平成12年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時四分再開
○副議長(宇治田栄蔵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 議長のお許しをいただきましたので、通告させていただいておりますことに対して、知事及び関係部長の誠意あるご答弁を期待して質問をさせていただきます。
 質問内容に入る前に、私自身、質問の機会を与えていただくのはこれで二回目でありますし、さらにはまた知事がご出席の本会議場での質問は初めてであります。大変緊張しております。また、新年度予算を審議するこの二月議会も、当然初めてのことであります。いただいた予算書や資料の膨大さにも少々驚いておりますし、また厳しい財政状況の中で予算編成のご苦労をされた知事にも想像するに余りある思いがいたします。特に、知事以下三役がみずから報酬をカットしてまで県民のために必死の思いでのご努力に対し、少なからず感銘を受けました。私はふと、ある大統領の就任式でのスピーチを思い出しました。それは、「国民を天と仰ぐ」という言葉であります。私たち議会人も、また知事初め県職員一人一人までもが県民のためにあるということをいま一度お互いに確認すべきではないかなと強く感じました。
 今さら申し上げるまでもありませんが、今、日本は空前絶後の大不況であります。まして我が和歌山県にあっては、残念なことでありますが、百分の一県とまで言われる中でありますから、想像するにそう難しくありません。農林漁業、商工業、建設業、またそれらの企業に働くサラリーマン、すべての分野の方々が私たちのあるじであります。県民の血の出る苦しみを目の当たりに見、思うとき、知事は予算執行に当たっては、経費の節減、予算配分には大変ご苦労され努力されたこととは思いますが、どれほど県民に知事の心情なり熱意が理解されているでしょうか。県民は大変賢明でありますが、県行政を非常に遠く感じています。知事におかれましては、今後ともこの県行政の遂行に当たっては、身近な県行政実現のため、県民の理解と協力を得るべく強力な指導力を発揮していただくよう強くお願い申し上げます。
 また私は、和歌山県議会議員として県政全般にわたり執行される西口県政に対して、議員としての立場はわきまえているつもりでありますが、まだまだ駆け出しの一年生議員であります。今、若輩者の私にできることと言えば、県行政をできるだけ県民に近づけることと、那賀郡民の声を県政にできるだけ反映させることだと思っております。また、紀北の発展、特に世界に一番近い、関西国際空港に一番近い那賀郡の発展なくして和歌山県の発展はあり得ないと確信している一人であります。そういう意味で新年度の当初予算編成を見ても、紀北地域に対する配慮に少々物足りなさを感じております。今後、県行政全般にわたり適正な予算執行を期待しながら、那賀郡の事案を中心に質問させていただきます。
 なおまた、私自身、至って単純な人間でありますし、また先輩議員のように文学的センスも残念ながら持ち合わせておりませんので、執行部の皆さんに対しまして大変失礼なことも多々あろうかと思いますが、寛容の精神をもってお許しいただきたいと思います。
 まず第一点目の質問といたしまして、府県道泉佐野岩出線及び都市計画道路南港山東線の問題についてお尋ねいたします。
 知事が提唱されている和歌山県の新時代構想の中で、関西の新たな都市圏の核となる紀泉百万都市圏構想がございますが、当然ながら那賀郡が中心的な位置づけになるでしょう。那賀郡も年々人口が増加し都市化が進行する中で、都市基盤の整備が急務であります。郡内道路に関しては、知事、関係各位の熱意のおかげで京奈和自動車道の紀北東、紀北西の計画決定に伴い、測量、調査が開始されるよう段取りを進めていただいております。また、府県道泉佐野岩出線についても、関西国際空港や京阪神方面へのアクセス道路として、現在岩出町まで都市計画された中で、関係者の大変なご努力により工事が順調に促進されていることに対しては大変喜びとするところでありますが、風吹トンネル予定地周辺で一部未解決な地域があると承知しておりますけれども、現在の進捗状況と今後の見通しをお尋ねいたします。
 次に、府県道泉佐野岩出線の岩出町以南から貴志川町を通り海南市の国道四十二号線に至る道路の南伸についてお尋ねいたします。
