平成12年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

平成十二年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第四号
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議事日程 第四号
 平成十二年十二月十二日(火曜日)午前十時開議
  第一 議案第百六十九号から議案第百八十八号まで(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第百六十九号から議案第百八十八号まで(質疑)
   二 一般質問
出席議員(四十七人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       大   沢   広 太 郎
     五  番       堀   本   隆   男
     六  番       宇 治 田   栄   蔵
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       木   下   善   之
     十二 番       永   井   佑   治
     十三 番       尾   崎   要   二
     十四 番       小   川       武
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       生   駒   三   雄
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       谷       洋   一
     二十 番       山   下   直   也
     二十一番       高   瀬   勝   助
     二十二番       吉   井   和   視
     二十三番       木   下   秀   男
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       金   田       眞
     二十六番       高   田   由   一
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       向   井   嘉 久 藏
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       中   山       豊
     三十四番       浜   田   真   輔
     三十五番       鶴   田   至   弘
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       村   岡   キ ミ 子
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       阪   部   菊   雄
     四十一番       江   上   柳   助
     四十二番       長   坂   隆   司
     四十三番       森       正   樹
     四十四番       飯   田   敬   文
     四十五番       新   田   和   弘
     四十六番       松   本   貞   次
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     副知事        中   山   次   郎
     出納長        大   平   勝   之
     知事公室長      小 佐 田   昌   計
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       安   居       要
     環境生活部長     道   浦       渥
     福祉保健部長     白   井   保   世
     商工労働部長     内   田   安   生
     農林水産部長     島   本   隆   生
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       辻           健
     教育委員会委員長   目   黒   威   徳
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員    中   尾   公   彦
     警察本部長      岩   井   良   行
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 谷   口   庄   一
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       田   村   徳   美
     次長         蓮   池   康   宏
     議事課長       北 垣 内       敬
     議事課副課長     松   谷   秋   男
     議事班長       露   詰       勤
     議事課主査      井   口   好   晴
     議事課主事      安   井   伸   彰
     総務課長       佐   竹   欣   司
     調査課長       梶   本   皓   造
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課副主査     保   田   良   春
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  午前十時二分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第百八十三号から議案第百八十六号までは、いずれも職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、ご了承願います。
  〔巻末の「参考資料」を参照〕
  【日程第一 議案第百六十九号から議案第百八十八号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議案第百六十九号から議案第百八十八号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 十七番生駒三雄君。
  〔生駒三雄君、登壇〕(拍手)
○生駒三雄君 おはようございます。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告順に従いまして一般質問をさせていただきます。
 新人議員の私にこのような場を与えていただきましたことを、まずもって先輩議員の皆様方に御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 さて、一般質問に入る前に、私ごとではございますが、さきの平成十二年九月定例県議会でも議員就任のごあいさつを申し上げましたように、去る平成十二年九月十七日の有田市県議会議員補欠選挙におきまして、有田市民並びに皆様方の温かいご支援により県議会での活動の場を与えていただきました。そして、議員当選直後、木村知事に議員就任のごあいさつにお伺いした際、知事から「お互い新人ですので一緒に頑張りましょう」と、温かいお声をかけていただきました。ありがとうございました。
 早いもので、約三カ月が過ぎました。まだまだ、目にすること、耳にすること、新しいことばかりでございますが、先輩議員、行政を担当されております県職員の方々を初め、関係各位の皆様方にご迷惑をかけないよう、和歌山県政の推進に当たり、議会と行政という車の両輪のごとく、少しでもその一役を担えるよう精いっぱい頑張っていく決意でございます。改めて、よろしくお願いいたします。
 それでは、一般質問をさせていただきます。
 まず最初に、高度情報通信社会への対応についてであります。
 この質問に関しては、本議会においても小川議員を初め各議員よりご質問がありました。多少重複することもありますが、私は私なりに、とりわけ国の動向を踏まえた視点から質問をいたします。
 近年、世界的な規模で急速に国際化、情報化等が進み、高度情報通信社会となりつつある現代社会において、木村知事が選挙公約でも提唱されておりますように、二十一世紀を見据えた中で本県の経済、産業の活性化を図り、豊かで潤いのある県民生活の向上を目指すためには、いち早くこの時代の潮流を的確につかみ、速やかな対応が必要であると私も感じております。
 政府においては、高度情報通信社会の構築、国際的な取り組みに向けて、平成六年八月に内閣総理大臣を本部長とする高度情報通信社会推進本部を設置しました。そして、平成十年十一月九日には高度情報通信社会の構築等に向け基本方針を、平成十一年四月十六日にはアクションプランを、そして情報通信の高度化に資するための施策等を決定、さらには、本年に入り七月七日には平成六年八月に設置された高度情報通信社会推進本部を踏襲する情報通信技術、いわゆるIT戦略本部を閣議決定して、世界的規模で生じているITによる産業・社会構造の変革、いわゆるIT革命に取り組み、その恩恵をすべての国民が享受でき、かつ国際的競争力を形成することを目指した施策を推進することとしております。
 そうした中、平成十二年十一月二十九日の第百五十回臨時国会において高度情報通信ネットワーク社会形成基本法が成立しました。同基本法においては、情報通信技術の活用により急激かつ大幅な社会経済構造の変化に的確に対応することの緊要性にかんがみ、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進し、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報または知識を世界的規模で入手し、共有し、また発信することにより、あらゆる分野において創造的かつ活力ある社会が形成され、またそうした社会を目指すとうたわれております。また、同基本法第十一条の中で、地方公共団体は「国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する」と明記されております。
 そのような国などの動きの中で、さきに述べましたように、木村知事は選挙公約で新しい時代、新しい世紀に向けてITで経済産業を活性化と、また、九月定例県議会における知事就任あいさつ、本議会冒頭の知事説明の中でも終始一貫、本県の緊急で重要な施策として高度情報通信社会への速やかな対応の重要性をおっしゃっておられます。
 そこで改めて、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法が成立されたことを踏まえ、今後IT立県として和歌山県をどのように位置づけ、県勢の活性化を図られようとしているのか、その決意と基本的方針を知事にお伺いしたいと思います。
 また、同基本法等においても、活力ある地域社会の実現及び住民福祉の向上に寄与するため、国及び地方公共団体が高度情報通信ネットワーク社会の形成に向け、環境整備、産・学・官連携体制の整備、教育啓発等を実施することにより、新雇用、就業の機会の創出などが図られると述べております。冷え切った日本経済同様、本県の経済状況も大変厳しい状況にあることは、皆様方も実感していることと思います。本県経済の活性化を図るための打開策の一つとして、まさにこの機会を的確につかみ、ITを活用した産業施策、ひいては新産業、新雇用創出を図るべきであると思います。そのためにどのような方針、また具体的な形で実施されようとしているのか、商工労働部長にお尋ねいたします。
 次に、青少年の健全育成のためにはどうすればいいのかという問題についてお尋ねいたします。
 よく言われる言葉だと思いますが、次世代を担う青少年を育成していくためには、学校教育、社会教育、家庭教育の三つの教育が三位一体となって初めて健全な、そして健やかな青少年が育成されていくものであると、私も考えております。私は、約三十年間、剣道を指導してきた中で、地域社会においてスポーツを通じて地域の青少年と触れ合い、そして語り合いながら、健全な青少年が育ってくれればと願って活動をしている一人であります。
 しかしながら、現在の青少年を取り巻く社会環境は著しく複雑・多様化しております。そうした中で、不登校、いじめ、中途退学などが社会的問題となっているのが現状でございます。平成十一年度の全国的な数値を見てみますと、不登校児童生徒数は十三万余名、いじめ件数は三万一千件程度、また県内においても不登校児童生徒数は千五百四十五名、いじめ件数は百二十四件、中途退学者数は七百七十八名となっております。潜在的な人数、件数を含めれば、まだまだ大きな数字になると思われます。
 中途退学者の中には、家庭的な事情、経済的な事情などにより中途退学を余儀なくされるケースもありますが、次代を担う青少年がこのような状況、実態にあるということは大変な問題であると思います。私たちの時代においては、多少このようなことはあったかもしれませんが、社会的な問題になるようなことはなかったと記憶しております。やはり、何か青少年を取り巻く環境に、あるいはまた日々の生活の中に問題があるように感じられてなりません。
 教育現場いわゆる学校教育においては、学力の向上を図るため各種カリキュラムの工夫、整備等は重要なことであり、種々検討もされて実施されていることだと思います。しかしながら、健全な青少年の育成のためには、例えば学校内での運動部活動等を通じ、心身両面にわたる健全な青少年を養うことも大変大事なことではないでしょうか。そうしたことが青少年の健全育成を図るための一つではないかと思います。
 そのためには、現在少子化傾向が進む中、日々の教育活動を工夫することのみならず、子供たちが自由に自分の好きなスポーツの部活動ができるような、また学校体育施設の整備を含めた体制づくりなどが必要ではないでしょうか。そして、その活動を指導できる教職員が配置されていない場合は、どのように対応しているのか。
 次に、社会教育という側面からであります。地域社会が健全な青少年の育成にとって果たす役割は、大きなものがあると思います。地域社会において活動している各種スポーツ、文化、ボランティア団体の活動を通じて、青少年たちは地域の人々、仲間たちと触れ合い、語り合うなどということにより人間のとうとさ、優しさ、自分以外の人々への思いやりなどを学び、養われていくものだと思います。そうした中で健全な青少年をはぐくむために地域社会において活動されているスポーツ少年団体などを、地域においてより活発な活動ができるようにするためにはどのように支援していくのか。
 三点目に、家庭教育ということであります。
 人間がこの世に命を受けて最初に接するのは母親であり、父親であり、そして家族であります。子供は、生まれもって慈悲の心と知恵を両親から授かっております。赤ん坊から子供へ、そして青少年へと育っていく過程において、恐らく一番多くの時間を費やすところは家庭であります。生きるための力、人格の形成にとって、家庭におけるしつけは最も重要なところであることは言うまでもありません。
 しかし、最近、親と子の断絶、対話の欠如という言葉をよく耳にします。親と子がともに遊び、ともに語らい、そして参加できる場面が少なくなってきております。核家族化が進む中、子育てに悩んでいる親も多いのではないでしょうか。そうした中で、健全な青少年の育成にかかわって家庭教育をどのように支援しているのか。
