平成13年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(坂本 登議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第四十号から議案第四十三号まで、議案第六十一号、議案第六十二号、議案第六十五号及び議案第六十六号はいずれも職員に関する条例の改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、ご了承願います。
  〔巻末の「参考資料」を参照〕
  【日程第一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議案第一号から議案第八十号まで、並びに地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 九番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○坂本 登君 皆さん、おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、順次一般質問をさせていただきます。
 平成十一年十二月議会に続いて、梅立ち枯れ問題についてお伺いします。
 自然豊かな南部郷に生まれ、一目百万本と言われる梅の里から選ばれた私にとって、議員生活を通して梅問題について質問することは私の使命とするところであり、また梅を語ることは誇りでもあります。幸いなことに、県当局におかれては来年度予算で梅研究センターの設置に前向きに取り組んでいただいたことに、心より敬意を表するものであります。
 さて今回は、前回の質問に対し、その後、県当局はどのような取り組みをされてきたのかということ、またそれを踏まえ、新しく就任された知事に対して梅立ち枯れ等の抜本的な解決に向けての施策についてお伺いしたいと思います。
 まず、梅立ち枯れの状況であります。
 前回も申し上げましたが、南部郷を例に挙げますと、平成六年から十二年までの梅立ち枯れ等の累計は、実に二十五万五千本に達しています。現在の南部郷の植栽本数が約五十五万本ですから、七年間で全体本数の約半数近くが何の対策もないまま衰弱してしまったことになります。とりわけ、前回の質問後、昨年一年間で六万八千三百二本の生育不良が見られます。南部郷の植栽本数約五十五万本のうち、一年間で六万八千本の立ち枯れ等ですから、これを単純計算しますと、九年ないし十年後には南部郷の梅はすべて枯れてしまうことになります。また、一年間に六万八千本の梅枯れは、これを金額に換算すると、実に百三十億円となります。特に南部川村の清川地区では、平成十二年の梅立ち枯れ本数は、前年の平成十一年の梅枯れ本数の約二倍となっております。さらに、これに田辺地方を加えると被害は甚大なものとなり、今や梅枯れ等はとどまることのない状況になっています。加えて、輸入の自由化の大きなうねりの中で、外国産の安価な梅の輸入等により、農家の人々にとって梅市場もこれまでのように価格面での保証もなく、梅枯れによる減収と梅価格の値下がりの二重の打撃を受けております。
 このような状況の中で先人がたゆまぬ努力で築き上げてきた紀州の梅、南高梅の名声を保ちつつ、その販路を広めていくための努力は大変なものであります。過去において、紀州の温州ミカンがそのシェアの減少を余儀なくされてきたことを二度と繰り返すことなく、これからも紀南地方の基幹産業として梅を守り続けることは私たちの大きな課題であり、責務であります。
 梅が枯れれば、南部・田辺地方の若者は、働く企業の少ない中で必然的に県外に職を求め、流出せざるを得ません。和歌山県とりわけ紀南地方を出稼ぎの町とするのか、今こそ本県の農業施策における態度を明確にし、その施策を打っておかないと、将来に大きな悔いを残します。紀北のカキ、中紀のミカン、紀南の梅は、和歌山県の特産物であります。どのような物質文明の世の中になろうとも、またIT革命がなされようとも、和歌山県にどんな企業を誘致しても、この特産物を守り育てる農業施策を絶対に怠ってはならず、和歌山県人となった知事の大きな責務であると考えます。
