平成12年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(新田和弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(尾崎要二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十五番新田和弘君。
  〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○新田和弘君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず初めに、去る九月三日に行われました県知事選挙におきまして木村良樹知事が県民の皆さんの絶大な支持を得て初当選を果たされましたことに、公明党県議団を代表いたしまして心よりお祝いを申し上げます。どうもおめでとうございます。
 木村知事は、公示わずか三週間前に大阪府副知事を辞職され、「二十一世紀のトップランナーへ わかやま創造」を掲げて知事選挙に挑戦し、見事勝利されました。新生和歌山の創造に向けて、新知事のご活躍を期待しております。
 九月定例県議会で木村知事は就任あいさつを行い、今ほど従来の社会経済システムの変革が求められている時代はありません、勝者と敗者の明暗がはっきりする大競争の時代を迎えていると時代認識を述べた上で、開かれた和歌山県、新生和歌山の創造、改革県庁を目指すとの三つの県政運営の基本的な考え方を示されました。
 そこで、行政改革の実行へ、私は改革県庁を目指すとの観点から質問を行ってまいります。
 現在、我が国の地方自治体の財政は、本県の場合も含めて極めて厳しい状況にあります。その原因の一つは、バブル経済期につくった右肩上がりの歳出計画をバブル崩壊後に見直すのが大幅におくれてきていることだと言われています。さらに、来るべき二十一世紀は少子高齢化社会の到来、いわゆる人口の減少期に入るわけであります。また、IT革命により自治体の意思決定システムに変化が生じ、従来では限られた人が限られた情報で時間をかけて判断していたことが、同じ情報を持つ多くの人が幅広い情報をもとにスピードにすぐれた意思決定ができる時代を迎えます。
 和歌山市の財政部長を経験されたことのある前自治省行政局行政体制整備室長の米田耕一郎氏は「月刊地方分権」の九月号で、「近年、「自治体経営」や「経営改革」など「経営」概念を核としたシステム改革の必要性が叫ばれることが多くなってきている。また、そのような経営改革のための手法として、バランスシートや行政評価などが紹介され、それらを実際に試みる自治体も多くなってきている」と述べております。今日までの行政改革においては、自治体が行う事務や事業を見直す手段として定員管理の徹底や予算のシーリングゼロベース化などの手法が用いられてきました。しかし、これらの手法を駆使しながら真剣に改革に取り組む自治体で、行革とは何か、自治体は何のために存在するのかとの、行政改革を深く追求していく流れの中で経営の考え方が登場してきたと言われています。
 三重県においては、これまでのトップ主導の改革運動を職員自身の内からの改革へと発展させ、職員の「みんなで、みずから、みなおす、三重づくり」の考えのもとに、行政システム改革のバージョンアップの取り組みが打ち出されました。その重要施策として行政経営品質診断基準による総点検が行われ、本年三月に結果報告書が知事に提出されました。その結果報告では、三重県の総合評価は平均的な民間企業の水準をはるかに超えるものであるとの評価がなされております。
 本県においては、平成十二年度に事務事業評価システムを導入していますが、手法はまだ確立していない状況であると伺っております。知事は改革県庁を目指して行政評価システムを導入し、県庁が実施するすべての事業を費用と成果という統一的尺度で評価し、県庁の意思決定に生かされてはと思いますが、改革県庁に向けてどう推進されるのか、お尋ねいたします。
 次に、関係部長にお尋ねいたします。
 一、建設省においては公共事業の新規事業採択時評価実施要領及び公共事業の再評価実施要領を策定し、これに基づいて平成十年より新規事業採択時における費用対効果分析を含む評価と事業採択後一定期間が経過している事業等の再評価を実施し、その結果を公表してきています。また、平成十一年八月には、公共事業の事後評価基本方針案に基づき、事業の事後評価を試行的に実施してきています。農林水産省及び運輸省においても同様の取り組みが行われております。