 以上、三点について教育長にお尋ねいたします。
 次に、二級河川有田川の治水対策についてお尋ねいたします。
 私は、有田市の中でも吉備町に隣接する有田川沿いの宮原町須谷というところで生まれ育ちました。小さいころからよく川遊びをしたものです。また、川を愛し、川を守るということをライフワークにしていた亡き父親から、川のすばらしさ、怖さなどもよく聞かされて育ちました。
 我がふるさとの川・有田川は、今からさかのぼること約百十年前、明治二十二年の水害により決壊し、周辺一帯は大きな被害を受けました。また、皆様もよくご存じのように、昭和二十八年七月十八日、未曾有の大水害により有田・日高地方を中心として、県下で死者・行方不明者千四十六名ものとうとい命、そして莫大な財産が失われました。当時、地域住民、行政などの総意の結集、懸命の努力により、現在私たち、また子供たちが安心して暮らせるようになりました。しかし、「災害は忘れたころにやってくる」と言われております。また、「川を治める者は国を治める」とも言われます。政治、地方自治をつかさどる者は治水ということを常に心がけておく必要があるのではないでしょうか。
 そこで、有田川の治水対策の現状と今後の取り組みについて、支川等、関連水系も含めてお聞かせください。
 また、二級河川有田川は有田市中心部を東から西へ流れる川であり、有田市はもちろん、有田地方に居住する地域住民の生活にとって、工業・農業用水などの利水面等を考慮しても、欠くことのできない重要な川であります。地域の住民にとっては未来永劫共生していかなければならない友でもあります。そうした中、今後、地域にふさわしい川づくりのためにどのような計画をお持ちか、土木部長にお尋ねいたします。
 さらに、昨今の有田川周辺の環境も、一昔前の一面ミカン畑の田園風景から、住宅が多く建ち並ぶ風景があちらこちらに見られるようになってきております。生活様式のさま変わりなどにより、関連水系も含めた有田川の水質汚濁等も進んできておるように思います。そうした状況を踏まえ、現代社会において環境重視が盛んに叫ばれる中、川をきれいにするために周辺の水質汚濁対策として現在どのような対応がなされ、また今後どのように取り組まれていくのか、環境生活部長にお尋ねいたします。
 次に、有田地方の基幹産業であるミカン産業の活性化について、農林水産部長にお尋ねいたします。
 品質のよいミカン、また付加価値の高いミカンづくりをするためには、その一つとして生産技術の向上を図る必要があると考えます。そのために、土壌改良、ミカンの品質の向上のため、ミカン農家、地元農協はもちろん、果樹園芸試験場など公設研究機関において各種改良等の研究開発に取り組んでおられます。しかし一方、ミカン産業もご多分に漏れず、各種産業と同様に高齢化、後継者不足が進む中、作業環境の整備充実等が大変重要なこととなってきております。
 そこで、現在有田地方において農業基盤整備の一環として広域営農団地農道整備事業(有田川地区)が平成九年に事業決定され、事業が進められております。地元有田市としても、事業の一層の推進のため市役所内に地籍調査係を設置するなどして用地交渉等の円滑な遂行のための体制づくりもし、一日も早い事業完成を望んでいるところであります。
 しかしながら、何か問題があるのか、なかなか事業がスムーズに進まないように感じられます。地元の用地補償等に問題があるのか、またそのほかに大きな問題があるのか、一体どんなところに問題があるのか、ぜひお聞かせください。
 二点目として、基盤整備の充実、生産技術の向上等を図ってよりよいミカンをつくっても、最終的に消費者に供給するためにはPR活動等、販売戦略も大変重要なことだと思います。例えば、ミカンの消費量は、昭和五十年ごろには一人当たり購入数量十四・五キログラムでありましたが、平成十年には六・三キログラムに減っています。また近年、有田ミカンを初めとした和歌山ミカンは京浜地区を中心とした関東での販売が少ない状況にもあります。この例をとっても、私たちはもちろん、各ミカン農家、産地内関係者、また行政サイドも含め、一体となって何とか効果的な販売戦略を立てていかなければならないと思います。
 そこで、現在のミカンの消費拡大を含めた販売戦略に対する基本的な考え、具体的な取り組み内容等があればお聞かせください。
 最後に、国道四十二号の渋滞解消として、その現状と今後の対策についてお尋ねいたします。
 国道四十二号有田─海南間は、有田市と和歌山市方面との日常の生活交通を支えるとともに、有田・下津地域の産業、経済の発展、ひいては和歌山、海南、有田郡市圏全体の一体的な発展を図るための最も重要な交通基盤であります。
 しかしながら、有田市と和歌山市、海南方面を連絡する道路は国道四十二号一本しかなく、これに交通が集中するために大混乱をしております。朝夕を初め、慢性的な渋滞が起こっております。また、有田・下津地域には広大な臨海部の開発用地があるなど大きなポテンシャルを持ちながら、交通アクセスが悪いため発展が大きく阻害されている現状にあります。
 一方、海南湯浅道路の四車線化が鋭意進められており、地元も大きな期待をかけておりますが、有田地方の発展と交通問題の解決を図るためには高速道路だけでは不十分であり、国道四十二号の整備が不可欠なものであるということは言うまでもありません。このため、国道四十二号有田─海南間の早期整備について、地元の悲願として関係市町、議会が連携して促進協議会を結成し、強く要望しているところであります。建設省においても調査が進められていると聞いております。
 そこで、当面の渋滞対策と国道の四車線化の取り組みの現状と今後の見通しについて、土木部長にお尋ねいたします。
 これで、私の壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの生駒三雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の成立を踏まえた県の基本方針についてでございます。
 県といたしましては、この法律に定められた責務を果たしつつ、国の施策と連携をとりながら、和歌山県をIT先進県にするように努力していきたいと思っております。
 このため、県としてのIT戦略を策定するとともに、県民のパソコン、インターネットの基礎技能の向上、行政事務の電子化や対県民サービスにおけるインターネット活用の推進、県民生活や企業活動等あらゆる分野におけるIT活用の促進等の課題に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○議長(阪部菊雄君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) ITを活用した産業施策並びに新産業、新雇用の創出についてでございます。
 IT基本法が成立し、来る二十一世紀はIT抜きでは考えられない社会となることは必定であり、情報技術を有効に活用して新産業、新雇用の創出を図っていく必要があると考えてございます。
 そのためには、ITを活用できる事業環境の整備、産・学・官連携体制の整備やITを使いこなせる人材育成等を実施していくことが重要であり、現在、県ではインキュベーターに対する支援、新たな事業を生むための研究交流会の開催、新技術開発や経営革新に対する支援、情報活用人材の育成のための各種セミナーやソフトウエアコンテストに対する支援等の事業に取り組んでいるところでございます。
 今後、県内企業に対するIT化を促進する研修事業、人材育成事業、共同研究事業等の拡充を図り、新産業、新雇用の創出に努め、活力ある産業社会の実現に取り組んでまいります。
○議長(阪部菊雄君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 二級河川有田川治水対策等についての一点目、治水対策等の現状についてお答えいたします。
 有田川につきましては、昭和二十八年の大水害を契機に二川ダムを建設するとともに河川改修を実施してきたところであり、本川堤防につきましては一部を除き概成しているところであります。また、支川の西谷川につきましては、今年度、喜多郷橋の改築を行い、計画区間を完了する予定であります。今後とも現地調査を適宜実施し、老朽堤防の補強などを実施してまいります。
 また、当河川ではふるさとの川モデル事業などが整備された経緯もあり、今後とも河川の特性や背後地域と調和のとれた景観、親水性、生態系に配慮した川づくりを目指して努力してまいります。
 次に、国道四十二号渋滞対策についてお答えいたします。
 国道四十二号の有田市から海南市間の当面の交通渋滞対策につきましては、交差点改良として下津町小南交差点の工事が既に完成しており、残る海南市冷水交差点及び有田市里交差点につきましても早期完成を図るよう、今後とも建設省に働きかけてまいります。
 また、抜本的な対策である四車線化につきましては、市町の現状や将来の土地利用計画、また新規プロジェクト等を考慮し、県、市、町の意見を広く聞きながら建設省においてルート案の検討がなされているところであり、今後とも四車線化の早期具体化を強く国に働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 二級河川有田川の治水対策のうち、有田川周辺の水質汚濁対策についてお答えします。
 有田川水域につきましては、東川橋、金屋橋、保田井堰、有田川河口部の四地点について定期的に水質調査を実施しており、すべての地点で環境基準を満足してございます。また、汚濁対策として、有田川及びその周辺河川に立地している工場、事業場に対しては、一律排水基準よりもより厳しい上乗せ排水基準を導入するとともに、立入調査を実施するなど、汚濁負荷を軽減するよう指導しているところでございます。
 さらに、水質汚濁要因の一因である生活排水につきましては、家庭でできる生活排水対策のパンフレットの作成や子供及びその保護者を対象に水辺観察会を開催するなど、啓発活動に努めているところでございます。
 なお、今後とも、良好な水環境を確保するため一層努力してまいる所存でございます。
○議長(阪部菊雄君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) ミカン産業の活性化についての二点のご質問にお答えをいたします。
 まず一点目の、広域営農団地農道整備事業についてでございます。
 この有田川広域農道につきましては、金屋町有原の国道四百二十四号から吉備町を経由し、有田市初島の国道四十二号を結ぶ延長二十五・一キロメートルの広域営農団地農道として計画し、そのうち平成九年四月に金屋町有原から吉備町田角までの十三キロメートルの区間が、総事業費百三十一億五千九百万円で一期地区として採択されています。
 本事業は、地元農家の方々の同意を得て土地改良法に基づく手続を行い、測量設計の後、地元説明を行ったところ、急傾斜地であるため必要となる用地幅が大きく、果樹園の減反により農業経営を圧迫することや橋梁が多いため隣接農地からの進入の利便性の確保が難しいこと、及び農道からの排水対策等、各種条件の調整を図ることができないため、現計画案での実施は困難と判断してございます。
 また、関係町から提示された路線変更案につきましても検討いたしましたが、農道が新設されたとしても集出荷場等へのアクセスが遠いことにより輸送費の節減効果が出ないなど、費用対効果の面で広域農道として二十五・一キロメートルの全体計画が成立しないこととなります。今後の対応につきましては、関係市町及び地元とよく協議をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、ミカンの販売戦略についてでございます。
 果物の消費動向につきましては、若者を中心とした果実の消費離れがある中で、おいしさや安全性を求める動きがあり、また、流通面では産直や通信販売といった市場外流通が増加しているところでございます。
 こうした動きに対応するため、県では消費者ニーズを踏まえ、品質を重視した味一や完熟ミカンづくり、高糖系品種への転換、また販売面では味を選別する光センサーの導入や拠点市場の集約化、さらにミカンが持つ発がん抑制効果のあるベータクリプトキサンチンなど、健康を強調したPRを農業団体と一体となって取り組んできたところでございます。特に本年度は、去る十一月十四日、知事を先頭に県議会や関係機関とともに東京において販売促進PRを実施したところでございます。
 一方、国では本年三月、日本型食生活を推進するため食生活指針が出され、その中で果実については単なる嗜好品ではなく機能性成分を持った食生活に欠かせない品目として位置づけられており、関係機関と協力しながら果実を食べる食習慣の啓発に努めているところでございます。
 今後とも、マルチ栽培等の推進による高品質ミカンの生産拡大に努めるとともに、新たな取り組みとしてIT技術を利用した流通システムの研究を進めるなど、関係機関と連携しながら和歌山のすばらしい果物の情報発信に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 青少年の健全育成についてお答えいたします。
 学校教育においては、子供たち一人一人がみずからを律しつつ他人と協調し、思いやる心や感動する心など、豊かな人間性や社会性を育成することが大切であります。
 このため、各学校では、知育、徳育、体育、バランスのとれた人間形成を目指す教育を推進するとともに、家庭や地域と連携しながら、ボランティア活動を初めとする社会体験や自然体験など、さまざまな体験学習にも積極的に取り組んでいるところであります。
 次に、運動部活動につきましては、近年、生徒数の減少や生徒のスポーツに対する興味、関心が多様化している中、さまざまな課題も生じてきております。教育委員会では、運動部活動の教育的意義を踏まえ、学校及び地域の実態を考慮して、近隣校や地域スポーツクラブとの連携なども視野に入れながら、運動部活動の活性化について検討を進めております。また、専門的な技術指導のできる教職員がいない学校に対しては、外部指導者を派遣するとともに、指導者研修会を開催し、資質の向上に努めております。
 なお、部員数の少ない学校においては、複数校が合同で練習したり試合に出場できる方策について、中学校・高等学校体育連盟と連携し、検討しております。
 学校の体育施設につきましては、現有施設の良好な維持管理に留意するとともに、今後とも施設の整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、スポーツ少年団活動は、地域スポーツの振興はもとより、青少年の豊かな心と体の発達に大きな役割を果たしております。このため教育委員会では、スポーツ少年団が行う指導者の養成と資質向上、各種大会の開催、全国大会等への派遣、また国際交流としての日独スポーツ少年団同時交流などの諸事業を支援しております。
 最後に家庭教育についてでありますが、少子化等、社会状況が変化する中で家庭の教育力の低下が指摘されております。こうしたことを踏まえ、子育てに不安を持つ親などに対する相談体制の充実、学習機会や情報の提供を柱として、二十四時間の電話相談や家庭教育番組の放送など、子育てに関する事業を実施しております。
 今後とも、こうした施策を通じて家庭教育への支援を充実させてまいります。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 十七番生駒三雄君。
○生駒三雄君 答弁ありがとうございました。
