平成12年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(神出政巳議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十七番神出政巳君。
  〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○神出政巳君 おはようございます。議長のお許しを得ましたので、通告に基づき、順次ご質問申し上げます。
 初めに、九月定例会に引き続き質問の機会をお与えいただきました同僚・先輩議員並びに会派の同志諸兄に感謝申し上げます。
 それではまず最初に、今議会冒頭の知事説明に対し、木村知事にお尋ねします。来年度当初予算編成についてであります。
 来年度は新世紀のスタートの年でもあり、当初予算につきましては、二十一世紀の和歌山県づくりに必要な事業について、当面の経済動向に十分配意しつつ、時代の潮流にマッチさせながら、限られた財源を思い切って重点的に配分し、積極的に推進していくとの決意を述べられました。一方、厳しい財政状況の克服と弾力的な財政構造の確立が喫緊の課題であることから、「行政の棚卸し」とも言うべき聖域なき事務事業の見直しを進め、財政運営プログラムを基本とした財政健全化に積極的に取り組んでいくとのお考えも披瀝されました。
 そこで私からは、先日来の質疑を受けまして、特に土木費のうちの道路の整備等に関してお尋ねします。
 マイナスシーリングということが強くプレッシャーに感じるわけでありますが、市町村からの強い要望のある道路の整備等に対しどのように取り組まれているのか、どのような指示を出されているのか、お尋ねします。
 続きまして、知事の所信に基づき、行政施策の効果及び評価と説明責任についてお尋ねします。
 過去にもこの場で取り上げましたが、近年、三重県を初め、先進的と言われる府県や市などの地方自治体あるいは大蔵省等の省庁において行政評価あるいは政策評価への取り組みが活発になされ、ベンチマーク方式や企業経営の財務諸表での資産評価などの方式を活用したものが開発され、一応の成果を上げつつあります。そして、これまでの公共事業が国において厳しい見直しの対象として取り上げられており、こうした動きにも行政評価や政策評価方式の導入が検討され始めました。
 もとより県民の一人として、実施された政策や行政施策などがどのような成果をもたらし、投入された資金に見合う成果を上げているかなど、明確にしていただきたいという思いがあります。
 これまでの行政チェックには監査制度などがありますが、歳出歳入事務あるいは資産管理等の適正運用に偏ったものとなってまいりました。また、外部監査制度の導入など、行政改革に市民オンブズマン等の果たした社会的な意味もあったのですが、こうした外圧的な取り組みからではなく、執行機関での行政システムそのものの中に自浄作用が働き、政策あるいは施策の評価と説明責任が位置づけられる必要があると考えます。
 そこで、知事にお尋ねします。
 和歌山県としては、国の省庁を初め他府県や市などの先進的な行政評価あるいは政策評価の取り組みをどのように認識されているのか。また、本県の取り組み状況はどのようになっているのか。さらに、今後の行政評価への取り組みと説明責任に関するお考えをお聞かせいただきたい。
 次に、IT総合センター整備の検討についてであります。
 県民が気軽にインターネットを活用できるようにするための普及啓発機能や行政サービス向上のため、教員の研修を行う教育研修センター機能にあわせ、市町村職員や県職員のIT研修機能を有する施設が必要であると考えており、これらの機能を有する、ITの活用に関する総合的なセンターについて担当部局に指示し、検討させているところであるとのことでありました。
 そこでまず、教育委員会が取り組んでまいりました総合教育センターとの併設ということについてお尋ねします。
 総合教育センターについては既に基本構想が作成され、そして今また基本・実施設計の指名競争入札も済み、具体的な作業が進んでいますが、どのように対処するおつもりなのか、お尋ねします。
 また、総合教育センターの立地が田辺市新庄ということについては、研修を受ける人の交通費、宿泊費等の経費が大きくなるとの議論があったこともご指摘しておきます。
 そして、木村知事が着任早々社長に就任された株式会社和歌山リサーチラボとの関係についてもお尋ねします。