 公共事業の新規採択の際の評価手法は、実施事項に基づいて各事業ごとに特有の性質や事業を実施する上での課題となる問題を考慮した上で、費用対効果の分析、事業の必要性、効果、事業の熟度、関連する計画との整合性、地元の合意状況等を評価項目としており、これらを総合的に判断しております。
 本県における公共事業の新規採択時評価、一定期間経過している事業等の再評価、事後評価の実施状況はどうか。
 二、県単独事業における新規採択時評価、再評価、事後評価の実施状況についてはどうか。
 以上二点、お尋ねをいたします。
 次に、知事は就任あいさつにおいて、新税制の採用も視野に入れながら取り組んでまいりたいと述べています。全国知事会が政府に対して法人事業税への外形標準課税を全国一律に実施することを求めていますが、東京都が大手金融機関を対象に導入した外形標準課税が火つけ役となって、独自課税の検討がなされています。神奈川県では、繰越欠損金により赤字となっている法人に、仮称でございますが、臨時特例法人税案を打ち出しました。三重県では、製造業や建設業者らが出す廃材などを対象に、来年に向けて産業廃棄物にかかる税を検討し、年間六億から十六億円規模の税収を見込んでおります。大阪府の場合は、資本金一千万円を超す企業に法人府民税の均等割部分を標準額の二倍に引き上げる超過課税案を発表しております。
 本県の新税制の採用はどう考えているのか、お尋ねをいたします。
 次に、知事は選挙の公約において、県立和歌山医大跡地の画期的活用を挙げております。医大跡地利用については、平成十年二月に県立医科大学跡地利用懇話会が設置され、同年十一月に報告書が知事に提出されております。報告書では、二十一世紀に向けて豊かで活力ある暮らしを実現するために、和歌山都市圏における魅力ある都市づくりと総合的な地域整備が進められることを望むものであると結論づけています。さらに、平成十一年十二月に、民間事業主体により都市型複合施設の整備を行うことを要旨とする県立医科大学跡地利用に関する基本方針が策定されてきております。和歌山市からも、知事に対しまして推進の要望書が先般提出されておりますが、本県では医大跡地利用計画の推進に今後どう取り組まれるのか、お尋ねをいたします。
 次に、循環型社会の形成に関連してお尋ねをいたします。
 二十世紀の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会システムは、深刻な環境問題を生み出してきています。我が国は、外国の資源、エネルギーに依存しながら大規模な経済活動を営んでいる国であり、私たちの日常活動や事業活動に起因する環境問題は、今や地球規模の広がりを持つに至っております。
 こうした状況を踏まえると、新しい世紀を支える社会経済活動に求められる考え方は環境保全の視点を重要な構成要素にした新しいものにしていくことが不可欠であります。具体的には、生産、流通、消費、廃棄等の社会経済活動の全段階を通じて資源やエネルギーのより一層効率的な利用や循環利用を進め、廃棄物などの発生抑制や適正な処理が図られ、循環型社会の形成を推進することが急務であります。
 筑波大学の安田八十五教授は、「ごみゼロ社会をめざして」という本に「循環型社会システムの構築と実践」と題をつけて平成五年に出版されました。また最近では、ドイツが九六年につくった循環経済廃棄物法の日本版をつくるべきだと提言してきております。
 厚生省は、国民がより安心して生活できる循環型社会を形成するため、平成十年十月に生活環境審議会に対し今後の廃棄物対策のあり方について諮問をし、中間報告を受け、制度のあり方を検討し、本年五月末、国会で循環型社会形成推進基本法を初め、廃棄物処理法の一部改正案、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律の六法案が可決成立いたしました。
 そこで、関係部長にお尋ねいたします。
 一、廃棄物の減量、適正処理の総合的かつ計画的な推進を図り、平成二十二年度までに一般廃棄物、産業廃棄物の最終処分量を平成八年度の半分に削減する減量化目標を定め、県の廃棄物処理計画を新たに作成するとなっていますが、どう進められるのか。
 二、産業廃棄物を多量に排出する事業者は、その処理計画を作成し、県知事に提出するとともに、計画の実施状況を報告するとなっていますが、本県ではどう対応されるのか、あわせて対象事業所はどの程度あるのか。
 三、財団法人和歌山環境保全公社は知事が理事長を務め、大阪湾フェニックス計画への積み出し業務を行っています。今回の法改正により廃棄物処理センター制度の見直しが行われ、PFI法の選定事業者にも拡大されました。そこで、住友金属工業株式会社等にもパートナーとなっていただいて、処分場を確保し、財団法人和歌山環境保全公社を廃棄物処理センターに整備されてはどうか。