 この府県間道路の南伸につきましては、府県道泉佐野岩出線等整備促進期成同盟会より毎年知事に対して陳情されているところであり、また県が平成八年度に策定いたしました京奈和自動車道広域都市計画策定調査の広域道路網計画の中では、優先的に整備すべき道路として仮称・岩出貴志川線が位置づけられており、貴志川町が平成八年に策定されている貴志川町総合都市交通体系調査の道路計画とも整合がとれております。したがってこの南伸ルートについては、和歌山都市圏の外環状道路として、また地域の発展と活性を図るための広域主要幹線道路として、地域においては必要不可欠な道路であります。府県道泉佐野岩出線の南伸ルートの確保により、紀の川の河南部である貴志川町、桃山町、野上町、美里町、海南市の東部地域より、京奈和自動車道の岩出インターから国土軸への交通アクセスが容易となります。周辺地域で非常に要望の高い交通路線であります。県として早期に都市計画決定をしていただき、ぜひ整備促進のため具体化をお願いいたします。
 なお、これにつきましては、過日、貴志川町長を筆頭に町職員幹部同行の上、さらにはまた那賀振興局長にもご同行願い、県各部へお願いに上がっている一件でもあります。
 次に、都市計画道路南港山東線についてお伺いいたします。
 その前に、県道和歌山橋本線につきましては、県開発公社が当時、貴志川町長山団地の県営住宅開発に伴い、和歌山市への十五分間道路として県道和歌山橋本線が整備促進されまして、さらにはまた吉礼トンネル、貴志川大橋も完成していただき、和歌山都市圏の主要幹線道路として皆さんがたくさん利用されています。この道路の完成に伴い周辺からの交通量が大変増加しまして、一部岡崎地区の未整備区間もあり、朝夕大変な交通渋滞が発生しております。
 そこで、都市計画道路である南港山東線の件でありますが、和歌山南港から和歌山市東山東の南海電車貴志川線山東駅南側の永山地区まで都市計画道路として決定され、現在和歌山市中島地域ではJR紀勢線との交差部において工事中であると聞き及んでおりますし、今後も引き続き山東方面に向かって工事が促進されることであろうと思いますけれども、この道路を東山東で中断させることなく、ぜひ貴志川町の国道四百二十四号線まで延長していただきたい。この件につきましても、泉佐野岩出線の南伸と同様に、先ほど申し上げました広域道路網計画の中で優先的に整備すべき道路として仮称・和歌山貴志川線として位置づけられております。ぜひ整備促進のための具体化をお願いしたい。
 さらにまた、都市計画道路である南港山東線と阪和自動車道の交差部には、県都和歌山市東部地域周辺の発展と国土軸との連絡を強化するため、全国各地を結ぶインターネットワーク道路としての阪和道路と直結するインターチェンジをぜひ設けていただくようご尽力いただけますよう、この件については要望いたします。
 第二点目の質問でありますが、和歌山LNG火力発電所関係であります。
 県は近々関西電力と環境保全協定を結ぶべく段取りを進められているように聞いておりますが、建設場所は和歌山市であり、その隣接町のみの立ち会いだけでよいと思っておられるのでしょうか。法的にはそうであるとしても、道義的にはどうなんでしょうか。那賀郡は小さな郡であります。那賀六町の面積が紀南地方の例えば古座川町に那賀郡をヘリコプターで持っていきますとすっぽり入るような、古座川町より小さい那賀郡であります。そんな小さな那賀郡に六町がありまして、さらにまた町と町との境界が複雑に出入りしている現状で、「那賀郡は一つ」の合い言葉のもとに、六町は本当に仲よき仲間として各方面で広域的事業に積極的に取り組んでおられます。もし仮に、那賀郡が一町であったらどうなりますか。
 聞くところによると、環境アセスメントの調査範囲は半径三十キロメートル以内だそうであります。和歌山LNG発電所から三十キロメートル以内には那賀郡が大体入ってしまうような位置にあります。したがって、単に行政区画のみで判断するのではなく、今回の場合、隣接はしていないけれども、桃山町を初めとする那賀郡全町の意見を聞いてしかるべきと思いますが、どうでしょうか。町民感情としても何か割り切れない感じがいたします。ご意見をお伺いしたいと思います。
 次に電源三法による交付金についてでありますが、和歌山LNG火力発電所の建設地である和歌山市と隣接自治体である海南市、岩出町、貴志川町、岬町、阪南市の二市三町には交付金が交付されますが、たとえ距離的には近くても隣接していなければ交付されない仕組みになっております。これについても、先ほど申し上げた環境保全協定同様何か割り切れなさを感じるところであり、法を曲げてでもとは申しませんが配慮していただく余地がないものか、お尋ねいたします。
 次に、大気汚染測定局の設置についてお伺いいたします。
