平成12年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十二番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 議長のお許しを得ましたので、質問を進めさせていただきます。
 一番目には、都市計画道路築地阪井線の整備についてであります。
 これについては、二月定例議会で明らかにされたところによると、予算的には平成十二年度でことしまでの事業計画が完了し、工事は十三年度に残るかもしれないというところでした。それから先の龍部池までは重根土地区画整理事業との関係で進みぐあいが決まっていく、重根土地区画整理事業が遅々として進んでいない現状から道路整備は先行きが見えないと言わざるを得ないと申し上げたところであります。県としても、休むことなく築地阪井線の拡幅整備にかかろうとのお考えであろうけれども、平成十四年度以降をどうするのか。これが本質問の主要なところであります。
 今の状況から、土地区画整理事業法に基づき知事の勧告・助言がなされてはどうかと思うところですが、このたび重根土地区画整理組合が建築物等の設置について業者と覚書を交わしているように聞いております。重根土地区画整理組合は最も優先的に考えて取り組むべきはずの公共事業、すなわち築地阪井線の整備に心血を注がないで民間の会社に便宜を図るというのはどういうことなのかということが市民の間でも問題にされているところであります。
 重根土地区画整理組合とのかかわり合いで、築地阪井線が龍部池まで休むことなく事業化できるのでしょうかということがこの質問の内容であります。
 二つ目には、プレジャーボートと港の整備についてであります。
 放置艇はおよそ五千四百隻とも言われ、年々増加の傾向にあると聞きます。特に和歌山市、海南市の河川や港湾など、公用水域での放置艇の対策が強く求められてきているところであります。
 以前にも取り上げて対策を求めたところですが、ようやくにしてプレジャーボート対策協議会が設置されて対策の基本方針や規制措置などについて検討され、マスタープランの策定に取りかかられているようですけれども、その取り組みについてお話をいただきたいと思います。
 以前に取り上げた折に、放置艇の受け皿となる保留・保管施設の整備を進めなくてはならないのだとのことでしたけれども、これについて具体化がどのくらい進んでいるのか、計画を示されたいと思います。
 三つ目には、中山間地の直接支払い制度についてであります。
 これについて、新農業基本法制定にかかわって、中山間地の多い和歌山県の農業にとって大した期待は持てないのではないかと以前に問うたところであります。農林水産部長はこれに対して、中山間地への直接支払い制度等期待できると述べられたところです。もっと論戦を交わして和歌山県農業の独自策を求めようとの思いがあったけれども、またという機会があるとの思いで、それは置いておきました。
 ところで、県下の実態をつぶさに見るとき、果たしてそう言い切れるのかどうか。当局が述べられた状況にはないのではないかと改めて申し上げ、しかるべき対策を求めるところであります。
 農林水産省でさえ、中山間地の直接支払い制度の要件を緩和しようとの動きを示しているようでもあります。海南市の東部山間地でも、今手を打たねば大変なことになることは明らかであります。ある地域では、まだ比較的元気な方々が地域の農地を守り、田起こしをしながら田植えをして、放置された農地を一枚も出さないでいるところがあります。これは極めて珍しいと受けとめているところです。その地域にしても、後継者がいない、先々見通せないと言われます。もし若い人がいても農業を継いでもらうわけにはいかないと嘆かれます。そこで、中山間地への直接支払い制度を充実させて、農業でどうにか食っていけるところに持っていってほしいという願いがあります。
 和歌山県が新農業基本法に基づいて直接支払い制度をどのくらい受けられようとしているか、またそれが県下農業の現状に合ったものか、現時点での状況はどういうことなんでしょうかということをお尋ねしたいわけであります。直接支払い制度の推進とあわせて、県独自の対策に今手を打たねば大変なことになるということをご指摘申し上げながら、県当局のお考えを求めたいわけであります。