 四、建設廃棄物は産業廃棄物全体の排出量の約二割、最終処分量の約四割を占めています。このため、今回の法律で一定規模以上の建設工事については、コンクリート、アスファルト、木材の廃棄物を分別することを義務づけ、県に計画書等の届け出により建設廃棄物のリサイクルを推進することになりましたが、本県では今後どう進めていかれるのか。
 五、来年四月の家電リサイクル法の施行に向けて、先月、家電業界は使用済み家電の四種類を引き取る際の消費者負担額を発表しました。消費者である私たちも、使い捨ての思想から抜け出すと同時に、リサイクルにはコストがかかるということを認識せざるを得ないのであります。家電リサイクル法の対象となる洗濯機、テレビ、エアコン、冷蔵庫の四品目は、現在では家電販売店が約八割、あとの二割が市町村で回収されているとのことです。来年四月以降は市町村が粗大ごみを回収する場合にもリサイクル費用を負担していただかねばならなくなり、負担を逃れるための不法投棄も心配されます。そこで、本県において家電リサイクルのための県内における用地確保を含め、法施行を円滑に進めるためどう対応されるのか。
 以上五点、お尋ねをいたします。
 次に、現場の自主性を尊重した学校づくりに関連してお尋ねいたします。
 人間は広い意味での教育によって人間となる存在である、この教育という重大な使命と責任を見失った社会に明るい未来は開けないと、識者は述べています。今、不登校やいじめ、学級崩壊などの問題を初め、犯罪の低年齢化が深刻な社会問題となる中で、教育をめぐる改革論議が高まっています。日本の学校、家庭、地域社会のいずれも、子供を育てる力が低下してきているとの指摘があります。子供がみずから学び、みずから考え、自立できる力、力強く生きる力、善悪を自分で判断する力を身につけることが強く求められています。こうした観点から、子供たち一人一人にきめ細かく指導できるよう、学校現場の裁量幅を拡大し、校長のリーダーシップのもと、学校の自主性、自律性を確立し、各地域においては子供たちがさまざまな体験を重ねることができるよう、学校、家庭、地域の相互連携協力を促進強化する必要に迫られています。
 一方、文部省は、地方分権の進展に向けて、教育行政においても国、県、市町村の役割分担のあり方を見直すとともに、新たな連携協力体制を構築し、地域に根差した主体的かつ積極的な地方教育行政の展開を図るため、地方分権一括法の改正が行われてきました。
 さらに、本年一月に、学校教育法施行規則等の一部改正を行い、一、校長、教頭の資格要件の緩和、二、職員会議の位置づけの明確化、三、学校評議員制度の導入により、校長のリーダーシップのもと、学校の自主性、自律性の確立、ひいては児童生徒の実態や地域の実情に応じた特色ある教育活動の推進に向けて規定の整備が図られたところであります。
 校長、教頭の要件の緩和については、地域や学校の実情に応じて、免許がなくても教職に関する職の経験や組織運営に関する経験、能力に着目して幅広く人材を確保することが可能になりました。既に、東京都では本年八月に民間企業の幹部が都立高校の校長に就任し、大阪府でも府立高校の校長に民間人を起用する方針が示されました。
 職員会議の位置づけの明確化については、職員会議は校長が主管するもので、校長の役割は単に職員を集めるだけではなく、みずからの権限と責任において職員会議を管理し運営することを明確にするものであります。
 学校評議員制度の導入については、学校、家庭、地域の連携・協力を強化するため、学校運営に権限と責任を有する校長が保護者や地域住民等の学校外の意見を聴取するため、学校の組織として制度化したものであります。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。
 学校教育法施行規則等の一部改正に対して本県ではどのように対応されているのか、お尋ねいたします。
 次に、学級編制基準については、今回、地方分権推進の趣旨を踏まえ、国と地方の新たな連携・協力体制を構築する観点から、学級編制基準の弾力化が認められました。県では、地域や学校の実態に応じて特色ある教育を進めるために必要であると判断する場合は学級編制基準が緩和され、四十人以下の学級編制が可能となるわけであります。本県では今後学級編制基準の弾力化にどのように対応されるのか、お尋ねいたします。
 次に、現代の子供たちに見られる傾向として、人間関係の希薄化や自己中心的な行動がよく指摘されます。こうした子供たちが社会や自然とじかにコミュニケートしていくにはどうすればよいか、論議されているところであります。幕末に松下村塾を開かれた吉田松陰は、「地を離れて人無く、人を離れて事無し、人事を論ぜんと欲せば、まず地理を審らかにせざるべからず」と、自然環境が人間形成に及ぼす影響の重要性を訴えています。