 何点か質問させていただきましたが、ただいま広域営農団地農道整備事業の進捗状況等の現状について、農林水産部長から答弁をいただきました。現計画案での事業実施が困難であり、また他の事業等の検討も始まっているようでありますが、いずれにしても、先ほどの質問の中で述べましたように、ミカンの生産をする上で、その作業効率、運搬効率などを考えても、当該地域への農道整備は大変重要なことでもあり、私の地元有田市においても事業の一日も早い完了をとの願いのもと、体制づくりをしているところであります。
 今後とも、地元受益者を初め、関係者に十分な説明の上、ぜひとも当該地域への一日も早い事業の着工を強く強く要望しておきます。
 終わります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で生駒三雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十七番神出政巳君。
  〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○神出政巳君 おはようございます。議長のお許しを得ましたので、通告に基づき、順次ご質問申し上げます。
 初めに、九月定例会に引き続き質問の機会をお与えいただきました同僚・先輩議員並びに会派の同志諸兄に感謝申し上げます。
 それではまず最初に、今議会冒頭の知事説明に対し、木村知事にお尋ねします。来年度当初予算編成についてであります。
 来年度は新世紀のスタートの年でもあり、当初予算につきましては、二十一世紀の和歌山県づくりに必要な事業について、当面の経済動向に十分配意しつつ、時代の潮流にマッチさせながら、限られた財源を思い切って重点的に配分し、積極的に推進していくとの決意を述べられました。一方、厳しい財政状況の克服と弾力的な財政構造の確立が喫緊の課題であることから、「行政の棚卸し」とも言うべき聖域なき事務事業の見直しを進め、財政運営プログラムを基本とした財政健全化に積極的に取り組んでいくとのお考えも披瀝されました。
 そこで私からは、先日来の質疑を受けまして、特に土木費のうちの道路の整備等に関してお尋ねします。
 マイナスシーリングということが強くプレッシャーに感じるわけでありますが、市町村からの強い要望のある道路の整備等に対しどのように取り組まれているのか、どのような指示を出されているのか、お尋ねします。
 続きまして、知事の所信に基づき、行政施策の効果及び評価と説明責任についてお尋ねします。
 過去にもこの場で取り上げましたが、近年、三重県を初め、先進的と言われる府県や市などの地方自治体あるいは大蔵省等の省庁において行政評価あるいは政策評価への取り組みが活発になされ、ベンチマーク方式や企業経営の財務諸表での資産評価などの方式を活用したものが開発され、一応の成果を上げつつあります。そして、これまでの公共事業が国において厳しい見直しの対象として取り上げられており、こうした動きにも行政評価や政策評価方式の導入が検討され始めました。
 もとより県民の一人として、実施された政策や行政施策などがどのような成果をもたらし、投入された資金に見合う成果を上げているかなど、明確にしていただきたいという思いがあります。
 これまでの行政チェックには監査制度などがありますが、歳出歳入事務あるいは資産管理等の適正運用に偏ったものとなってまいりました。また、外部監査制度の導入など、行政改革に市民オンブズマン等の果たした社会的な意味もあったのですが、こうした外圧的な取り組みからではなく、執行機関での行政システムそのものの中に自浄作用が働き、政策あるいは施策の評価と説明責任が位置づけられる必要があると考えます。
 そこで、知事にお尋ねします。
 和歌山県としては、国の省庁を初め他府県や市などの先進的な行政評価あるいは政策評価の取り組みをどのように認識されているのか。また、本県の取り組み状況はどのようになっているのか。さらに、今後の行政評価への取り組みと説明責任に関するお考えをお聞かせいただきたい。
 次に、IT総合センター整備の検討についてであります。
 県民が気軽にインターネットを活用できるようにするための普及啓発機能や行政サービス向上のため、教員の研修を行う教育研修センター機能にあわせ、市町村職員や県職員のIT研修機能を有する施設が必要であると考えており、これらの機能を有する、ITの活用に関する総合的なセンターについて担当部局に指示し、検討させているところであるとのことでありました。
 そこでまず、教育委員会が取り組んでまいりました総合教育センターとの併設ということについてお尋ねします。
 総合教育センターについては既に基本構想が作成され、そして今また基本・実施設計の指名競争入札も済み、具体的な作業が進んでいますが、どのように対処するおつもりなのか、お尋ねします。
 また、総合教育センターの立地が田辺市新庄ということについては、研修を受ける人の交通費、宿泊費等の経費が大きくなるとの議論があったこともご指摘しておきます。
 そして、木村知事が着任早々社長に就任された株式会社和歌山リサーチラボとの関係についてもお尋ねします。
 二十一世紀の頭脳集積を目指す情報・デザインのメッカづくりの中核産業高度化支援施設として平成八年五月に本社社屋が竣工し、和歌山県の情報機能の一元化ということで、財団法人和歌山県中小企業振興公社・産業情報センターが経済センターから転入し、その後、デザインセンターも併設され、今日に至っているところであります。
 かつての仮谷知事時代のテクノ&リゾートのかけ声に基づき、和歌山県挙げて大きな投資をしてきたこのリサーチラボは、人材育成事業、研究開発事業、情報提供・交流促進事業、調査事業、そしてレンタルラボ事業等を行っていますが、まだまだこれから大きく広く活用していただかなければならないのではないかと思います。いかがお考えでしょうか。
 本年度はインキュベーター事業にも取り組んでいただいておりますが、あきテナントも残っています。そして背後のインテリジェントパークについても、県や地域振興整備公団に大変なお力添えをいただいておりますが、半分くらいの区画が売れ残っています。IT関連施設等の誘致にも、今後とも大いにご尽力いただかなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 このような状況の中、IT総合センターを田辺市に設置し、県の情報化推進の拠点を二分するということはいかがなものか、お尋ねします。
 次に、心の東京革命行動プランに対し、わかやまの青少年プランについて環境生活部長にお尋ねします。
 九月定例会におきまして、私の青少年対策についての質問に対し、知事より、「来年度から五年間のアクションプログラムとして、わかやま青少年プランを現在策定中でございまして、近く中間報告を行って広く県民の方にも公表し、意見募集を行っていきたい」との答弁をいただきました。
 そこで、ここでは策定作業の内容と進捗状況についてお尋ねします。そして、時を同じくして東京都がスタートさせた、「次代のために、行動は今」心の東京革命行動プランについて少し述べたいと思います。
 心の東京革命とは、次代を担う子供たちに対し、親と大人が責任を持って正義感や倫理観、思いやりの心をはぐくみ、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく取り組みを東京都が全庁挙げて行うというものであります。このプランは、都民一人一人の行動指針及びそれをサポートする行動の施策を明らかにし、今後、心の東京革命を社会全体の運動として展開することを提案したものであります。大変わかりやすく、よくできていると思います。
 情報の発信地東京都が全国の先駆けとなってこの取り組みを始めたと、概要を記したパンフレットにはうたわれていますが、参考にされてはいかがでしょうか。また、このプランに対してどのようにお考えか、お尋ねします。
 次に、青少年対策を教育の分野に絞って教育長にお尋ねします。
 教育改革が進められる中で、昨今のマスコミが報じるニュースは、大学生の学力低下や青少年の病理的な社会現象といったものが多いようであります。それだけ、教育現場におられる先生方の厳しい環境と家庭、親、大人の教育力の低下が感じられます。現場でご活躍いただいている諸先生方の日々のご苦労、ご尽力に衷心より感謝と激励を申し上げたいと思います。
 最近の日経新聞の記事でありますが、東洋大学が留学生を対象に行った調査で、韓国や中国、タイなどアジアの若者から見て日本の若者が変だと感じる行動を多い順に挙げると、第一位が顔を黒っぽく塗るガングロ、第二位が電車内での床座り、第三位が車内の化粧などとなったそうであります。和歌山でも、もう珍しくない光景の一つ一つであります。
 こうした若者の行動現象の評価には、脳の未発達が原因と断じる研究者もいれば、人類が生き延びるためには一枚岩の状態より多様な方がいいという研究者もいて、適正な答えは見出せない状況であります。しかし、文部省の行った平成十一年度体力・運動能力調査結果の概要を見ると、さきの若者の行動現象にもつながるのではないかと考えられる状況が示されています。
 調査内容が途中幾度となく変更されているため、継続して把握できるのは握力等であります。この握力の状況を見ると、十三歳までは、ここ二十年間はその能力が横ばい傾向にあるものの、十五歳と十九歳では昭和六十年ごろから低下傾向を示しています。その間も身長の低下はないようなので、身長と握力を総体的な体力・運動能力としての見方をすると、さらに体力・運動能力に低下が認められるのではないかと危惧するわけであります。加えて、昭和三十九年以降の握力の年次推移が、余りにも日本の経済成長と衰退の傾向に類似しているように感じてならないのであります。
 国民の平均的体力と経済力に相関性があるかどうかはわかりませんが、社会の活力あるいは活気という面からは相通じるものがあるのではと感じます。経済面はともかくとして、地域の活力や活気という面からは、個人個人の活力あるいは活気の総体であると思います。うがった見方をすれば、サッカーJリーグのチームが本拠地を置いている地域は、地域的にも経済的にも活気と活力があると言えるのではないでしょうか。別の見方をすれば、経済的な活力がある地域であるからチームの本拠地に選ばれたと言えるのかもしれません。
 地域偏重ということが問題になってから久しいわけでありますが、教育における知・徳・体のバランスの重要性は多くの人の認めるところであります。スポーツは社会性を身につける徳育の面からも重要であると考えますので、現在の社会問題でもある若者の社会現象に対処し、県勢の伸展を図る上で学校スポーツや地域スポーツの推進にも積極的に取り組むべきであると申し上げ、教育長に、文部省が行っている体力・運動能力調査結果から見た本県の状況分析と問題点、また問題点ありとお考えになるならその対策についてお尋ねします。
 続いて、同じく教育長にお尋ねします。県立高校の学区制、通学区域の問題についてであります。
 いよいよ入試のシーズン到来となってきますが、近年、県立高校には、専門学科を初め総合学科に加え、全日制普通科単位制が設置され、学区制が外されて全県一区となり、受験生や保護者のニーズにこたえてまいりました。本年度からは普通科の二次募集の際にも導入され、好評を博しました。また、お隣の奈良県なども、かなり幅広い制度運用がされているようであります。
 きのくに教育協議会等でも議論されており、特に県下の中学生やその保護者に関心の高い、二十年余りの歳月を経た和歌山市の南北学区の解消を初め、全県的な通学区域の拡大に対する検討経過と今後の見通しについてお尋ねします。
 続いて、ジャスコ海南店撤退に対し、中心市街地商業等活性化基本構想について商工労働部長にお尋ねします。
 まず、ジャスコ近畿カンパニー開発チームによる平成十三年二月二十日付での海南店撤退の話がことしの六月ごろより表面化したわけでありますが、県としてはどのようにこの情報を把握され、対処されてきたのか、また今後についてどうお考えなのか、お尋ねします。
 そして本県では、中心市街地活性化に向けて、和歌山市、橋本市及び有田市において、他市町村に先駆けて取り組みが行われています。和歌山市では、中心市街地の中核となる組織として、地元商店街、市、商工会議所が出資してTMOを設立し、構想実現に向けて各種事業が行われています。
 現在、海南市におきましても、県のご指導をいただき、来年度より中心市街地商業等活性化基本計画を立ち上げるべく、商工会議所、和歌山県海草振興局県民行政部、海南市、商店街振興組合連合会、その他産業組合のメンバーで、和歌山大学経済学部と財団法人和歌山社会経済研究所の協力を得て、商業タウン・マネジメント計画策定事業に取り組んでいるところであります。しかし、このようなときにJR海南駅周辺商店街のシンボル的存在であるジャスコ海南店の撤退は、今後の町づくりに大きな影響を及ぼすものと思いますが、県はどのように受けとめられ、支援していくのか、お尋ねします。
 続きまして、後になりましたが、諸議案に対してお尋ねします。
 まず、議案第百七十八号低床式スクールバスの取得について教育長にお尋ねします。
 昨年、文教常任委員会の県内調査で紀伊コスモス養護学校を訪ねた際、同種のバスを見せていただきました。今回は四台購入ということでありますが、どの学校に配置するのか、定価の何%での購入か、その購入財源の内訳はどうなっているのか、そしてどういう経過でこの車種に決まったのか、今回は運行業務には触れませんが、何ゆえ一般的にコストが安く上がるのではないかと思える運転手つきのリース車の導入にならなかったのか、お尋ねします。
 次に、議案第百八十号及び第百八十一号の工事請負変更契約の締結についてお尋ねします。
 第百八十号は元契約の二・三%の金額アップであり、第百八十一号は元契約の一〇・六%の金額アップであります。どちらもトンネル工事であり、当初予測できなかった地質や出水があったというのが、かつて私が別の機会にお尋ねした際の理由づけのパターンでありました。
 今般の二件の変更契約の内容について、そして妥当だと認める判断基準について、土木部長にお尋ねします。
 また、財源は一部国庫支出金もありましょうが、二件を合わせれば一億円をはるかに超えるわけであります。常に地元の要望に対し予算獲得にきゅうきゅうとしている身にとっては、まことに気前のよい話だと思えるわけでもあります。
 以前より問題があるのではないかとご指摘申し上げてきた変更契約の締結について、特に最後に知事の見解もお尋ねし、第一問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの神出政巳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 来年度当初予算編成について、特に土木費の道路の整備等についてのご質問でございます。
 新生和歌山の創造のためには、外に開かれた和歌山を実現する交流ネットワークの形成が重要であり、その根幹をなす道路網の整備が喫緊の課題であると考えております。このため、紀伊半島を周遊する近畿自動車道紀勢線、関西大環状道路となる京奈和自動車道、さらに府県間をはしご状に連絡する府県間道路や渋滞対策のための都市計画道路等を重点に、優先順位に基づくめり張りのある整備を進めてまいりたいと考えております。
 道路整備については市町村等から数多くの強い要望をいただいておりますが、優先順位に基づき、地元協力をいただきながら限られた予算の中で工夫し、より効率的、計画的に整備を進めるよう指示しているところでございます。
 次に、行政施策の効果及び評価と説明責任についてお答えを申し上げます。
