平成13年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

平成十三年二月 和歌山県議会定例会会議録 第四号
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議事日程 第四号
 平成十三年三月八日(木曜日)午前十時開議
  第一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号(質疑)
   二 一般質問
出席議員(四十六人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       大   沢   広 太 郎
     六  番       宇 治 田   栄   蔵
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       木   下   善   之
     十二 番       永   井   佑   治
     十三 番       尾   崎   要   二
     十四 番       小   川       武
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       生   駒   三   雄
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       谷       洋   一
     二十 番       山   下   直   也
     二十一番       高   瀬   勝   助
     二十二番       吉   井   和   視
     二十三番       木   下   秀   男
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       金   田       眞
     二十六番       高   田   由   一
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       向   井   嘉 久 藏
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       中   山       豊
     三十四番       浜   田   真   輔
     三十五番       鶴   田   至   弘
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       村   岡   キ ミ 子
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       阪   部   菊   雄
     四十一番       江   上   柳   助
     四十二番       長   坂   隆   司
     四十三番       森       正   樹
     四十四番       飯   田   敬   文
     四十五番       新   田   和   弘
     四十六番       松   本   貞   次
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(一人)
     五  番       堀   本   隆   男
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        中   山   次   郎
     出納長        大   平   勝   之
     知事公室長      小 佐 田   昌   計
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       安   居       要
     環境生活部長     道   浦       渥
     福祉保健部長     白   井   保   世
     商工労働部長     内   田   安   生
     農林水産部長     島   本   隆   生
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       辻           健
     教育委員会委員長   目   黒   威   徳
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員    中   尾   公   彦
     警察本部長      岩   井   良   行
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 谷   口   庄   一
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       田   村   徳   美
     次長         蓮   池   康   宏
     議事課長       北 垣 内       敬
     議事課副課長     松   谷   秋   男
     議事班長       露   詰       勤
     議事課主査      井   口   好   晴
     議事課主事      安   井   伸   彰
     総務課長       佐   竹   欣   司
     調査課長       梶   本   皓   造
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課副主査     保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第四十号から議案第四十三号まで、議案第六十一号、議案第六十二号、議案第六十五号及び議案第六十六号はいずれも職員に関する条例の改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、ご了承願います。
  〔巻末の「参考資料」を参照〕
  【日程第一 議案第一号から議案第八十号まで、並びに報第一号】
  【日程第二 一般質問】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議案第一号から議案第八十号まで、並びに地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 九番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○坂本 登君 皆さん、おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、順次一般質問をさせていただきます。
 平成十一年十二月議会に続いて、梅立ち枯れ問題についてお伺いします。
 自然豊かな南部郷に生まれ、一目百万本と言われる梅の里から選ばれた私にとって、議員生活を通して梅問題について質問することは私の使命とするところであり、また梅を語ることは誇りでもあります。幸いなことに、県当局におかれては来年度予算で梅研究センターの設置に前向きに取り組んでいただいたことに、心より敬意を表するものであります。
 さて今回は、前回の質問に対し、その後、県当局はどのような取り組みをされてきたのかということ、またそれを踏まえ、新しく就任された知事に対して梅立ち枯れ等の抜本的な解決に向けての施策についてお伺いしたいと思います。
 まず、梅立ち枯れの状況であります。
 前回も申し上げましたが、南部郷を例に挙げますと、平成六年から十二年までの梅立ち枯れ等の累計は、実に二十五万五千本に達しています。現在の南部郷の植栽本数が約五十五万本ですから、七年間で全体本数の約半数近くが何の対策もないまま衰弱してしまったことになります。とりわけ、前回の質問後、昨年一年間で六万八千三百二本の生育不良が見られます。南部郷の植栽本数約五十五万本のうち、一年間で六万八千本の立ち枯れ等ですから、これを単純計算しますと、九年ないし十年後には南部郷の梅はすべて枯れてしまうことになります。また、一年間に六万八千本の梅枯れは、これを金額に換算すると、実に百三十億円となります。特に南部川村の清川地区では、平成十二年の梅立ち枯れ本数は、前年の平成十一年の梅枯れ本数の約二倍となっております。さらに、これに田辺地方を加えると被害は甚大なものとなり、今や梅枯れ等はとどまることのない状況になっています。加えて、輸入の自由化の大きなうねりの中で、外国産の安価な梅の輸入等により、農家の人々にとって梅市場もこれまでのように価格面での保証もなく、梅枯れによる減収と梅価格の値下がりの二重の打撃を受けております。
 このような状況の中で先人がたゆまぬ努力で築き上げてきた紀州の梅、南高梅の名声を保ちつつ、その販路を広めていくための努力は大変なものであります。過去において、紀州の温州ミカンがそのシェアの減少を余儀なくされてきたことを二度と繰り返すことなく、これからも紀南地方の基幹産業として梅を守り続けることは私たちの大きな課題であり、責務であります。
 梅が枯れれば、南部・田辺地方の若者は、働く企業の少ない中で必然的に県外に職を求め、流出せざるを得ません。和歌山県とりわけ紀南地方を出稼ぎの町とするのか、今こそ本県の農業施策における態度を明確にし、その施策を打っておかないと、将来に大きな悔いを残します。紀北のカキ、中紀のミカン、紀南の梅は、和歌山県の特産物であります。どのような物質文明の世の中になろうとも、またIT革命がなされようとも、和歌山県にどんな企業を誘致しても、この特産物を守り育てる農業施策を絶対に怠ってはならず、和歌山県人となった知事の大きな責務であると考えます。
 今、財政が逼迫しているから税収入確保のため、また雇用確保のためにといって御坊に火力発電所をつくっても、この農業施策を怠っては、それに見合う南部・田辺地方の税収入の落ち込み、それ以上の人口の県外流出がこの両地方に起こり、火力発電所設置以上の損失となります。この両者のバランスを考えることこそ、今大切なことであります。
 私は、御坊発電所に反対しているものではありません。しかし、発電所から排出されるばい煙が梅枯れの原因となり、南部・田辺地方が大変な危機にさらされていることを考え、関西電力に脱硫装置を設置させるよう、県から強く指導するように質問しているものであります。
 関西電力御坊発電所のばい煙問題については、前回も申し上げましたが、北陸電力では、福井県芦原町の火力発電所が稼働からわずかに七年で、原因究明に至らなくとも疑わしきは直ちに処置をするということで脱硫装置の設置を行いました。しかし関西電力御坊発電所は、昭和五十九年に一号機が稼働し、その後三号機まで完成して、はや十六年以上が経過しているにもかかわらず、いまだに一基の脱硫装置も完成しておりません。北陸電力と関西電力との間に、大気汚染による農作物への被害に対する認識にこれほどの差があるのか、それともその指導に差があるのか、疑問であります。このばい煙問題は、農家の不安解消だけではなく、二十一世紀の大きなテーマである大気環境保全の観点からも、一刻も早い改善がなされるべきであります。
 今、梅農家は、この価格面と大気汚染による二つの大きな荒波の中、日々不安に駆られながらも何とかこれらを克服すべく、生き残りをかけて必死にもがき苦しんでいます。紀南地方の梅が衰退するかどうかの待ったなしの状況になっています。紀南地方の産業、経済にとって、その生命線を絶たないようにと、この県議会の壇上から訴えるものであります。
 幸い知事は、就任直後に梅立ち枯れ発生園へ現地調査に入り、国の支援を求めつつ早期に原因究明と対策に全力を挙げたいと述べたと報道されました。
 そこで、お伺いします。
 一番目に、全力で早期解決を図る対策とは何なのか、お伺いします。
 二番目に、梅研究機関の設置は大事なことでありますが、まだまだ数年先のことでもあります。それまでに梅枯れがどんどん進行します。そこで、それまでの対策として、仮説プレハブでもよいから実験園を早急に整備し、研究体制を整えるべく人材を早急に登用する等、一日も早い原因究明体制を確立すべきと思いますが、部長の考えをお伺いします。
 三番目に、一昨年に私が質問した後、御坊火力発電所の一号機から三号機まですべて脱硫装置を設置するよう関西電力に強く働きかけていただいたのか、その後の経緯と今後の対応についてお伺いします。
 次に、和歌山工科大学凍結問題についてお伺いします。
 和歌山工科大学の凍結にかかって、今後の対応について知事にお伺いします。
 昨年、知事は、就任直後に工科大学の凍結を打ち出しました。その理由は、建設に伴う財政の逼迫、さらには後年度負担の問題、あるいはさらに進むであろう少子化傾向等の観点から知事自身が判断したものと受けとめています。さきの県議会の同意、関係市町村との合意の中で進めてきた工科大学の設置計画を凍結することの決断に至るには、県政のトップリーダーとして大変な勇気が要ったことと思います。ある人は、これを英断と評価していることも事実であります。しかし反面、このことで地元住民や関係者の方々の無念さは、心中を察して余りあるところであります。凍結という現実がいまだ割り切れていないことも、事実であります。このことは、昨年末に田辺商工会議所が実施した会員のアンケート調査によると、十大ニュースの中で和歌山工科大学の凍結が第一位となったことからもうかがえます。
 紀南地方に工科大学を有することは、紀南地方の教育、文化、そして経済の活性化にすべてをかけた地域住民の期待がいかに大きかったか、うかがえます。私自身も、紀南地方の活性化は、その地理的な環境、道路網の問題、物理的な問題がある中で、企業誘致が将来的にも非常に厳しい状況にあることは認識しています。このような中で今できることは、紀南地方の温暖な気候、その自然美、わき出る良質な温泉等を利用した観光と別荘地等を含めた保養策、さらには昔から人々の心のよりどころとなってきた熊野三山等を生かし、二十一世紀に生きる人々の求めてやまない心のいやしにこたえることであり、そしてこれらの方策はぜひ必要であるし、このことは熊野博の成功によって実証済みであります。
 さらに、この紀南地方で一番できることは、教育・文化圏の構築であります。自然美いっぱいで、温暖で静かなこの紀南地方において学問に集中できる高等教育機関の設置は、的を射たものであると考えていました。紀南地方とりわけ田辺・白浜地方は、今県が考えている総合教育研修センター、ITセンター、近大水産試験場、南紀スポーツセンター、田辺市立美術館、市営球場、そして工科大学となれば、まさに二十一世紀型の紀南地方の姿になると考えておりました。さらに、工科大学の設置により、高校卒業生の県外流出九〇%以上、全国第一位とも言われる若者の流出に歯どめをかけると同時に、過疎化し高齢化する紀南地方に若者が流入し、その活性化は間違いないものと思っておりました。そして紀南地方は、単なる観光の町、温泉の町のイメージから学園の町として、そのステータスを高めることは間違いないと信じていた一人であります。
 私は、昨年度の県議会で梅枯れ問題を問う中で、作家童門冬二の「名君 肥後の銀台 細川重賢」を引用しました。城主細川重賢は、藩の財政がまさに倒産寸前であったとき、しかし教育への投資は絶対に怠るわけにはいかないとして学校を設立し、人材育成を図ろうとして殖産に努め、ハゼの実からつくるろうの生産と販売に武士も加わり、財政の立て直しに努めたことを紹介いたしました。時代が変われども、肥後のろうづくりはまさに和歌山県の梅、ミカン、カキづくりであり、肥後の藩校は今回の工科大学であります。
 財政事情が非常に厳しいことは、県民も承知しております。しかし、このような状況の中であっても、紀南地方活性化のためにも高等教育機関工科大学をつくってほしかったとの声は、本当に大きなものでありました。
 本県出身の作家津本陽氏の「大わらんじの男」に、紀州藩出身の八代将軍吉宗が描かれております。ちょうど現在のように財政が厳しく、吉宗はみずから衣食等質素倹約に努め、家臣にその範を示したと言われております。封建時代の将軍吉宗たりとも、農民や町人等の声に耳を傾け、それを施策に反映していったことはご承知のとおりであります。ちょうど同じころ、紀州藩に取ってかわられた御三家の筆頭、尾張の藩主徳川宗春は、藩財政の厳しい中で積極的に財政政策を行いました。心配した家臣は宗春に質素倹約を進言しましたが、藩主宗春は、この金が町人や農民たちに出回り、これで彼らが潤うのだと答えと言われます。そのため、当時の尾張は人口がふえ、大変にぎわい、活気づいたと言われます。それが現在の名古屋であります。
 吉宗は質素倹約を励行し、宗春は積極的な財政政策を考えたわけであります。どちらが成功したとは決して言い切れませんが、今この二人を紹介したのは、一人は緊縮財政をとりながらも目安箱をつくり、町人や百姓の声を聞き、施策に反映したこと、そして他方は、財政状況が厳しいときだからこそ藩主がみずから金を放出し、百姓や町人を潤し、尾張を活気づけようと施策を講じたことであります。
 今、県財政は非常に厳しい状況にあり、知事の苦渋の決断は私も理解できます。しかし、財政状況が厳しいからといって工科大学などの施策を凍結してしまうことは、ちょうど衰弱した病人に栄養剤の注射を打たないのと同じであります。ますます衰弱していきます。遠い将来を展望したとき、紀南地方の活性化はもちろんのこと、白浜空港に隣接し、時代の先端を行く工科大学の設置だからこそ、そしてそのことは紀北、紀南の均衡ある発展の上からも、さらには本県の人口流出の防止からも、その期待が大きいわけであります。
 そこで、野見山議員も尋ねられましたので要望といたしますが、高等教育機関の役割、とりわけ紀南地方へ設置した場合の工科大学の意義と長期的な投資効果について、今後十分検討していただきたいと思います。
 二番目に、工科大学の凍結は、財政状況が好転すれば解除し、改めて設置するよう要望しておきます。
 最後に、教育問題についてお伺いします。
 二十一世紀の幕あけ、正月を迎え、ことしこそはよい年になるようにと思い、毎日何かホットなよいニュースがないかと新聞に目を通していますが、昨年と同様に暗いニュースばかりが目に入ってきます。
 さて、一月十二日付の紙面を見ますと、何と「大人になれない新成人」と、大きな見出しで報道されました。高松市の成人式の会場で、前列にいたグループが酒盛りをし、市長に向けてクラッカーを鳴らし、その殻をぶっつけるなどの騒動や、また高知県橋本大次郎知事が、成人式でやじを飛ばすグループに「会場から出ていってくれ」とどなったと報道されました。
 社会的責任を負わなければならない二十歳という年齢になった若者の成人式で起こることに、二十一世紀の日本は本当にこのままでよいのかと、気が重くなってしまった一人であります。このような式や行事では、集団の中でルールを守り、自分を周囲や相手に合わせて遠慮するのが社会常識ではないかと考えます。しかし彼らは、自分たちが楽しめばよい、相手のことは考えない、常に自分たちが主人公と、自己中心的な考え方になってきています。子供のわがままを権利や自由と言って見逃してきたこと、子供をしかることのできない親や教師、そして見て見ぬふりをする大人たち──このような結果、子供にとってどれがわがままであり、何が権利か自由かの見分けがつかなくなってきてしまっています。愛情があるからこそ、しかることができるのではないかと思います。子供、親、そして教師の大部分も戦後教育を受けてきたことを考えたとき、戦後教育のツケは余りにも大きいと考えます。今、この二十一世紀を迎えた年に真剣になって教育を考え直さないといけないと思うのは、私だけでしょうか。
 そこで、教育長にお伺いします。
 まず、新聞に報道された高知市の成人式の騒動をどう受けとめられたのか、この騒動から何を学び、本県の学校教育、社会教育にどう生かそうとされるのか、お伺いします。
 二番目に、新聞やテレビ等では成人式の持ち方を工夫せよとの意見もありますが、入学式、卒業式等でクラッカーを鳴らしたり、私語でやかましく言わせないようにするには、校長のはなむけの言葉や教育委員会の祝辞等で、生徒が一生胸に刻んで残るような中身のある内容にするよう指導されてはと思いますが、教育長の考え方をお伺いします。
