平成12年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(江上柳助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十一番江上柳助君。
  〔江上柳助君、登壇〕(拍手)
○江上柳助君 おはようございます。
 ただいま議長からお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 木村知事におかれましては、九月三日執行の知事選挙にご当選、まことにおめでとうございます。
 木村知事は、知名度という点では不安があったものの、二十二万九千二百六十四票の得票で、次点との差を七万六千七十二票とし、県民の圧倒的な支持をもって見事に当選を果たされました。心からお喜び申し上げます。この圧倒的な勝利は、木村知事に対する県民の大きな期待感のあらわれであると思います。今回の知事選挙は、人一倍責任感の強い西口前知事の体調不良による任期途中の突然の辞任によるものでありました。政治に携わる者は体力が必要であることは、申すまでもありません。道路を初めとする交通基盤の整備、南紀熊野体験博の開催、県立医科大学の統合移転などに着実に実績を上げてこられた西口前知事の無念さは、同じ政治の道を歩む者として万感胸に迫るものがあります。西口前知事から木村知事へと引き継がれたわけでありますが、これまでの知事と違う点は、副知事から知事への継承がなくなったことであります。今、県民は、しがらみのない木村知事に大いなる期待を寄せております。
 知事就任に当たっての職員訓示で知事は、「和歌山県を全国に雄たる県に復活させることが私の願いであります。これは、なかなか言うはやすくて行うはがたしと思いますけれども、日々の積み重ねなくしてそういうことが成るということは絶対にありませんので、皆さん方、この和歌山県を元気のある活力のある南海の雄県にするために、私と一緒に力を合わせてやっていただけたらと思います」と、積極的かつ前向きに県勢発展のために取り組む決意を述べておられます。二十一世紀を目前にし、本県においても財政の問題、高度情報化、少子高齢化、経済や環境、教育の問題など、県政の課題は山積しております。知事は、かつて和歌山県の総務部長を務められた経験と、地方行政に精通された卓越した行政手腕を持っておられます。どうか知事におかれましては、健康に十分留意され、持ち前の明るさをもって県民に目線を合わせ、地方分権の時代に和歌山と国との大きなパイプ役として、国の情報をいち早くキャッチして和歌山県の復興に取り組まれ、二十一世紀の和歌山が希望と活力に満ち、和歌山に住んでよかった、一度は住んでみたいと言えるようなふるさとづくりに邁進されますことを切に願うものであります。
 一方、行政と議会は車の両輪であります。私も議会に籍を置く者の一人として、県勢の活性化とだれもが安心して暮らせる社会の実現で、県民だれもが住んでよかったと言えるふるさとづくりのために精いっぱい、意見、提案、要望をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、IT革命に対応した本県の情報化施策等の推進についてお尋ねいたします。
 知事は就任あいさつの中で、インターネットに代表されるITについて、「情報技術の飛躍的な革新はEコマースと呼ばれる電子取引を広めるなど、企業の取引活動や生活様式を大きく変えてきております。二十一世紀はITなくしては企業や生活が成り立たなくなるほど社会経済システムが大きな変容を遂げ、全く新しい時代を迎えることになるという認識をしております」と述べられております。
 政府はミレニアムプロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について──平成十一年十二月十九日内閣総理大臣決定でありますが──電子政府の実現を目指す方針を示しています。その内容は、二〇〇三年度までに民間から政府、政府から民間への行政手続をインターネットを利用してペーパーレスで行える基盤を整備するというものであります。
 本年八月二十八日、自治省地域IT推進本部は、「IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等の推進に関する指針」を決定いたしました。これは、国における電子政府の実現に向けた取り組みを踏まえ、IT革命に対応するため、地方公共団体における今後の課題と基本的方向及び早急に取り組むべき事項を示したものであります。その骨子の一つは、地方公共団体の電子化、すなわち電子自治体、電子県庁などの実現であります。二つ目は、社会経済活動の活性化に資する情報基盤の整備に取り組むことであります。これを基本として、以下の諸点に配慮することとしております。
 配慮すべき点の一点目は、情報格差の問題が生じないように高度、多様化する県民ニーズに対応した質の高い行政サービスを提供する。二点目は、地域の社会経済活動に大きく寄与するため、文書の電子化を初めインターネット化への積極的な対応を行う。三点目は、事務処理全般の見直しによる行政の簡素、効率化及び透明化であります。地方公共団体において早急に取り組むべき事項として、一点目は行政におけるネットワーク化の推進、二点目は申請、届け出等手続のオンライン化の推進、三点目は住民基本台帳ネットワークシステム整備促進等であります。