 まず、国におきましては、国家行政組織法一部改正法等が成立し、平成十三年一月から政策評価の円滑な実施に向けて着々と準備が進められているところと聞いております。また、他府県の取り組み状況は、導入済みが二十三、試行中が十、検討中が十四となっておりますが、本県におきましても、他府県の先進的な取り組みを参考にしながら、現在、各部局において各事業の効率性や効果等について、年度内を目標に評価作業を進めているところでございます。
 評価結果につきましては、できるだけ早い時期に県民の皆様に公表し、説明責任を果たしていくとともに、今後とも事務事業評価システムの充実に努めていきたいと考えております。
 次に、IT総合センター整備の検討についてお答えを申し上げます。
 まず、総合教育センターの計画の進捗につきましては、教員の研修を行う教育センター機能以外に、県民がインターネットを活用できるような普及啓発機能や県職員等のIT研修機能を追加し、ITの活用に関する総合的なセンターにするために現在その基本構想を検討しておりますので、総合教育センターに係る基本・実施設計の契約は解除することで事務処理を進めております。
 次に株式会社和歌山リサーチラボの活用につきましては、本県における頭脳立地構想の中核的施設としてその果たすべき役割は極めて重要であり、より高度な情報関連人材育成事業を実施するため、新事業支援機関の認定の取得を目指すなど、その機能を一層充実させてまいりたいと考えております。
 インテリジェントパークへの企業誘致につきましても、地域振興整備公団を初め関係機関を構成員とする企業誘致推進連絡協議会を設立し、鋭意企業誘致活動に取り組んできたところでありますが、今後とも関係機関と協力しながら、より一層努力をしてまいりたいと考えております。
 また、県の情報化推進の拠点を二分化するのかという点につきましては、海南市の株式会社和歌山リサーチラボの重要性はもちろん認識しておりますが、本県の地理的条件から県内すべての地域の速やかな情報化のため、また紀南地域の産業活性化のため、さらには和歌山大学経済学部の紀南地域活性化支援センター構想との連携ということを考慮し、ITの研修機能等を田辺市に配置するということも必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、現在検討中のIT総合センターの研修機能や普及啓発機能、産業支援機能につきましては、そうしたノウハウを持つ株式会社和歌山リサーチラボとの機能分担や相互連携を含めて検討してまいりたいと考えております。
 次に、議案第百八十号及び百八十一号の工事請負変更契約の締結についてでございます。
 公共事業の執行に当たっては、より一層のコスト縮減に向けて改善策の検討を指示しているところでございます。その一環といたしまして、公共事業契約における増額変更についても、今回のように事前調査では予測の困難なものがございますが、現下の厳しい財政状況の中で安易に増額修正が行われることがないように厳しくチェックをするよう、先般指示をしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 新たなわかやまの青少年プランのその後の進捗状況についてお答えいたします。
 本年十月中旬に青少年総合対策本部会議を開催し、プラン策定の概要と進捗状況を報告するとともに、同月下旬に和歌山県青少年問題協議会を開催して中間報告をまとめました。この中間報告を本年十一月に県のホームページに掲載するとともに、広く県民に公表し、意見募集を行い、また関係機関、団体、地域住民、マスコミ等の協力を得て意見交換会も開催いたしました。その結果、多くの貴重な意見や提言をいただき、現在、協議会の専門委員会で、これらの意見を踏まえ、答申に向けての作業が進められているところでございますが、来年二月中には知事に答申が出され、それを受けて県のプラン策定をしてまいる予定でございます。
 なお、今回のプランの策定に当たりましては、議員のご質問にもありましたように、東京都の心の東京革命行動プランや他府県のプランも参考にしておりますが、本県は大人の意識と行動改革の必要性を強調するとともに、県民と行政の二方向からの行動例を示すなど、具体的でわかりやすい青少年プランとなるよう策定に取り組んでいるところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) ジャスコ海南店撤退に対し、中心市街地商業等活性化基本構想についてでございます。
 ジャスコ海南店撤退に関する情報につきましては、六月中旬にジャスコから海南市、海南商工会議所等に対し、来年二月二十日をめどに海南店を閉鎖したい旨の申し入れがあったと、海南商工会議所から県に連絡があったところでございます。その後、市、商工会議所、市商店街振興組合連合会及びジャスコテナント会が集まって対応策を検討し、ジャスコ本社とも協議を続けていると聞いてございますが、県としては、機会をとらえて状況の把握に努めているところでございます。
 ジャスコ海南店の撤退は、周辺商店街はもちろん、海南市の今後の町づくりへの影響が懸念されるところですが、中心市街地活性化は、地元市町村が主体となり、総合的、一体的に推進していくことが重要であると考えてございます。
 県としては、市町村に対し指導・助言を行うとともに、中心市街地の管理運営を行うTMO、いわゆる町づくり会社を助成するための基金を設置する等、支援を行っているところでございます。
 また、大変厳しい経済情勢下にある商店街の競争力を強化するために新たな基金を設置するなど、商店街等からの要望にこたえてさまざまな施策を実施しておりますが、今後も商店街の実情を十分把握しながら商店街のにぎわい創出を支援してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 諸議案に対し、二件の工事請負変更契約の締結についてお答えいたします。
 事前に行うトンネルの地質調査等では地山の実態を的確にとらえられないことが多く、トンネル掘削については、地山の動きを観察し、計測することにより、地山確認を行いながら掘削を進めているのが現状でございます。
 議案第百八十号、仮称・三田トンネルの主な変更内容でございますが、坑口付近掘削時にトンネル天井部土砂の崩落があり、作業が危険と判断されましたので、現場に則したウレタン注入工法に変更したものでございます。
 次に議案第百八十一号、仮称・高田トンネルの主な変更内容でございますが、トンネルの掘削に伴う予期せぬ振動により、終点側坑口付近現道のり面の転石が落下したことから通行が危険であると判断されましたので、転石の崩落対策を追加施工したものでございます。
 変更契約については、知事から厳しくチェックするよう指示を受けているところですが、これらはいずれも事前調査では確認できなかった地質に起因して土砂崩落等の危険が生じ、補助工事を計上せざるを得なくなったためによるやむを得ない増額変更と判断してございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 最初に、青少年対策に関連して児童生徒の体力・運動能力の状況についてであります。
 本県の現状は、垂直跳びや持久走などの種目で全国平均を下回っているものの、背筋力や五十メートル走等の種目では年々向上の傾向が見られます。
 生涯にわたって心身とも健全で豊かな生活を送る上でスポーツは大切なものであり、体力・運動能力はその基盤となるものであります。このために、教育委員会といたしましては、調査結果報告書を各学校に配布し、児童生徒の体力づくりの実践に役立てるよう指導するとともに、各種講習会の開催や体育に関する研究校の指定など、教員の資質向上に努めております。
 また、運動部活動の活性化を図るため、指導者研修会や強化モデル校などの事業を実施いたしております。さらに、地域におけるスポーツ活動を推進するために、いつでもだれでも継続的にできる総合型地域スポーツクラブの育成について研究しているところでございます。
 今後とも、学校、家庭、地域が一体となったスポーツの推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県立高等学校の通学区域につきましては、普通科に関して、県内を九つの通学区域として以来、二十年余りが経過いたしました。一方、通学区域がいわゆる全県一区である専門学科の新設や総合学科の設置を行い、生徒の学校選択幅の拡大を図ってきた結果、全県一区の割合は、現在、募集定員全体の約五〇%になっております。しかし近年、人口動態や交通事情も変化し、生徒や保護者のニーズ、価値観も多様化する中で、各方面から現行の通学区域を見直す必要があるとのご意見が出されております。
 こうした中、本年三月、きのくに教育協議会から、通学区域については生徒や保護者の間に幅広い学校選択に関するニーズが高まってきており、普通科の特色づくりとも関連して、学校選択の自由と学校間格差の是正との調和を図りながら検討する必要があるという報告が出されました。これらの意見を十分参考にしながら、専門学科の学級増に加え、全日制普通科単位制高校を全県一区とし、学校選択幅の一層の拡大を図るとともに、庁内に設置したプロジェクトチームにおいて今後の通学区域のあり方について鋭意検討を進めているところでございます。
 最後に、議案第百七十八号で今回購入をお願いしている低床式スクールバスにつきましては、現有車両の老朽化に伴う代替車両として、また児童生徒増への対応として、たちばな養護学校に二台、みくまの養護学校並びに紀伊コスモス養護学校に各一台、合計四台の導入を予定いたしております。
 これらのバスは、重度障害の子供たちの乗りおりや乗車中の安全対策等にきめ細かに対応しつつ定員を確保する必要等もあり、一般の低床式バスに各校の実情に応じた改造を加えることとして一般競争入札により発注した結果、予算額に対して八八・一%の価格となったものであります。
 なお、今回の購入予算の財源は、全額、財団法人日本宝くじ協会助成金でございます。
 このように、できるだけ個々の児童生徒の状況に配慮した車両としていることや、購入に当たって宝くじ助成金や国庫補助金などの助成制度を活用できることなどから、現行の方式としているところでございます。
 以上であります。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十七番神出政巳君。
○神出政巳君 知事初め関係部長より答弁いただき、ありがとうございます。
 まず、IT総合センターの整備の件であります。
 総合教育センターは長年の懸案でありますので、内容のあるものにしていただくことには大賛成でありますが、前段申し上げましたとおり、株式会社和歌山リサーチラボとの連携・活用ということを常に念頭にIT総合センターの整備に取り組んでいただきたいと思います。
 また、特にインテリジェントパークへのIT関連施設等の誘致に、そしてそれらを支えるJR阪和線快速電車の海南駅までの延伸運動にも県を挙げてご尽力いただくようお願い申し上げます。
 次に、工事請負変更契約の件に関してであります。
 一つの問題として、設計段階でのコンサルとの協議にも課題があると思います。能力のあるコンサルを選び、より入念に事前打ち合わせをしていただきたいと思います。
 そして、県の技術職員のことでありますが、頑張る職員ほど連日連夜残業に明け暮れているのが現状であります。昇進ポストも事務職員に比べればかなり少ないわけでありますので、日の目を見るようなご配慮をいただくよう申し上げ、以上二件、要望として終わります。ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で神出政巳君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十三分休憩
     ─────────────────────
 午後一時二分再開
○副議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十六番高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕(拍手)
○高田由一君 お許しをいただきましたので、早速、一般質問をさせていただきます。
 まず、輸入農産物へのセーフガードの発動について伺います。
 セーフガードとは、輸入急増によって重大な被害を受けた、あるいはそのおそれのあるすべての国内産品を対象に、緊急に輸入を制限したり、関税を引き上げることができるというWTO(世界貿易機関)での取り決めのことです。
 今、全国の農家に、米、野菜の価格暴落が襲いかかっています。この価格暴落は一過性のものではなくて、WTO協定の受け入れ以降、年々ひどくなっており、放置すれば農業の崩壊をさらに進めることは間違いありません。
 果物は、既に九一年のオレンジの自由化、その翌年のジュースの自由化以降、この道をたどってきており、一九八〇年には八〇%だった果物の自給率が九七年には五三%にまで落ち込んできました。中でもオレンジ果汁の輸入は、九〇年に約二万キロリットルだったものが、九八年には約八万キロリットルと四倍化しており、それまで豊作などでだぶついたミカンの生果をジュース用として加工に回して価格の安定を図ってきた仕組みそのものがもはや機能しなくなりました。だからこそ政府も来年から、ミカンとリンゴに限ったものですが、新しい価格保証制度をつくらざるを得ないという状況なのです。
 米は、九五年の新食糧法以降、価格を市場原理に任せるということになりました。その上、政府が米の買い入れ数量をどんどん削減したことに加えて、三年前からは自主流通米の入札時の値幅制限をなくしてしまいました。さらに、過去最高の百万ヘクタールになろうとする減反、これは静岡県から西の本州、四国や九州をも含めた田んぼをすべてつくらないのと同じ規模だそうですが、それほどの減反をしながらミニマムアクセス米という名の米の輸入には一切手をつけず、これまでの五年間で二百七十万トンもの米を輸入し、その需給バランスを大きく崩しているのです。その結果、九五年に六十キロで二万一千三百六十七円だった米の平均価格は、本年十月の入札では一万五千八百五十八円になり、この五年間で約五千五百円の値下がりであります。東北や北海道の大規模米農家でさえやっていけないと悲鳴を上げているのが実情であります。このミニマムアクセス米について、我が日本政府は輸入義務だと言い続けてきました。しかし、私どもの党の国会議員団がWTO協定などすべて調べたところ、義務だと言うその言葉は一つもありませんでした。だから、ほかの国ではミニマムアクセスの数量の設定はあっても、実際の輸入は極めて少ないものになっています。
 例えばアメリカは、アイスクリームにこのミニマムアクセスの設定があるわけなんですが、五百六十六万トンの設定に対して、実際はたったの七万トンしか輸入していないのです。ほかの国でもそうで、輸入の機会は与えても、実際の需要がなければ全量輸入するということではないのです。日本に外米が欲しいという需要がどれだけあるでしょうか。ほとんどないにもかかわらず、輸入義務だと言い続けて輸入を半ば強制してきた現在の自公保の政権には、私は日本の農業を守ろうという意思を感じることができません。
 野菜はどうでしょうか。野菜の価格は、今急激に落ち込んでいます。野菜の輸入の急増については、議場にお配りしている資料の表をごらんになってください。全体的に価格が上がった九八年を境に輸入も急増し、まさに価格破壊とでも言うべき事態が進んでいます。特に生鮮野菜の輸入は、十年前と比べて、ことしは四倍になろうとしており、ことしに入ってからも生鮮野菜の輸入量は引き続き急増中で、品目別に見ると、トマトで前年比二三七%、サトイモ二二〇%など、多くの品目で急増しております。特に、この春の野菜価格の暴落は異常なものでした。幾つか例を挙げますと、九五年の価格を一〇〇とすると、キュウリが六八、キャベツが六六、レタスは何と四〇というぐあいです。農家にとっては、野菜の値が高くなる時期はなくて、もはや年じゅう安いという状態が続いています。
