平成12年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(村岡キミ子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十七番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 おはようございます。
 許可をいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。
 最初に、知事選挙に関連して、自民・公明・保守三党の本部の幹事長と和歌山県選出の国会議員が当時の和歌山県副知事高瀬氏に対して与えた「和歌山県の重要事項について」の「ご要望に対する回答」、いわゆる念書なるものについてお尋ねをさせていただきます。
 この件に対して木村知事が、当時まだ知事ではありませんでしたけれども、かかわっていたかどうかは私どもの知るところではありませんが、念書なるものが今後の県政にどのようなかかわりを持つものなのか、知事に所見をお伺いしたいと思います。
 ここに、私の手元に念書があります。知事も、これは恐らくごらんになっていらっしゃると思います。
 第一に、この念書は当時の副知事に約束されたものでありますが、これは県政にとってどのような性格のものなのでしょうか。また、何が約束されたのですか、明らかにしていただきたいと思います。
 二つ目、この文書は、巷間、高瀬氏の知事選挙への出馬見送りに対する見返りだとされているところです。それは、この文書の一節に、「この度、和歌山県が各党各派のご協力のもと、県議会、市長会、県市町村会をはじめ、各種の有力団体のお力添えをお願いしながら、知事選に向けて一層のご協力を要請するものであります」という文言からも十分に推測されるものであります。裏返せば、高瀬氏が立候補すれば県や県民の要望の実現には協力をいたしかねるという意味でもありましょう。知事選挙の候補者選定に政権与党の幹事長や国会議員が県の要望や県民の要望を取引材料にするというのは、県民をないがしろにし、地方自治を侵害するものだと思うのであります。知事自身がこの取引に参画していたかどうか、私たちの知るところではありません。このような取引のもとに候補者となり当選した知事として、この件についてはそれなりの思いをお持ちだろうと思います。いかがお考えですか。
 三つ目、今後とも、県や県民の要望が政権党の党略的な思惑によって地方支配の道具にされることは絶対あってはならないことだと考えるものです。今後、国への予算要望に当たっていかがなことをお考えですか。
 次に、雑賀崎の埋め立てについてお尋ねを申し上げます。
 今般の知事選挙において知事は、雑賀崎沖の埋め立て問題は、先入観を持たないで白紙で臨むとして、具体的対応については態度を表明されませんでした。単なる前知事の政治を踏襲するというのではなく、みずからの頭で考え判断するという姿勢には共感するものでありますけれども、それが単なる選挙期間中のポーズであってはなりません。ついては、幾つか質問を申し上げます。
 その一つは、雑賀崎沖埋立計画は、既に環境アセスメントの前段階としての調査が七千二百万円の予算をもって執行されつつあります。白紙でこの問題に当たられると言うならば、なし崩し的に継続するものでなく、この調査を一たん中止し、事後に当たるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 二つ目、私たち日本共産党は、従来からこの計画にかかわる一切の情報を公開すべく求めてまいりました。港湾計画の根拠となる将来の貨物需要予測とその根拠、埋め立てに必要な建設残土の排出予測とその根拠、費用対効果の算定根拠、それぞれについては幾度となく質問してまいりましたけれども、明らかにされませんでした。ある種の数値は示されましたが、そのよって来るべき根拠は全く示されませんでした。知事が白紙から検討するということは、当然それらを検討することになるでしょう。その資料を公開し、県民に十分の説明責任を果たしていただきたいと思うものです。いかがでしょう。
 三つ目、三億三千万円を予定し、住民合意も得ないまま環境アセスメントのタイムスケジュールが定められているようであります。こういうことも秘密にされ、先日これは裁判所の記録から私どもはわかってきたことですが、これについても当然白紙に戻して検討し直すべきだと思いますが、いかがでしょう。
 四つ目、適切な機会を見出して住民との話し合いをしたいとのニュアンスでの発言がありました。ぜひ早期に話し合いをしてください。ここでも、白紙の態度で住民の皆さんの心情を謙虚に聞き取り、政策判断の要素にすべきだと思います。前知事時代に既に港湾計画もできて、ことしから調査も開始し、環境アセスメントのタイムスケジュールもできているというとき、白紙で虚心坦懐に事に臨むということは極めて厳しい仕事であろうと察しはいたします。いやしくも、単に形だけ話を聞くということであってはなりません。いかがお考えになっていらっしゃるんでしょう。