 一点目の行政におけるネットワーク化の推進については、庁内LAN、庁内一人一台のパソコンの整備、総合行政ネットワークの構築が挙げられ、地方公共団体間や地方公共団体と国との間で行われる申請、届け出、許認可等にかかわる文書交換や法令、条例、基礎的統計等の情報の共有を実現するなど、国、地方公共団体を通じた情報化の基盤として早急な整備が求められるものであり、都道府県及び政令指定都市については平成十三年度まで、その他の市町村については平成十五年度までに構築を行い、順次運用を開始することが望まれるとしております。二点目の申請、届け出等手続のオンライン化の推進については、地方公共団体における組織認証基盤の構築、個人認証基盤の構築や事務手続のオンライン化に伴う法令等及び事務作業の見直しに努めるとしております。
 時あたかも、第百五十臨時国会での所信表明演説で森首相は、日本型IT社会の実現こそが二十一世紀という時代に合った豊かな国民生活の実現と我が国の競争力の強化を実現するためのかぎである、そして五年後に世界の情報通信の最先端国家に仕上げると表明いたしました。日本が世界のIT分野でのおくれを取り戻すためには、IT革命への対応、IT化への推進が必要であることは申すまでもありません。今日マスコミ等で、ITという言葉や文字を聞かない日、見ない日がないくらい、連日のように報道されています。
 IT社会とは、ITすなわち情報技術でありますが、これらを活用して質の高い行政サービスを提供するとともに、地域の社会経済活動に大きく寄与しようとするものであります。皆様ご承知のように、住民票や印鑑証明などを役所に足を運ばずに家庭や事務所などでパソコンのインターネットを通して二十四時間申請できるというものであります。将来は郵便局やコンビニなどでも申請ができるようになると言われております。さらに、電子県庁や電子自治体が実現いたしますと、納税証明書、不動産取得申告書など、多くの行政手続の申請がインターネットで可能になるわけであります。医療や福祉、防災の分野でもその活用が大いに期待されているところであります。また社会経済活動においては、インターネットによる商取引や、現在知事も利用されているようでありますが、インターネットでの買い物もできます。さらに、家庭が情報家電でネットワーク化され、私たちの生活がより豊かに便利になるものであります。
 以上のことから、知事並びに教育長にお尋ねいたします。
 第一点目は、地方公共団体の電子化、いわゆる電子自治体の実現と地域の社会経済活動の活性化に資するための情報基盤の整備によるIT社会実現への取り組みが重要であります。また知事が言われる、元気のある、活力のある南海の雄県にするためには、半島に位置し、国土軸からかけ離れ、山村僻地を抱える本県こそ、インターネットを活用したIT先進県を目指すべきだと考えます。IT社会実現への取り組みとIT先進県を目指す知事の決意をお聞かせください。あわせて、IT関連予算特別枠の設定について、知事のお考えをお示しください。
 第二点目は、自治省地域IT推進本部の「IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等の推進に関する指針」では、国、地方を通じた情報化の基盤として早急な整備を、都道府県及び政令指定都市については平成十三年度までに、その他の市町村については平成十五年度までに構築を行い、順次運用を開始することが望まれるとしております。そこで、IT革命を強力に推進するために、知事を本部長とする和歌山県IT戦略本部や庁内プロジェクトチーム及び各界各層の有識者による和歌山県IT戦略会議を設置すべきだと考えますが、知事のご見解を承りたいと思います。
 第三点目は、大阪府は二〇〇三年度までに電子府庁を実現するために専従チームを発足させることを九月十九日発表いたしました。電子府庁が実現いたしますと、納税証明書、不動産取得申告書など千種類ある行政手続の申請がホームページでできるわけであります。電子府庁の実現に向け、府は九月補正予算に約四千五百万円を盛り込み、パソコンの職員一人一台に向けた基盤整備を進めるとしております。さらに、太田府知事は九月二十八日の定例府議会で、ITによる行政オフィス革命で府政の効率化を図るとしております。本県職員へのパソコンの整備率は、職員四千六百四十八人中一千五百四十九台、約三分の一であります。パソコンは、今後の行政運営に必要不可欠なものと位置づけられることから、情報システムである庁内LANの整備とこれに接続した職員一人に一台のパソコン配備を早急に進めるべきであると考えますが、庁内LANの整備及びパソコンの配備について、いつごろまでに整備を進めるお考えか、お聞かせください。
 第四点目は、和歌山県下の町村では一部IT化への取り組みがおくれております。特にホームページを開設していない町村は十三あります。共通した理由は、一点目、高齢者が多く我が町では難しい、二点目、パソコンを操作できる人材がいない、三点目、予算がないとのことであります。今後、どのように高齢者などのIT弱者と言われる人たちへの配慮、IT技術者の養成・確保、予算措置に取り組み、IT化を推進するお考えか、お聞かせください。また、町村単独ではIT革命に対応するのは難しいと思われますので、広域を中心にIT革命に対応する必要があると考えます。知事のご見解を承りたいと思います。
