平成12年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(阪部菊雄君) これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議案第百六十九号から議案第百八十八号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議案百六十九号から議案第百八十八号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 四十三番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 おはようございます。
 お許しを賜りましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、「小さな行政で大きな仕事を」と題して議論を起こしたいと思います。「小さな行政で大きな仕事を」と題した私の真意は、これこそが今、国、地方自治体を問わず、行政府に課せられた責務であり、緊急の課題であると思うからであります。
 我が国経済は、設備投資を初めとする企業部門を中心に緩やかな回復を続けておりますが、雇用情勢は依然として厳しいものがあり、個人消費も横ばい状態とされ、民需中心の本格的回復には至っていないのが現状であります。加えて、原油価格の上昇など国際経済の影響といった不安定要素が存在することも、我々は見過ごしてはならないと思います。
 一方、二〇〇〇年度末で国、地方を合わせて六百四十五兆円にも上ると言われる長期債務残高が、我が国経済に暗い影を落としているのであります。和歌山県にありましても、その債務残高は二〇〇〇年度末で六千五百億円に達するものと予測されております。国、地方のこのような財政赤字の増嵩に対する国民、県民の不安があることから、消費意欲を減退させ、消費不振の要因の一つとなっているとの識者の指摘もあるほどであります。ともあれ、我が国財政、本県財政は極めて深刻な状況であり、このまま無為無策に時を過ごせば、長期金利の上昇、悪性インフレを招き、財政破綻という結末に行き着くことは明らかだと申せましょう。
 ところで、私は財政問題を論じたいのではありません。以上申し上げたような危機的財政状況を念頭に置き、間もなくやってくる二十一世紀を希望と活力にあふれた新世紀とするために、今こそ組織の整理縮小と事務事業の見直しを大胆に行い、みずから血を流す思い切った改革を行ってこそ財政再建は可能であるとの観点から、質問を申し上げたいのであります。
 それでは、以下十点にわたり、私なりにこうすれば財政再建は可能であるとの考えに立ち、質問を申し上げます。
 まず第一点、人員の削減についてであります。
 本県の職員定数は現在四千三百六十四人でありますが、この職員定数の見直しを行い、職員数を削減していくべきであると思うが、いかがか。今すぐ職員の首を切れと申しているのではございません。職員削減十カ年戦略とでも言うべき五年、十年先を見据えた計画を明確に立て、事に当たるべきだと考えますが、知事のご所見を承りたい。
 第二に、職員数を将来削減していく過程で、県民に対するサービスの低下があってはなりません。そこで、職員数を削減してもサービスの質と量を維持するために、思い切った業務の民間委託を進めるべきであると考えますが、いかがでありましょうか。知事のお考えをお聞かせ願いたい。
 第三に、小さな行政を補うためにNPO組織や民間ボランティアの活用を進めるべきであると私は考えます。「ボランティア」とは、小学館の「日本国語大辞典」によりますと「志願者」、「有志」の意味を持つ英語で、「社会事業などの篤志活動家」とあり、平凡社の「世界大百科事典」には「一般市民の自由な意思に支えられた社会的な活動あるいは各種民間団体の自主的活動」とあります。私なりに補足すれば、県民一人一人がだれにも強制されず、みずからの意思で、それぞれの可能な範囲において、得意な部門あるいは興味を持つ分野で、しかも対価を求めず、社会に貢献する意思と活動がボランティアだと思います。したがって、小中学生からお年寄りに至るまで、百八万県民の皆さんだれもがボランティア活動に参加することは可能だし、また、県民の多くの皆さんがボランティア精神を潜在的に持っておられると、私は思います。そして、何から何まで行政がやるのではなく、ボランティア、NPO組織の協力を求めたっていいと私は考えます。現に、昨年、成功裏に終了した南紀熊野体験博で私たちは、ボランティアやNPOの皆さんの縦横無尽の活躍を目の当たりにしたではありませんか。
 そこで、木村知事、和歌山県として百八万県民総ボランティア宣言を行い、全国に先駆けてボランティア先進県を目指すお考えはありやなしや、ぜひともお考えを聞かせていただきたい。ボランティア運動の大きな盛り上がりの中で百八万県民と一体となった県庁の実現に向けて、ぜひとも内外に百八万県民総ボランティア宣言をされるよう重ねて申し上げます。
 第四点、外郭団体の整理統合についてであります。