 今、財政が逼迫しているから税収入確保のため、また雇用確保のためにといって御坊に火力発電所をつくっても、この農業施策を怠っては、それに見合う南部・田辺地方の税収入の落ち込み、それ以上の人口の県外流出がこの両地方に起こり、火力発電所設置以上の損失となります。この両者のバランスを考えることこそ、今大切なことであります。
 私は、御坊発電所に反対しているものではありません。しかし、発電所から排出されるばい煙が梅枯れの原因となり、南部・田辺地方が大変な危機にさらされていることを考え、関西電力に脱硫装置を設置させるよう、県から強く指導するように質問しているものであります。
 関西電力御坊発電所のばい煙問題については、前回も申し上げましたが、北陸電力では、福井県芦原町の火力発電所が稼働からわずかに七年で、原因究明に至らなくとも疑わしきは直ちに処置をするということで脱硫装置の設置を行いました。しかし関西電力御坊発電所は、昭和五十九年に一号機が稼働し、その後三号機まで完成して、はや十六年以上が経過しているにもかかわらず、いまだに一基の脱硫装置も完成しておりません。北陸電力と関西電力との間に、大気汚染による農作物への被害に対する認識にこれほどの差があるのか、それともその指導に差があるのか、疑問であります。このばい煙問題は、農家の不安解消だけではなく、二十一世紀の大きなテーマである大気環境保全の観点からも、一刻も早い改善がなされるべきであります。
 今、梅農家は、この価格面と大気汚染による二つの大きな荒波の中、日々不安に駆られながらも何とかこれらを克服すべく、生き残りをかけて必死にもがき苦しんでいます。紀南地方の梅が衰退するかどうかの待ったなしの状況になっています。紀南地方の産業、経済にとって、その生命線を絶たないようにと、この県議会の壇上から訴えるものであります。
 幸い知事は、就任直後に梅立ち枯れ発生園へ現地調査に入り、国の支援を求めつつ早期に原因究明と対策に全力を挙げたいと述べたと報道されました。
 そこで、お伺いします。
 一番目に、全力で早期解決を図る対策とは何なのか、お伺いします。
 二番目に、梅研究機関の設置は大事なことでありますが、まだまだ数年先のことでもあります。それまでに梅枯れがどんどん進行します。そこで、それまでの対策として、仮説プレハブでもよいから実験園を早急に整備し、研究体制を整えるべく人材を早急に登用する等、一日も早い原因究明体制を確立すべきと思いますが、部長の考えをお伺いします。
 三番目に、一昨年に私が質問した後、御坊火力発電所の一号機から三号機まですべて脱硫装置を設置するよう関西電力に強く働きかけていただいたのか、その後の経緯と今後の対応についてお伺いします。
 次に、和歌山工科大学凍結問題についてお伺いします。
 和歌山工科大学の凍結にかかって、今後の対応について知事にお伺いします。
 昨年、知事は、就任直後に工科大学の凍結を打ち出しました。その理由は、建設に伴う財政の逼迫、さらには後年度負担の問題、あるいはさらに進むであろう少子化傾向等の観点から知事自身が判断したものと受けとめています。さきの県議会の同意、関係市町村との合意の中で進めてきた工科大学の設置計画を凍結することの決断に至るには、県政のトップリーダーとして大変な勇気が要ったことと思います。ある人は、これを英断と評価していることも事実であります。しかし反面、このことで地元住民や関係者の方々の無念さは、心中を察して余りあるところであります。凍結という現実がいまだ割り切れていないことも、事実であります。このことは、昨年末に田辺商工会議所が実施した会員のアンケート調査によると、十大ニュースの中で和歌山工科大学の凍結が第一位となったことからもうかがえます。
 紀南地方に工科大学を有することは、紀南地方の教育、文化、そして経済の活性化にすべてをかけた地域住民の期待がいかに大きかったか、うかがえます。私自身も、紀南地方の活性化は、その地理的な環境、道路網の問題、物理的な問題がある中で、企業誘致が将来的にも非常に厳しい状況にあることは認識しています。このような中で今できることは、紀南地方の温暖な気候、その自然美、わき出る良質な温泉等を利用した観光と別荘地等を含めた保養策、さらには昔から人々の心のよりどころとなってきた熊野三山等を生かし、二十一世紀に生きる人々の求めてやまない心のいやしにこたえることであり、そしてこれらの方策はぜひ必要であるし、このことは熊野博の成功によって実証済みであります。