 次に、スポーツについてお伺いします。
 スポーツは、身体を動かすことによって爽快感や、目標に向かって努力し、それが達せられたときの喜び、また他の人々との連帯感など、精神的な面での充実感も味わえるものだと言われます。選手が毎日毎日目標に向かって努力し、自分の限界に挑戦する姿は、見ている者にも勇気を与え、感動を与えてくれます。
 昨年のシドニーオリンピックの日本選手の活躍、とりわけ女子選手の活躍が目立ちました。マラソンでの金メダリストの高橋尚子選手、柔道の田村亮子選手、また集団種目のシンクロナイズドスイミングやソフトボール等に代表される女子のその活躍ぶりは、不景気や青少年の刺殺事件等の暗いニュースばかりの中で、私たちに大変大きな感動を与えてくれました。
 オリンピックでは、世界のそれぞれの国が、言葉はもちろんのこと、風俗や習慣等全く異なる中でこれらの障害を乗り越え、お互いに交流し、また能力の限界に挑む選手の活躍に世界じゅうの人々が一つになって応援し、そして感動していました。テレビを観戦していて、本当にスポーツは国境を超え、世界を一つにするものだなと思いました。
 本県においても、野球王国の名を全国に広めてくれた智弁和歌山高校、そして国体においても昨年は三十七位まで進出したこと、インターハイや全国高校総体における剣道やなぎなた等の活躍、本当に喜ばしいことであります。ことしの春の選抜高校野球には南部高校の出場が決定しました。公立高校の甲子園出場は日高中津分校以来四年ぶりであり、非常に明るいニュースであります。ここに至るまで長い年月をかけてこられた選手の努力、この選手たちを私生活を忘れて育ててこられた指導者の皆さんには、敬意を表したいと思います。
 本県は、昭和四十六年の黒潮国体以来、スポーツ・健康和歌山を県政の大きな柱として、競技スポーツにおいては「頂点は高く、すそ野を広く」を合い言葉にして努力し、またスポーツ・健康和歌山の実現のため、県民総合体育大会が五十カ市町村総参加で開催されており、その回数は三十六回目を数えています。また、第三回全国スポーツ・レクリエーション大会が和歌山県で開催されたことを記念して県民総合体育大会と兼ねてスポレク大会が行われ、十回目となっています。この県民総合体育大会兼スポレク大会が知事初め五十カ市町村の首長出席のもとに行われ、スポーツのすそ野を広げると同時に、県民がスポーツに親しめる場として、さらには老若男女すべての人々の交流の場となってきたことは、ご承知のとおりであります。しかし、この県民総合体育大会兼スポレク大会を来年度から中止するとの通知が各市町村に出され、関係者はもちろんのこと、私たちも大変驚いているところであります。
 このことにつきましては、さきの十二月議会の文教常任委員会において先輩の下川県議が、中止に至るまでの手続の面、そして組織の面から厳しく指摘されたことは伺っております。私は、このような大きな方策転換が文教常任委員会で指摘されるまで知らされなかったこと、文教常任委員会で指摘されるようになってようやく私たち県議にも了解を求めるということに、大きな憤りを覚えております。どうしてこのようになったのか、聞かずにはいられません。
 私は、現在の青少年非行防止策として、家庭教育はもちろんのこと、学校教育において、とりわけ運動クラブの活動は、生徒が練習の苦しさに耐えることや互いに助け合うこと、協調性、マナー等を養える唯一の場だと考えています。また本県は、全国でも有数の高齢者県であります。その高齢者の唯一の楽しみであるスポーツ、ゲートゴルフやゲートボール等のスポーツレクリエーション──今、高齢者が本当に楽しくやっている姿はだれもが見ていると思います。こうした姿を見ていると、ある意味において、県民総体兼スポレク大会は、県民の生涯スポーツを育てる上で大きな役割を果たしてきたのではありませんか。青少年の健全育成と県民の活力や生きがいに欠かせない生涯スポーツの場を設定することは、県行政が積極的に行っていくべきものと考えていますが、しかし県教育委員会は、この方向とは全く反対に、しかもいとも簡単に中止の方向に進めました。難しい、暗い話題の多い世相だからこそ、スポーツで県民の意気を盛り上げるべきではないでしょうか。県民の健康と生きがいにつながる生涯スポーツを沈滞させてしまうようなことは、単に予算上の問題としては済まされないと思います。
 今や、県教育委員会の姿勢は、県民や学校が不在であります。文教常任委員会で指摘され、二カ月もたたない一月三十一日付の新聞報道では、県教育奨励賞表彰式の会場を、既に図書館に決定していたのに急に県の幹部が移動しやすいようにとの理由だけで県庁に変えてしまい、研究発表もある中で、これでよいのかと報道されていました。県民総体の中止、教育奨励賞表彰式の場所変更等を見ても県教育委員会の姿勢はまさに自己中心的であり、さきの文教での委員の指摘に対しても何ら反省することもなく、県民、学校不在の教育行政であると受けとめざるを得ないのであります。
 今、盛り上がりつつある本県のスポーツはどうなっていくのか、高齢者の多くが楽しみにしているスポレクはどうなっていくのか、心配であります。
 そこで、教育長にお伺いします。
 まず、本県のスポーツ振興方策についての基本的な考え方を伺います。
 二番目に、来年度の県民総合体育大会兼スポレク大会を中止するに至ったその経緯について、また予算上シーリングがかかっているのは承知していますが、そのシーリングの分をスポーツ関係では県民総体兼スポレク大会の中止だけで処理されたのか、ほかにも廃止された事業があったのかどうか、具体的にお伺いします。
 三番目に、今、県内高校ではスポーツクラブへの入部が激減していると聞きますが、過去数年間の加入等の推移とこれに対する県教委の指導についてお伺いします。
 四番目に、さきの十二月議会の文教委員会における文教委員の指摘事項についてどう反省されたのか、また県議会議員の質問や意見をどう受けとめているのか、お伺いします。
 以上で、質問を終わります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの坂本登君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 梅は紀南地方の地域経済を支える基幹品目であり、生育不良の問題は県政の重要課題の一つと受けとめております。このため、原因究明と対策技術の確立につきましては、梅の主産地において試験研究を充実させていくことが必要と考えておりまして、南部川村に新たな研究機関を設置することとしたところでございます。
 また、一日も早く生育不良問題の解決を図るため、予定地内には既存園がありますので、新年度からその梅の木を活用し、栄養状態を簡易に診断する技術の開発研究等に着手したいと考えております。
 今後も、国の研究員の派遣による指定試験などの支援を受けるとともに、先端技術であるDNA鑑定を用いた生育不良樹の系統判別など総合的な試験研究に取り組み、また産地支援対策としての改植事業なども推進してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、生育不良の早期解決を図るためには関係者が一体となった取り組みが何より重要でございます。このため、今後とも地元との交流を深めながら、生産農家のさまざまな意見や創意工夫を取り入れ、持続的な安定生産に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 梅研究機関の確立についてのご質問にお答えいたします。
 地元から強い要望のありました梅の研究機関の設置につきましては、梅生育不良の原因究明と梅産業の振興を図るため、地元市町村や関係機関の協力をいただき、南部川村東本庄地区に決定したところでございます。
 先ほど知事も申し上げましたとおり、生育不良問題については一日も早く解決できるような取り組みが必要であると考えておりまして、予定地内の既存園を有効に活用し、新年度から試験研究に着手できるよう取り組んでいるところでございます。
 なお、当面は暖地園芸センターをベースに研究を進めますが、できるだけ早く新しい研究機関の試験圃場や研究施設の充実に努めるとともに、国や大学との人的交流や民間との共同研究など産・官・学の連携を図りながら、地域に密着した研究体制を整備してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 火力発電所への脱硫装置の設置についてお答えいたします。
 一昨年の坂本議員の質問にお答えしましたように、三号機への脱硫装置の設置や一、二、三号機への脱硝装置及び電気集じん機の改善の計画につきましては、これまでも関西電力に対し、計画に沿って実施するよう強く指導してまいったところでございます。
 脱硝装置及び電気集じん機の改善につきましては、計画どおり、一、二、三号機ともすべて完成しています。三号機の脱硫装置につきましても、本年一月に基礎工事に着手しており、平成十四年十月末には完成する予定となってございます。
 以上です。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題五点についてお答えいたします。
 先に成人式に関してでございますが、本年度の成人式にかかわって報道された幾つかの事例につきましては、新成人として社会的常識を欠いた言動と言わざるを得ないものであり、まことに憂慮すべきことと考えるものであります。このようなことにかんがみ、学校教育のあらゆる活動を通して社会性や倫理観、また道徳的判断力等を養う指導を徹底するとともに、家庭や地域社会との連携を密にする中で、教育の場として社会全体が十分な機能を果たすよう努めることが肝要であると考えております。
 次に入学式や卒業式における指導についてでありますが、これまでもその実施に当たっては、児童生徒に対し、こうした式典の持つ意味を十分理解させるとともに、校長の式辞や祝辞等についても心に響く内容となるよう十分配慮をしてきたところでございます。今後とも、入学式や卒業式が児童生徒にとって多くのことを学ぶ、より有意義な学校行事となるよう一層工夫するとともに指導してまいります。
 次に本県のスポーツ振興方策についてでありますが、本県ではこれまで、生涯スポーツの振興と競技力の向上を二大目標として取り組み、一定の成果を上げてまいりました。しかし近年、スポーツニーズの多様化、競技力の低下傾向などにより、新たなスポーツ振興計画の必要性が高まっております。このため、スポーツ環境の整備、競技力の向上、地域スポーツクラブと学校体育との連携などを柱として、先般、県スポーツ振興審議会に諮問をしたところであります。今後、この答申を受けて種々の施策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、県民総合体育大会兼スポーツレクリエーション大会についてでありますが、この大会は、県民に親しまれ、スポーツの普及・振興に貢献してまいりました。しかしながら近年、大会運営や選手選考に関してさまざまな意見があり、また運営資金や選手派遣に要する経費等の課題も生じてきております。このため、平成十三年度は大会を休止し、各方面からの幅広いご意見をいただきながら、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。
 なお、来年度の事業では、予算の効率的な活用のために幾つかの事業の統廃合を行ったところであります。
 次に高等学校の運動部への加入状況でありますが、ここ数年間は約四〇%前後で徐々に上昇しており、全国平均値とほぼ同水準となっております。今後、外部指導者の派遣、近隣校や地域スポーツクラブとの連携、強化モデル校の指定などの事業を一層充実し、運動部活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 最後に教育行政の重要な案件並びにその方向性につきましては、さきの議会でのご指摘を十分踏まえまして、議員の皆様を初め、多くの方々のご意見を伺い、ご指導いただきながら教育の充実に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 九番坂本 登君。
○坂本 登君 知事並びに部長の答弁、ありがとうございます。要望と再質問をさせていただきます。
 南部川に梅研究センターの設置を決定していただきまして、本当にありがとうございます。私は、梅問題について、ただ脱硫装置を一号機から三号機すべてに設置していただきたいと申し上げているのであります。この件については、ぜひ強く要望しておきます。
 続きまして、教育長に再質問します。
 生涯スポーツは大きな柱と答えてくれましたが、県民総体は生涯スポーツの最も大きなイベントだと思います。これをいとも簡単に中止してしまった。そしてその理由は、予算上や運営上等に問題があるのでと言っていますが、それならば県の体育協会やスポーツ振興審議会等、さらには市町村の関係者と十分話し合っていくべきだと考えますが、この件について教育長はどうお考えか、お聞きしたいと思います。さらに、ほかに中止した事業もあるのか、あわせてお聞かせください。
 以上です。
○議長(阪部菊雄君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 坂本議員の再質問にお答えいたします。
 まず、生涯スポーツの柱としての位置づけでございますが、これは、今後の県のスポーツ行政の柱として非常に大事にしていかなければいけないものであると考えております。競技スポーツとともに生涯スポーツのあり方についてはさまざまな考え方をお聞きしながら進めてまいりますが、その中で地域総合型スポーツクラブというものが新しいこれからの展開として国の方からも出ておりますし、和歌山県でも追求していかなければならない課題であると考えております。
 その中で、県民総体の件に関しましては、例えば総合開会式を開催することが時間的にも経費的にも非常に困難性があるとか、大会運営が一日ではなかなか難しいとか、各地方、市町村の選手派遣、その他の予算化が徐々に困難になってきているとかという声は、ここ数年間、関係者の間から伺っておりました。市町村の皆さん方や各八地方の皆様方からの協議の中で、繰り返し出されてきたことであります。その中で、全体に一カ所に集まって開催するという従来の形が果たしてベストなのかどうかということについては考えていきたいと。特に生涯スポーツは、身近な地域でだれでも参加できる形をとることがより大きな発展につながるのではないかということもございまして、今改めて考え直してみようということが現段階でございます。
 確かに、今回のことについて、十分なご意見を伺う手続上の問題で不行き届きな点がありましたことは、さきの議会の文教委員会でおわび申し上げたところでございますが、その後、体協関係者なり市町村関係者なりに多くの場でご意見を聞きながら、またご了解いただきながら来年度へ向けての検討を進めているところでございます。
 それから、来年度のスポーツ健康課の事業の中で、先ほどもお答えしましたが、三ないし四の事業を統廃合する方向で予算の効率的な運用を図ったところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十一番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕(拍手)
○江上柳助君 おはようございます。ただいま、議長のお許しをいただきました。一般質問は、きょうで三日目でございます。先輩議員の質問と重複する点、お許しをいただき、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 二〇〇一年二月定例会は、二十一世紀最初の議会であります。私の質問も、今世紀最初であります。今回もまた発言の機会を与えていただきました先輩・同僚議員に対し、心から感謝申し上げます。
 二十一世紀初頭の五年、十年間が本県の二十一世紀を決定すると言っても過言ではありません。木村知事は、財政状況が大変厳しい中、知事として初めて平成十三年度予算案の編成をされました。新年度予算案は、夢のあるIT関連と現実的な道路整備に重点が置かれた予算編成となっております。また知事は、一昨日の一般質問に対して答弁で、緊急の行政課題に迅速的確に対応するため、IT推進局、共生推進局、観光局、港湾空港振興局を設置し、防災体制の強化のため防災監を置くことを明らかにされました。とりわけ、IT推進局の設置とIT関連予算案並びにその施策の中で、SOHOの開設やバーチャル和歌山の事業化、和歌山県IT戦略本部の設置、電子県庁の構築など、IT産業の育成や情報通信インフラの整備に向けた積極的な取り組みに対し、高く評価するものであります。
 本県では、景気の低迷で、しにせの丸正百貨店の自己破産やビブレの撤退など、暗いニュースが続いております。どうか知事におかれましては、本県の発展と県民福祉向上のため、都道府県の中でもひときわ光彩を放つ県政の運営に取り組まれますことを切望するものであります。
 それでは最初に、本県の再浮上をかけたITへの取り組みについてお尋ねいたします。
 和歌山大学システム情報学センターでは、平成十三年度中にギガビットネットワークへの接続装置設置が決まりました。これは、総務省が進めている次世代インターネット技術の研究開発用超高速ネットワークのことであります。ギガビットネットワークは、旧郵政省の出資を受けた通信・放送機構が全国規模の研究開発施設として平成十年度から整備運用し、十五年度末まで開放されるものであります。これまで全国で約四十カ所に接続装置が設置され、大学、研究機関を初め、ベンチャー企業、地方自治体などで研究開発用に広く利用されている次世代超高速情報通信網であります。
 ギガビットネットワークと申しますのは、いわゆるメガの千倍、キロの百万倍の超高速電送を可能にする光ファイバー通信回線網であります。例えば、レントゲン写真十枚をわずか一秒で、どこへでも送れる。
  〔私語する者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 静粛に願います。
○江上柳助君(続) ──繰り返します。例えば、レントゲン写真十枚をたった一秒で瞬時のうちに送信できる。ビデオ映像二時間分も、わずか十秒というスピードで送ることができます。まさに、夢の超高速情報通信システムであります。この研究開発用ギガビットネットワークを利用するには、通信・放送機構の許可が必要であります。県が通信・放送機構に提出した、接続装置が設置された場合に実施する研究開発の概要によりますと、研究開発機関名と研究案件は、和歌山大学が十件、近畿大学生物理工学部が三件、県工業技術センターが一件、県立医科大学が二件、ノーリツ鋼機株式会社が一件、県農林水産総合技術センターが一件、みさと天文台が一件、和歌山県庁が三件、合計二十二件で研究開発をしようということで申請されております。この研究開発用ギガビットネットワークを民間においても積極的に活用し、IT産業の振興を図るべきだと思います。共同研究も可能でありますので、県でIT研究開発協議会などを設立し、ベンチャー企業への支援や研究開発者の利便を図ったらどうかと考えます。ご見解を承りたいと思います。
 私は、ギガビットネットワークの件で、和歌山大学システム情報学センターに行ってまいりました。担当の教授は、「本県で何とか情報産業が育ってもらいたい。そのために和歌山大学は、地域に開かれた大学として協力は惜しまない。和歌山大学システム情報学センターの周辺に工業技術センターやインテリジェントパークなどの研究機関があり、和歌山大学を核として研究開発ゾーンにしたらどうだろうか」というふうに言われておりました。私はふと、アメリカのあのスタンフォード大学を中心とする、情報産業のメッカであるシリコンバレーを思い浮かべたわけでございます。
 和歌山大学システム工学部は平成八年の開学でありますし、工業技術センター、また海南インテリジェントパークも最近の施設でございますので、今すぐというわけにはまいりませんが、将来的な構想として、兵庫県播磨市にある大型放射光施設スプリングエイト──これは、和歌山の毒物カレー事件のときに、砒素を待ち針にちょっとつけただけで成分の判定ができたという施設でございます──そのような国などの研究開発機関を誘致して、和歌山大学を核とした周辺を情報産業育成のための研究開発ゾーンにしたらどうかと考えます。知事のご見解を承りたいと思います。