 二十一世紀の頭脳集積を目指す情報・デザインのメッカづくりの中核産業高度化支援施設として平成八年五月に本社社屋が竣工し、和歌山県の情報機能の一元化ということで、財団法人和歌山県中小企業振興公社・産業情報センターが経済センターから転入し、その後、デザインセンターも併設され、今日に至っているところであります。
 かつての仮谷知事時代のテクノ&リゾートのかけ声に基づき、和歌山県挙げて大きな投資をしてきたこのリサーチラボは、人材育成事業、研究開発事業、情報提供・交流促進事業、調査事業、そしてレンタルラボ事業等を行っていますが、まだまだこれから大きく広く活用していただかなければならないのではないかと思います。いかがお考えでしょうか。
 本年度はインキュベーター事業にも取り組んでいただいておりますが、あきテナントも残っています。そして背後のインテリジェントパークについても、県や地域振興整備公団に大変なお力添えをいただいておりますが、半分くらいの区画が売れ残っています。IT関連施設等の誘致にも、今後とも大いにご尽力いただかなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 このような状況の中、IT総合センターを田辺市に設置し、県の情報化推進の拠点を二分するということはいかがなものか、お尋ねします。
 次に、心の東京革命行動プランに対し、わかやまの青少年プランについて環境生活部長にお尋ねします。
 九月定例会におきまして、私の青少年対策についての質問に対し、知事より、「来年度から五年間のアクションプログラムとして、わかやま青少年プランを現在策定中でございまして、近く中間報告を行って広く県民の方にも公表し、意見募集を行っていきたい」との答弁をいただきました。
 そこで、ここでは策定作業の内容と進捗状況についてお尋ねします。そして、時を同じくして東京都がスタートさせた、「次代のために、行動は今」心の東京革命行動プランについて少し述べたいと思います。
 心の東京革命とは、次代を担う子供たちに対し、親と大人が責任を持って正義感や倫理観、思いやりの心をはぐくみ、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく取り組みを東京都が全庁挙げて行うというものであります。このプランは、都民一人一人の行動指針及びそれをサポートする行動の施策を明らかにし、今後、心の東京革命を社会全体の運動として展開することを提案したものであります。大変わかりやすく、よくできていると思います。
 情報の発信地東京都が全国の先駆けとなってこの取り組みを始めたと、概要を記したパンフレットにはうたわれていますが、参考にされてはいかがでしょうか。また、このプランに対してどのようにお考えか、お尋ねします。
 次に、青少年対策を教育の分野に絞って教育長にお尋ねします。
 教育改革が進められる中で、昨今のマスコミが報じるニュースは、大学生の学力低下や青少年の病理的な社会現象といったものが多いようであります。それだけ、教育現場におられる先生方の厳しい環境と家庭、親、大人の教育力の低下が感じられます。現場でご活躍いただいている諸先生方の日々のご苦労、ご尽力に衷心より感謝と激励を申し上げたいと思います。
 最近の日経新聞の記事でありますが、東洋大学が留学生を対象に行った調査で、韓国や中国、タイなどアジアの若者から見て日本の若者が変だと感じる行動を多い順に挙げると、第一位が顔を黒っぽく塗るガングロ、第二位が電車内での床座り、第三位が車内の化粧などとなったそうであります。和歌山でも、もう珍しくない光景の一つ一つであります。
 こうした若者の行動現象の評価には、脳の未発達が原因と断じる研究者もいれば、人類が生き延びるためには一枚岩の状態より多様な方がいいという研究者もいて、適正な答えは見出せない状況であります。しかし、文部省の行った平成十一年度体力・運動能力調査結果の概要を見ると、さきの若者の行動現象にもつながるのではないかと考えられる状況が示されています。
 調査内容が途中幾度となく変更されているため、継続して把握できるのは握力等であります。この握力の状況を見ると、十三歳までは、ここ二十年間はその能力が横ばい傾向にあるものの、十五歳と十九歳では昭和六十年ごろから低下傾向を示しています。その間も身長の低下はないようなので、身長と握力を総体的な体力・運動能力としての見方をすると、さらに体力・運動能力に低下が認められるのではないかと危惧するわけであります。加えて、昭和三十九年以降の握力の年次推移が、余りにも日本の経済成長と衰退の傾向に類似しているように感じてならないのであります。