 さきの隣接町への立地計画に関する関電や県への各町の意見具申の中で、環境監視のための公的測定局の設置要望に対して、粉河町へ一カ所設置するとの回答がありました。また、かんきつ、落葉果実等の樹木調査の実施要望に対しては、その必要なしとの回答であります。前にも申し上げましたが、那賀郡内にはいろいろ農作物があります。特に、特産物としての桃があります。発電所の煙突が地上百二十メートルと聞いておりますので、煙の到達距離は二十四キロから二十五キロだとお伺いしています。そうすると、煙の到達点は桃山町であり、粉河町の畑の真ん中に位置します。発電所として完全に自信があるならばなおのこと、事前に郡内に三カ所程度の測定局を設置すべきと思います。今までに梅対策に投じた費用や今後梅に必要とされる費用を考えれば安いものだと思いますが、ご所見をお伺いします。
 次に三点目の質問でありますが、貴志川ラインの水質保全についてお尋ねいたします。
 現在、貴志川町が確認している既設の産業廃棄物処分場が貴志川の支流である野田原川上流にあります。それらの処分場の歴史は古く、昭和四十五年ごろと聞いておりますが、また廃棄処分を行った会社も一流企業でありますので、決して不法投棄したものではないと思います。ただ、最近になって貴志川町の住民から町議会へ現状調査の請願があり、それを受けて町と町議会が水質保全検査を実施しましたが、今のところ測定値としては基準値以内ということでありました。しかしながら貴志川町としては、町民の生活飲料水の安全を確保することはもとより、水辺の生態系動植物を保全するためにも、将来にわたり不安を残さないためにも、貴志川町長名で平成十一年九月八日付をもって西口知事あてに処分場を撤去するよう相手企業名を挙げ指導していただくよう強く要望しておりますが、この現状をどのように認識され、今後どのようにお取り組みいただけるのか、お伺いいたします。
 次の問題といたしまして、こんな問題、話題のある中で、野田原川上流のほぼ同じ場所で、県管理とはいえ建設残土処分場をつくるとは何事かと思います。処分場用地は隣町の野上町であり、地区住民も大変協力的であると聞いておりますので、残念ながら貴志川町としてはあえて阻止すべきすべもありませんが、特に最近は至るところで産業廃棄物問題が勃発している中で、県当局として下流域住民に対し慎重の上にさらに慎重を期していただきたい、事業の執行に当たっては、さらに最善の注意を払っていただきたいと思いますが、どうお取り組みいただけるものか、お伺いいたします。
 また、その処分場の現状は雑木林の密集した谷の深い場所でありますが、それが百万立米という大変な土で、やがて平面となった場合、集中豪雨等により土石流が発生する危険性も危惧されます。砂防堤の築造等、防災面の配慮にも細心の注意が必要であります。今後、貴志川町の意見も十分取り入れるよう、協議には必ず加えていただくように対処すべきと思います。ご所見をお伺いいたします。
 続いて四点目の質問として、紀の川流域下水道事業についてお尋ねいたします。
 私がこの事業の存在を知ったのは昭和五十四年ごろだったと思いますので、二十年も前のことであります。いよいよ平成十三年四月には伊都処理区の終末処理場が完成して一部供用開始の運びとなるとのこと、この間の関係者の大変なご苦労には最大限の敬意を表したいと思います。
 そこで、現時点で流域の関係市町の面整備はどうなっているのでしょうか。処理場の稼働率との関係はどうなっているのか、お伺いいたします。
 次に、那賀処理区の事業であります。
 知事も、那賀処理区についてはいろんなところで積極的な発言をされていますので大変期待をしていたのでありますが、残念ながら平成十二年度予算を見る限りでは、その取り組みについては推測できません。当然ながら、流域六町に対する面整備の計画の指示もいまだなされていないようであります。伊都処理区の完成までの大変長い険しい道のりを振り返れば、那賀処理区の難しさも容易に想像できます。だからこそ、今具体的なアクションを起こしていただきたい。那賀郡六町の町長からは職員を派遣してでも協力するとの声も聞いておりますので、例えば那賀振興局内にプロジェクトチームをつくっていただくなり、何かの方法で郡民にアピールをしていただきたい。積極的な取り組みへの具体的な回答をお願いいたします。
 幾つもあって申しわけありませんが、第五点目の桃の振興策についてお尋ねいたします。