 本県には、県出資比率二五%以上の出資法人、いわゆる外郭団体が三十三団体あります。県当局は、これら外郭団体の経営実態を正しく把握しておられるのか。県が出資している以上、県民の税金を投じて事業を行っているのであり、当然のことながら、県民に対して説明責任があることは明白であります。中には、自主事業も思うに任せず、県から仕事を回してつじつまを合わせていると言わざるを得ない団体もあるとの指摘もございます。まさに休眠法人と言わざるを得ません。
 この際、小手先の整理ではなく大胆な統合をすべきであると思うがどうか、知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 第五に、これら外郭団体の整理統合を今後進めていくに当たり、各団体職員、いわゆるプロパーの給与体系、給与実態に団体間で格差があるとの指摘があります。将来、整理統合を進めていく中で、この給与体系、給与実態の格差がネックとならないよう各団体との間で協議を進めていくべきであると思うがどうか。その実態把握と協議の進捗状況について、総務部長に答弁を求めます。
 第六点、事務事業の見直しに関してであります。
 さきに木村知事は、和歌山工科大学の凍結と和歌山下津港本港沖埋立計画に係る環境影響調査費の不執行を発表されました。このことについて賛否両論さまざまなご意見があることは十分承知した上で、私は木村知事の決断を英断と申し上げたいと思います。
 そこで、今後、本県財政の再建のためにさらなる事務事業の大胆な見直しを行うべきであると私は考えますが、木村知事、事務事業の見直しについてどのように考え、今後いかに取り組まれるのか、ご存念をお伺いしたいと思います。
 第七点、優秀な人材の確保についてであります。
 二十一世紀を目睫の間に控え、ますます複雑多様化する社会にあって、行政もその要求に十分こたえられる組織であることが求められていくと思われます。そこで、多様で有能な人材の確保が必至であります。したがって、従来のペーパーテスト主体の県職員採用試験ではなく、さまざまな能力を試し、異能の士を採用する道を開くために、従来の採用試験にこだわらず新たな採用試験のあり方を検討してみてはどうか。人事委員会委員長にお尋ねをいたします。
 また、第八点、人事異動に関して、年功序列ではなく思い切った人材の抜てきを行うべきであると思うがどうか。総務部長のお答えをいただきたいと思います。
 第九点、職員の意識改革についてであります。
 今、厳しい経済社会情勢の中で、民間企業は生き残りをかけた必死の戦いをしております。仕事を求めて汗みどろとなって営業に駆けずり回り、経費を切り詰め、断腸の思いで社員の整理を行い、まさに死闘と申し上げていいと思います。経営者のみならず、そこに働く皆さんもまた同じく、まことに厳しい状況の中で頑張っておられます。
 県庁職員は、不祥事でも起こさない限り首切り──嫌な言葉でございますが──に遭うこともありません。しかし、本県の財政再建が思うに任せず、財政再建団体に転落するようなことになれば、新規事業は大幅に制限され、職員の給与も昇給がストップになる可能性もあるわけであります。
 そこで、厳しい経済社会情勢を身をもって体験するために、そして意識改革をさせるためにも、新採用の職員は必ず一年間、民間企業に出向して社会の荒波にもまれて県民の痛みを我が痛みとする体験をする、そんなシステムを設けてみてはどうでしょうか。現在、本県は二名の職員が民間に出向しておりますが、とりあえずこの民間企業への出向を大幅にふやすこととあわせ、知事のご所見を賜りたい。
 この項目の最後として、仮称・IT総合センター構想についてお尋ねをしたいと思います。
 先日の本定例会冒頭の知事の所信表明の中で木村知事は、「二十一世紀における本県産業の発展、県民生活の充実のためには、インターネットに代表されるIT革命に対応し、いわゆるディジタルデバイドの解消に努めることが重要であります。そのため、県民が気軽にインターネットを活用できるようにするための普及啓発機能や行政サービス向上のため、教員の研修を行う教育センター機能にあわせ、市町村職員や県職員のIT研修機能を有する施設が必要であると考えております」と述べられました。
 そこで、私はさらにこの構想を敷衍し、このIT総合センターは教員や県職員、市町村職員のみならず、百八万県民すべてのための施設とすべきであると思うがどうか。急速にやってくるIT社会に対応するために、そして本県が全国に先駆けてIT先進県になるために、このIT総合センターの門戸は県民すべてに広く開かれるべきであると思います。知事のお考えをぜひとも聞かせていただきたい。
 次に、企業メセナ(フィランソロピー)についてお尋ねをいたします。
 企業メセナといえば、アメリカ合衆国に言及しなければなりません。カーネギー・ホール、カーネギー・メロン大学、カーネギー・トラスト、カーネギー・インスティチュート・オブ・ピッツバーグを創設した鉄鋼王カーネギー、モーガン・ライブラリー、メトロポリタン美術館をつくった金融王モーガン、ニューヨーク近代美術館、ロックフェラー財団群を興した石油王ロックフェラー、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートの設立に道を開いた石油王メロン、それにホイットニー美術館を残したホイットニーやI・S・ガードナー美術館のガードナーなど、多くの企業メセナの先駆者がいました。