 第五点目は、知事が就任のあいさつで述べられております開かれた県政の一つは、まず県庁内のすべての課でホームページを開設して県民に幅広く新しい施策、情報を提供し、広く県民の意見や要望をいただくことであります。知事は、選挙公約で電子メール目安箱の設置を掲げておられました。従来、「知事への提言」というホームページがあり、メールを送れることになっておりましたが、余り利用されていなかったようであります。木村知事は今回、「知事と親しメール」を開設されました。ぜひ、この「知事と親しメール」に届いたメッセージは、ダイレクトに意見、要望が知事に届くようにするとともに、返事を出すようにしていただきたいと思います。
 また、県政の重要課題と所属別のホームページの開設についてであります。和歌山下津港港湾整備計画いわゆる雑賀崎埋め立て問題などについてはホームページが開設してありますが、橋本産廃問題など、県政の重要課題についてのホームページはありません。さらに県庁内では、残念ながら施策に関するホームページをいまだ開設していない局や課室が十四あります。実は、私が質問する前には十七あったんですけれども、十月五日に国民健康保険室、さらに十月六日には新産業推進課、さらには地域振興課と立て続けに開設をいただいております。結果的に十四になったわけで大変喜ばしいことでありますが、今後早急に残された十四の局や課の開設をお願いしたいと思います。また、「知事と親しメール」への取り組みと県政の重要課題、所属別のホームページの開設について、知事の決意をお聞かせください。
 第六点目は、NTTは二〇一〇年までに全国の光ファイバー網の整備を完了するとした現在の目標を撤回し、今後は需要が見込める地域に絞って整備する計画に転換する方針を固めたようであります。過疎地域にまで光ファイバーを敷設するのはNTTの収益を圧迫すると判断したためであります。IT革命推進のためには光ファイバー網の整備は欠かせないものであり、過疎地域を抱える本県にとってまことに残念なことであります。過疎地域にまで光ファイバーを敷設しないというNTTの方針に対しどのように対応されるのか、知事のお考えをお聞かせください。
 第七点目は、教育委員会の情報教育への対応についてであります。私は昨年の六月定例議会で、「教育現場で情報化教育に積極的に取り組むべきである」と質問いたしました。教育長は、「今後とも、情報化社会に対応した研修や実践研究の一層の充実に努め、二十一世紀にふさわしい情報教育を推進してまいりたいと考えております」と答弁されました。私は、和歌山市内の小学校のパソコンの整備状況を見てまいりました。まず、機種が八年から九年くらい前のウインドウズ三・一で非常に古く、各小学校では二十台配備されておりますが、先生用と子供用の一対になっておりますので、十人の子供しかパソコン操作できないわけであります。そして、学校にはインターネットの接続は職員室にありますけれども、ほとんどの学校で、授業ではインターネットに接続されておりません。しかも、ことしの六年生で四月から一度もパソコン教育が行われていないクラスもあります。パソコンになれ親しみ、適切に活用する教育はどのようになっているのでありましょうか。いろいろ調べてみますと、コンピューターを操作できる教員、コンピューターで指導できる教員は全国都道府県でワースト一位、二位であります。これは小、中、高ひっくるめてであります。このような状況の中で、教育委員会は二千百人の教員を対象にパソコン研修を本年八月にようやく実施いたしました。私の昨年六月の質問から一年が経過してからであります。情報化というものは日進月歩であります。テレビが普及するまでには十三年、ラジオが五千万台普及するまでには三十八年かかったんです。このインターネットが五千万台普及するには、わずか四年間で行われておるんです。昨年の私の質問から一年間放置してきたと言っても言い過ぎではないかと思います。このような状況で、将来のIT社会を支える子供たちにどのような教育を行うのでありましょうか。各学校のパソコンを新しい機種に交換することや、パソコン教室でインターネットに接続して授業で活用することが必要であります。コンピューターで指導できる教員をふやし、授業の中でパソコン計画を積極的に取り入れ、小・中・高等学校及び盲・聾・養護学校での情報教育の推進が緊急の課題でありますが、その取り組みについてお考えをお聞かせください。
 第八点目は、情報公開と個人情報保護制度の確立についてであります。本県においては、平成五年十月から和歌山県公文書の開示に関する条例、いわゆる公文書公開条例に基づいて情報公開がなされております。昨年五月制定の情報公開法における開示対象文書は、「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの」と定義されております。これは、国で成立した情報公開法でございます。このことによって、開示請求があった時点で実施機関が保有している──県庁が保有している文書やフロッピーディスク等の電磁的記録についても開示対象となったわけであります。この情報公開法の施行期日は平成十三年四月一日からであります。したがって、情報公開法を踏まえた本県の公文書公開条例の改正がその名称も含めて必要になっていますが、いつ条例改正するお考えか、改正点もあわせてお答えください。
 一方、知事の言われる開かれた県政を担保する情報公開と相まって、個人情報を保護する制度が必要であることは申すまでもありません。国では個人情報保護基本法制の議論が行われておりますが、これはプライバシー保護の観点から、従来は野放しだった個人名簿の無断転売などに法規制の網をかけているのが特徴であります。現在、既に「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」が制定されております。全国の多くの自治体では、この法律の趣旨に基づいて、より厳しく個人情報利用を制限し、個人情報保護条例を制定しているところであります。これらのことにかんがみ、本県においても早急に個人情報保護条例の大綱案、要綱案を策定し、個人情報保護条例を制定すべきであると考えますが、知事のご見解を承りたいと思います。