 国民の平均的体力と経済力に相関性があるかどうかはわかりませんが、社会の活力あるいは活気という面からは相通じるものがあるのではと感じます。経済面はともかくとして、地域の活力や活気という面からは、個人個人の活力あるいは活気の総体であると思います。うがった見方をすれば、サッカーJリーグのチームが本拠地を置いている地域は、地域的にも経済的にも活気と活力があると言えるのではないでしょうか。別の見方をすれば、経済的な活力がある地域であるからチームの本拠地に選ばれたと言えるのかもしれません。
 地域偏重ということが問題になってから久しいわけでありますが、教育における知・徳・体のバランスの重要性は多くの人の認めるところであります。スポーツは社会性を身につける徳育の面からも重要であると考えますので、現在の社会問題でもある若者の社会現象に対処し、県勢の伸展を図る上で学校スポーツや地域スポーツの推進にも積極的に取り組むべきであると申し上げ、教育長に、文部省が行っている体力・運動能力調査結果から見た本県の状況分析と問題点、また問題点ありとお考えになるならその対策についてお尋ねします。
 続いて、同じく教育長にお尋ねします。県立高校の学区制、通学区域の問題についてであります。
 いよいよ入試のシーズン到来となってきますが、近年、県立高校には、専門学科を初め総合学科に加え、全日制普通科単位制が設置され、学区制が外されて全県一区となり、受験生や保護者のニーズにこたえてまいりました。本年度からは普通科の二次募集の際にも導入され、好評を博しました。また、お隣の奈良県なども、かなり幅広い制度運用がされているようであります。
 きのくに教育協議会等でも議論されており、特に県下の中学生やその保護者に関心の高い、二十年余りの歳月を経た和歌山市の南北学区の解消を初め、全県的な通学区域の拡大に対する検討経過と今後の見通しについてお尋ねします。
 続いて、ジャスコ海南店撤退に対し、中心市街地商業等活性化基本構想について商工労働部長にお尋ねします。
 まず、ジャスコ近畿カンパニー開発チームによる平成十三年二月二十日付での海南店撤退の話がことしの六月ごろより表面化したわけでありますが、県としてはどのようにこの情報を把握され、対処されてきたのか、また今後についてどうお考えなのか、お尋ねします。
 そして本県では、中心市街地活性化に向けて、和歌山市、橋本市及び有田市において、他市町村に先駆けて取り組みが行われています。和歌山市では、中心市街地の中核となる組織として、地元商店街、市、商工会議所が出資してTMOを設立し、構想実現に向けて各種事業が行われています。
 現在、海南市におきましても、県のご指導をいただき、来年度より中心市街地商業等活性化基本計画を立ち上げるべく、商工会議所、和歌山県海草振興局県民行政部、海南市、商店街振興組合連合会、その他産業組合のメンバーで、和歌山大学経済学部と財団法人和歌山社会経済研究所の協力を得て、商業タウン・マネジメント計画策定事業に取り組んでいるところであります。しかし、このようなときにJR海南駅周辺商店街のシンボル的存在であるジャスコ海南店の撤退は、今後の町づくりに大きな影響を及ぼすものと思いますが、県はどのように受けとめられ、支援していくのか、お尋ねします。
 続きまして、後になりましたが、諸議案に対してお尋ねします。
 まず、議案第百七十八号低床式スクールバスの取得について教育長にお尋ねします。
 昨年、文教常任委員会の県内調査で紀伊コスモス養護学校を訪ねた際、同種のバスを見せていただきました。今回は四台購入ということでありますが、どの学校に配置するのか、定価の何%での購入か、その購入財源の内訳はどうなっているのか、そしてどういう経過でこの車種に決まったのか、今回は運行業務には触れませんが、何ゆえ一般的にコストが安く上がるのではないかと思える運転手つきのリース車の導入にならなかったのか、お尋ねします。
 次に、議案第百八十号及び第百八十一号の工事請負変更契約の締結についてお尋ねします。
 第百八十号は元契約の二・三%の金額アップであり、第百八十一号は元契約の一〇・六%の金額アップであります。どちらもトンネル工事であり、当初予測できなかった地質や出水があったというのが、かつて私が別の機会にお尋ねした際の理由づけのパターンでありました。
 今般の二件の変更契約の内容について、そして妥当だと認める判断基準について、土木部長にお尋ねします。