 さらに、この紀南地方で一番できることは、教育・文化圏の構築であります。自然美いっぱいで、温暖で静かなこの紀南地方において学問に集中できる高等教育機関の設置は、的を射たものであると考えていました。紀南地方とりわけ田辺・白浜地方は、今県が考えている総合教育研修センター、ITセンター、近大水産試験場、南紀スポーツセンター、田辺市立美術館、市営球場、そして工科大学となれば、まさに二十一世紀型の紀南地方の姿になると考えておりました。さらに、工科大学の設置により、高校卒業生の県外流出九〇%以上、全国第一位とも言われる若者の流出に歯どめをかけると同時に、過疎化し高齢化する紀南地方に若者が流入し、その活性化は間違いないものと思っておりました。そして紀南地方は、単なる観光の町、温泉の町のイメージから学園の町として、そのステータスを高めることは間違いないと信じていた一人であります。
 私は、昨年度の県議会で梅枯れ問題を問う中で、作家童門冬二の「名君 肥後の銀台 細川重賢」を引用しました。城主細川重賢は、藩の財政がまさに倒産寸前であったとき、しかし教育への投資は絶対に怠るわけにはいかないとして学校を設立し、人材育成を図ろうとして殖産に努め、ハゼの実からつくるろうの生産と販売に武士も加わり、財政の立て直しに努めたことを紹介いたしました。時代が変われども、肥後のろうづくりはまさに和歌山県の梅、ミカン、カキづくりであり、肥後の藩校は今回の工科大学であります。
 財政事情が非常に厳しいことは、県民も承知しております。しかし、このような状況の中であっても、紀南地方活性化のためにも高等教育機関工科大学をつくってほしかったとの声は、本当に大きなものでありました。
 本県出身の作家津本陽氏の「大わらんじの男」に、紀州藩出身の八代将軍吉宗が描かれております。ちょうど現在のように財政が厳しく、吉宗はみずから衣食等質素倹約に努め、家臣にその範を示したと言われております。封建時代の将軍吉宗たりとも、農民や町人等の声に耳を傾け、それを施策に反映していったことはご承知のとおりであります。ちょうど同じころ、紀州藩に取ってかわられた御三家の筆頭、尾張の藩主徳川宗春は、藩財政の厳しい中で積極的に財政政策を行いました。心配した家臣は宗春に質素倹約を進言しましたが、藩主宗春は、この金が町人や農民たちに出回り、これで彼らが潤うのだと答えと言われます。そのため、当時の尾張は人口がふえ、大変にぎわい、活気づいたと言われます。それが現在の名古屋であります。
 吉宗は質素倹約を励行し、宗春は積極的な財政政策を考えたわけであります。どちらが成功したとは決して言い切れませんが、今この二人を紹介したのは、一人は緊縮財政をとりながらも目安箱をつくり、町人や百姓の声を聞き、施策に反映したこと、そして他方は、財政状況が厳しいときだからこそ藩主がみずから金を放出し、百姓や町人を潤し、尾張を活気づけようと施策を講じたことであります。
 今、県財政は非常に厳しい状況にあり、知事の苦渋の決断は私も理解できます。しかし、財政状況が厳しいからといって工科大学などの施策を凍結してしまうことは、ちょうど衰弱した病人に栄養剤の注射を打たないのと同じであります。ますます衰弱していきます。遠い将来を展望したとき、紀南地方の活性化はもちろんのこと、白浜空港に隣接し、時代の先端を行く工科大学の設置だからこそ、そしてそのことは紀北、紀南の均衡ある発展の上からも、さらには本県の人口流出の防止からも、その期待が大きいわけであります。
 そこで、野見山議員も尋ねられましたので要望といたしますが、高等教育機関の役割、とりわけ紀南地方へ設置した場合の工科大学の意義と長期的な投資効果について、今後十分検討していただきたいと思います。
 二番目に、工科大学の凍結は、財政状況が好転すれば解除し、改めて設置するよう要望しておきます。
 最後に、教育問題についてお伺いします。
 二十一世紀の幕あけ、正月を迎え、ことしこそはよい年になるようにと思い、毎日何かホットなよいニュースがないかと新聞に目を通していますが、昨年と同様に暗いニュースばかりが目に入ってきます。
 さて、一月十二日付の紙面を見ますと、何と「大人になれない新成人」と、大きな見出しで報道されました。高松市の成人式の会場で、前列にいたグループが酒盛りをし、市長に向けてクラッカーを鳴らし、その殻をぶっつけるなどの騒動や、また高知県橋本大次郎知事が、成人式でやじを飛ばすグループに「会場から出ていってくれ」とどなったと報道されました。