 とりあえず、工業技術センター、海南インテリジェントパーク、県立医科大学、平成十三年度に開設予定のSOHOなどは、早急に光ファイバー網を大学に接続すべきだと考えます。あわせてお答えください。
 次に、バーチャル和歌山構想事業化支援についてお尋ねいたします。
 私は、昨年九月定例会で、Eコマースを活用した産業経済の活性化、発展をどのように図るお考えか、知事のお考えを具体的にお示しくださいと質問いたしました。知事は、「和歌山は果物王国であり、そしてまた林業や水産関係の、ある意味では先進県でございます。こういうところがJA、農協、森林組合なんかと組んで、インターネットでバーチャルな──「仮想」という意味です──市場みたいなものをつくって、和歌山ブランドでそれをどこからでもアクセスできるような形で買ったり、オークションしたりして売買ができる仕組みみたいなことも考えてみたい」、「バーチャルな和歌山をつくってネットワーク化することによって和歌山県の振興を図っていく、こういうふうなアイデアも大分進んできております」と答弁されました。随分ご苦労もあったかと思うんですけれども、平成十三年度予算案の中に、バーチャル和歌山構想への支援に五千万円の予算計上をされております。そして、事業化に向けて積極的な取り組みをされることになっているわけでございます。このことに対して敬意を表するものでございます。全国に先駆けての施策でもあります。ぜひいいものをつくっていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、バーチャル和歌山の仕組みや組織、体制などの概要についてお答えいただきたいと思います。また課題は、全国、世界からバーチャル市場にインターネットでどれだけアクセスされるのか、ここが重要なポイントだと思うんです。何か妙案があるのかどうか、お聞かせください。
 次に、ITのインフラ整備についてお尋ねいたします。
 ITで都会との地域格差を解消するためには、まず何よりもITのインフラ整備を進めることであります。NTTは、光ファイバーのサービス開始を二〇〇五年からとしております。しかしながら欧米やアジア諸国では、通常のアナログ回線でISDNの十倍以上の高速通信が可能なADSLの普及が図られております。NTTは、世界におくれをとってはいけないということで、そのADSLのサービスをついに日本でもスタートいたしました。本県では、来月の四月から和歌山市の一部でADSL接続サービスが始まります。ISDNは、六十四キロビットであります。これは、秒単位でどれだけのビット数を送れるかという速さの単位でございますけれども、六十四キロビットです。ADSLは、その十倍であります。ADSL接続サービスを県下全域で普及させることが緊急の課題であると思います。ADSLと二〇〇五年からサービス開始される光ファイバーのインフラ整備への対応とその見通しについて、お聞かせください。
 次に、教育のIT化についてお尋ねいたします。
 県は、本年度中に、全国に先駆けて県立高校のすべての普通教室と職員室、図書室、コンピューター教室にパソコンを配置することとしております。今までの教科書を使った授業からインターネットを使った授業へと変わることになります。画期的なことだと私は思います。そのためには、すべての教員がパソコンを操作できなければなりません。
 インターネットを使って教育現場での効果的活用のため、授業に何を取り入れるのか。カリキュラムはどうなっているのか。IT教育のねらい、指導の方針、今後予想される課題等について、教育長にご答弁を願います。
 次に、iモードに代表されるモバイル通信への対応についてお尋ねいたします。
 今、インターネット対応の携帯電話が一大ブームを起こしているわけでございます。サービスが開始されてから一年八カ月、昨年十月にはiモードの加入者が一千三百三十三万人で、本県においても十三万人がiモードを活用しております。三日前の本年三月五日に、このiモードが二千万台を達成したと報じられております。ほかの機種もございますので、恐らく二千数百万台になっていると思います。わずか二年間で二千万台という驚異的なスピードであります。また、IMT─二〇〇〇と申しまして次世代移動通信システムの導入も間近で、より高度で使い勝手のいい携帯電話が登場してくることになっています。本県では、既にiモード対応のホームページを試験的に開設されております。しかしながら、iモードなどのモバイル通信の容量には限界がありますので、県民が真に必要とする情報をiモードなどのモバイル通信のホームページで提供する必要があります。その対応についてお聞かせください。
 私は、県民生活に身近な交通情報をiモードでお願いしたいと県警の方にお願いいたしました。早速、先月の二月二十八日でございますか、iモード対応のホームページの電話番号案内に県警の交通情報を加えていただきました。ありがとうございました。青年の皆さんから大変喜ばれております。今後さらに内容を充実していただくことを要望させていただきます。
 一方、愛知県警ではモバイル愛知県警というのを開設しております。これは、事件事故だと愛知県内で起きたいろんな事件の犯人のモンタージュ写真までモバイルで出てくる事件事故情報、交通情報、また被害相談や情報提供がiモードのメールでできるハイテク犯罪対策、運転免許案内、それからストーカー犯罪、暴力団犯罪、環境犯罪や少年の悩み相談などがモバイルで二十四時間対応できる相談窓口二十四時間フリーダイヤル、各警察署が全部地図にモバイルで入っている警察署案内、こういう情報提供サービスを実施しているわけであります。和歌山県県警では、残念ながら、iモードなどのモバイル通信のホームページは開設されておりません。県民生活の利便を図るためモバイル和歌山県警を開設していただきまして、県民に身近な情報提供サービスを実施すべきであると考えます。県警本部長のご見解を承りたいと思います。
 次に、旧医大跡地利用についてお尋ねいたします。
 私は、一昨年の九月議会で、医大跡地利用について質問いたしました。医大が紀三井寺に移転したために商店街、飲食業においてはお客が減少して売り上げが減った、商店街、飲食業の皆さんは、商売とはいえ医大に貢献をしてこられた、県当局は一日も早く医大跡地利用計画を策定して事業化を図り、かつてのにぎわいを取り戻してもらいたいとの趣旨の質問、要望をさせていただきました。しかし残念なことに、県民に愛され親しまれてきた和歌山のしにせ丸正百貨店が二月二十七日、自己破産いたしました。県民のいろいろな方が利用され、思い出の場所でもありました。県は、この丸正倒産に対し、どのように対応されているのか。また、五月にはビブレが撤退をいたします。ぶらくり丁商店街を初めとする中心市街地活性化対策はどうか、お聞かせください。
 県は、医大跡地利用について、医大跡地利用懇話会の提言に基づき、空洞化の進む中心市街地の活性化と都市機能の向上を図るため、都市型複合施設を事業コンペで決定する方針であります。ところが、本年二月でございますか、旅田和歌山市長は、和歌山市の地区連合自治会また商店街から成る和歌山市中央商店街連合会より、中心市街地活性化のため、ぜひとも県立医科大学跡地に和歌山市が進めている公立和歌山創造大学(仮称)の設置を願いたい旨の要望を受けました。知事に、ぜひとも大学建設用地として活用させていただきたいとの要望書を出しております。また二月二十八日、旅田市長は県庁で知事に直接会い、改めて公立和歌山創造大学を医大跡地に建設することの協力要請をしました。要請の内容と、どのようなやりとりがなされたのか、明らかにしていただきたいと思います。
 県は、医大跡地利用懇話会の提言に基づいて民間事業者を選定する事業コンペを実施し、民間事業主体による事業化を図る方針に変更がないのかどうか。方針に変更がないとするならば、具体的に民間事業者からどのような内容の事業コンペの申し出があるのか、またいつごろ事業コンペを実施するお考えか、お聞かせください。
 医大跡地は、和歌山市の中心市街地を形成するものであります。中心市街地の活性化を図る観点からも、早急に利用計画を策定すべきであります。利用計画策定に当たっては、医大跡地利用懇話会の提言を尊重しつつも、今日の社会経済情勢の変化も踏まえ、県都和歌山市の顔にふさわしい計画を考えるべきであります。その意味では、旅田市長並びに地元連合自治会及び中央商店街連合会から設置の要望が出されている公立和歌山創造大学の設置も一案ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
 また、医大跡地利用については和歌山市の協力が必要であります。昨日の和歌山市議会のやりとりの中で、市長がこんなことを言っております。「最近、いろんな方々から耳に入ってくる。和歌山城の周辺にばあーんと高層ビルが建っちゃったら、和歌山城が死んでしまうんじゃないか、市役所の十四階でさえ高いと思っているのに、というふうな議論が実はある。市役所は十四階ですから、本当は十階程度の建物までが限界という思いがあるんです。そういう和歌山城周辺の建物に対する規制の方向づけ──高層ビルに対する規制の方向づけ、景観問題に対する規制の方向づけを検討する必要があるだろうと考えている」というふうに発言をされているわけです。ちまたのうわさにいろいろとそういう声があるから、こういうことを言っちゃったのかなとは思うんですけれども。ちょっと私、その意味が、理解がもうひとつあれなんですが。
 こういった市長のお考え、また答弁を踏まえまして、やはり知事は旅田市長と十分に話し合っていただいて県市協調で取り組むべきだと考えます。知事のご見解を承りたいと思います。
 次に、和歌山市内の都市計画道路の整備についてお尋ねいたします。
 私は、平成十一年九月議会で、遅々として進まない和歌山市内の都市計画道路の整備について質問いたしました。当時の西口知事は、「和歌山市や建設省と連携をとりながら、また都市局の事業だけでなくて道路局の事業とあわせ財源確保ができるように努めてまいらなければならないと考えてございます。また、事業の重点化を図るとともに、用地取得を円滑に進めるためには、体制の充実あるいは土地収用法を活用し、都市計画道路の整備促進に努めてまいりたい」と答弁されまして、その後、前知事は、和歌山市内の都市計画道路の整備のおくれに大変頭を悩ましておられたご様子でありました。最近、県当局の道路整備への取り組みもあって、和歌山市内の都市計画道路整備がその緒についたところであります。
 道路は、人、物、情報を運び、快適な生活や経済を支える重要な基盤であります。したがって、都市計画道路の整備をより積極的に進めなければなりません。とりわけ、和歌山市の北部、紀の川右岸地域の人口は、和歌山市全体の約四割の十四万八千人、約十五万人でございます。私が今回着眼しましたのは、ただ単に約十五万人が住んでおられるということではなくて、人口急増地帯であるということなんです。
 紀の川の北部地域の人口は、昭和四十年では七万三千人、平成十三年二月現在では十四万八千人、約十五万人ということで、この三十五年間で人口が倍になりました。県の市町村合併推進要綱によりますと、三万人で市になりますから、市が二つできたことになるんですね。一方、世帯数においては、昭和四十年の一万七千八百世帯から五万三千九百所帯と、三倍にふえております。車の保有台数は、和歌山市内で昭和四十六年に七万台でありましたが、現在二十三万台と、これも三倍に増加しております。ところが道路や橋は、車の増加に見合った整備がなされておりません。紀の川右岸の和歌山市の北部地域は、紀の川で分断されております。道路整備のおくれと相まって、架橋が少なく狭いため、朝夕の交通渋滞、特に雨の日の渋滞に悩まされております。私もけさ登庁してまいりますと、大変混雑をしておりました。
 紀の川大橋の一日の交通量は六万台。県下において一番交通量の多い橋でございます。この橋につながる国道二十六号線の交通量は過剰で、慢性的な渋滞が続いております。車の騒音は、環境基準を超えております。周辺の住民は、この騒音問題でも大変悩まされております。また県道粉河加太線も、観光バスがすれ違うことさえできませんし、大型トラックもだめです。非常に狭い県道であるため、慢性的な交通渋滞や交通事故の危険にさらされています。それだけに、第二阪和国道新南海橋の早期供用開始とともに、西脇山口線の道路整備を初めとする市内の道路整備に大きな期待が寄せられているところであります。
 以上のことから、知事並びに土木部長にお尋ねいたします。
 第一点、知事は県都和歌山市内の道路状況をどのように把握されているのか。今後、紀の川の北部地域の人口急増地帯で県道粉河加太線の渋滞を解消するため、西脇山口線の道路整備促進を初めとする和歌山市内の都市計画道路の整備促進にどのように取り組むお考えか。
 第二点は、第二阪和国道新南海橋につながる紀勢線JR和歌山駅─市駅間の嘉家作地点の鉄道高架事業が進んでおりません。いつ、どのように第二阪和国道新南海橋を供用開始するお考えか。また、鉄道高架事業への取り組みとその見通しについてお尋ねいたします。
 第三点、阪和自動車道の和歌山北インターの設置については、本議会で七回の質問が行われ、和歌山市からも要望が出されております。ただ単に、先ほども申し上げましたように、紀の川より北に人が多く住んでいるというのではなくて、やはり人口急増地帯であるという、この地域性が十分あると思います。したがって、簡易なランプ式のインターを早急に設置していただきたい。あわせて、和歌山南インターの設置についてもお答えいただきたいと思います。
 第四点は、道路整備のため、地権者との用地交渉をスムーズに行い、用地を早期に取得するには、用地買収、物件移転補償事務の人員配置を含む組織体制の強化が必要であります。昨年度で海草振興局建設部に三名の課長級職員を配置されております。今まで三人でしたのが六人になりましたが、ペアで行くと三組しかないわけです。これは、都市局の関係です。そういう陣容の中、和歌山市の道路には、アパートもあり、たくさんの地権者がいらっしゃいます。大変なご苦労をされております。この際、もう用地交渉業務の一部を和歌山市とか民間に委託されてはどうでしょうか。
 以上、四点についてお答えください。
 最後になりました。産業廃棄物の中間処理施設と最終処分場の建設についてお尋ねいたします。
 和歌山市の貴志地区では、和歌山市梅原に建設許可が申請されている産業廃棄物中間処理施設の建設反対の運動が起きております。梅原地区に計画されている廃棄物処理施設は、廃プラスチック、汚泥、廃油、医療廃棄物など、一日に三百トン以上を破砕ないし焼却する巨大なものであります。計画地の周辺四キロ圏内には県下で有数の大手企業や和歌山大学が立地し、学生アパートや住宅が建ち並ぶ人口増加地域であります。また、保育園や幼稚園から大学までの教育施設が三十も存在する地域で、ダイオキシン汚染などが懸念されるところであります。計画地に隣接する大阪府岬町からも、旅田和歌山市長に対し、環境アセスメントが不十分として建設不許可の申し入れが出されております。既に貴志地区では十二万四千人を超える産廃建設反対署名が集められ、市長、市議会議長への要請が行われておりますし、昨日は、和歌山市議会に対し建設反対決議を求める請願を提出しております。当然、許可権者は和歌山市長でありますが、知事はこの事態をどう認識されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
 平成十三年二月定例会における知事の所信説明要旨の「快適な環境への新たな対応」という文の中で知事は、「一般廃棄物を含めた廃棄物処理計画を策定するとともに、廃棄物行政の組織強化を図り、廃棄物処理に係る公的関与のあり方についても検討を行ってまいります」と述べられております。産業廃棄物中間処理施設の建設には、新宮市の例を見るまでもなく住民の反対運動が起き、建設計画が次々に中止に追い込まれております。
 そこで、公的関与の最終処分場の確保とあわせ、公的関与の産業廃棄物中間処理施設の建設を考えるべきだと思います。知事のご見解を承りまして、私の第一回目の質問といたします。明快なご答弁をお願いいたします。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、IT研究開発協議会の設立についてでございます。
 研究開発用のギガビットネットワークは、全国の大学、研究機関等を相互に結び、研究開発目的であればだれでも無料で利用できる超高速の通信回線網であり、この接続装置が和歌山大学に設置されることは、県内の大学、試験研究機関、企業等による利用を通じて、本県におけるIT関連の研究開発や産業の振興に寄与するものと期待をしております。このため、県といたしましては、接続装置の設置を契機として、和歌山大学を初めとする県内の産・学・官の関係機関に呼びかけ、ギガビットネットワークの積極的活用を働きかけるための推進協議会の設置を検討しているところでございます。
 次に、国の研究開発機関の誘致と研究開発ゾーン構想についてでございます。
 システム工学部を有する和歌山大学の協力を得て県内の情報産業の育成を図るというご提言の趣旨は重要と考えており、どのような国の研究機関が誘致可能であるのか、また和歌山大学や海南のインテリジェントパークなどを中核にしたゾーン化がどのようにしていけば可能なのか、この点、いろいろ今後研究を深めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、和歌山大学システム情報学センターへの光ファイバー網の接続でございます。
 このIT時代に和歌山大学と県内の試験研究機関等との間における光ファイバー網の利用ということは、当然のことだろうと思っております。このため、光ファイバーによる研究開発の需要であるとか、連携を深めることによる研究開発促進の効果等を精査しつつ、実現の可能性について前向きに検討していきたいと考えております。
 次に、バーチャル和歌山構想の事業化についてのお尋ねでございます。
 インターネット利用者の増加に伴い、インターネットを活用した商取引は年々増加しておりますが、県内ではホームページの開設や電子メールの導入をしていく企業の割合が全国に比べて低く、企業のIT活用が急がれているところでございます。こうしたことから、昨年十二月にバーチャル和歌山構想を策定し、新たなサイトを構築することにより、インターネットを活用した和歌山ブランドの販売や観光宿泊客の誘致、さらに新商品開発のためのマーケティング調査等の場を提供し、県経済の活性化を図ることといたしております。
 事業を成功させる上でアクセスの確保が重要と考えており、このため、基本的にはだれでもが利用できるオープンなサイトを考えておりますが、その中に、県民の方々はもちろんのこと、県人会の方々、観光客等、本県に興味のある人を会員とし──これは無料でございます──釣りや子育てなど、利用者が関心のある内容のコミュニティーを設け、会員同士の交流を通してサイトの活性化を図り、アクセス回数や滞在時間の増加を目指しております。
 バーチャル和歌山を運営する会社につきましては株式会社の設立を予定しており、出資に係る予算について議会にお願いしているところでございます。現在、六月の会社設立、九月のサイトサービスの開始に向け、民間会社を中心としたバーチャル和歌山運営会社設立準備委員会において、事業内容、会社の組織体制等について検討を行っております。
 ただ、この問題につきましては、ご案内のとおり、昨年の四月にネットバブルというのが崩壊いたしまして、EコマースとかITを利用したいろいろな商売の方法が失敗している例が非常に多く出ております。和歌山県がこの時期に今から、自治体では初めてのことでございますが、こういう面に突っ込んでいくからには、今までの失敗例というものを十分検討して、急ぐことは急ぐ必要がありますけれども、必ずしも拙速に陥ることのないよう十二分に検討を加え、本当にいいものができるような形で仕事を進めていきたいと自戒しているところでございます。
 次に、ITのインフラ整備でございます。
 NTTによりますと、ADSLについては今年の四月に和歌山市の一部においてサービスを開始し、光ファイバーによる一般家庭向けのサービスについては二〇〇三年度中に和歌山市内で開始予定であるとのことでございますけれども、その後のエリア拡大は需要等を勘案しつつ検討していくということで、具体的な地域や予定時期というものが明らかになっておりません。