 次に、新学習指導要領とのかかわりで、総合的な学習の時間についてお尋ね申し上げます。
 中央教育審議会は、平成八年七月に「二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について」ということで、生きる力を全人的な力であるとして、横断的、総合的な指導を一層推進し得るよう新たな手だてを講じ、豊かな学習活動を展開していくとして一定のまとまった時間を設け、横断的、総合的な指導を行うと答申し、教育課程審議会は平成十年七月に、激動する新社会に生きる力をはぐくむことを目指して総合的な学習の時間を創設すると答申しました。これら答申を踏まえて平成十年十二月、学習指導要領の改訂で、総合的な学習の時間を各学校に設置するよう義務づけをし、今日、移行措置の段階にあります。平成十四年から週五日制の完全実施とともに新学習指導要領の全面実施となるわけですが、これについて幾つかお尋ねを申し上げます。
 まず一番目に、学校が創意工夫をし、特色ある教育活動と言われるのですけれども、今日までの状況からして、国連子どもの権利委員会が指摘しているように、過度の競争の教育が子供たちの人間らしい発達を阻害し、そのことが大きな要因となっていじめや登校拒否、授業が成り立たないような荒廃した教育現場になっている、その原因の一つが、過密な旧学習指導要領を法的拘束性の名のもとに押しつけてきたことにありとして、県下三十七の市町村からもこの学習指導要領見直しの意見書が出されていたりしているところです。自由な学校現場の教育の営みを保障せずにいて、直ちに新学習指導要領、中でも総合的な学習の時間をもってして期待されるようなことになるのかどうか、お尋ねしたいところであります。行き詰まった教育の現状から何ゆえこうなったのかの原因をつぶさに明らかにされることを抜きにして、真の問題解決は望めないのではないかという立場からの質問であります。
 二つ目の問題であります。さらに今日まで教育委員会から細かな指示・命令によるいわゆる上意下達の機能や意識が強く働くところとなり、いわゆる管理主義教育の体制を追い求めてきた行政にとって、直ちに特色ある教育活動が十分行われるとお考えなのか。かなり長期にわたって体制化されてきているので、厳しい自己改革をもって当たらねば成果は望みにくいのではないか。素直にお答えをいただきたいところであります。
 三つ目、総合的な学習の時間の新設として中学年に百五時間、高学年に百十時間としているけれども、各教科学習とのかかわり合いで基礎学力に支障を来すことがないのでしょうか。
 次に四つ目として、各学校は創意工夫した教育活動を行うとしているけれども、例えば国際理解、情報、環境、福祉健康といういわゆる四項目の強調の余りに、これに縛られる傾向が生まれてこないのか。もしこの傾向が強く出たりするときはどうするのでしょうかということであります。
 五つ目、新学習指導要領、中でも総合的な学習の時間実施に伴い、教育委員会はこれらの実施に、例えば学級規模縮小などの人的配置や施設設備の充実に関連してどうなさるのか。教育活動の多面的な発展に伴い多様な要求が出て当然かと思うけれども、これに対する対応はいかがなさるつもりなのかということであります。
 六つ目には、日方川──海南の町を流れる唯一の川です──海南高校の前のあたりから上流にかけて大きなナマズが生息しています。県立自然博物館へこの情報を提供したら、県立自然博物館の学芸員から、ナマズは淡水魚の頂点に位置する魚だ、これが生息している日方川はまだ豊かな環境を保持している証拠だということを教えられました。こんなことから考えて、総合的な学習の時間を当てて、今までの学校教育でなし得なかったこととして日方川の環境について学習できるということになります。それにより郷土認識がはぐくまれ、みずみずしい愛国心が培われるのではないかというふうにも思ったりするわけであります。それにしても教育委員会は、自由な教育活動の保障、総合的な学習の時間という枠組みに追われることのないようにすること、教育条件整備に徹することが重要であろう、このように考えるわけですが、いかがなものか。
 議会という限られた条件の中では議論を尽くし得ないものがあろうかと思います。精いっぱいのご回答をお願いいたしたいわけであります。
 最後に、漆器組合全国大会に向けてのご質問であります。
