平成12年9月 和歌山県議会定例会会議録 第1号(全文)


県議会の活動

平成十二年九月 和歌山県議会定例会会議録 第一号
     ─────────────────────
議事日程 第一号
 平成十二年九月二十七日(水曜日)午前十時開会・開議
  第一 議席変更の件
  第二 会議録署名議員の指名
  第三 会期決定の件
  第四 補欠選挙当選議員に係る議席の指定
  第五 補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員選任の件
  第六 常任委員会委員長選任の件
  第七 議会運営委員選任の件
  第八 議案第百四十号から議案第百六十一号まで、並びに報第九号(知事説明)
会議に付した事件
   一 議席変更の件
   二 会議録署名議員の指名
   三 会期決定の件
   四 補欠選挙当選議員に係る議席の指定
   五 補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員選任の件
   六 常任委員会委員長選任の件
   七 議会運営委員選任の件
   八 議案第百四十号から議案第百六十一号まで、並びに報第九号(知事説明)
   九 休会決定の件
出席議員(四十七人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       大   沢   広 太 郎
     五  番       堀   本   隆   男
     六  番       宇 治 田   栄   蔵
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       木   下   善   之
     十二 番       永   井   佑   治
     十三 番       尾   崎   要   二
     十四 番       小   川       武
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       生   駒   三   雄
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       谷       洋   一
     二十 番       山   下   直   也
     二十一番       高   瀬   勝   助
     二十二番       吉   井   和   視
     二十三番       木   下   秀   男
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       金   田       眞
     二十六番       高   田   由   一
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       玉   置   公   良
     二十九番       向   井   嘉 久 藏
     三十 番       野 見 山       海
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       中   山       豊
     三十四番       浜   田   真   輔
     三十五番       鶴   田   至   弘
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       村   岡   キ ミ 子
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       阪   部   菊   雄
     四十一番       江   上   柳   助
     四十二番       長   坂   隆   司
     四十三番       森       正   樹
     四十四番       飯   田   敬   文
     四十五番       新   田   和   弘
     四十六番       松   本   貞   次
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
     知事         木   村   良   樹
     出納長        中   山   次   郎
     知事公室長      大   平   勝   之
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       安   居       要
     環境生活部長     道   浦       渥
     福祉保健部長     白   井   保   世
     商工労働部長     内   田   安   生
     農林水産部長     島   本   隆   生