 ITの活用による産業地域の活性化、県民生活の充実を図るためには、県内があまねく安価で高速のインターネット接続サービスを利用できる環境の整備が必要ですけれども、現状では、特に山間過疎地域における基盤のおくれが懸念されているところでございます。県といたしましては、民間主導での情報通信基盤整備を原則としつつ、県民の要望やNTT等民間通信事業者の対応状況、国の支援施策の動きを勘案して、例えばCATVを含めた県内の光ファイバー網整備に対する適切な支援策を検討しているところでございます。これは積極的にやっていかなければならないと思っております。
 次に、丸正百貨店の倒産への対応についての問題でございます。
 長期化する個人消費の低迷に加えて流通業界の多様化が加速する中、百貨店業界、特に地方百貨店を取り巻く状況はことしが一番厳しいと言われていたわけでございますけれども、今般、和歌山の歴史ある丸正百貨店が自己破産に至ったということで、非常に残念な思いでいっぱいでございます。今回の事態により、従業員の方の雇用問題はもとより、周辺商店街や取引事業者等へのさまざまな影響が懸念されているところであり、県といたしましては、去る二月二十七日に庁内に対策連絡会を設置し、和歌山労働局長並びに近畿経済産業局長等に対し、従業員の雇用対策や取引事業者への資金調達の円滑化について、私自身もいたしましたが強く要請したほか、県における制度融資の拡充についても検討を進めることといたしました。具体的な取り組みについては、後ほど担当部長の方からご説明を申し上げます。
 次に、医大跡地についてでございます。
 医大跡地についての和歌山市長からの要請内容とそのやりとりでございますが、市長の方からは、医大跡地を大学建設用地として活用したいとの要望がございました。市長とは、中心市街地の活性化については県と市が連携を図りながら取り組んでいくことが重要であると話し合ったところでございますけれども、医大の跡地については、基本方針以外の利用提案を排除するものではないが、これまでの経緯もあり、粛々とコンペ実施に向けて準備を進めると申し上げたところでございます。
 次に事業コンペの実施についてでございますが、ことしに入り中心市街地を取り巻く状況が厳しさを増していることから、できるだけ早くコンペを実施し、地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。また、コンペで見込まれる提案につきましては、跡地利用基本方針に沿ったものとなりますが、施設の具体的な規模、内容については企業からの提案ということになると思います。
 最後に旧医大跡地利用計画策定と県市協調でございますけれども、医大の跡地利用につきましては、地元和歌山市との協力連携が重要であると考えており、今後の事業推進に当たっては、これまで同様、市とも十分に協議を行ってまいりたいと考えております。
 次に、和歌山市内の都市計画道路の整備の関係でございます。
 和歌山県の活力を維持発展させるためには、和歌山市の幹線道路の整備ということが、例えば高速道路や府県間道路などの交流ネットワークの整備とあわせて非常に重要なことであるという認識を私自身持っております。
 和歌山市内の道路状況につきましては、紀の川、そしてJRを越える道路等、市街地の周辺部で特に混雑が激しく、早期に解消することが急務となっております。このため、昨年の十一月に国、県、市から成る和歌山市域道路整備推進協議会を設立したところであり、今後とも三者で役割分担をするとともに、街路事業と道路事業を組み合わせ、重点的かつ計画的な整備に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、産業廃棄物の中間処理施設と最終処分場の建設に関する質問についてお答えをいたします。
 梅原の産業廃棄物中間処理施設の建設反対への認識についてでございますが、この問題につきましては、廃棄物処理法上、保健所設置市である和歌山市において判断するものでございます。議員のお話の例にも見られるように、産業廃棄物処理施設の立地は、地元住民に十分説明し、理解を得ることが重要であると認識いたしております。
 次に、公的関与の処理場が必要ではないかとのことでございます。
 和歌山市を含む紀北地域は大阪湾フェニックス計画の受け入れ対象地域となっておりまして、地域内で発生する廃棄物については、一定の基準を満たせば処分は可能となっております。しかしながら、有機汚泥、廃油、廃酸等の廃棄物については、そのままでは埋め立て処分できない上に中間処理施設が不足していることから、県外処理に依存している部分が少なくありません。こうしたことから、廃棄物処理計画策定のため、来年度予定している実態調査の中で、必要な処理施設の確保について、公的関与も含め、検討してまいりたいと思います。
○議長(阪部菊雄君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) ITへの取り組みのうち、iモード等モバイル通信の対応につきましてお答えいたします。
 県は、昨年十一月一日にiモード対応のインターネットホームページを試験的に開設し、県の催し、行事案内、休日夜間急患センターや道路交通情報センターの電話番号案内等の情報を提供しているところでございます。
 今後、提供を充実していく情報としては、一画面に表示できる文字数や画像が限られる反面、移動中にも検索できるというモバイル通信の特性を生かせるものとして、例えば施設利用案内、観光情報、防災情報等を考えておりますが、今後、利用者からの要望や他のモバイル通信用ホームページの対応等も参考にしながら、提供情報の一層の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(阪部菊雄君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 丸正問題対策連絡会の具体的な取り組みといたしましては、まず取引業者等への資金調達の円滑化を図るため、県信用保証協会や政府系金融機関に協力を働きかけました。また、中小企業信用保険法に基づく倒産事業者の指定等について、近畿経済産業局に対して強く要請したところであり、現在、国において早急に倒産事業者の指定がなされるよう、鋭意手続を進めていただいてございます。
 さらに、関係事業者に与える影響が大きいことから、その資金需要にこたえるため、倒産関連の制度融資である経営安定資金の拡充についてもこの連絡会で検討を進めるとともに、近隣商店街等の事業者に対しても、取引事業者同様、信用保証協会の別枠保証の対象とすべく、近畿経済産業局や関係機関とともに影響調査を行います。
 また、県内経済団体や和歌山労働局等に対し、従業員の雇用対策について協力を要請するとともに、去る三月二日、和歌山労働局との間で雇用対策連絡調整会議を開催し、失業給付業務、職業紹介業務等の手続の迅速化や、よりきめ細やかな職業相談の実施、雇用調整助成金制度の適用などについて協議を行いました。今後とも、関係機関と連携を密にしながら、今回の事態が地域経済に及ぼす影響を最小限度にとどめるため、積極的に対応してまいります。
 次に中心市街地活性化対策につきましては、和歌山市では、中心市街地活性化法に基づく活性化に向けて取り組みが始まったところですが、集客の核となる丸正の自己破産、和歌山ビブレの五月閉店など、ぶらくり丁を取り巻く商業環境の大きな変化を踏まえ、商店街等との協議の場を設けることにより、実情をつぶさに把握しながら、商業基盤施設整備への助成や中心市街地活性化基金によるぶらくり丁全体の町づくりへの支援など、さまざまな施策を活用し、にぎわいのある商店街の形成に向け、和歌山市と連携をしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 和歌山市内の都市計画道路の整備について、四点のご質問に順次お答えいたします。
 まず、紀の川北部地区における渋滞解消策といたしましては、県道粉河加太線のバイパスとなる西脇山口線の整備が急務であると認識しておりまして、県、市合わせて五区間において事業中であります。このうち、平井・大谷工区の七百二十メートルを昨年供用開始したところでございまして、十三年度には、新たに楠見小学校から鳴滝川までの一・一キロメートル間の事業化に向け、国に要望しているところであります。
 次に第二阪和国道和歌山北バイパスにつきましては、用地買収もほぼ終わり、現在、新南海橋の上部工の工事などが国土交通省により進められております。一方、この事業に関連して、国及び和歌山市により行われている鉄道高架事業につきましては、昨年六月、JR西日本に委託し、測量及び詳細設計が進められております。
 和歌山北バイパスにつきましては、市内の交通渋滞の緩和に大きな効果のある道路でありますので、平成十四年度に供用できるよう、国及びJRに働きかけてまいります。
 次に高速自動車国道へのインターチェンジ設置につきましては、従来、開発者負担による開発インターチェンジ制度が唯一の方策でありましたが、平成十二年度に国土交通省において、地方公共団体と地方道路公社が行う有料道路事業による地域活性化インターチェンジ制度が創設されたところであります。
 和歌山北インターチェンジ設置につきましては、和歌山南インターチェンジともども、新たな制度も踏まえ、和歌山市が主体的に取り組む町づくりを前提に、和歌山市域及びその周辺の広域的な交通体系の中で設置の必要性及び可能性について、あらゆる方面から検討を行ってまいります。
 次に用地交渉業務の一部委託についてですが、用地買収を円滑に実施するためには、地元事情に精通した関係市町村との緊密な連携が不可欠であり、現在、県道井ノ口秋月線の用地取得業務を和歌山市に委託しているところであります。今後とも、他の路線についても和歌山市域道路整備推進協議会において積極的に協議を行い、委託することとしてまいります。
 また、民間活用につきましては、現在、機械、設備などの特殊な補償について説明業務を対象コンサルタントに委託しているところでありますが、今後、土地収用法を積極的に活用するとともに、民間活力のより一層の活用を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育のIT化についてお答えいたします。
 県立学校五十四校の普通教室等に設置するパソコンにつきましては、校内はもとより、ほかのすべての県立学校や生涯学習施設とネットワークで接続するとともに、インターネットを活用できるよう計画を進めております。
 こうした環境を利用して、例えば授業では、リアルタイムにさまざまな情報を収集したり、研究テーマに合わせて国内外の研究所や大学の研究データを参考にするなど、幅広く活用することが考えられます。さらに授業以外の場面では、進路指導に関する情報を得ることや他の学校、海外との交流も可能となります。
 このように、必要に応じて教育コンテンツを即座に検索し、生徒の疑問にその場でこたえるとともに、意欲的に学習に取り組む授業をサポートすることといたしております。
 教員の情報活用能力の向上につきましては、本年度、小学校教員を対象に約二千百名の研修を実施したところであり、平成十三年度にも、約五百校ある県内すべての小中学校及び県立学校に情報技術アドバイザーを派遣し、教員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。
 二十一世紀を担う子供たちにとっては、これからの情報社会を切り開いていく技術や知識とともに、主体的、創造的に取り組む態度をはぐくむための道具としてコンピューター、インターネットが重要であり、児童生徒の発達段階に応じて情報活用の実践力や情報の科学的な理解などを育成していきたいと考えております。
 課題としましては、教員の情報活用能力を一層向上させるとともに、小中学校の情報環境の整備等について、市町村に対して積極的に指導を行うことが必要であると考えているところであります。
○議長(阪部菊雄君) 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕
○警察本部長(岩井良行君) 携帯電話で閲覧できるホームページ開設についてのご質問にお答え申し上げます。
 県警察では、平成十一年十一月に警察独自のホームページを開設し、各種手続や案内、安全な暮らしのための情報など、さまざまな情報提供等を行っているところでありますが、現在のところ、携帯電話で閲覧できるホームページ開設には至っていないところであります。
 議員ご指摘のとおり、iモードなどで閲覧できるホームページ開設につきましては、県民の方々の利便向上を図る上で重要であり、その必要性を十分認識しているところでありまして、警察といたしましても、運用を開始すべく、先進県の事例などを参考としつつ、登載する内容などについて検討しているところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十一番江上柳助君。
○江上柳助君 知事並びに関係部長からご答弁をいただきましたので、再質問させていただきます。
 ITへの取り組みについて前向きなご答弁をいただきまして、ありがとうございました。本県の再浮揚をかけた施策ではないかと思うんです。積極的な取り組みを期待いたします。
 バーチャル和歌山については、ぜひいいものをつくっていただきたいと一問でも申し上げましたけれども、できたらスタート時点からiモードで対応できるようにしていただきたい。要するに、動きながらでも情報を入手して、いろんなお店へ行ったりレジャーへ行ったりできるような体制もひとつ考えていただきたいと思います。
 教育のIT化なんですけれども、これについては教育現場から大分心配する声が出ているんです。各教室にパソコンでインターネットへ接続できるけど、これ、何に使うんよ、どこに接続するんよと。アドバイザーが百人近くいらっしゃいますけれども、五百校に行くわけです。ですから、アドバイザーはできませんから先生に一生懸命やってもらわんといかん。それで、授業で具体的に何に使うんだ、どういうふうに使うんだという、学習用の手引といいますか、そういったものをぜひつくっていただきたい。また一遍勉強会もしていただいて、しっかりとこれが活用されるようにしてもらいたい。財政が大変厳しい中、せっかくパソコンを配置していただくわけですから。全国でも先進的な取り組みでございますから。この点、強く要望しておきます。
 県警本部長からも、iモードで閲覧できるホームページを検討されているということでありますけれども、よその県に負けないようないいものをぜひひとつつくっていただきたい。これも要望させてもらいます。
 それから医大跡地利用については、一問でもちょっと触れましたように、高さとか景観問題をクリアしなければいけないという具体的な条例がまだ出ていませんけれども、そういうお話もされたようですが。いずれにしましても、中心市街地の活性化のため、できるだけ早くいいものを県市協調でつくっていただきたい。取り組んでいただきたい。これも、要望させてもらいます。
 それから土木部長、インターの件です。いわゆる北、南インターです。従来は開発インターでありましたけれども、今度、地域活性化インターということになったと。これは、地方自治体、また道路公社でできるということで非常につくりやすくなったと。
 ちょっと土木部長にお聞きましたら、費用対効果がとおっしゃいました。紀の川河口大橋の通行料金は、普通車百円、そして五十円、十円ですから、これで年間一億円あるわけです。そうすると、一日二千八百台が基準になるわけですね。ということは、それをずっと一年掛けていくと、一億五千万円上がったらいいわけですわ。紀の川大橋は、早朝と夜十時以降はもうやってないんです。交通渋滞の激しいときだけ、あそこを使うわけです。一部しか使われていない。北インターというのは、これからユニバーサル・スタジオがオープンしますね。それから、関空の利便も向上するんです。恐らく費用対効果ということは、余り当たらんのじゃないか。それをおっしゃるんだったらもう、和歌山県下の道路は費用対効果だとはっきり言っていただきたい。
 私は、過疎地域、半島地域といった地域性があると思います。しかし、紀の川北部地域は、申し上げたとおり人口急増地帯です。その渋滞に苦しむ、悩む地域性があるわけです。ですから、これから費用対効果でいかれるんでしたら、県下の道路をもう全部費用対効果でやってください、本当に。私は、そういうわけにはいかんと思います。
 土木部長、一生懸命取り組んでいただいていることはわかるんですよ。本当にご熱心にやっていただいていることも、よく承知をしております。しかし、難しいことをおっしゃらずに、北インターも南インターももう検討に入っていただくと。私は、きょう、このことを言いたかったんです。強く要望させていただきまして、私の質問を終わります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で江上柳助君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十五分休憩
     ─────────────────────
  午後一時三分再開
○副議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 十八番原 日出夫君。
  〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 午前中に引き続き、議長のお許しを得ましたので一般質問をしたいと思います。
 私は、今回、三点にわたって質問させていただきます。
 まず冒頭、梅の生育不良、立ち枯れの原因究明についてであります。
 私は県に対し二年間、梅の立ち枯れの要因と原因解明について、梅の生産農家、加工業者の大多数の声を訴え続けてきました。一定の県の努力が見られるものの、今この時点に立って、原因究明のための県当局の基本的姿勢についてお伺いしたいと思います。
 まず第一は、県うめ対策研究会の報告書は生産農家、関係者が納得していないということです。
 原因がわからない中での研究会報告書であることは、だれが見ても明らかです。「栽培要因、気象要因、土壌要因など複合的に絡み合い、樹体内に養分ストレスを引き起し」とある。大気環境要因は除外され、「関係ない」と、事も簡単に締めくくっているのであります。ある園で少し回復の兆しがあるとか、ある園で強剪定をするとよくなったとかはその部分にすぎず、全体の園に当てはまる実証でない、それらが主たる要因でないということは、県も市町村並びにJAも認識されております。梅立ち枯れの発生メカニズムが解決されていないのは、事実であります。県やうめ対策研究会の考え方もあれば、大気及び御坊火電との因果関係に疑念を持つ生産農家を初め、立ち枯れで積極的に研究している学者及び関係者もいるのです。どうして平行線、対立が生まれるのでしょうか。一緒に両方の考えを取り入れることをしないのでしょうか。私たちは、昭和五十九年の御坊火電稼働から十数年、毎年立ち枯れの発生が増加している事実や、現場で毎日梅の成長過程、環境を見てきました。栽培のプロである生産農家が大気、御坊火電に疑念を持つのは当然ではないでしょうか。
 私は、県当局の姿勢について、過去の四日市公害、水俣病、エイズ薬害、尼崎公害等の教訓に触れて、同じ過ちをしないで、まず謙虚に現場で苦しむ生産農家の立場、声に県行政が立ち返ることを訴えてまいりました。今また諫早湾では、ノリ被害により水門を開放するかどうかで闘われています。これも、ノリの被害は水門の開閉によるものかどうかの因果関係が何も現在わかっていない。しかし、開放して調査する方向で進められているこの事実。疑念とするものに対して、因果関係がはっきりしていない段階でも調査していくという姿勢。現場で梅を何十年も生産し続けてきた農家の素直で、しかも科学的な実証研究を進める中で、大気と梅の立ち枯れ、御坊火電から排出されるばいじんの成分による梅への影響調査をみんなが求めているわけであります。何ら理不尽な主張ではなく、長年の現場での経験から来る疑念や、十数年にわたって市、町、村初め生産農家、農協指導員、専門的学者などが、栽培面、病理面、土壌面、台木面、気象面を含め、机上論でなく現場で数十年培った生産農家の知恵と経験とを融合して研究してきたが、いまだに立ち枯れの発生メカニズム、原因がつかめない状況なのであります。だからこそ、田辺市、紀南農協はうめ対策協議会をことし四月から組織し、引き続き大気、環境を重点に、学者を含めて研究実証に入っているわけであります。県の姿勢があくまでも関西電力擁護、ばいじん隠しの方向で行くとしたら、私は、生産農家、JA、市町村との間において大きな矛盾と県当局への不信を超えた闘いに発展することを懸念するわけであります。和歌山県の基幹産業を守るために当然のことであり、今、県当局の姿勢が求められています。私たちがさらに過激な運動を展開しないためにも、県当局が腰を上げて生産農家の立場に立つ姿勢を求めていきたいと思いますが、知事の見解を求めます。