 来年、和歌山県で漆器組合の全国大会が開催されるところとなっています。業界の活性化を求めて地元ではこれの成功に鋭意取り組まれているところですが、県内における地場産業の代表格である漆器産業の活力を呼び込むために県はこれに大きく支援を送るべきでないかと考えるわけですが、お考えを求めて第一問を終わりといたします。
 ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、都市計画道路築地阪井線についてお答えいたします。
 都市計画道路築地阪井線は、組合施行の重根土地区画整理事業で整備されることになっています。組合施行の土地区画整理事業は、公共団体施行の事業と異なり、組合員が主体となって施行する事業であり、県は監督権者となります。
 県といたしましては、組合に対し事業の推進を求めているところでありまして、組合からは、平成十三年度より担当職員の増員及び大幅な予算の増額をするとの報告を受けているところであります。事業の推進には組合員の同意が不可欠であり、議員初め地元の皆様方の積極的な協力をよろしくお願いいたします。
 なお、議員ご指摘の建築物等の設置につきましては、県として組合に対し適正に対応すべく勧告を行い、許可権者である海南市にはこの旨を通知しているところであります。
 次に、プレジャーボートと港の整備についての二点の質問について一括してお答えいたします。
 和歌山県プレジャーボート対策協議会における取り組み状況でありますが、海南港区を含む和歌山下津港のエリアを最重点地区と位置づけ、プレジャーボートの実態調査、収容可能地の選定調査、関係者へのヒアリング、さらには係留・保管計画等の検討を行ったところであります。今年度は対象エリアを県下全域に拡大し、マスタープランの策定を目指してまいります。
 また一方では、放置艇の受け皿となる収容・保管施設の整備もあわせて進めておりまして、具体的には和歌山下津港海南港区では、大規模収容施設としての和歌山マリーナシティや琴の浦地区におけるプレジャーボートスポットの整備を行ったところであります。
 今後、放置艇の受け皿となるボートパークの整備や暫定係留許可施設等の整備を行うこととしております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 中山議員のご質問にお答えいたします。
 本年度から始まりました中山間地域等直接支払い制度は、傾斜地における農業生産が平たん地に比べて生産コストなどの面で不利な条件にあるため、その差額を交付金によって補正し、中山間地域の農業が持つ国土や自然環境の保全機能を維持していこうとするものでございます。
 現在、県下の各市町村におきまして、傾斜度や農地のまとまりなど交付条件に当てはまる対象地域を特定する作業として集落説明会を実施している段階であり、交付金を受ける地域や面積、交付額などが固まるのは本年の十二月ごろとなる予定でございます。
 県といたしましては、議員のお話にありますように、山間地の農家を取り巻く厳しい現状は十分に承知しておりますので、今回の直接支払い制度の推進とあわせて、農業・農村整備事業や山村振興等特別対策事業などの関連事業も有機的に活用するとともに、地域特性を生かした特産作物の振興や都市住民との交流による地域づくりなどの対策についても今後とも積極的に進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 商工労働部長内田安生君。
  〔内田安生君、登壇〕
○商工労働部長(内田安生君) 中山議員のご質問にお答えをいたします。
 漆器業界につきましては、本県産地のみならず他産地を含めた漆器業界全体も厳しい状況にあると聞いてございます。そんな中にあっても、漆器組合は毎年紀州漆器まつりを開催するなど、現況の打開に努力されているところです。来年、本県で開催される全国大会が漆器産地活性化の契機となればと考えてございます。
 県といたしましても、地場産業を初めとする中小企業の重要性は十分認識しているところであり、漆器業界についても、組合が行う新商品、新技術開発に対する支援を行ってきたところでございます。