 社会的責任を負わなければならない二十歳という年齢になった若者の成人式で起こることに、二十一世紀の日本は本当にこのままでよいのかと、気が重くなってしまった一人であります。このような式や行事では、集団の中でルールを守り、自分を周囲や相手に合わせて遠慮するのが社会常識ではないかと考えます。しかし彼らは、自分たちが楽しめばよい、相手のことは考えない、常に自分たちが主人公と、自己中心的な考え方になってきています。子供のわがままを権利や自由と言って見逃してきたこと、子供をしかることのできない親や教師、そして見て見ぬふりをする大人たち──このような結果、子供にとってどれがわがままであり、何が権利か自由かの見分けがつかなくなってきてしまっています。愛情があるからこそ、しかることができるのではないかと思います。子供、親、そして教師の大部分も戦後教育を受けてきたことを考えたとき、戦後教育のツケは余りにも大きいと考えます。今、この二十一世紀を迎えた年に真剣になって教育を考え直さないといけないと思うのは、私だけでしょうか。
 そこで、教育長にお伺いします。
 まず、新聞に報道された高知市の成人式の騒動をどう受けとめられたのか、この騒動から何を学び、本県の学校教育、社会教育にどう生かそうとされるのか、お伺いします。
 二番目に、新聞やテレビ等では成人式の持ち方を工夫せよとの意見もありますが、入学式、卒業式等でクラッカーを鳴らしたり、私語でやかましく言わせないようにするには、校長のはなむけの言葉や教育委員会の祝辞等で、生徒が一生胸に刻んで残るような中身のある内容にするよう指導されてはと思いますが、教育長の考え方をお伺いします。
 次に、スポーツについてお伺いします。
 スポーツは、身体を動かすことによって爽快感や、目標に向かって努力し、それが達せられたときの喜び、また他の人々との連帯感など、精神的な面での充実感も味わえるものだと言われます。選手が毎日毎日目標に向かって努力し、自分の限界に挑戦する姿は、見ている者にも勇気を与え、感動を与えてくれます。
 昨年のシドニーオリンピックの日本選手の活躍、とりわけ女子選手の活躍が目立ちました。マラソンでの金メダリストの高橋尚子選手、柔道の田村亮子選手、また集団種目のシンクロナイズドスイミングやソフトボール等に代表される女子のその活躍ぶりは、不景気や青少年の刺殺事件等の暗いニュースばかりの中で、私たちに大変大きな感動を与えてくれました。
 オリンピックでは、世界のそれぞれの国が、言葉はもちろんのこと、風俗や習慣等全く異なる中でこれらの障害を乗り越え、お互いに交流し、また能力の限界に挑む選手の活躍に世界じゅうの人々が一つになって応援し、そして感動していました。テレビを観戦していて、本当にスポーツは国境を超え、世界を一つにするものだなと思いました。
 本県においても、野球王国の名を全国に広めてくれた智弁和歌山高校、そして国体においても昨年は三十七位まで進出したこと、インターハイや全国高校総体における剣道やなぎなた等の活躍、本当に喜ばしいことであります。ことしの春の選抜高校野球には南部高校の出場が決定しました。公立高校の甲子園出場は日高中津分校以来四年ぶりであり、非常に明るいニュースであります。ここに至るまで長い年月をかけてこられた選手の努力、この選手たちを私生活を忘れて育ててこられた指導者の皆さんには、敬意を表したいと思います。
 本県は、昭和四十六年の黒潮国体以来、スポーツ・健康和歌山を県政の大きな柱として、競技スポーツにおいては「頂点は高く、すそ野を広く」を合い言葉にして努力し、またスポーツ・健康和歌山の実現のため、県民総合体育大会が五十カ市町村総参加で開催されており、その回数は三十六回目を数えています。また、第三回全国スポーツ・レクリエーション大会が和歌山県で開催されたことを記念して県民総合体育大会と兼ねてスポレク大会が行われ、十回目となっています。この県民総合体育大会兼スポレク大会が知事初め五十カ市町村の首長出席のもとに行われ、スポーツのすそ野を広げると同時に、県民がスポーツに親しめる場として、さらには老若男女すべての人々の交流の場となってきたことは、ご承知のとおりであります。しかし、この県民総合体育大会兼スポレク大会を来年度から中止するとの通知が各市町村に出され、関係者はもちろんのこと、私たちも大変驚いているところであります。