 次に、介護保険問題についてお尋ねを申し上げます。
 介護保険が始まって、はや半年がたちました。国は、これまで受けてきた福祉の水準は下げません、介護する家族の負担を軽くするためと言って、十分な理解を得ないまま、たくさんの問題を抱えながらスタートをさせてまいりました。ところが、この間、介護認定を受けた方で、介護サービスの利用料が重くて必要なサービスが受けられないといったお年寄りが全国で随分とふえてまいりました。介護認定に基づき、利用者の希望を聞きながらサービス計画をつくり、利用料を提示し、利用者の合意があれば介護サービスが進められるわけですが、ほとんどの方が、「えっ、そんなに高いの。ちょっと待ってよ。考えさせて」と驚かれる姿がたくさんあるようです。生活費のこと、医療費のことを考えたら、いずれかのサービスをやめるか、回数を減らすか、苦しい判断をしなければならない場合、そのサービスをやめたら状態が悪くなることがわかっていても利用料が払えないためにやめざるを得ない事態に直面することもたびたびだあって、そのたびに、介護保険制度に対する疑問が広がるとも聞きます。私自身も同じ思いをしております。介護保険の本来の目的から考えても、国が声高に言ってきたサービスの水準をいささかでも後退させることは許されない事態でもあります。
 在宅介護サービスは、介護保険のかなめでもあります。介護保険が始まるまでは措置制度でしたので、福祉サービスとして多くのお年寄りが利用することもできました。本県では、ゴールドプランの目標を超えて、ホームヘルプやデイサービスなど、日本でもトップクラスの整備、利用状況であったことを思い出します。保険制度になって、埼玉県や北海道の民医連あるいは和歌山生協病院の調査では、利用限度額に対する利用率は平均三割から四割という大変低い状況にあります。
 福祉保健部長にお尋ねを申し上げますが、介護保険の始まる以前と始まってからの在宅サービスの利用状況はいかがなものでしょうか。以前は、今の介護保険では自立とされるお年寄りも平等に利用できたという違いがあります。同一的な比較はできないと思いますけれども、行政的把握の範囲で結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。
 介護認定を受けても利用料が払えないため、必要なサービスが受けられないで我慢するより仕方がないと放置されるような介護保険では、何のために、だれのために制定したのかが今まさに問われている状況ではありませんか。
 現在、低所得者のお年寄りに対し利用料の減免や減額制度が全国二百四十七の市町村でつくられておるところです。本県では、野上町、日置川町、すさみ町、美里町、本宮町、こういったところで新規の利用者を含めて実施が行われてまいりました。
 国は、利用料について特別対策として、ホームヘルプサービスに限って四月以降の新規者を除いて利用料の三%への軽減を実施しております。我が党は、この軽減措置を新規のサービス利用者も含めてデイサービス、訪問看護、訪問リハビリ、入浴などすべての在宅サービスに広げることを最小限の緊急措置として提案をいたしているところです。すべてのサービスの利用率を発展させるためにも必要不可欠のものであると、私は思います。例えば東京の武蔵野市などでは、ホームヘルプの新規利用者も含めてデイサービス、通所リハビリの利用料を一律三%に軽減したことによってホームヘルプの利用時間数は二倍にふえました。そして、在宅サービスの全体の利用率は支給限度額に対して六三%と、大幅に伸びました。そして、平均五〇・四%の東京を上回る状態になって、利用者からも大変喜ばれていると聞き及んでいるところです。
 ご存じのとおり、この十月から、利用料に加えて六十五歳以上のすべてのお年寄りから新たに保険料の徴収が始まりました。保険料の徴収通知が、今、それぞれの役所から個人あてに届いているところです。既に届けられた自治体、これから通知を発送する自治体と、それぞればらばらのようでありますけれども、しかし既に通知が届いたところは、届いた直後から各自治体には苦情や問い合わせが殺到しているようです。京都市では、わずか三週間の間に一万一千件の問い合わせなどが殺到したと伝えられています。
 私は、県下で通知された橋本市を初め五市九町二村に、電話による苦情や問い合わせについてお尋ねをしてみました。これは、一日二十件から三十件、そして一週間から十日間の間に集中してかかるようであります。和歌山県は、六百件を数えたようであります。きょうから和歌山市が通知を出し始めますので、大変な事態になるのではないかと思っています。