 本年三月には、地域産業集積活性化法に基づく平成十七年度までの新たな活性化計画を策定いたしました。この計画に基づき、漆器組合及び地元海南市と十分連携をとりながら漆器産地の振興を図ってまいりたいと存じてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 中山議員の、新しい学習指導要領に関連した七点のご質問にお答えいたします。
 新しい学習指導要領は、学校週五日制のもと、ゆとりの中で子供たちに豊かな心やみずから学び、みずから考える力など、生きる力をはぐくむことを基本的なねらいとして改訂されました。そうした中、教科の基礎・基本を大切にし、学んだことを生かしながら、学習の枠を超えて幅広く主体的に学習する総合的な学習時間が創設されたところです。
 学習テーマにつきましては、国際理解や環境など四項目が例示されておりますが、各学校が児童生徒の実態や地域の状況を踏まえ、それ以外にも個人やグループごとにテーマを設定するなど、特色ある学習活動を行えるようになっております。
 こうしたことから、議員ご指摘のように、子供たちが身近な自然環境を教材にして地域のすばらしさを学ぶことはまことに意義あるもので、まさに総合的な学習の時間の学習内容としてふさわしいと言えます。
 この学習時間につきましては、小学校では一定の授業時数が示されていますが、中学校では各学校の創意工夫により、学習内容のみならず、その時間数についても一定の枠内で柔軟に決めることができ、主体的な取り組みが行えるようになっております。そのため、各学校においては、学校長のリーダーシップのもと、全教職員が一致協力して創造的な学習活動を行うことが求められます。
 次に、学力の低下を招かないかという点についてであります。
 新学習指導要領は、各教科の学習内容を精選し、児童生徒がゆとりの中でじっくりと学び、基礎・基本をより確実に身につけられるようになっており、その上で、総合的な学習の時間は、各教科で学んだ知識や技能を生かし、総合的な思考力や判断力、表現力を養うことをねらいとしております。したがって、生きる力としての学力はむしろ向上するものと考えております。
 総合的な学習の時間を実施する条件整備につきましては、現行制度の中で対応することを原則としながらも、可能な範囲で工夫・検討をしてまいります。
 教員の配置につきましても、次期定数改善計画など国の動向も見極めながら、特色ある学校づくりのために配置している教員の効果的な活用を含めて、より弾力的な配置を検討してまいりたいと考えております。
 教育委員会といたしましては、本年度から県内五地域を総合的な学習の時間推進地域に指定し、学校と家庭、地域が連携した実践研究を行うとともに、その取り組みと学習の事例集を作成し、県内すべての小中学校に配布することといたしております。
 今後とも、知・徳・体のバランスのとれた豊かな教育の実現に努めてまいる所存であります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十二番中山 豊君。
○中山 豊君 土地区画整理事業にかかわってのお話です。
 部長の冒頭の答弁では、都市計画道路築地阪井線は組合施行の重根土地区画整理事業で整備されることとなっているということですから、申し上げたように、区画整理事業内に含まれている道路整備計画については重根土地区画整理組合が一切を受け持ってやるということになるわけです。また、海南駅の方から重根まで十二年度の予算で終わって、工事は十三年度に残るかもしれない、十四年度以降はそれから先だと、こういうことになるのですが、十四年度以降、遺棄してしまうことのないように、休むことのないように引き続いて事業がされるという保証は、今の組合の実態からして可能なんだろうかという心配からの質問だったわけです。だから、重根土地区画整理組合があれから続いての龍部池までの残余の部分は皆受け持ってやるんだということであればあるほどに、そこのところが非常に気にかかるわけです。つつがなく引き続き十四年度以降、今やっている事業が終わったら直ちにそれに取りかかって、そして阪井や高野山、美里へ向けてずうっと三百七十号が整備されていくという取り組みがなされていくとのお話で県当局はお酌み取りいただこうということとして受けとめたわけですが、気にかかるところは、組合が今まで取り組んできた実態からして、そのようにしてスムーズに取りかかれていくのかという心配のあることだけを申し上げて、間断なく取り組んでいけるようにお取り計らいをいただくよう、切にお願いを申し上げておきたいと思います。