 次に、具体的に農林水産部長にお尋ねします。
 第一は、梅生育障害対策研究会、県うめ対策研究会のまとめは、つまり「生育障害メカニズムは、栽培要因、土壌要因、病害要因などが複雑な園地条件の中で複合して影響し、障害が拡大したものと考えられる。症状として見られる根の異常な黒変枯死、腐朽と根系の縮小、それらに伴う地上部の成長不良、特に徒長枝の成長不良、肥大成長の停止、葉の黄変縮小等が現れ、それらと並行して養水分吸収力の低下や貯蔵養分の枯渇、養水分ストレスにより枯死に至る、いわゆる生理障害である」と分析し、その要因は水分、栽培、土壌要因であるとしているわけです。
 先ほども言いましたように、これらについてはまだ発生メカニズムがわからない中で結論づけたことについて、そして毎年ふえているにもかかわらずこれでまとめて、はい終わりということでは、私たち生産農家は納得するでしょうか。
 暖地園芸センターのある研究員は、根の異変枯死について一つの仮説として、養分を吸い上げる木の血管つまり脈導が詰まって吸い上げられない状況にあることを指摘しています。これは実証試験の結果であります。それはなぜかというところまで至っていませんが、このことは私たちが過去においても県当局の実証試験の中で申し上げてきたことであり、ここで研究員も私たちと同じ、原因はどこにあるかわからないけれども、そういう状態にあって根が枯れて養分を吸い上げられない、吸い上げている脈導が異変を起こしている、それが枯れる根拠だということを一つ見出したわけであります。それは何によって起こるのかということがこれから研究する最大の課題であるわけであります。
 私たちは、あらゆる角度から実証して、各関係の学者の考えを聞きながら、その要因として、大気から来る浮遊物が葉面での科学的変化を経て吸収され、血管を詰まらせているか、土壌への科学的な影響で根を枯らせているかという二つの疑問を持っています。いわゆる、原因がわからないけれども、研究員が実証しての仮説です。我々も、我々の立場で研究するとそういう要素が生まれたと。だから、いずれにしても、大気及び大気中の浮遊物、とりわけ御坊火電のばいじん浮遊物を研究・実証していくことによって発生メカニズムが明らかにされると考えています。これらの調査を進めることを明確にすべきだと考えますが、県当局はどうお考えですか。
 今、この時点に立っても、県うめ対策研究会の大気担当である近藤教授の一人の見解のみをとらえて、ばいじん等の研究・実証をしても意味がないとする県の姿勢は、真剣に原因を究明する意思があるのかと疑うしかありません。この一教授の見解のみが正しいということについては──過去の公害や医療の社会的問題を見ても、一人や一部の学者や研究グループのみの見解を盾にしてきたことでどれだけの人の命、自然破壊がなされたか、それは歴史的に証明されております。幅広い見解を示していくことが県の役割ではないでしょうか。
 第二は、県の研究機関と各市町村の研究・実証との意見交換を積極的に行い、双方の考えや実証内容、そしてテーマを設定して同じ土俵の上で共同研究していく、そして疑念を持つ生産農家の研究課題についても積極的に取り上げて一緒に研究していくという姿勢に立てるのかどうか。これについてもお伺いしたい。
 また、成分調査をするため県が関電にばいじんの提供を求めるとしたが、その後どうなっているのか、お聞きします。
 三点目は、既設の御坊火力発電所の三号機脱硫装置が十四年度で完成すると聞いています。それに伴って、毎日新聞にこのように掲載されました。「関西電力は十八日、御坊火電の排煙から、硫黄酸化物を現在より約三割削減する脱硫装置設置の基礎工事を始めた」ということの中で、「同火電では現在、硫黄分が〇・一%含まれる重油を使用。脱硫装置を設置する発電機では、硫黄分一%の燃料に変更する。同火電全体では」と、こうなっております。今まで原料としていた原油の硫黄分の占める率が〇・一%から十倍もの粗悪な硫黄分一%の燃料に変更すると言われておりますが、これについては事実なのでしょうか、お尋ねします。
 最後に第四は、梅の研究センターでの研究テーマ、研究内容とどんな体制でいくのかという問題であります。暖地園芸センターの研究内容の延長線なのか。私たちが主張する大気、御坊火電のばいじんとそれに含まれる化学物質の暴露試験を初め、田辺市のうめ対が研究テーマにしている霧、露との発生量調査、初期降雨の酸性雨調査など、現在の現場の生産農家、紀南農協の指導員の要望を積極的に取り上げる姿勢にあるのか、お尋ねしたいと思います。
 以上が、梅に関する質問であります。
 続いて、和歌山県の森林・林業施策についてであります。
 日本列島は最北端の宗谷岬から南の八重山諸島まで、北緯二十四度から四十五・五度まで延々三千キロにわたって長く連なる緑の列島は大小三千七百以上の島々で構成され、森林の割合は列島の三分の二を占め、先進国のアメリカ、カナダの倍を誇り、密林国のブラジルやインドネシアをもしのぎ、北欧の森林国フィンランドに匹敵すると言われています。この葉緑素を持っている木は、炭酸ガスと水を材料として太陽の光を用い、酸素とでん粉質をつくる光合成を営んでいます。それによって緑の列島はみずみずしく繁茂しているのです。とりわけ日本列島の森林は山地に偏在しているため、都市部に住む人たちにはその恩恵がなかなか理解されていません。私たちの和歌山県は県土の七七%を森林地域で占めており、日本の、地球の環境を守る公益的機能と役割を果たしていることから、和歌山県の森林・林業施策はとりわけ大きな責任と役割を担っていると考えます。
 そこで第一点の質問は、豊かな森林づくりについてであります。
 日本列島の森林は、日本史上四度目の危機に瀕していると言われています。これまでの過去の三回は破壊的な伐採によるもので、今日は逆に、放置されたがゆえの森林の荒廃という大きな特徴があります。
 私は中辺路、大塔をつぶさに歩いてみましたし、北山村には毎年何回か訪れることもあって、紀州紀南の山々の、まさに放置された森林、人工林を見て、驚きを隠せません。つぶさに見てきた危機的状況から私が今回質問するのも、国の林政改革大綱との関係も含め、今、和歌山県は行政と民間、県民が力を合わせて森林施策、つまり豊かな森林づくりをどうしていくのかを確立することが急務であると思うからであります。
 そこで具体的に聞きますが、機能に応じた森林の区分を明確化する必要があります。一つは、木材生産を目的とした人工林面積、つまり循環利用林はどの程度あったらいいのか。二つ目は、手のつけられない人工林をどうするのか。三つ目は、紀州の照葉樹林を拡大し、水源涵養林として、また人と自然界の共生林としてどう育てていくのか。また一方、和歌山県の林家数の動向から見ても、二〇〇〇年世界農林業センサス林業事業体調査によると、十二年度は一万四千十六戸で、昭和四十五年に比して二千二百戸が減少し、平成二年に比べて三百五十三戸が減少しています。しかも保有山林規模は、一ヘクタールから五ヘクタールの階層が七〇・七%、五ヘクタールから十ヘクタールが一四・六%で、十ヘクタール未満の階層が八五・三%も占める小規模の山林所有者であることからも、森林破壊つまり手がつけられない状態が浮き彫りになってきています。
 この状態から見ても、和歌山県の森林を守り発展させるための機能に応じた森林の位置づけと、ただ単に林業のみとしてでなく、将来にわたって森林の多様な機能の役割としてどう位置づけるのか、県行政の真価が問われています。これについて、基本的見解、方針を知事にお伺いしたいと思います。
 次に、木の産業づくりについてであります。
 紀州材の需要拡大について、県当局は木材利用推進施策方針を出し、紀州材流通促進協議会、紀の国・木の家推進協議会等と連携して進められてきましたが、紀州材住宅の建築戸数の動向はどうでしょうか。県の建築申請の中でチェックできているのでしょうか。二十一世紀は環境の時代であります。私たちの住む和歌山の森林は、県土の保全、災害防止、水資源、涵養機能、環境の視点、生物の多様性保存、地球温暖化の防止など公益的機能を果たしてくれており、私たちを守ってくれています。だからこそ、私たちが守り育てていく責任があります。
 今、全国的に、木の家を立てる、木の家に住もうということで、近くの山の木で家をつくる運動が広がっています。そこで私は、最近建てられてきている化学建材尽くしの今の日本の住宅を憂えるある随筆を読みまして、ご紹介したいと思います。
 「ハウスメーカーの展示場を覗いたら、なるほど化学建材のオンパレードであった。 床も壁も天井もビニールに包まれ、階段の手すりに、滑り止め、シャワー室のカーテン、幅木、回り縁、窓はプラスチックサッシ、ルーバー、カーテンレール、シャッター、雨戸、雨樋、外壁のサイディング、バルコニーに至るまで、化学建材づくしである。設備機器に使われているものも多い。キッチン、洗面機器、照明器具のカバー、トイレの便座。表にでないところでは、断熱材、防湿フィルム、給水管、排水管などなど。数え上げたら、きりがない。 ここまで化学建材に支配されると、今の家は、ゾンビに侵された「化学の館」としかいいようがない。文句いってたら、はした金で家は建たないのかも知れないが、ものごとには、ホドというものがある。加減というものがある」というふうに紹介されています。そういう意味で紀州の林業、木材産業の振興を具体的にどう進めていくのかという観点から私から提言しますので、見解をお聞かせください。
 一つ目は、県行政としてみずからやるべきこと、公共建築の木造化、木質化を積極的に進める対策は。二つ目は、木造住宅建築を県下的に推進していくための施策は。三つ目は、販売活動を促進するための事業は。四つ目は、森を守り紀州材利用を促進するため、加工業者、供給者──いわゆる設計士、工務店等であります──の枠を超えた、消費者、市民団体を含めた県民ネットワークづくりを目指す必要があるのでは。今、県下的にそういう活動が芽生えている中で、これらを援助し、各地域に広めていく役割を県はすべきではないでしょうか。五つ目は、間伐材や木質資源等の有効活用をどう考えていくのか。とりわけ、廃棄物処理法改正に伴う責任が明確化されている中での方針であります。六つ目は、森林・林業の立地を生かしたバイオマスエネルギーの導入の検討であります。バイオマスプランテーションとは、樹木の植林と伐採を定期的に繰り返すことによりバイオマス(植物の集合体)をエネルギー源として半永久的に利用する構想であります。まさに循環利用林、つまり人工林の立地にふさわしいバイオマスエネルギーの活用を検討してはどうでしょうか。二十一世紀は自然エネルギーへの転換を求めているし、里山復活と環境を守ることにつながっていくと思いますが、いかがでしょうか。
 次に大きい三点目ですが、県土の七七%を占める森林施策を総合的に進めるために機構の見直しを提案したいと思います。
 その理由の一つとして、国の林政改革大綱に基づき森林・林業政策が大きく変わる中で、今、二十一世紀の百年を展望した和歌山県の森林・林業振興計画の策定が急がれています。これをどうするのか。二十一世紀農業施策は確立していますが、森林・林業施策については、いまだ計画が策定されておりません。二つ目は、先ほどから提起した森林・林業施策を総合的、具体的に県民と一緒になって進める上で、現体制でいけるのでしょうか。三つ目は、森林・林業施策の果たす役割が二十一世紀には必ず見直されて前進すると私は考えています。二十一世紀は森林・林業を中心とした一次産業、いわゆる山林従事者を中心とした振興と雇用の拡大、紀州材の振興による第二次産業を初め職人さんの復活と新しい産業及びエネルギー産業の構築など、本来の日本の木の文化に立ち返る方向に必ず進むと確信しております。そんな日本に必ずなるし、ならなければ五十年以降の地球の存在が危惧されます。森林・林業は農業水産と肩を並べる存在になるし、なるために林務局体制を確立すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、廃棄物対策と廃棄物行政についてであります。
 県内に発生する産廃を含めた廃棄物の処理について、どうしていくのか。現状は、県内で処理できるものは県内で、処理できないものは県外に持ち出している。一方、和歌山県は県外から県内に受け入れることを禁止している。この姿勢では社会的に通用するでしょうか。県の現状の姿勢は、一般廃棄物は市町村の責任、産業廃棄物は企業責任という枠を超えていない。しかも、不法投棄や民間業者の後始末に追われ、廃棄物に取り組む施策と予防行政が見られない和歌山県として、今後の廃棄物処理の施策方針と考えはどうなのか、お伺いしたいと思います。
 また、県の産業廃棄物処理業者は七百業者もありますが、これらの認定業者のマニフェストの管理指導は適切にされているのかどうか。私の知る範囲内では、管理票にある廃棄物と実際に出ている廃棄物の間にかなり大きな差があると聞いております。
 二つ目は、廃棄物に関する法案がメジロ押しに成立しました。循環型社会基本法、廃棄物処理法、資源有効利用促進法、食品廃棄物リサイクル法、家電リサイクル法、容器包装リサイクル法、グリーン購入法に対し、県行政として、個々の法律施行に伴ってどう指導管理をしていくのか、またする必要がないのか、お聞きしたいと思います。
 例えば建設資材リサイクル法ですが、県内の土木建設業者に、県の公共事業を初め、この法律に伴ってどう処理するかの指針が出されるのか。
 もう一つの例として、家電リサイクル法では、県は直接関知する責任はないと言っておりますが、ないのか。各市町村の関係を少し聞きましたら、家電に対する取り組みは県下もうばらばらであります。基本的には消費者からもらうということになっていますが、不法投棄を恐れて無料化をしている和歌山市を先頭に、日置川町やすさみ町でも無料化するという状態が生まれてきております。和歌山県では、家電リサイクル法に伴って不法投棄をさせないでどのように処理していくかというシステム化がやられていないがために、県下各市町村とも皆ばらばらでこのことに対応しているという、この部分での貧困さを非常に感じています。
 三つ目でありますが、グリーン購入法についても、リサイクルして再生商品化しても利活用販路なしには、そのシステムが有効に働かない。国もことしに入って閣議で、グリーン購入品目を大幅に拡大する方向と、庁内購入というだけでなくて公共事業にも積極的に使用することを義務づけられました。昨年から何回もここで言わせてもらいましたが、和歌山県においても、グリーン購入法に基づく品目決定や公共事業への積極的活用の方針を立てる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、大きい二つ目です。きのう、きょうと聞いていく中で、十三年度に廃棄物処理計画を策定すると言われておりましたが、これがことし義務づけられました。一つは、処理計画策定のための県の基本方針をどうされているのか。また、広域ブロックという前回の策定システムは変わらないのか。策定作業のワーキンググループは、市町村の担当者、振興局担当者、民間事業者を含めた、直接かかわっている人たちで作成する必要があると思うが、どうでしょうか。
 次に、二十一世紀は環境の時代ということですが、八つの法律施行と処理計画策定・実行は、果たして現体制でいけるのでしょうか。県行政として、観光行政に取り組む上での組織体制の強化についていかがお考えでしょうか。現状では、県地域環境課においても、例えば振興局の保健所の担当者におかれても、実際は、環境施策を考えるとか、これからどうしていくかというよりも、不法投棄や問題点を後追いするのに精いっぱいという実情を私は直接感じております。そういった意味で、環境行政を柱に据えるとすれば、ここをどう強化していくかということが今、二十一世紀の初年として求められるのではないでしょうか。
 最後になりますが、産業廃棄物を初め廃棄物処理場の立地を決定したり廃棄物行政の施策を進めていく上で、今、知事のトップダウン方式による積極的公共関与が求められていると思います。これは、きのう先輩の下川議員も積極的に言われ、知事の前向きの姿勢を伺って喜んでいるわけですが、それを実行するために、まず人的対処をしてほしい。ごみ処理場、クリーンセンター及び最終処分場をつくる場合は、知事が特命を与えてその人が任務を負ってやっていってほしい。全国で成功しているのは、知事がトップダウンできちっと特命して、その人が市町村や関係する業者と立地条件を研究しながら専門的に取り組んでいるところです。前向きに出した、じゃ、それをどうしていくか──私は、人的体制ということで、ことしから知事の特命を受けて積極的に取り組んでいってもらいたいということをお願いしたいわけであります。
 以上で、第一回の質問を終わります。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの原日出夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) まず、梅の生育不良についてのご質問でございます。
 梅の生育不良の問題は県政の重要課題と考えており、早速、昨年の十月に産地に出向き、農家の方々の意見を聞くなど、実態の把握に努めたところでございます。
 この問題の究明は非常に難しいことから、県ではこれまで国、大学の専門家による和歌山県うめ対策研究会を設置して原因究明に取り組んできたところであり、その最終報告の内容は、科学的に検討評価された結果として基本的に尊重していかなければならないと考えております。
 お話の、御坊火力発電所の排煙や浮遊物など大気に関連する調査に対しての強い要望についても十分承知しておりますが、ばいじんの直接暴露については、技術的な面などから現在のところ難しいものと考えております。
 今後の調査研究を進めるに当たっては、多くの方々の意見をお聞きするとともに、専門家の指導も受ける中で、科学的に評価できるものについては迅速に取り組まなければならないものと考えております。
 梅産業の振興を図るために生育不良の原因究明は重要でありますので、市町村の協力のもと、新たに設置する梅研究機関を核として、生産者を初め地元関係者の方々と意見交換を図りながら、地域に密着した研究を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、和歌山県の森林・林業施策についてでございます。
 豊かな森づくりについては、本県の森林はきれいな水を生み出し、洪水や山崩れを防ぎ、また人の心を豊かにしてくれるなど、あらゆる面で重要な役割を果たしております。私は、この森林を守り育てていくことが非常に大切なことであると考えております。
 同じ紀伊半島の三重県におきましては、荒れた杉やヒノキの林を広葉樹林へ転換させ、管理が行き届かない民有林を環境林として公的に保護していく施策が新しく取り組まれようとしております。本県でも柔軟な考え方に立って、こうした取り組みも参考にしながら、また県民の皆様の意見も十分に聞きながら、林業経営の柱となる人工林とすぐれた自然景観を保ち保健休養の場ともなる天然林とがバランスのとれた豊かな森づくりを進めていきたいと考えております。
 次に、廃棄物対策についてのご質問でございます。
 家電リサイクル法を初め循環型社会形成に関する各種法律がいよいよ施行される中で、廃棄物処理計画の策定を初め、今後各地で発生が予想される不法投棄や廃棄物の不適正処理の監視体制等について、より一層充実強化を図っていく必要があるものと考えております。