 本県では、ふるさと和歌山の自然や歴史のすばらしさを子供たちに伝え、豊かな郷土愛をはぐくむ目的で、ふるさと教育副読本「わかやまDE発見!」を本年三月に発刊しました。現在、県下の小・中学校に配布し、大変好評であります。こうした教材を生かして地域に住む人々と触れ合いながら共同作業をしたり、大地や草木、動物や植物を友として体験するふるさと教育が子供たちの人格形成に不可欠であります。
 本県において、完全週五日制に向けて地域の特性を生かしたふるさと教育にどう取り組まれるのか、お尋ねをいたします。
 次に、特色ある高等学校づくりと中高一貫教育の導入についてお尋ねをいたします。
 今日、高等学校への進学率が約九七%に達する中で、心身の成長や変化の著しい多感な時期にある生徒たちに、いかにニーズに合った学びの場を提供していくかは極めて重要な課題であります。これまでも、総合学科、単位制高校の設置や学科改編、学校間連携の導入など、特色ある学校づくり、選択幅の広い教育課程の編成、高校入試の改善など、積極的な改革が進められてきました。
 しかし、こうした現行の学校制度を前提とした改善にとどまらず、中学校と高等学校という学校間の接続を改善し、六年間の一貫した教育指導を行う仕組みを整備することが求められてきました。こうした状況を背景にして平成十年六月に学校教育法等の関連法案が改正され、平成十一年四月から中高一貫教育の実施が可能となりました。
 公立の中高一貫教育校については、平成十一年度には宮崎県、岡山市、三重県で三校、平成十二年度には秋田市、大分県、鹿児島県で三校、設置されてきています。県教育委員会は去る九月二十八日、古座高校と南部高校龍神分校で連携型の中高一貫教育を来年度からスタートさせると発表しました。近畿では、本年に国立奈良女子大附属中等教育学校が中高一貫教育へ移行したのに次いで、二番目の導入となります。古座高校は古座、古座川両町の五中学校、南部高校龍神分校は龍神村の三中学校が連携型の中高一貫教育を実施することになります。両高校の入試においては、連携中学校卒業予定者が簡便な入試を受けることで従来の中学校の調査書や学力検査を受けなくてもよいことになります。
 中高一貫教育の特色について、「教育委員会月報」八月号で東京学芸大学教授の児島邦宏氏は、一、高校入試の影響を受けずにゆとりある学校生活を送られる、二、六年間継続して自分探しの旅ができる、三、中学一年から高校三年までの異年齢集団の交流活動ができると、ゆとり、継続、交流の三点を挙げております。
 私は、両高校が、地域の豊かな自然や歴史、文化の特性を生かしたふるさと学習や少人数学級による学習、情報機器を活用した学習など、中高一貫教育になって本当によかったと言っていただけるような学校をぜひつくっていただきたいと願うものであります。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。
 一、中高一貫教育の導入により両高校をどのように活性化していくのか、さらに両高校の施設・設備の充実と人的措置にどう取り組まれるのか。
 二、本県における今後の中高一貫校の設置、総合学科、単位制高校等の設置など、特色ある高等学校づくりにどう取り組まれるのか。
 以上二点、お尋ねいたします。
 次に、県教育委員会は、中高一貫教育の導入と同時に県立高校普通科に推薦入試を実施することを発表いたしました。本県では今日まで、職業科、総合学科、専門学科において推薦入試が実施されてきましたが、平成十三年度から普通科にも推薦入試が実施されることは、県民にとって大変喜ばしいことと思います。
 全日制普通科高校の九割近い二十五校が導入し、推薦枠は入学定員の一割がほとんどで、三割が単位制高校の二校となっています。各高校では、出願条件にスポーツ活動、文化活動、生徒会活動、ボランティア活動等ですぐれた活躍を挙げております。
 今回の推薦入試の導入において、那賀、日高、新宮の三高校が導入されなかったことは学校の方針だと思いますが、三高校の普通科に進学を希望している皆さんには大変残念なことだと思う次第であります。
 また、単位制高校以外の普通科においては、推薦枠は一割です。和歌山市内を例に挙げますと、八学級三百二十人定員の高校とすれば三十二人が推薦枠となります。和歌山市内には中学校が十九校ありますので、南北学区に分かれましても一校平均三名程度となり、クラスで一人しか推薦を受けられないのではないかと心配をいたします。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 一、教育長は、普通科に初めて推薦入試を導入された意義と各高校へ何を期待しているのか。