 和歌山の産物と言えば、すぐにミカン、梅が挙げられますが、県内の粗生産額をとってみると、桃もミカン、梅、カキに次いで四番目に位置しています。特に那賀地方の桃山町、粉河町は、桃を重要な産業としているところであります。ところが、桃は大変デリケートな果物であり、桃の生産地ではここ数年来、せん孔細菌病という病気に悩まされ続けております。風によって伝染する大変な病気によって桃の商品価値が下がり、出荷量が半減している状態であります。昨年も農業共済組合からの保険金を細々と受けて、じっと我慢している桃農家の悲痛な声が聞こえませんか。県は、紀南地方を中心とする梅に対しては手厚い助成策を講じられ、平成十二年度当初予算においても約二億六千五百万円を計上しております。梅に対してとやかく言うつもりはありません。しかし、紀北地方の特産物である桃に対しても真剣に対処していただきたい。病害虫などの被害を防止するための対策を初め、桃の振興策についてどのように考えられているのか、お伺いいたします。
 最後に、公共事業の執行に対する県当局の姿勢についてお尋ねいたします。
 公共事業は、申すまでもなく地域社会、地域住民に対して公的機関が実施する事業であります。特に、長引く不況の中で、県としても景気浮揚のため、平成十二年度予算でも見られるように必死の努力をしていただいております。
 そこで、県民の幸せのために行う公共工事、県勢浮揚の大きな要素を含んだ公共工事は、ぜひ県民の手で実施できるようお取り計らいをいただきたい。県内には、あらゆる業種において優秀な人材、企業がそろっています。事業の構想から設計、施工に至るまで、能力は十分だと私は確信を持っております。しかし、残念ながら現在まではそうとばかりは言えないようであります。あえてここで例を挙げませんが、もし事業規模によって能力不足と判断されてのことであるならば、ぜひ今後は、場合によっては特殊な技術を持つ一流企業との共同企業体等の形態も配慮し、県内業者の技術の向上、組織の強化に手を差し伸べてあげてほしいと思います。これが本当の「まごころ県政」であり、「元気わかやま」実現への近道であると思いますが、ご所見をお伺いしたい。
 次に、施工方法、特に土木工事の工法において、この厳しい社会情勢にタイミングを合わせて実施できないものか。
 一例を挙げますと、例えばここに排水路工事があるとします。小さなものから大きなものまで、ほとんどすべてがボックスカルバート、つまりコンクリートの二次製品であります。請負工事金額の大半が材料代であります。工事金額は上がっても、作業人数つまり労務費代はわずかであり、その大半が資材費で占められているのが現状であります。つまり、私の言いたいのは、ほんの少し前までは仮枠大工さんや鉄筋屋さんたちが現場で組み立て、生コン業者が現場でコンクリートを打ち、現場には活気がありました。みんなが生き生きとして働いていたものであります。こんな話をしますと、その辺からいっぱい反論が聞こえてくるのが手にとるようにわかります。例えば、工期の短縮であり、経費節減であり、工事費抑制であり、あるいは工事の精度のことを考えれば、おまえ何言うてるのや、時代に逆行やないかというような話がこの辺から聞こえてくるのがありありとわかります。
 そこで、本当に原点に立ち返って考えていただきたいのであります。県民のための工事、県勢浮揚のための公共工事であるならば、活性化のための工事であるならば、総予算の中で工事件数を抑えてでも地元業者を育成できるような施工方法をとっていただきたい。その対価、効果は著しいと思います。県当局のご所見をお伺いいたします。
 また、発注される工事における主要資材は和歌山県外のものが多々見られ、これもまた何人のための、だれのための公共事業かと思われるようなことが多く見られます。ここでも具体的な例は差し控えますが、県外の設計業者やコンサルタントが設計し、図面に参考品番が記入されていると、どうしても施工業者としては県当局の担当者の手前もあって図面どおりの製造業者の物品を買うことになります。その結果、県内の公共事業とはいいながら、でき上がってみればその大半が県外業者の製品で占められていたという現象を、私は何度となく目の当たりにしました。重ねてくどくど申し上げますが、業界が少しでも元気が出るよう格段の配慮を願うものであります。
 以上六点にわたる質問を終わりますが、特に六番目の最後の質問の県の姿勢については、知事ご本人からご所見をお伺いしたいと思います。
 どうも、ご清聴ありがとうございました。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 山田議員にお答えをいたします。
 まず公共事業についてでありますけれども、公共事業は、議員のご指摘にもございましたように、現在の厳しい不況下での県勢浮揚のために大きな役割を担っているものと思うわけでございます。県産業の中で大きなウエートを占める建設産業に頑張っていただくことは県経済の活性化につながることになりますから、県内業者への優先的な発注には今までも心がけ、これからも心がけてまいりたいと存じております。厳しい財政状況の中ではありますが、ゆとりと豊かさを実感できる県土の構築を目指して、質の高い社会基盤の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