 以上、八点についてお尋ねいたします。
 次に、府県間の連携強化についてお尋ねいたします。
 知事は就任あいさつの中で、「これからの県政は、より一層、他府県等との連携が重要になってまいります。とりわけ大阪府との関係は重要であると思っておりますけれども、私は大阪府政の一翼を担った経験を生かし、その連携の強化に力を尽くし、県益のため、県民のため全力で取り組んでまいりたい」と述べられております。
 今、県民が木村知事に大きな期待を寄せている中の一つが大阪府との連携強化であります。和歌山県は関西経済圏に位置し、大阪府との連接地でありますので、当然と言えば当然であります。知事は就任あいさつの中で、交流ネットワークの創造で「京奈和自動車道の早期完成、近畿自動車道紀勢線の南伸など高速道路の整備、第二阪和国道、県道泉佐野岩出線、国道三百七十一号や四百八十号などの府県間道路の整備は、本県が近畿や中部等の主要な経済圏と直結するために、また県内中核都市のネットワーク化のために積極的に推進してまいりたいと考えております」と述べられておりますが、第二阪和国道や県道泉佐野岩出線などの府県間道路でおくれているのは、知事もご承知のとおり大阪府側であります。和歌山県と大阪府の実務者による阪和開発連絡協議会が例年開催されております。その協議会で、府県間道路、阪和線の関空への乗り入れ、関空の整備、紀の川の利水、加太・岬スカイライン、紀淡連絡道路などの府県間の課題について協議されることになっております。太田府知事も、木村知事の選挙の応援に来られたときに、「関西は一つ、大阪府の隣接地和歌山との連携を今後さらに強化してまいりたい」と述べておられました。
 知事、阪和開発連絡協議会が開催される前に大阪に出向き、太田府知事とトップ会談をされ、府県間の課題解決のための要望を行ったらいかがでしょうか。また、府県間の課題解決に向けてほかに何か妙案があれば、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、県市協調についてお尋ねいたします。
 九月二十六日、和歌山市の旅田市長は、県庁で木村知事と会談し、和歌山市が抱える課題解決のため、四十一項目にわたる要望を行いました。要望の中で、雑賀崎埋め立て問題について旅田市長は、反対住民の意見も聞いて慎重な対応をと要望されました。知事は、九月二十七日の就任あいさつの中で、「今後の社会経済状況をも見きわめながら、虚心坦懐にこの埋立計画に対する県民各層の幅広いご意見を聞きまして、適切に対応してまいりたいと考えております」と述べられております。また十月五日の本会議で、先輩橋本議員の質問に対し知事は、雑賀崎埋め立ての環境調査費について予算の執行を見送る旨の答弁をされました。最終的には、雑賀崎埋立計画をさらに見直すのか、計画の凍結か中止か、計画をそのまま実施するのかといった決断をいずれ迫られる時期があると思います。
 私は、自然環境、景観などの失われる部分いわゆるデメリットと、これからの物流などの社会経済状況、地域整備、建設残土の埋め立てなどの公益を十分に比較検討しなければならないと考えます。どうか知事におかれましては、この点を十分に踏まえて適切に対応していただきたいと要望させていただきます。
 そしてまた、この埋立計画に対する県民各層の幅広いご意見を聞く場や住民との対話集会など、できるだけ早い時期に開催すること、この二点について強く要望させていただきます。
 さらに、和歌山市などによる公立大学構想について、大学設置にかかわる補助金等の支援や地域総合整備事業債の事業認可に対する支援について要望がなされております。県の支援が公立大学認可の必要条件でもあります。どのように対応されるお考えか、お聞かせください。
 この公立大学構想について知事は、会談の中で「どうせつくるなら、一番時代にマッチした大学を」と述べられたと新聞報道されておりますが、知事の考える時代にマッチした大学とはどのような大学なのか、お考えがあればお聞かせください。
 最後に、浸水対策についてお尋ねいたします。
 昨日も、紀南方面では大変な大雨でございました。先日の九月十一日と十二日にかけまして、台風十四号接近の影響で県内各地で大雨による被害が続出し、県内の産業、経済や県民生活にも大きな影響を及ぼしました。大雨の影響で、床上、床下浸水は十市町村で一千三十七戸に上ったほか、国道四十二号線が有田市初島で冠水のため通行不能になり、また落石、冠水などで十九カ所が一時通行どめに、阪和自動車道、海南湯浅道路、湯浅御坊道路も十二日午後二時過ぎまで通行どめとなりました。一方、JR各線、南海電鉄にも部分運休、運休が相次ぎました。さらに、野菜や稲などが水につかるなど農作物への被害は約四千四百万円に上ると言われています。被害に遭われた皆様方に、心からお見舞いを申し上げます。特に和歌山市においては、降り始めからの雨量が三百七十八ミリで、過去三十年間の最大降水雨量を記録しました。和歌山市で、床上・床下浸水は約九百戸。市内の五十四カ所で道路が冠水し、通行どめや交通規制が相次ぎ、和歌山市田中町の交差点では幹線道路が二十時間にわたり冠水のため通行どめとなりました。私は、車で市内各地をこの目で見て回りました。道路が冠水して川のようになったところや、側溝や用水路と道路の区別がつかず、車のハンドルを早く切ったため後輪のタイヤが溝にはまりかけるなど危険きわまりない箇所が幾つもありました。住民からは、道路が冠水し、道路を通行どめにしないと車が通過するときに水が家まで浸水してくるので交番に通行どめをお願いしたところ、県の道路管理者が来てくれないので通行どめにできないとの話であったそうです。私も、和歌山北署管内の西庄交番から県消防防災課と道路環境課に連絡をとりました。道路が冠水した箇所が多いので人手が足りないとのことでありました。