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       辻           健
     教育委員会委員長   目   黒   威   徳
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   高   垣       宏
     警察本部長      岩   井   良   行
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     藤   谷   茂   樹
     選挙管理委員会委員長 谷   口   庄   一
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       田   村   徳   美
     次長         蓮   池   康   宏
     議事課長       北 垣 内       敬
     議事課副課長     松   谷   秋   男
     議事班長       露   詰       勤
     議事課主査      井   口   好   晴
     議事課主事      安   井   伸   彰
     総務課長       佐   竹   欣   司
     調査課長       梶   本   皓   造
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主任      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課副主査     保   田   良   春
     ─────────────────────
  午前十時二分開会・開議
○議長(阪部菊雄君) ただいまから、平成十二年九月定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
  【日程第一 議席変更の件】
○議長(阪部菊雄君) 日程第一、議席変更の件を議題といたします。
 議席の一部を次のように変更いたしたいと思います。
 その議席番号及び氏名を職員に朗読させます。
  〔職員朗読〕
     ─────────────────────
   五番阪部菊雄君を四十番に
   六番堀本隆男君を五番に
   十一番大沢広太郎君を四番に
   十二番木下善之君を十一番に
   十三番宇治田栄蔵君を六番に
   十四番尾崎要二君を十三番に
   十九番永井佑治君を十二番に
   二十番谷洋一君を十九番に
   二十一番小川武君を十四番に
   二十二番高瀬勝助君を二十一番に
   二十五番山下直也君を二十番に
   二十六番玉置公良君を二十八番に
   二十八番野見山海君を三十番に
   二十九番吉井和視君を二十二番に
   三十番向井嘉久藏君を二十九番に
   三十三番江上柳助君を四十一番に
   三十四番金田眞君を二十五番に
   三十五番森正樹君を四十三番に
   三十七番新田和弘君を四十五番に
   四十一番高田由一君を二十六番に
   四十二番中山豊君を三十三番に
   四十三番飯田敬文君を四十四番に
   四十四番鶴田至弘君を三十五番に
   四十五番松本貞次君を四十六番に
   四十六番村岡キミ子君を三十七番に
                    それぞれ変更
     ─────────────────────
○議長(阪部菊雄君) お諮りいたします。ただいま朗読したとおり議席を変更することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま朗読したとおり議席を変更することに決定いたしました。
 この際、さきの知事選挙において当選されました木村知事から就任のごあいさつをいたしたい旨、発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) 平成十二年九月県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様方には、大変ご多用の中をご参集いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
審議に先立ちまして、お許しをいただき、知事就任のごあいさつを申し上げたく存じます。
私は、さきの県知事選挙におきまして、県民の皆様から多くのご支援をいただき、県政を担当させていただくことになりました。今、その責任の重大さを痛感し、身の引き締まる思いがいたしております。
私は、さきの選挙期間中、県内を回り、多くの県民の方々と接し、皆様の地域づくりへの思いや県政に対する強い期待をこの肌で感じることができました。また、同時に県政をめぐるさまざまな課題をも改めて認識したところでございます。私は、このような思いや期待にこたえ、山積する諸課題に果敢に対応し、二十一世紀の和歌山づくりに全身全霊で取り組む所存でございます。