 「メセナ」とは、ローマ時代の大臣の名に由来するフランス語で、芸術文化活動を資金的に支援することを言い、企業メセナとは営利に直接結びつかないNPOの活動や芸術文化活動に対し資金的援助を行うことを指します。すなわち、企業メセナとは企業の社会貢献と申せましょう。
 岩渕潤子さんという人の本でございますが、「億万長者の贈り物」という本がございます。この中に、アメリカ合衆国における企業メセナ(フィランソロピー)の礎を築いた人、アンドリュー・カーネギーについてのこんな一節があります。
 「アンドリュー・カーネギーは、しばしば「人生の前半五十年を金もうけに費やし、残りの三十年でその富を社会に還元することに専心した」と評される、常識からすれば少し変わったビジネスマンだ。しかし、彼が全精力を傾けたフィランソロピー(篤志活動)の根底には、社会そのものから貧困をなくしたいという、幼時体験に根ざした悲願がこめられていたのである。特に、自身は貧しさから学校教育を十歳までしか受けることができなかったので、少しでも勉強時間を増やすために、十八歳までの六年間に四回も転職しなければならなかった経験を持つカーネギーは、ことさら、高等教育の普及と促進に熱心だった。 カーネギーは、近代的な資本主義の黎明期にあったアメリカで、並外れて有能なビジネスマンとして輝かしい名を残したが、同時に、現在アメリカで見られるようなフィランソロピーの基礎を築いた人物でもある。今世紀初頭のアメリカが、フィランソロピーに意欲的な富豪たちであふれかえることになったのは、ひとえに、カーネギー自らがフィランソロピーを実行して範を垂れたことと、一八八九年に「ノースアメリカン・レヴュー」に発表した彼の論文『富の福音』の影響を受けてのことと言っても過言ではあるまい。カーネギーは富豪たちを相手に、「金持ちが財産を抱えたまま墓場へ行くことほど不名誉なことはない」と、折に触れて説いて回ったのである」という一節がございます。
 私は、かつて和歌山市議会議員であったときに、箱物をつくって赤字を生む悪循環ではなく、イベントから入って人を呼び、町を活性化する善循環の波を起こす行政をと訴え、和歌山城築城四百年祭と市政百周年祭を提言し、いずれも実現をいたしました。そのとき、祭りの成功を願ってさまざまなアイデアを出し、幾つか実行されたわけでございます。
 そのうちの一つに、県内在住の美術品収集家の収蔵品を一時的に提供していただき、展覧会を開催するというのがございました。提案者である私自身、収集家の説得に当たり、また私の友人で絵画収集家でもあった人にも説得に奔走していただきました。しかし、一人の例外を除いて全員最終的に断ってこられ、まことに残念な思いに駆られたことを今思い出します。説得に当たった収集家は十数名に上り、提供を渋った理由は全員共通してただ一点でありますが、その理由は今は申し上げません。ここでの議論の主題とは何のかかわりもないからであります。
 私がこの話をわざわざ持ち出しましたのは、企業メセナという考え方が、和歌山県を初め我が国ではまだまだ定着していないことを実感するからであります。
 我が国は、一九九〇年がメセナ元年だと言われております。それは、企業メセナ協議会や一%クラブの発足の年だからであります。したがって、まだたかだか十年以上の歴史しかありません。しかし、奥の深い成熟した社会となるためには、国、地方自治体と企業、NPO組織、ボランティア、そして住民が一体となって協力し合い、補完し合うことが望まれるのであります。
 そこで、知事公室長にお尋ねをいたします。県内企業のメセナ活動(フィランソロピー)の実態を把握しておられるのか。また、企業メセナ部門を担当する課もしくは班を設置すべきであると思うがどうか、答弁をいただきたいと思います。
 三番目に、県立医科大学移転跡地の利用についてであります。
 同跡地は和歌山市中心部にあって、またとない絶好の位置を占めておりまして、ここに立地する施設は県都和歌山市のランドマークとなるべきものでなければならないと考えます。平成六年二月定例会、翌七年十二月定例会で二度にわたり私は、同跡地には一流の都市型ホテルと国際会議機能を備えたコンベンションセンターを立地すべきであると提言をさせていただきました。
 その後、駒井則彦・元県立医科大学学長を会長とする県立医科大学跡地利用懇話会にも私も委員として参加させていただき、種々提言をさせていただきました。私の意見は、同懇話会から知事への提言の中に十分反映されていると確信をいたします。
 そこで、お尋ねをいたします。同懇話会の提言概要、基本方針、魅力ある都市づくりと中心市街地活性化、都市機能の補完・強化、整備機能として五点ございます。宿泊機能(都市型ホテル)、国際会議開催機能(国際会議場)、地域文化支援機能、集客機能、交通拠点機能、この五点であります。そして、事業手法として民間活力を最大限に活用できる手法とございます。