 私は先日、政府もセーフガードの調査対象に挙げている生シイタケの生産者にお話を伺う機会がありました。現在、生シイタケは国内消費量約十万トンの約三分の一を中国産が占めていて、その値段も国産の三分の一以下だそうです。その上、品質までよいときています。一体、船便で運ばれてくるのにどうしてあんなに新鮮なままなのか、何か薬をかけているんじゃないかという声まで聞かれます。その方の話では、五年前くらいまでは百グラムのパックで百三十五円くらいだったけれども、昨年は百五円、ことしは多分百円を切るだろうという話です。シイタケ生産は農業の中でも特殊で、原木の更新、種菌の購入など、普通の農業とは違って毎年の初期投資がかなりかさみ、これ以上の安値は経営的にも大変だと言われていました。値段がそれだけ落ちれば、年に数百万円の収入減になるからであります。その影響もあり、例えば私の管内の中辺路町では、多いときには三十軒以上がシイタケをやっていましたけれども、今は四軒にまで減ってきています。
 こうした事態を受けて、今回、政府はようやく重い腰を上げて、トマト、ピーマン、ネギ、生シイタケ、タマネギ、イグサの六品目についてセーフガードを発動するための調査を行おうとしています。各地の地方議会でも政府にセーフガードの発動を求める請願や意見書が採択されていますが、その数は十一県議会及び四百に近い市町村議会に及んでいるということです。
 セーフガードの発動は、無理でも何でもありません。何らかの理由で輸入が急増し、国内生産に打撃を与えるか、または与えるおそれがある場合、発動できるのです。ガットの時代も含めると、農産物へのセーフガードの発動は、アメリカ五回、カナダ十二回、EC十回など、各国合計で五十回にも及んでいます。現に、WTOができてからでもアメリカと韓国など六カ国が発動しています。ところが日本政府は、ただの一度もこの伝家の宝刀のセーフガードを発動したことがないのです。それは、発動のための条件をやたらと厳しく自己規制しているからであります。
 お配りした資料のセーフガードの表をごらんになってください。これは農林水産省が作成した資料ですが、例えば図の一番上の四角の部分には、「輸入増加による重大な損害等の事実の十分な証拠」と書かれているんですが、これを読みますと、損害の事実がなければ調査にすら入れないように書かれております。これは、WTOの協定そのものがそうなっているのではなくて、日本の農林水産省が勝手に決めてそう書いているだけのことなんですね。実際は、アメリカなどは損害が発生するおそれがあることを理由に発動しているんです。この点でも、今の日本政府の異常なまでの消極性は到底理解できるものではありません。
 そこで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 県として、セーフガードの発動へ向けて積極的な要請を国にするよう求めるものですが、それに対する見解をお示しいただきたいと思います。
 次に、道路の災害対策について伺います。
 去る十月三日、日置川町内の県道日置川大塔線で道路の底が崩壊して抜けるという災害が発生いたしました。幸い、けが人はありませんでした。私は翌日、振興局の方と現場を見に行って緊急の対応をお願いしてきたのでありますけれども、崩壊した場所が危険な箇所だったことなどもあり復旧作業がおくれ、結局、回復するのに一カ月以上を要する事態になりました。
 現場は迂回路がなく、日置川町の市鹿野地区から日置地区に行くのに、普通なら車で四十分ぐらいですが、その線が通れないと、大塔村の三川を回って上富田町に出て、白浜の海岸線を通って日置へ行くという、片道一時間半はかかるルートしかないわけであります。地域住民にとっては、本当に大変だったと思います。
 私は、道路災害に対して、ハード面では大雨などの災害にも強い道路をつくっていくこと、災害が起こった後できるだけ早く復旧できるようにすることが大切だと考えます。しかし、これは予算の関係もあるので、例えば県下で千八百カ所以上もある道路の危険箇所を早急に補強、修繕していくというのはかなり無理があると考えています。しかし、ソフトの面での対応はすぐにでもかかれるはずです。
 今、私が感じておりますのは、やはり道路のパトロールが不足しているということです。各振興局には二、三名の道路整備課の担当がいますが、その方がサボっているというのではもちろんございません。忙しい中、頑張ってくれているわけですが、いかんせん、担当する道路の範囲が広過ぎます。先ほど述べた日置川町の場合も、現場を見ると、一昨年の台風で道路のすぐ下の斜面に生えている木が何本も倒されていて根が浮いている状態になっている。このことが一つの要因になっていたと思います。これにもっと早く気づき、手を打っていればと思ったのですが、まさに後の祭りであります。
 そこで、土木部長に伺います。
 県が管理する道路の危険箇所の周知や日常的な監視体制はどうなっているでしょうか。また、今後どのように充実させていくおつもりでしょうか。お答えをお願いいたします。
 同時に提案したいのですが、災害が多発する台風などの後には、緊急措置として民間の土木業者に道路の点検を委託して、一斉にそれぞれの管内の災害状況を把握するようにしてはいかがでしょうか。地元の業者は長年その地域で仕事をしていますから、どこが崩れやすいとか、どんな地質なのかとよく知っています。その知恵と経験を生かすために、きちんと費用負担も出して調査を委託する。不況に苦しんでいる中小業者へのささやかな支援という意味も込めてこのことを提案いたしたいと思いますが、いかががでしょうか。答弁をお願いいたします。
 この問題の最後に、もう一つ提案したいと思います。
 建設省などでは、道路調査車といって、レーダーを使って道路の内部で起こっている空洞化などを発見できる特殊な車両を持っていますが、こうした新しい機材を活用して未然に災害を防ぐための調査をしていくことも重要だと思います。この点で、土木部長の考えをお聞かせください。
 次に、さきの九月議会でも取り上げられたJR西日本の路線バス廃止問題について伺います。
 本年、道路運送法が改正され、来年からバス事業者が生活路線から撤退する場合でも、地元合意がなくても撤退できるようになります。それを待っていたかのように、長年にわたり地域の交通機関として大きな役割を果たしてきた西日本JRバスは、来年十月をもって田辺駅から中辺路町栗栖川間を除くすべての路線バス、十四系統を廃止する予定であります。さきの国会で我が党の大幡基夫衆議院議員の質問に対する運輸省の答弁では、西日本JRバスは百九十一ある路線のうち、実に七割近くの百二十六路線を廃止する意向であります。また、残った路線が今後そのまま運行されるかどうかの保障も全くありません。紀南地方の重要な公共交通機関が、何の計画性もなく、ただ採算性という理由だけで廃止されていくことになるのであります。この道路運送法の改正に日本共産党は、バス行政の自殺行為だと厳しく批判をし、国会では社民党とともに反対を表明しました。
 こうした状況の中、先日、地元の市や町から「公共交通の確保に関する要望書」が知事あてに提出をされています。今廃止されようとしている路線バスは、全体的な利用者数こそ多いものではありませんが、通勤、通学、通院、買い物など日常生活に密着し、地域住民にとっては欠かすことのできない交通機関になっています。例えば、中辺路町近露地区の高校生が通学できるようになったのは、早朝出発のバスが数年前にできてからです。今、十五名がこのバスで高校通学をしていると言います。やっと実現できた自宅からの通学が、またできなくなるというのは大きな後退で、地元の方の話を聞いても、「こんなことを計画されたら、地元でせっかく若い定住者を呼ぼうと頑張っているのに、だれも来なくなってしまうじゃないか」ということを率直に語られていました。また観光の面からも、熊野古道が国の史跡指定を受け、ユネスコの世界遺産登録への機運が高まっているときに、バスの廃止は重大な痛手となります。もちろん、西日本JRバスに言わせれば、もっと地域の人がバスを利用してくれないから採算が合わないんだという理屈でしょうが、例えば中辺路町内をとってみても、温川、小松原方面の路線、滝尻から石船、大内川への路線、西谷への路線など、国鉄時代も含めて、JRバスは次々に路線を廃止してきたのです。枝線の集落に住む人がバスを利用しようとするとき、自宅近くから発車してくれるのなら利用もしやすいでしょうが、幹線の三百十一号線までは車で出てきてください、それから車をバスに乗りかえてくださいなどと言っても、だれも利用しようとしなくなるのは当然の流れであるとも思います。バス会社自身、みずから利用できないようにしてきたということではないでしょうか。このことは、白浜空港の利用促進の経過と対比すればますますはっきりいたします。これまで二便だった白浜空港の本数を三便にして利用しやすいように改善しました。そうしたら搭乗率もアップして、十一月には夏場をしのぐ過去最高の約一万七千人の搭乗となったと言います。バス路線についても、同じ傾向が言えるのではないでしょうか。
 私は、根本的には国鉄分割民営化を推し進めてきた国の責任が大きいと考えます。日本共産党は、当時、分割民営化を進めれば、ローカル鉄道とともに不採算のバス路線の廃止を招くと厳しく警告してきました。当時の運輸大臣は橋本龍太郎さんだったんですが、国会の答弁で、西日本など本州のJRはバスを分社化しても経営は大丈夫なんだと言って分社化を強行したのであります。国が大丈夫だとお墨つきを与えてやってきたこの分割民営化路線が結局破綻し、地方に住む人々の交通権が脅かされる事態を招いているのに、後は県と市町村の協議会で考えてくださいというのは余りにも冷たい政治ではないでしょうか。
 そこで、知事にお尋ねします。
 まず、このたびの西日本JRバスの路線撤退への知事の見解をお示しください。
 また、先ほど述べた国鉄の分割民営化当時の経過から言っても、事業者と国に対し存続を要望するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 私たち日本共産党は、JR各社の経常利益の一部を拠出させて、バス路線を維持するための新たな対応なども検討すべきだと提案をしています。例えば、JR西日本ではバスの赤字は約十億円ですが、本社の経常利益は四百二十三億円にも上っています。まさに優良企業です。こうした利益の一部をバス会社にも還元するという提案ですが、そうしたことも踏まえてお答えをいただきたいと思います。
 最後に、企画部長に伺います。
 仮に、さまざまな努力があっても結果的にこの路線が廃止された場合、代替バス路線への県の援助についてどのようにお考えでしょうか、答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、地域福祉権利擁護事業について伺います。
 介護保険の導入や社会福祉事業法の改正など、その是非は別といたしまして、福祉サービスは基本的にはサービスを提供する者と利用者自身が契約を結んで利用することになってまいりました。しかしその際、痴呆老人や知的障害、精神障害を持ち、判断能力が十分でない人は適切なサービスの提供を受けられないことになりかねません。なぜなら、サービスを受ける本人が契約者としての主体性を求められるからであります。判断能力の低下した人が、地域や在宅で生きがいを持って安心して暮らしていくために必要なものは、一つは十分なケアであり、もう一つは財産管理だと思います。身の回りに家族や親戚がいる人はまだしも、ひとり暮らしの方がそうした判断能力不十分な状態になった場合、だれがその人の意思を代理するのか大きな問題になってまいりました。
 そこで厚生省は、昨年十月から地域福祉権利擁護事業といって、福祉サービスの利用手続の援助や代行、利用料の支払いや日常的な金銭管理などを行う事業を実施し始めました。
 実は、近所のひとり暮らしのお年寄りが脳梗塞で倒れて入院することになったんですが、私、相談を受けまして、これからの身の振り方や金銭の管理をどうするのかという点で、親戚もだれもなく、本当に近所の人と頭を悩ませていたんです。幾らその人と日ごろ親しかったとしても、近所の人や担当の民生委員がその金銭を預かって必要な買い物をしたりアパートの家賃を払うことは、後々のことを考えますと、もしかしたら親戚だと名乗る者が出てこないとも限りませんし、到底請け負えるものではありません。もちろん、入院中の病院もそこまで面倒は見てくれません。私は、この制度ができたのは知っていましたので、もうこれしかないなあと思って社会福祉協議会へ駆け込んだわけです。しかし、実際話を聞いてみると、かなり条件が難しい。実に利用しにくいのが実態であります。
 議場にお配りしているパンフレットにもありますが、その中を見ますと、「このような方が利用できます」というような部分があります。対象になる方が例えば痴呆性老人なのに、その当人に契約者としての判断能力が必要だという、まことに微妙な線でしか対象にならないというのが進まない大きな理由だと思っています。厚生省が昨年十月より開始したばかりの事業であって、現時点の状況をもって即和歌山県としての取り組みが充実しているかどうかを決めつけようというものではありませんが、先日、田辺市の社会福祉協議会にお話を伺いますと、これまで約四十件の相談があり、そのうち契約が成立したのはゼロだと言います。地域におけるこの事業の必要性からも見ても、本当に少ないと思います。
 そこで、福祉保健部長に伺います。
 現在まで、県下でどれくらいの利用相談があり、そのうち契約成立したのは何件でしょうか、答弁をお願いいたします。
 また、新しい制度にふさわしい周知や宣伝をしているでしょうか。私は、病院や福祉施設で働く職員でさえ知らないというのが現状だと思いますが、この周知、宣伝の点で答弁をお願いいたします。
 さらに、この事業は県の社会福祉協議会が事業主体になって取り組むものなんですが、もっと主体性を持ってこの事業に対する相談活動などに取り組むべきではないでしょうか。例えば、お隣の大阪府では、権利擁護事業のシンポジウムや弁護士、社会福祉士、保健婦などの参加を得ての電話相談、テレビ、ラジオへの出演、広報誌への掲載などの宣伝活動を行っています。何より相談事業が充実していて、電話相談は月曜から金曜までの十時から四時まで受け付けていると言います。こうしたことも参考にして、県社会福祉協議会の主体性を持った取り組みが必要だと思いますが、この点で部長の見解をお示し願います。
 最後に、利用料の問題です。
 そのパンフレットにも利用料を書いていますが、一回一時間の利用料が千円となっていますけれども、仮に週に一回お金の出し入れをしてもらうだけでも月四千円になり、これはお年寄りやその他の方にとっては大変な負担です。この利用料も都道府県の社会福祉協議会が独自に定めることができるそうですから、もっと軽減するべきではないかと考えているんですけれども、このことについても部長の見解をお示し願いたいと思います。
 以上で、第一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの高田由一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) JR西日本の路線バス廃止についてのご質問にお答えをいたします。