 私が聞いた、それぞれの自治体への苦情や問い合わせが寄せられた内容についてご紹介したいと思います。勝手に年金から引かれたら困る、保険料が高く来年以降は払えなくなる、個人で契約したわけでもないのに内容もわからないまま進められては困る、少ない年金から引かれると生活できなくなる、サービスを利用していないのにおかしい、などです。納付の方法などについても随分問い合わせが多かったようであります。これは国民の十分な理解のないままのスタートでしたから、苦情は当然だと思います。お年寄りによっては利用料と保険料の二重パンチとなるわけですから、必要なサービスをお年寄りがさらに減らしていくのではないかと大変心配するところです。
 次に、お年寄りの八割が老齢福祉年金などで生活していると言われています。深刻な事態の中で自治体独自の保険料減免制度が全国で今百五十の自治体に広がっていますし、これからも広がろうとしております。本県におきましては、湯浅町、古座町、太地町、野上町、貴志川町、こういったところで実施する方向を明らかにしていますが、私はさらに広がることを望んでいるところであります。
 独自対策をやるかやらないかという問題でありますけれども、今厚生省がこういった部分に対して、一律に減免することは保険の性質から適切ではないということで指導を始めています。しかし、独自対策をやるかやらないかというのは、その地方自治体の裁量権の中にあるわけです。この保険料の徴収そのものについても自治事務に入りますから、国がそういった指導あるいは指示をするということは許されません。そういう点でも、国がこういった指導を行っていることについては厳しく問わなければならないと思います。
 私は、保険料の緊急措置として、住民税非課税のお年寄りや低所得者からは保険料は徴収しない措置をとることに力を入れるべきだと思うのです。県においても、国への積極的な要請はこれまでもおやりになっていたでしょうけれども、さらに強めていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
 加えて、保険料徴収において重大な問題が表面化してまいりました。それは、年金収入の高い方よりも多くの保険料を請求されている、しかも大規模に生まれているということであります。ご存じのように、保険料は五段階に設定をされております。第一段階の老齢福祉年金受給者の年金は、一カ月三万四千三百円です。この年金額よりも高い第二段階、第三段階に設定された人が、収入という点では少ない人があります。ところが保険料は高いということになっていますから、大変矛盾した現象があらわれているわけです。厚生省の資料で見ると、こういう方が全国に二百五十三万人もいらっしゃると推定されています。こうした矛盾に気づいた大阪市は、第二段階の方の保険料の減免措置を決めています。全国で二百五十三万人という数ですから、恐らく和歌山県にもいらっしゃると思うわけです。それで、ぜひ県は市町村と協力して調査をし、支援策をとるべきだと思いますが、これについてもご答弁をお願いしたいと思います。
 次に、特別養護老人ホームとホームヘルパーについてお尋ねをいたします。
 特養ホームの入所希望者の待機者数と整備状況をお聞かせ願います。
 ホームヘルパーについてですが、人材養成は限りなく前進しているようですけれども、働く職場の確保との関係はどうなっているでしょうか、お聞かせください。
 次に、介護保険料に利用料という大変な事態が今起こっているわけですけれども、国は今国会に健康保険法の改悪案を上程し、七十歳以上のお年寄りに原則一割の医療費の負担を押しつけようとしているところです。これまでは、外来の場合、一回五百三十円の定額でした。これが一割の定率になりますと、例えば月一回、レントゲンや血液検査をして診察を受けた場合を試算してもらいましたら二千九百四十円となります。ですから、これまで一回五百三十円で済んでいたものが二千九百四十円ですから、二千四百十円の負担増になります。また入院の場合は、現在一日千二百円の定額負担になっています。これを今度の一割で計算した場合、例えば小脳出血で二週間入院した男性のケースで試算してみると、入院医療費と給食費は──この給食費は一日七百八十円ですが──二週間で二万七千四百四十円が四万八千百二十円になりますので、約二倍の負担増となります。お年寄り、低所得者にとっては、医療保険の改悪によって、介護保険料とあわせて二重、三重の苦しみや不安を増大させることになりますから、憲法第二十五条に保障された生存権そのものをも奪われかねない非常事態を招くのではないかと心配をいたしております。高齢化率の高い本県であるだけに、お年寄りを大切にするための行政の積極的な対策が望まれるところです。私は、この健康保険法の改正案そのものを撤回すべきだと考えております。関係部長の所見をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、福祉医療制度について知事の基本的な姿勢をお尋ね申し上げます。