 この実現に向けた県当局のその後の取り組みはいかがか、企画部長のご報告をいただきたい。また、同懇話会の提言について、特に都市型ホテルの誘致の可能性について、木村知事みずからがトップセールスで実現に向けて汗を流すお考えはありやなしや、お尋ねをいたすものであります。
 最後に、関西国際空港に関する諸問題についてお尋ねをいたします。この問題につきましては、既に同僚・先輩議員から質問がございましたので、極めて簡略にいたします。
 関西空港二期工事が開始され、和歌山市加太からの埋め立て用土砂の搬出もいよいよ始まりました。関西空港が国際ハブ空港としての完全な機能を果たすために、二本目の滑走路の実現が一日も早からんことを祈るものでございます。しかし、最近になってあちこちから、不協和音と申しますか、さまざまな発言が聞こえてくるにつけ、心中穏やかならないものがあります。
 そこで、お尋ねをいたします。
 宮澤大蔵大臣は、去る十月三十日、来阪の折、関西空港二期工事凍結論が一部で出始めていることに触れ、立ちどまれと言うが、立ちどまっても問題は解決しない、二期事業は予定どおり進めるべきだとした上で、関空会社が黒字化する見通しを立てる必要がある、国も一緒に考える時期に来ていると語られたことが報道されました。しかし、その後、大蔵省幹部からは数度にわたり、二期工事への疑問の声が上がりました。さらに、十一月六日、関西財界のトップと大蔵省内で会った宮澤大蔵大臣は、関西空港への財政支援の条件として地元負担と経営の抜本的改革を表明したことが報じられました。
 そこで、木村知事にお尋ねをいたします。
 これら一連のぎくしゃくした大蔵幹部の発言についてどう理解したらいいのか、率直な見解をお聞かせいただきたい。
 なお、私なりの意見を申し上げます。関西国際空港に関する事業は国家的プロジェクトであり、我が国の威信をかけて取り組むべきものであります。そのような重要な事業の進め方について、同じ省庁の中でわずか一週間に、正反対とは申しませんが、全く違う発言がマスコミにリークされることは極めて不愉快であり、大問題だと思います。省庁の中で活発な議論を闘わせ、自由に発言することは大いに結構なことです。しかし、影響力を持った大蔵省幹部が不用意に別趣旨の発言をマスコミを使って繰り返すことは許されないことであると私は申し上げたいと思います。
 第二に、十一月一日、一部マスコミに、我が国に定期便を運航する主要四十六社の外国航空会社で組織する在日外国航空会社協議会(FAAJ)が次のような声明を発表いたしました。
 「関西地区の空港施設は過剰投資になっている。一九九四年の関西空港の開港までは関西地区の空港施設は明らかに不十分であり、その状況は今日の関東地区に類似していた。 伊丹地区では騒音対策のために四千五百億円──この数字はちょっと間違っておりますが──を超える多額の資金が費やされた。二十四時間運用可能な新関西空港は伊丹地区の住民を騒音問題から解放し、夜間飛行禁止条例を撤廃して航空機の離発着数を増やす意図で建設された。 外国航空会社としては驚きであったが、伊丹空港は国内空港として存続し続け、何故か騒音問題に対する地区住民の声高な抗議行動は姿を消した」、「関西空港では一九九九年に第二滑走路の建設が開始された。以下のことを考慮すれば、その決定を理解するのは難しい」として、四点を挙げております。それは省略させていただきます。「さらに、明らかに神戸地区住民の大多数の意志に反して関西地区に第三の空港が建設されようとしており、それは同じく関西空港を離発着する航空便の頻度、ひいては収入源、を奪うことになるだろう」、そういう声明でございました。
 彼らの指摘には、正しい部分も中にはございます。大阪空港が廃止の方針を翻して存続し続けていること、関西地区の航空需要が定かでなく、大阪湾上で飛行経路が錯綜する懸念が解消されないまま神戸沖空港が建設に着手されたこと等々であります。彼らの今回の声明の真意は一体どこにあるのか。私、思いますのに、成田空港へシフトするとか、関西空港から撤退も考えているなどの発言は我が国の運輸省の一貫性のない航空行政に対する痛烈な批判であり、これは私も全く同感でありますが、関空から引き揚げるぞという発言は恐らく、成田空港と並んで世界の主要な空港の中で飛び抜けて着陸料が高いこと、常々着陸料の軽減を申し入れるなどの意思表示を重ねてきていることと考えあわせて、着陸料の値下げを要求したいというのが本音ではないかと思います。
 ともあれ、このFAAJの声明の真意について、出資者の一人である和歌山県の意見を企画部長から聞かせていただきたいと思います。
 最後に、空港需要が伸びない原因として常々指摘されております着陸料について、これを値下げすべきであると思うがどうか、また、あわせて同空港利用者の使用料、駐車料金、連絡橋通行料などを値下げすべきであると考えますが、この点に関する関空会社の対応と本県の取り組みについて、企画部長にお尋ねをいたします。
 以上で、第一質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまのご質問にお答えを申し上げます。
 小さな行政で大きな仕事をと、これはもう私もそのとおりだと思います。各項目にわたって、私に対するご質問にお答えを申してまいります。