 私は、かつて三年間、仮谷知事、西口知事のもとで総務部長を務めさせていただきました。仮谷県政並びに西口県政の県民の幸福と県勢の発展に心血を注がれた姿勢を範としてこれからの県政を担当してまいりたいと存じますので、どうか議員各位の温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、二十一世紀が間もなく始まろうとしている今日、私たちは新しい時代への転換点にあり、激しい変化の時代を迎えております。我が国の経済状況は、企業を中心に自律的回復に向けた動きが見られ、緩やかな改善傾向が続いておりますが、なお厳しい状況を脱しているとは言えません。一方、県内の景気も依然として厳しい状況が続いておりますが、経済を本格的な民需主導による回復軌道に乗せ、自立的な経済構造へ転換を図っていくことが大きな課題となっているところでございます。そして、本県を取り巻く社会経済環境は、少子高齢化や高度情報化、また福祉、経済、教育など諸課題が山積し、これらを乗り越えるためには、県民の皆様の英知を結集し、不退転の決意で取り組んでまいらなければなりません。
また、インターネットの普及に代表されるIT、すなわち情報技術の飛躍的な革新はEコマースと呼ばれる電子取引を広めるなど、企業の取引活動や生活様式を大きく変えてきております。二十一世紀はITなくしては企業や生活が成り立たなくなるほど社会経済システムが大きな変容を遂げ、全く新しい時代を迎えることになるという認識をしております。IT革命や交通ネットワークの進展に伴って企業や人の活動が国境を超え、グローバル化することにより、今ほど従来の社会経済システムの変革が求められている時代はございません。これまでの護送船団方式の時代から、勝者と敗者の明暗がはっきりする大競争の時代を迎えております。
 しかし、私はこのような状況を決して悲観しているものではございません。むしろ、このような状況に逃げることなく立ち向かい、諸改革を断行するなど、前向きに積極的に行動することで和歌山の新しい時代の扉を開くことができると、強く確信しているところでございます。
私はこのような時代認識を踏まえつつ、次のような基本的な考え方でもって今後の県政運営を行ってまいりたいと考えております。
 その第一は、本県の目指すべき姿についてでございます。
 それは、内にこもって何かをするというのではなく、時代の変化に鋭敏に対応しながら外に向かって進んでいく開かれた県政にしていきたい、いわば意識の上での新しい開国が必要であるということでございます。従来は、ともすれば和歌山県の区域という枠にとらわれ、また和歌山県という小さいくくりで物事を考え過ぎていた嫌いはないでしょうか。
 新しい変化の時代、大競争の時代には、このような枠にとらわれない、県境を超えた、時には日本全体や世界を見据えた大きな視野で物事を考えることが必要でございます。このことは、多くの先人たちの、紀州の内にとどまることなく外に向かって絶えず発信し、挑んでいった進取の精神にもあらわれております。私は、脈々と受け継がれてきたこの精神を二十一世紀のふるさとづくりに生かしていきたいと考えております。
 これからの県政は、より一層、他府県等との連携が重要になってまいります。とりわけ大阪府との関係は重要であると思っておりますけれども、私は大阪府政の一翼を担った経験を生かし、その連携の強化に力を尽くし、県益のため、県民のため全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 第二点は、県政の目標についてでございます。
 激しい変化に鋭敏に対応し、地域特性の重視や県民自治の推進などの新しい発想により諸施策を検討し、重点的に実施することで、安心で活力のみなぎる和歌山を目指した新生和歌山の創造に取り組んでまいります。
 そのためには、後ほど申し上げる施策の重点項目について積極的に取り組み、和歌山で暮らすすべての人たちに意欲がみなぎり、お互いに勇気づけられるような、そんな活力と自信に満ちた地域社会を創造していきたいと存じます。
 これからの和歌山県は、地方分権の時代を迎えて、県内それぞれの地域の多様性や特性を認めて、それを伸ばしていく発想が重要でございます。例えば、人口四十万の県都の和歌山市、地域の中心都市である田辺市、新宮市、御坊市などや大阪府との関係が深く人口が急増している橋本市などの地域、観光が中心の地域、農業や林業を主要産業とする山村の地域まで、県内各市町村にはそれぞれの地域特性があり、抱える課題も異なっております。その解決には個々の議論が必要で、一律に処することはできません。県としても市町村とのパートナーシップを一層深めるとともに、問題点を認識、共有しながら、適切かつ果敢な対応をしてまいりたいと存じます。
 また、私は、行政の役割に県民が多くを期待することよりも、むしろ県民みずからができることはまずみずから行っていただくという考え方に立って、県民の県政参加を進める県民自治の発想が今後一層必要であると考えております。新しい和歌山の創造のためには、懸案事項の解決はもちろん、厳しい県の財政状況を踏まえながら、生活者の視点に立った県政を基本として、新しい発想に基づく施策を市町村ともども重点的に実施してまいりたいと考えております。