 このため、来年度から県警察において環境機動捜査隊を創設するほか、環境生活部に環境部門を除いた共生推進局を設置する──ということは、逆に言えば環境部門がより強化できるということになるわけでございます──こういうふうな組織強化をするとともに、また新たに廃棄物対策室を設置するほか、振興局に廃棄物監視指導員を配置するなど、体制の強化を図り、環境問題に的確・迅速に対処してまいりたいと考えております。
 それから廃棄物行政について、トップダウン方式により積極的に関与すべきというご質問でございます。
 これはおっしゃるとおりでございまして、テレビでもやっておりますけれども、家電などの法律が変わってくるということで、これから不法投棄が大分ふえてくるということが懸念されております。こういう問題については、きのうもお答えいたしましたけれども、やはり果敢にやっていく必要があるので、私もいろいろ勉強しながら関係部局に督励をして積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(尾崎要二君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 梅の生育不良問題に関して、大気環境に関する研究と関電へのばいじん提供要求についてのご質問にお答えをいたします。
 梅の生育不良の原因究明につきましては、国や大学の専門家の指導を受けながら、暖地園芸センターを中心に、大気、栽培、土壌、病害、気象等、総合的な調査研究を進めてきたところでございます。中でも大気環境に関する研究につきましては、これまで二酸化硫黄、二酸化窒素、オゾンの複合ガス暴露を実施するとともに、平成十二年度においては、化石燃料の指標物質と言われているバナジウム、ニッケルを用いた暴露試験や重金属の年輪解析などを実施してございまして、その結果については近々に地元のうめ対策協議会等に報告できるものと考えてございます。
 また、御坊火力発電所のばいじんの試料提供につきましては、事業者から協力をいただける旨の回答を得てございますが、現在、電力需要の低迷もあり、発電所の稼働率が非常に低いということから試料のサンプリングが難しいと聞いてございますので、今後、試料の提供を受け次第、成分分析を実施してまいりたいと考えてございます。
 次に、梅研究センターの研究内容と体制についてお答えいたします。
 梅に対する研究内容についてでございますが、生育不良の原因究明を行うため、生理・生態特性の総合的解明や適正な土壌管理技術の開発などが重要と考えてございます。こうしたことから、今後の研究については、梅の木の栄養状態を簡易に診断する技術の開発、先端技術であるDNA鑑定を用いた生育不良樹の系統判別やストレスに強い台木の育成、育種試験などに取り組むこととしてございます。
 また、大気環境面の研究につきましては、これまでばいじんの直接暴露にかわるものとして化石燃料の指標物質を用いた暴露試験を行ってございますが、このほか、科学的に評価できる新しい研究手法があるのかどうか、専門家の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、ばいじんに関する調査につきましては、県下十一カ所の降下ばいじん量や成分の分析も行うこととしてございます。
 次に、梅の研究機関の研究体制につきましては、国や大学との人的交流など、産・官・学の連携を図った新しい体制の整備に努めるとともに、生産者やJA等、地域関係者に開かれたものとしてまいりたいと考えてございます。
 次に、木の産業づくりでございます。
 県といたしましては、三つの項目を柱として紀州材の需要拡大に努めているところでございます。その一つ目は公共施設の木造化の推進、二つ目は民間木造住宅への需要拡大、三つ目は間伐材等の利用推進でございます。
 まず一点目の公共建築物の木造化については、関係部局長で構成する木の国プロジェクト推進会議により、これまで公共施設の木造化を推進してきております。これまで幾つかの利活用事例がありますが、最近では、「県民の友」三月号の表紙を飾る藤並小学校の内装木質化の事例もその成果の一つでございます。
 次に、二点目の民間住宅への紀州材の需要拡大については、引き続き産直住宅への取り組みを進めるとともに、これからは住宅建築関係者の間では特に乾燥木材が求められていることから、十三年度において新たに乾燥施設の導入や乾燥紀州材による家づくりへの支援を行う予算を計上してございます。
 また、販売活動を促進するため、引き続き大消費地での優良紀州材の展示会を開催するとともに、新たにインターネットを活用した需要の拡大にも取り組む予算を計上してございます。
 次に、三点目の間伐材等の利用推進については、本年度から森林土木事業等において幕板型枠や木製ブロック擁壁を用いた工法を積極的に実施しており、また現在、日本道路公団等において県内の高速道路への間伐材を使用した遮音壁の設置について関心を示していただいているところでございます。
 今後、こうした三点にわたる施策展開に当たっては、意欲的な取り組みを行っている住宅建築の関係者や消費者の皆さんとも十分連携をとりながら、木材を生産する「山」とその多くを消費する「町」がなお一層密接につながり、紀州材ができるだけ多く使われるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 なお、バイオマスエネルギーの利用につきましては、循環型社会あるいは環境重視の社会に推移している中、注目をしていかなければならないテーマであると考えてございます。これにつきましては、全国的に数例の実施事例はありますが、一方、採算面での大きな課題もあると聞いてございます。今後、情報収集に努め、行政としてどのような取り組みが望ましいのか、考えてまいる所存でございます。
 次に、県土の七七%を占める森林施策を進めるために機構の見直しをということでございます。
 地球環境問題が大きくクローズアップされている中で、二十一世紀は森林や林業の役割が改めて見直されるべき時代になると考えてございます。現在、国におきましては、これまでの木材生産主体から森林の経営管理の重視へという基本的な考えのもとで政策の大幅な見直しが行われているところでございます。こうした国の動向なども踏まえまして、本県の特色を生かした二十一世紀版の森林・林業基本計画を早期に策定してまいりたいと考えてございます。
 現在の林務組織でございますが、木を植え育てて森林を守る森林整備、木を刈り運んで加工販売する林業振興、山村の担い手の育成や産業振興を柱とした山村振興の三つの部門から構成されており、この三部門が一体となってより一層横断的連携を強化し、新基本計画の策定と実行を担っていきたいと考えてございます。
 なお、議員お話しの林務局構想でございますが、二十一世紀にふさわしいご提言であるとは思いますが、今後の研究項目とさせていただきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 梅の生育不良に関する中で、脱硫装置の分についてお答えいたします。
 既設御坊発電所三号機に脱硫装置を設置するのに伴い、燃料については、硫黄分〇・一%以下から一%以下のものに変更するとの報告を受けてございます。この脱硫装置は脱硫効率が九九%と高性能であり、硫黄分一%以下の燃料を使用しても、三号機から排出される硫黄酸化物の量については現在の十分の一に削減されることになります。
 以上です。
○副議長(尾崎要二君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 廃棄物対策と廃棄物行政についてのご質問にお答えします。
 まず、県としての廃棄物処理の施策方針と考え方についてでございます。
 平成十二年の廃棄物処理法改正により排出事業者責任がより一層強化されたこともあり、県としては排出事業者への指導強化に努めるとともに、不適正処理対策についてもパトロールの強化等に取り組んでいるところでございます。また来年度からは、廃棄物処理計画の策定の中で県としての廃棄物処理の基本方針を明確にするとともに、処理施設の適正な確保についても検討してまいります。
 次にマニフェストの管理指導についてですが、産業廃棄物管理票、マニフェスト制度につきましては、平成五年四月から特別管理産業廃棄物について義務づけられたものでございまして、平成十年十二月からはすべての産業廃棄物に使用が義務づけられております。このマニフェスト制度は、排出事業者が委託により産業廃棄物の処理を行う際、処理が確実に行われていたかを確認するものでございまして、排出事業者のマニフェストを委託業者に交付する義務を負っております。
 従来のマニフェスト制度では、これまで中間処理の終了までしか確認できませんでしたが、平成十三年四月から法改正によりマニフェスト制度がより強化され、排出事業者は最終処分の終了まで確認しなければならなくなりました。県では、法改正に伴い、本年三月に社団法人和歌山県産業廃棄物協会主催の講演会において、新マニフェストの運用に係る説明を実施したところでございます。今後も、排出事業者及び処理業者に対してマニフェスト制度の周知徹底を図り、適正処理を指導してまいります。
 次に、廃棄物に関する諸法律の実施に伴う県行政としての対応と施策についてお答えします。
 昨年成立した循環型社会形成推進基本法を初めとする廃棄物リサイクル関連法につきましては、都道府県に直接責務があるものとないものがございます。しかしながら、これらの法律は、循環型社会構築を進めていく上で不可欠なものでございます。県としても、各法律を所管あるいは関係する庁内の各部局が一体となって取り組んでまいります。
 なお、個々の法律の運用についてですが、まず議員ご質問の建設リサイクル法については土木部が所管しておりまして、県の役割の主なものは、解体業者の登録、発注者の解体計画に対する指導、受注者が取り組む分別解体及び再資源化への指導であり、今後、建設リサイクル法に係る政省令の施行を踏まえ、積極的に建設工事における廃棄物のリサイクルに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に家電リサイクル法についてですが、この法律は、消費者が排出した廃家電を家電小売店が引き取り、メーカーがリサイクルする制度であり、本年四月から施行されることになっております。県としては、この法律の円滑な施行を目指すべく取り組みを進めておりまして、メーカー、家電小売店、市町村の協議の場を設定して対応を進めるとともに、広報紙「県民の友」や広報番組「きのくに21」を通じての普及啓発に努めているところでございます。
 また、不法投棄対策についてでございます。不法投棄対策を含めた一般廃棄物の処理については、基本的に市町村行政の中で実施されるものと考えておりますが、県では、平成十二、十三年度において、国の緊急雇用対策事業の一環として、市町村が実施する不法投棄された廃棄物の撤収事業に対し、各市町村からの要望に応じて補助を行っているところであります。今後は、エコポリス事業や、県、市町村、警察が参加し、振興局単位で設けている適正処理連絡会議などと連携し、不法投棄の防止に努めてまいります。
 グリーン購入法につきましては、平成十二年五月に成立し、本年二月二日に環境物品等の調達の推進に関する基本方針が国において定められたところです。基本方針では、環境に配慮した物品について優先的に購入する品目を定めるとともに、その判断基準を設定しています。県におきましては、物品の調達や公共工事に係る資材等の使用において環境物品の調達を推進するため、国の基本方針を踏まえながら、関係課室等から成る連絡会議などを設置し、調達方針を策定するとともに、環境に優しい製品の購入に努めてまいります。
 次に、廃棄物処理計画の策定の考え方と策定手順についてでございます。
 廃棄物処理計画は県としての廃棄物処理の基本方針となるものであり、この計画には、一般廃棄物、産業廃棄物を合わせた発生、処理、処分リサイクルの現状、減量化の方針、施設整備の方針等記載するとともに、ごみ処理広域化計画、市町村の一般廃棄物処理計画、多量排出事業者の廃棄物処理計画についても盛り込んでまいる考えでございます。
 また、広域ブロックという前回のシステムは変わらないのかとのことですが、これは、一般廃棄物処理施設の集約化を図るために県がごみ処理広域化計画を策定する際に用いた考え方であります。今回の廃棄物処理計画は一般廃棄物、産業廃棄物を含めるものでございますので、その策定に際しては、最も適した手法を検討してまいりたいと考えております。
 また、廃棄物処理計画に実効性を持たせるためには、議員ご指摘の関係者と十分協議していく必要があるものと考えております。今後の策定作業に際しては、庁内の関係課や各振興局、市町村、事業者や関係団体等と協議し、広い範囲の意見を取り入れてまいります。
 以上です。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 まず、二点目の和歌山県の森林・林業施策について。
 知事から大変前向きなご答弁をいただきまして、ありがとうございます。和歌山県が抱える課題で、この環境問題と我が和歌山県の七七%を占める森林・林業施策について、ぜひとも県の施策の重点にしていただけらありがたいと思います。大変前向きな答弁をいただきましたので、私たちも一生懸命頑張っていきたいと思います。私もこういうことを感じ出したのはごく最近でございまして、そういう意味で私自身も反省しているんですが、やはり県民自身も、自分たちの森林・林業を発展させるという思想になかなか立ち切れていない部分もあります。
 今、田辺市では、よみがえらせよう二十一世紀の「紀(木)の国」ということで、自主的に民間の設計士や施工業者の関係者がつくって、どうして紀の国の紀州材を使おうかとか、また消費者を巻き込んでいこうという運動が今盛り上がっていますが、そういったものをぜひ各地域につくっていただきたい。県が旗を振り回すのではなくて、木材提供者、それから設計者、施工者、そして消費者というネットワークに依拠しながら和歌山の森林・林業を守っていくための運動をぜひとも展開し、指導していただけたらありがたいなと思っております。
 二点目の問題でもう一つ強調しておきたいのは、七八%近く輸入材に圧倒されているわけですけれども、実際に価格を見ますと、内材でもヒノキは高いですが、杉の木は米国材とほとんど価格が変わりません。そういう意味では、国内における杉の木をもっと見直していく必要があるのでないか。昔から節のある木はあかんとしていたのが、今は全国的にむしろ節のある木がいいんだということで評価が変わってきています。価格が外国の米国産と立ち向かえる木は、これだけです。高級なヒノキもいいのですが、並材としての杉も見直していく必要があるのではないかと、今痛感しているわけです。これについてもぜひ取り組んでいただけたらありがたいと思っております。よろしくお願いします。
 それから、環境の問題です。
 これについて答弁していただいたんですが、とにかく幾ら質問し、当局が答弁しても、先ほど知事にもお願いしましたように人と組織がなかったら、この種の問題はなかなか取り組めない。今まで余りにも後追いの行政で、お金も人もかかってしまって、実際前向きな環境行政に一歩踏み出せないということはよくわかるのですが、これを踏み出すための体制をとってほしいということです。
 知事が四つのいわゆる局を設置しました。格好のいいように四つつくったんですけれども、本来、行政が一番やらなければならない環境問題についても局体制にしてもらいたい。環境問題とか、医療、福祉、教育というのは、行政がやらなければできないんですよ。そういう意味で、特にこの部分は重視してほしいなという期待もあってお願いしたわけであります。そういうことで、よろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますが、梅の問題です。
 企画部長に提言というか、特別に再質問しても、当事者でないですから、なかなかわからないと思いますが。私は、極端に悪く考えれば、いわゆる脱硫装置をつけるのに便乗して、燃料の原油に十倍もの粗悪なものを使い、安い悪いものに転換するのによい機会だったなというふうにしか受け取れないわけです。しかも、排出される量が十分の一に減ると言いますけれども、我々が単純に考えても、今までの〇・一でもかなり厳しいのに、季節的に見て夏とか春とか秋とかいろいろありますが、二〇%から三〇%と上がるときには、降っている粉じんが現状でもかなり収拾されているわけです。だから私は、〇・一の十倍の悪質な燃料を使うことによって、十分の一が排出されたときは大丈夫なんですよ、十分の一クリーンなものになるんですよと言われても、なかなか今起こっている現象から素直に、はいそうですかというわけにはいかないんですね。この点、我々生産農家や関係している皆さんは非常に危惧を感じております。
 関西電力がなぜこういうふうに打ち出してきているかというのは、石油連盟の資料によっても、今、実際に、いわゆる硫黄分の〇・一%というような原油は、もうないんですね。もうほとんど日本に入ってこない。一%以上──一%から二%、三%という全く粗悪な原油が今どんどん日本の国内に入ってきているんです。そういう意味では、企業自身の経営の問題で〇・一から十倍の一・〇以上のものを使ってくるというように我々は端的にとらえていかないと、排出が十分の一だから大丈夫なんですよというとらえ方はいかがなものかと。その点、やっぱり企画部も農林水産部も真剣に物事を見ていかないと、ただ関西電力から言うてきたからそれはそれでいいんだということにはならない。このことについて、もう少し真剣に、不信を高めないように取り組んでいただけたらありがたいと思います。
 それからもう一点ですが、今度は農林水産部長にお願いします。
 知事の答弁の中で、「ばいじんの直接暴露については、技術的な面などから現在のところ難しいものと考えております」とありました。これは、私の質問に対する答弁でありますが、知事の答弁ではないと思います。絶えず農林水産部長の言っていたことをそのまま知事がかわって答弁されたにすぎないわけであります。
 これは、私が先ほど述べましたように一人の東大教授の見解であり──もちろん大気の専門家であることは承知していますが、しかしこの教授自身の幾つかの研究レポートの中で、大気と植物についての関係では、その影響を認めたレポートも存在しております。それは、梅に関係ありませんよ。いわゆる大気と植物というレポートの中では、植物にかなり影響するとの研究結果の発表をされておりますが、これは研究会の学者の皆さんが異口同音、梅については知識など何も知らないと事前に断った上での発表でありました。これは初めての経験だということで見解を述べられたのです。そういう状況の中で、しかも二年間の研究はほとんど形ばかりのもので、現場での実証研究はやっておりません。知らない中で、事前学習も事前研究もない中での二年間。しかも、現場へ入る実証試験なんか、ほとんどやっていません。このうめ対策研究会の報告書は、ほとんど関西電力と紀南農協がまとめた資料をもとにしており、学問的机上論でレポート化したものにすぎないということは、もうわかり切っています。それを皆さんが認めているわけです。資料もそれに基づいてやりましたとこの研究者が言っているんですから、間違いありません。
 そういう意味では、いわゆるばいじんの直接暴露やそのばいじんを提供してもらって一回研究しようという素直な意見に、そういう資料を盾にとって、ただもう事前に研究してもむだやということではなかなか納得しにくい部分があるんですよ。研究もしないで。我々は何も無理強いしているのではなく、そういうことも含めてやろう、一緒にやったら結果が出るのと違うか、シロならシロでいいですよと、こう言っているんですから、今そういう積極的な姿勢が必要じゃないかと。
 農林水産部長、もう研究してもむだや、研究の成果が得られるのかというように言っていますが、例えば科学的に調査可能とする学者や研究者がいれば、それらの人と研究する姿勢にあるんですかと、逆に言いたいんですよ。そんなことをしてもむだやという一東大教授とは違って、じゃ、実際に直接暴露試験やそのばいじんに基づく葉面、またそういう木に対する影響調査をこういう形でやれば可能なんですよという提供があれば、一緒になって研究をしていく姿勢にあるんですか。このことをまず農林水産部長に聞きたいと思います。その一点だけです。