 詳細につきましては土木部長から、他の問題については関係部長から答弁をさせていただきます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず初めに、府県道泉佐野岩出線及び都市計画道路南港山東線についての三点のご質問に順次お答えいたします。
 県道泉佐野岩出線の改良事業につきましては、国道二十四号から府県境部までの六・六キロメートルのうち備前から根来までの工区は約九六%の用地を取得し、工事の進捗を図っているところであります。
 また、府県境部の根来から押川までの工区は地籍調査を行っておりまして、登記の可能なところから順次用地買収を進めているところであります。今後とも、地元の協力を得ながら、両工区の早期完成に向け努力してまいります。
 次に県道泉佐野岩出線の南伸についてでございますが、岩出町から海南市に至る広域的な路線として認識しております。今後、関係する市町の町づくりをもとに、将来の土地利用計画や交通需要を含め、路線の位置づけについて検討してまいりたいと考えております。
 また都市計画道路南港山東線の東伸については、県道和歌山橋本線が既に二車線道路として改良済みであることから、今後地域開発など土地利用の動向や交通需要に応じて検討してまいります。
 続きまして、三項目めの貴志川ラインの水質保全についてのご質問のうち、県管理建設残土処分場についてお答えいたします。
 和歌山県内で発生する建設残土の処分につきましては、適正な処理と処分費用の低減を図る目的から、県管理としての公的処分場の整備を進めているところであります。
 貴志川上流につきましては、紀北地域における候補地の一つとして選定し、事業化の可能性について現在調査しているところであります。建設残土は産業廃棄物ではありませんので、公的処分場の整備についてご理解をいただけるよう、地域関係住民及び関係機関とも十分に協議を進めてまいります。
 なお、防災面や施設の構造についても、地形の状況を十分調査の上計画し、適正に管理された公的処分場の設置を考えております。
 続きまして、四項目めの紀の川流域下水道事業について、二点のご質問に順次お答えいたします。
 まず伊都処理区につきましては、関係一市三町の処理予定面積二千八百三十五ヘクタールを全体計画として、現在終末処理場建設工事及び幹線管渠工事を進めているところでございます。市町が実施する住居周辺の管渠整備、いわゆる面整備につきましては、当初実施計画面積九百六十八ヘクタールのうち約四八%の整備が終了し、平成十三年四月一部供用開始に向け、急ぎ作業を進めております。今後は、市町の面整備の進捗を見ながら、段階的に処理施設の増設を図ってまいります。
 次に那賀郡六町を対象とした那賀処理区につきましては、終末処理場の位置決定について関係町と協議を進めているところであります。また、処理区域の範囲、中継ポンプ場の位置等についても、六町と協議を行いつつ基本計画の策定作業を進めているところでございます。今後も、地元関係者の方々のご理解を得ながら都市計画決定等の法的手続を進め、早期事業化に向けて取り組んでまいります。
 また体制づくりにつきましては、現在岩出町より職員の派遣を受けており、今後、作業の推移を見ながら関係町へ協力をお願いしたいと考えております。
 続きまして、六項目めの公共事業の執行についてのうち、二点目、県内業者最優先にすべきとのご質問にお答えいたします。
 大規模でかつ技術的難易度の高い五億円以上の土木工事につきましては、県外大手建設業者と県内建設業者があらかじめ特定建設工事共同企業体を結成して入札に参加する公募型指名競争入札を行っています。その際、県内業者につきましては、必ず構成員となるように公募条件を設定しているところであります。五億円未満の工事や設計、コンサルタント業務等につきましては、県内業者が優先的に入札に参加できるよう可能な限り分離分割発注を行っているところであります。
 次に施工方法の見直しについてですが、現状の建設業界は熟練労働者の減少、労働者の高齢化など多くの問題を抱えています。さらに、所定の品質の確保、コスト縮減、迅速な工事の実施など施工の合理化が求められています。このような状況から、コンクリート二次製品の活用は県が重点的に取り組んでいる公共工事のコスト縮減対策の施策として現在積極的に進めているところでありますが、議員ご指摘の件につきましては、施工地の条件に応じてその適応性について検討してまいりたいと考えています。