 また、財源は一部国庫支出金もありましょうが、二件を合わせれば一億円をはるかに超えるわけであります。常に地元の要望に対し予算獲得にきゅうきゅうとしている身にとっては、まことに気前のよい話だと思えるわけでもあります。
 以前より問題があるのではないかとご指摘申し上げてきた変更契約の締結について、特に最後に知事の見解もお尋ねし、第一問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの神出政巳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 来年度当初予算編成について、特に土木費の道路の整備等についてのご質問でございます。
 新生和歌山の創造のためには、外に開かれた和歌山を実現する交流ネットワークの形成が重要であり、その根幹をなす道路網の整備が喫緊の課題であると考えております。このため、紀伊半島を周遊する近畿自動車道紀勢線、関西大環状道路となる京奈和自動車道、さらに府県間をはしご状に連絡する府県間道路や渋滞対策のための都市計画道路等を重点に、優先順位に基づくめり張りのある整備を進めてまいりたいと考えております。
 道路整備については市町村等から数多くの強い要望をいただいておりますが、優先順位に基づき、地元協力をいただきながら限られた予算の中で工夫し、より効率的、計画的に整備を進めるよう指示しているところでございます。
 次に、行政施策の効果及び評価と説明責任についてお答えを申し上げます。
 まず、国におきましては、国家行政組織法一部改正法等が成立し、平成十三年一月から政策評価の円滑な実施に向けて着々と準備が進められているところと聞いております。また、他府県の取り組み状況は、導入済みが二十三、試行中が十、検討中が十四となっておりますが、本県におきましても、他府県の先進的な取り組みを参考にしながら、現在、各部局において各事業の効率性や効果等について、年度内を目標に評価作業を進めているところでございます。
 評価結果につきましては、できるだけ早い時期に県民の皆様に公表し、説明責任を果たしていくとともに、今後とも事務事業評価システムの充実に努めていきたいと考えております。
 次に、IT総合センター整備の検討についてお答えを申し上げます。
 まず、総合教育センターの計画の進捗につきましては、教員の研修を行う教育センター機能以外に、県民がインターネットを活用できるような普及啓発機能や県職員等のIT研修機能を追加し、ITの活用に関する総合的なセンターにするために現在その基本構想を検討しておりますので、総合教育センターに係る基本・実施設計の契約は解除することで事務処理を進めております。
 次に株式会社和歌山リサーチラボの活用につきましては、本県における頭脳立地構想の中核的施設としてその果たすべき役割は極めて重要であり、より高度な情報関連人材育成事業を実施するため、新事業支援機関の認定の取得を目指すなど、その機能を一層充実させてまいりたいと考えております。
 インテリジェントパークへの企業誘致につきましても、地域振興整備公団を初め関係機関を構成員とする企業誘致推進連絡協議会を設立し、鋭意企業誘致活動に取り組んできたところでありますが、今後とも関係機関と協力しながら、より一層努力をしてまいりたいと考えております。
 また、県の情報化推進の拠点を二分化するのかという点につきましては、海南市の株式会社和歌山リサーチラボの重要性はもちろん認識しておりますが、本県の地理的条件から県内すべての地域の速やかな情報化のため、また紀南地域の産業活性化のため、さらには和歌山大学経済学部の紀南地域活性化支援センター構想との連携ということを考慮し、ITの研修機能等を田辺市に配置するということも必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、現在検討中のIT総合センターの研修機能や普及啓発機能、産業支援機能につきましては、そうしたノウハウを持つ株式会社和歌山リサーチラボとの機能分担や相互連携を含めて検討してまいりたいと考えております。
 次に、議案第百八十号及び百八十一号の工事請負変更契約の締結についてでございます。
 公共事業の執行に当たっては、より一層のコスト縮減に向けて改善策の検討を指示しているところでございます。その一環といたしまして、公共事業契約における増額変更についても、今回のように事前調査では予測の困難なものがございますが、現下の厳しい財政状況の中で安易に増額修正が行われることがないように厳しくチェックをするよう、先般指示をしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 新たなわかやまの青少年プランのその後の進捗状況についてお答えいたします。