 九月十一日の県内に大雨洪水警報が発令されてから、県下全域警戒態勢が発令されている中での職員の配備態勢はどのようになっていたのでしょうか。関係職員の皆さんは、少ない人員の中で不眠不休でその任に当たられたことと思います。大変にご苦労さまでした。願わくは、このような非常事態のときは、十分に関係機関、市町村との連携を密にして万全の体制を整えていただくことを強く要望させていただきます。
 四十七都道府県の県庁所在地で、これだけ広範囲にわたり道路が冠水する都市は余りないと思います。和歌山だけかもわかりません。十月三日、私ども公明党県議団、市議団は一日かけまして、和歌山市内全域の排水ポンプ場、公共下水道終末処理場や浸水箇所などを視察してまいりました。かなり排水ポンプ場の整備が進んでいるものの、建設中のものもありました。一方で、下水管の整備がおくれているため、まだまだ浸水対策が十分でないことを痛感いたしました。浸水対策に万全を期そうと思っても限界があると思いますが、改良する努力を怠ってはなりません。しかも、豪雨のときの浸水箇所はほとんど決まっているわけであります。したがって、このような箇所の総点検を実施して、雨を地中にしみ込ませる道路や下水管の整備、河川の改修、地下利用の遊水地などの浸水対策を関係機関、市町村と協議して講ずるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上お尋ねして、私の第一問とさせていただきます。ご答弁のほどよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの江上柳助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) IT社会実現への取り組みとIT先進県を目指す決意についてでございます。
 ITは、私たちの生活様式を大きく変革し、新たな経済発展を可能にし得る、まさに二十一世紀を切り開く技術であると考えております。ITの活用は、過疎化、高齢化の進む本県の社会経済活動の活性化を図る上で極めて重要な課題であると認識をしております。私も既に幾つかのアイデアを持っておりますけれども、行政はもとより、県民生活や企業活動など、あらゆる分野におけるITの活用を促進し、他県に比類なきIT先進県を築いてまいる決意でございます。
 なお、来年度の予算編成におけるIT関連特別枠についてでございますけれども、私としては、必要な分野について来年度の予算の重点的な配分を図る観点から、関係部に対し早急に検討を行うよう指示したところであり、現在鋭意作業中でございます。予算編成方針の中で知恵を絞り出してまいりたいと考えておりますので、ご了承いただきたいと思います。
 次に、和歌山県IT戦略本部等の設置についてでございます。
 ITの活用により、住民サービスの充実や産業の振興を図り先進県を目指すため、県庁内が一丸となって、また産・学・官が連携して積極的に取り組めるよう、県としてのIT戦略を考える新たな体制の構築を検討してまいりたいと思います。
 次に、庁内LANの整備及びパソコンの配備についてでございます。
 本県では、本庁並びに振興局を対象にLANを構築し、これに各パソコンを接続して情報処理の高度化、効率化に努めております。今後のパソコンの配備につきましては、まことに厳しい財政状況ではございますけれども、先進県ということにしていくためには、まず県職員がパソコンの操作に習熟することが必要であると思います。パソコンの配備につきましては、来年度の予算でも積極的に対応してまいりたいと考えております。
 次に、高齢者の方々等のIT弱者──IT弱者と言うのは適当かどうかわかりませんけれども──への配慮やIT技術者の養成ということは、県内におけるITの活用を図る上で喫緊の課題であると認識しておりますので、国の支援施策の活用による研修事業の実施等、これについては積極的に対応していきたいと考えております。また、市町村でのITの活用を促進するため、国等の関連する補助事業の活用等──補助事業ばかりであれでございますけれども、独自事業も行ってまいりますが、促してまいりたいと思っております。
 広域でのIT革命対応につきましては、ITの活用による行政サービスを効率的、効果的に提供していく観点から、広域での連携による取り組みも必要になってくるものと認識しておりますので、今後、市町村との対話も深めながら、県全体としての課題として取り組んでまいりたいと思っております。
 それから電子メールによる提言制度につきましては、就任後、「知事と親しメール」と題して、ホームページ上にとりあえず開設いたしました。このことは「県民の友」十月号において、ファクス、手紙、はがきとあわせて紹介させていただいております。今議会が始まりましていろいろございますので、大変多くの提言、ご意見が私のもとへ来ておりまして、私もこれには毎朝目を通すようにいたしております。返事につきましても、今後、適宜適切な対応を図っていきたいと思います。