 私は、厳しい財政状況のもとで希望と活力にあふれた二十一世紀の和歌山県づくりを進めていくためには、不断の行政改革が必要であると考えております。行政改革の取り組みの中で職員定数の削減につきましては、平成十五年度までに約百名の削減を行うこととしておりますが、常に住民福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げることを基本に、行政サービスの質の低下を招くことなく取り組んでまいりたいと考えております。平成十六年度以降につきましても、事務事業の整理合理化により適正な定員管理に努めてまいりたいと考えております。
 次に、思い切った業務の民間委託をとの議員のご提言でございますが、私は常々、これからの行政はそのすべてを公務員が行うべきものだという発想ではなく、行政であっても民間で行うことができることがないかどうかをまず考え、残りを逆に公務員が行うといった発想の転換が必要であると考えております。今後とも事務事業全般について見直しを行う中で積極的に民間委託を進めるなど、簡素で効率的な行政の確立に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ボランティア先進県を目指せとのご質問でございます。
 議員ご指摘の南紀熊野体験博での成功の例のとおり、これからの行政はボランティアやNPOとのパートナーシップを構築することが重要になってまいります。このため、本県でもボランティアやNPO活動の先進県の仲間入りを目指し、総合窓口の強化をすべく組織や支援のあり方を検討中でございます。
 次に、百八万県民総ボランティア宣言についてでございますが、来年は国連の提唱するボランティア国際年です。これを機会に、広く県民の意識を高め、多くの方々にボランティアやNPO活動への参加を呼びかけ、共同しながらよりよい社会の実現に向けて努めることが重要だと考えております。また、ボランティア国際年を記念してメッセのような行事の開催を検討中でございます。
 ご提案の百八万県民総ボランティア宣言につきましても、この行事の開催とあわせて、ボランティアやNPOの方々のご意見をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、外郭団体の思い切った整理統合をとのご質問でございます。
 外郭団体は、その業務分野や法人形態は多岐にわたっておりますが、活力ある地域社会の形成に重要な役割を果たす機関と認識をいたしております。
 しかし、一部の団体につきましては、財政状況の厳しいものや県財政への依存度の高いものがございますので、現在、それらの団体の経営評価を行うとともに、統廃合も含め、今後のあり方の検討を進めているところであり、ご指摘の思い切った統合につきましても、他府県の事例等を参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、事務事業の見直しでございます。
 現在、すべての事務事業について「行政の棚卸し」とでも呼ぶべき聖域なき徹底した見直しを行うため、本年度から導入しました事務事業評価システムを活用して事業の必要性、緊急性、費用対効果等を厳しく検討しているところでございます。
 財政運営プログラムを基本とする財政健全化を図りつつ、新たな時代に向け、県民福祉の向上を推進していく先導的な事業を積極的に展開していくためにも、ご提言のように事務事業の大胆な見直しを行っていくことが肝要であると考えております。
 次に、職員の民間企業への派遣研修についてのご質問でございます。
 大変厳しい経済状況を反映し、多くの民間企業が生き残りに苦闘する中で、地方公共団体もみずからのあり方を厳しく問い直す必要があることは、十分認識いたしております。
 このような状況の中で、議員ご提言のとおり、職員を民間企業に派遣し、その厳しさを実感させるとともに、従来にない新しい発想や民間的経営感覚を身につけることは、大変有意義なことであると考えております。県職員全員を民間企業へ出向させることにつきましては、受け入れ先の問題などもあろうかと思いますが、現在実施しております民間企業への派遣や国、市町村との交流、また新たに他の都道府県との職員の交流を検討するなど、さらに充実を図り、二十一世紀の和歌山県政を担う人材育成に努力してまいりたいと考えております。
 次に、IT総合センターについてのご質問でございますが、すべての県民が気軽にインターネットを活用できるための施設として整備することを考えておりまして、行政職員だけでなく、広く一般県民の方々がITを活用するための技能を習得する場として利用するよう検討をいたしております。
 次に、県立医大の跡地の利用についてのご質問でございます。
 長期にわたり経済情勢が低迷を続ける中、都市型ホテルを含む施設の建設経営を行う民間企業の確保は厳しい状況にございますが、事業主体となる企業を確保するため、私自身も積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