 次に主要資材の県内業者優先のための弾力的な配慮についてですが、土木部では、県外のゼネコンを初め県内業者に対して、下請の発注や建設工事に使用する資材、建設機械または仮設機材のリース及び運送業者の調達に当たっては県内の業者を優先的に選定するよう業界に要請をしているところであります。
 なお、県産品の優先使用につきましては、特記仕様書などで明記し積極的活用を図ってまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 山田議員のご質問にお答えいたします。
 まず、和歌山LNG火力発電所の建設についてのうち周辺自治体との環境保全協定についてでございますが、和歌山県公害防止条例第九条において、「必要があるときは、公害の防止に関する協定を締結するよう努めなければならない」とされてございます。
 和歌山発電所に係る環境保全協定につきましても、地域住民の健康を守り、快適な生活環境の保全を図るため、立地市町村及び県が甲、事業者が乙となり、隣接市町村が立会人となることを基本として、県として広域的な視点を踏まえながら、行政としての責任のもとに、地元の和歌山市とともに事業者である関西電力株式会社と締結を交わすことといたしております。もとより県といたしましては、事業者である関西電力に対しまして環境保全協定を遵守するよう強く指導し、さらに地域の環境保全に努めてまいる所存でございます。
 続きまして、和歌山LNG発電所建設に係る大気汚染観測局の設置についてでございますが、県といたしましては平成十一年度に大気汚染常時監視地域の拡充を図るため粉河町に監視局を設置したところでございます。また関西電力株式会社では、LNG火力発電所の稼働前後の環境監視計画といたしまして、大気汚染の監視局を岩出町及び貴志川町に設置すると聞いてございます。今後は、関係町とも協議しながら、監視地点等観測体制について事業者に強く要望してまいりたいと考えてございます。
 最後に、貴志川ラインの水質保全についての、貴志川上流の既存産業廃棄物処理場の現状認識についてお答えいたします。
 議員ご指摘の最終処分場は、現行の廃棄物処理法が施行される以前の処分場であり、そのうち一カ所は現在も使用されているものでございます。これらの処分場につきましては、生活環境保全上支障のないよう適正な管理を指導してきたところであります。
 なお、貴志川町民の生活飲料水として使用されていることを重く受けとめ、今後とも放流水の監視を行うとともに、適正管理について強く指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 和歌山LNG火力発電所の建設のうち、電源三法交付金についてお答えいたします。
 電源三法交付金について、那賀郡六町を一体として扱えないのかというご質問でありますが、発電用施設周辺地域整備法の中では、原則として立地市及びこれに隣接する市町村の区域について、電源立地促進対策交付金による公共用施設の整備計画を知事が作成することとされています。今後、法律に基づき立地市である和歌山市並びに隣接する貴志川町、岩出町及び海南市の区域について、これら市町の意見を聞きながら整備計画を作成し、地域の整備を図ってまいりたいと考えています。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 桃に対する振興策についてお答えいたします。
 桃につきましては、那賀郡を中心とした紀北地域の基幹品目であり、本県農業にとりましても、温州ミカン、梅、カキとともに重要な作物であると考えてございます。しかしながら、議員お話しのように、近年、せん孔細菌病の多発や核割れ果の発生など克服すべき課題も多くございます。こうした技術的な課題を解決するため、平成九年三月に生産者、農協、県で和歌山県桃研究協議会を組織するとともに、現地試験の成果をまとめた「モモ栽培マニュアル」や研究の成果集などを作成し生産者へ配付するなど、その周知徹底を図ってございます。また、せん孔細菌病対策として、県単独事業の和歌山の果樹若返り対策事業を活用し、防風ネットの設置を推進するとともに、果樹園芸試験場における効果的な防除試験や病害虫の発生予察情報に基づく防除指導を実施しているところでございます。さらに、管理作業の省力化を図るため、園内作業道、光センサー式選果機や予冷施設の整備を初め、低樹高化やスピードスプレーヤー等の導入による機械化を推進してございます。