 このことにつきましては、さきの十二月議会の文教常任委員会において先輩の下川県議が、中止に至るまでの手続の面、そして組織の面から厳しく指摘されたことは伺っております。私は、このような大きな方策転換が文教常任委員会で指摘されるまで知らされなかったこと、文教常任委員会で指摘されるようになってようやく私たち県議にも了解を求めるということに、大きな憤りを覚えております。どうしてこのようになったのか、聞かずにはいられません。
 私は、現在の青少年非行防止策として、家庭教育はもちろんのこと、学校教育において、とりわけ運動クラブの活動は、生徒が練習の苦しさに耐えることや互いに助け合うこと、協調性、マナー等を養える唯一の場だと考えています。また本県は、全国でも有数の高齢者県であります。その高齢者の唯一の楽しみであるスポーツ、ゲートゴルフやゲートボール等のスポーツレクリエーション──今、高齢者が本当に楽しくやっている姿はだれもが見ていると思います。こうした姿を見ていると、ある意味において、県民総体兼スポレク大会は、県民の生涯スポーツを育てる上で大きな役割を果たしてきたのではありませんか。青少年の健全育成と県民の活力や生きがいに欠かせない生涯スポーツの場を設定することは、県行政が積極的に行っていくべきものと考えていますが、しかし県教育委員会は、この方向とは全く反対に、しかもいとも簡単に中止の方向に進めました。難しい、暗い話題の多い世相だからこそ、スポーツで県民の意気を盛り上げるべきではないでしょうか。県民の健康と生きがいにつながる生涯スポーツを沈滞させてしまうようなことは、単に予算上の問題としては済まされないと思います。
 今や、県教育委員会の姿勢は、県民や学校が不在であります。文教常任委員会で指摘され、二カ月もたたない一月三十一日付の新聞報道では、県教育奨励賞表彰式の会場を、既に図書館に決定していたのに急に県の幹部が移動しやすいようにとの理由だけで県庁に変えてしまい、研究発表もある中で、これでよいのかと報道されていました。県民総体の中止、教育奨励賞表彰式の場所変更等を見ても県教育委員会の姿勢はまさに自己中心的であり、さきの文教での委員の指摘に対しても何ら反省することもなく、県民、学校不在の教育行政であると受けとめざるを得ないのであります。
 今、盛り上がりつつある本県のスポーツはどうなっていくのか、高齢者の多くが楽しみにしているスポレクはどうなっていくのか、心配であります。
 そこで、教育長にお伺いします。
 まず、本県のスポーツ振興方策についての基本的な考え方を伺います。
 二番目に、来年度の県民総合体育大会兼スポレク大会を中止するに至ったその経緯について、また予算上シーリングがかかっているのは承知していますが、そのシーリングの分をスポーツ関係では県民総体兼スポレク大会の中止だけで処理されたのか、ほかにも廃止された事業があったのかどうか、具体的にお伺いします。
 三番目に、今、県内高校ではスポーツクラブへの入部が激減していると聞きますが、過去数年間の加入等の推移とこれに対する県教委の指導についてお伺いします。
 四番目に、さきの十二月議会の文教委員会における文教委員の指摘事項についてどう反省されたのか、また県議会議員の質問や意見をどう受けとめているのか、お伺いします。
 以上で、質問を終わります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの坂本登君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 梅は紀南地方の地域経済を支える基幹品目であり、生育不良の問題は県政の重要課題の一つと受けとめております。このため、原因究明と対策技術の確立につきましては、梅の主産地において試験研究を充実させていくことが必要と考えておりまして、南部川村に新たな研究機関を設置することとしたところでございます。
 また、一日も早く生育不良問題の解決を図るため、予定地内には既存園がありますので、新年度からその梅の木を活用し、栄養状態を簡易に診断する技術の開発研究等に着手したいと考えております。