 JR西日本の路線バスの廃止についてでございますが、同社は以前より経費削減と輸送の効率化を図り、収支の改善に取り組んできておりますが、乗り合いバスの需要が減少し、多くの路線が不採算となっているため、全社的な路線の見直しを行い、将来的に収益が見込めない路線については廃止せざるを得ない状況になっていると聞いております。
 お話しのとおり、同社のバス路線が廃止されますと、一部生活交通や観光交通における空白地域が生じるため、県といたしましては市町村等関係機関とともに対策を十分協議してまいりたいと考えております。
 次に、バス会社と国への存続の要望についてでございますが、ことしの十一月に、国、県、沿線市町村及びJRバス等の関係機関による会議を開催し、路線廃止による地域への影響が大きいことを訴えているところでございます。
○副議長(尾崎要二君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 輸入農産物についてのセーフガードの発動を求めることについてのご質問にお答えいたします。
 WTO協定に基づく一般セーフガードにつきましては、国内産業保護の観点から緊急に輸入制限等が行える制度であります。しかし、発動の要件である「輸入により国内産業が重大な影響を受け、国民経済上緊急に必要があると認められるとき」ということの立証が難しく、我が国ではこれまで発動に至った例がないのが実情であります。こうした中、農林水産省では、野菜において、ここ数年輸入量が増大し、価格低迷が続いていることから、本年十月、各県や農業団体を通じ、輸入による影響が出ていると見られる主要品目について生産や販売状況等の実態調査を実施し、本県からはキヌサヤエンドウ、タマネギ、ブロッコリーを報告してございます。
 現在、農産物では輸入による影響が大きいと見られるタマネギ、トマトなどの六品目について、発動に向けた農林水産省、大蔵省、通商産業省合同の政府調査ができるかどうか、三省の間で検討が行われているところであります。県といたしましては、野菜の輸入量増大は本県の野菜作経営にとっても影響があるものと考えておりますので、今後国へ働きかけるなど積極的な取り組みを進めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 道路の災害対策についてのご質問に順次お答えします。
 県では、国道と県道合わせて約二千五百キロメートルの道路を管理しており、防災点検結果で対策が必要な箇所が数多くあります。すべての箇所に対策を施すには相当な年数を必要とします。そのために、豪雨や地震時に注意していただくよう現地に警戒標識等を設置し、一般の方に周知することとしております。
 日常の監視体制といたしましては、職員の道路パトロールを基本とし、道路情報員や一般の方からの情報を提供していただいております。また、大雨や台風後の点検は防災体制として配備した職員で行っております。緊急時の民間業者の活用については、見回り点検というより崩土除去等の作業を中心に考えております。
 次に、お尋ねの道路調査車は建設省の日常管理に使用しており、貸し出しは行っていないと聞いております。このため県では、財団法人道路保全技術センターの所有する調査車を使用し、昨年度から試験的に調査を実施しております。道路管理につきましては、今後とも新しい技術を活用するなどしてその充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 西日本JRバスの路線が廃止された後、代替バス路線が運行された場合の県の援助についてでございますが、現在国において規制緩和後の新しい補助制度を検討しており、この動向をも見きわめながら県としての補助制度を検討してまいりたいと考えてございます。
○副議長(尾崎要二君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 地域福祉権利擁護事業についてお答えをいたします。
 実施状況と今後の取り組みでございますが、県下の実施状況は、本年十月末現在で相談件数百三十件、契約件数二件、契約調査中のものが数件であります。この制度は、判断能力が十分でない方に対し福祉サービスの利用援助を行うものであり、利用者支援の大きな柱として認識し、積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、制度の周知と相談活動につきましてお答えをいたします。
 制度の周知でございますが、パンフレットの配布、新聞、県社会福祉協議会機関紙への掲載、テレビスポットの放映等、広報に努めるとともに、市町村及び市町村社会福祉協議会職員に制度の説明会等を通じ、周知徹底を図っております。本年九月以降相談者が増加しており、制度が周知されつつあるものと考えておりますが、今後ともより一層効果的な広報活動を行ってまいります。
 また相談活動でございますが、昨年十月に県社会福祉協議会内に和歌山県地域福祉権利擁護センターを設置し、福祉専門員三名の配置を行い、相談業務を行っており、相談内容に応じて各関係機関と連携を図りながら適切に対応しているところでございます。
 次に利用料の軽減でございますが、利用料は生活支援員の実費弁償的なものであり、制度の運営上妥当な額と考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、実施主体である県社会福祉協議会と連携を図りながら、利用者の立場に立った事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十六番高田由一君。
○高田由一君 答弁をいただきました。
 最初に、セーフガードの発動の問題では積極的に取り組んでいただけるということでありました。六月議会で、私が木材の輸入の問題を取り上げて、野放しの輸入を規制するよう求めたのに対して、部長は現状維持が精いっぱいで規制は難しいというような趣旨のお答えでしたが、それと比べても今回は全国的な運動も盛り上がっている中で、積極的に取り組むという答弁をいただきまして、これは大きく評価をしたいと思います。そして国に要望する際には、どうか木材のときのように、県議会の意思は輸入削減と言っているのに国に要望するときは当局が勝手に割り引いて現状維持を求めるというような、言葉は悪いですが腰砕けの状態にならないように、ぜひお願いをしたいと思います。
 今までも、外国製品の野放しの輸入が本当に県内の産業に大きな打撃を与えてきたと思うんですね。木材も苦労しているし、海南の漆器もそうですし、パイル織物もそうだと思うんです。なぜ政府が今までそういう事態を見ながらセーフガードの発動を一回もしてこなかったのかと、本当に悔やまれるわけです。セーフガードは、その趣旨から言いましても、輸入が急増したそのときにすぐに発動しないと効果が出ないんですね。というのは、セーフガードの協定には、輸入の数量を制限する場合に、過去三年間の数量の平均をして、その平均以下に輸入制限を抑え込んではならないという規定があるんですよ。例えば数年前、ニンニクやショウガが輸入急増して、このときセーフガードを発動するかどうかの検討があったわけなんです。ニンニクが問題となったとき、過去三年間平均したら輸入量が四千六百トンぐらいだったんですね。ところが、やるかやらんか判断を迷っているうちに、平均輸入量は今ではもう二万六千トンになって、仮に今さら発動したところで本当に効果が少ないという状況なんですね。ですから、今回政府が本当に早急に発動できるように県当局からも積極的な活動を要望しておきます。よろしくお願いいたします。
 それから、地域福祉権利擁護事業です。
 答弁をいただいたように、九月以降相談はふえてきているという状態なんですが、それにしても百三十件相談がある中で契約を結べるのが二件という状態は事実だと思うんですよ。今後の検討課題が多いわけですが、お隣の大阪府が非常に進んだ事例を持っていると思います。大阪は国の制度に先駆けてこの事業に取り組んできたこともあって、ことし一年間の契約件数でも百七十件を超えておりまして、利用料は、所得税非課税の方を見ると、年間三千円の基本料金みたいなのを取って、それにプラス一回、金銭の出し入れをしたりサービスを受けたら百五十円の負担で済むように、かなり配慮がされていると思います。制度の本来の趣旨が生かされるように、こうした弾力的な運用方法も含めて事業の積極的な推進を要望しておきます。
 以上は、要望です。これで私の質問を終わります。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高田由一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三番佐田頴一君。
  〔佐田頴一君、登壇〕(拍手)
○佐田頴一君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をいたしたいと思いますが、その前に、先日、海外調査で香港へ行ってきたことにつきまして議長に報告書を提出いたしましたので、その内容を簡単に報告させていただきたいと思います。
 十月十八日から二十日までの二泊三日の日程で、中国・香港まで出向き、県特産カキ販売促進と調査のため、ジャスコ香港黄埔(ワンポア)店、ジャスコ香港康怡(コンヒル)店の店頭に立ち、和歌山のカキのPRと販売調査を行ってまいりました。
 私たち一行のメンバーは、カキ生産地からということで、門三佐博先生、木下善之先生、私・佐田頴一と県農林水産部から仮家参事、下林副課長、西森主査、県農から大前果実部長の計七名でありました。
 この刀根わせ柿は、ミカン生産過剰をなくすためミカンの木を切り、その後にカキを植えつけたため、今度はカキが生産多量になり、需要と供給のバランスが崩れて値崩れし、カキ生産農家は生産費用も出ない状況になってしまっています。このため、このカキを何とか輸出できないかと考えた末に、今回テストケースとして香港を選んだのであります。
 私たちは、出発に際し、三日前に神戸港より五百ケースを十五度の保冷庫に荷積みし、ジャスコ二店舗で販売を行い、約三日間で完売できました。もちろん私たち七名も、和歌山のカキのはっぴを着て、美容、がん、二日酔い、老人病等の効果のチラシを配り、食味、試食をしてもらっての販売でしたが、販売価格は一個九十円から百円程度で販売されました。そうすると、段ボールの一箱七・五キロ入りですが、三千六百円から四千円ぐらいの消費者売価になります。カキは、中国から輸入され、香港市内の果物店でも販売されておりましたが、和歌山のカキをスーパー以外で販売することは、軟化防止段ボールを使用しても販売期間は五日程度であるため、販売は不可能であると思いました。
 私たちは、帰国に際して、八百ケースを追加送付するよう県農に発注して帰ってまいりましたが、将来、カキ輸出の結論として、香港での販売価格は一個百円以内でなければならず、日本の神戸での受け渡し価格は段ボール一箱、Mで千三百円、これから運賃、段ボール代、農協手数料を差し引かれると生産農家の手取りがどうなるか、問題であります。
 今後、毎年和歌山のカキを輸出するとなると、販売の働きかけも大変必要でありますし、このジャスコだけでは余り量も消化できないことになりますので、ジャスコ以外のスーパーにもお願いして販売をすることが必要であるということを痛感いたしたわけでございます。なお、ジャスコでは、次年度から引き続き販売したいとのことであります。
 これで、和歌山のカキの香港販売のPRと販売の調査報告を終わらせていただきます。
 それでは本論に戻りまして、一般質問をさせていただきたいと思います。
 木村知事は、県民の圧倒的な支援を得て九月三日に見事知事に当選されてから早くも三カ月が経過しましたが、和歌山県の二十一世紀を託す木村県政の住みよい豊かな県づくりにこたえていくため、夢のあるプラン、ビジョンを明確に示してもらい、木村知事のもとに本県の新時代の創造を目指して邁進してほしいと願っています。
 そこでまず、二十一世紀の新時代創造を目指すための諸問題解決の基本的な考え方について質問をいたします。
 知事は、選挙の際に、よくお年寄りやハンディキャップを持った人々が楽しく暮らせる社会づくりや福祉の心を持つ政策を実行したいと述べられています。しかし、県を取り巻く政治、経済、社会の情勢はまことに厳しく、低迷する景気、解決策の見えない環境問題、県外に流出する若者たち、青少年、教育問題、少子化、高齢化、暴力団、凶悪事件、農林水産業の衰退、おくれている生活道路、福祉・医療・介護のあり方、先行き不安の財政問題等、どれを取り上げても県政の課題は山積しており、かじ取りも大変なものがあると思いますが、若いエネルギーと新しい視点に立った感覚で二十一世紀の和歌山のためにぜひとも難問題を一つ一つ解決してくれるように、一層の頑張りと一層のご活躍を期待するものであります。
 そこで、知事就任第一期目でやり遂げる重点施策として、梅枯れ、橋本産廃、雑賀崎の埋め立て延長も含めて、今流行のITを活用した新和歌山ブランドの確立、企業の誘致、農林水産業を含む経済の活性化や道路など生活を支えるネットワークの形成、高齢者、障害者が安心できる福祉社会の戦略プランの作成とその解決実現について、まず総括した知事のご所見からお伺をいいたします。
 それでは、個々の具体的な事項について質問をしてまいります。
 まず、平成十三年度予算編成についてであります。
 平成十三年度当初予算については、既に各部局より要求の取りまとめも終わり、知事査定直前の時期に入りつつありますが、二十一世紀における本県発展のために真に必要な事業について、当面の経済動向にも配慮しつつ、限られた財源を思い切って重点的に配分し、二十一世紀の和歌山づくりに向けた予算を編成するとの方針でありますが、私は逆に、着実な税収増加が全く望めない深刻な財政難を理由に事業投資の縮小や金のかかる事業の中止を行い、財政ばかり配慮した姿勢を打ち出せば、かえってすべての行政は失速してしまう結果にならないかと心配をしております。
 平成十三年度予算編成の基本方針を見ると、二十一世紀の和歌山づくり、財政再建への積極的な取り組み、要求基準などを示されていますが、特定経費で国の制度に基づくものは、当初予算の九五%、県単独投資で前年度当初予算の七五%、標準事務費九〇%、その他の施策費八五%となっており、財政難を理由に毎年毎年予算規模を縮小していったらどうなるのだろうか。ますます先行している他府県に引き離されるばかりになると思います。私は、予算総額を縮小せずに財政を再建できる方法を知事を筆頭に英知を絞って考えるべきで、金がないから投資事業はしないという方法はだれにでもできる手法であると思います。厳しい財政状況の中にあっても、国の支援を最大限に受けて、重要な施策はやめたり取り消したりせず、強く推し進めることが必要であり、今現在大変おくれている和歌山県をもとの姿の全国平均値まで戻す再生のチャンスと考えられます。予算総額を落とさないで、平成十三年度予算を組めないかどうか、知事にお尋ねをいたします。
 次に、県の平成十一年度予算は、全国的に見て歳入歳出は三十七位で、予算規模は類似県と比較しても大変小さな予算であります。例えば公共工事着工についても、「公共工事着工統計年度報」の平成十年度版を見ると、全国最下位の千百六十一億円で、全国で最も少ない人口の県の一千四百十六億円は本県より二百五十五億円も多く、このような状況は結果的に県道の道路改良率でも全国ワーストテンの中に入り、公共事業の絶対額もこの六年間を通じて四十三位で、他府県と比較してもインフラ整備は全くおくれているところであります。本県は、過去に何でこんなに公共事業がおくれてしまったのか、予算規模は類似県と比較して小さ過ぎるのではないか、その説明を総務部長に求めます。
 次に、新税導入計画反対についてであります。