 二、全日制普通科全校に推薦入試を導入し、推薦枠を拡大する必要があると考えますが、どう取り組まれますか。
 以上二点、お尋ねいたします。
 次に、和歌山工業高校においては、平成二年ごろから歴代の校長先生のもとで学校改革のプランづくりに取り組んできています。現在、和工は一学年で九科十二クラスあり、教職員百五十七人、生徒数千三百八十五人で、工業高校では全国一の規模であります。学校は八十五年にわたる歴史の中で幾多の優秀な先輩を輩出してきており、本県の産業界にも多大な貢献をしてきております。和歌山工業高校が県下の工業高校のモデル校として、新しい施設、設備で二十一世紀も本県で活躍していただく人材を育てる学校として学校改革を実現していただきたいと思う次第であります。
 同校では、本年二月に学校改革案をまとめ、四月には西本紘一校長を迎え、学校改革の早期実現に期待が高まっております。教育長は和歌山工業高校の学校改革にどう取り組まれるのか、お尋ねをいたしまして、第一回目の質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの新田和弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 初めに、新田議員のご祝辞に対し、心より御礼の言葉を申し上げます。
 そして、ただいまのご質問について、順次お答えをさせていただきます。
 最初に、改革県庁へ行政評価システムの導入についてでございますが、時代の潮流をしっかりとらえ、開かれた和歌山県を目指す二十一世紀の和歌山づくりのためには、県政の構造改革に取り組んでいく改革県庁を目指していかなければなりません。
 このような観点から、本年度より事務事業評価システムを導入し、すべての事務事業について、従前ややもすればおろそかにしがちであった成果について検証を行うこととしており、また、この評価結果につきましては今後の予算編成の中に積極的に活用してまいることといたしております。
 次に、新税の導入の関係でございます。
 議員ご指摘のように、東京都や大阪府における大手金融機関に対するいわゆる銀行税、それから各地方公共団体における法定外税や超過課税の導入の検討等々、現在、独自課税の動きが活発化していることはご案内のとおりでございます。これらの中には、財政難の折から増収を図ろうとするものもあり、あるいは特定の政策目的のため新しい税を創設しようとするものなどがございます。
 いずれにせよ、新しい税の創設には、受益と負担の関係や税源を何に求めるか等、検討しなければならない課題がたくさんございます。現在他県において検討されている産業廃棄物に対する課税や環境税なども参考にしながら、本県に一番適合するような新しい税のあり方について、税務課内にプロジェクトチームをつくり、幅広い観点から研究してまいりたいと考えております。
 次に、県立医科大学の跡地でございます。
 この跡地につきましては、商業施設、宿泊施設、駐車場を中心とする都市型複合施設の実現に向け鋭意取り組んでいるところでございますが、経済状況が長期にわたり低迷を続ける中、都市型ホテルを含む施設の建設、経営を行う民間企業の確保は大変厳しい状況にございます。今後は、民間企業の投資意欲等の経済情勢を慎重に見きわめながら、引き続き基本方針に基づく施設整備を行う企業を確保するため、幅広く導入方策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、循環型社会の形成についてのうち、廃棄物処理センターを設置してはどうかというご質問でございます。
 財団法人和歌山環境保全公社につきましては、平成八年七月の住友金属西防波堤沖処分場の終了後は、残土処分場の管理運営や大阪湾フェニックス計画に基づく和歌山基地の業務を行っているところでございます。
 公社の将来構想につきましては、現在、県と公社が共同で検討を行っているところでございまして、今後は議員ご指摘の廃棄物処理センター指定についても視野に入れながら、またPFIなどの民間主導の事業手法についても研究してまいりたいと、このように考えております。
 私の方からは以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 私からは、まず本県における公共事業の評価の実施状況についてお答えいたします。
 土木部では、公共事業いわゆる補助事業の実施に当たっては、県民ニーズにいかにこたえるかを基本に、効率性、透明性を確保するため、建設省及び運輸省の実施要領を参考に事業の評価に取り組んでいるところでございます。