 今後も、国の研究員の派遣による指定試験などの支援を受けるとともに、先端技術であるDNA鑑定を用いた生育不良樹の系統判別など総合的な試験研究に取り組み、また産地支援対策としての改植事業なども推進してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、生育不良の早期解決を図るためには関係者が一体となった取り組みが何より重要でございます。このため、今後とも地元との交流を深めながら、生産農家のさまざまな意見や創意工夫を取り入れ、持続的な安定生産に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 梅研究機関の確立についてのご質問にお答えいたします。
 地元から強い要望のありました梅の研究機関の設置につきましては、梅生育不良の原因究明と梅産業の振興を図るため、地元市町村や関係機関の協力をいただき、南部川村東本庄地区に決定したところでございます。
 先ほど知事も申し上げましたとおり、生育不良問題については一日も早く解決できるような取り組みが必要であると考えておりまして、予定地内の既存園を有効に活用し、新年度から試験研究に着手できるよう取り組んでいるところでございます。
 なお、当面は暖地園芸センターをベースに研究を進めますが、できるだけ早く新しい研究機関の試験圃場や研究施設の充実に努めるとともに、国や大学との人的交流や民間との共同研究など産・官・学の連携を図りながら、地域に密着した研究体制を整備してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 火力発電所への脱硫装置の設置についてお答えいたします。
 一昨年の坂本議員の質問にお答えしましたように、三号機への脱硫装置の設置や一、二、三号機への脱硝装置及び電気集じん機の改善の計画につきましては、これまでも関西電力に対し、計画に沿って実施するよう強く指導してまいったところでございます。
 脱硝装置及び電気集じん機の改善につきましては、計画どおり、一、二、三号機ともすべて完成しています。三号機の脱硫装置につきましても、本年一月に基礎工事に着手しており、平成十四年十月末には完成する予定となってございます。
 以上です。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題五点についてお答えいたします。
 先に成人式に関してでございますが、本年度の成人式にかかわって報道された幾つかの事例につきましては、新成人として社会的常識を欠いた言動と言わざるを得ないものであり、まことに憂慮すべきことと考えるものであります。このようなことにかんがみ、学校教育のあらゆる活動を通して社会性や倫理観、また道徳的判断力等を養う指導を徹底するとともに、家庭や地域社会との連携を密にする中で、教育の場として社会全体が十分な機能を果たすよう努めることが肝要であると考えております。
 次に入学式や卒業式における指導についてでありますが、これまでもその実施に当たっては、児童生徒に対し、こうした式典の持つ意味を十分理解させるとともに、校長の式辞や祝辞等についても心に響く内容となるよう十分配慮をしてきたところでございます。今後とも、入学式や卒業式が児童生徒にとって多くのことを学ぶ、より有意義な学校行事となるよう一層工夫するとともに指導してまいります。
 次に本県のスポーツ振興方策についてでありますが、本県ではこれまで、生涯スポーツの振興と競技力の向上を二大目標として取り組み、一定の成果を上げてまいりました。しかし近年、スポーツニーズの多様化、競技力の低下傾向などにより、新たなスポーツ振興計画の必要性が高まっております。このため、スポーツ環境の整備、競技力の向上、地域スポーツクラブと学校体育との連携などを柱として、先般、県スポーツ振興審議会に諮問をしたところであります。今後、この答申を受けて種々の施策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、県民総合体育大会兼スポーツレクリエーション大会についてでありますが、この大会は、県民に親しまれ、スポーツの普及・振興に貢献してまいりました。しかしながら近年、大会運営や選手選考に関してさまざまな意見があり、また運営資金や選手派遣に要する経費等の課題も生じてきております。このため、平成十三年度は大会を休止し、各方面からの幅広いご意見をいただきながら、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。