 本年十月中旬に青少年総合対策本部会議を開催し、プラン策定の概要と進捗状況を報告するとともに、同月下旬に和歌山県青少年問題協議会を開催して中間報告をまとめました。この中間報告を本年十一月に県のホームページに掲載するとともに、広く県民に公表し、意見募集を行い、また関係機関、団体、地域住民、マスコミ等の協力を得て意見交換会も開催いたしました。その結果、多くの貴重な意見や提言をいただき、現在、協議会の専門委員会で、これらの意見を踏まえ、答申に向けての作業が進められているところでございますが、来年二月中には知事に答申が出され、それを受けて県のプラン策定をしてまいる予定でございます。
 なお、今回のプランの策定に当たりましては、議員のご質問にもありましたように、東京都の心の東京革命行動プランや他府県のプランも参考にしておりますが、本県は大人の意識と行動改革の必要性を強調するとともに、県民と行政の二方向からの行動例を示すなど、具体的でわかりやすい青少年プランとなるよう策定に取り組んでいるところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) ジャスコ海南店撤退に対し、中心市街地商業等活性化基本構想についてでございます。
 ジャスコ海南店撤退に関する情報につきましては、六月中旬にジャスコから海南市、海南商工会議所等に対し、来年二月二十日をめどに海南店を閉鎖したい旨の申し入れがあったと、海南商工会議所から県に連絡があったところでございます。その後、市、商工会議所、市商店街振興組合連合会及びジャスコテナント会が集まって対応策を検討し、ジャスコ本社とも協議を続けていると聞いてございますが、県としては、機会をとらえて状況の把握に努めているところでございます。
 ジャスコ海南店の撤退は、周辺商店街はもちろん、海南市の今後の町づくりへの影響が懸念されるところですが、中心市街地活性化は、地元市町村が主体となり、総合的、一体的に推進していくことが重要であると考えてございます。
 県としては、市町村に対し指導・助言を行うとともに、中心市街地の管理運営を行うTMO、いわゆる町づくり会社を助成するための基金を設置する等、支援を行っているところでございます。
 また、大変厳しい経済情勢下にある商店街の競争力を強化するために新たな基金を設置するなど、商店街等からの要望にこたえてさまざまな施策を実施しておりますが、今後も商店街の実情を十分把握しながら商店街のにぎわい創出を支援してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 諸議案に対し、二件の工事請負変更契約の締結についてお答えいたします。
 事前に行うトンネルの地質調査等では地山の実態を的確にとらえられないことが多く、トンネル掘削については、地山の動きを観察し、計測することにより、地山確認を行いながら掘削を進めているのが現状でございます。
 議案第百八十号、仮称・三田トンネルの主な変更内容でございますが、坑口付近掘削時にトンネル天井部土砂の崩落があり、作業が危険と判断されましたので、現場に則したウレタン注入工法に変更したものでございます。
 次に議案第百八十一号、仮称・高田トンネルの主な変更内容でございますが、トンネルの掘削に伴う予期せぬ振動により、終点側坑口付近現道のり面の転石が落下したことから通行が危険であると判断されましたので、転石の崩落対策を追加施工したものでございます。
 変更契約については、知事から厳しくチェックするよう指示を受けているところですが、これらはいずれも事前調査では確認できなかった地質に起因して土砂崩落等の危険が生じ、補助工事を計上せざるを得なくなったためによるやむを得ない増額変更と判断してございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 最初に、青少年対策に関連して児童生徒の体力・運動能力の状況についてであります。
 本県の現状は、垂直跳びや持久走などの種目で全国平均を下回っているものの、背筋力や五十メートル走等の種目では年々向上の傾向が見られます。