 そのうち、新規採択時評価につきましては、平成十一年度から新規要望箇所に対し県が評価に係る資料の作成を行い、補助を行う国が主体となって費用対効果分析を含めた総合的な観点から評価し、採択箇所を公表しております。
 次に再評価につきましては、平成十年七月に外部有識者七名の委員で構成される和歌山県公共事業再評価委員会を設置し、市町村事業を含め、本年度までに八十一件の審議がなされました。このうち休止または見直しが二件、その他につきましては継続実施が妥当との答申をいただいております。
 続いて事後評価でございますが、国において策定される予定の事後評価実施方針を参考に、今後積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、県単独事業における各評価についてお答え申し上げます。
 県単独事業は県民生活に密着した身近な事業であり、緊急を要する事業もあり、また事業規模が比較的小さく、箇所数が多い特徴を持っています。財政事情が厳しい折、事業のめり張りをつけるため、安全性、利便性、快適性等の観点から事業の特性ごとのグループ分けを行い、事業評価に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、循環型社会の形成についてのうち、建設工事における廃棄物のリサイクルについてお答えします。
 議員ご指摘の建設リサイクル法は、建築物等についての分別解体及び再資源化を義務づけております。この法律における県の役割の主なものは、発注者の解体計画に対する指導、受注者が取り組む分別解体及び再資源化等への指導、解体工事業者の登録であります。
 本県としての対応ですが、ISO一四〇〇一の取得に向けた環境方針に公共工事の施工に伴って生じる環境負荷の低減を掲げているところでもあり、今後国において予定されている建設リサイクル法に係る基本方針の策定、政令及び省令の施行を踏まえ、組織の充実及び体制づくりを行い、積極的に建設工事における廃棄物のリサイクルに取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 農林水産部所管の公共事業の事業評価についてお答えいたします。
 農林水産部では、農林水産業と農山漁村の振興を県政の主要課題と位置づけ、種々の公共事業を活用した基盤整備を重点に取り組んでおります。
 事業評価の取り組み状況ですが、事業採択段階においては、従来より評価の一環として費用対効果分析が各事業に順次導入されてございます。県営事業の再評価につきましては、平成十年度より農林水産部公共事業再評価実施要領に基づき再評価を行うとともに、和歌山県公共事業再評価委員会の意見を踏まえ、翌年度以降の実施方針を決定しております。また事後評価につきましては、農林水産部では現在実施しておりませんが、公共事業の効率的執行や透明性の確保を図ることは厳しい県財政の状況からも積極的に取り組むべき課題と考えており、今後、農林水産省が本年七月に定めた農林水産公共事業評価実施要綱を参考に、事前評価、再評価、事後評価の体系的な実施を行ってまいる所存でございます。
 次に、県単独事業の事業評価の実施についてでございますが、大規模な事業を中心に、公共事業の評価システムに準じて行う方向で取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 循環型社会の形成に関する三点の質問にお答えいたします。
 まず、廃棄物処理計画の新たな策定と廃棄物の減量化の目標についてでございますが、本年六月に改正された廃棄物処理法において、県に策定義務が課せられた廃棄物処理計画につきましては、現在策定に向けて情報収集等を行っているところでございまして、来年度、県内の廃棄物発生量等の実態調査に着手し、平成十四年度に策定する予定です。
 なお、この廃棄物処理計画は、従来の産業廃棄物処理計画と異なり、一般廃棄物を含めた廃棄物全体の処理について定めることとなってございまして、策定に当たりましては市町村や業界団体等と協議してまいります。また、議員ご指摘の廃棄物の減量化の目標につきましても、この処理計画の中で示してまいりたいと考えてございます。
 次に、処理計画の知事への提出と報告についてでございますが、さきの法改正により、多量排出事業者は産業廃棄物の減量その他その処理に関する計画を策定して都道府県知事に提出し、計画の実施状況を報告しなければならないとされたところでございます。県といたしましても、さきに述べた廃棄物処理計画策定作業において来年度県内の実態調査を行い、多量排出事業者の基準となる年間一千トン以上の廃棄物を排出する事業者を特定し、計画の策定を指導してまいりたいと考えてございます。なお、対象となる多量排出事業者は推定で約二十社程度になるものと考えてございます。