 知事は、就任あいさつで、財政再建に当たっては五月の財政運営プログラムを基本として不退転の決意で取り組むと述べられました。基本とするというのですから変更する部分もあるとは思いますけれども、財政運営プログラムIIでは経常的経費の見直しで四十億円を削減するとなっています。その中で、特に長年にわたり制度が固定化され、その経費が義務化しているような県単独補助事業については積極的に制度の見直しを行うと断じておられます。
 例えば、県単独事業に四つの福祉医療、すなわち乳幼児医療、ひとり親家庭医療、老人医療、重度心身障害児(者)医療についての医療費助成制度が該当すると思われます。乳幼児は昭和十八年から、ひとり親家庭は昭和五十四年から、老人は昭和四十八年から、重度心身障害児(者)は昭和五十四年からということですから、それぞれ制度が実施されてから、はや二十年以上にもなります。これらの制度について、従来から市町村によっては県の制度より対象者や給付内容を広げる形で市町村単独で実施していることは、当局も認識されていると思います。財政運営プログラムにおいて、削減の理由、背景として掲げられている「社会経済情勢の変化」というところから見た場合、従来から実施しているのでただ漫然と続けているということではなく、逆に一層必要だというのが今の実態ではないでしょうか。
 例えば乳幼児医療について言えば、対象者が従来は三歳未満であったところ、平成十二年四月から美里町、かつらぎ町、由良町は四歳未満に対象者を拡大し、大塔村は平成十一年四月から六歳未満と対象者を倍加しています。この制度は、どうしても必要なものであります。だから財政の苦しい町村も、見直しや廃止ではなく、この制度を守り発展させていこうとしています。住民の要求にこたえていこうとしているんです。少子化問題としても、次代を担う重要な施策でもございます。どうか、乳幼児医療については就学前まで拡大することを特に希望しておきたいと思います。
 老人医療費助成制度については、実施していない県が約半数という状況でもありますが、和歌山県は対象を六十七歳以上に限定しているとはいえ、実施していることは大きく評価できます。ただ、近畿の他府県が六十五歳以上の実施という点から見てみますと、まだ発展充実させる余地はあると思います。
 知事にお尋ねをいたします。
 福祉医療制度の発展充実を県民が望んでいるのははっきりしているところでありますが、これらを削減するという方向ではなくて、さらに充実させるとの答弁を求めたいと思います。見解をお示しください。
 次に、廃棄物処理問題についてお尋ねをいたします。
 まず橋本市の日本工業所の産廃問題でありますけれども、県は健康調査や血液検査については、住民の皆さん方の要望を受け入れて前向きの姿勢に転換をし、それが実施に移されているところでありまして、これは大変評価できると思います。しかし、残された問題はまだたくさんございます。その一つは、県が行おうとしているジオメルト工法による処理の問題であります。
 さきに、住民団体と県及び業者との間で環境保全協定書が結ばれましたが、その第一条には、県及び業者は住民の理解と協力が不可欠であることを認識しということで、その理解と協力のもとに「地域住民の健全な生活環境を保全するために、最善の措置を講ずる」とうたっています。ところが、九月十六日に持たれた橋本市での公開討論会では、住民が納得していないジオメルト工法を進めようとしている県のやり方に批判の意見が相次いだと聞いております。この工法については、せんだって向井議員からも明らかにされましたけれども、まだ安全性が確認されておらず、まだ実証的には行われていないものであることは県も十分にご承知のはずです。それを既に決まったこととして住民に押しつけるのは、さきの環境保全協定の精神にも反すると考えるものですが、いかがでしょうか。
 次に、知事がこの問題で住民の皆さんと話し合うことを表明されたのは大変いいことだと思いますし、ぜひ実現をしていただきたいと思います。日本工業所の違法な産廃処理、それを黙認したり担当職員が業者からわいろをもらっていた事実を見ても、県行政の対応に今日の事態を招いた責任があることは明白であります。新知事の対応に住民の皆さんも大きな期待を抱いていらっしゃると思うわけです。もとの環境に復元するまで、県として責任を持って対応するとの決意を聞かせてください。
 次に、県のごみ処理の広域計画についてお尋ねをいたします。