第三点は、県政のあり方についてでございます。
 これからの県政は、今までの社会を支えてきた既存の枠組みが大きく変化している中で、時代潮流をしっかりととらえ、それにマッチした思い切った政策の転換を図る必要がございます。
 私は、開かれた和歌山県を目指し、新生和歌山を創造していくためには、県庁自身がより開かれたものとなり、県政の構造改革に取り組んでいく改革県庁を目指していきたいと思います。私は県民の視点に立った県政を目指し、いわば行政の棚卸しとでも呼ぶべき、県政のすべての分野において聖域を設けない徹底した行財政改革に取り組んでいく所存でございます。
 まず、県庁の役割をより一層目的達成型に変えていかなければなりません。今後、今までのような成長が期待できない二十一世紀の成熟した社会では、産業の振興や少子高齢化、情報化、環境問題など、諸課題に果敢に取り組み問題の解決を目指す、いわば目的達成型とでも呼べる県政が何よりも求められていると確信するところでございます。そして、そのためには職員がみずから考え、企画立案し、結果については自己責任を負う政策立案県庁に自己改革していかなければなりません。県庁のあり方を抜本的に改革することは、県民の皆様の県政へのかかわり方をも変えていくものでございます。従来の行政サービスの受け手の立場にとどまらず、これからは積極的に県政に参加していただくことが重要でございます。このために、県も説明責任を果たしながら情報公開を一層進めていきたいと思います。
また、県内外を問わず、特に民間の若手の方や女性の声を県政に反映するためアドバイザー制度を導入するなど、開かれた県政を実現いたしたいと思います。県庁の中でも、若い職員のアイデアや意見が通りやすい風通しのよいシステムを確立していきたいと考えております。
 今、全国で県政改革に取り組んでいる自治体は少なくありません。私は、これらの自治体とスクラムを組み、お互いに意見交換を深め、必要があれば国にも制度改正要望を行うなどして、改革に取り組んでまいりたいと考えております。
また、私自身も、県民の皆様方に対しまして、常に誠実を旨とし、謙虚さを忘れず、県政を預かる者としての責任感、危機意識を持って全力で県政に取り組む所存でございます。
以上の県政運営の基本的な考え方に基づき、これからの四年間を新生和歌山創造の四年間と位置づけ、懸案事項の解決や主要な施策の実施に取り組んでまいります。
まず懸案事項の解決についてでございますが、財政再建につきましては、県が本年五月に策定いたしました財政運営プログラムを基本として、財政再建に向け不退転の決意で取り組んでまいりたいと存じます。
 今、時代の転換点にあって、我々が取り組まなければならない課題は山積いたしております。私は、歳出の削減に関しましては、聖域を設けず、いわばゼロから出発するぐらいの意気込みで、県が行っているあらゆる施策や事業を県民の皆様の目に見える形で自己評価し、費用対効果を判定しながら徹底した行財政改革を行っていきたいと考えております。また、公共施設等の整備について、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行う、いわゆるPFIの事業手法の検討も積極的に行ってまいりたいと考えております。
 一方、歳入につきましては、景気浮揚による税収の確保を目指すとともに、新税制の採用も視野に入れながら取り組んでまいりたいと存じます。さらに、地方財政制度という大きな枠組みにつきましても、これを所与のものと考えず、これまでの地方行政の経験を生かしながら、国に対し、税源の移譲であるとか交付税率の引き上げなどを提言し、分権時代にふさわしい財源の充実に努めていきたいと考えております。
次に、現在抱えている懸案問題の解決につきましては、まず何よりも住民の方々との対話と迅速な対応が重要であると考えております。開かれた県政を目指す私といたしましては、いろいろな方の意見を聞きながら全力で解決に当たってまいります。
 梅の生育不良問題につきましては、早急に農家の方々と対話する機会を設け、国にも協力を求めながら積極的に取り組み、梅研究機関を整備するなど、産地支援対策を実施していきたいと考えております。
 また、雑賀崎の埋め立て問題につきましては、私は、今後の社会経済状況をも見きわめながら、虚心坦懐にこの埋立計画に対する県民各層の幅広いご意見を聞きまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
 橋本市の産業廃棄物問題につきましては、住民の皆様の健康をまず第一に考え、住民の方々と対話を重ね、安心して暮らせる生活環境を取り戻すための努力を行い、国に対しても実情を十分に訴え、各種支援等を要請しながら、この問題の早期解決に全力で取り組んでまいる所存でございます。
 次に、主要な施策についてでございます。
 新生和歌山の創造という新しい県政の推進のため、今後必要な施策を検討し、具体化していきたいと考えておりますが、ここでは、五つの重点的な分野について、その一端を申し述べたいと思います。