 最後に、家電リサイクル法の用地確保と円滑な推進についてお答えいたします。
 来年四月から施行される家電リサイクル法では、従来、市町村が粗大ごみとして収集処分していた廃家電を、家電小売業者が直接消費者から引き取り、それをメーカーがリサイクルすることになっております。家電小売業者は、引き取った廃家電をメーカーが全国に配置した集積場所に持ち込むこととなっており、その用地確保についてはメーカーが行うことになってございます。
 いずれにいたしましても、議員ご指摘のとおり、不法投棄の増加等、諸問題の発生が懸念されることから、国、メーカーから情報収集を行い、県内の家電小売業者や市町村と対応を協議しながら、法の円滑な施行を促進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育に関する八項目にわたるご質問にお答えいたします。
 初めに、このたびの学校教育法施行規則の一部改正による校長、教頭の資格要件の緩和に関してでございますが、幅広く人材を確保する観点から、特に校長については教諭の免許状がなくても登用できるよう改正を図られたところであります。
 本県におきましては、今回の改正の趣旨を踏まえ、児童生徒の実態や地域の実情に応じた個性や特色ある学校づくりを念頭に、管理職の登用について研究してまいりたいと考えております。
 次に、職員会議の位置づけにつきましては、法令上の根拠が明確でなかったために、本来の機能が十分に発揮されないなどの問題点が指摘されておりました。今回の省令改正を受け、本県におきましても職員会議に関する教育委員会規則を一部改正し、設置要綱を新たに設け、職員会議は校長が主宰することなど、その意義や役割を明確にいたしました。今後、より一層校長がリーダーシップを発揮し、組織的、機動的に学校運営を行えるよう、適正な職員会議の運営について指導してまいります。
 次に、学校評議員制についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、学校評議員は校長が学校運営の基本方針や重要な事柄について地域の人々や保護者の意見を幅広く聞くために設置するものです。本県では、この三月に教育委員会規則を改正し、県立学校に学校評議員を置くことができるようにするとともに、六月に県立学校学校評議員設置要綱を制定したところです。
 現在、県立高校三校で学校評議員を委嘱し、制度がスタートいたしております。その他の県立学校においても、その設置に向けて積極的な検討が進められております。また、市町村教育委員会においては、既に四十三市町村で学校評議員を設置するための管理規則を改正しております。開かれた学校づくりを一層推進するため、PTAはもとより、地域のさまざまな機関等との連携を大切にしながら、各学校で評議員の設置が進むよう引き続き指導してまいります。
 次に、学級編制基準の弾力化についてでございます。
 現在、文部省では一学級四十人を上限としつつも、基礎学力の向上を図り、きめ細かな指導を実現する観点から、国語、数学、英語などの教科について二十人程度の学習集団を設定しての授業を可能とすることに重点を置いた第七次教職員定数改善計画を策定し、その実現に向け、概算要求を行っているところでございます。教育委員会といたしましても、国の改善計画の趣旨を踏まえ、各学校の自主的、自律的な取り組みを支援できるよう、定数の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ふるさと教育の推進に関して、このたび発刊しました副読本「わかやまDE発見!」は、ふるさとのよさやすばらしさを教え、豊かな郷土愛をはぐくむための教材として作成したものであります。各学校では、この副読本を理科や社会科を初め、新しく設けられた総合的な学習の時間等において積極的に活用して、ふるさと学習を進めております。さらに、社会見学や遠足などの際に、この副読本で紹介されているさまざまな史跡や施設などを訪れている学校も多々ございます。
 ふるさとに対する理解を深め、郷土を愛する心をはぐくむことは、二十一世紀を担う子供たちに郷土に対する自信と誇りを培い、グローバルな視野と見識とともに、人としての優しさや思いやりといった豊かな人間性の涵養につながるものと考えております。こうしたことから、今後は和歌山のすばらしい自然や歴史、文化について、地域や社会と連携し、その協力も得ながら、さまざまな学習活動を通してふるさと教育をより一層推進していく考えでございます。