 ホームページの開設につきましては、ご指摘の県政の重要課題も含めて、県民の関心の高い情報を速やかに、わかりやすく提供していくことが重要であると認識しておりまして、職員に対しこうした認識の徹底を図り、充実に努めてまいりたいと思います。
 また、県のホームページでは大分ふえてきているようでございますけれども、情報を全く掲載していない課室もございますので、こうした課室については早急に提供するよう促してまいりたいと考えております。
 次に、NTTの光ファイバー敷設についてのご質問でございます。
 現在までのところ、過疎地域にまで敷設しないとの明確な方針は出されていないと承知いたしております。これは、担当の方からも大分詳しく調査をしていると聞いております。また、情報通信基盤の整備は基本的に民間主導で行われるものと認識しており、NTTには積極的な取り組みをお願いしてまいりますが、本県の半島性、過疎化、少子高齢化などを克服する上で、この通信基盤の充実は重要な課題でございますので、国の支援施策の活用も検討しながら、行政としても適切に対応していきたいと考えております。
 それから、情報公開についてでございます。
 県では、平成五年に和歌山県公文書の開示に関する条例を施行しておりますけれども、情報公開法の趣旨を踏まえ、開かれた県政を一層推進するために新たな情報公開制度を検討いたしております。現在具体的には、県内各界有識者から成る懇話会を設置して、条例の名称、開示対象の公文書に電磁的記録を含めることなどについて審議をいただいているところでございます。ことしの十二月をめどに、新たな情報公開制度のあり方について提言が出される予定でございまして、この提言を踏まえ、二月県会に条例改正案を上程すべく準備を進めております。
 次に、個人情報保護制度の確立についてでございますけれども、個人のプライバシーを保護し、個人の自由と尊厳を守るための重要な課題であると考えております。
 現在、政府において、IT戦略本部に専門委員会を設けて個人情報保護基本法の制定について議論がなされているところでございますので、この動きを踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 それから、府県間の課題解決に向けて大阪府の知事とトップ会談をしてはどうかということでございます。
 議会の冒頭でも申し上げましたけれども、これからの県政を進める上で他府県との連携は重要なものであると考えております。ご提言につきましては、大阪府との連携を強化する上で望ましいことであると考えておりますので、府県間の課題を整理いたしまして、大阪府知事とのトップ会談を開催する方向で働きかけを行ってまいりたいと思います。ただ、何をやるかということなしにやっても仕方がないことでございますので、ただいま申し上げましたような、どういう課題をどういう方向で持っていくのかということを十分下ごしらえもして、積極的に会談を行っていきたいと考えております。
 それから、県市協調についての和歌山市などによる公立大学構想についてでございます。
 和歌山市で設置を検討されております二市九町による広域連合方式の公立大学につきましては、本県の高等教育機関の整備充実に寄与するものと考えております。県といたしましては、財政状況が厳しく聖域のない事業見直しを行っている中で制約がありますけれども、今後、必要な諸手続など県として可能な協力は行ってまいりたいと考えております。
 なお、内容について私がコメントしたということでございますけれども、これはそういうことではございませんで、大学の内容につきましては、市のお考えで魅力のある大学をつくっていただければと考えております。
 私からは、以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 浸水対策についてお答えいたします。
 平成十二年九月十一日から十二日にかけての集中豪雨は、和歌山市におきましては一日の総雨量としては和歌山地方気象台の観測史上最大の豪雨でありまして、多くの床下、床上浸水の被害が生じました。また市内の県道におきましても、道路冠水により車両の通行ができない箇所が生じました。広範囲な冠水となったため、道路管理者の対応におくれがありましたのは事実です。今後は、このような非常事態に十分対応できるよう関係機関とも連携してまいります。
 これらの浸水被害の抜本的な解消を図るためには、議員ご指摘のとおり、関係機関が連携し、下水道だけではなく、河川、道路等の事業を総合的に実施する必要があると考えてございます。そのため、県といたしましては、国、市に働きかけて浸水対策に関する協議会を設立し、各種事業間の調整を図り、効率的な整備について積極的に検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 学校における情報教育の推進についてお答えいたします。
 今日の情報通信技術の急速な進展により、教育の分野においてもこの情報化の流れを避けて通れなくなってきております。こうした教育の情報化に適切に対応するため、本年四月、県教育委員会の機構改革の中で教育企画課に情報教育班を設置し、学校の情報環境の充実等に取り組んでいるところでございます。コンピューターの設置及びインターネットへの接続につきましては、町村によって大きな格差があることから、機会あるごとに市町村教育委員会に対し学校の情報環境の整備充実を図り、その活用を積極的に行うよう指導いたしております。