 伊都・橋本の広域処理をめぐって、処理場の建設候補地に挙がっている高野口町で、今、候補地住民の皆さんが建設反対運動を行っています。私が住民の皆さんから聞いたところでは、候補地が学校の近くであることや、町が一方的に候補地を決めて、それを住民に押しつけたことに怒りを持たれています。来年三月までに住民の理解を得られないときにはこの計画は白紙になると聞きました。住民の皆さんもごみ処理場の必要性は認めておられますし、しかも早く決着をつける必要に迫られていることについても認めておられるわけです。私は、広域化計画そのものを今再検討すべきだと考えます。
 新宮・東牟婁地方では、当初の計画から大きく外れてきていますし、伊都地方では今申し上げたような状況です。ダイオキシン対策ということで大型化が進められているわけですが、国の方針は今、ごみ処理については減量やリサイクル、再資源化に大きく転換しています。今の広域化計画がそうした方針に沿った時点での計画ではなく、単に二十四時間稼働で高温の焼却処理がしやすいというだけではないのでしょうか。伊都・橋本の広域化計画では、新しい処理場では高野口の特殊織物の廃棄物や汚泥を燃やすということが盛り込まれている一方で、かつらぎ町では、県も入って生ごみの堆肥化施設をつくって、ごみの減量を進めることになっています。また、これからはごみの分別をどんどん進めなければならなくなります。そして、百トン未満の焼却炉であってもダイオキシンを大きく削減したという例が各地で見られるようになっています。
 広域化計画は自治体から出された計画をまとめたとのことですが、実際は振興局が主導して広域化を進めているのではないですか。まず百トン以上の炉をつくるという前提を外して、分別の促進や生ごみの堆肥化、再資源化の促進を前提にしたごみ処理の方向に合致した処理計画を県として指導すべきだと考えますが、見解をお願いいたします。
 最初の質問は、これで終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいまのご質問にお答えを申し上げます。
 まず、議員お尋ねの文書についてでございますが、そのことについて承知する立場ではありませんので、答弁は差し控えさせていただきます。
 なお、県政の重要課題につきましては、積極的に推進していくべきものと考えております。
 次に雑賀崎の埋め立てについてでございますが、一点目の執行中のアセスの中止をと、三点目のアセスメントのタイムスケジュールの白紙化について、一括してお答えを申し上げます。
 雑賀崎沖の埋立計画のアセスメントにつきましては、まだ着手しておりません。また、今年度予算計上されている環境調査費につきましては執行を見送りたいと考えております。したがいまして、アセスメントのタイムスケジュールについては未定でございます。当面は、既にある施設のより一層の活用を図るため、ご要望の強い上屋や荷役機械の整備、交通渋滞解消のためのアクセス道路の整備、さらには入港船舶をふやすためのポートセールスなどに努めてまいりたいと考えております。
 雑賀崎沖の埋立計画について、すべての情報の公開をというご質問でございますが、雑賀崎沖の埋立計画につきましては、景観検討委員会や地方港湾審議会並びにその会議録を公開し、また貨物の需要予測や計画時の費用対効果についても議会において説明するなど、これまでも情報公開に努めてきたところでございます。本会議冒頭の就任あいさつでも申し上げましたとおり、県民みずからができることは、まずみずから行っていただくという県民自治の精神にのっとり、これからは積極的に県政に参加していただくことが重要と考えております。このため、今後とも、県といたしまして説明責任を果たしながら情報公開に努めてまいりたいと考えております。
 それから、県民の皆様に対しまして、常に誠実を旨として、謙虚さを忘れず、県政を預かる者としての責任感、危機意識を持って住民との対話について対応させていただきたいと考えております。
 次に福祉医療制度についてのご質問でございますが、本県におきましては、現在、財政運営プログラムに基づき、すべての事務事業について再度原点に立ち戻り、事務事業評価システムの本格導入を図りながら、それぞれの事業の必要性、事業効果、緊急性等を検討しているところでございます。
 福祉医療制度につきましても、制度発足当時と社会経済情勢が大きく変化していることを踏まえて十分な検討を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 福祉保健部長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○福祉保健部長(白井保世君) 介護保険関連についてお答えを申し上げます。
 まず在宅サービスの利用状況ですが、本年四月に介護保険制度が導入され、徐々に在宅サービスの利用者がふえていると承知してございます。介護保険導入前と後との利用者数の状況につきましては、制度が異なることから厳密な比較は困難ですが、例えば生きがいデイを含めたデイサービスについては利用者が三割強増加してございます。また訪問看護につきましても、医療保険も含めて約一割増加してございます。