 なお、来年度の事業では、予算の効率的な活用のために幾つかの事業の統廃合を行ったところであります。
 次に高等学校の運動部への加入状況でありますが、ここ数年間は約四〇%前後で徐々に上昇しており、全国平均値とほぼ同水準となっております。今後、外部指導者の派遣、近隣校や地域スポーツクラブとの連携、強化モデル校の指定などの事業を一層充実し、運動部活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 最後に教育行政の重要な案件並びにその方向性につきましては、さきの議会でのご指摘を十分踏まえまして、議員の皆様を初め、多くの方々のご意見を伺い、ご指導いただきながら教育の充実に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 九番坂本 登君。
○坂本 登君 知事並びに部長の答弁、ありがとうございます。要望と再質問をさせていただきます。
 南部川に梅研究センターの設置を決定していただきまして、本当にありがとうございます。私は、梅問題について、ただ脱硫装置を一号機から三号機すべてに設置していただきたいと申し上げているのであります。この件については、ぜひ強く要望しておきます。
 続きまして、教育長に再質問します。
 生涯スポーツは大きな柱と答えてくれましたが、県民総体は生涯スポーツの最も大きなイベントだと思います。これをいとも簡単に中止してしまった。そしてその理由は、予算上や運営上等に問題があるのでと言っていますが、それならば県の体育協会やスポーツ振興審議会等、さらには市町村の関係者と十分話し合っていくべきだと考えますが、この件について教育長はどうお考えか、お聞きしたいと思います。さらに、ほかに中止した事業もあるのか、あわせてお聞かせください。
 以上です。
○議長(阪部菊雄君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 坂本議員の再質問にお答えいたします。
 まず、生涯スポーツの柱としての位置づけでございますが、これは、今後の県のスポーツ行政の柱として非常に大事にしていかなければいけないものであると考えております。競技スポーツとともに生涯スポーツのあり方についてはさまざまな考え方をお聞きしながら進めてまいりますが、その中で地域総合型スポーツクラブというものが新しいこれからの展開として国の方からも出ておりますし、和歌山県でも追求していかなければならない課題であると考えております。
 その中で、県民総体の件に関しましては、例えば総合開会式を開催することが時間的にも経費的にも非常に困難性があるとか、大会運営が一日ではなかなか難しいとか、各地方、市町村の選手派遣、その他の予算化が徐々に困難になってきているとかという声は、ここ数年間、関係者の間から伺っておりました。市町村の皆さん方や各八地方の皆様方からの協議の中で、繰り返し出されてきたことであります。その中で、全体に一カ所に集まって開催するという従来の形が果たしてベストなのかどうかということについては考えていきたいと。特に生涯スポーツは、身近な地域でだれでも参加できる形をとることがより大きな発展につながるのではないかということもございまして、今改めて考え直してみようということが現段階でございます。
 確かに、今回のことについて、十分なご意見を伺う手続上の問題で不行き届きな点がありましたことは、さきの議会の文教委員会でおわび申し上げたところでございますが、その後、体協関係者なり市町村関係者なりに多くの場でご意見を聞きながら、またご了解いただきながら来年度へ向けての検討を進めているところでございます。
 それから、来年度のスポーツ健康課の事業の中で、先ほどもお答えしましたが、三ないし四の事業を統廃合する方向で予算の効率的な運用を図ったところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。

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