 IT社会を支える子供たちの教育につきましては、新学習指導要領に基づき、児童生徒がコンピューター等の情報手段を活用しながら、創意工夫を生かした教育活動を行うよう指導してまいります。
 また、議員ご指摘の課題を解決するため、本年度新たに小学校教員約二千百名を対象に県内百十九の会場でコンピューターに関する研修会を実施したところでございます。来年度は、中学校さらに高等学校、盲・聾・養護学校など県立学校の教員を対象にして、本年度よりさらに充実した研修の実施を予定いたしております。今後、各地方教育事務所段階においても早急に情報教育の推進体制を整え、学校リーダーの養成並びに校内研修の一層の促進を図り、予算の確保を含め、本県の情報教育の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十一番江上柳助君。
○江上柳助君 ただいま、知事並びに関係部長からご答弁いただきました。再質問をさせていただきます。
 知事からは、IT先進県を目指す並々ならぬ決意をご披露していただきました。ありがとうございました。私は、本県をIT先進県に、取り組みいかんによっては決して夢ではないと思います。現在IT施策が進んでいる県は、岐阜県、三重県、高知県などがあるわけでありますが、IT革命は国家的なプロジェクトでもあり、現在その緒についたばかりであります。またIT社会の実現によって、半島に位置している本県は地理的条件を克服できるわけであります。ぜひ、そのためのIT関連予算特別枠を設定していただきたい。そして、LANや職員一人一台のパソコンの整備などの情報化への基盤整備や光ファイバー網の整備を行っていただきたい、この点、強く要望させていただきます。
 ここで知事に一点だけ、一問の答弁を踏まえてお尋ねしたいんですが。
 知事は、IT先進県を目指すと言われました。ITの基盤整備を行って、本県においてEコマース、電子商取引などを活用した産業経済の活性化、発展をどのように図るお考えか。県民は今、この点を一番知りたい。一番関心のあるところだと思うんです。知事のお考えを、具体的にお示しください。
 次に、市町村ではIT関連の予算が足りないとよく話を聞くんですけれども、本来、教育用のパソコンについては交付税措置がなされていることによって基準財政需要額に算定されているわけです。しかしながら、一般財源からされておるんです。道路や橋に変わってしまっているのが現状で、この点、県の方からもしっかりと指導していただきたいと思います。同時に、市町村支援のための予算措置もしていただきたい。
 また知事は、IT先進県を目指すと言われました。どうか、一日も早くIT戦略のための体制を整えていただきたい。その中で、特に高齢者や障害者などのIT弱者の皆さんへの十分な対応も研究、検討していただきたいと思います。この点も要望させていただきます。
 それから、教育長。「今日の情報通信技術の急速な進展により、教育の分野においてもこの情報化の流れを避けて通れなくなってきております」と答弁されました。知事はどうおっしゃっているかと言うと、「二十一世紀はITなくしては企業や生活が成り立たなくなるほど社会経済システムが大きな変容を遂げ、全く新しい時代を迎えることになる」という認識を示されているんです。教育長は、「避けて通れなくなってきております」と。そういう認識は、ちょっと消極的な感じを受けるわけです。避けて通れるものなら通りたい、そういうことじゃないと思いますけれども、避けられないからやむを得ずやる、対応するという印象が強いと言わざるを得ないですね。むしろ前向きに、二十一世紀のIT社会を生きる未来の子供たちのために、本県の産業経済の発展のために教育現場での情報教育を先取りするんだ、時代を先取りするんだ、この積極的な姿勢が大事だと思うんです。
 また、「議員ご指摘の課題」と言われましたけれども、私が指摘しないでも、小中学校のパソコンを操作できる先生、指導できる先生は四十七都道府県の四十七番目なんですね。この深い認識を持っていただきたいと思います。一断面かもわかりませんけれども、この「避けて通れなくなってきております」の一言が本県の情報教育への取り組みのおくれを象徴しているような感もするわけでございます。
 不思議なことに、ホームページを開設していない十三の町村の約半分の六町村においては県下の教育現場の情報教育がおくれている。パソコンを操作できる先生、指導できる先生が一番少ない町村は、やっぱりホームページを開いていないんですね。ですから、教育現場と町村のIT化への対応は一致しているような感じがしてならないんです。
 本年四月から教育企画課に情報教育班ができました。それまでは学校教育課でやっていたんですが、十分な対応ができておりませんでした。教育企画課の情報教育班の皆さんは一生懸命です。どうか、市町村教育委員会や教育現場の対応について、現場を理解せずにいきなりばっといきますと大変な抵抗も出てこようと思いますから、理解していただき、十分な対応をお願いしたいと思います。
 もう一度、情報教育への認識について教育長からご答弁をいただきたいところでありますが、どうか知事のIT先進県を目指すと言われた強い決意を、思いを酌んでいただいて今後頑張っていただきたい、この点は強く要望させていただきます。