 なお、本年六月には生産者団体主催の全国モモ研究大会が那賀郡内で開催されることとなってございまして、このような機会も活用して和歌山県の桃情報を全国に発信し、生産者団体と一体となって産地の体質強化を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二番山田正彦君。
○山田正彦君 この二回目の発言には、私なりに多少ちゅうちょした面があります。そこの前へ言って申し上げたいんですが、申し合わせらしくて、自席でおしりを向けて済みません。それと西口知事、大変遠くて申しわけございません。せっかく発言の時間をいただきましたし、めったにないことでありますし、あと十分残っておりますので、先ほど申し上げたように一年間議会へ寄せていただいたその総括というか個人的な見解も少し含めて発言させていただきます。お許しください。
 そういうことで、私は過去三回、定例会を経験いたしましたし、また私の前までの各先輩議員の多方面にわたる活発な質問、それに対する知事初め各部局長の答弁を拝聴いたしました。一年生議員として耳新しい事柄も大変多く、私自身、大変勉強になりました。また、私に対しても先ほどからご回答いただき、ありがとうございました。
 ただ、私、一年生議員としての、あるいは一年生議員であるからこそ言える素直な素朴な感想を率直に申し上げたいと思います。
 質問者は、おのおのの思いを持って、各地域の代表として熱弁を振るわれております。ところが執行部からは、多少立場の違いがありましょうが、総論的、抽象的な回答がどうも私には目立って聞こえ、論点に少しずれがあるんではないかなと思います。私の胸にも熱い思いが伝わってきません。これは、私の浅はかな、あるいは感受性、理解力が乏しいせいだけでありましょうか。
 私の尊敬するある町長がよく言われている言葉に、こういう言葉があります。「執行部と議会は車の両輪である」と、絶えずおっしゃっています。私も、これについては全く同感であります。この厳しい財政の中で西口知事から提案される議案は、どれもこれも県勢浮揚のためであり、県発展のためであり、県民の幸せを願うものばかりであろうと思います。そうであれば、議会としてもこの場において大いに議論し、慎重に審議され、それが可決されたならば私たち議員も県民に対して大変重い責任を負うのは当然のことであります。したがって、お互いが緊張感を保ちながらも、その車輪の役目を果たさなければなりません。
 私の今申し上げた両輪論ということには、ご理解、ご賛同をいただけますでしょうか。ご賛同いただけるものとして、それでは今の両輪は良好な関係、良好な機能を果たしているでしょうか。私には、多少ならず疑問が残ります。自分側の輪のタイヤはメンテナンスをしているかもしれません。しかし、もう一方の輪のタイヤはどうでしょうか。空気圧、またタイヤに傷がないか、注意深くメンテナンスをされているでしょうか。
 最近、県を含むいろんな難問が噴き出ています。県行政を取り巻く難しい問題が多発しております。私の目には、残念ながらも両輪はベストの状態であるようには見えません。緊張を保ちながらも、お互いの輪には最大限の配慮をすべきであります。二十一世紀に向かって額に汗して、険しい山道やイバラの道であっても力強く邁進すれば、県民はその姿を必ず見ています。そこで初めて、県行政を身近に感じていただけるものだと思います。
 県として県民の幸せのために何ができるかということも大事でありますが、この厳しい財政状況の中、県勢浮揚、県勢発展のために県民も県政に積極的に参加していただき、その同じ痛みを分かち合っていただく努力を勇気を持ってすべきではないでしょうか。少々、口に過ぎた言葉になりまして申しわけございませんが、私は今後とも私の信条として言うべきことは恐れず申し上げていきたいと思います。
 要は、私が何をしゃべったかということではなくて、何を言いたいかということを聡明、賢明な諸先輩には篤とご推察いただけたらと思います。西口知事運転の名車が、力強く、順調に、輝く和歌山県実現のためにさらなるご精進をされるよう、強力な指導力を発揮されるよう切にお願いし、要望いたします。
 最後に、この発言の機会を与えていただいた議長並びに先輩各議員に対して心からお礼を申し上げ、またこの発言できる場へ送っていただきましたたくさんの支持者の皆さんに感謝を申し上げ、終わります。ありがとうございました。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で山田正彦君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時五十九分散会

このページの先頭へ