 第一に、産業の活力創造に向けた施策についてでございます。
 このことにつきましては、既存産業の高度化や新しい産業の育成など、産業の活力を高める方向で取り組んでまいりたいと存じます。国内景気は回復傾向にあるとはいうものの、本県は、先ほども申しましたように景気の回復がおくれている状況にかんがみ、中小企業支援のための融資制度の充実など、景気対策を進めてまいります。
 また、ゲノム──遺伝情報でございますけれども──やバイオ関連、情報通信技術等の県内大学、研究機関の成果を地域産業の新製品開発等に結びつけるため、企業との交流、技術支援の場となる技術移転機関──TLOと申しますが──を検討するとともに、産学官のネットワークによる地場産業やベンチャー企業への総合的支援を進めてまいります。
 さらに、ITを生かした情報関連産業の振興や地場産業のIT活用を支援するため、SOHOへの支援や人材の育成等による新和歌山ブランドの確立を目指すなど、経済の構造改革を推進してまいりたいと考えております。
 また、昨今の商店街を取り巻く厳しい状況を受け、駐車場、街路灯などの施設整備や中心市街地活性化など、魅力的な商業ゾーン形成にも取り組んでまいります。
さらに、ミカン、カキ、梅、桃といった和歌山県の果樹産業は、平成元年以降、果樹粗生産額において全国一位を堅持しており、今後とも果樹王国和歌山の確立のため、基盤整備を積極的に行ってまいりたいと考えております。
 観光の振興につきましては、本県の豊かな自然や高野、熊野などの歴史文化を活用した体験、感動できる観光による観光立県の実現を目指してまいります。
 第二に、豊かな環境の創造に向けた施策でございます。
 二十一世紀は環境の世紀とも言われております。近年、私たちの生活様式が多様化し、豊かで便利な生活を営む一方で、日常生活や事業活動による環境汚染により、ダイオキシン問題を初め、さまざまな環境問題が起こってきております。このため、新しい世紀は、社会全体としていかに環境への負荷が少ないシステムをつくるかが重要でございます。ごみや廃棄物を出さない製品の開発、県民の皆さんの生活習慣を見直すことなど、ゼロエミッション実現のために事業者、県民、行政が一体となって取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 また、心の豊かさが求められる二十一世紀には、本県が持つすぐれた自然環境、歴史・文化資源を生かした取り組みが重要であると考えます。このため、日本人の心のふるさととも言える高野・熊野地域について、世界遺産登録に向け、関係市町村とともに推進してまいりたいと考えております。
 自然との共生を目指し、下水道整備や集落排水事業の推進により、だれもが快適に暮らせる生活環境を築いてまいることも重要と考えております。
 第三に、安心して暮らせる社会の創造に向けた施策について申し上げます。
本県の高齢化率は既に二〇%を超え、県民の五人に一人は六十五歳以上になっております。高齢者対策につきましては、本年四月から介護保険法が実施されたところでございますが、過疎地域を含め、安心して必要な介護サービスを受けられる体制を市町村と力を合わせて進め、また、高齢者の方ができるだけ介護を必要とせず健康で生き生きと生活できるよう、健康づくり、生きがいづくりなどの介護予防対策にも積極的に取り組んでまいります。そして、障害者、高齢者の方など、だれもが安心して暮らせるバリアフリーの町づくりを推進してまいります。
少子化対策といたしまして、低年齢保育や延長保育を初め、多様な保育サービスを提供できるよう総合的に支援を行い、仕事との両立を含め、安心して子育てができるサポート体制の構築を目指してまいります。
 第四に、個性輝く人材の創造に向けた施策でございます。
 青少年の健全育成など人づくりについては、豊かな人間性や社会性を持ち、国際化、IT化などの情報化に対応できる教育を目指していくべきであると考えております。このため、家庭、学校、地域の連携を基本とした教育改革の推進に取り組んでいきたいと考えております。きめ細やかな教育相談の充実、心を育てる教育や地域のよさを再認識するふるさと教育の推進を行います。また、複数学級担当制、選択授業制など、多様な魅力ある学校による人づくりに努めてまいります。
 第五に、交流ネットワークの創造についてでございます。
 国内外を問わず交流を図り、開かれた和歌山県を実現する道路などの生活を支えるネットワーク基盤の整備につきましては、京奈和自動車道の早期完成、近畿自動車道紀勢線の南伸など高速道路の整備、第二阪和国道、県道泉佐野岩出線、国道三百七十一号や四百八十号などの府県間道路の整備は、本県が近畿や中部等の主要な経済圏と直結するために、また県内中核都市のネットワーク化のために積極的に推進してまいりたいと考えております。