○副議長(尾崎要二君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 原議員の再質問にお答えをいたします。
 私は、解明に向けての調査研究に当たりましては、これまでのわかっていることだけの方向づけだけではなくて、何がどこまでわかっているか、あるいはわからないのは何か、あるいはまたそういうことに対していろんな意見があるという総合的な客観的視点と申しますか、そういうことからこの問題に当たっていくのが基本だと考えてございます。
 ですから、ばいじんの直接暴露の点につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますが、もちろん私どもは科学的評価ができる研究手法があるかどうかは検討してまいりますし、また別途、他の人々から新たな研究手法のご提案があれば、県としても他の専門家の意見も聞きながら総合的に検討し、対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 非常に前向きな答弁としていいのか──ちょっとわかりにくい部分もあったんですが。
 知事も言われました、広く生産農家や関係者の皆さんの声を聞いて今後研究を進めていきたいという答弁で、私はいい意味での理解をしております。したがって、最初の質問の第二点目で言いましたように、今までのように対峙的、対立的とか感情的ではなしに、いろんな方から研究テーマを与えられたら共同して、お互いの土俵の中で論議をしていくという姿勢に県の行政もどんどん立っていただければ早期に解明されていくのではないかと私も期待していますので、どうぞ今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 これで終わります。
○副議長(尾崎要二君) 以上で、原日出夫君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十五番金田 眞君。
  〔金田 眞君、登壇〕(拍手)
○金田 眞君 議長のお許しを得ましたので、一般質問を行わせていただきます。
 もう十二番目ということで先輩議員の方々と重複する点が出ていると思いますが、その点はどうかご勘弁をいただきたいと思います。
 最初の項目、自然と健康を守る観光行政の実現について質問いたします。
 この前、第一種中高層住居専用地域での自社処理も含め、産業廃棄物の処理を許すのかという問題を質問してまいりました。おかげさまで、その新宮市松山の産業廃棄物処理については、昨年の末、県当局が不許可の方針を打ち出す中で申請者が処理場の許可申請を取り下げ、一つの解決を見ました。この間、環境と生活を守る運動に取り組んでこられた地域住民の皆さんに敬意を表するとともに、もう少し早く結論を出せなかったのかなど、いろいろな反省点もございますが、県当局のご努力に心から感謝申し上げる次第でございます。
 さて、問題はすべて解決したわけではなく、その松山の業者の自社処理場において、現在、住民には二つの不安と疑問があります。一つは、石綿を含んだ産業廃棄物や石こうボードが処理されているのではないか、マニフェストによる報告が適切に行われていないのではとの不安と疑問です。当局の対応をお尋ねいたします。
 二つ目に、小型焼却炉での自社処理について、地元住民から煙や異臭、後処理の方法に不安があり、保健所が何度指導しても一向に改善されません。残念ながら、こうした野焼き同然の焼却炉の使われ方は、新宮市内では他の二カ所でも見られます。環境と生活に悪影響を与えている、一部の目に余る焼却炉への毅然とした県の対応が求められます。県の決意をお聞かせください。
 ダイオキシン類対策特別措置法が昨年の一月十五日から施行され、事業所のドラム缶程度の焼却炉まで、県知事への届け出とダイオキシン類の測定の報告が義務づけられています。先ほどの三カ所の事業用焼却炉を含め、県下の焼却炉の届け出とダイオキシンの測定報告の状況、今後の対応についてお尋ねします。
 次にダイオキシンなど環境調査についてですが、新宮市南桧杖の国道改良工事現場の産業廃棄物ダイオキシン問題については、九月議会で、「今回の措置により埋め立てられた廃棄物のすべてを撤去できたわけではありませんので(中略)適正処理指導を行ってまいりたい」としておりました。その後の経過と今後の対策をお聞かせください。
 また、新宮市佐野の巴川製紙の跡地約二万六千平米を平成七年と八年で県土地開発公社がスポーツ公園用地として取得したまま、その後、進展がありませんでした。しかし、和歌山県及び土地開発公社で締結されている覚書によって、県は代行取得した翌年から原則として四カ年以内に土地開発公社から取得しなければならないことや、新宮市でもスポーツ公園の計画があることから、財政支援も含め県の対応をお尋ねしたところ、「新宮市の意向を十分聞くとともに連携を密にして、この土地の早期の有効利用に向け努力してまいります」との答弁があり、この三月市議会に十一億円の野球場事業が提案されております。しかし、この場所には焼却灰、スラッジなどが埋められているとの指摘があり、県にダイオキシンなどの環境調査をお願いしていますが、その内容と結果についてご報告ください。
 熊野川沿いの不法投棄についてですが、特に以前から指摘している白見の滝付近でのタイヤや自動車などが埋められている件は、九月議会でも「今後指導を強化してまいります」としながら、一向に原状回復がなされません。なぜですか。この間の経過と対策をお尋ねいたします。
 また私は、不法投棄防止対策など環境行政を推進するためには、やり得を許さない毅然とした対処と体制が必要であると主張してきましたが、知事の説明要旨で「廃棄物行政の組織強化を図り」とあり、その説明をお願いいたします。
 家電リサイクル法など、費用負担の明確化は不法投棄をふやすおそれがあります。これまで、環境問題で県警が果たす役割が大きいと、県警の環境犯罪対策推進計画や環境モニターの委託などを質問し、県警に不法事案の取り締まりをお願いしてきました。今回、県警は環境機動捜査隊(エコポリス)を設置し、不法投棄などの取り締まりを強化するとのことですが、どのような組織で、どんな活動になるのか、お尋ねいたします。
 次に、熊野川の河川管理についてお尋ねします。
 私が九月議会で、河川法の河川管理に関連し、熊野川河川整備計画について質問した際、「現在建設省で策定を進めております新宮川水系の河川整備基本方針を受けて、建設省、三重県、奈良県と協力して策定を進めてまいりたい」との答弁でした。しかし、三月二日の熊野川流域ダム湖下流団体協議会で、本宮町の河床整備事業としての砂利採取と海岸侵食との関連で、ある県職員が「砂利採取は和歌山県の許認可。三重県側の対策は独自ですればよい」と発言し、協議会が紛糾したと新聞で報道され、県の動向が注目されております。今回の発言の真意と今後の方針をお尋ねいたします。
 第二項目の「障害者に温かい行政の手を」についてですが、今回は特に精神障害者の地域生活支援についてお尋ねをいたします。
 我が国の精神障害者施策は一九〇〇年の精神病者監護法から始まりますが、そこには悲惨な歴史があります。例えば、その監護法の「監護」とは、看護婦さんの「看護」ではなく体を拘束する「監禁」と「保護」からとったもので、自宅の座敷牢を認める法でもありました。それから百年がたち、新しい精神保健福祉法が二〇〇〇年四月から施行されております。
 今日、病院から自宅へとの流れがありますが、現実は全国の精神病院には三十四万人が入院し、少なくともその四分の一の八万人以上の人たちが、引き取り手がないとか、退院したくとも生活のめどがつかないなどの病状以外の理由で病院暮らしを余儀なくされている社会的入院という実態があります。世界の先進国では既に脱施設化を終え、地域型の精神医療、保健、福祉サービスに転換し、先進地では精神病床数が人口一万人に四人から六人であるのに対し日本は二十一床との報告もあり、平均在院日数も非常に長いと指摘されています。入院の必要のない入院という不条理なことが、今も我が国ではあります。その主な原因は、退院できる人たちを受け入れる地域の体制が整っていないからですが、入院の必要のない人が退院できれば入院費を減らすことで地域社会支援の財源を確保できるのではないでしょうか。
 一九九三年、障害者基本法が成立し、第二条の「「障害者」とは、身体障害、精神薄弱又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」との、精神障害者も含む「障害者」の明確な概念によって、精神障害者も他の障害者と同様、社会福祉の必要性が規定されています。
 九五年の障害者プランでは、精神保健福祉の社会資源の整備目標として国や和歌山県においてもその数値目標が掲げられ、県では精神障害者社会復帰施設設置や小規模作業所、精神科デイケア、精神保健福祉相談員の配置増などが進められています。しかし、精神障害に対する福祉施策のおくれは、制度的にも社会的資源の量的な点から見ても、他の障害とのそれと比較して歴然としてあります。障害者や家族の強い願いである地域生活支援を前進させていく上での問題点ともなっております。
 さて、精神障害をめぐる最大の問題は治療上必要のない長期入院を解消して地域生活へ移行することであり、長期入院の放置は、障害を持っていても当たり前に地域で暮らすノーマライゼーションからかけ離れた人権問題となっています。全国的にも入院患者の少なくとも三割が社会的支援さえあれば地域生活が可能と言われている中で、長期入院を解消し、社会復帰を進めるためにどのような取り組みを行っていますか。
 この問題は、緊急、切実です。長期入院から作業所から社会復帰施設を経て地域社会へ移った精神障害者の方の話を三つ紹介させてもらいます。
 「病院を退院して働く場所も友達もなく、ひとりぼっちでぶらぶらしているのは絶対によくない。このように少しずつゆっくりと働けるようなところがあったら助かる」。また、ある方は、「病院を退院して、一人で生活して仕事をしていても、一人ではできないことがあります。相談相手は、ソーシャルワーカーさん、クリニックの先生、工場の職員さん、近所の人、仲間同士などです。そして、毎日生活していける楽しさ、うれしさを実感する毎日です。今もいろいろと大変なことがありますが、入院していたときと比べると、今の生活がいいです。仕事と仲間があれば、大抵のことは乗り越えていけます」。さらにある方は、「働くということは、生活や家族のためでもありますが、社会の一員として貢献することでもあると思います。私は施設を出てアパート暮らしですが、地域で住民として生活できる喜びをかみしめています。実はひとり暮らしの不安も随分ありましたが、近所の同じように住んでいる仲間もいるし、乗り切れそうに思えてきました。私たちはひとりぼっちではない。生きている限り、自分のできることを精いっぱいやって、時には助けたり助けられたりしながら仕事を持ち続けたいと願う毎日です」。こうした声からも社会的入院の改善が求められますが、退院が進まない原因には、繰り返しますけれども、地域生活を支える社会的資源の圧倒的不足があります。
 現在、精神障害者社会復帰施設を運営する法人事業体は、和歌山市と田辺市の二カ所です。精神障害者小規模作業所は五市十一町二十カ所で、小規模作業所だけでも利用数の合計は二百五十名を超えています。これは、二十名定員の通所授産施設十二カ所分に相当する役割を果たしており、民間の運動と法的補助金の一定の成果であり、これを全県的に多く設置することが重要です。なぜなら、作業所の多くが各地域の障害者の生活支援の発信の役割を果たし、生活の場支援や当事者活動が活発化していくからです。そのため、県行政には、作業所設置に伴う支援策を積極的に展開すること、そして拠点事業の展開を容易にするため従来の小規模作業所の小規模通所授産施設への格上げが必要で、地域の土地の提供や基本財産の補助、仕事の確保などの支援が求められていると考えられます。県の見解をお聞かせください。
 精神障害者の社会復帰を進めるために、地域において病状が急変した場合の精神科救急医療の確保が不可欠です。県では、平成十年度から精神科救急医療システムを整備しました。県の医療圏を三医療圏とする方針をお持ちだと思いますが、二十四時間三百六十五日の一般救急と同様の救急医療にするための今後の計画をお示しください。
 障害者施策の格差については、障害者手帳を取得した際の福祉サービスは同等に行われるべきだと考えます。具体的には、和歌山バスなどの乗車運賃の割引、高速道路利用料の減免、授産施設等での給食事業の実施、一部で実施されている重度心身障害者医療費助成制度の精神医療への適用の全市町村での実施などについて、また平成十四年度から本格実施される精神障害者ホームヘルプ事業での障害者本人負担の軽減と介護保険との関係で、自己負担の軽減化は必須の課題です。当局の考えをお尋ねします。
 県下的な当事者の活動の育成は、県精神保健施策の責務です。精神障害者当事者の県下唯一の自主的組織である和歌山県精神障害者団体連合会の活動への財政支援によってピアサポート(相互支援)を一層促進させることが障害者の社会経済活動への参加と自立の実現といった精神保健福祉法の目的実現に有効と考えますが、検討をお願いしたいと思います。
 第三項目の市町村合併について質問いたします。
 昨年十二月六日、全国町村長会が市町村合併に関する緊急決議を行い、その中で、住民に最も身近な基礎的自治体である町村は、歴史的な経緯、文化、風土や自然的、地理的条件が異なっていること、市町村合併は地方自治の根幹にかかわり、なおかつ住民生活に大きな影響を与えることから、関係市町村の自主的な判断を尊重することが何よりも重要であるとしています。そして、国及び県に対して、市町村合併の理念と目的を明確にすること、理念や目的を明確にすることなく数値目標を設定しないこと、住民投票制度については地方公共団体の自主性を損ねることのないよう十分に配慮すること、市町村合併の強制を意図した地方交付税の見直しは絶対に行わないことなどを求めています。
 私は、二十一世紀の日本を展望するとき、地域固有の自然、歴史、文化を生かした安心して暮らしていける個性のある地域、自治体づくりが必要であり、住民が経済的、文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識を持った市町村の存在がますます重要になってくると思います。また、地方財政の確立を中心とした団体自治と住民自治が保障され、民主主義がますます強化され、行政体制の高度化と近代化は絶えず追求されるべきであると考えますが、地方分権の大きな潮流の中で今回の平成合併の根幹を貫く行政効率主義では、特に小規模自治体は押しつぶされると懸念するものです。
 政府は、十二月一日に閣議決定した行政改革大綱において、市町村合併後の自治体数を千を目標とするという与党の方針を踏まえ、自主的な市町村合併を積極的に推進するという形で、現在の三千余の市町村数を千に削減するという数値目標を掲げました。閣議として市町村を三分の一に減らすという目標を掲げたのですから、自主的という格好はつけても、何としても千にするということです。
 また県も、合併推進要綱において、現在の和歌山市を除く四十九の市町村を八から十六の市町に再編合併することを示しており、国の行革大綱と同じく数値目標を設定したものですから、自主的どころか、強権発動をちらつかせたものであり、地方自治、地方分権の精神に反するものです。
 県の要綱では、合併モデルを示し、和歌山市以外の四十九の市町村が八つの自治体に合併されると職員数が二千四百六十二人、約三割減るなど、幾つかの想定数字も出しています。こうした予測が意味するところは、現在の四十九の役所のうち四十一が支所になったり廃止され、歳入も歳出も二割から三割が削減された姿です。東牟婁では、那智勝浦町から新宮市、北山村までを、西牟婁周辺ではすさみ町から龍神村までをカバーする壮大な面積を持つ市が示されていますが、こうした広大な自治体が基礎的自治体と言えるのか。歴史的経緯を無視してこんなパターンをつくってまで合併を推し進めようとするのは許されないことだと考えます。
 また市町村合併の必要性について、県の要綱は、少子高齢化など幾つかの課題を掲げ、市町村の行政体制の整備充実を図ることが緊急の課題であり、合併がそのための有効な対策と考えられるとしています。しかし、行政体制の整備充実は合併をしなくても実現できるはずであり、町村会が要求しているように国が財源を地方に委譲し、国や県が必要な支援を行うことで可能です。
 知事にお尋ねいたします。国や県が示す要綱では市町村合併後の数値目標が既に参考の域を超え、合併問題の自主性に反すると考えますが、見解を明らかにしてください。
 県として、行政体制の整備、住民福祉の向上のため、国に対して地方交付税の引き上げなど財源確保の対策を求めていくことが町村の求めるところであると考えますが、知事の考えをお示しください。
 道路整備や農業予算、福祉施設の配置問題を合併問題と絡ませて、合併に積極的な市町村に予算を厚く配分することはしないと約束してください。
 平成十七年三月三十一日という期限の中、今後十分な論議が尽くせないで、最終的には強権の発動によって合併が押しつけられるのではないかと心配します。合併協議会の設置については、知事に勧告権が与えられています。この勧告権について、知事の考えを伺います。
 最後の項目の、新宮周辺の医療体制の整備についてです。
 紀南地域の特におくれた救急医療と医療内容の充実を求めて、昨年の九月議会で、新宮市民病院への県の格別な財政支援について要望いたしました。その後、市民病院も、新たに新宮市立医療センターと名前を改め、予定よりも早く二月一日には新宮市の管理となり、救急部の設置や新たに診療科目もふやすなど、住民の命と健康を守るために五月の開院に向け、関係者の大変な努力の中で作業が進められております。そうした中で、県立医大には医師派遣について積極的に取り組んでいただいたり、県の二月補正では救急医療対策として一億円が計上されており、感謝するものであります。しかし、病院建設や医療機器等に要する財源は企業債によるものであり、今後の償還は大変厳しいものです。特に今後六年間は大変厳しく、年間八億五千万円もの償還となります。そのために、今回の単発的な財政支援にとどまらず、どうしても継続した県の格別な財政支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、休日急患診療所については、昭和四十九年から平成七年の間に和歌山、那賀、伊都、有田、御坊、田辺と設置されていながら、いまだ新宮広域に設置されていないのはおかしいとの趣旨の私の質問に対し、福祉保健部長は、「今後とも休日夜間の診療体制が未整備な地域の整備を促進する」との答弁から、その必要性は十分認識されていると考えます。その上に立って、例えば提案ですが、新宮市民病院の跡地利用の中で保健センターをつくろうとするときに、その保健センターあるいは今の新宮市立医療センターに新宮広域休日急患診療所を設置することは可能なのか、その実現のために検討、努力なされる用意があるのか、お聞かせください。
 これで、私の第一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの金田眞君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 廃棄物行政の組織強化についてお答えを申し上げます。
 廃棄物問題は複雑多様化する一方であり、行政ニーズも年々増加してきております。今後、各地で発生している不法投棄や廃棄物の不適正処理の監視体制等について、より一層充実強化を図っていく必要があるものと考えており、このため来年度から、先ほども申しましたように県警察においては環境機動捜査隊──これは通称「エコポリス」ということで、我が国では初めてのものでございます──これを創設するほか、環境生活部の中に廃棄物対策室を、また各振興局には監視指導員を配置するなど、組織の充実強化を図ってまいります。
 次に、市町村合併についてのご質問でございます。
 まず、市町村合併推進要綱における合併パターンの市町村数や財政、職員数のモデルにつきましては、市町村並びに住民の方々が市町村の合併についての取り組みを行う際の参考や目安としてお示ししているものであり、これを数値目標と考えているものではございません。国の行政改革大綱についても同様であると考えております。
