施設収容、あるいは避妊・去勢してもとに戻すなどの生存維持の方法について、具体的実施場所や方法、技術的可能性、繁殖制限の方法、費用算出等を土地所有者、関連業者、関係行政機関、学識経験者等と精力的に調整し、検討してまいりました。しかし、無人島案については従来の生態系への悪影響が懸念されるとする反対があり、その他の案も技術的な問題等があり、またどの案についても賛否両論があることから、結論には至っておりません。今後は、さらに広く県民の皆さんのご意見を伺うためアンケート等を実施するとともに、自然環境保全審議会の意見を賜り、慎重に対応してまいりたいと考えております。
 次に、サルの有害駆除は、全国で約一万頭、県内では例年五百五十頭前後の駆除をしてございます。
 次に、ニホンザルとタイワンザルの形態的相違点については、尾の長さで、タイワンザルは約四十センチ、ニホンザルは約十センチとなっております。
 次に、当該地域のサル全体の生息数は百七十頭から二百頭と推測しております。なお、他府県の例は、青森県の下北半島で飼育されているタイワンザルの一部が逃げ出し、ニホンザルとの交雑の話がございます。具体的な対策についてはなされてないと聞いてございます。
 次に、これらの業務の担当部署についてでございますが、現地の業務をより効率的に推進するために、振興局では農林水産振興部が行っております。
 最後にブラックバスについてですが、最近、ブラックバスの釣りが盛んに行われておりますけれども、釣りそのものは違法ではございません。本県は、漁業権魚種になっていないブラックバス類等の外来魚の密放流は、漁業権を侵害し、水域の生態系を破壊すること等から、基本的には禁止しております。
 なお、子供たちへの指導につきましては、釣り団体主催の釣り教室等において釣り上げたブラックバスは再び放流しないよう、呼びかけをお願いしているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(尾崎要二君) 以上で、町田亘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は三月十二日再開し、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時三十八分散会

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