 また、そのほかにも、都市計画道路、県道など生活に密着した道路の整備も重点的に行ってまいりますが、厳しい財政状況の中で、しかも県勢の発展を大きく左右する基盤整備でもございますので、めり張りをつけ、優先順位をつけて重要なものから重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、二十一世紀は人権の世紀でもございます。人が人として生きるための基本的人権を尊重し、豊かで明るい社会を実現するため、人権文化の創造に取り組み、スポーツ・文化の振興、安全な県民生活の実現など、県政のあらゆる分野で生きる喜びをかみしめられる生活者の視点に立った県政を進めてまいりたいと考えております。
以上、私の目指す県政、今後の県政運営の基本的な考え方について申し上げました。
 今後四年間、私は、県民の視点に立った開かれた県政、県民参加の県政、県民自治の県政の実現と、活力と安心の新生和歌山の創造に取り組んでまいりたく存じます。
私は、困難にひるまず、本県が改革の先駆けとなるという高い志を持ちながら、地方から行動を起こすという意気込みで県政を推進してまいりたいと思います。
 私は、和歌山を思うとき、いつもこの詩を思い出します。それは、和歌山県出身の詩人、佐藤春夫先生の「望郷五月歌」の一節でございます。その詩の中で「空青し山青し海青し 日はかがやかに 南国の五月晴こそゆたかなれ」と歌っております。このすばらしい和歌山の自然や温かい人情をいつまでも我々県民の誇りとして次の世代に引き継ぐため、新しい発想でふるさとの創造を目指してまいりたいと思います。
 県政におきましては、議会と執行部はまさに車の両輪でございますので、今後とも、議員の皆様方とは緊密な連携を図るとともに、お互いに切磋琢磨し、新しいパートナーシップを築いてまいりたいと思います。議員の皆様方の今後のご指導とご鞭撻を、並びに県民の皆様の積極的な県政への参加と協力をお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十時二十七分休憩
     ─────────────────────
  午前十一時五分再開
○議長(阪部菊雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  【日程第二 会議録署名議員の指名】
○議長(阪部菊雄君) 日程第二、会議録署名議員の指名を行います。
 今期定例会の会議録署名議員は、一番新島雄君、十七番生駒三雄君、三十三番中山豊君の三君を指名いたします。
  【日程第三 会期決定の件】
○議長(阪部菊雄君) 次に日程第三、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から十月十七日までの二十一日間といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は本日から十月十七日までの二十一日間と決定いたしました。
 この際、諸般の報告をいたします。
 松本泰造君から、八月二十八日付で一身上の都合により議員を辞職したい旨の願い出が提出されましたので、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、同日これを許可いたしました。
 次に、報告いたします。
 九月三日執行された和歌山市選挙区の議員補欠選挙において浜田真輔君、長坂隆司君が、また九月十七日執行された有田市選挙区の議員補欠選挙において生駒三雄君が当選されました。
  【日程第四 補欠選挙当選議員に係る議席の指定】
○議長(阪部菊雄君) 日程第四、補欠選挙当選議員に係る議席の指定を行います。
 その議席番号を職員に朗読させます。
  〔職員朗読〕
     ─────────────────────
   生   駒   三   雄   君     十七 番
   浜   田   真   輔   君     三十四番
   長   坂   隆   司   君     四十二番
     ─────────────────────
○議長(阪部菊雄君) ただいま朗読したとおり、それぞれ議席を指定いたします。
 この際、このたび議員補欠選挙において当選されました議員を順次ご紹介申し上げます。
 まず、三十四番浜田真輔君。
  〔浜田真輔君、登壇〕(拍手)
○浜田真輔君 ただいまご紹介をいただきました浜田真輔であります。
 去る九月三日の県議会の補欠選挙で当選をさせていただいて、皆さんのお仲間に加えていただくことになりました。
 この上は、議会先輩の皆さんとともに県勢発展のための一助となるよう最大限の努力をしてまいる覚悟でございますので、どうぞ今後ともご指導のほどをよろしくお願いいたします。
 ごあいさつとします。ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) 次に、四十二番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 去る九月三日の和歌山県議会議員補欠選挙におきまして、おかげさまで当選させていただきました長坂隆司でございます。