 それから、情報公開と個人情報保護制度ですけれども。実は、九月議会に情報公開条例案を出すべきだったと思う。情報公開法は来年四月一日施行でございますから、周知期間に三カ月なり六カ月要るわけですね。実はテレビを見ていましたら、宮城県では県議会で県知事と県警本部長がちょうちょうはっしでやっているわけですね。要するに、捜査情報をどうするか。捜査の秘密だ、いや情報公開だとやっているのを見まして、ちょうど九月、今議会ぐらいが適切ではなかったかな、随分おくれているなという感じをいたしました。
 それから、個人情報保護制度です。これも今、国でIT戦略本部でやっていますけれども、一応大綱案もできたんですね。そういう状況もあります。そして、本県では昨年九月でございましたか、医科大学でフロッピー、いわゆる電磁的記録そのものが持っていかれたんですね。インターネットで情報を入手してそれを売るとかではなくて、フロッピーそのもの、それがもし悪用されたら大変なことになるわけですね。そういうことも考え、やはりこれにつきましても懇話会を早期に設置して検討を本県としても始めるべきではないかと思います。
 それから、和歌山市などによる公立大学構想については、市立大学構想検討委員会も設置され、九月九日に本県出身の竹中平蔵氏を迎えて市民参加のシンポジウムが開催されました。市議会においても特別委員会が設置され、広範な議論が行われております。知事のご答弁では、「必要な諸手続など県として可能な協力は行ってまいりたい」とありました。ぜひ前向きに、ご協力、取り組んでいただきたいと思います。
 最後に浸水対策ですけれども。非常に残念なんですね。今回、要望したからこういう答えが返ってきたかもわかりませんけれども、「広範囲な冠水となったため、道路管理者の対応におくれがありましたのは事実です」と。その対応のおくれでどれだけの県民、市民が被害をこうむったか。支障を来したか。混乱を招いたか。それに対する一言の言葉もないということは非常に残念です。そうは言っても、知事は本会議場で、防災対策については常在戦場で知事ご自身が先頭に立って取り組んでいきますと、力強い、心強い答弁をされております。関係機関と連携を密にして十分な対応をしていただき、県民に安心を与えていただきたい。
 また浸水対策については、河川の改修、下水道の整備など関係機関と連携を密にして、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。我々公明党県議団、市議団も、この浸水箇所の総点検や対応について今後とも取り組んでまいります。この点強く要望させていただきまして、知事に一点だけ明快なご答弁をいただき、私の再質問とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまのEコマース関係の再質問についてお答えをさせていただきます。
 情報化で商売をということでございますけれども、これはなかなか行政が旗を振ったからといってすぐに商売になるとは思いませんけれども、そう言ってしまっては身もふたもない。やっぱり、力いっぱい行政としていろんな支援を行い、一定の方向に持っていくことが行政の大きな責任であろうと思っております。
 どんなふうなアイデアがあるかということでございます。今、日進月歩でございますので、来年度の予算をつくるときまでにどんどん新しい情報が入ってきて変わってくるかと思いますが、今すぐに予算化できるかどうかわかりせんけれども、ちょっと思っておりますのは、例えば和歌山は果物王国であり、そしてまた林業や水産関係の、ある意味では先進県でございます。こういうところがJA、漁協、森林組合なんかと組んで、インターネットでバーチャルな市場みたいなものをつくって、和歌山ブランドでそれをどこからでもアクセスできるような形で買ったり、オークションしたりして売買ができる仕組みみたいなことも考えてみたいと思います。
 それから、今まではべンチャーを志す若い人たちに勢いを与えようということで考えていたんですけれども、ここまで来ると、ベンチャーの中でもEコマースということで新しく和歌山から何か発信していこうと思っているような若い人たち──別にお年寄りでも構わないですけれども、起業をやっていこうと思っている方々に施設の提供なども含むような支援を行うことができないかというようなことも考えております。
 それからまた、市民、教職員、県職員、市町村職員、こういう人たちにITに習熟するような何かセンター的なものができないかというようなことも考えております。市町村への必要な情報の提供も県として非常に重要なIT関係の仕事であると思いますので、そういうようなことも含めた何かアイデアがないかということも考えております。
 そしてまた、和歌山県全体をいろんなことで支援してくれたり、何らかの関係、これは別に県の出身であるとかということだけではなくて、和歌山の物を買ったことがあるとか、温泉へ来たことがあるとか、そういういろんな人を集めて何か一つのバャーチャルな和歌山をつくってネットワーク化することによって和歌山県の振興を図っていく、こういうふうなアイデアも大分進んできております。
 いろいろございますが、この分野に関しては非常に夢の多い分野ですので、来年度の予算までにいろんなことを考えて、できるだけ積極的な対応をしていきたいと考えております。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 以上で、江上柳助君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時五十八分休憩
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