 次に関空に関する諸問題について、宮澤大蔵大臣等の発言についてどう思うかということでございますが、関空二期事業に係る最近の動きは、関空会社の経営状況が思わしくないこと、発着回数が伸び悩んだことを理由に、二期事業を急ぐ必要があるのかという疑問を投げかけられたものと考えております。運輸省においても、関空の諸課題を解決するため、航空局長を委員長に長期的な需要見通し、経営見通し等を検討する委員会が設置されたところでございます。関空会社の経営については、二期滑走路供用開始後の経営見通しが発表され、単年度黒字の達成、累積損失の解消は十分可能とする経営見通しを示しております。
 県といたしましては、既に着手されている二期事業については、将来の航空需要に備えるためにも、現在の資金スキームで当初のスケジュールどおり進められるべきものと考えております。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 総務部長稲山博司君。
  〔稲山博司君、登壇〕
○総務部長(稲山博司君) 小さな行政で大きな仕事をとの質問のうち、二項目についてお答えいたします。
 まず、外郭団体の整理統合を進める上での団体職員の給与体系等に関連してのご質問でございます。
 現在、外郭団体職員の給与につきましては、外郭団体にふさわしいより効率的なものを目指して、県職員に準じた従来の給与体系を改め、本年度中をめどに団体の規模や経営状況等に応じたものに見直すよう指導をしているところでございます。
 これらの団体の整理統合を進めるに際しましては、議員ご指摘のとおり、各団体間の給与水準の格差がネックになることも十分想定されますので、この点にも十分配慮して取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、年功序列でなく思い切った抜てきをとのご質問にお答えいたします。
 二十一世紀の複雑多様化する社会に対応する行政を行うためには、多様な人材の登用が必要不可欠だと考えております。人事異動につきましては、議員ご指摘のとおり、適材適所を基本として、さらに柔軟な発想による行政の新たな展開を図るため、若い有能な人材の積極的な登用に努めていきたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 知事公室長小佐田昌計君。
  〔小佐田昌計君、登壇〕
○知事公室長(小佐田昌計君) 県内企業メセナの実態把握についてでございます。
 これまで、企業や県民の皆様方からさまざまな形で、芸術文化を初めとして多方面にわたり社会貢献のご支援をいただいております。このような中で、県内で財団を設立し、継続的に活動している企業は二社ございます。また、県内においてメセナ活動に積極的に取り組んでおられる企業も数社ございます。
 今日、物の豊かさよりも心の豊かさが重視され、多くの人々が文化に触れることに大きな関心を持ちつつありますが、このような時代にあって、メセナ活動のように企業や個人が資金援助を含めてさまざまな支援をもって自主的に地域文化に貢献されることは大切なことですし、それに大いに期待するところでございます。
 今後は、こうした活動に取り組まれている財団や企業との連携を密にするとともに、情報収集に努めてまいりたいと考えてございます。
 二点目の、県庁内に企業メセナ活動を担当する課もしくは班を設置してはどうかというご質問でございます。
 議員ご提案のとおり、よりよい地域づくりには、行政、企業、県民が一体となって補完し合うことが重要でございます。このため、県といたしましても、企業や県民の皆様方が地域に対する愛情や誇りを持っていただき、また地域社会に貢献していただくため、さまざまな啓発運動に取り組んできたところでございます。近年の企業活動では、ボランティアやNPO活動への奨励や助成に加え、企業自身がボランティア団体やNPOと連携・共同して環境問題への取り組みや福祉支援を行うなどの活動が加わってまいりました。
 県といたしましても、ボランティア、NPOの担当部署の強化を検討しているところでございますが、議員ご提案の件につきましてもあわせて検討してまいりたいと考えてございます。
○議長(阪部菊雄君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 県立医科大学移転跡地の利用の中で、跡地利用懇話会の提言後の県当局の取り組みについてでございます。
 平成十年十一月に、議員もご参画いただいた和歌山県立医科大学跡地利用懇話会からご報告をいただき、後、地元和歌山市、関係団体との協議を行い、平成十一年度に和歌山県立医科大学跡地利用に関する基本方針を策定したところでございます。
 この基本方針に基づき、宿泊施設、商業施設、駐車場を中心とする都市型複合施設の実現に向け鋭意取り組んでおり、施設の整備に当たっては、ホテルに国際的な会議も開催できる機能を付加させるなどの検討を進めているところでございます。また、民間企業に対して事業参画の意向を現在打診しているところでございます。
 関西国際空港に関する問題について、二点お答えいたします。