 次に利用料、保険料についてでございますが、県といたしましては、高齢者の方々が必要なサービスを十分に受けられるよう介護サービスの充実等の残された課題に取り組むとともに、低所得者に対する利用料の恒久的な負担軽減を国に対して要望を行ってまいります。また保険料につきましては、現在、各市町村から納入通知書が順次住民の方々へ送付されている時期でありますので、引き続き市町村と連携を図りながら実態の把握に努めてまいります。
 次に特別養護老人ホームについてでございますが、特別養護老人ホームの入所待機者は平成十二年三月現在で七百三十八人となってございます。県といたしましては、入所待機者の解消を図るために、本年三月に策定したわかやま長寿プラン二〇〇〇に基づいて、特別養護老人ホームを積極的かつ計画的に整備していきたいと考えてございます。現在、五十七施設、三千五百三十五床を設置しておりまして、さらに三施設、百五十床を整備してございます。また、特別養護老人ホームに併設されているショートステイ用のベッドにつきまして、ショートステイの需要やわかやま長寿プラン二〇〇〇との整合性を図りながら、特別養護老人ホームのベッドに転換することも検討しているところでございます。
 次に、ホームヘルパーの確保についてでございます。
 県主催及び県知事指定の事業者によるホームヘルパー養成研修を実施し、平成十二年三月末の累計で九千百三十二名を養成したところでございます。本年度におきましては、約六千人を養成できる体制を整えたところであり、県主催の養成研修につきましては、ホームヘルパーの確保が難しいと言われている過疎地を中心に実施してまいりたいと考えてございます。また、研修を終了した者のその後の就職状況につきましては、今後把握に努めてまいります。
 最後に、健康保険法等の改正についてお答えをいたします。
 今後の急速な高齢化等による医療費の増加を考えますと、医療制度の改革は避けて通れない課題であり、この第一歩として今回健康保険法等の一部改正を行うものと聞いてございます。
 ご質問の高齢者医療に係る患者の一部負担につきましては、さまざまなご意見があるのは承知しておりますが、定額の上限を設け、過大な負担とならないよう一定の配慮をした上で定率一割制を導入するものと理解してございます。
 今後、県といたしましても、医療保険制度の抜本改革に向けて、高齢者にとってよりよい制度となるよう国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 環境生活部長道浦 渥君。
  〔道浦 渥君、登壇〕
○環境生活部長(道浦 渥君) 産廃処理問題の二点についてお答えいたします。
 まず第一点目のジオメルト工法についてでございますが、地元、県及び鴻池組との間で締結した環境保全協定に基づく対策協議会の場や公開討論会の場、また公害紛争調停の場などを通じて、ジオメルト工法についてご理解をいただくための努力をしているところでございます。引き続き、この業務が円滑に進められるよう努めてまいります。
 二点目の、県は責任を持って環境整備をとのことでございますが、日本工業所問題の最終的な解決策につきましては、ダイオキシン類で汚染された土壌の恒久対策が完了した時点で地権者及び地元の皆さんと話し合ってまいりたいと考えてございます。
 次に、ごみ処理広域化計画についてであります。
 この広域化計画は、ごみ焼却施設から排出されるダイオキシン類を削減することを主眼として市町村などと協議を重ね、平成十一年三月に策定したものであります。ごみ処理の広域化は国の方針に従って進めているところでありますが、循環型社会形成推進基本法など関係法令の施行によりリサイクルや分別収集などが促進され、今後ごみの減量がより一層進むことが予想されますので、市町村とも十分に連携を密にして、広域化計画を円滑に推進できますよう市町村を指導してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十七番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 答弁をいただきました。大体予想したのが出てきたわけですけれども。
 第一点目、知事にお尋ねをするわけですけれども、知事、これはお読みになりましたね。質問するに当たって、私は担当者の方にちゃんとコピーをしてお渡しをしたんですが、知事は見てないんですか。まず、その点についてお答えをしていただきたいと思うわけです。