 今、こんな不景気の中にあっても、県民はささやかな小さな幸せを願っています。しかし、厳しい県内の不況はなかなかとまっていません。二月には和工繊維の二十四億二千万円、七月には伊藤電気の十八億五千万円などの大型倒産が続き、景気の低迷は依然として出口さえ見えず、一月から六月までの県内倒産件数は八十六件、過去三十年間の中で負債総額約二百十九億六千万円と最悪であります。また、最近の公共工事の落ち込みで、これまで県内経済を支えてきた土木建築分野が振るわず、元気のあった梅や日曜雑貨、衣服、農産物分野も輸入品に押され伸び悩み、惨たんたる状況であります。さらに、IT産業、ベンチャー企業が県内に根づくような手段を講じなければならない時期に新税の導入などその環境になく、ここで明確に反対しておきたいと思います。
 この新税導入計画は、平成十二年の地方分権一括法が施行されて各自治体で課税の自主権が広がり、新税の創設に一気に動き出したため、県独自で税目を定めて新たに新税として県民に賦課しようとしている案であります。大阪府は、既に新府民税や事業税の一定税率の課税を発表しており、東京都も外形標準課税の銀行課税や高級ホテル、パチンコ台、産廃排出、ディーゼル自動車の首都高速利用にも課税する方法を計画、神奈川県も税が認める限度いっぱいの率を上乗せする方法を打ち出しています。また、他の県においても県独自の財源を探すための自主財源を検討する研究会が既に二十八道府県で計画されており、当然和歌山県もこの中に含まれ、知事も新税導入のためのプロジェクトチームをつくることを検討すると県議会でも述べています。しかし、国のバブル崩壊後、地方財政をも動員した国の景気対策に引きずられ、今日の財源不足に至った経過は県民もよく知っているところであり、国の偏った税源配分の見直しもやらず、ただ地方自治体の財政が危機だからと安易にその借金のツケを県民に回してよいものかどうか、疑問であります。
 そのため、新税案はこの状態では簡単に認めるわけにいかず、新税を賦課する方法には賛成しがたいと思います。むしろ、県民の立場からすると行財政改革が前提であると言うだろうし、景気回復にも水を差す悪い影響を及ぼすことになりかねません。さらに、東京、大阪、神奈川県のように県民所得が全国上位を占める都道府県と違い、和歌山県のような最下位クラスに位置する県民層とでは基本的に相違があり、借金負担を新県税で県民に転嫁することは無理な相談となります。知事のご意見をお聞かせください。
 次に、町村合併推進と要綱作成の活用についてであります。これは小川先輩も聞かれておりますが、私からも聞いていきたいと思います。
 平成十二年四月に地方分権一括法が施行されてから地方分権の議論が高まる中で、その受け皿となる適正規模の市町村がぜひ必要であるとの認識のもと、市町村合併を推進すべきだとの考えが強まり、ぼつぼつ合併の話が出始めています。昭和三十年の大合併では全国一万近かった市町村を一挙に三分の一の三千二百二十九に減少させた実績がありますが、平成の合併はさてどうなるのでしょうか、甚だ疑問であります。国では、町村合併を推進するため、市となる要件を大幅に緩和し、人口五万人から四万人に、さらに三万人にと引き下げ、中心市街地の形成などの三要件は適用しないと述べています。また森首相は、市町村合併はなかなか容易ではないが、何とかしなければ新時代の地方をつくることはできないと述べ、与党三党合意として市町村の合併目標を千自治体と、数値目標を明記して合併を進めています。これに対し市町村側は、全国市町村長会、全国市町村議長会とも、合併はあくまで市町村と住民の自主的な発意を基本として決して強制しないようにと強調しており、前進していないのが現状であります。
 このため、最近十年間の合併実績はただの十三件のみであり、合併の実績は余り残っておりません。県も、強引な誘導にはかえって市町村が反発すると、自主的に合併の話が発生した場合にのみ支援、指導するとの答弁を繰り返しています。そのためか合併の話は全く低調であり、合併の大きな潮流の中にあっても合併の機運の醸成を図ることは全くできていません。
 現在、県内には市の基準の五万人に達していない市が四市もあり、一万人未満の町村も二十八町村もあって、全国の市町村と比較してもいずれも小規模であり、県もこの程度の人口でもよいと考えておられるのでしょうか。まず、知事のご所見を承りたいと思います。
 今回、自治省は、具体的な市町村合併を盛り込んだ市町村合併の合併要綱を各都道府県に策定させ、本年度中に提出するよう指導しているが、和歌山県案の合併プランができ上がっているのでしょうか。他府県では、既に十道県が策定済みで、大阪府も大阪市、東大阪市を除く四十二の市町村に合併するモデル案をこの十月に公表しています。本県は、どこまで行っているのでしょうか、公表はしないのでしょうか、総務部長に質問をいたしたいと思います。
 既に自治省は、地方交付税の算定方法を見直し、人口四千人未満の町村への配分を九八年から三年間かけて段階的に削減したり、合併市町村への支援も法律で二〇〇五年三月まで、あと五年と期限を切っています。今後さらにあめとむちの政策が推し進められてくるような気がしてなりませんが、そこで市町村が実際に合併する場合は、各市町村とも財政も含めていろいろな事情があり、歴史的、文化的な経緯や将来を見据えた経済状況、住民の生活圏など十分検討しながら合併を進めなければならないと思います。
 まず、私の那賀郡を見たいと思います。
 第一案は、那賀郡六町を合併して人口十二万人の市をつくるという案がありますが、しかし最近、岩出町は単独で人口五万人の市をつくると明言しており、町内の地区懇談会でもそう説明されています。さらに、残る五町で合併するとなると、南西の貴志川町と東の那賀町では同じ郡であってもほとんど人的交流はなく、むしろ那賀町は果樹地帯で生活する粉河町と伊都郡かつらぎ町が同一生活圏であり、人的交流も大変盛んであります。一方、貴志川町も、紀の川南部を中心に、海草郡の野上町、海南市との交流が多いため、この地域への合併を望む声が強いと思います。さて、こうなると郡の枠を取り外した合併になるが、これで推進してよいのかどうか。合併要綱の合併プランをつくるに際して、町長、議会、各団体等から地域の状況を聞いたのかどうか。県の広域行政懇話会の先生方のご意見や、合併方式の基本的なつくり方、考え方を総務部長にお尋ねいたします。
 最後に、紀泉百万都市構想実現への基盤整備について質問をしていきたいと思います。
 紀泉百万都市構想づくりには、まず紀北地域の基盤整備を真っ先に、次の事業から推進しなければなりません。二十一世紀は、いよいよ具体的に実行する時期であります。
 そこで、五つの項目について質問をいたします。
 まず、JR和歌山線の整備についてであります。
 JR和歌山線の利便性の向上と活性化についてでありますが、JR和歌山線沿線の二市六町を中心に、駅及び駅周辺に利便性の高い施設等の整備を図り、利用者の拡大と鉄道を活用した町づくりを推進するため、JR和歌山線利便性向上施設等整備推進計画を策定して頑張られておりますが、先日も和歌山線開通百周年記念列車や記念イベントが開催され、市町村長らが出席して百周年を祝っていました。しかし、何としても和歌山線の利用客の確保に努め、利用客減少を食いとめなければなりません。行政側も、利用増進策として、駅前広場駐車場、駐輪場や駅進入道路の整備に努力をしておられますが、JR側もこれに対応した最大の努力をしてもらわなければなりません。私は、JR側の鉄道利用の利便性向上のために、次のような要件を整備してほしいことを県を通じてJRに要望してほしいと思います。
 イ、快速電車の導入による橋本─和歌山間の時間の短縮と増便、ロ、各駅の時間待ちを少なくするために一部を複線化し電車の行き違いができるよう整備を図ること、ハ、新しく美しい新型車両の導入、ニ、和歌山線、阪和線、南海電車による相互乗り入れ計画と検討の実施などです。
 鉄道は紀泉百万都市町づくりの一番の基礎づくりであり、県民生活と密接な関係のある鉄道として、通勤のための和歌山市、大阪方面への交通の利便性向上は何をおいてもしなければならない問題でありますので、これからの和歌山線複線化の整備を含めてJR側へ強く働きかけてほしいと思いますが、企画部長に質問をいたします。
 続いて、道路問題についてであります。
 まず高速道路の京奈和自動車道の整備でありますが、現在、橋本市周辺の整備が中心でこの地域にとどまっていますが、平成五年に事業化した紀北東道路はまだ設計段階で、何も進んでいません。今度は西側からも工事を進め、那賀郡側、打田町より用地買収や工事を進めて両方で工事を着工させることにより早期に完成できる形態になると考えます。那賀郡側からも事業ができるよう国に働きかけてほしいと思います。
 次に、県道関係について質問をいたします。
 粉河町、那賀町と大阪の岸和田、貝塚市を結ぶ道路新設促進の件でありますが、現在の那賀、粉河からの県道と紀泉高原道路を結び、将来府県道として昇格させ、大阪南部への最短道路として完成させられないかどうか。また大阪南部の大型広域農道と紀の川広域農道を結ぶ府県間広域農道連絡道計画として採択できないかどうか。平成十三年一月三十一日に泉南・那賀サミットが那賀町の青洲の里で開催が決まっており、サミットは府県間ルート整備がメーンテーマとなっていますので、この機会に大阪府と協議してほしいと思います。
 県道泉佐野岩出線の残区間も早期に改修するとともに、同路線の延長の岩出橋から海南市に至る道路として四車線の計画決定を早くしてほしいと望んでいます。
 県道泉佐野打田線は大阪府側の整備がおくれているので、大阪側に強く改修促進をお願いしたいし、県道かつらぎ桃山線黒川峠の改修と法線の決定も早く進めてほしいと思います。
 県道垣内貴志川線の改修がおくれているので早く進めるようにご配慮願いたいこと、県道和歌山橋本線、粉河─龍門間地域も狭い集落の中を現道路が通っているため、常に交通事故発生寸前の状況にあります。早期にバイパス線の完成を要望したいし、JR名手駅の踏切道の拡幅は十数年経過してもまだ整備がされていません。JRとの関係もあるが、国道から駅や市街地に入る道路であるため、長く放置しないで早く改良を進めてほしいと思います。
 次に、国道についてであります。
 府県間平トンネルについては、毎年直轄代行事業として早期に採択するよう国に要望していますが、なかなか実現せず、おくれています。また国道二十四号のバイパスは、和歌山市から打田町まで完成し、現在、打田町黒土でストップしています。しかし、この道路は通勤や生活をするための道路であるため、那賀郡東部の者みんなが橋本までの東伸を望んでいます。橋本市まで京奈和自動車道に関係なく延長できないか、強く国に働きかけてほしいと考えます。
 以上、土木部長に各路線の進捗状況と解決についてお尋ねいたします。
 次に、流域下水道那賀処理区の早期着工についてであります。
 都市機能を持たせるには、下水道施設が第一です。下水道のない都市は考えられません。那賀郡は年々都市化が進行し、岩出町や貴志川町は和歌山市や大阪南部のベッドタウン化して人口の増加も著しく伸び、さらに将来においても人口増加が予想される地域であります。このため、都市の基盤施設である下水道整備が急務となってきており、住民にとっても、下水道は快適に暮らせる上での必要不可欠な施設であります。県においては、伊都処理区が平成十三年から一部使用供用されることになりましたので、今後は那賀処理区の施設を整備してほしいと思います。そのため、県も平成十三年度新規事業採択に向けて国に要望されていますが、ぜひとも平成十三年度当初より事業着手できるよう強く働きかけてほしいと思います。土木部長から、その見通しをお教えください。
 次に、県立高等学校の新設計画の要望についてであります。
 二十一世紀を託す子供たちの教育問題でありますが、那賀郡では当面する教育上の諸問題の中にあって、高校進学について教育の機会均等を願う切実な要望が地域全体の大きな関心事になっています。このため、郡PTA進路対策協議会内に新設高校検討委員会を平成十年に設置し、アンケート調査を行い、生徒の進学先の状況などを調査し、検討を進めています。
 現在、既に那賀高校千三百二十名、粉河高校千百二十名、貴志川高校八百名の生徒を抱えるマンモス校となっており、将来三校だけで対処し得ない事態が予想されます。このため、新設学校の規模、学科、学校の位置等についても協議し、学年五学級二百名の三学年計六百名規模の学校を想定し、現在の那賀高の国際科、粉河高校の理数科や看護科、福祉科、総合科なども含めた全県一区の高校として発足できないだろうかと考えます。
 現在、紀北地区では、高野山、初芝橋本、信愛、近大和歌山、開智、和歌山智辯高へ進学する生徒も含めて、平成十二年三月卒業生で千四百十九名、全体の一〇・九%が私学に進んでいます。今後、公立学校に生徒をとどめるためにも、那賀郡にできれば中高一貫制をモデルとした学校をぜひ新設できないかどうか、教育長に質問をいたします。
 最後に、紀北博覧会の開催の可否についてお尋ねをいたします。
 南紀熊野博は、県と紀南十六の市町村で盛大に開催されて大変な成功をおさめられたが、紀南博に続いて紀北にも博覧会との声が強まり、前知事西口さんの公約として紀北地区でも開催することになっていましたが、この約束事は西口知事の引き継ぎ事業として今も紀北博覧会計画は県当局で生き続けているのでしょうか。まず、知事にお聞きします。
 開催となると、いつごろ、どこを中心に、どんな方法で開催するのか、ぼつぼつ決めていく必要があります。紀北地域は、今まで紀南のように余り観光の方は力を入れず、観光ガイドにも紹介されていないのが現状でありますが、伊都郡の高野山、真田幸村庵、那賀郡の華岡青洲、粉河寺、根来寺など、紀の川地域の歴史、文化、風土のある伝統的な生活、山、川の豊かな自然が体験できる地域であり、紀北地域にとっても、大都会に近いこともあって大成功疑いなしの博覧会になると確信しています。そのためにも、各地域が一体となって連携をとりながら、今からでも取り組むための諸準備も必要となります。現在どんな紀北博覧会を企画してくれているのか、企画部長にお伺いをいたします。
 以上、少しの時間で質問をしただけでも、これだけの大きな事業や仕事が残っています。平成十三年度は予算額を落とさないで早期に各事業が完成できることをお願いして、質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの佐田頴一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 二十一世紀の新時代創造を目指すための諸問題解決の基本的な考え方についてのご質問でございます。
 ご指摘のとおり、日本を取り巻く社会経済情勢は目まぐるしく変化をしており、本県にとっても極めて厳しい二十一世紀の幕あけを迎えようとしております。私は、このような変化の時代に県政を担当させていただくに当たり、当面する懸案事項である梅の生育不良、橋本市の産業廃棄物、雑賀崎の埋め立て等の解決に向け、住民の方々との対話と迅速な対応を基本に全力を傾注して取り組んでいるところでございます。
 今後の県政運営に当たっては、県財政再建のため聖域なき行財政改革を実施するとともに、さまざまな地域との交流や連携を促進する交通・通信ネットワークの整備、IT技術を活用した新しい産業の創出・育成、高齢者を初めとしただれもが安心して暮らせる社会の構築、潤いや安らぎを感じさせる快適な環境づくり、情報化、国際化等に対応した人づくりを基本的な考え方とし、国の内外に開かれた新しい和歌山創造に向けたビジョンづくりに積極的に取り組んでまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、和歌山県に勢いをつけることを二十一世紀の課題として取り組んでまいりたいと考えております。