 まず一点目は、在日外国航空会社協議会──いわゆるFAAJでございますが──は、関西国際空港二期工事よりも首都圏の空港整備を優先すべきだとの声明を発表いたしておりますが、この声明は、日本の国際空港の着陸料、航行援助施設利用料等の諸料金が世界的に見て最も高水準であることにより利用者の利便性に悪影響を及ぼしているという点を指摘し、着陸料等の諸料金の引き下げを求めたものであり、単に関西国際空港二期事業を否定したものではないと理解してございます。県といたしましては、この声明は空港を取り巻く地域の魅力を高めるとともに、関西国際空港の着陸料の引き下げ等の国際競争力強化の必要性を訴えているものと考えております。
 二点目の、着陸料、空港使用料等を値下げすべきだと思うがということでございます。
 関空会社では、現在も着陸料、連絡橋通行料、駐車場料金の一部の引き下げが行われておりますが、県といたしましては、関西国際空港を利用者にとって利便性の高い利用しやすい空港にすることこそが重要であると考えており、経営全般にわたるさらなる経営改善を図り、着陸料や使用料等の引き下げが行われるよう関空会社に対し働きかけてまいりたい。また、本県も参画している関西国際空港全体構想促進協議会に国際競争力強化に向けた方策を検討するための委員会の設置が進められており、その中で着陸料の引き下げ等、具体的な方策を検討することとなってございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 人事委員会委員長青木孝祐君。
  〔青木孝祐君、登壇〕
○人事委員会委員長(青木孝祐君) 森議員の、優秀な人材の確保についてのご質問にお答えします。
 議員ご指摘のとおり、現代社会は刻々変化しており、行政への需要、期待も大きく変わってきております。このような社会状況の変化などに柔軟に対応できる思考力や多彩な能力を持った人材を確保することが肝要であると考えております。
 このため、筆記試験による学力のみで判定することなく、過去の経験や活動内容を重視するなど、熱意と創造力にあふれた人材の確保に努めておりますが、今後とも職員の採用試験については工夫をしてまいりたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十三番森 正樹君。
○森 正樹君 時間の許す範囲の中で再質問を申し上げます。
 まず、第一項目めの小さな行政で大きな仕事をということに関して、何点か申し上げたいと思います。
 民間企業への派遣でありますが、和歌山県に就職をして一生この和歌山県で仕事をするよりも、江戸時代の詩人、釈月性の「人間到る処青山有り」の言葉にありますように、故郷の自分の墓に骨を埋めるのではなくて、世間はもっと広いんだ、至るところに青々と広々とした野原が広がっている、どこにでも骨を埋める場所はあるんだと。要するに、そういう狭い地域の中で一生を終わるんじゃなくて、広く見聞を世界に求めよという言葉であります。ほかにも、このことに関する俚諺は、「かわいい子には旅をさせよ」とかいろいろございます。
 全職員を採用してすぐに一年間、民間企業へ派遣せよというのは、これはもう事実上不可能に近いことはよくわかっておりますが、それぐらいの取り組みで職員の能力を最大限に引き出す、また意識改革をしてもらう。和歌山だけでは見えない世界が、外に飛び出すことによって見えてくると思います。
 そういう意味で、今、JRと電通の二カ所へ一人ずつ行かれていますけれども、聞くところによると事務職であると聞いております。そうじゃなくて、営業部門に入るとか、そういう形でもっと──今民間企業は先ほど申し上げたように、生き残りをかけて本当に大変厳しい戦いをしているわけで、そういう社会の実態を身をもって体験することが大事だ。そういう意味で、相手のあることですからすぐにはいかないと思いますが、ぜひとも今後大きく門戸を開いていただきたい。そのことを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、人事委員長に答弁をいただきましたが、職員の採用についてであります。
 本県の採用試験はペーパーテストが基本となっておりまして──確かに、今入ってこられている若い職員の皆さん、優秀な方ばかりであると私も思っております。しかし、中国のことわざに「声一ならば聴こゆる無く、物一ならば文無し」と。これはどういう意味かと言いますと、音色が一種類だったら音楽にならないというんですね。いろんな音があるからこそ、それが組み合わさってシンフォニーになるわけで、それと同じで、人間も型にはまった一種類の人間だけだと組織にならない、そういうことであります。
 「異能の士」と、先ほど私は申し上げさせていただきましたが、これからの時代は特に、さまざまな能力を持った人が必要なんですよ。だから、ペーパーテストはちょっと苦手だけれども、ほかの面で人に倍する能力を持っている、そんな人材は世の中にたくさんいると思います。そういう人を採用する道をぜひ開くべきだと。ワンパターンの人間ばかり集まったって、そこから出てくる発想はやっぱりワンパターンなんですよ。やはり、いろんな人材がおって、いろんな議論の中で、おまえはそう言うけど、おれはこう思うとか、そういうさまざまな議論を沸騰させるような人材が集まってこそ組織は活性化していくし、いろんなアイデアが生まれていくし、いろんな知恵が生まれていくと私は思うんです。