 次に地方財源の問題でございますが、地方交付税につきましては、本県の市町村にとっても重要な財源であり、その総額の確保が図られるよう努めていくことは必要でございます。しかしながら、国、地方を通じて巨額の借入金残高を抱え、今後本格的な財政構造改革を進めていかなければならない中で、これまでのように地方財源を確保するには大変厳しいものがあるということも、また事実であろうかと思います。このため、それぞれの市町村が将来を見据えて、そのあり方について議論を深めていくことが重要であると考えております。
 次に、お尋ねの予算配分でございますけれども、もとより、それぞれの行政分野のニーズを的確にとらえて適切に対応してまいりたいと考えております。
 なお、合併に際して、新市町村建設計画を着実に実行するために相当な財政需要が生じるところであり、県としても積極的に支援していくことが必要であると考えております。
 最後に、合併協議会設置についての勧告につきましては、公益上必要がある場合、関係市町村の意見を聞いて勧告を行うことができることとされております。昨年、地方分権推進委員会から合併推進に関する国の新たな指針に勧告の基準を盛り込むよう意見書が出されているところでもあり、この動向を注視してまいりたいと考えております。
○副議長(尾崎要二君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 「自然と健康を守る環境行政の実現を」の「住民の声を反映した環境行政の確立を」のうち、まず第一点目の、野焼き同然の事業用焼却炉対策などの処理のあり方についてお答えします。
 石綿を処理しているのではないかとのことにつきましては、現在の調査ではその事実を把握してございません。また、マニフェストは、産業廃棄物の排出事業者が産業廃棄物処理業者に処理を委託するときに交付するシステムとなってございますので、自社による運搬、処理に関してはマニフェストの交付が必要ないこととなってございます。
 一方、破砕や焼却後の残渣の処理を他人に委託する場合にはマニフェストを発行する必要があり、議員ご指摘の事業者については立入調査時に交付状況の報告について指導しておりますが、いまだ提出がありませんので、さらに強く指導いたします。
 次に、自社処理に使われている焼却炉への対応についてでございます。現在、炉の構造改善等の指導をしているところでございますが、指導期間も長期に及んでいることから、より厳しい対応についても検討してまいりたいと考えてございます。今後も、不適切な焼却炉につきましては、パトロールの強化にあわせ、設備の改善を厳しく指導してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、二点目の事業者焼却炉の届け出とダイオキシン報告についてお答えします。
 ダイオキシン類に係る特定施設の届け出状況につきましては、平成十三年二月末現在、二百十五事業場からの届け出を受理してございます。この内容につきましては、廃止届が十二事業場、休止中が四十五事業場ございまして、稼働中は百五十八事業場となってございます。
 なお、議員ご質問の新宮市内の三事業場のうち二事業場については届け出済みであり、そのうちの一事業場については、その後、休止の届け出を受理しております。
 また、事業者からの自主測定結果報告につきましては、現在、稼働中の事業場のうち二十五事業場から報告を受理してございます。
 ちなみに、議員ご質問の新宮市内の一事業場については、現在のところ未報告となってございます。
 さらに、特定施設の届け出並びに自主測定結果報告に係る対応につきましては、保健所を中心に、市町村、関係団体の協力のもとに届け出の周知徹底を図るとともに、公害パトロールなどを通じて届け出指導に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、熊野川沿いの不法投棄対策についてでございます。
 昨年発見いたしました廃棄物につきましては、指導の結果、撤去を完了してございます。今後も、道路建設工事の進捗に伴い、新たな不適正処理が発見された場合、行為者に対して適正処理を指導してまいる考えでございます。
 また、不適正処理を防止するため、本年に入ってから月に一回程度、新宮保健所衛生環境課、東牟婁振興局建設部管理課並びに県民行政部総務課が合同で熊野川沿いのパトロールをしているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 巴川製紙跡地の環境調査についてお答えいたします。
 土壌の環境基準に定められている項目について、調査中であります。重金属類については問題なしとの中間報告を受けております。ダイオキシンにつきましては、四月中旬に調査結果が出る予定でございます。
 次に、熊野川沿いの不法投棄対策についてでございます。
 九月議会以後においても関係機関と連携し、昨年十月三十日及び十二月二十二日に書面において指導したところであります。これに対し、撤去方法等を検討する期間が欲しいとの申し出がありましたので、この対応を早期に見きわめ、この不法投棄については法に照らして厳正に対処してまいりたいと考えてございます。その際、監督処分等を視野に入れながら対処してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、本宮町における河川整備でございます。
 この整備は、浸水常態箇所の治水対策として効果があることから行っているものであります。先日の熊野川流域ダム湖下流団体協議会における県職員の発言内容を確かめたところ、その真意は、本宮町での河床整備と三重県側の海岸侵食についての因果関係が明確でないことを申し上げたものでございました。今後、国土交通省が策定する新宮川水系河川整備基本方針に基づき、本宮町の河床整備のあり方について検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 精神障害者の社会的入院と社会復帰についてでございます。
 精神病院における長期入院につきましては、医療的必要性を含め、さまざまな理由により行われるものと考えられますが、議員ご指摘のとおり、入院医療の終了した患者が早期に退院し、地域で生活することのできるよう社会復帰施策を進めることは重要であるものと認識してございます。
 平成十年に策定をした紀の国障害者プラン実施計画に社会復帰施設等の確保目標を定め、整備に努めているところでございます。地域での社会復帰に関し、社会復帰施設とともに大きな役割を担っているいわゆる小規模作業所につきましては、安定的運営や質の向上を図るため、より緩やかな要件で法定の社会復帰施設となることができるよう、平成十三年度から小規模通所授産施設が制度化されることとなりました。本県では、現在のところ、平成十三年度当初に同施設に移行する予定の精神障害者の小規模作業所はありませんが、今後移行を検討するところに対しては、関係者や地元市町村に対する助言指導とともに、精神保健福祉法に基づく補助を適切に実施し、支援してまいりたいと考えております。
 次に、精神科救急医療の充実についてでございます。
 精神障害者の社会復帰を進めるためには、休日・夜間にも安心して受診できる精神科救急医療体制の整備を図ることが重要であり、平成十年度から精神科救急医療システム整備事業を実施し、休日及び夜間における急性発症患者等に対する医療の確保を図っているところでございます。
 精神科救急医療システムにつきましては、現在、県立五稜病院と紀南総合病院新庄別館を精神科救急医療施設に指定して実施しておりますが、和歌山市内に同施設を確保する必要性等が指摘されていることも踏まえ、今後、精神病院協会等の関係機関と協議を行い、制度の充実が図られるように努めてまいります。
 次に、他の障害者施策との格差についてのご質問でございます。
 障害者の福祉施策につきましては、障害の種別にかかわらず地域での社会復帰が適切になされるよう、サービスが確保されることが原則であると考えております。個々の障害に対する制度の成り立ち等もあり、一律に同一の制度を適用することは困難なものもございますが、障害者手帳所持者に対する料金の減免等、同一であることが望ましいと考えられるものについては関係方面に働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、団体への公的補助についてでございます。
 精神障害者の地域における自立と社会参加のため、当事者や家族が構成する団体は重要な役割を担っているものと認識してございます。これら団体が実施する事業等において、本県の精神保健福祉の向上のため有益と考えられるものについては助成を検討するなど、その活動内容を見ながら適切に支援をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、ご質問の新宮周辺の医療体制の整備でございます。
 新宮市立市民病院が本年五月、移転整備により開院される予定であり、救急患者への対応につきましても、医師及び医療従事者や診療設備をさらに充実強化されると聞いてございます。このため、県といたしましても、三次救急医療の補完的な機能を新宮市にお願いしているところであります。これに対する施設及び設備整備に係る補助金を補正予算案に上程をしてございます。
 次に新宮休日急患診療所の設置でございますが、さきの議会でもお答えをいたしましたが、新宮広域における保健医療計画の中で、圏域内に休日夜間急患センターを整備するよう検討することとしてございます。現在も、振興局を中心として、圏域内での医療に関する課題の中で検討をしてございます。もちろん、場所等についても関係市町村で議論をいただきたいと考えてございますが、関係市町村や関係機関と連携して積極的に推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕
○警察本部長(岩井良行君) 環境機動捜査隊についてお答えいたします。
 産業廃棄物の不法投棄などを初めとする悪質な環境破壊行為が増加傾向にあり、大きな社会問題となっているところでございます。こうした現状を踏まえ、県警察では、環境犯罪から県民の健康と生命、身体を守るため、これまでの対策から一歩踏み込んだ環境保全対策の徹底を図るために全国初の環境機動捜査隊、通称「エコポリス」を創設するものでございます。
 まず、環境機動捜査隊の組織体制でございますが、取り締まりの中核となります本部捜査班、県下十四警察署を紀北、和歌山、紀中、紀南の四ブロックに分けたブロック捜査班、水上警察隊の警備艇を活用した水上監視班、警察航空隊のヘリコプターを活用した航空監視班で構成する、隊長以下約五十名の組織でございます。
 また、環境機動捜査隊の活動内容でございますが、主なものといたしましては、県民の健康を直接脅かす有害物質に係る事犯、行政指導を無視して行われる事犯、暴力団が介在する事犯等、悪質な事犯に重点を指向した取り締まりを行うほか、不法投棄等監視拠点として指定した県下七十カ所の交番・駐在所、既に委嘱しております紀の国環境モニターなどと連携した各地域における不法実態の早期把握、県初め関係機関と連携した原状回復措置の促進など、総合的な環境保全対策を推進するものでございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十五番金田 眞君。
○金田 眞君 ご答弁、どうもありがとうございました。
 知事や県警の環境対策への取り組みには、感謝申し上げます。特に廃棄物の対策室や監視指導員の配置、そしてエコポリスなど、どうかよろしくお願い申し上げます。
 さて、合併論は、先に合併ありきではなく、我が町の現状から出発して、安心して暮らせる町づくり、自治体づくりを考える上で十分な時間をかけて論議されるべきであり、その際、政策論議だけではなく、地方自治の原則や市町村自治体の存在意義について、地方自治制度論も踏まえた論議が求められていることを紹介しておきたいと思います。
 土木部長にですが、本宮町の河川整備事業に関して、職員の発言の新聞報道はまことに残念です。今後は熊野川河川整備計画の策定に向けて、三重県はもちろん、関係機関と一層力を合わせて取り組んでいただきますことを強く要望する次第でございます。
 また、環境生活部長にですが、これはご答弁は要りませんけれども、あえて申し上げておきます。焼却炉の問題ですけれども、休止しているとか言っておりますが、実際は休止しながら焼却をしているという実態も、私は現認しております。そういうことについても十分目を配っていただきたいと。このことも要望しておきます。
 再質問です。まず、土木部長に二点あります。
 一つは野球場のダイオキシンの調査ですが、二万六千平米の広い場所において埋められているところを確認しないままで、またその物質を確認もしないで行った今回の調査であります。そのうちの一点の調査では、他の場所で、すなわち市田川とか佐野川といったところの河川しゅんせつの際の土砂を持ち込んできて、それを検査したということであります。この三地点の調査結果にどれだけの説得力と住民の安心が得られますか。これが完全な調査だと言えるのでしょうか。
 私は素人ですから、よくわかりません。しかし、ここに環境庁の「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル」がございます。私は素人ですが、素人なりに見ました。そこには、「試料採取地点は、あらかじめ資料等調査により地域全体の現在及び過去の土地利用状況、ダイオキシン類の発生源の状況等について把握し、土地の履歴等を明らかにする」、また「試料採取地点は概ね千平米につき一地点程度」とすると。まあ、これでいくと大体二十六地点となりますが。これがすべて当てはまるかどうか、私はわかりませんよ。しかし、一つの目安としてこうしたマニュアルがあれば、再度検討する必要があるのではありませんか。安心、安全のために行った調査が誤解を招くような調査では、逆効果であります。再度の答弁を求めます。
 二つ目は、熊野川の不法投棄です。
 法に照らす、あるいは監督処分等、これまでより一歩踏み込んだご答弁をいただいており、非常にありがたく思いますが、この一件は昭和六十三年からの口頭指導から始まっております。しかし、一向に解決されておりません。
 ここに、振興局が業者に当てた文書があります。内容は、「あなたが、新宮市──番地です──の一級河川熊野川沿いで行っていた、不法埋立については、河川法第二十七条(土地の掘削等の許可)並びに同法第二十九条(河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の禁止、制限又は許可)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第十四条第四項(無許可営業)及び同法第十五条第一項(最終処分場の無許可設置)、自然公園法第十七条第三項(無許可土地形状変更)に抵触すると考えられるため、下記の事項に関する報告書を作成のうえ(中略)提出すること」と、このように書かれております。これは、平成十二年の九月二十一日までに提出しなさいという文書なのですが、まだ提出されておりません。河川法あるいは産廃法、自然公園法に抵触すると考えられる問題を十数年も解決できないでいること自体、私は驚きです。まさに行政の責任が問われると思います。
 知事は、昨年の九月議会で私に、「今後は、関係セクションがスクラムを組んで不法投棄や違法行為に厳正に対処し、美しい和歌山を次世代に引き継いでまいる覚悟でございます」と、ご答弁をいただいております。今回、まさに各課にまたがる違法行為の可能性があり、各セクションのスクラムと厳しい対応が求められると思います。再度の部長の答弁をお願いしたいと思います。
 次に福祉保健部長にですが、精神障害者対策については引き続きご努力のほど、よろしくお願い申し上げておきます。
 次に、再質問です。
 財政問題がすべての原因ではありませんが、非常に残念なことがありました。それは、新宮市立医療センターにヘリコプターが離発着できないということであります。施設は、もう既に完成しております。しかし、民家が近過ぎるなどほかの理由もあるらしいですが、使用できないということが現時点の話だと思います。
 なぜ、こうなったのか。簡単に言えば、最初は屋上にヘリコプターをおろすという話がありました。しかし、残念ながら金がない。建物の補強に一億数千万円かかる。その金を惜しんだ──と言ったら悪いですが、少しでも安くするために、地上の駐車場の隅っこの方に施設をつくってしまったんですね。ところが、できてみたら、これが使えない。施設内での場所を移転することによって可能になるかもわからないのですが、これをやろうとしても、また金がかかると。まあ、それ以外の問題もあるわけですけれども、大変です。もちろん、市の責任は重大でありますが、県の指導監督責任も問われると思います。財政支援も含めて、対策が求められております。部長、再度ご答弁をお願いいたします。
○副議長(尾崎要二君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 二点の再質問にお答えします。
 まず、巴川製紙跡地の環境調査についてお答えいたします。
 野球場としての利用という観点から、新宮保健所及び野球場の建設主体であります新宮市立ち会いの上で三カ所の調査地点を決めたところでございます。その土壌の採取というのは、環境省の土壌調査マニュアルに基づいて、三カ所それぞれにつき、中央一点と中央から五から十メーター離れたところ四方に四点をとりまして、一カ所に五点ということで、総計十五点で行ったところでございます。
 調査箇所のあり方についてのお尋ねでしたけれども、四月中旬に出る調査結果を見まして、新宮市あるいは新宮保健所とも協議の上、追加調査が必要かどうか適切に判断してまいりたいと考えてございます。
 次に、熊野川沿いの不法投棄についての再質問にお答え申し上げます。
 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、この不法投棄については法に照らして厳正に対処していきたいということで、監督処分等を視野に入れながら考えているところでございます。法律上の限界というものもあるわけでございますけれども、関係部局とも十分調整を行った上で、法に照らして厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) ヘリポートの関係でございますが、予算がかからない方法で市とも協議、指導をしていきたいと思います。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 二十五番金田 眞君。
○金田 眞君 福祉保健部長、ご答弁、どうもありがとうございました。本当に金がかからない方法でできるのなら、やってください。悪いですが、現場を知らないなというふうに私は思います。そのようないい手があったら、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 土木部長にですが、私、何度も言いますように、全く素人であります。素人は素人なりに、いろんな不安や疑問もあります。ぜひそれをわかるように説明していただいて不安をなくしていただきたいと思います。
 あえて言わせていただきますならば、今回の重金属の調査結果で出てきたのは砒素であります。しかし、ここは昔、佐野鉱山がありまして、この石を埋めたところでもあります。銅山ですから、いろんな残りかすもあった、そんなものも埋めたところなんだと、古老の方も言っておりました。そうしたこともありますので、検査のあり方等については、これがよかったのか悪かったのかわかりませんけれども、ダイオキシンが出ないことを何よりも願っているわけですから、そのことをあえてつけ加えさせていただいて、質問を終わります。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で金田眞君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後三時一分散会

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