 生涯にわたって心身とも健全で豊かな生活を送る上でスポーツは大切なものであり、体力・運動能力はその基盤となるものであります。このために、教育委員会といたしましては、調査結果報告書を各学校に配布し、児童生徒の体力づくりの実践に役立てるよう指導するとともに、各種講習会の開催や体育に関する研究校の指定など、教員の資質向上に努めております。
 また、運動部活動の活性化を図るため、指導者研修会や強化モデル校などの事業を実施いたしております。さらに、地域におけるスポーツ活動を推進するために、いつでもだれでも継続的にできる総合型地域スポーツクラブの育成について研究しているところでございます。
 今後とも、学校、家庭、地域が一体となったスポーツの推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県立高等学校の通学区域につきましては、普通科に関して、県内を九つの通学区域として以来、二十年余りが経過いたしました。一方、通学区域がいわゆる全県一区である専門学科の新設や総合学科の設置を行い、生徒の学校選択幅の拡大を図ってきた結果、全県一区の割合は、現在、募集定員全体の約五〇%になっております。しかし近年、人口動態や交通事情も変化し、生徒や保護者のニーズ、価値観も多様化する中で、各方面から現行の通学区域を見直す必要があるとのご意見が出されております。
 こうした中、本年三月、きのくに教育協議会から、通学区域については生徒や保護者の間に幅広い学校選択に関するニーズが高まってきており、普通科の特色づくりとも関連して、学校選択の自由と学校間格差の是正との調和を図りながら検討する必要があるという報告が出されました。これらの意見を十分参考にしながら、専門学科の学級増に加え、全日制普通科単位制高校を全県一区とし、学校選択幅の一層の拡大を図るとともに、庁内に設置したプロジェクトチームにおいて今後の通学区域のあり方について鋭意検討を進めているところでございます。
 最後に、議案第百七十八号で今回購入をお願いしている低床式スクールバスにつきましては、現有車両の老朽化に伴う代替車両として、また児童生徒増への対応として、たちばな養護学校に二台、みくまの養護学校並びに紀伊コスモス養護学校に各一台、合計四台の導入を予定いたしております。
 これらのバスは、重度障害の子供たちの乗りおりや乗車中の安全対策等にきめ細かに対応しつつ定員を確保する必要等もあり、一般の低床式バスに各校の実情に応じた改造を加えることとして一般競争入札により発注した結果、予算額に対して八八・一%の価格となったものであります。
 なお、今回の購入予算の財源は、全額、財団法人日本宝くじ協会助成金でございます。
 このように、できるだけ個々の児童生徒の状況に配慮した車両としていることや、購入に当たって宝くじ助成金や国庫補助金などの助成制度を活用できることなどから、現行の方式としているところでございます。
 以上であります。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十七番神出政巳君。
○神出政巳君 知事初め関係部長より答弁いただき、ありがとうございます。
 まず、IT総合センターの整備の件であります。
 総合教育センターは長年の懸案でありますので、内容のあるものにしていただくことには大賛成でありますが、前段申し上げましたとおり、株式会社和歌山リサーチラボとの連携・活用ということを常に念頭にIT総合センターの整備に取り組んでいただきたいと思います。
 また、特にインテリジェントパークへのIT関連施設等の誘致に、そしてそれらを支えるJR阪和線快速電車の海南駅までの延伸運動にも県を挙げてご尽力いただくようお願い申し上げます。
 次に、工事請負変更契約の件に関してであります。
 一つの問題として、設計段階でのコンサルとの協議にも課題があると思います。能力のあるコンサルを選び、より入念に事前打ち合わせをしていただきたいと思います。
 そして、県の技術職員のことでありますが、頑張る職員ほど連日連夜残業に明け暮れているのが現状であります。昇進ポストも事務職員に比べればかなり少ないわけでありますので、日の目を見るようなご配慮をいただくよう申し上げ、以上二件、要望として終わります。ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で神出政巳君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十三分休憩
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