 したがって、どうぞ青木委員長、採用試験の再考を先ほど申されましたが、急いでそういう道を開いていただきたい。そうすることがひいては和歌山県を活性化させることにつながると、私は信じております。ぜひともお願いをしたい。
 それから、外郭団体のことでありますが、かつて木村知事は、本県の総務部長だった時代に、外郭団体は県を補完するものと、そういう趣旨の答弁をされております。
 私、ついせんだって、十二月三日に大阪府の出納長さんとお話をする機会を得まして、外郭団体のことについていろいろと意見を交わしたんですが、大阪府は外郭団体に関してはすべて府に倣うということで、給与に関してもそういう格差はないとおっしゃっておりました。私、調べたわけでありませんし、出納長さんの発言ですから、そのまま受け入れていいかどうかわかりませんけれども、本県とちょっとそこら辺が違うんですね。今後、僕は思い切った整理統合をぜひ進めるべきだと思いますけれども、この給与体系、給与実態が必ずネックになってくると思います。したがって、このことで話がつぶれないように、その点を早急にきちっとすべきだと。
 それと、整理統合は大変難しい問題だと思いますけれども、例えば全然内容の違う団体だって、僕は四つか五つ一緒にしたっていいと思うんですよ。他府県の例に倣うとおっしゃっていましたけれども、そんなことをする必要はないと思います。和歌山が独自にそんな道を切り開いて全国にその範を示して、和歌山が先進県となって和歌山にほかの県が倣えばいいので、ほかの県の事例を参考にする必要は何らないと、そのように私は強く申し上げておきたいと思います。
 それから、もう一点だけ、企業メセナについて申し上げます。
 タイミングよく先週の金曜日、十二月八日付の朝日新聞に、「メセナ協十周年 企業の取り組み」ということで特集記事が出ておりました。その中で非常に興味ある発言がありましたので、これを紹介したいと思います。
 福原義春さんという企業メセナ協議会の理事長さん──資生堂の会長でありますが──が「これからの日本のメセナの行方は」という質問に対して、このように答えておられます。「ボランティアなどNPO型の公共参加をどう取り入れていくかでしょう。国や企業だけでなく、市民をまきこんでやっていけば、日本の文化度を高めることになる」と、そのようにはっきりとおっしゃっておられます。全く私も同感であり、先ほど申し上げたとおりであります。
 それから、もう一人、同じ特集記事の中で河島伸子さんという同志社大学の講師でありますが、文化政策論、文化経済が専門の方の発言なんですけれども、「企業メセナも大切だが、政治、行政による文化支援がもっと必要だ。 国の芸術・文化への公的支出を、国民一人当たりで比べると、英語圏の米国、アイルランド、豪州、英国は低く、大陸ヨーロッパ諸国が真ん中、福祉国家の北欧が上の方だ。日本は、文化庁の予算でみると、低い米国に近い。ところが、地方自治体の文化施設への建設費を入れると北欧に並ぶ高水準になる。日本はいまだ施設建設が中心だ」と。要するに箱物行政だということをこの人は言っておるわけですね。そんな箱物行政じゃなくて、もっとソフトの部分にこれから行政は力を入れていくべきだということを言われているわけであります。
 そこで、これは何回も出てきました企業メセナ協議会のホームページをプリントアウトしたものでございますが、その中に会員名簿が載っております。その準会員が四十三社・団体あるわけですけれども、この中に実は、茨城県であるとか熊本県であるとか、財団法人愛知県文化振興事業団、それから社団法人企業メセナ群馬、財団法人埼玉県芸術文化振興財団、佐賀県企業メセナ協議会、財団法人東京都歴史文化財団、ほかにも財団法人北海道文化財団、あるいは藤沢市、山口市、東京の中央区、こういうさまざまな地方公共団体が準会員としてここに名を連ねております。今、時代はそういう時代になってきておるんですね。
 先ほども申し上げたように、行政だけじゃなくて、企業やNPOやボランティアや、県民全体が一体となって、これからは地域づくり、国づくりをしていく時代だと僕は思います。企業にも潜在能力はたくさんあるわけです。ですから、そういうものを引き出すために、やはり県庁の中にメセナを取り扱う課なり班なり──すべて企業メセナ課をつくれと僕は言っているのではありません。今ある課あるいは班の中に、この企業メセナ問題を専門的に扱う職員が一人や二人あったっていいと思うんです。そこが窓口になって、企業にもこの和歌山県土づくりに参加していただいて、和歌山県は文化レベルの高い県だと言われるようにしていけば、そうした芸術支援、文化支援、さまざまな支援をしていただけることにつながっていくと思います。そういう意味で、ぜひともそういう方向づけを早急にやっていただきたい。
 以上、すべて要望であります。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。

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