 次に予算編成について、二十一世紀の和歌山づくりに向けた予算でございます。
 平成十三年度当初予算は現在作業中でございますが、県税収入を初め、歳入面において厳しい状況が見込まれるところでございます。しかしながら、来年度は新たな世紀の扉を開く重要な予算でもあり、県民福祉の向上を図り、時代を先導する事業を積極果敢に推進していくことが肝要であると考えております。
 このため、来年度予算の総額につきましては不透明なところがございますが、国庫補助事業の導入等に最大限努力するなど、二十一世紀の和歌山づくりに係る各般の施策を力強く展開するためにも、知恵を出し、工夫してまいりたいと考えております。
 なお、現在各部から来年度予算について目玉になるような事項を募集しておりまして、今後各部長との協議を経て、来年度の予算では目玉をつくっていく。やはりお金がない、お金がないということでしり込みしていては活力が出ませんので、そういう面にも力を入れた予算にしてまいりたいと考えております。
 次に新税導入計画についてでございますが、昨今の極めて厳しい財政状況の中で、地方税財源の充実確保は地方分権を推進する上で重要な課題であり、このような状況の中で地方公共団体が独自に新たな税源を模索することも一つの大きな時代の流れではないかと考えております。本県におきましても、他府県の事例を調査分析するなど幅広い観点から研究を進めている段階でございますが、いずれにせよ、新たな税を導入するには県民の方のご理解を得ることが何よりも重要でありますので、行財政改革のなお一層の推進に努めながら研究してまいりたいと考えております。
 なお、新税の導入につきましては最近非常に厳しい状況が出てきておりますし、景気の動向そしてまた、まず行政改革を行ってからということもあります。それから、先ほどご指摘のありました和歌山県の状況も十分考慮に入れて考えていかないといかんと考えておりますので、十分研究は続けてまいりますけれども、慎重な対応を考えております。
 次に市町村の合併について、適正規模はというご質問でございます。
 議員ご指摘のように、本県におきましては小規模な市町村が比較的多い状況にございます。本格的な地方分権の時代を迎え、住民に身近な総合的な行政サービスを提供する市町村の役割がますます重要となっておりますが、国、地方を通じた厳しい財政状況のもと、市町村が将来にわたって行政サービスの水準を維持し、新しい行政需要に的確に対応していくためには市町村の規模を拡大することが求められているものと考えております。県内の各地域の将来を展望するとき、本県におきましても市町村の合併を推進していくことが必要であると考えております。
 なお、市町村の合併につきましては今後要綱を示してまいりますけれども、県といたしましても、今後極めて地方の財源が厳しくなっていく上で、和歌山県の市町村がどうあるべきかをもう一度真剣に考えて、その中で市町村合併についても真剣な取り組みをしてまいりたいと考えております。
 次に紀北博開催の可否ということでございますが、ご指摘のとおり、紀北地域は豊富な歴史、文化資源を有した地域でありますので、これらを生かした当地域の活性化方策については、現在種々検討しているところでございます。
 私といたしましては、大阪府南部との地域交流のさらなる推進や、世界遺産登録に関連して紀北地域全体の歴史、文化資源を国の内外に向け情報発信を図るための、例えばリレーイベントを実施するなど、この地域の魅力を積極的にアピールする方策を講じていきたいと考えているところでございます。
○副議長(尾崎要二君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 予算規模が類似県に比べて小さ過ぎるのではないかとのご質問にお答え申し上げます。
 各都道府県の普通会計ベースでの決算状況を取りまとめた平成十年度の都道府県決算状況調べによる重立った項目の全国比較を見てみますと、歳入歳出規模で三十九位、県税収入は四十一位、補助、単独を合わせた投資的経費で三十九位となっておりますが、投資的経費の人口一人当たりを見ますと十九位ということになってございまして、自主財源が乏しいなど財政力の弱い中で、予算規模や公共事業等の投資的経費の確保についても努力してきているものと認識しております。いずれにいたしましても、公共事業等投資的経費につきましても、これまで以上に各事業の効率性、緊急性、効果等を厳しく見直し、限られた財源を優先順位づけに基づき、思い切って重点配分していくことが重要であろうと考えております。
 続きまして、合併についての二項目のご質問に一括してお答えをいたします。
 平成十一年度において、和歌山社会経済研究所に対し広域行政体制整備調査を実施委託し、その中で各広域市町村圏ごとに客観的な要素である市町村の人口、市町村間の距離、市町村のつながりや一体性を基本とし、市町村長などのご意見も参考とさせていただきながら市町村の合併パターンを作成したところでございます。この中には、郡の区域をまたぐパターンも含まれているところでございます。また、その調査結果につきましては広く公表させていただいたところでございます。
 現在、こうした成果をもとにいたしまして、学識経験者、民間有識者、行政関係者で構成する広域行政懇話会を設置し、合併の必要性や合併パターンのあり方などについて活発なご議論をいただきながら、合併パターンを含む県としての市町村合併推進要綱の策定を鋭意進めているところでございます。今後、策定いたしました要綱については市町村や住民に広く公表し、機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(尾崎要二君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 紀泉百万都市構想実現への基盤整備のうち、まずJR和歌山線の整備に係るご質問にお答えいたします。
 和歌山─橋本間を通しての快速電車の導入につきましては、和歌山線が単線であるため、快速電車を増便した場合、普通電車の遅延問題があり、その解決策としての行き違い設備の新設等による一部の複線化につきましては、事業採算性、地元負担、沿線市町村の機運の盛り上がりなど、さまざまな課題があります。また新しい車両の導入につきましては、現在、七十二本のうち一部ではありますが、既に置きかえられております。
 次に、和歌山線、阪和線、南海電車による相互乗り入れにつきましては、JRと南海の車体幅の違い、信号保安設備の違いなど施設面での問題等、実現に向けて課題が数多くあります。しかしながら、議員ご指摘のとおり、これら鉄道の利便性向上は県民生活にとりまして非常に重要なことと考えます。県といたしましては、引き続き和歌山線活性化検討委員会とともに、和歌山線の利便性向上につきまして、JR西日本に対し積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 次に紀北博開催の可否でございますが、知事の答弁にもございましたように、紀北地域につきましては、地域の方々が中心となって大阪府南部との地域交流をさらに深めていただくことにより活性化を図りたいと考えております。
 また先日、高野山を含む紀伊山地の霊場と参詣道が文化庁の世界遺産暫定リストに登録されたところですが、紀北地域につきましては、都市近郊にありながら、紀の川を初めとする自然や粉河寺、華岡青洲など豊富な歴史、文化資源が広く存在する地域でありますので、それらを生かし、歴史的名所などをつなぐルートづくりや、農作業などを通じた体験型交流、伝統的行事をつなぐリレーイベントなど、地域の魅力を積極的に情報発信する方策を検討しているところであります。
 以上です。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 紀泉百万都市構想実現への基盤整備のうち、道路問題についてのご質問に順次お答えします。
 まず京奈和自動車道は、府県間道路と相まってはしご状の道路網を形成し、紀泉百万都市構想の実現には必要不可欠な道路であると考えています。このうち紀北東道路につきましては、現在建設省において測量調査及び予備設計を実施しております。今後、順次地元との設計協議に入り、了解地区より用地買収に着手する予定と聞いております。京奈和自動車道の各区間の事業展開につきましては、県といたしましても、紀北地域の道路網を踏まえて優先順位の検討を行い、より効果的、効率的に整備が図られるよう国へ働きかけてまいります。
 粉河町、那賀町から岸和田市、貝塚市に至る道路を新設し府県道とするご提案につきましては、地域の幹線道路網の構成など検討事項が数多くあり、これらをまず整理する必要がありますので、今後、将来の道路網計画の中での課題として考えてまいります。
 県道泉佐野岩出線の整備につきましては、今議会で補正予算を上程し、今後とも重点的に整備促進を図ってまいります。また、岩出橋から海南市への南伸につきましては、今後関係する市町の町づくりをもとに、将来の土地利用計画や交通需要を含め、路線の位置づけについて検討してまいりたいと考えております。
 次に、県道泉佐野打田線の大阪側の整備につきましては、先月の阪和開発連絡協議会で早期整備をお願いしたところであり、今後とも粘り強く働きかけてまいります。
 県道かつらぎ桃山線の黒川地内につきましては、現在バイパス部の整備促進を図っているところであり、残る未整備区間につきましては、今後、地元関係者のご協力を得ながらルートの調整を行ってまいりたいと考えております。
 県道和歌山橋本線では、遠方、荒見地内及び県道垣内貴志川線では野田原地内と高尾地内の整備を進めております。このうち、遠方、荒見地内と高尾地内の整備につきましては、今議会で補正予算を上程し、整備促進を図ってまいります。
 県道西川原名手市場線の踏切拡幅につきましては、JRとの協議の中で隣接する都市計画道路の整備方針や周辺踏切の統廃合が求められており、今後、町とともにJRと協議してまいります。
 国道四百八十号府県間トンネルにつきましては、取りつけ道路となる県側のバイパス工事を進めるとともに、大阪府の事業の進捗を考慮しつつ、連携調整を図りながら整備手法も含めて検討してまいります。
 国道二十四号の打田町から橋本市までの間につきましては、国道二十四号バイパスとして京奈和自動車道の整備が重点的に進められており、新たな国道二十四号バイパスの整備は非常に厳しい状況にあります。
 次に、流域下水道早期着手についてのご質問にお答えします。
 那賀郡六町を対象とした紀の川中流流域下水道につきましては、平成十三年度より事業着手できるよう国に対し強く要望を行ってきたところであります。今後も引き続き、事業採択に向けて強く働きかけてまいります。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 道路問題のうちの府県間広域農道連絡道計画についてお答えいたします。
 紀の川地域の広域農道は、那賀、伊都地域をエリアとする紀の川広域営農団地において、紀の川右岸と左岸に広域農道を建設し、農作物等を広域農道から県道泉佐野岩出線あるいは国道三百七十一号を利用して京阪神へ出荷輸送する効果性のある計画として承認をされたものであります。このため、議員ご提案の新たな府県間広域農道連絡道につきましては、費用対効果の確保や大阪府との調整が難しく、農道としての実施は困難と考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 県立高等学校の新設計画についてでございますが、県内の中学校卒業生徒数は、今後長期にわたって減少傾向が続くと予想されます。那賀地方におきましても、短期的には横ばいで推移し、中長期的には減少すると見込まれます。したがって、現在の段階では県立高校を新設する計画はございませんが、今後の地域環境の変化による人口増とそれに伴う生徒数の推移や各高校の実情等を見きわめながら、慎重に研究してまいりたいと考えております。
 また、那賀地方は交通の利便性があり、通学可能な範囲に選択できる学校が多く、これまで伊都地方及び和歌山市等、隣接地域にある高校を含め、特色ある学校づくりを行ってまいりました。引き続き魅力ある学校づくりを進めるとともに、各校の適正規模化に努めてまいりたいと考えております。
 中高一貫教育につきましては、平成十三年四月から古座、古座川地域と龍神地域でそれぞれ連携型の一貫教育を行います。今後とも、全県的な視野に立って計画的に中高一貫教育校を整備してまいりたいと考えております。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三番佐田頴一君。
○佐田頴一君 ただいまご答弁、本当にありがとございました。
 ただ、三つだけもう一度。イエスかノーかで結構ですから。詳細な説明は要りません。
 まず京奈和のバイパスの問題ですけれども、これは那賀郡からも工事を進めていただけませんかという質問でした。今、伊都郡が中心ですけれども、那賀郡からも事業ができるように国の方へ働きかけてくれないのか、くれるのかということを一点、土木部長にお聞きしたいと思います。
 それから、教育長に。新設高校の問題ですが、子供がふえないからもうつくらないんだ、那賀郡がふえてきたら和歌山市と伊都郡へ行けと、こういう全く冷たい答弁でございました。
 私は、そんなことを言うているわけではありませんで、今、那賀郡では那賀高校でも千三百二十人おるんです。粉河高校に千百二十人もおるんです。同じ県立高校でも三百人台の高校もあるんです。だから、適正規模にするためにも新しい高校が要りますよと私は言うているんですよ。
 僕が聞いたところでは、那賀郡には飯田先生、山田先生がおりますけれども、私が県会へ来てから十年ぐらいこの話をずっとやっているんですよ。だから、今ごろそんな話を聞くとは思いませんでした。伊都へ行け、和歌山へ行けという話は今初めて聞いたんですけれども、そんなことはでなしに、やっぱり那賀郡にも真剣に──しかし那賀郡は一番人口がふえているんですからもう少し。那賀郡は高校が三つしかないんですから、少ないんです。それで、那賀郡の皆さんが騒いでいるんです。何とか那賀郡にもう一つ高校をつくってくれよということも、私ら県議三人が十年来お願いに行っているんですよ。
 もういいかげんに検討を終わって那賀郡へつくるということを言うてほしかったということでございますので、再度要望しておきます。
 もう一つ、紀北博の問題です。
 これは今、知事さんからご答弁いただいたんですけれども、紀北地域でするのかせんのか、イエスからノーか、これを聞かせてもらわなかったら。私たちは、紀北博はできますと認識しているんですよ。だから、そのことについてもう少し明確にご答弁をいただきたい。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 紀北博開催の可否の問題でございますが、議員ご主張の趣旨は十分理解しておりますが、できるだけ努力をしてまいります。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) イエス、ノーというお尋ねでございますが、お尋ねの那賀郡の区間を含めた優先順位の検討を行いまして、より効果的、効率的に整備が図られるよう国へ働きかけてまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(尾崎要二君) 以上で、佐田頴一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十三分散会

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