 二つ目は、直接支払いのお話です。
 農業者の多くは、直接支払いの制度によって、中山間地であったとしても農業で食っていけるようになるのではないかという期待感を寄せているわけです。しかし、農業者の皆さんがこの制度に寄りかかっている、期待しているその期待と内容とはかなりのずれ、というよりむしろ大きなずれによってその期待が報われないことになりはせんかという心配からの質問であったわけです。これをどう埋め合わせるかということになってくると、これは国の制度の見直しもしなくちゃならないだろうし、去年から始まった制度ですから、この制度を地域に移してみたときに、果たして和歌山県の中山間地の農業を振興させ、農業で食っていけるかもわからないという、この制度への期待を裏切ることのないようにしようと思ったらどうしたらいいのかと、このあたりの研究も県当局にお願いしなくちゃならないだろう。今取り組まれつつあるその作業と実態と制度が、この期待にそぐうものかどうかということをシビアに検討していただいて、これはそういうふうな期待にはそぐわないものであるとするならばどうするかということを直ちに提起なさっていただいて、国に向かっても物申すという取り組みも果敢にしなくちゃならないのではないかと、こういうふうなことを申し上げて、皆さんのお取り組みをお願い申し上げておきたいと思います。
 教育の総合的な学習の時間の創設についてにかかわってです。
 これは、十四年から始まる新指導要領の目玉だと私は見ているわけなんですが、生きる力をはぐくむということを全面に押し出して、そういう指導要領の改訂をなさったと。これで国の教育にかかわる行き詰まった状況が解決できるんだ、言いかえてみるならば、国連子どもの権利委員会の方から指摘された、日本の教育はこうなんだ、だから問題があるんだということに答えていくには、これだというふうにして打ち出したものとして私は受けとめているわけなんです。そうだとしたら、生きる力をはぐくむんだというところを基底に据えて打ち出された指導要領が、今までのやり方、行政とのかかわり合いで行き着いたところをそんなに簡単に克服してうまいこといけるものなのかどうか、こういうことを大変心配しているところであります。
 だって、いろいろあるでしょう。それぞれの教科の指導をとったとしても、先生の持ち前と力量によって子供たちの取り組みがスムースに展開されていくことも多々あるわけなんですが、一方、やっぱり指導書に寄りかからなければ取り組みができないなどというような側面もなくはなかった。こういうふうなこと等押しなべて考えてみるときに、手のひらを返したように、生きる力をはぐくむんだ、総合的な学習時間の特設をしたからそれらは解決されていくんだと、そう簡単にはいかないんではないか。例えば家庭教育、社会教育、学校教育、それらのすべての分野から接近をして子供たちに生きる力をつけるとするならば、もっと論議が要るのではないか。和歌山県にとっても、よその県で起こっているような忌まわしい事件はそう大して起こらなかったけれども、しかし学校の不登校の子供の数からしても、あるいはまた授業を受けないで学級が崩壊しているという、そういうふうな態度をとったとしても、これらがどうだったのか、どういう背景で、どういう原因でこういうふうなものが起こってきたのかということを考えてみたら、学校教育の生きる力というのは総合的な学習だけではそう簡単にいかないのではないか。たとえ万が一そうであったとしても、それに到達していけるまでの中身を豊かなものにしていくためには、相当な討論と検討、さらには行政当局からの支援がなかったら現場ではできないのではないか、難しいのではないか。こういうふうなご指摘を申し上げます。
 議会という限られた中でのお話ですから、言い尽くされない部分もたくさんあります。こういうふうなこともお含みおきいただきながら、十分にそのあたりの論議を尽くして、現場の先生を激励し、鼓舞するような行政になるようにお願いを申し上げて終わりたいと思います。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時九分休憩
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