 再び栄えある和歌山県議会に戻ってきたこの感激を忘れることなく、県政の諸課題に一生懸命取り組んでまいる所存でございますので、諸先輩方におかれましては、さらなるご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、ごあいさつにいたします。
 ありがとうございました。
○議長(阪部菊雄君) 次に、十七番生駒三雄君。
  〔生駒三雄君、登壇〕(拍手)
○生駒三雄君 ただいまご紹介いただきました生駒三雄でございます。
 さきの有田市選挙区補欠選挙におきまして、先輩の先生方、有田市の市民の皆様方にご厚情をいただきまして当選させていただきました。まことにありがとうございます。
 もとより微力な私ではございますけれども、県政へ参加させていただけることを本当に感激しております。また、その責任の重大さを痛感しているところでございます。
 松本先生の後継者にふさわしくなれるよう、一生懸命勉強して、先輩の先生方のご指導を仰ぎながら頑張っていきたいと思っております。
 どうか、今後ともよろしくお願いいたします。
  【日程第五 補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員
        選任の件】
○議長(阪部菊雄君) 日程第五、補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員選任の件を議題といたします。
 常任委員及び特別委員選任の件については、委員会条例第五条第一項の規定により、次のとおり指名いたしたいと思います。
 職員にその氏名を朗読させます。
  〔職員朗読〕
     ─────────────────────
   経済警察委員会委員
     生   駒   三   雄   君
   農林水産委員会委員
     浜   田   真   輔   君
   文教委員会委員
     長   坂   隆   司   君
   関西国際空港対策特別委員会委員
     生   駒   三   雄   君
   同じく
     長   坂   隆   司   君
   水資源対策特別委員会委員
     浜   田   真   輔   君
     ─────────────────────
○議長(阪部菊雄君) お諮りいたします。ただいま朗読した諸君をそれぞれの常任委員及び特別委員として指名することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま指名した諸君をそれぞれの常任委員及び特別委員として選任することに決定いたしました。
  【日程第六 常任委員会委員長選任の件】
○議長(阪部菊雄君) 次に日程第六、常任委員会委員長選任の件を議題といたします。
 常任委員会の委員長選任の件については、委員会条例第六条第二項の規定により、次のとおり指名いたしたいと思います。
 職員にその氏名を朗読させます。
  〔職員朗読〕
     ─────────────────────
   経済警察委員会委員長 町   田       亘   君
     ─────────────────────
○議長(阪部菊雄君) ただいま朗読のとおり常任委員会の委員長として指名することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(阪部菊雄君) 起立全員であります。よって、ただいま指名したとおり常任委員会の委員長に選任することに決定いたしました。
  【日程第七 議会運営委員選任の件】
○議長(阪部菊雄君) 次に日程第七、議会運営委員選任の件を議題といたします。
 お諮りいたします。議会運営委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により浜田真輔君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、浜田真輔君を議会運営委員に選任することに決定いたしました。
 次に、知事から地方自治法第百八十条の規定による専決処分の報告、和歌山県環境基本条例第八条に基づく年次報告書の提出が、また監査委員から監査の結果報告及び現金出納検査の結果報告がありました。
 いずれもお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
 次に、今期定例会に提出された議案等は、お手元に配付のとおり、議案第百四十号から議案第百六十一号まで、並びに地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第九号の計二十三件であります。
  〔巻末の「参考資料」を参照〕
  【日程第八 議案第百四十号から議案第百六十一号まで、並びに報第九号】
○議長(阪部菊雄君) 日程第八、ただいま報告の議案第百四十号から議案第百六十一号まで、並びに知事専決処分報告報第九号を一括して議題といたします。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○知事(木村良樹君) ただいま上程されました諸議案について、ご説明申し上げます。