 次に、中高一貫教育についてでございます。
 平成十三年四月から古座高校と周辺の五つの中学校、並びに南部高校龍神分校と村内の三つの中学校がそれぞれ連携型の一貫教育を行います。中高一貫教育の導入と同時に高校改革も行うこととし、古座高校には単位制課程を、また龍神分校には文理コースとアートコースを設置し、個に応じた教育を一層推進することとしたところでございます。
 一貫教育の特色として、両地方とも地域学、ふるさと学を六年間通して実施するとともに、中学と高校間における教員の相互乗り入れによる授業や合同で行うチームティーチング、体験学習、部活動等の交流を予定しております。
 学校改革に伴う施設・設備につきましては、余裕教室等を活用するほか、設備についても計画的に整備してまいります。さらに、教員の配置は、多数の選択授業が円滑に展開できるよう、国の動向を見きわめながら鋭意努力してまいりたいと考えております。
 特色ある学校づくりに関して、総合学科はこれまで和歌山高校と有田中央高校に設置し、大きな成果を上げてきております。全日制の単位制課程につきましても、大成高校に引き続き、このたび古座高校に設置し、より多様で柔軟な教育の推進に努めることとしております。今後とも、中高一貫教育校、総合学科、単位制高校の設置等、特色ある学校づくりを計画的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、普通科の推薦入学についてであります。
 普通科においては、生徒の多様な学習ニーズにこたえるため、特色あるコースや類型の設置、幅広い選択を可能にするカリキュラムの編制、工夫を凝らした特別活動の展開など、その特色化が進んでおります。こうした中で推薦入学を導入することにより、生徒がみずからの志望や興味、関心等に応じて各学校の普通科を選び、特性や能力を一層伸ばすとともに、これまで以上に充実した学習活動や特別活動が行われるものと考えております。
 普通科推薦入学の今後の実施校及び募集枠を拡大することについては、今年度の実施状況を踏まえて引き続き検討を進めてまいります。
 最後に、和歌山工業高校につきましては、これまで本県工業教育の中核校として大きな役割を担ってまいりましたが、社会の急速な変化と新たなニーズに対応するための学科改編や、校舎が一部を除いて老朽化していることなどが課題となっております。こうしたことから、学科改編について学校側とも協議を重ねてまいりました。今後は、できるだけ早い段階で改編案を煮詰めるとともに、それに伴う施設・設備の整備も計画的に進めることができるよう、関係部局と協議を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(尾崎要二君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十五番新田和弘君。
○新田和弘君 一点だけ、要望させていただきます。
 ただいま、知事初め関係部長さんからご答弁をいただきました。改革県庁の推進についてでございますが、本県では平成十二年度に事務事業評価システムを導入され、各公共事業においてもそれぞれの評価が行われてきております。木村知事が言われるように、行政改革へ不退転の決意で、すべての事業を洗い直して、二十一世紀、県民の期待にこたえたいと、こういうことでございます。
 事業を見直すということは、知事は予算の提案権及び執行権を持っております。私たち議会は、議決権を持っておるわけでございます。この執行権を持っておる知事と議会の我々が十分理解をしながら行政を進めていくということは、大変重要なことではないかと思われます。
 午前中の質問の中でも知事が答えておられましたが、アカウンタビリティーの向上、いわゆる説明責任というものを十分踏まえて行政の見直しに当たっていただきたいと思う次第でございます。
 さらに、本県の長期総合計画の中期実施計画が平成十一年から十三年度ということで計画されておりますが、新しい知事を迎えられまして、十三年度以降の事業についてもこの行政評価システムを導入して早急に見直しをし、そして数値目標も明確にして四年間の行政に邁進していただきたいことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○副議長(尾崎要二君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新田和弘君の質問が終了いたしました。

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