 これは、だれあてに来たのかというのが問題になると思うんです。私は全く承知する立場ではありませんと言われているわけですけれども、しかし、これのあて先、だれからだれに来たかというのは、もうはっきりしているわけです。「和歌山県の重要事項について」というのがありまして、「和歌山県知事職務代理者 高瀬芳彦殿」と書いてあるんですね。日付が平成十二年七月三十一日となっています。ですから、そういう点で見てみますと、中身的にも明らかに知事職務代理者──あくまでも個人ではありませんよね。ここで言えば、もう知事になるわけですよ。知事はいないわけですから、知事の職務を代理するということでトップになっているわけですから、ここのところを私たちとしてははっきりしておきたいと思うわけです。
 公文書であるかないかということについては別問題でありますし、確かに内容的には県が重要項目として挙げている三項目になっていてそれなりにいいと思うわけですが、しかしこの文書の中にこういうことが書いてあるんです。「和歌山県知事職務代理者高瀬芳彦氏より「西口前知事が特に情熱を傾け努力されておりました、次の三点について、この際、連立与党の野中・冬柴・野田の三幹事長及び県選出国会議員の格段のご努力をお願い申し上げたい」旨の強い要請がなされた」という趣旨でございます。そして、「このことに対し、三幹事長より、次のような回答がなされた」ということで、その三つの点に「次の通りお約束します」と書いてあるわけです。
 こういうふうに、行政そのものが出向いて政党の幹事長たちに県民の要望を申すというところまでは、ほおっという感じになりますけれども、私らから言わせたら高瀬さんの知事選挙への立候補を抑えるために県民の要望を道具に使ったと、こういうことが明らかでありますので、まさに地方自治を侵すことになると思うんです。
 知事は、今まで知らなかったとおっしゃっていますけれども、少なくとも今は知っておいでですよね。その文書も恐らく読んだと思うけれども、読まない、知らないとおっしゃっているんだと思うんです。事の本質は、もう既に十分おわかりのはずです。だから、あなた自身が地方自治の先頭に立つべき状況になっているわけですから、この件は逃げないでください。しっかりと答弁をしていただきたい、こういうふうに思うわけです。
 これから先、この約束事が県政の中で生きてくると思うんです。知事は、先月二十九日の記者会見で梅枯れの現地視察を発表されたところです。そのときに、農水省の木下農産園芸局長が来和する、同行して云々ということが紹介されたわけです。このいわゆる念書の中にも、三つ目に書いてあるんですね。「以上の対策を強力に推進するため、今国会終了後、早急に農林水産省担当局長(農産園芸局長)を現地に派遣し、実情調査に当たらせます」、こういうふうにまさに命令というか約束を果たすということが書いてあるわけですけれども、それが現実のものになっているわけです。十四日においでになるということですから。しかし、これは七月三十一日の日付なんです。二カ月前に、既に自民党、公明党、保守三党の幹事長が高瀬さんあてに約束をされていたわけですね。
 だから、知事がこの念書を知りませんと言われても、この事実経過から見たらとても納得できないわけです。「承知いたしかねます」ということになると、農水省の方が今度来ることとの関係で見れば、本当に知事がこのことを知らなかったのかどうか、非常に疑問を持ちます。
 先ほどから申し上げましたように、すべてを承知する立場ではありませんとおっしゃるわけですけれども、あなたがどんなに逃れようとしても、行政の中にこの約束事が反映されてくるわけですから、知らないという立場はとれないと思うんです。私が質問するに当たって、あなたのところへ届くよう私がわざわざ担当者にお渡ししているんですから、知りませんなんていうことは行政内の怠慢じゃありませんか。もう一度お答えください。
○議長(阪部菊雄君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 再度のご質問でございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたとおり、この問題については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、農水省の局長さんは行政ベースで、和歌山県の梅枯れ対策は非常に重要な問題という認識で来ていただくと承知しております。
 以上でございます。
○議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) 以上で、村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十八分休憩
     ─────────────────────

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