 まず、今回の補正予算案についてであります。
 国の公共事業等予備費の使用決定を受け、公共予備費を含む公共事業等の追加として、国道改築、県道改築、林道整備等により県土の交通基盤整備の推進を図るほか、農業集落排水や漁業集落環境整備の促進等、豊かな住環境の実現や防災対策として海岸高潮対策に努めてまいります。
 また、近畿自動車道紀勢線の整備促進のため、白浜─すさみ間の用地先行取得に係る所要の措置を講じることといたしております。
 次に、緊急雇用対策の追加として、観光地域の緑化事業や煙樹ケ浜松林の景観整備等を実施し、新たな雇用・就業機会の創出を図ることといたしております。
 そのほかにも、橋本市の産業廃棄物問題について、恒久対策に向けての汚染範囲調査を実施してまいります。
 また、本県の主要産物であるミカン、桃などの価格の安定維持に努めるほか、中山間地域等直接支払い制度の円滑な運用のための所要の措置等、農林水産業の振興を図るとともに、紀三井寺公園野球場のスコアボードの改修にも着手することといたしております。
 以上が、今回の補正予算案の主な内容でございます。
 この結果、補正予算総額は、一般会計で七十一億二千五百万円余、特別会計で四千三百万円余となっております。
 続きまして、条例案件等についてご説明を申し上げます。
 議案第百四十二号は、定年前早期退職者に対する退職手当に係る特例措置を拡充し、職員の早期退職の促進を図るものでございます。
 議案第百四十三号から第百四十六号及び議案第百四十九号は、関係法令等の一部改正等により県税条例等の規定の整備を行うものでございます。
 議案第百四十七号は、農業生産条件の不利な中山間地域における農業生産活動に支援を行うため、中山間地域等直接支払基金を設置するものであり、議案第百四十八号は、紀の川流域下水道の供用開始に向けて流域下水道条例を設置するものでございます。
 議案第百五十号は、火薬類取締法の一部改正に伴う火薬類製造施設等の保安検査手数料の新設等、使用料及び手数料条例の一部改正をお願いするものでございます。
 議案第百五十一号は建設事業施行に伴う市町村負担金について、また、議案第百五十二号は紀の川大堰の建設に係る基本計画の変更について、それぞれ議決をお願いするものでございます。
 議案第百五十三号から第百五十五号は、港湾施設の不法使用及び県営住宅に係る滞納家賃等について、それぞれ請求訴訟等を提起するものでございます。
 議案第百五十六号、議案第百五十七号は、総合教育センター(仮称)の建設用地等の財産の取得について、議案第百五十八号、議案第百五十九号は和歌川河川環境整備──これはしゅんせつでございますけれども──工事等工事請負契約の締結について、それぞれ議決をお願いするものでございます。
 議案第百六十号及び議案第百六十一号は、平成十一年度の歳入歳出決算及び公営企業決算の認定をお願いするものでございます。
 次に、報第九号は、橋本市における株式会社日本工業所の産業廃棄物処理場近隣に居住される住民の方々のダイオキシン類健康調査を早期に実施する経費、及び県議会議員有田市選挙区補欠選挙の執行経費として、合わせて一億二千五百万円余について、急を要したため、地方自治法第百七十九条第一項の規定により専決処分を行い、その承認をお願いするものでございます。
 次に、諸報第五号は、県立医科大学附属病院における医療事故に伴う和解について、地方自治法百八十条第一項の規定による委任専決処分報告でございます。
 最後に、環境基本条例第八条に基づく年次報告書を別途提出いたしております。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○議長(阪部菊雄君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 この際、八月十日、警察本部長に就任いたしました岩井良行君をご紹介申し上げます。
 警察本部長岩井良行君。
  〔岩井良行君、登壇〕(拍手)
○警察本部長(岩井良行君) 去る八月十日付で和歌山県警察本部長を命ぜられました岩井良行でございます。
 県民生活の安全と平穏を確保するため、微力ではございますが、全力を尽くす所存でございますので、皆様方のご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、就任に当たってのごあいさつとさせていただきます。
○議長(阪部菊雄君) お諮りいたします。九月二十八日、二十九日及び十月二日から四日までは議案調査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(阪部菊雄君) ご異議なしと認めます。よって、九月二十八日、二十九日及び十月二日から四日までは休会とすることに決定いたしました。
 次会は十月五日再開し、質疑及び一般質問を日程といたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時二十二分散会

このページの先頭へ